JPH06178492A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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Publication number
JPH06178492A
JPH06178492A JP35168392A JP35168392A JPH06178492A JP H06178492 A JPH06178492 A JP H06178492A JP 35168392 A JP35168392 A JP 35168392A JP 35168392 A JP35168392 A JP 35168392A JP H06178492 A JPH06178492 A JP H06178492A
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JP
Japan
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lubricant
radial
gap
dynamic pressure
pressure bearing
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP35168392A
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English (en)
Inventor
Yoshito Oku
義人 奥
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Publication date
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Priority to US08/122,194 priority patent/US5457588A/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動圧ラジアル軸受から潤滑剤が漏出してモー
タ外部の空間を汚染することを防止する。 【構成】 スリーブ部材20を固定支柱14に外嵌す
る。円筒面形状のラジアル滑部20aとラジアル受部1
0cとの間に、ラジアル動圧軸受部38、潤滑剤保持用
間隙部40及び拡大間隙部42を設ける。ラジアル動圧
軸受部38に液状の潤滑剤39を介装する。ラジアル動
圧軸受部38は、スリーブ部材20の順方向回転により
潤滑剤39に荷重支持圧を発生させる。潤滑剤保持用間
隙部40は、ラジアル動圧軸受部38に隣接し、それよ
りも径方向間隙が大きい。拡大間隙部42は、更に径方
向間隙が拡大され、ラジアル動圧軸受部38の他側に隣
接する。潤滑剤保持用間隙部40の径方向間隙は、ラジ
アル動圧軸受部38から漏出した潤滑剤39が毛管現象
により潤滑剤保持用間隙部40に保持され得る程度とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸体に対しスリーブ体
が、潤滑剤を介して自在に相対回転し得るように外嵌さ
れたスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】パーソナルコ
ンピュータ等の機器の一層の小形化、高容量化により、
それらに組み込まれる記録媒体(例えばハードディス
ク)駆動用のスピンドルモータについても、一層の小形
化、高精度化が要請されている。そしてそれに伴い、ス
ピンドルモータの軸受についても一層の小形化、高精度
化が要求されている。
【0003】従来、スピンドルモータに用いる軸受とし
ては、玉軸受が多く採用されている。ところが、スピン
ドルモータの小形化、特に小外径化が進行すると、それ
に見合う小外径の玉軸受を用いたのでは、モータ組立時
に内外輪の変形が生じ易いこと等により、十分な回転精
度を実現することが実際上困難なものとなりがちであ
る。また騒音や振動の問題も起こり易い。
【0004】記録媒体駆動用のスピンドルモータの場
合、小外径化に伴い高速回転が要求されるので、これら
の問題が一層助長される。さらに、外径の大小にかかわ
らず、玉軸受の精度には限界があり、要求仕様を満足し
ない場合が考えられる。
【0005】そのため、主として小形のスピンドルモー
タとして、ロータハブ部の基部の内周側に回転スリーブ
部を有し、その回転スリーブ部が固定支柱部に外嵌され
て回転自在に支持されることにより動圧ラジアル軸受が
構成されているスピンドルモータが提案されている。
【0006】ところが、回転駆動される記録媒体面上に
磁気ヘッド等をミクロン或はサブミクロンオーダで浮上
させて読み/書きを行うためのスピンドルモータの場合
などにおいては、軸受の潤滑剤が飛散して記録媒体面等
を汚損するおそれが効果的に防がれなければならない。
【0007】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、潤滑剤が漏出してモータ外部の空間を汚染する
ことが効果的に防止され得る、動圧ラジアル軸受利用の
スピンドルモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスピンドルモータは、略円筒面形状外周部
を有してなる軸体と、その略円筒面形状外周部に外嵌さ
れた略円筒面形状内周部を有してなるスリーブ体とを備
えてなり、軸体に対しスリーブ体が、潤滑剤を介して自
在に相対回転し得るスピンドルモータであって、前記略
円筒面形状外周部と略円筒面形状内周部との間隙部に、
軸体に対するスリーブ体の相対回転により、介装された
潤滑剤に荷重支持圧を発生させるラジアル動圧軸受部
と、そのラジアル動圧軸受部よりも径方向間隙が大きい
潤滑剤保持用間隙部と、その潤滑剤保持用間隙部よりも
更に径方向間隙が拡大された拡大間隙部とを有し、潤滑
剤保持用間隙部の軸線方向一側はラジアル動圧軸受部に
隣接し、他側は拡大間隙部に隣接し、潤滑剤保持用間隙
部の径方向間隙は、ラジアル動圧軸受部から漏出した潤
滑剤が毛管現象により潤滑剤保持用間隙部に保持され得
る程度としている。
【0009】
【作用】軸体に対しスリーブ体が相対回転すると、軸体
の略円筒面形状外周部とスリーブ体の略円筒面形状内周
部との間隙部のうちラジアル動圧軸受部は、介装された
潤滑剤に荷重支持圧を発生させると共に、回転停止状態
において隣接する潤滑剤保持用間隙部に潤滑剤が漏出し
ていた場合、その潤滑剤をラジアル動圧軸受部内に取り
込む。
【0010】回転が停止し、軸体とスリーブ体との間に
相対的な傾斜が生じた場合、ラジアル動圧軸受部におい
て保持しきれない潤滑剤は、そのラジアル動圧軸受部に
隣接するところの、径方向間隙が拡大された潤滑剤保持
用間隙部に漏出する。しかしながらその潤滑剤は、毛管
現象により潤滑剤保持用間隙部に保持され、それに隣接
するところの、更に径方向間隙が拡大された拡大間隙部
へと流出することは防止される。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の1実施例としての軸固定形の記録
媒体駆動用のスピンドルモータの断面図、図2は、その
要部拡大図である。対象となる記録媒体としては、ハー
ドディスクや、それ以外の種々の記録媒体を挙げること
ができる。
【0012】固定支柱10(軸体)は、下端外周部に記
録媒体駆動装置の基盤等に固定する際に用いられる雌螺
子部10aを有し、その上方に環状張出部10bを有
し、その上方の外周部に、円筒面形状をなすラジアル受
部10c(略円筒面形状外周部)を有する。ラジアル受
部10cの上方は、外径が縮径された縮径部10dとな
っている。
【0013】環状張出部10dの外周部には、略円筒状
の第1ブッシュ12が、例えば焼き嵌めやかしめ等によ
り外嵌固定され、その第1ブッシュ12の外周部に、ス
テータコイル14が捲回されたステータコア16が固定
されている。第1ブッシュ12の下端面には、ステータ
コイル14の引出し部が接続されたフレキシブル回路基
板18が接着固定されている。
【0014】なお、環状張出部10bは、固定支柱10
に一体的に形成されている。環状張出部10bを別体と
すると、例えば固定支柱10の下端部を記録媒体駆動装
置の基盤等における取付け孔に挿通させ、雌螺子部10
aにナットを締付けて基盤等に固定支柱10を固定しよ
うとする際に、環状張出部10bの固定状態が損なわれ
るおそれがあるからである。
【0015】スリーブ部材20(スリーブ体)は、上端
部の外径が拡開された略円筒形状をなし、内周部は、全
体として小径の略円筒面形状をなすラジアル滑部20a
(略円筒面形状内周部)と、その上方において拡径され
た中内径部20bと、中内径部20bの上方において更
に拡径された大内径部20cからなる。ラジアル滑部2
0aの上部及び下部における環状部分に、ヘリングボー
ン溝22が設けられている。ラジアル滑部20aのうち
潤滑剤保持用環状部24は、軸線方向長さが短く内径が
ヘリングボーン溝22が形成された円筒状内周面よりや
や拡径されている。各潤滑剤保持用環状部24の軸線方
向一側はヘリングボーン溝22に隣接し、他側は、潤滑
剤保持用環状部24よりも内径が拡径された拡大環状部
26・26aに隣接している。3個所の拡大環状部26
・26aのうち上のヘリングボーン溝22の上方に位置
する拡大環状部26aは、面取り部として形成されると
共に表面が撥油処理され、上下ヘリングボーン溝22の
中間及び下のヘリングボーン溝22の下方に位置する拡
大環状部26は、溝状に形成されている。そして下側の
拡大環状部26は、その内表面が撥油処理されている。
【0016】ロータハブ28は、強磁性材料製であっ
て、略カップ形状をなす。ロータハブ28の周壁部28
aの上端部内方に、中央部が円形に開口する基部28b
が位置し、周壁部28aの下端外方に外方張出部28c
が位置する。このロータハブ28は、基部28bにおい
てスリーブ部材20の上端部に外嵌固定されることによ
り、スリーブ部材20と同軸状をなしている。ロータハ
ブ28とスリーブ部材20が一体に形成されたものであ
っても差し支えない。周壁部28aの内周部には、基部
28b下面との間に環状の高さ調製用スペーサ30を挟
んだ状態で円筒状のロータマグネット32が内嵌固定さ
れている。基部28bには、周壁部28aに外嵌された
ハードディスク等の記録媒体を外方張出部28cとの間
に挟圧保持するためのクランパ(図示を略す。)を螺子
止めするための螺子孔34が形成されている。基部28
bの下面に接着固定されたシール板36は、螺子孔34
の下端開口を閉塞するためのものである。
【0017】スリーブ部材20は、固定支柱10に外嵌
され、ヘリングボーン溝22とラジアル受部10cとの
間隙部、すなわちラジアル動圧軸受部38に、液状の潤
滑剤39が注入により介装されている。ラジアル動圧軸
受部38は、スリーブ部材20の順方向回転により、そ
こに介装された潤滑剤39に荷重支持圧を発生させる。
特に、ヘリングボーン溝22により、その荷重支持圧が
高められる。なお、このようなヘリングボーン溝は、固
定支柱10のラジアル受部10cに設けてもよい。また
ヘリングボーン溝以外の溝を採用することも可能であ
る。
【0018】潤滑剤保持用環状部24とラジアル受部1
0cとの間隙部、すなわち潤滑剤保持用間隙部40は、
ラジアル動圧軸受部38よりも径方向間隙が大きく、拡
大環状部26とラジアル受部10cとの間隙部、すなわ
ち拡大間隙部42は、潤滑剤保持用間隙部40よりも更
に径方向間隙が拡大されている。そして潤滑剤保持用間
隙部40の径方向間隙は、ラジアル動圧軸受部38から
漏出した潤滑剤39が毛管現象により潤滑剤保持用間隙
部40に保持され得る程度である。
【0019】環状のスラスト板44は、固定支柱10の
縮径部10dの下端部に外嵌固定されている。スラスト
板44の上下面は、固定支柱10のラジアル受部10c
に対し垂直状をなす。スリーブ部材20の大内径部20
cに、内周部が縮径部10dとの間に僅かな径方向間隙
を隔てる状態で第2ブッシュ46が内嵌固定されてい
る。そして、第2ブッシュ46とスリーブ部材20によ
って中内径部20bの内側に形成された径方向内方開口
の環状凹部48内に、スラスト板44の外周側が嵌合し
ている。また第2ブッシュ46の内周部のうち軸線方向
中間位置に、径方向内方開口の環状溝部50が設けられ
ることにより、固定支柱10の縮径部10dの外周面と
の間がラビリンスシールに構成されている。なお、第2
ブッシュ46の内周面は、撥油処理が施されている。
【0020】スラスト板44の上下環状面(アキシャル
受部)と環状凹部48の上下環状面(アキシャル滑部)
とにより、それぞれアキシャル動圧軸受部A1・A2が
構成されている。スラスト板44の上下環状面と環状凹
部48の上下環状面はそれぞれ平行状に相対し、それら
の間は、それぞれ例えば12μm程度の僅かな軸線方向
ギャップを隔てている。スラスト板44の上下環状面の
うち外周側における全周に亙って、ヘリングボーン状溝
(図示を略す。)が設けられている。このヘリングボー
ン状溝は、スリーブ部材20及び第2ブッシュ46の順
方向回転により、環状凹部48の上下環状面との間に注
入介装された液状の潤滑剤に高圧を発生させる。なお、
このようなヘリングボーン状溝は、環状凹部48の上下
環状面に設けてもよい。またヘリングボーン状溝以外の
溝を採用することも可能である。
【0021】このようにして、固定支柱10及びステー
タコア16等に対し、スリーブ部材20及びロータハブ
28等が、ステータコア16とロータマグネット32が
径方向間隙を隔てて相対する状態で潤滑剤を介して自在
に回転し得るよう構成されている。ラジアル動圧軸受部
38によって、スリーブ部材20の回転中における固定
支柱10に対する径方向変位を十分に小さく抑えること
ができ、アキシャル動圧軸受部A1・A2によって、ス
リーブ部材20の回転中における固定支柱10に対する
軸線方向変位を十分に小さく抑えることができる。
【0022】固定支柱10に対しスリーブ部材20が相
対回転すると、ラジアル動圧軸受部38は、そこに介装
された潤滑剤39に主としてラジアル方向の荷重支持圧
を発生させると共に、回転停止状態において隣接する潤
滑剤保持用間隙部40に潤滑剤39が漏出していた場
合、その潤滑剤39をラジアル動圧軸受部38内に取り
込む。
【0023】回転が停止し、固定支柱10とスリーブ部
材20軸体との間に相対的な傾斜が生じた場合、ラジア
ル動圧軸受部38において保持しきれない潤滑剤39
は、そのラジアル動圧軸受部38に隣接する潤滑剤保持
用間隙部40に漏出する。しかしながら、その潤滑剤3
9は、その潤滑剤保持用間隙部40に毛管現象により保
持される。潤滑剤39が更にそれに隣接する拡大間隙部
42へと流出しようとしても、そのような流出は、潤滑
剤39の表面張力により防止される。また、第2ブッシ
ュ46の内周部と固定支柱10の縮径部10dの外周面
との間のラビリンスシールにより、アキシャル動圧軸受
部A1からの潤滑剤の漏出が防がれる。そのため、潤滑
剤が漏出してモータ外部の空間を汚染することが効果的
に防止される。
【0024】図3は、本発明の別の実施例としての軸固
定形の記録媒体駆動用のスピンドルモータの断面図、図
4は、その要部拡大図である。対象となる記録媒体とし
ては、ハードディスクや、それ以外の種々の記録媒体を
挙げることができる。
【0025】ブラケット60の中央部に設けられた嵌合
孔62に、略円柱状の固定支柱64の下端部が嵌合固定
された状態で、その固定支柱64がブラケット60に対
し垂設されている。
【0026】ブラケット60における嵌合孔62の外周
部には、上方に突起した環状突部60aが設けられてお
り、その環状突部60aの外周部に、ステータコイル6
8が捲回されたステータコア69が固定されている。ス
テータコイル68の引出し部68aは、ブラケット60
に設けられた引出し孔71を通じてブラケット60の下
面に固定された回路基板70に接続されている。ブラケ
ット60の外周部は、フランジ部60bに形成され、環
状突部60aとの間に環状溝部72が形成されている。
【0027】固定支柱64の上部は、外径が縮径された
縮径部64aに形成されている。縮径部64aの下端部
に、環状板状のスラスト板74が外嵌固定され、更にそ
のスラスト板74の上側において、縮径部64aに円筒
体76が外嵌固定されている。スラスト板74のうち径
方向外方に張り出した部分の上下環状面は、円筒体76
の外周部を構成する円筒面形状のラジアル受部76a
(略円筒面形状外周部)に対し垂直状をなす。この実施
例では、これらの固定支柱64及び円筒体76が、軸体
を構成している。
【0028】スリーブ部材78は円筒体76に外嵌さ
れ、スリーブ部材78の内周部を構成するところの、略
円筒面形状をなすラジアル滑部78a(略円筒面形状内
周部)が、ラジアル受部76aに相対している。ブッシ
ュ80は、環状基部80aと、その外周部上方に延設さ
れた周壁部80bからなり、周壁部80bの上部におい
てスリーブ部材78の外周下部に外嵌固定されている。
それによって、スリーブ部材78の下端面とブッシュ8
0の環状基部80aの上面と周壁部80bの内周面とに
より、径方向内方開口の環状凹部82が形成され、その
環状凹部82内にスラスト板74が嵌合している。この
実施例では、これらのスリーブ部材78及びブッシュ8
0が、スリーブ体を構成している。
【0029】ラジアル滑部78aの上部及び下部におけ
る環状部分に、ヘリングボーン溝84が設けられてい
る。ラジアル滑部78aのうち潤滑剤保持用環状部86
は、軸線方向長さが短く内径がヘリングボーン溝84が
形成された円筒状内周面よりやや拡径されている。各潤
滑剤保持用環状部86の軸線方向一側はヘリングボーン
溝84に隣接し、他側は、潤滑剤保持用環状部86より
も内径が拡径された拡大環状部88a・88b・88c
に隣接している。3個所の拡大環状部88a・88b・
88cのうち、上のヘリングボーン溝84の上方及び上
下ヘリングボーン溝84の中間に位置する拡大環状部8
8a・88bは溝状に形成され、下のヘリングボーン溝
84の下方に位置する拡大環状部88cは面取り部とし
て形成されている。
【0030】ヘリングボーン溝84とラジアル受部76
aとの間隙部、すなわちラジアル動圧軸受部90に、液
状の潤滑剤92が注入により介装されている。ラジアル
動圧軸受部90は、スリーブ部材78の順方向回転によ
り、そこに介装された潤滑剤92に荷重支持圧を発生さ
せる。特に、ヘリングボーン溝84により、その荷重支
持圧が高められる。なお、このようなヘリングボーン溝
は、円筒体76のラジアル受部76aに設けてもよい。
またヘリングボーン溝以外の溝を採用することも可能で
ある。
【0031】潤滑剤保持用環状部86とラジアル受部7
6aとの間隙部、すなわち潤滑剤保持用間隙部94は、
ラジアル動圧軸受部90よりも径方向間隙が大きく、拡
大環状部88a・88b・88cラジアル受部76aと
の間隙部、すなわち拡大間隙部96は、潤滑剤保持用間
隙部94よりも更に径方向間隙が拡大されている。そし
て潤滑剤保持用間隙部94の径方向間隙は、ラジアル動
圧軸受部90から漏出した潤滑剤92が毛管現象により
潤滑剤保持用間隙部94に保持され得る程度である。
【0032】スラスト板74の上下環状面(アキシャル
受部)と環状凹部82の上下環状面(アキシャル滑部)
とにより、それぞれアキシャル動圧軸受部A4・A6が
構成されている。スラスト板74の上下環状面と環状凹
部82の上下環状面はそれぞれ平行状に相対し、それら
の間は、それぞれ例えば12μm程度の僅かな軸線方向
ギャップを隔てている。スラスト板74の上下環状面の
うち外周側における全周に亙って、ヘリングボーン状溝
(図示を略す。)が設けられている。このヘリングボー
ン状溝は、スリーブ部材78及びブッシュ80の順方向
回転により、環状凹部82の上下環状面との間に注入介
装された液状の潤滑剤に高圧を発生させる。なお、この
ようなヘリングボーン状溝は、環状凹部82の上下環状
面に設けてもよい。またヘリングボーン状溝以外の溝を
採用することも可能である。
【0033】円筒体76のラジアル受部76aの外周部
には、径方向外方へ開口する第1凹溝98が、全周に亙
って設けられている。任意の横断面において、第1凹溝
98の下端縁の軸線方向位置は、拡大環状部88aのほ
ぼ中央部であり、拡大環状部88aの上端縁の軸線方向
位置は、第1凹溝98のほぼ中央部であって、両者の両
端縁の位置がそれぞれ食い違った状態で向かい合ってい
る。なお、拡大環状部88a及び第1凹溝98の内表面
にはそれぞれ撥油処理が施されている。
【0034】また、固定支柱64の基部64bにおける
外周上部には、径方向外方へ開口する周方向の第2凹溝
100が、全周に亙って設けられ、ブッシュ80の基部
80aの内周部には、径方向内方へ開口する周方向の第
3凹溝102が、全周に亙って設けられている。任意の
横断面において、第2凹溝100の上端縁の軸線方向位
置は、第3凹溝102のほぼ中央部であり、第3凹溝1
02の下端縁の軸線方向位置は、第2凹溝100のほぼ
中央部であって、両者の両端縁の位置がそれぞれ食い違
った状態で向かい合っている。なお、第3凹溝102及
び第2凹溝100の内表面には、それぞれ撥油処理が施
されている。
【0035】ロータハブ104は、略カップ形状をな
す。ロータハブ104の周壁部104aの上端部内方
に、中央部が円形に開口する基部104bが位置し、周
壁部104aの下端外方に外方張出部104cが位置す
る。このロータハブ104は、基部104bにおいてス
リーブ部材78の上部に外嵌固定されることにより、ス
リーブ部材78と同軸状をなしている。ロータハブ10
4とスリーブ部材78が一体に形成されたものであって
も差し支えない。周壁部104aの内周部には、円筒状
のロータマグネット106を内嵌保持したロータヨーク
108が内嵌固定されている。基部104bには、周壁
部104aに外嵌されたハードディスク等の記録媒体を
外方張出部104cとの間に挟圧保持するためのクラン
パ(図示を略す。)を螺子止めするための螺子孔110
が形成されている。
【0036】このようにして、固定支柱64、円筒体7
6及びステータコア69等に対し、スリーブ部材78、
ブッシュ80及びロータハブ104等が、ステータコア
69とロータマグネット106が径方向間隙を隔てて相
対する状態で潤滑剤を介して自在に回転し得るよう構成
されている。ラジアル動圧軸受部90によって、スリー
ブ部材78等の回転中における固定支柱64等に対する
径方向変位を十分に小さく抑えることができ、アキシャ
ル動圧軸受部A4・A6によって、スリーブ部材78及
びブッシュ80等の回転中における固定支柱10及び円
筒体76等に対する軸線方向変位を十分に小さく抑える
ことができる。
【0037】また、ブラケット60に設けられた貫通孔
112内に、回路基板70上に固定された磁極位置検出
用のホールIC114が位置し、このホールIC114
が、貫通孔112の上部開口を閉塞するシール板116
を介して、ロータマグネット106の下端部と軸線方向
に相対している。
【0038】円筒体76に対しスリーブ部材78が相対
回転すると、ラジアル動圧軸受部90は、そこに介装さ
れた潤滑剤92に主としてラジアル方向の荷重支持圧を
発生させると共に、回転停止状態において隣接する潤滑
剤保持用間隙部94に潤滑剤92が漏出していた場合、
その潤滑剤92をラジアル動圧軸受部90内に取り込
む。
【0039】回転が停止し、円筒体76とスリーブ部材
78との間に相対的な傾斜が生じた場合、ラジアル動圧
軸受部90において保持しきれない潤滑剤92は、その
ラジアル動圧軸受部90に隣接する潤滑剤保持用間隙部
94に漏出する。しかしながら、その潤滑剤92は、毛
管現象により潤滑剤保持用間隙部94に保持され、潤滑
剤92が更にそれに隣接する拡大間隙部96へと流出し
ようとしても、それは潤滑剤92の表面張力により防止
される。
【0040】また、上側のラジアル動圧軸受部90の潤
滑剤92が、その上方の潤滑剤保持用間隙部94から更
に上方へ流出することは、2点鎖線118で示されるよ
うに、拡大環状部88aにおける下端縁と第1凹溝98
における下端縁との間で、その潤滑剤92の表面張力に
より阻止される。これが1段目のシールとして作用し、
万一この1段目のシールが損なわれて拡大環状部88a
に潤滑剤92が充満するに至った場合でも、潤滑剤92
の流動は、2点鎖線120で示されるように、拡大環状
部88aにおける上端縁と第1凹溝98における下端縁
との間で、その潤滑剤92の表面張力により阻止され、
これが2段目のシールとして作用する。
【0041】アキシャル動圧軸受部A6における潤滑剤
は、固定支柱64の基部64bとブッシュ80の基部8
0aとの間隙を、毛管現象等により下方へ流動しようと
する。アキシャル動圧軸受部A6の側から下向きに流動
してきた潤滑剤の流動は、2点鎖線122で示されるよ
うに、最初に基部64bと基部80aとの間隙が広がる
位置において、すなわち第3凹溝102における上端縁
と第2凹溝100における上端縁との間で、その潤滑剤
の表面張力により阻止され、これが1段目のシールとし
て作用する。この1段目のシールが損なわれて第3凹溝
102内に潤滑剤が充満するに至った場合でも、潤滑剤
の流動は、2点鎖線124で示されるように、第3凹溝
102における下端縁と第2凹溝100における上端縁
との間で、その潤滑剤の表面張力により阻止され、これ
が2段目のシールとして作用する。
【0042】また、ブッシュ80の基部80aの外周面
は、環状突部60aの内周面と若干の径方向間隙を隔て
て相対しており、ブッシュ80の周壁部80bの外周面
は、ステータコア69の内周面と若干の径方向間隙を隔
てて相対しているので、ブッシュ80と、それに相対す
るブラケット60及びステータコア69とにより、ラビ
リンスシール状の効果が得られる。そのため、潤滑剤の
モータ外部への飛散はより確実に防止される。
【0043】拡大環状部88aと第1凹溝98によるシ
ール並びに第3凹溝102と第2凹溝100によるシー
ルは、上下間隔を隔てて2段にシールを設けるよりも小
さい所要長さでもって2段のシールとして機能させるこ
とができるので、モータを小形化しつつモータ外部空間
への潤滑剤の飛散を効果的に防止することができる。ま
た拡大環状部88aと第1凹溝98により、或は第3凹
溝102と第2凹溝100により、比較的大きな潤滑剤
貯留容量が得られるので、温度変化による潤滑剤の体積
膨張等に対する対応力も比較的大きい。
【0044】なお、以上の各実施例についての記述にお
ける上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜のた
めのものであって、実際の使用状態等を限定するもので
はない。
【0045】
【発明の効果】本発明のスピンドルモータでは、回転が
停止した場合にラジアル動圧軸受部において保持しきれ
ない潤滑剤が、そのラジアル動圧軸受部に隣接する潤滑
剤保持用間隙部に漏出した場合においても、その潤滑剤
は、毛管現象により潤滑剤保持用間隙部に保持され、潤
滑剤保持用間隙部に隣接する拡大間隙部へと流出するこ
とが防止される。それゆえ、潤滑剤が漏出してモータ外
部の空間を汚染することが効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピンドルモータの断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】別のスピンドルモータの断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【符合の説明】
10c ラジアル受部 14 固定支柱 20 スリーブ部材 20a ラジアル滑部 38 ラジアル動圧軸受部 39 潤滑剤 40 潤滑剤保持用間隙部 42 拡大間隙部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略円筒面形状外周部を有してなる軸体と、 その略円筒面形状外周部に外嵌された略円筒面形状内周
    部を有してなるスリーブ体とを備えてなり、 軸体に対しスリーブ体が、潤滑剤を介して自在に相対回
    転し得るスピンドルモータであって、 前記略円筒面形状外周部と略円筒面形状内周部との間隙
    部に、 軸体に対するスリーブ体の相対回転により、介装された
    潤滑剤に荷重支持圧を発生させるラジアル動圧軸受部
    と、 そのラジアル動圧軸受部よりも径方向間隙が大きい潤滑
    剤保持用間隙部と、 その潤滑剤保持用間隙部よりも更に径方向間隙が拡大さ
    れた拡大間隙部とを有し、 潤滑剤保持用間隙部の軸線方向一側はラジアル動圧軸受
    部に隣接し、他側は拡大間隙部に隣接し、潤滑剤保持用
    間隙部の径方向間隙は、ラジアル動圧軸受部から漏出し
    た潤滑剤が毛管現象により潤滑剤保持用間隙部に保持さ
    れ得る程度であることを特徴とするスピンドルモータ。
JP35168392A 1992-09-22 1992-12-07 スピンドルモータ Withdrawn JPH06178492A (ja)

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