JP3320832B2 - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP3320832B2
JP3320832B2 JP12849993A JP12849993A JP3320832B2 JP 3320832 B2 JP3320832 B2 JP 3320832B2 JP 12849993 A JP12849993 A JP 12849993A JP 12849993 A JP12849993 A JP 12849993A JP 3320832 B2 JP3320832 B2 JP 3320832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸体に対しスリーブ体
が、潤滑剤を介して自在に相対回転し得るように外嵌さ
れた動圧軸受利用のスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】軸体に対しス
リーブ体が、潤滑剤を介して自在に相対回転し得るよう
に外嵌されたスピンドルモータとして、従来、図4に示
すようなものが知られている。このスピンドルモータに
おいては、固定軸体aの上部に張り出したスラスト板a
1の上下がスラスト軸受部に構成され、スラスト板a1
の下方の固定軸体aの外周部がラジアル軸受部に構成さ
れており、スラスト板a1の上方におけるブッシュbの
内周部及びラジアル軸受部の下方におけるスリーブ部材
cの内周部にそれぞれ設けられたシール用溝d及びeに
よって、潤滑剤fの漏出を防止している。
【0003】図4に示されるような従来のシール用溝e
では、固定軸体aとの間隙がシール用溝eの端部におい
て急拡大している。そのため、図5に示されるようにシ
ール用溝eの端部に潤滑剤fが臨む状態では、表面張力
によって、シール用溝e内に潤滑剤fが侵入することが
強く妨げられるが、温度変化による潤滑剤の膨張や衝撃
力により図6に示されるように一旦シール用溝内eに潤
滑剤fが侵入してしまうと、その後は比較的容易にシー
ル用溝e内に潤滑剤fが流入し、シール効果が実質上失
われる。特に、比較的大型の動圧軸受では、軸受内の潤
滑剤の自重がシール用溝eの表面張力より大きくなって
実質的にシール効果がない場合がある。
【0004】また、このような従来のシール用溝eを用
いる場合、温度変化に伴う潤滑剤の増減、潤滑剤注入量
の誤差、各部材の設計公差等による潤滑剤量の相対的な
多少を吸収するために、潤滑剤溜を設ける必要がある。
図4のスピンドルモータでは、ブッシュの下端内周部に
面取りを施すことによって潤滑剤溜gを設けている。
【0005】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、急激な温度変化や衝撃力により一挙にシール効
果が失われることがなく、温度変化に伴う潤滑剤の増
減、潤滑剤注入量の誤差、各部材の設計公差等による潤
滑剤量の相対的な多少を吸収し得、潤滑剤の外部漏出を
防止する効果に優れた動圧軸受利用のスピンドルモータ
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスピンドルモータは、軸体と、その軸体に
外嵌されたスリーブ体とを備えてなり、軸体に対しスリ
ーブ体が、潤滑剤を介して自在に相対回転し得るスピン
ドルモータであって、軸体とスリーブ体との間隙部に動
圧軸受部を有し、動圧軸受部を挟む軸線方向両側におけ
る軸体の外周部に、軸線方向外方に向かって外径が漸次
縮小することによりスリーブ体の内周面との径方向間隙
が漸次拡大するテーパ部を有する潤滑剤流出防止溝が設
けられ、テーパ部のうち、軸線方向内方の外周面は、軸
線に対しなす角度が比較的大きく、軸線方向外方の外周
面は、軸線に対しなす角度が比較的小さく形成され、両
潤滑剤流出防止溝間の軸体とスリーブ体との間隙部に潤
滑剤が充填されたものとしている。
【0007】また本発明のスピンドルモータは、軸体
と、その軸体に外嵌されたスリーブ体とを備えてなり、
軸体に対しスリーブ体が、潤滑剤を介して自在に相対回
転し得るスピンドルモータであって、軸体とスリーブ体
との間隙部に動圧軸受部を有し、動圧軸受部の軸線方向
両外方における軸体の外周部に、軸線方向外方に向かっ
て外径が漸次縮小することによりスリーブ体の内周面と
の径方向間隙が漸次拡大するテーパ部を有する潤滑剤流
出防止溝が設けられ、両潤滑剤流出防止溝間の軸体とス
リーブ体との間隙部に潤滑剤が充填されると共に、潤滑
剤流出防止溝よりも軸線方向外方位置に、径方向間隙が
拡大されたエアクッション部を有し、そのエアクッショ
ン部の軸線方向外方に、気体流出速度を減少させるため
に径方向間隙が縮小された間隙縮小部を有するものとし
ている。
【0008】
【作用】請求項1の発明の場合、潤滑剤流出防止溝のテ
ーパ部では、全体としてスリーブ体の内周面との径方向
間隙が軸線方向外方に向かって漸次拡大し、テーパ部の
うち、軸線方向内方の外周面は軸線に対しなす角度が比
較的大きく形成され、軸線方向外方の外周面は軸線に対
しなす角度が比較的小さく形成されているので、潤滑剤
流出防止溝の容量が、軸線方向長さ及び径方向深さが同
じでテーパ部の角度が一定の場合に比し大きい。特に、
テーパ部のうち軸線方向内方の部分は、その外周面が軸
線に対しなす角度が比較的大きいので、表面張力による
潤滑剤流出防止作用が強く働き、テーパ部のうち軸線方
向外方の部分は、その外周面が軸線に対しなす角度が比
較的小さいので、潤滑剤の表面位置の急変に対する潤滑
剤流出防止作用の安定性が高い。而も、潤滑剤流出防止
溝はスリーブ体の内側に位置する軸体に設けられている
ので、スピンドルモータ回転時に潤滑剤流出防止作用を
低下させる向きに遠心力が働くことがない。それゆえ、
スピンドルモータ全体或はその軸受部が急激な温度変化
や衝撃力等を受けて潤滑剤表面位置が急変しても、表面
張力による潤滑剤流出防止作用は安定性高く有効に機能
すると共に、温度変化に伴う潤滑剤の体積の増減、潤滑
剤注入量の誤差、スピンドルモータの各部材の設計公差
等による潤滑剤量の相対的な多少を十二分に吸収し得
る。
【0009】また、両潤滑剤流出防止溝間の軸体とスリ
ーブ体との間隙部に潤滑剤が充填されているので、スピ
ンドルモータの姿勢や気圧等の如何等に拘らず、両潤滑
剤流出防止溝における潤滑剤表面に作用する大気圧及び
表面張力並びに潤滑剤の自重等に応じて、両潤滑剤表面
の位置が自動的に釣り合い位置に位置し、潤滑剤の漏出
を防止する。
【0010】請求項2の発明の場合、潤滑剤流出防止溝
のテーパ部では、スリーブ体の内周面との径方向間隙が
軸線方向外方に向かって漸次拡大するので、スピンドル
モータ全体或はその軸受部が急激な温度変化や衝撃力等
を受けて潤滑剤表面位置が急変しても、表面張力による
潤滑剤流出防止作用は有効に機能すると共に、温度変化
に伴う潤滑剤の体積の増減、潤滑剤注入量の誤差、スピ
ンドルモータの各部材の設計公差等による潤滑剤量の相
対的な多少を吸収し得る。而も、潤滑剤流出防止溝はス
リーブ体の内側に位置する軸体に設けられているので、
スピンドルモータ回転時に潤滑剤流出防止作用を低下さ
せる向きに遠心力が働くことがない。
【0011】また、両潤滑剤流出防止溝間の軸体とスリ
ーブ体との間隙部に潤滑剤が充填されているので、スピ
ンドルモータの姿勢や気圧等の如何等に拘らず、両潤滑
剤流出防止溝における潤滑剤表面に作用する大気圧及び
表面張力並びに潤滑剤の自重等に応じて、両潤滑剤表面
の位置が自動的に釣り合い位置に位置し、潤滑剤の漏出
を防止する。
【0012】更に、潤滑剤流出防止溝よりも軸線方向外
方位置に、径方向間隙が拡大されたエアクッション部を
有し、エアクッション部の軸線方向外方に、気体流出速
度を減少させるために径方向間隙が縮小された間隙縮小
部を有するので、スピンドルモータ全体或はその軸受部
に急激な或は大きな衝撃力が加わっても、エアクッショ
ン部内の気体の流出は間隙縮小部によって抑制される。
それゆえ、潤滑剤が間隙縮小部を通じて外部へ飛散する
ことが防止される。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の1実施例としての軸固定型の記録
媒体駆動用のスピンドルモータの断面図、図2は、図1
のスピンドルモータの模式的説明図である。対象となる
記録媒体としては、ハードディスクや、それ以外の種々
の記録媒体を挙げることができる。また、軸固定型に限
らず、軸回転型であっても差し支えない。
【0014】ブラケット10は、その上方開口の環状凹
部10aの内周部に上方突出部10bを有する。上方突
出部10bの中央部には、上下方向の貫通孔10cが設
けられている。なお、ブラケット10として、例えばハ
ードディスク駆動装置の基盤をそのまま利用することも
勿論可能である。
【0015】ブラケット10の貫通孔10c内に、略円
柱状をなす固定軸体12(軸体)の下端部が嵌合固定さ
れることにより、その固定軸体12が環状凹部10aの
中央部に立設されている。そして上方突出部10bの上
部には、ステータコア14の内周下部が外嵌固定されて
いる。ステータコア14の内周部下端面と環状凹部10
aの底面との間には、ステータコア14を軸線方向に位
置決めする環状のスペーサ15が介装されている。
【0016】ステータコア14には、ステータコイル1
6が捲回されている。ステータコイル16の引出し部
は、ブラケット10の環状凹部10aの底板を貫通する
引き出し孔10eを通じて下方に引き出される。
【0017】固定軸体12の上部には、径方向外方に突
出する環状のスラスト板12aが一体的に形成されてい
る。スラスト板12aの上下面は、固定軸体12の略円
筒面形状外周部に対し垂直状をなす。なお、スラスト板
を固定軸体と別物とし、圧入等により両者を固定したも
のであってもよい。
【0018】スリーブ部材20は、上端部の外径が拡開
された略円筒形状をなし、内周部は、全体として小径の
略円筒面形状をなすラジアル滑部20a(略円筒面形状
内周部)と、その上方において拡径された中内径部20
bと、中内径部20bの上方において更に拡径された大
内径部20cからなる。
【0019】スリーブ部材20は、固定軸体12が貫通
孔10c内に嵌合固定される前に固定軸体12にその下
方から外嵌され、スリーブ部材20の大内径部20c
に、内周部が固定軸体12との間に僅かな径方向間隙を
隔てる状態で環状のスラスト押え板22が内嵌固定され
ている。そして、スラスト押え板22とスリーブ部材2
0によって中内径部20bの内側に形成された径方向内
方開口の環状凹部24内に、スラスト板12aが嵌合し
ている。スリーブ体は、スラスト押え板22とスリーブ
部材20により構成される。なお、スリーブ部材20に
おけるラジアル滑部20aの上端内周角部及びスラスト
押え板22の内周下端角部にはそれぞれ面取りが施され
ている。
【0020】固定軸体12の下部は、スリーブ部材20
の下方に突出し、その大部分がブラケット10の貫通孔
10cに嵌合している。以下、固定軸体12の略円筒面
形状外周部のうちラジアル滑部20aに相対する部分
を、ラジアル受部12bという。
【0021】強磁性材料製のロータハブ28は、略円筒
形状をなす。このロータハブ28は、その上部において
スリーブ部材20の上部外周部に外嵌固定されることに
より、スリーブ部材20と同軸状をなしている。ロータ
ハブ28の下端部は環状凹部10a内に挿入された状態
となっており、ロータハブ28の外周部には、ロータハ
ブ28に外嵌固定されるハードディスクの内周部下面を
支持するための環状張出部28aが設けられている。な
お、ロータハブ28とスリーブ部材20が一体に形成さ
れたものであっても差し支えない。
【0022】ロータハブ28の内周部には、ステータコ
ア14に対し径方向空隙を隔てて相対する円筒状のロー
タマグネット32が内嵌固定されている。ロータマグネ
ット32は、その上端面がスリーブ部材20の上部外周
部の下端面に接することにより軸線方向に位置決めされ
ている。
【0023】スリーブ部材20のラジアル滑部20aに
おける上下2個所の環状部分に、上下ヘリングボーン溝
34・35が設けられ、そのヘリングボーン溝34・3
5と、固定軸体12のラジアル受部12bとの間隙部、
すなわちラジアル動圧軸受部36・37は、スリーブ部
材20の順方向回転により、そこに介装された液状の潤
滑剤39にラジアル荷重支持圧を発生させる。特に、ヘ
リングボーン溝34・35により、その荷重支持圧が高
められる。なお、このようなヘリングボーン溝は、固定
軸体12のラジアル受部12bに設けることもできる。
またヘリングボーン溝以外の溝を採用することも可能で
ある。
【0024】固定軸体12のラジアル受部12bのうち
下ヘリングボーン溝35の下方に、環状の下潤滑剤流出
防止溝12cが設けられている。この下潤滑剤流出防止
溝12cは、外径が軸線方向外方(この場合下方)に向
かって漸次縮小することによりスリーブ部材20のラジ
アル滑部20aとの径方向間隙が漸次拡大するテーパ面
12c1及び12c2と、軸線方向に直交する垂直面1
2c3により構成されている。軸線方向内方(この場合
上方)のテーパ面12c1は、軸線に対しなす角度が比
較的大きく形成され、その下側に連続する軸線方向外方
のテーパ面12c2は、軸線に対しなす角度が比較的小
さく形成されている。そしてテーパ面12c2の下端
は、垂直面12c3の内周に交わっている。なお、テー
パ面12c1及び12c2の角度は、潤滑剤の変動量等
を勘案して決定するが、一般的には、テーパ面12c2
が軸線に対しなす角度を5乃至30度程度とし、テーパ
面12c1が軸線に対しなす角度をテーパ面12c2が
なす角度より大きく設定し、10乃至45度程度とする
ことが望ましい。なお、下潤滑剤流出防止溝12cの内
表面には撥油処理が施されている。
【0025】下潤滑剤流出防止溝12cよりも軸線方向
外方位置、すなわち、下潤滑剤流出防止溝12cとの間
に若干の軸線方向間隔を隔有して下方に、径方向間隙が
拡大された下エアクッション部40を有する。この下エ
アクッション部40は、固定軸体12のラジアル受部1
2b及びスリーブ部材20のラジアル滑部20aに、そ
れぞれ径方向に相対するように設けられた断面矩形状の
環状溝12d・20dによって構成されている。なお、
下エアクッション部40は、環状溝12dまたは環状溝
20dの何れかにのみによって構成されていてもよく、
また、環状溝の断面形状は、矩形に限らない。
【0026】下エアクッション部40の下方における固
定軸体12とスリーブ部材20の径方向間隙は、空気流
出速度を減少させるために、下エアクッション部40と
下潤滑剤流出防止溝12cの間の径方向間隙よりも縮小
された下間隙縮小部42(間隙は例えば20μm程度以
下)に形成されている。
【0027】スラスト板12aの上下環状面(アキシャ
ル受部)と環状凹部24の上下環状面(アキシャル滑
部)とにより、それぞれアキシャル動圧軸受部A1・A
2が構成されている。スラスト板12aの上下環状面と
環状凹部24の上下環状面はそれぞれ平行状に相対し、
それらの間には、液状の潤滑剤39が介在して僅かな軸
線方向ギャップを隔てている。そしてスラスト板12a
の上下環状面における全周に亙って、ヘリングボーン状
溝(図示を略す。)が設けられている。このヘリングボ
ーン状溝は、スリーブ部材20及びスラスト押え板22
の順方向回転により、環状凹部24の上下環状面との間
に介在する潤滑剤39に高圧を発生させる。なお、この
ようなヘリングボーン状溝は、スラスト板12aの上下
環状面に対向する環状凹部24の上下環状面に設けても
よい。またヘリングボーン状溝以外の溝を採用すること
も可能である。
【0028】スラスト押え板22の内周側に相対するス
ラスト板12aの上方の固定軸体12の外周部のうち下
部に、環状の上潤滑剤流出防止溝12eが設けられてい
る。この上潤滑剤流出防止溝12eは、外径が軸線方向
外方(この場合上方)に向かって漸次縮小することによ
りスラスト押え板22の内周面との径方向間隙が漸次拡
大するテーパ面12e1及び12e2と、軸線方向に直
交する垂直面12e3により構成されている。軸線方向
内方(この場合下方)のテーパ面12e1は、軸線に対
しなす角度が比較的大きく形成され、その上側に連続す
る軸線方向外方のテーパ面12e2は、軸線に対しなす
角度が比較的小さく形成されている。そしてテーパ面1
2e2の上端は、垂直面12e3の内周に交わってい
る。なお、テーパ面12e1及び12e2の角度は、テ
ーパ面12c1及び12c2の角度と同様にして決定さ
れる。また、上潤滑剤流出防止溝12eの内表面には撥
油処理が施されている。
【0029】上潤滑剤流出防止溝12eよりも軸線方向
外方位置に、下エアクッション部40と同様の上エアク
ッション部44を有する。また上エアクッション部44
の上方における固定軸体12とスラスト押え板22の径
方向間隙は、下間隙縮小部42と同様の上間隙縮小部4
6に形成されている。
【0030】また、スリーブ部材20における大内径部
20cの下端内方部には、環状溝20eを有し、この環
状溝20eの内表面にも、撥油処理が施されている。
【0031】上下潤滑剤流出防止溝12c・12e間の
固定軸体12とスリーブ部材20及びスラスト押え板2
2との間隙部に、潤滑剤39を充填し、潤滑剤39の上
下表面を、それぞれ上下潤滑剤流出防止溝12c・12
e内に位置させている。このようにして、固定軸体12
及びステータコア14等に対し、スリーブ部材20、ス
ラスト押え板22及びロータハブ28等が、潤滑剤39
を介して自在に回転し得るよう構成されている。そし
て、ラジアル動圧軸受部36・37によって、スリーブ
部材20の回転中における固定軸体12に対する径方向
変位を十分に小さく抑えることができ、アキシャル動圧
軸受部A1・A2によって、スリーブ部材20の回転中
における固定軸体12に対する軸線方向変位を十分に小
さく抑えることができる。
【0032】上潤滑剤流出防止溝12eのテーパ面12
e1及び12e2は、全体としてスラスト押え板22
(スリーブ体)の内周面との径方向間隙が上方(軸線方
向外方)に向かって漸次拡大し、下方のテーパ面12e
1は軸線に対しなす角度が比較的大きく形成され、上方
のテーパ面12e2は軸線に対しなす角度が比較的小さ
く形成されているので、上潤滑剤流出防止溝12eの容
量が、軸線方向長さ及び径方向深さが同じでテーパ面の
角度が一定の場合に比し大きい。特に、下方のテーパ面
12e1は軸線に対しなす角度が比較的大きいので、そ
の部分では表面張力による潤滑剤流出防止作用が強く働
き、上方のテーパ面12e2は軸線に対しなす角度が比
較的小さいので、潤滑剤の表面位置の急変に対する潤滑
剤流出防止作用の安定性が高い。而も、上潤滑剤流出防
止溝12eはスラスト押え板22の内側に位置する固定
軸体12に設けられているので、スピンドルモータ回転
時に潤滑剤流出防止作用を低下させる向きに遠心力が働
くことがない(軸体を回転軸とした場合は、潤滑剤が上
方に流出することを妨げる向きに遠心力が作用するので
より効果的である。)。それゆえ、スピンドルモータ全
体或はその軸受部が急激な温度変化や衝撃力等を受けて
潤滑剤表面位置が急変しても、表面張力による潤滑剤流
出防止作用は安定性高く有効に機能すると共に、温度変
化に伴う潤滑剤の体積の増減、潤滑剤注入量の誤差、ス
ピンドルモータの各部材の設計公差等による潤滑剤量の
相対的な多少を十二分に吸収し得る。なお、下潤滑剤流
出防止溝12cについても同様である。
【0033】また、上下潤滑剤流出防止溝12e・12
c間の固定軸体12とスリーブ部材20及びスラスト押
え板22との間隙部に潤滑剤39が充填されているの
で、スピンドルモータの姿勢や気圧等の如何等に拘ら
ず、上下潤滑剤流出防止溝12e・12cにおける潤滑
剤39の表面に作用する大気圧及び表面張力並びに潤滑
剤39の自重等に応じて、潤滑剤39の両表面の位置が
自動的に釣り合い位置に位置し、潤滑剤39の漏出を防
止する。
【0034】更に、上潤滑剤流出防止溝12eよりも上
方位置に上エアクッション部44を有し、上エアクッシ
ョン部44の上方に上間隙縮小部46を有するので、ス
ピンドルモータ全体或はその軸受部に急激な或は大きな
衝撃力が加わっても、上エアクッション部44内の空気
の流出は上間隙縮小部46によって抑制される。それゆ
え、潤滑剤39が上間隙縮小部46を通じて外部へ飛散
することが防止される。
【0035】また、環状凹部24とスラスト板12aと
の間隙に位置する潤滑剤39が、スラスト押え板22と
スリーブ部材20との間を通ってスラスト押え板22の
外周部と大内径部20cの内周部の間から滲出すること
は、滲出経路の途中に、撥油処理が施された環状溝20
eが設けられることにより、効果的に防止される。
【0036】図3は、本発明の別の実施例としての軸固
定型の記録媒体駆動用スピンドルモータの要部拡大図で
ある。全体的構成は前記実施例と同様であるが、上下潤
滑剤流出防止溝の形状が相違している。
【0037】スラスト押え板50に相対する固定軸体5
2の外周部に上潤滑剤流出防止溝54が設けられ、それ
よりも上方位置に、上エアクッション部56が設けら
れ、その上方に、上間隙縮小部58が設けられている。
この上潤滑剤流出防止溝54におけるテーパ面54a
は、軸線に対し一定角度をなし、外径が上方に向かって
漸次縮小することによりスラスト押え板50の内周面と
の径方向間隙が漸次拡大する。テーパ面54aの軸線に
対する角度は、潤滑剤の変動量等を勘案して決定する
が、一般的には、5乃至30度程度が望ましい。なお、
図示を略すが、下潤滑剤流出防止溝、下エアクッション
部及び下間隙縮小部も同様に構成されている。
【0038】この実施例の場合、上潤滑剤流出防止溝5
4(下潤滑剤流出防止溝)の容量が前記実施例に比し小
さいので、それ自体による潤滑剤流出防止作用の安定性
や潤滑剤量の相対的な多少の吸収性は前記実施例ほどで
はないが、上エアクッション部56及び上間隙縮小部5
8(下エアクッション部及び下間隙縮小部)との組み合
わせにより、急激な温度変化や衝撃力等の様々な要因に
よる外部への潤滑剤漏出は効果的に防止される。
【0039】なお、以上の実施例についての記述におけ
る構成部品の寸法、個数、材質、形状、その相対配置な
どは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、
この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものでは
なく、単なる説明例に過ぎない。
【0040】
【発明の効果】請求項1のスピンドルモータでは、軸体
に設けられた潤滑剤流出防止溝のテーパ部のうち、軸線
方向内方の外周面は軸線に対しなす角度が比較的大きく
形成され、軸線方向外方の外周面は軸線に対しなす角度
が比較的小さく形成されており、潤滑剤流出防止溝の容
量が大きいので、急激な温度変化や衝撃力等を受けても
表面張力による潤滑剤流出防止作用は安定性高く有効に
機能すると共に、温度変化、潤滑剤注入量の誤差、設計
公差等による潤滑剤量の相対的な多少を十二分に吸収し
得る。また、両潤滑剤流出防止溝間の軸体とスリーブ体
との間隙部に潤滑剤が充填されているので、スピンドル
モータの姿勢や気圧等の如何等に拘らず両潤滑剤表面の
位置が自動的に釣り合い位置に位置する。それゆえ、急
激な温度変化や衝撃力等の様々な要因による潤滑剤の外
部漏出を防止する効果が高い。
【0041】請求項2のスピンドルモータでは、軸体に
設けられた潤滑剤流出防止溝がテーパ部を有するため、
急激な温度変化や衝撃力等を受けても、表面張力による
潤滑剤流出防止作用は有効に機能すると共に、温度変
化、潤滑剤注入量の誤差、設計公差等による潤滑剤量の
相対的な多少を吸収し得る。また、両潤滑剤流出防止溝
間の軸体とスリーブ体との間隙部に潤滑剤が充填されて
いるので、スピンドルモータの姿勢や気圧等の如何等に
拘らず両潤滑剤表面の位置が自動的に釣り合い位置に位
置する。更に、急激な或は大きな衝撃力が加わった場合
でも、エアクッション部内の気体の流出は間隙縮小部に
よって抑制され、潤滑剤が間隙縮小部を通じて外部へ飛
散することが防止される。それゆえ、急激な温度変化や
衝撃力等の様々な要因による潤滑剤の外部漏出を防止す
る効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピンドルモータの断面図である。
【図2】図1のスピンドルモータの模式的説明図であ
る。
【図3】別の実施例の要部拡大図である。
【図4】従来のスピンドルモータの模式的要部断面図で
ある。
【図5】図4の要部拡大説明図である。
【図6】図4の要部拡大説明図である。
【符合の説明】
12 固定軸体 12c 下潤滑剤流出防止溝 12c1 テーパ面 12c2 テーパ面 12e 上潤滑剤流出防止溝 12e1 テーパ面 12e2 テーパ面 36 ラジアル動圧軸受部 37 ラジアル動圧軸受部 39 潤滑剤 40 下エアクッション部 42 下間隙縮小部 44 上エアクッション部 46 上間隙縮小部 A1 アキシャル動圧軸受部 A2 アキシャル動圧軸受部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−311695(JP,A) 特開 平6−178492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 7/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸体と、その軸体に外嵌されたスリーブ体
    とを備えてなり、軸体に対しスリーブ体が、潤滑剤を介
    して自在に相対回転し得るスピンドルモータであって、
    軸体とスリーブ体との間隙部に動圧軸受部を有し、動圧
    軸受部を挟む軸線方向両側における軸体の外周部に、軸
    線方向外方に向かって外径が漸次縮小することによりス
    リーブ体の内周面との径方向間隙が漸次拡大するテーパ
    部を有する潤滑剤流出防止溝が設けられ、テーパ部のう
    ち、軸線方向内方の外周面は、軸線に対しなす角度が比
    較的大きく、軸線方向外方の外周面は、軸線に対しなす
    角度が比較的小さく形成され、両潤滑剤流出防止溝間の
    軸体とスリーブ体との間隙部に潤滑剤が充填されている
    ことを特徴とするスピンドルモータ。
  2. 【請求項2】軸体と、その軸体に外嵌されたスリーブ体
    とを備えてなり、軸体に対しスリーブ体が、潤滑剤を介
    して自在に相対回転し得るスピンドルモータであって、
    軸体とスリーブ体との間隙部に動圧軸受部を有し、動圧
    軸受部の軸線方向両外方における軸体の外周部に、軸線
    方向外方に向かって外径が漸次縮小することによりスリ
    ーブ体の内周面との径方向間隙が漸次拡大するテーパ部
    を有する潤滑剤流出防止溝が設けられ、両潤滑剤流出防
    止溝間の軸体とスリーブ体との間隙部に潤滑剤が充填さ
    れると共に、潤滑剤流出防止溝よりも軸線方向外方位置
    に、径方向間隙が拡大されたエアクッション部を有し、
    そのエアクッション部の軸線方向外方に、気体流出速度
    を減少させるために径方向間隙が縮小された間隙縮小部
    を有することを特徴とするスピンドルモータ。
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