JP4700394B2 - 流体動圧軸受、該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置 - Google Patents

流体動圧軸受、該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置 Download PDF

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Description

本願の発明は、流体動圧軸受、該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置に関し、特にスピンドルモータの回転軸の支承に使用される流体動圧軸受において、軸受部に封入された潤滑油が、スピンドルモータの作動・不作動中に、どのような衝撃や振動等外力の作用を受けても、軸受部より飛散流出することのないように工夫された流体動圧軸受、該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置に関する。
近年、コンピュータに使用される磁気ディスクや光ディスク等のデータ記憶装置においては、小型化、薄型化、軽量化に加えて、記憶容量の高密度化への要求が強く、このため、ディスクの回転駆動に使用されるスピンドルモータにあっては、回転数の高速化や回転精度の高度化のための技術が強く要請されている。
これらの要請に対応するために、磁気ディスクや光ディスク等のデータ記憶装置の駆動部の回転軸を支承する軸受としては、従来方式のボールベアリングから、潤滑油や空気を媒体として流体動圧を発生させて回転軸を支承する流体動圧軸受を採用する傾向が強まっている。
このような流体動圧軸受は、既に広く知られており、また、このような流体動圧軸受をスピンドルモータの軸受として適用した構成も、知られている(例えば、特許第2937833号公報等参照)。従来知られている流体動圧軸受の一例を、図12〜図15に示す。
この従来の流体動圧軸受06は、これらの図に示されるように、回転軸011が、軸受部材をなすスリーブ07内で回転可能に支承されている。そして、回転軸011とスリーブ07との間の隙間021、回転軸011の一端部に固着されたスラストプレート019と、スリーブ07の一端部にスラストプレート019を受け入れるために形成された段部との間の隙間022、スラストプレート019及び回転軸011とカウンタプレート018との間の隙間023には、潤滑油012がそれぞれ封入されている。
また、スリーブ07の内周面には、ラジアル流体動圧発生用溝024が形成されており、カウンタプレート018のスラストプレート019との対向面には、スラスト流体動圧発生用溝026が形成されており、スリーブ07の段部のスラストプレート019とのスラスト方向対向面には、スラスト流体動圧発生用溝025が形成されている。
そこで、今、回転軸011が回転すると、ラジアル流体動圧発生用溝024及びスラスト流体動圧発生用溝025、026によって生じたラジアル方向及びスラスト方向の流体動圧により、回転軸011は、スリーブ07及びカウンタプレート018により囲まれて形成された軸受空間内で、潤滑油膜を介して浮遊した状態で回転することができる。
ここで、隙間021〜023を連ねて形成された袋状の連通隙間内に封入された潤滑油012は、温度変化による潤滑油自体の膨張収縮、温度変化による軸受構成部材の膨張収縮に起因する容量変化、モータ回転の始動・停止時のポンプ作用、モータ回転時の遠心力や発生動圧の作用等の諸原因により、連通隙間内を移動するように作用する力を受け、潤滑油012が軸受部及びスリーブ07の開口部から流出することが懸念される。
回転軸011が回転すると、イン・ポンピング作用(潤滑油を軸受内部に引き入れる作用)により、潤滑油012のスリーブ07開口部からの流出は殆ど起こらないが、回転軸011が静止している状態で、衝撃(ショック)や振動等の外力が印加されると、潤滑油012のスリーブ07開口部からの流出が起こり易くなり、このことが、現在、大きな問題となっている。
これらの問題は、特に小型コンピュータにおいて、その携帯使用時における持ち運び等により、振動や落下等のショックを受ける機会が多くなり、しかも、搭載されるスピンドルモータが小型・薄型・軽量化構造になって行くにしたがって、衝撃や振動の影響を一層受け易くなり、如何に耐衝撃性、耐振動性のある潤滑油流出防止構造を形成するかが、緊急の解決課題となっている。
この点に関し、従来の流体動圧軸受の潤滑油の漏れに対するシール構造は、図12〜図15に示されるように、テーパシール構造と呼ばれるもので、軸受隙間の開口部(スリーブ07の開口部)に、スリーブ07の内面に所定の傾斜角αで拡開するテーパ面035を設けて、隙間がその開口端に向けて広がって行くようにされた隙間拡開変化部(潤滑油溜まり用隙間)029を形成し、ここに流出しようとする潤滑油を受け入れて、その表面張力を利用して積極的に液面を形成しつつ、これを溜めるようにしている。さらに、図14に示されるように、このテーパ面035の内側であって、スリーブ07の内面に、潤滑油止め用周溝036を設ける構成も知られている。
例えば、前掲の特許第2937833号の発明では、スリーブのラジアル軸受部よりも軸方向外側の内面にオイル溜まり用の周溝(図14の潤滑油止め用周溝036に相当)を設け、この周溝よりも軸方向外側に、スリーブの開口部に向かって隙間が広がるようにされた隙間変化部(図14の隙間拡開変化部029を画成するスリーブ07の壁面構造に相当)を設けている。そして、この隙間変化部の、軸から遠ざかるように半径方向外側に広がっている角度を隙間傾斜角αとしたとき、αを0°以上としている。ここで、隙間傾斜角αを0°以上とは、隙間変化部の一部領域において、回転軸と平行な領域があってもよいことを示すとされている。
このように、図12〜図15で示される従来の流体動圧軸受06では、回転軸011とスリーブ07との間の隙間が当該隙間の開口部(スリーブ07の開口部)に向かって広がる隙間拡開変化部029を設ける構造となっているが、この構造の場合、潤滑油流出防止のためのオイル溜まりとしての隙間拡開変化部029の縦断面が三角形状をなしているために、その容積を増やそうとすると、隙間傾斜角αを大きくするか、あるいは、軸方向底辺を長く(深さを深く)するか、いずれかの方法に限られることになる。
ところで、スピンドルモータの小型化、薄型化、軽量化を行なう場合には、そこで使用される流体動圧軸受自体の軸方向長さも短くなるために、潤滑油流出防止のためのオイル溜まりとしての隙間拡開変化部029の軸方向深さは、必要な動圧発生部の軸方向長さに支障を来さない範囲に止めなければならないという制約を受ける。また、隙間傾斜角αは、スピンドルモータ軸受部の構造に係わる制約を受ける。このために、流体動圧軸受を小型、薄型に設計し、しかも、衝撃や振動に対しても潤滑油が漏れない、すなわち、耐衝撃性や耐振動性に優れる、潤滑油流出防止構造の隙間拡開変化部029の構造に配慮しようとすれば、これら2つの制約要因が、その前に立ちはだかることとなる。
さらに、従来の流体動圧軸受06の潤滑油流出防止構造においては、隙間拡開変化部029は、その開口部(スリーブ07の開口部)で最大に拡開するように設計されており、その開口部よりも奥側に、潤滑油の流出方向に面して、その飛散流出を阻止するように作用する壁に相当する機構が全く存在しない。したがって、特に回転軸の静止時において、衝撃や振動を受けた場合、流体動圧軸受の軸受隙間内の潤滑油は、隙間拡開変化部029内に止まっていることができず、そこから軸受の外に飛散流出し易いという構造自体の問題を有している(図15参照)。
このように、従来のスピンドルモータにおいては、その流体動圧軸受の潤滑油流出防止構造は、いくつかの制約要因から、潤滑油の流出防止のためのオイル溜まりの容積を十分に確保することができず、また、そのオイル溜まり内に潤滑油飛散流出防止壁が存在しないために、特に回転軸の静止時に衝撃や振動を受けた場合、潤滑油の飛散流出を起こし易いという問題を有していた。これらの問題は、スピンドルモータの小型化、薄型化、軽量化の要請に応えるために、流体動圧軸受自体を小型化、薄型化するに際して、益々大きな問題となっており、速やかに解決しなければならない課題である。
また、スリーブと回転軸との間の隙間に潤滑油が封入され、スリーブの内面に流体動圧発生用溝が形成されてなる流体動圧軸受において、スリーブの開口部側の内面に大径部を形成し、この大径部の途中に円周溝を形成して、潤滑油の保持と飛散流出防止とを図ったものも存するが(特許第3431723号公報参照)、このものにおいては、円周溝や大径部自体の構造の詳細について、何ら言及されていない。
特許第2937833号公報 特許第3431723号公報
本願の発明は、従来のスピンドルモータにおける流体動圧軸受が有する前記のような問題点を解決して、スピンドルモータの小型化、薄型化、軽量化の要請に応えるために小型化、薄型化された流体動圧軸受において、特に回転軸の静止時に加わる衝撃(ショック)や振動に対する潤滑油飛散流出防止性能の信頼度を改善した流体動圧軸受、該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置を提供することを課題とする。
前記のような課題は、本願の各請求項に記載された次のような発明により解決される。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、スリーブと該スリーブにより回転自在に支承される回転軸との間の隙間に、潤滑油が封入され、該スリーブの内面に、流体動圧発生用溝が形成されてなる流体動圧軸受であって、前記流体動圧軸受の前記スリーブの内面には、前記流体動圧発生用溝の一方の終端よりわずかに離れた位置から前記スリーブの開口部側に向かって、拡開部が形成され、前記拡開部の終端から前記スリーブの開口部にかけて、第1大径部と、潤滑油止め用周溝と、第2大径部とが順次形成され、前記潤滑油止め用周溝は、その開口が、前記回転軸の方向に向かって広がるようにして形成されるとともに、その前記第2大径部側の一側面が、潤滑油跳ね返り壁面を形成しており、前記潤滑油は、前記回転軸の静止時、その液面が前記第1大径部にあって、外部衝撃や振動を受けて、さらに、毛細管力と表面張力と大気圧とが平衡した状態が壊れたとしても、飛散流出しようとするその潤滑油が前記潤滑油止め用周溝の一側面より溢れ出ない容積を軸方向に確保することができるような位置に封入されていることを特徴とする流体動圧軸受である。
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、第1大径部の内径寸法の選定により、スリーブの上端部と回転軸との間に形成される潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)の容積を、その軸方向寸法を大きくすることなく、大きく設定することが可能になり、この潤滑油溜まり用隙間の形成に、従来のような動圧発生部スペースの減少という制約がなくなるので、スピンドルモータの小型化、薄型化、軽量化の要請に伴う流体動圧軸受の小型化、薄型化に容易に対応することが可能になる。
また、流体動圧軸受のスリーブの第1大径部の上方部分に形成される潤滑油止め用周溝の一側面が、潤滑油跳ね返り壁面を形成しているので、回転軸の静止時、モータの潤滑油に対するイン・ポンピング作用(潤滑油を軸受内部に引き入れる作用)が期待できない状態にあって、モータが外部衝撃や振動を受けたとしても、第1大径部から第2大径部を経て軸受外部に飛散流出しようとする潤滑油は、この一側面(潤滑油跳ね返り壁面)により、軸受内部方向にはじき返され、押し戻されて、この一側面より溢れ出ることが抑制される。
加えて、潤滑油止め用周溝は、第1大径部の上方部分に、その開口が回転軸の方向に向かって広がるようにして形成されているので、その一側面が潤滑油を軸受内部方向にはじき返し、押し戻す作用が効果的に行なわれる。例えば、一側面側が回転軸の方向に向かって広がっていれば、一側面は、潤滑油を軸受内部方向に確実にはじき返し、押し戻すことができるし、また、他側面側が回転軸の方向に向かって広がっていれば、他側面は、広がっていない場合に比較して、潤滑油液面の移動を加速しつつ、一側面に衝突させて、一側面は、この衝突の反動を利用して、潤滑油を軸受内部方向にはじき返し、押し戻すことができる。
これらにより、スピンドルモータの小型化、薄型化、軽量化の要請に応えるために流体動圧軸受を小型化、薄型化しつつも、十分な潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)容積を確保でき、しかも、潤滑油止め用周溝の一側面(潤滑油跳ね返り壁面)が、軸受外部に飛散流出しようとする潤滑油を軸受内部方向に押し戻すように作用し、加えて、その開口が回転軸の方向に向かって広がるようにして形成される潤滑油止め用周溝の構造が、その一側面による潤滑油の押し戻し作用をさらに高めるので、如何なる条件下においても、潤滑油が軸受隙間の開口部(スリーブの開口部)から軸受外部に飛散流出することが防止され、小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度を確実に改善することができる。
また、その請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の流体動圧軸受において、その潤滑油止め用周溝の一側面の終端部近傍が、潤滑油止め用周溝の内部から見て、スリーブの中心線に対して鋭角をなすように角度が付されていることを特徴としている。
これにより、第1大径部から潤滑油止め用周溝及び第2大径部を経て軸受外部に流出しようとする潤滑油は、潤滑油止め用周溝の一側面により軸受内部方向に向けて確実に押し戻され、この一側面より溢れ出ることが抑制されるので、潤滑油が軸受外部に飛散流出することがさらに効果的に防止され、小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度をさらに確実に改善することができる。
また、その請求項3に記載された発明は、請求項1又は請求項2に記載の流体動圧軸受において、その第2大径部の内径が、第1大径部の内径よりも小さくされていることを特徴としている。
これにより、第1大径部から潤滑油止め用周溝及び第2大径部を経て軸受外部に飛散流出しようとする潤滑油は、第2大径部に連なり、回転軸方向に径方向幅を広げた潤滑油止め用周溝の一側面により、さらに効果的に軸受内部方向に押し戻され、この一側面より溢れ出ることが抑制されるとともに、第1大径部に比して内径が縮小された第2大径部の絞り効果により、潤滑油の流出が抑制されるので、潤滑油が軸受外部に飛散流出することがさらに効果的に防止され、小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度をさらに確実に改善することができる。
さらに、その請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流体動圧軸受において、その第1大径部には、スリーブの開口部の方向に向かうにつれて漸次拡径するようなテーパが付されていることを特徴としている。
これにより、潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)の容積を、その軸方向寸法を大きくすることなく、大きく設定することがさらに容易になるとともに、混入空気が抜け易い構造を得ることができる。
また、その請求項5に記載された発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の流体動圧軸受において、スリーブの開口部側の端面の開口縁部分に沿って、撥油剤の固体膜が形成され、また、スリーブの開口部よりも軸方向外側の位置における回転軸の外周面に、撥油剤の固体膜が形成されていることを特徴としている。
この結果、万一、潤滑油が軸受隙間の開口部(スリーブの開口部)に漏れ出たとしても、その潤滑油は、スリーブの開口部側の端面の開口縁部分に沿って形成された撥油剤の固体膜によってはじき返され、また、スリーブの開口部よりも軸方向わずかに外側の位置における回転軸の外周面に形成された撥油剤の固体膜によってはじき返されるので、潤滑油が軸受外部に飛散流出することがさらに効果的に防止され、スピンドルモータの小型化、薄型化、軽量化の要請に応えるために小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度をさらに確実に改善することができる。
また、その請求項6に記載された発明は、スリーブと該スリーブにより回転自在に支承される回転軸との間の隙間に、潤滑油が封入され、該スリーブの内面に、流体動圧発生用溝が形成されてなる流体動圧軸受を備えたスピンドルモータであって、前記流体動圧軸受が、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流体動圧軸受であることを特徴とするスピンドルモータである。
さらに、その請求項7に記載された発明は、請求項6に記載のスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置であって、記録ディスクに情報を書き込み及び/又は読み出しするためのヘッドを備え、前記スピンドルモータが、前記記録ディスクを回転駆動することを特徴とする記録ディスク駆動装置である。
請求項6及び請求項7に記載された発明は、それぞれ前記のように構成されているので、潤滑油飛散流出防止性能の信頼度が確実に改善された流体動圧軸受を備えた小型化、薄型化、軽量化されたスピンドルモータ及び記録ディスク駆動装置を提供することができる。
前記のとおり、本願の発明の流体動圧軸受によれば、スピンドルモータの小型化、薄型化、軽量化の要請に応えるためにこれを小型化、薄型化しつつも、十分な潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)容積を確保でき、しかも、潤滑油止め用周溝の一側面(潤滑油跳ね返り壁面)が、軸受外部に飛散流出しようとする潤滑油を軸受内部方向に押し戻すように作用し、加えて、その開口が回転軸の方向に向かって広がるようにして形成される潤滑油止め用周溝の構造が、その一側面による潤滑油の押し戻し作用をさらに高めるので、如何なる条件下においても、潤滑油が軸受隙間の開口部(スリーブの開口部)から軸受外部に飛散流出することが防止され、小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度を確実に改善することができる。
また、その潤滑油止め用周溝の一側面の終端部近傍が、潤滑油止め用周溝の内部から見て、スリーブの中心線に対して鋭角をなすように角度が付されるか、第2大径部の内径が、第1大径部の内径よりも小さくされるか、スリーブの開口部側の端面の開口縁部分に沿って、撥油剤の固体膜が形成され、また、スリーブの開口部よりも軸方向外側の位置における回転軸の外周面に、撥油剤の固体膜が形成されるか、することによって、潤滑油が軸受外部に飛散流出することがさらに効果的に防止され、スピンドルモータの小型化、薄型化軽量化の要請に応えるために小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度をさらに確実に改善することができる。
また、第1大径部にスリーブの開口部の方向に向かうにつれて漸次拡径するようなテーパが付される場合には、潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)の容積を、その軸方向寸法を大きくすることなく、大きく設定することがさらに容易になるとともに、混入空気が抜け易い構造を得ることができる。
これらにより、潤滑油飛散流出防止性能の信頼度が確実に改善された流体動圧軸受、該流体動圧軸受を備えた小型化、薄型化、軽量化されたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置を提供することができる。
スリーブと該スリーブにより回転自在に支承される回転軸との間の隙間に、潤滑油が封入され、該スリーブの内面に、流体動圧発生用溝が形成されてなる流体動圧軸受において、流体動圧軸受のスリーブの内面に、流体動圧発生用溝の一方の終端よりわずかに離れた位置からスリーブの開口部側に向かって、拡開部を形成し、該拡開部の終端からスリーブの開口部にかけて、第1大径部と、潤滑油止め用周溝と、第2大径部とを順次形成し、潤滑油止め用周溝は、その開口を、回転軸の方向に向かって広がるようにして形成するとともに、その第2大径部側の一側面が、潤滑油跳ね返り壁面を形成するようにする。潤滑油は、回転軸の静止時、その液面が第1大径部にあって、外部衝撃や振動を受けて、さらに、毛細管力と表面張力と大気圧とが平衡した状態が壊れたとしても、飛散流出しようとするその潤滑油が潤滑油止め用周溝の一側面より溢れ出ない容積を軸方向に確保することができるような位置に封入されるようにする。
潤滑油止め用周溝の一側面は、少なくともその終端部近傍が、潤滑油止め用周溝の内部から見て、スリーブの中心線に対して鋭角をなすようにし、第2大径部の内径は、第1大径部の内径よりも小さくなるようにする。また、スリーブの開口部側の端面の開口縁部分に沿って、撥油剤の固体膜を形成し、スリーブの開口部よりも軸方向わずかに外側の位置における回転軸の外周面にも、撥油剤の固体膜を形成する。
次に、図1ないし図5に図示される本願の発明の第1の実施例(実施例1)について説明する。
図1は、本実施例1のスピンドルモータの縦断面図、図2は、同スピンドルモータの静止側に当たるステータアッシーに係る部分の縦断面図、図3は、同スピンドルモータに適用される流体動圧軸受の縦断面図、図4は、図3の部分拡大図、図5は、同流体動圧軸受のスリーブ内面に形成された潤滑油止め用周溝の作用を説明するための図である。
図1において、本実施例1のスピンドルモータ1(以下、「モータ1」と略称する場合がある。)は、コンピュータに使用される磁気ディスクや光ディスク等のデータ記憶装置(これは、通常、「記録ディスク駆動装置」とも呼ばれている。)を駆動するためのモータとして使用され、全体的には、ステータアッシー2とロータアッシー3とから構成されている。ステータアッシー2は、データ記憶装置本体に固定されるフレーム4を有し、このフレーム4の中央部分に上方に向けて突出して設けられた円筒部5の外周部には、コイル9が捲回されたステータスタック(ステータコア)8が嵌着されて取り付けられている。
ロータアッシー3は、ハブ10を有し、このハブ10は、回転軸11の上端部に固定されており、回転軸11とともに回転する。回転軸11は、軸受部材であるスリーブ7内に挿入され、このスリーブ7により回転可能に支承されている。スリーブ7は、円筒部5の内部に嵌入されて固定されている。ハブ10の下方円筒部10aは、フレーム4の内側で回転するが、この下方円筒部10aの内周面には、ヨーク13が装着されており、さらに、このヨーク13の内側には、マグネット14が嵌入固定されていて、N極及びS極の複数極に着磁されている。
今、コイル9に通電すると、ステータスタック8により磁場が形成され、この磁場が、該磁場内に配置されたマグネット14に作用して、ロータアッシー3が回転する。ロータアッシー3のハブ10の中間円筒部15の外周面には、データ記憶装置の記憶部をなす回転ディスク、例えば、磁気ディスク(図示されず)が装着され、スピンドルモータ1の作動により回転、停止して、図示されない記録用ヘッドにより情報の書き込み・読み出しのデータ処理が行なわれる。
このような本実施例1のスピンドルモータ1において、スリーブ7が回転軸11を回転可能に支承する部分には、流体動圧軸受6が適用されている。以下に、この流体動圧軸受6の構成について、詳細に説明する。
図1ないし図3に示されるように、スリーブ7の下端部には、下方に向けて開口する大径の第1の凹部16が形成されており、さらに、この第1の凹部16の頂面には、小径の第2の凹部17が形成されている。大径の第1の凹部16には、カウンタプレート(スラスト受板)18が嵌合され、溶着、接着等の手段により、そこに固着されていて、スリーブ7内が気密状態となるようにされている。
回転軸11の下端部には、スラストプレート19が嵌合、圧入されて固定されており、このスラストプレート19は、スリーブ7の第2の凹部17内で、カウンタプレート18及び第2の凹部17の頂面と対向して、回転軸11とともに回転するように、配置されている。スラストプレート19には、その周方向に一定間隔で、複数の連通孔20が回転軸11に面して形成されている。
図3において、スリーブ7と回転軸11との間の隙間(第1の隙間)21、スラストプレート19と第2の凹部17との間の隙間(第2の隙間)22、スラストプレート19及び回転軸11とカウンタプレート18との間の隙間(第3の隙間)23は、互いに連通しており、この連通隙間には、潤滑油12が封入されている。潤滑油12は、スリーブ7と回転軸11との間から注入される。なお、第1の隙間21は、正確には、スリーブ7と回転軸11との間の隙間であって、第2の隙間22と後述する潤滑油溜まり用隙間29とにより挟まれた部分の隙間を指しており、ストレートな隙間をなし、その幅寸法は、軸方向の全長に渡って同一である。
スリーブ7の上端部と回転軸11との間には、本願の発明の特徴である潤滑油溜まり用隙間29が形成されている。この潤滑油溜まり用隙間29は、後で詳しく説明されるが、前記した連通隙間の開口部に形成された特殊な構造の隙間であり、潤滑油12のシール機能を有する。
回転軸11に対向して、スリーブ7の円筒状の内面27には、流体動圧発生用溝(第1の流体動圧発生用溝)24が形成されており、この流体動圧発生用溝24は、回転軸11の回転により、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させる。この流体動圧発生用溝24は、潤滑油溜まり用隙間29よりも下方の位置であって、スリーブ7の内面27の上下2個所に形成されている。
また、スラストプレート19と対向するスリーブ7の第2の凹部17の頂面には、流体動圧発生用溝(第2の流体動圧発生用溝)25が形成されており、スラストプレート19と対向するカウンタプレート18の上面には、流体動圧発生用溝(第3の流体動圧発生用溝)26が形成されている。これら第2及び第3の流体動圧発生用溝25、26は、回転軸11の回転により、それぞれスラスト方向の荷重を受ける動圧を発生させる。
回転軸11は、これら第1ないし第3の流体動圧発生用溝24、25、26により発生させられる動圧力によりラジアル方向及びスラスト方向に支持されて、スリーブ7及びカウンタプレート18に対して浮遊状態で回転する。
潤滑油溜まり用隙間29は、図3ないし図5に示されるように、スリーブ7の上端部の内面27に形成された拡開部33と、第1大径部31aにより、回転軸11との間に画成される空間として形成されている。
拡開部33は、上方の第1の流体動圧発生用溝24の上端よりわずかに離れた位置mを始端として、そこからスリーブ7の開口部w側に向かって拡径する壁面部として、スリーブ7の上端部の内面27に形成されている。
第1大径部31aは、拡開部33の終端に連なるようにして、スリーブ7の上端部の内面27に形成されている。この第1大径部31aの内径は、スリーブ7の軸方向に不変にされている。
潤滑油止め用周溝32は、その断面形状が、図4に示されるように、略横に臥せたU字状をなし、その上方の第2大径部31b側の一側面32bは、スリーブ7の中心線に対して直交していて、潤滑油跳ね返り壁面を形成している。また、その下方の第1大径部31a側の他側面32aは、少なくともその始端部近傍が、潤滑油止め用周溝32の内部から見て、一側面32bがスリーブ7の中心線に対してなす角度(90°)よりも小さな角度(鋭角)をなすようにスリーブ7の中心線に対して角度が付されている。この結果、潤滑油止め用周溝32の開口は、回転軸11の方向に向かって広がるようにして開いている。 スリーブ7の中心線は、回転軸11がスリーブ7の内部で正常位置にあるとき、回転軸11の中心線に一致する。
第2大径部31bは、その始端が潤滑油止め用周溝32の一側面32bの終端に連なり、その終端がスリーブ7の開口部wに臨み、かつ、スリーブ7の端面28に連なるように形成されている。第1大径部31aと第2大径部31bとは、通常の場合、加工性を考慮して同径とされ、スリーブ7の内面27と平行である。
潤滑油止め用周溝32の他側面32aがスリーブ7の中心線に対してなす角度が前記のように採られることにより、他側面32aは、スリーブ7の中心線に対して直交するように角度が付される場合に比較して、潤滑油液面の流出移動を加速しつつ、勢いをつけて、一側面32bに衝突させることができ、一側面32bは、この衝突の反動を利用して、潤滑油12を軸受内部方向に押し戻し、潤滑油12がこの一側面32bより溢れ出るのを効果的に抑制する(図5参照)。
潤滑油止め用周溝32の断面形状は、略U字状に限定されず、略半円形状、略円弧状、略矩形状、略台形状、略三角形状等であってもよいが、いずれの場合にあっても、その開口は、回転軸11の方向に向かって広がるようにして開くようにされるとともに、その一側面32bの終端部近傍、その他側面32aの始端部近傍には、少なくとも、ある程度の半径方向幅の平坦部が残されるようにされるとよい。
なお、潤滑油止め用周溝32の断面形状の略U字状と略矩形状とは、類似する場合もあろうが、そのような場合には、どちらで呼称されてもよいものとする。
また、その断面形状が略半円形状、略円弧状である場合の、それらの一側面32b、他側面32aとは、それらの形状の各点に立てた法線に沿ってジェット水流が噴射され、そのジェット水流が回転軸11の外周面で等角で反射されたと仮定したとき、その反射されたジェット水流が潤滑油止め用周溝32の外部に逸れるような、それらの形状上の領域に略相当している。
潤滑油12は、図4及び図5に示されるように、回転軸11の静止時、その液面S0が第1大径部31aにあって、モータ1が外部衝撃や振動等の外力を受けて、さらに、毛細管力と表面張力と大気圧とが平衡した状態が壊れたとしても、飛散流出しようとする潤滑油が潤滑油止め用周溝32の頂面(一側面32b)より溢れ出ないように封入されている。回転軸11の静止時には、イン・ポンピング作用が働かないのでモータ1が外部衝撃や振動等の外力を受けた場合、連通隙間に充填された潤滑油は、その開口部(スリーブ7の開口部w)から比較的多量に飛散流出し易いが、潤滑油止め用周溝32は、このように飛散流出し易い比較的多量の潤滑油を受け入れて、一側面32bより軸受内部下方に引き止めて置くことができる。また、回転軸11の静止時、モータ1が受ける外力としては、外部衝撃や振動のほかに、急激な温度や圧力の変化等が考えられる。
また、スリーブ7の開口部(連通隙間の開口部)w側の端面28の開口縁部分に沿って、撥油剤の固体膜30aが形成されており、スリーブ7の開口部wよりも軸方向わずかに外側の位置における回転軸11の外周面にも、撥油剤の固体膜30bが形成されている。これらの固体膜30a、30bは、万一、潤滑油12がスリーブ7の開口部wにまで漏れ出てきても、これをはじき返し、潤滑油12が軸受外部に浸潤や飛散流出するのを防止する。
次に、潤滑油止め用周溝32の作用、実施例1の効果について説明する。
回転軸11の静止時、潤滑油12の液面S0が図4に図示のように第1大径31aにあって、モータ1が外部衝撃や振動等の外力を受けたとすると、その作用によって液面S0は平衡状態を壊され、飛散した一部液体が上昇して、潤滑油止め用周溝32の内部に吸収されつつ、その他側面32aを駆け登り、やがて一側面32bに到達する。この一側面32bは、潤滑油跳ね返り壁面として形成されているので、一側面32bに到達した潤滑油12は、図5に示されるように、この一側面32bによりはじき返され、軸受内部方向に押し戻される。そして、最大上昇したとしても、この一側面32bより溢れ出ようとはしない。このようにして、潤滑油12が軸受外部に飛散流出することが防止される。
しかも、潤滑油止め用周溝32の他側面32aは、少なくともその始端部近傍が、潤滑油止め用周溝32の内部から見て、一側面32bがスリーブ7の中心線に対してなす角度(90°)よりも小さな角度(鋭角)に角度が付されているので、それが直角に角度が付されている場合に比較して、潤滑油液面の流出移動を加速しつつ、勢いをつけて、潤滑油12を一側面32bに衝突させ、一側面32bは、この衝突の反動を利用して、潤滑油12を軸受内部方向に押し戻すことができ、潤滑油12がこの一側面32bより溢れ出ようとするのを効果的に抑制する。
万一、モータ1が想定外の強い外部衝撃や振動を受けて、潤滑油12の液面S0が一側面32bを越えてスリーブ7の開口部wに到ったとしても、固体膜30a、30bの撥油作用により、はじき返され、軸受内部方向に押し戻されて、潤滑油12が軸受外部に浸潤や飛散流出することが防止される。
また、第1大径部31aの内径寸法の選定により、潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)29の容積を、その軸方向寸法を大きくすることなく、大きく設定することが可能になり、特に第1大径部31aがストレートであることにより、従来のテーパシール構造と比較して、それが一層容易になっており、この潤滑油溜まり用隙間29の形成に、従来のような動圧発生部スペースの減少という制約がなくなる。これにより、潤滑油溜まり容量を十分に確保することが可能になり、前記のような、潤滑油12の軸受外部への飛散流出防止効果をさらに高めることができる。
このようにして、スピンドルモータ1の小型化、薄型化、軽量化の要請に伴う流体動圧軸受6の小型化、薄型化に容易に対応することが可能になり、流体動圧軸受6を小型化、薄型化しつつも、十分な潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)29の容積を確保できて、潤滑油止め用周溝32が有する潤滑油跳ね返り壁面の作用とも相俟って、如何なる条件下においても、潤滑油12がスリーブ7の開口部(連通隙間の開口部)wから軸受外部に飛散流出することが防止され、小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度を確実に改善することができる。そして、これにより、潤滑油飛散流出防止性能の信頼度が確実に改善された流体動圧軸受を備えたスピンドルモータを提供することができる。
なお、以上に述べたような本実施例1の効果は、実験により確認された。以下に、その実験結果について説明する。
先ず、図10には、図12ないし図14で示される従来のスピンドルモータに適用された流体動圧軸受が有する潤滑油飛散流出防止のためのテーパシール構造と、本実施例1におけるスピンドルモータ1に適用された流体動圧軸受6が有する同じ目的のためのシール構造(このシール構造は、従来のテーパシール構造に対して、ストレートシール構造と呼ぶことができる。)とについて、静止状態で印加される衝撃力に対する潤滑油の飛散流出防止効果の比較試験を行なった結果が表にして示されている。
この比較試験において、試験条件としては、スピンドルモータの試験機への組付け姿勢を、図8(a)〜(c)、図9に示されるように、上向き、下向き、横向きの3方向とした。図8(a)〜(c)は、比較品(従来例)の各組付け姿勢をこの順に示しており、図9は、試験品(本実施例)の横向きの組付け姿勢を示している。組付け姿勢が上向き、下向き、横向きとは、流体動圧軸受のスリーブの開口部が上向き、下向き、横向きであることを意味している。また、衝撃は、上から下方向に印加されるものとし、衝撃の大きさは、加速度の大きさで計り、100Gから1000Gまでの5段階に分けて、実験を行なった。これより、実験の種類は、合計15種類となる。このような試験方法は、流体動圧軸受内の潤滑油の流出移動の大きさが、衝撃、振動の大きさや、衝撃、振動の印加方向に対する流体動圧軸受の姿勢などで左右されるものであるから、これらの要因を考慮したものである。
試験品(本実施例)としては、ストレートシール構造の同一のスピンドルモータを3個(NO.1〜NO.3)用意し、各試験品に対して、15種類の衝撃試験を繰り返し行なった。また、比較品(従来例)としては、テーパシール構造の同一のスピンドルモータを5個(NO.1〜NO.5)用意し、試験品の場合と同様に、各比較品に対して、15種類の衝撃試験を繰り返し行なった。
なお、この場合において、試験は、小さい衝撃(加速度)印加から大きい衝撃(加速度)印加の順序で実施し、各衝撃(加速度)値においては、スピンドルモータの試験機への組付け姿勢の上向き、下向き、横向きの順序に依った。これは、この順に、衝撃に対する潤滑油の位置安定性の条件がよりシビアになるからである。例えば、図8(c)に示されるような横向きの組付け姿勢においては、潤滑油の液面(メニスカス)Sの最下液面部分SLには、全潤滑油の重量が集中的に負荷されるから、そこの液面部分SLは、毛細管力と表面張力と大気圧pとが平衡した状態から最も壊れ易くなっている。図9の場合も、同様であるが、本実施例の場合、潤滑油止め用周溝があるために平衡が壊れても、この周溝で捕獲され流出が抑制される。いずれかの種類の試験でオイル漏れが認められると、その時点以降の衝撃試験は、結果が明らかであるので、全て行なわなかった。
結果は、同表で明らかなように、従来例のテーパシール構造の場合、1000Gの衝撃に耐えられず、潤滑油漏れを起こしたが、本実施例1のストレートシール構造の場合、いずれの組付け姿勢においても、1000G以上の衝撃に耐えることができており、従来例より優れていることが実証された。いずれの場合も、回転軸の静止時において、前記の衝撃を受けた場合の潤滑油の飛散流出防止効果を示すものである。図10の表において、「オイル漏れ」の表示は、その試験でオイル漏れが実際に確認されたことを表し、ハイフン「−」の表示は、その試験でオイル漏れが生じるのは明らかであることを表している。
また、従来のスピンドルモータに適用された流体動圧軸受が有する潤滑油飛散流出防止のためのテーパシール構造と、本実施例1におけるスピンドルモータ1に適用された流体動圧軸受6が有する同じ目的のためのストレートシール構造とについて、静止状態で繰り返し印加される振動に対する潤滑油の飛散流出防止効果の比較試験を行なった結果、テーパシール構造において潤滑油が軸受外部に飛散流出することが認められたが、本実施例1のストレートシール構造においては、潤滑油が軸受外部に飛散流出することが確実に防止されることが確認できた。尚、静止状態で繰り返し印加される振動の具体的な試験条件の一例として、印加加速度の範囲を2.0G rms〜5.0G rms、振動周波数帯域とスィープ条件を10Hz〜2000Hz/30分および組み付け姿勢を上向き、下向き、そして横向きとした。
さらに、従来のスピンドルモータに適用された流体動圧軸受が有する潤滑油飛散流出防止のためのテーパシール構造と、本実施例1におけるスピンドルモータ1に適用された流体動圧軸受6が有する同じ目的のためのストレートシール構造とについて、静止状態での急激な温度や圧力の変化における潤滑油飛散流出防止比較試験および、動作状態での空気の混入比較試験を実施した結果、テーパシール構造と同等以上の効果が認められた。
このように、本実施例1のストレートシール構造は、従来のテーパシール構造と比較して、流体動圧軸受における潤滑油飛散流出防止効果の点で、大幅に改善されており、しかも、空気の混入防止効果の点でも、従来と同等以上の性能を示し、小スペースで、高い信頼度を保証するものであり、特に小型コンピュータの携帯使用時における持ち運び等により、振動や落下等のショックを受ける機会に遭遇することが多くなり、しかも、搭載されるスピンドルモータが小型・薄型・軽量化構造となって行くことに起因して、剛性面よりも、衝撃や振動に対する影響を受け易くなっている状況にある現在の流体動圧軸受に対して、如何に耐衝撃性のある潤滑油飛散流出防止構造の対策を行なって行くかが大きな課題となっている時に、その課題の解決に大きく寄与するものである。
なお、実施例1の変形例として、第2大径部31bの内径は、潤滑油止め用周溝32の一側面32bの潤滑油跳ね返り壁面としての効果を考慮して、潤滑油止め用周溝32の形状に併せて設定することができる。例えば、一側面32bの潤滑油跳ね返り壁面としての効果が十分でないときには、第2大径部31bの内径を、回転軸11の外周面に接触する虞のない範囲で、第1大径部31aの内径よりも小さく設定することが可能である。また、衝撃の大きさや構造上の点から、第2大径部31bの内径を逆に大きく設定することも可能である。
前記の例で、第2大径部31bの内径を第1大径部31aの内径よりも小さく設定することにより、第2大径部31bの内径面と回転軸11の外周面との間に形成された隙間における潤滑油飛散流出防止効果がさらに増大すると共に、空気の巻き込み削減の効果も期待できる。第1大径部31aから潤滑油止め用周溝32、第2大径部31bを経て軸受外部に飛散流出しようとする潤滑油12は、第2大径部31bに連なり、回転軸方向に径方向幅を広げた潤滑油止め用周溝32の一側面32bにより、さらに効果的に軸受内部方向に押し戻され、この一側面32bより溢れ出ることが抑制されるとともに、内径が縮小された第2大径部31bの絞り効果により、潤滑油12の流出が抑制されるので、潤滑油12が軸受外部に飛散流出することがさらに効果的に防止され、小型化、薄型化された流体動圧軸受の潤滑油飛散流出防止性能の信頼度をさらに確実に改善することができる。
また、実施例1の他の変形例として、第1大径部31aの内径を軸方向に不変とせず、潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)29の必要な容積を確保するため、混入空気を逃げ易くするため、若しくは流路抵抗の観点から、回転軸11に対して若干の傾斜(テーパ)を設けるようにしてもよい。この場合の傾斜は、スリーブ7の開口部wの方向に向かうにつれて、漸次縮径するような傾斜も、拡径するような傾斜もあり得る。漸次拡径する傾斜とされる場合には、潤滑油溜まり用隙間29の容積の確保がさらに容易になるとともに、空気の抜けもさらに抜け易くなる。この場合において、第2大径部31bの内径をテーパの終端の内径よりも小さくすることもできる。
次に、図6及び図7に示される本願の発明の第2の実施例(実施例2)について説明する。
図6は、本実施例2のスピンドルモータに適用される流体動圧軸受の潤滑油止め用周溝の断面形状が略台形状とされ、その一側面32bがスリーブ7の中心線に対して鋭角をなすように角度が付された場合の、同流体動圧軸受の部分拡大縦断面図、図7は、同断面形状が略円弧状とされた場合の、同様の図である。
図6において、本実施例2のスピンドルモータ1に適用される流体動圧軸受6の潤滑油止め用周溝32の断面形状は、略台形状とされている。そして、その上方の一側面32bは、潤滑油12の軸受外部への飛散流出を阻止するために、潤滑油12の軸受内部方向へのはじき返し作用を奏する潤滑油跳ね返り壁面として形成されており、この壁面(一側面32b)は、少なくともその終端部近傍に接する接線が、スリーブ7の中心線とP点で交わり、このスリーブ7の中心線に対して、潤滑油止め用周溝32の内部から見て、鋭角をなすように角度αが付されている。
また、本実施例2においては、第1大径部31aの軸方向寸法が、第2大径部31bの軸方向寸法に比較して、かなり大きく採られている。第2大径部31bの半径は、潤滑油12の軸受外部への飛散流出防止効果を高めるために、第1大径部31aの半径よりもXだけ小さくすることも可能である(鎖線参照)。その他の点については、実施例1と同様である。
このように、本実施例2の潤滑油止め用周溝32の一側面(潤滑油跳ね返り壁面)32bは、少なくともその終端部近傍が、スリーブ7の中心線に対して鋭角をなすように角度αが付されているので、第1大径部31aから潤滑油止め用周溝32、第2大径部31bを経て軸受外部に流出しようとする潤滑油12は、潤滑油止め用周溝32の一側面32bにより軸受内部方向に向けて確実にはじき返され、押し戻されて、この一側面32bより溢れ出ることが抑制される。これにより、実施例1と比較して、潤滑油12が軸受外部に飛散流出することがさらに効果的に防止され、小型化、薄型化された流体動圧軸受6の潤滑油の浸潤や飛散流出防止性能の信頼度をさらに確実に改善することができる。
図7に示される本実施例2の潤滑油止め用周溝32の断面形状は、略円弧状とされている。また、拡開部33も、緩やかな円弧状とされている。潤滑油止め用周溝32の一側面32bと他側面32aとは、回転軸11の方向に向かって同じように開いており、一側面32bの終端部近傍と他側面32aの始端部近傍とがスリーブ7の中心線に対してなす角度は、潤滑油止め用周溝32の内部から見て、同じにされている。
その他は、図6に示される本実施例2の潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)29の構造と略同様であり、それと同様の効果を奏することができる。
次に、図11に示される本願の発明の第3の実施例(実施例3)について説明する。
図11は、本実施例3のハードディスク駆動装置の概略構成を示す縦断面図である。同図に図示されるように、本実施例3のハードディスク駆動装置40は、その駆動源として、実施例1のスピンドルモータ1を備えている。
本実施例3のハードディスク駆動装置40は、概略、次のように構成されている。スピンドルモータ1を収容するハウジング41と、該ハウジング41内を密閉して塵埃等が極度に少ない清浄な空間を形成するカバー部材42とより、ハードディスク駆動装置40の筐体が形成されている。スピンドルモータ1は、そのフレーム4の中間円筒部4aをハウジング41の取付け孔41aに嵌着し、そのフレーム4の外周部に設けられた複数の貫通孔にそれぞれ取付けねじ52を通してハウジング41に締め付けることによって、ハウジング41に固定されている。スピンドルモータ1のステータアッシー2やロータアッシー3を含む本体部は、ハードディスク駆動装置40の筐体内部に収容される。
なお、フレーム4とハウジング41とを一体化させて単一のベース部材とし、該ベース部材が、スピンドルモータ1の流体動圧軸受6やステータアッシー2を装着する装着部とハードディスク駆動装置40の筐体の一部とを兼ねるような構造とすることも可能である。
ロータアッシー3のハブ10の中間円筒部15の外周面には、ハードディスク(磁気記録ディスク)43が二段に装着されている。ハードディスク43は、ハブ10の中間段部に加工された軸方向の複数のねじ孔に取付けねじ51を螺合してクランプ部材44を固定することにより、ハブ10に固定されている。これにより、ハードディスク43は、ハブ10とともに回転する。なお、図11の実施形態では、ハードディスク43がハブ10に2枚装着されているが、ハードディスク43の枚数は、これに限定されるものではない。
また、ハードディスク駆動装置40は、ハードディスク43に対して情報の書込み及び/又は読出しを実行する磁気ヘッド(磁気記録ヘッド)45と、該磁気ヘッド45を支持するアーム46と、磁気ヘッド45及びアーム46を所要の位置に移動させるボイスコイルモータ48とを備えている。ボイスコイルモータ48は、コイル49と、該コイル49に対向して設けられたマグネット50とを有している。
磁気ヘッド45は、ハウジング41内の適宜個所に旋回自在に支持されたアーム46に固定されたサスペンション47の先端部に取り付けられている。磁気ヘッド45は、一枚のハードディスク43に対して、ハードディスク43を挟むように上下に一対配置され、ハードディスク43の両面に対して情報の書き込み及び/又は読み出しを行うことができる。なお、図11の実施形態では、ハードディスク43が2枚の構成となっているため、磁気ヘッド45は2対設けられている。また、図11の実施形態では、スピンドルモータ1は、ハードディスク駆動装置40に適用されたが、これに限定されるものではない。例えば、磁気ヘッド45を光ヘッドに替えて、CDやDVD等の記録ディスクを駆動する記録ディスク駆動装置に適用されてもよい。
本実施例3のハードディスク駆動装置40は、前記のように構成されているので、その流体動圧軸受6が奏する潤滑油飛散流出防止効果及び空気の混入防止効果の点で、従来よりも大幅に改善されており、特に小型携帯用コンピュータ機器に搭載された場合、持ち運び等により振動や落下等のショックを受けたとしても、従来よりも高い信頼度を保証することができる。
なお、本願の発明は、以上の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
本願の発明の第1の実施例(実施例1)のスピンドルモータの縦断面図である。 同スピンドルモータの静止側に当たるステータアッシーに係る部分の縦断面図である。 同スピンドルモータに適用される流体動圧軸受の縦断面図である。 図3の部分拡大図である。 同流体動圧軸受のスリーブ内面に形成された潤滑油止め用周溝の作用を説明するための図である。 本願の発明の第2の実施例(実施例2)のスピンドルモータに適用される流体動圧軸受において、その潤滑油止め用周溝の断面形状が略台形状とされ、その一側面がスリーブの中心線に対して鋭角をなすように角度が付された場合の、同流体動圧軸受の部分拡大縦断面図である。 同断面形状が略円弧状とされた場合の、図6と同様の図である。 従来のテーパシール構造と本実施例1のストレートシール構造とについて、衝撃力に対する潤滑油の飛散流出防止効果の比較試験を行なった時の従来のスピンドルモータの試験機への組付け姿勢を示す図である。 同本実施例1のスピンドルモータの試験機への組付け姿勢の1例を示す図である。 同比較試験の結果を表にして示した図である。 本願の発明の第3の実施例(実施例3)のハードディスク駆動装置の概略構成を示す縦断面図である。 従来のスピンドルモータに適用される流体動圧軸受の縦断面図である。 同流体動圧軸受の部分拡大縦断面図である。 同流体動圧軸受の他の例の部分拡大縦断面図である。 図14の流体動圧軸受の作用を説明するための図である。
符号の説明
1…スピンドルモータ、2…ステータアッシー、3…ロータアッシー、4…フレーム、4a…中間円筒部、5…円筒部、6…流体動圧軸受、7…スリーブ、8…ステータスタック(ステータコア)、9…コイル、10…ハブ、10a…下方円筒部、11…回転軸、12…潤滑油、13…ヨーク、14…マグネット、15…中間円筒部、16…第1の凹部、17…第2の凹部、18…カウンタプレート(スラスト受板)、19…スラストプレート、20…連通孔、21…第1の隙間、22…第2の隙間、23…第3の隙間、24…第1の流体動圧発生用溝、25…第2の流体動圧発生用溝、26…第3の流体動圧発生用溝、27…内面、28…端面、29…潤滑油溜まり用隙間(オイル溜まり)、30a…撥油剤固体膜、30b…撥油剤固体膜、31a…第1大径部、31b…第2大径部、32…潤滑油止め用周溝、32a…他側面、32b…一側面、33…拡開部、40…ハードディスク駆動装置、41…ハウジング、41a…取付け孔、42…カバー部材、43…ハードディスク、44…クランプ部材、45…磁気ヘッド、46…アーム、47…サスペンション、48…ボイスコイルモータ、49…コイル、50…マグネット、51…取付けねじ、52…取付けねじ、m…位置、S0…液面、w…スリーブ開口部(連通隙間開口部)。













Claims (7)

  1. スリーブと該スリーブにより回転自在に支承される回転軸との間の隙間に、潤滑油が封入され、該スリーブの内面に、流体動圧発生用溝が形成されてなる流体動圧軸受であって、 前記流体動圧軸受の前記スリーブの内面には、前記流体動圧発生用溝の一方の終端よりわずかに離れた位置から前記スリーブの開口部側に向かって、拡開部が形成され、
    前記拡開部の終端から前記スリーブの開口部にかけて、第1大径部と、潤滑油止め用周溝と、第2大径部とが順次形成され、
    前記潤滑油止め用周溝は、その開口が、前記回転軸の方向に向かって広がるようにして形成されるとともに、その前記第2大径部側の一側面が、潤滑油跳ね返り壁面を形成しており、
    前記潤滑油は、前記回転軸の静止時、その液面が前記第1大径部にあって、外部衝撃や振動を受けて、さらに、毛細管力と表面張力と大気圧とが平衡した状態が壊れたとしても、飛散流出しようとするその潤滑油が前記潤滑油止め用周溝の一側面より溢れ出ない容積を軸方向に確保することができるような位置に封入されている
    ことを特徴とする流体動圧軸受。
  2. 前記潤滑油止め用周溝の一側面は、少なくともその終端部近傍が、前記潤滑油止め用周溝の内部から見て、前記スリーブの中心線に対して鋭角をなすように角度が付されていることを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受。
  3. 前記第2大径部の内径は、前記第1大径部の内径よりも小さくされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体動圧軸受。
  4. 前記第1大径部には、前記スリーブの開口部の方向に向かうにつれて漸次拡径するようなテーパが付されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流体動圧軸受。
  5. 前記スリーブの開口部側の端面の開口縁部分に沿って、撥油剤の固体膜が形成され、
    前記スリーブの開口部よりも軸方向わずかに外側の位置における前記回転軸の外周面に、撥油剤の固体膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の流体動圧軸受。
  6. スリーブと該スリーブにより回転自在に支承される回転軸との間の隙間に、潤滑油が封入され、該スリーブの内面に、流体動圧発生用溝が形成されてなる流体動圧軸受を備えたスピンドルモータであって、
    前記流体動圧軸受が、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流体動圧軸受であることを特徴とするスピンドルモータ。
  7. 請求項6に記載のスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置であって、
    記録ディスクに情報を書き込み及び/又は読み出しするためのヘッドを備え、
    前記スピンドルモータが、前記記録ディスクを回転駆動する
    ことを特徴とする記録ディスク駆動装置。














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