JP2007113705A - 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置 - Google Patents

流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007113705A
JP2007113705A JP2005306405A JP2005306405A JP2007113705A JP 2007113705 A JP2007113705 A JP 2007113705A JP 2005306405 A JP2005306405 A JP 2005306405A JP 2005306405 A JP2005306405 A JP 2005306405A JP 2007113705 A JP2007113705 A JP 2007113705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap
lubricating fluid
diameter portion
bearing
fluid dynamic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005306405A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007113705A5 (ja
Inventor
Rikuro Obara
陸郎 小原
Kiyouji Kato
教二 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minebea Co Ltd
Original Assignee
Minebea Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minebea Co Ltd filed Critical Minebea Co Ltd
Priority to JP2005306405A priority Critical patent/JP2007113705A/ja
Priority to US11/583,800 priority patent/US7648281B2/en
Publication of JP2007113705A publication Critical patent/JP2007113705A/ja
Publication of JP2007113705A5 publication Critical patent/JP2007113705A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/10Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/04Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only
    • F16C17/045Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only with grooves in the bearing surface to generate hydrodynamic pressure, e.g. spiral groove thrust bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/1025Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant
    • F16C33/103Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant retained in or near the bearing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/74Sealings of sliding-contact bearings
    • F16C33/741Sealings of sliding-contact bearings by means of a fluid
    • F16C33/743Sealings of sliding-contact bearings by means of a fluid retained in the sealing gap
    • F16C33/745Sealings of sliding-contact bearings by means of a fluid retained in the sealing gap by capillary action

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)

Abstract

【課題】流体動圧軸受装置において、衝撃や振動による潤滑流体の漏出を防ぐ構造を提供する。
【解決手段】軸部材102およびそこに嵌着された軸部材側環状部材107を、軸受部材104および軸受部材側環状部材110によって軸支する構造において、軸部材側環状部材107下面側の隙間113および外周面側の隙間114に、隙間116を介して潤滑流体を供給する潤滑流体貯留用の隙間123を配置する。隙間123および隙間116は、隙間113および114に向かって毛管現象による吸引力が働くようにテーパ構造を有しており、隙間123に貯留された潤滑流体が効果的に隙間113および114に供給される。これにより、衝撃や振動を受けた際における急激な減圧状態の発生を抑え、気泡の発生に起因する潤滑流体の漏出を防止し、また蒸発によって失われる潤滑流体の補充機能を確保する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピンドルモータ等のモータの軸受に最適な流体動圧軸受装置に係り、振動や衝撃に起因する潤滑流体の漏出が発生し難く、さらに潤滑流体の蒸発に起因する軸受の寿命を長くすることができる技術に関する。また、本発明は、この流体動圧軸受装置を利用したモータ、さらにこのモータを利用したディスク記憶装置に関する。
近年、ハードディスク装置の小型化が進み、手軽に持ち運びが可能な音楽再生装置や各種データの記憶装置への適用が進んでいる。このような背景において、ハードディスク装置の駆動源であるスピンドルモータに利用される流体動圧軸受装置にも、一層の小型化、薄型化、軸受としての精度(滑らかな回転を維持する精度)、信頼性、および長寿命化が要求されている。
この中で、流体動圧軸受装置の信頼性と長寿命化を阻害する要因として、潤滑流体の漏出(所謂油漏れ)および蒸発の問題がある。特に潤滑流体の漏出は、外部からの振動や衝撃を受ける頻度が高いモバイル機器において問題となる。
図7は、従来技術における流体動圧軸受装置の基本的な構造を示す上面図(A)および側面方向から見た断面図(B)である。図7に示す流体動圧軸受装置900は、ハウジング905内に軸部材(回転シャフト)901を回転自在な状態で支える軸受部材904、軸受部材904から軸部材901が抜けないように、軸部材901と一体に形成された鍔形状の軸部材側環状部901a、この軸部材側環状部901aの縁を上から押さえる状態でハウジング905内に嵌着された軸受部材側環状部材903を備えている。
この構造では、(1)軸部材901の下面とハウジング905との隙間、(2)軸受部材904の内周面と軸部材901の外周面との間の隙間、(3)軸部材側環状部901aの下面と軸受部材904の上面との間の隙間907、および(4)シール部である軸受部材側環状部材903と軸部材側環状部901aとの間の隙間906に潤滑流体が連続的に満たされ、軸部材901が軸受部材904に対して非接触状態で滑らかに回転できるようになっている。また、軸部材側環状部901aの外周面と軸受部材側環状部材903の内周面とが噛み合う形状関係とし、軸部材側環状部901aの周囲の縁部分に、軸受部材側環状部材903の一部が重なるような構造とすることで、軸部材901が軸受部材904から抜けないようになっている。
この構造が衝撃や振動を受けると、軸部材901が、軸受部材904に対して離れようと、あるいは近づこうとする動きが交互に繰り返される。この際、例えば第1の瞬間において、軸部材901が軸受部材904から離れようとし、次の瞬間には逆に近づこうとする。この第1の瞬間においては、隙間907の間隔が広くなろうとし、同時に隙間906の一部が狭くなろうとする。また、第2の瞬間においては、隙間907の間隔が狭くなろうとし、同時に隙間906の一部が広くなろうとする。
理想的には、この隙間906と907の隙間寸法の急激な変化に対応して、両隙間において、潤滑流体の移動が十分に速く行われることで、シール部の潤滑流体漏出防止機能が発揮される。すなわち、理想的には、第1の瞬間において、隙間906の部分から隙間907の部分に潤滑流体が移動し、逆に第2の瞬間において、隙間907の部分から隙間906の部分に潤滑流体が移動し、この潤滑流体の移動によって潤滑流体内の圧力にアンバランスが生じず、潤滑流体の漏出が効果的に防止される。
しかしながら、流体動圧軸受装置自体の小型化・薄型化が進み、さらに振動や衝撃としてより激しいものが想定されてくると、シール部の隙間寸法の変動が速くなり、上記シール部内における潤滑流体のスムーズな移動が困難になってくる。
すなわち、軸部材901が軸受部材側環状部903に対して相対的に上方に移動しようとする場合、その移動速度が一定レベル以上に速くなると、隙間寸法が急速に小さくなる隙間906の一部から、隙間寸法が急速に大きくなる隙間907への潤滑流体のスムーズな移動が間に合わなくなる。こうなると、隙間907が瞬間的に減圧状態になり、隙間907において、潤滑流体中に溶け込んでいた気体成分等に起因する気泡が発生する。この気泡発生は、潤滑流体中に急激な膨張成分が発生する現象であるので、さらに衝撃または振動を繰り返し受けることで潤滑流体が開口部908から外方に押し出され、漏出する。また、気泡が生じなくとも、潤滑流体内の圧力のアンバランスにより、潤滑流体が漏出しやすくなる。
特に図7に示すような、軸部材側環状部901aと軸受部材側環状部材903とが噛み合う形を採用した場合、潤滑流体が屈曲した経路を移動しなければならないので、潤滑流体が素早く動きにくく、上述したメカニズムによる圧力のアンバランスや気泡が発生し易い。それ故に潤滑流体の漏出が発生し易い。
また、流体動圧軸受装置は、その構造上、図7の符号908で示されるような潤滑流体の液面の露出箇所が必ず存在し、そこから潤滑流体の蒸発が起きる。この潤滑流体の蒸発によって、軸受装置内の潤滑流体の保持量は徐々に減少してゆく。そして、最終的には軸受の機能を維持するのに必要な潤滑流体の量が維持できなくなった段階で、流体動圧軸受装置の軸受としての機能が損なわれる。
流体動圧軸受装置における潤滑流体の漏出を防止する技術に関しては、例えば特許文献1に記載されたものが公知である。図8は、特許文献1に記載された流体動圧軸受装置の概略を示す断面図である。この構成においては、軸部材21を軸受部材22によって軸支する構造において、シール部27からの潤滑流体の漏出防止を目的に、余剰の潤滑流体を貯留する潤滑流体留め部28を配置している。この構成においては、シール部27からの潤滑流体の漏出の防止効果を高めるために、滑流体留め部28の開口面積をシール部27の開口面積より小さく設定し、表面張力の作用により、シール部27における液面の高さよりも潤滑流体留め部28における液面の高さを高くしている。
特開平9−79272号公報(要約書)
しかしながら、図8に示す構造は、潤滑流体留め部28の開口面積をシール部27の開口面積よりも小さくすることで、表面張力によって潤滑流体留め部28における液面の高さをシール部27における液面の高さよりも高くすることを意図しているので、潤滑流体留め部28からシール部27への潤滑流体の供給機能は考慮されていない。このため、上述したシール部内で潤滑流体が急激に移動できないことに起因する気泡の発生を防止する効果を、この潤滑流体留め部28に期待することはできない。
また、潤滑流体留め部28における液面の高さをシール部27における液面の高さよりも高くしているので、潤滑流体の蒸発や漏出等によりシール部27の液面が低下していった際に、液面が軸受部材22の端面よりも低下した場合は、利用されない潤滑流体が潤滑流体留め部28に残る。このことは、潤滑流体留め部28内の潤滑流体を最後まで使い切ることができない構造であることを意味し、軸受の寿命を最大限長くする観点から見て好ましくない。このように、図8に示す構造は、潤滑流体の漏出に対する防止効果が十分なものではなく、また潤滑流体の蒸発に対する対策も十分なものではなかった。
このような背景において、本発明は、流体動圧軸受装置における潤滑流体の漏出に対する防止効果が高く、さらに潤滑流体の蒸発に対する効果的な対策によって長寿命化を実現することができる技術を提供することを目的とする。
第1の発明に係る流体動圧軸受装置は、軸部材と、この軸部材との間に形成される第1の隙間を隔てて配置された軸受部材と、前記軸部材に設けられ、その外周面において、軸方向一端側に向かって順に形成された第1大径部および第1小径部を備えた鍔部と、前記軸受部材に対して固定され、その内周面において、前記第1大径部および前記第1小径部に対向する位置にそれぞれ第2大径部および第2小径部を備えた軸受部材側環状部材と、前記軸受部材の前記一端側端面と前記鍔部の軸方向他端側端面との間に形成され、前記第1の隙間に連通する第2の隙間と、前記鍔部と前記軸受部材側環状部材との間に形成された第3の隙間と、前記軸受部材の前記一端側端面と前記軸受部材側環状部材の前記他端側端面との間に形成された第4の隙間と、この第4の隙間を介して前記第2および第3の隙間に連通し、前記軸受部材側環状部材の外周面が臨む第5の隙間と、この第5の隙間に形成された外部との通気を確保する通気口と、前記第3の隙間および前記第5の隙間に液面が位置するように前記第1〜第5の隙間に連続的に充填された潤滑流体とを備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、軸部材に環状構造の鍔部(フランジ部)を設け、この鍔部の外周部に、軸方向一端側に向かって、第1大径部と第1小径部が順に形成され、それに係合するように軸受部材側環状部材の内周部に、軸方向一端側に向かって、第2大径部と第2小径部が順に形成され、軸受部材側環状部材が軸部材に設けられた鍔部に対する抜け止め部材として機能する構造を得ることができる。つまり、軸部材が軸受部材から抜けないための抜け止め構造が実現される。
また第1の発明によれば、第2の隙間および第3の隙間に、第4の隙間を介して、第5の隙間から潤滑流体を迅速に供給することができる。このため、強い振動や衝撃を受け、第2または第3の隙間の間隔が急速に広がろうとした際に、そこに潤滑流体が第5の隙間からスムーズに供給され、第2の隙間または第3の隙間が急激に減圧状態になる事態が防止される。そして、急激な圧力の変動に起因する潤滑流体漏出の発生を抑えることができる。
特に上述した抜け止め構造を採用した場合、軸方向への衝撃や振動を受けた際に、いずれか一方の隙間(第2または第3の隙間)が広がろうとする。したがって、第2の隙間および第3の隙間に、第4の隙間を介して、第5の隙間から潤滑流体を迅速に供給することができる構造は、衝撃や振動に起因する気泡の生成を防ぐために有用な構造となる。
また第1の発明によれば、第3の隙間からの潤滑流体の蒸発があっても、第5の隙間に貯留されている潤滑流体が補充されるので、第3の隙間における潤滑流体の液面低下を極力抑えることができる。これにより、流体動圧軸受装置を長寿命化することができる。
第1の発明において、第1小径部と第1大径部とは、明確に区別できる段差構造であってもよいし、第1小径部から第1大径部へと連続的に径が変化するテーパ形状であってもよい。このことは、対応する第2小径部および第2大径部においても同様である。また、軸部材に設けられた鍔部は、軸部材と一体に形成された環状の部分であってもよいし、環状の部材を軸部材に嵌着する等して固定した別部材であってもよい。
第1の発明において、第5の隙間を一端方向に向かって拡開するテーパ形状とすることは好ましい。この態様によれば、毛管現象により、第5の隙間から第2および第3の隙間の方向に潤滑流体に対して吸引力が働くので、第2または第3の隙間に対する第5の隙間からの潤滑流体の迅速な供給機能を得ることができる。なお、拡開するテーパ形状としては、連続的にその断面寸法が広がってゆく構造、あるいは段階的にその断面寸法が広がってゆく構造を挙げることができる。
第1の発明において、第4の隙間が径外側方向に向かって拡開するテーパ形状を備えることは好ましい。この態様によれば、第4の隙間において、第5の隙間から第2および第3の隙間方向に潤滑流体を吸引しようとする毛管現象が働き、第2または第3の隙間に対する第5の隙間からの潤滑流体の迅速な供給機能を得ることができる。また、この第5の隙間の間隔を第3の隙間の間隔よりも大きくすることは好ましい。こうすることで、第5の隙間の液面と第3の隙間の液面に作用する毛管力の差により、軸受全体を垂直に維持した状態において、第5の隙間における潤滑流体の液面より、第3の隙間における潤滑流体の液面の方が高い位置に維持される。この状態によれば、第3の隙間からの潤滑流体の蒸発が徐々に進行しても、第5の隙間に貯留された潤滑流体を第3の隙間への補給用潤滑流体として最後まで使い切ることができる。このことは、流体動圧軸受装置の長寿命化を追求する上で重要となる。
第1の発明において、軸受部材側環状部材は、第3大径部および第3小径部を有し、前記第3大径部は、前記軸受部材を含む有底筒状構造体の内周面に嵌着され、前記第3小径部の外周面と、この第3小径部外周面に対向する前記有底筒状構造体の内周面との間の隙間によって、前記第5の隙間が形成されていることは好ましい。この態様によれば、第5の隙間を円環状に設けることができるので、第2および第3の隙間に対する半径方向全周からの偏りのない潤滑流体の供給能力を得ることができる。また、軸受部材側環状部材と有底筒状構造体の内周面との間の環状の空間を利用して、潤滑流体の貯留部を確保することができるので、潤滑流体の貯留量を多くすることができる。このため、軸受の長寿命化を更に追求することができる。ここで、有底筒状構造体というのは、一端が底部によって塞がれた筒状の構造体のことをいう。底部は、筒部と一体に形成されていてもよいし、別部材として筒部に嵌着等の方法で取り付けた構造であってもよい。なお、有底筒状構造体の内部に軸受部が配置されるのであるが、軸受部は、有底筒状構造体と一体に設けられたものであってもよいし、筒状の軸受部材を有底筒状構造体の内部に嵌着することで配置してもよい。
この構成において、第3大径部の少なくとも一箇所に、前記通気口として切り欠き、または貫通孔が形成されている構造とすることは好ましい。この態様によれば、大容量を確保した第5の隙間の貯留部に比較して、比較的小さな開口面積の通気口を形成するので、潤滑流体の蒸発速度を減らすことができ、軸受の長寿命化に有利となる。
第1の発明において、第5の隙間に設けられた前記通気口は、潤滑流体を充填する目的に利用することもできる。また、この通気口を覆う封止部材が配置され、この封止部材に通気口よりも開口面積が小さい貫通孔を形成し、この貫通孔により、第5の隙間が外部へ通じている構造とすることは好ましい。この態様によれば、潤滑流体を充填する作業を容易に行うことができ、また、液面が目視可能なので、充填量や液面高さの管理も容易に行うことができる。さらに、空気抜けのための通気が行える程度の小さな貫通孔を除いて潤滑流体充填後に通気口を塞ぐことで、第5の隙間への外部からの通気を確保し、第5の隙間から第2および第3の隙間に対する潤滑流体の供給を円滑に行うことができるとともに第5の隙間からの潤滑流体の漏出や蒸発を更に効果的に抑えることができる。
また、第3の隙間の開口部の周囲に沿って撥油剤が塗布されている構成とすることは好ましい。さらにこの構成に加えて第5の隙間に形成される通気口の周囲および/または前記封止部材に形成された貫通穴の周囲に沿って撥油剤が塗布されている構成とすることは好ましい。これらの態様によれば、液面が外気に触れる部分付近の部材表面に、潤滑流体を弾く状態を付与できるので、潤滑流体が第3の隙間の開口部(液面が外気に触れる部分)や通気口から外部に漏出し難い構成を得ることができる。
第2の発明は、以上説明した構成のいずれか(またはそれらを組み合わせ)の流体動圧軸受装置を適用したモータであることを特徴とする。第2の発明のモータによれば、衝撃や振動に強く、しかも寿命の長い軸受を採用したモータを得ることができる。モータとしてはスピンドルモータが好適である。モバイル機器用途のスピンドルモータは、衝撃や振動を受けやすい状態での使用が想定されるので、軸受部からの潤滑流体の漏出がその信頼性と寿命を損なう大きな要因となるが、第2の発明によれば、上述した第1の発明が有する優位性を持った軸受が利用されるので、衝撃や振動に強く、長寿命のスピンドルモータを得ることができる。
第3の発明は、上記第2の発明のモータと、このモータによって回転駆動されるディスク記憶媒体と、このディスク記憶媒体に情報の書き込みおよび/または読み出しを行うためのヘッドとを備えたディスク記憶装置であることを特徴とする。第3の発明によれば、衝撃や振動に強く、長寿命のモータを備えたディスク記憶装置が提供される。ディスク記憶媒体としては、ハードディスク(磁気ディスク)、光ディスク、光磁気ディスク等を挙げることができる。つまり、ディスク記憶装置としては、ハードディスク装置に代表される磁気ディスク記憶装置、CDやDVDに代表される光ディスク記憶装置、あるいは光磁気ディスク記憶装置を挙げることができる。第3の発明が適用されるディスク記憶装置は、読み出し専用であってもよいし、書き込み可能型であってもよい。
第1の発明によれば、軸部材が軸受部材から抜けないようにする抜け止め構造を採用した場合において、軸部材と軸受部材との間の隙間に加えて、この隙間に潤滑流体を供給するための貯留部を別途設けることで、軸部材と軸受部材との間の隙間に貯留部から潤滑流体が供給され、振動や衝撃を受けた際に気泡の発生を抑え、潤滑流体の漏出を抑えることができる。また、軸部材と軸受部材との間の隙間から潤滑流体が蒸発しても、その減少分が貯留部から供給されるので、軸受の長寿命化を実現することができる。
また、貯留部における液面に掛かる圧力を大気圧と同じにするための通気口を設け、さらに貯留部よりもシール部における液面の毛管力が大きくなるようにし、シール部における液面の位置が貯留部の液面の位置より高くなるようにすることで、軸部材と軸受部材との間の隙間に潤滑流体が迅速にしかも確実に供給される構造を得ることができる。これにより、振動や衝撃を受けた際に気泡の発生を抑える効果を高くすることができ、潤滑流体の漏出の防止効果を高くすることができる。また、貯留部から効率よく潤滑流体をシール部に供給することができるので、シール部から蒸発によって失われた潤滑流体を貯留部から効果的に補充することができ、流体動圧軸受装置を長寿命化することができる。
第2の発明によれば、第1の発明の優位性を備えた流体動圧軸受装置を用いることで、衝撃や振動に強く、長寿命のモータを得ることができる。第3の発明によれば、衝撃や振動に強く、長寿命のモータを備えたディスク記憶装置を得ることができる。
(1) 第1の実施形態
(第1の実施形態の構成)
図1は、発明を利用した流体動圧軸受装置の概要を示す上面図(A)、側面方向から見た断面図(B)((A)のA−A’で切断した断面))、および一部分(符号100の部分)の拡大図(C)である。図1に示す流体動圧軸受装置101は、軸部材102(回転シャフト)、この軸部材102の外周面と第1の隙間103を隔てて配置された軸受部材104、軸部材102に嵌着され、その外周面において、軸方向の一端側(図1中の紙面上方向)に向かって順に形成された第1大径部105および第1小径部106を備えた軸部材側環状部材107、および、軸受部材104に嵌着され、その内周面の前記第1大径部105および前記第1小径部106に対向する位置に第2大径部108および第2小径部109を備えた軸受部材側環状部材110を備えている。
また流体動圧軸受装置101は、軸受部材104の一端側(図1中の紙面上方向)の端面111と軸部材側環状部材107の軸方向の他端側(図1中の紙面下方向)の端面112との間に形成された第2の隙間113、軸部材側環状部材107と軸受部材側環状部材110との間に形成された断面形状が略クランク形状(垂直部−水平部−垂直部により構成)に屈曲し、シール部として機能する第3の隙間114、および軸受部材104の一端側端面111と軸受部材側環状部材110の他端側端面115との間に形成された第4の隙間116とを備えている。第3の隙間114の開口側の垂直部(第1小径部106の壁面106a)は、毛管現象によるキャピラリー・シール機能を果たすように、断面が外方向に向かって拡開するテーパ形状となっている。また、第3の隙間114において、開口側の垂直部は、それに続く水平部と、もう一つの垂直部とともにラビリンス・シール機能も発揮している。従って、第3の隙間114は両機能を併せ持った効果的なシール部を形成している。
また流体動圧軸受装置101において、軸受部材側環状部材110の外周面117は、第5の隙間123に臨んでおり、この第5の隙間123には、第4の隙間116を介して、第2の隙間113および第3の隙間114が連通し、またその上方には、外部との通気を確保する通気口118が形成されている。そして、第1の隙間103、第2の隙間113、第3の隙間114、第4の隙間116および第5の隙間123には、潤滑流体122(図中の塗りつぶし部分)が連続的に充填されている。また、軸部材102の他方側端面と、それに対向する軸受部材104の内側底面(中心穴の底面)との間に第6の隙間124が形成され、そこにも潤滑流体が連続的に満たされている。また、第5の隙間123の間隔は、第3の隙間114の間隔よりも大きく設定されており、両隙間の液面に働く毛管力に差を生じさせている。こうすることで、第3の隙間114の液面位置が第5の隙間123の液面位置よりも高くなるようにしている。こうして、軸部材102と軸部材側環状部材107とで構成される軸側部材は、微少隙間に充填された潤滑流体を介して、軸受部材104と軸受部材側環状部材110とで構成される軸受側部材に回転自在に支持(軸支)された構造となっている。
軸部材102の一端側端面の中心(図1中の上方端側)には、ねじ穴119が形成されており、このねじ穴119は軸部材102に回転部材(例えばハードディスク装置であれば、ハードディスクを支持するためのロータ)をねじ止めする際に利用される。
軸部材側環状部材107は、軸部材102に嵌着固定されており、その外周面には、第1大径部105および第1小径部106の間に段が形成されている。軸受部材側環状部材110は、軸受部材104の内周面に嵌着固定されており、その外周面の4箇所に設けられた切り欠きにより、通気口118と第5の隙間123が形成されている。また、軸受部材側環状部材110の内周面には、第2大径部108および第2小径部109の間に段が形成されている。軸部材側環状部材107の外周に形成された第1大径部105および第1小径部106による段と、軸受部材側環状部材110の内周に形成された第2大径部108および第2小径部109による段とが、微小隙間(第3の隙間114)を隔てて係合するように対向配置されることで、上述した略クランク形状の隙間経路が形成されてラビリンス・シール機能が得られ、同時に、軸部材102が一端側方向(図1中の上方向)に抜けないようになっている。
第1の隙間103に面する軸受部材104の内周面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるためのラジアル動圧溝が形成されている。なお、このラジアル動圧溝は、軸部材102の外周面に形成してもよい。また、軸部材側環状部材107の他端側端面112には、アキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるためのアキシャル動圧溝が形成されている。このアキシャル動圧溝は、軸受部材104の一端側端面111に形成してもよい。
第5の隙間123を構成する外周面117は軸方向に傾斜し、それにより第5の隙間123の断面は一端方向(図1中の上方方向)に向かって拡開するテーパ形状にされている。すなわち、第5の隙間123は、上方に向かって連続的に広がっていく形状になっている。このような構成とすることで、第5の隙間123に充填された潤滑流体に対して、毛管現象による吸引力を下向きに作用させ、第5の隙間123にキャピラリー・シール機能を持たせて通気口118から潤滑流体が漏出し難いようにしている。また、この吸引力によって、第5の隙間123に充填された潤滑流体が、第4の隙間116を介して、第2の隙間113および第3の隙間114方向に移動し易いようにしている。
第4の隙間116の上下の壁面は、径外側方向(回転軸から見た半径方向)に向かって拡開するテーパ形状にされている。すなわち、第4の隙間116は、回転軸から見て半径方向に向かってその間隔が連続的に徐々に大きくなるよう設定されている。こうすることで、第4の隙間116において、軸中心方向に毛管現象による吸引力を作用させ、第5の隙間117に貯留された潤滑流体が、第2の隙間113および第3の隙間114方向に移動しやすいような構造にしている。また、第4の隙間116は、上方から見て環状になっているので、第2の隙間113および第3の隙間114に対して、全周に亘って潤滑流体供給経路として機能する。また、第4の隙間116は、それ自体が潤滑流体を大量に保持することが可能であり、潤滑流体貯留部としても機能する。
この構造では、第5の隙間123と第4の隙間116の両方において、第2の隙間113および第3の隙間114方向に吸引力を働かすためのテーパ形状断面を付与しているので、潤滑流体の貯留部として機能する第5の隙間123から、第4の隙間116を介しての第2の隙間113および第3の隙間114への潤滑流体の供給を効果的に行うことができる。
第3の隙間114の上方には、跳ねた潤滑流体を受け止める返し空洞部121が形成され、さらにその上方は、僅かな隙間である隙間開口部120を介して外部に開放されている。この構造によれば、衝撃や振動に起因して、第3の隙間114に充填された潤滑流体が、隙間開口部120方向に移動し、その液面が上昇しても、或いは跳ねても、返し空洞部121の内壁に衝突して下方に滴下し、回収される。これにより、潤滑流体の隙間開口部120からの漏出を抑えることができる。
通気口118および隙間開口部120の周囲表面、さらに返し空洞部121の内側には、潤滑流体を弾く撥油剤125が塗布されている。これにより、通気口118および隙間開口部120から漏出しようとする潤滑流体が、開口の出口周囲の部分で弾かれ、漏出を発生し難くしている。また、返し空洞部121の内側表面に撥油剤を塗布することで、返し空洞部121の内壁に衝突した潤滑流体を下方に滴下し易くし、返し空洞部121の漏出防止効果を高めている。なお、潤滑流体を、通気口118および/または隙間開口部120の開口付近の内側に塗布することも効果がある。こうすることで、潤滑流体が、通気口118や隙間開口部120から漏れ出ようとした際に、開口の内側付近で弾かれ、その漏出を抑えることができる。
(第1の実施形態の優位性)
図1に例示する流体動圧軸受装置101によれば、潤滑流体の貯留部である第5の隙間123から潤滑流体の供給通路である第4の隙間116方向への吸引力が働き、さらに第4の隙間116内においても同様にして第2の隙間113および第3の隙間114の方向への吸引力が働くので、第2の隙間113および軸受のシール部である第3の隙間114への潤滑流体の供給を速やかに行わせることができる。これにより、衝撃や振動を受けた際に生じる第2の隙間113または第3の隙間114の隙間間隔の急激な増加に対応した当該隙間への速やかな潤滑流体の供給を行うことができる。そして、急激な減圧状態の発生、そしてこの減圧状態の発生に起因する気泡の発生を抑えることができる。
また、毛管力の作用は隙間の間隔が小さいほど大きいので、第5の隙間123の間隔を第3の隙間114の間隔に比較して大きく設定することで、各液面に作用する毛管力に差を生じさせ、それにより第5の隙間123における潤滑流体の液面の高さに比較して、第3の隙間114における潤滑流体の液面の高さを相対的に高くすることができる。このため、蒸発によって第3の隙間114から潤滑流体が失われていった場合に、第5の隙間123に存在する潤滑流体を補充用として最後まで有効に使い切ることができ、軸受の寿命を延ばすことができる。
また、第5の隙間123に通気口118が形成され、外部との空気の移動経路が確保されているので、上述した第5の隙間123から第4の隙間116へ、さらに第4の隙間116から第2の隙間113および第3の隙間114へと潤滑流体の移動をスムーズに行わせることができる。
また、第4の隙間116が、軸部材102から半径方向に延在し、更にその先で上方(つまり軸方向)に向かって第5の隙間123を延在させることで、限られたスペースを有効に活用して、潤滑流体の供給源となる貯留部の容積を増加させている。この構造によれば、シール部の軸方向長さを大きくすることなく、潤滑流体の保持量を増加できるので、軸受装置の小型化を追及した場合に、軸受機能を犠牲にすることなく、軸受の長寿命化を計ることができる。
また、流体動圧軸受装置の組立て時において、潤滑流体の充填を通気口118から行うことができ、潤滑流体の液面を目視確認できるので、潤滑流体の充填量の管理を確実に、そして簡単に行うことができる。特に、通気口118から潤滑流体の液面を目視することは容易であるので、潤滑流体の充填作業を行いやすく、品質管理を行う上で有利となる。
(第1の実施形態の変形)
図1に示す構造において、軸部材102を軸部材側環状部材107と一体に形成して単体部品のフランジ付き軸部材としてもよい。また、切り欠き部で構成される通気口118の数は、4箇所に限定されるものではない。通気口118は、その数を多くすることで、潤滑流体の供給機能を高くすることができる。
2.第2の実施形態
図2は、本発明を利用した他の流体動圧軸受装置の一例を示す上面図(A)と側面方向から見た断面図(B)である。図2に示す流体動圧軸受装置200は、有底筒状のハウジング201内周面に軸受部材208が嵌着され、この軸受部材208によって軸部材(回転シャフト)202が軸支された構造となっている。ハウジング201の内周面には軸受部材側環状部材203も嵌着されている。また、軸部材202は、一体に形成された軸部材側環状部202aを備えている。
軸受部材側環状部材203は、その外周面の軸方向一端側(上方側)に大径部205が形成され、軸方向他端側(下方側)に小径部204が形成されている。大径部205は、ハウジング201の内周面に嵌着され、これにより、軸受部材側環状部材203が軸受部材208に対して間接的に固定されている。
図2に示す構造においては、軸部材202の外周面と軸受部材208の内周面との間に第1の隙間211が形成され、軸部材側環状部202aの他端側端面(下面)と軸受部材208の一端側端面(上面)との間に第2の隙間212が形成され、軸部材側環状部202aと軸受部材側環状部材203との間に屈曲した第3の隙間213が形成され、軸受部材側環状部材203の小径部204の他端側端面(下面)と軸受部材208の一端側端面(上面)との間に第4の隙間214が形成され、軸受部材側環状部材203の小径部204の外周面とハウジング201の内周面との間に第5の隙間215が形成されている。また、軸部材202の端面とハウジング201の底面との間に第6の隙間216が形成されている。そしてこれら第1の隙間211〜第6の隙間216に潤滑流体が連続的に充填されている。
第1の隙間211、第2の隙間212および第3の隙間213は、それぞれ図1に示す第1の隙間103、第2の隙間113および第3の隙間114に対応する。第4の隙間214と第5の隙間215とは、軸部材202に対して同軸の環状立体形状を有している。この構造によれば、予備となる潤滑流体の保持量を更に大きくすることができ、よりスムーズな潤滑流体の供給を行うことができるので、流体動圧軸受装置の長寿命化に有利な構造となる。
軸受部材側環状部材203の大径部205には、切り欠きによる通気口207が形成されており、第5の隙間215と外部との通気が確保されている。この通気口207は、一箇所のみに設けられており、第5の隙間215の容積に比較して、その開口面積が小さいので、通気を確保しつつ、漏出や蒸発による潤滑流体の減少を抑えることができる。
この構造においても、第5の隙間215の間隔に比較して、第4の隙間214の間隔は小さく、さらに第4の隙間214の間隔に対して、第2の隙間212および第3の隙間213の間隔は小さく設定されている。こうすることで、第5の隙間215から第4の隙間214への毛管現象による吸引力、さらに第4の隙間214から第2の隙間212および第3の隙間213への吸引力が働き、隙間215に貯留された潤滑流体の第2の隙間212および第3の隙間213方向への供給が促進される。
本実施形態において、切り欠きによって形成されている通気口207を貫通孔によって構成してもよい。図3は、本発明を利用した他の流体動圧軸受装置の一例を示す上面図(A)と側面方向から見た断面図(B)である。図3には、図2に示す構造において、軸受部材側環状部材203の大径部205に切り欠きに代えて貫通孔301を形成し、この貫通孔301によって外部と、潤滑流体の貯留部である第5の隙間215との間の通気を確保した構造が記載されている。
図2に示す切り欠きによる通気口207や図3に示す貫通孔301は、潤滑流体の充填と通気が確保される程度の大きさであればよいので、潤滑流体の漏出が発生し難い程度に小さなものとすることができる。このことは、潤滑流体の蒸発を抑える点においても有利となる。
図2または図3に示す構造において、第5の隙間215と外部との通気を確保する通気口を狭くすることは、潤滑流体の漏出防止や蒸発防止には図1の構造よりも有利であるが、あまり狭すぎると軸受の組み立て工程における第5の隙間215への潤滑流体の充填作業が困難となるため、狭くできる限界がある。以下、この問題を解決した構造を説明する。
図4は、図2または図3に示す構造に改良を加えたもので、本発明を利用した他の流体動圧軸受装置の一例を示す上面図(A)と側面方向から見た断面図(B)である。この構造では、軸受部材側環状部材203の大径部205に、切り欠きまたは貫通孔によって形成した通気口401を設け、組み立て工程における潤滑流体の充填作業においては、この通気口401を利用する。この通気口401の開口面積は図2の通気口207または図3の貫通孔301の開口面積よりも大きくすることができ、それによって潤滑流体の充填作業における作業性を高めることができる。
潤滑流体の充填作業が終了後、通気用の貫通孔403が形成された封止部材(蓋部材)402を通気口401に固着し、封止部材に形成された貫通穴403を除いて通気口401を封止する。この構造によれば、通気用の貫通孔403は、通気が行える程度の大きさに設定すればよいので、通気口207または貫通孔301よりも開口面積を小さくすることができ、漏出防止および蒸発防止機能の向上とともに第5の隙間215内の潤滑流体の移動を支障なく行うための通気口としての機能を確保しつつ、充填作業の作業性の良さを同時に確保することができる。なお、軸受部材側環状部材203を、ハウジング201の内周面に直接嵌着するのではなく、別部材を利用して、軸受部材側環状部材203をハウジング201に間接的に固定してもよい。
3.第3の実施形態
図1〜図4に例示した流体動圧軸受装置は、スピンドルモータに適用することができる。以下、図1に例示した流体動圧軸受装置を利用したスピンドルモータの一例を説明する。図5は、本発明を利用したスピンドルモータの一例における断面図である。
図5に示すスピンドルモータ500は、軸受部材104と軸受部材104に嵌着された軸受部材側環状部材110とにより構成される軸受側部材に、軸部材102と軸部材102に嵌着された軸部材側環状部材107とにより構成される軸側部材が、潤滑流体を介して軸支された図1に示す流体動圧軸受装置101を備え、さらにこの流体動圧軸受装置によって、ロータ501がステータ503に対して回転自在に支持された基本構造を有している。
この構造においては、ロータ501が、圧入接着によって、軸部材102に固定されている。ロータ501の内周面には、環状の永久磁石502が配置され、この永久磁石502に対向して僅かな隙間を有して、後述するベース607の突出部506に嵌着されたステータ503が配置されている。また、ステータ503はステータコイル503aとステータコア503bを有している。
図示しない駆動回路からの駆動電流がステータコイル503aに流れると、ステータ503と永久磁石502との間で磁気的な相互作用が働き、さらにステータコイル503aに流される駆動電流が上記図示しない駆動回路により適宜スイッチングされることで、ロータ501がステータ503に対して回転する。このステータ503に対するロータ501の回転は、流体動圧軸受装置101によって支えられる。
また、永久磁石502の下方に、僅かな隙間を介して磁性材料で構成された環状の吸引板507が配置されている。この吸引板507は、永久磁石502と協働して、ロータ501全体をステータ503側に引き付ける付勢力を発揮する。この付勢力が、軸受部材104の一端側端面111と、軸部材側環状部材107の他端側端面112との間で発生するアキシャル方向の動圧とバランスし、流体動圧軸受装置101の安定した回転が確保される。
図1に示す流体動圧軸受装置の軸側部材におけるアキシャル方向(軸方向)の動圧発生面は、軸部材部側環状部材107の他端側端面(下面)112だけであるので、上述したようなアキシャル方向の動圧が作用する方向と反対方向への付勢力発生手段を配置し、アキシャル方向の動圧とバランスさせることで、ロータの安定した回転を得ることができる。このように、アキシャル方向の荷重を受けるアキシャル動圧が作用する方向と反対方向に吸引する磁気力を発生する手段を配置し、アキシャル動圧溝によって発生する動圧とこの磁気力とをバランスさせてロータを支持する構成とすることは好ましい。
本明細書で開示する流体動圧軸受装置は、薄型化と小型化を追求した構造において、衝撃や振動に強く、さらに長寿命を得ることができる。したがって、本発明の流体動圧軸受装置は、衝撃や振動が問題となる環境で利用されるスピンドルモータに好適なものとなる。
4.第4の実施形態
上述したスピンドルモータは、ディスク記憶装置の駆動手段として好適である。ここでは、ディスク記憶装置として、ハードディスク装置の例を説明する。図6は、本発明を利用したハードディスク装置の一例における断面図である。
図6に示すハードディスク装置600は、図5に示すスピンドルモータ、このスピンドルモータのロータ部材501に固定されたハードディスク603、このハードディスク603に対する情報の書き込みおよび読み出しを行う磁気ヘッド604、この磁気ヘッドを支えるアーム605、このアーム605を駆動するボイスコイルモータ606を備えている。
この例においては、図5に示すスピンドルモータのベースをハードディスク装置600のベース607が兼ねており、さらに固定用ねじ601によって軸部材102にクランプ部材602がねじ止めされ、このクランプ部材602によって、ロータ501に対して2枚のハードディスク603が押さえ付けられて固定されている。
ステータ503に駆動電流が流され、ステータ503と永久磁石502との磁気的な相互作用が働くと、ロータ501がハードディスク装置600を構成するベース607に対して回転し、同時にロータ501に固定されたハードディスク603が回転する。
このハードディスク603の回転に合わせて、ボイスコイルモータ606を構成するコイル606aに駆動電流が流され、コイル606aと磁石606bとの間における磁気的な相互作用が働いてアーム605が駆動される。これによりアーム605先端の磁気ヘッド604がハードディスク603表面の所定位置に移動し、ハードディスク603に対する情報の書き込みおよび/または読み出しが行われる。
携帯型ハードディスク装置、携帯型コンピュータ、携帯電話、あるいは携帯型の音楽再生装置等のモバイル機器に小型・薄型のハードディスク装置を搭載し、小型軽量でありながら、大容量の記憶容量を確保した機器が開発されている。これらのモバイル機器には、電車の車内にいる状態、自転車を運転している状態、歩行している状態といった振動や衝撃が加わる条件下での使用に耐える耐振動性や耐衝撃性が従来以上に要求される。上述したハードディスク装置は、長寿命で衝撃や振動に強い流体動圧軸受がハードディスクの回転駆動部に使われているので、これらモバイル機器に好適なものとなる。
5.実証例
図1に示す流体動圧軸受装置を本発明適用サンプル1、図3に示す構造の流体動圧軸受装置を本発明適用サンプル2として、試験サンプルを用意した。ここで、本発明適用サンプル1および2は、軸部材の外径を2.5mm、軸部材側環状部材の最大外径を5.1mm、全体の外径を7.2mm、全体の高さを7.2mmとし、その内部に潤滑油を充填した構造とした。また、本発明適用サンプル1(図1参照)は、切り欠きにより構成される通気口118の幅を0.3mm、長さを2mmとし、本発明適用サンプル2は、貫通孔301の径を0.35mmとした。また、通気口118と貫通孔301の周囲、および潤滑流体を受け止める返し空洞部121および217の内側に、撥油剤を塗布した。また、比較例として、本発明適用サンプルと材質や寸法を同じにした図7に示す構造を採用した従来構造サンプルを用意した。そしてこれらサンプルを図6に示すスピンドルモータに装着し、衝撃試験と振動試験を行った。
まず、衝撃試験について説明する。衝撃試験は、上記サンプルを装着したスピンドルモータを静止状態におき、その状態において衝撃を与え、その際における潤滑流体の漏出が発生したか否かを判定した。この判定は、光学顕微鏡による目視検査によって、外部に漏れ出た潤滑流体が観察されるか否かによって行った。
衝撃は、AVEX社製のSM−110−MP型衝撃試験器を用いて与え、衝撃条件は、作用時間を1ms、衝撃波形を正弦半波形(Half-sine波形)、最大加速度を1000Gと1200Gの2条件、とした。また、スピンドルモータの上記試験機組み付け姿勢は、上向き、下向きおよび横向きの3姿勢とした。ここで、上向きとは、流体動圧軸受装置の軸受部材側の開口が形成されている面(例えば図1における通気口118や隙間開口部120の形成されている面)が、上向きであることをいい、下向きとは、その面が下向きであることをいい、横向きとは、その面が水平方向に向いていることをいう。また、衝撃は、上から下の方向に印加することで行った。また試験は、小さい衝撃(1000G)を加えた後に、大きい衝撃(1200G)を加える順序で行った。また、同一加速度においては、上向き→下向き→横向きの順序で行った。すなわち、1000Gの衝撃を上向き→下向き→横向きの順序で加え、次に1200Gの衝撃を上向き→下向き→横向きの順序で加え、計6回の衝撃を印加する方法で行った。このような順序で衝撃を加えるのは、この順に衝撃に対する潤滑流体の位置安定性の条件がより厳しくなるからである。
試験結果を下記表1に示す。表1において、「OK」は、潤滑流体の漏出が認められなかったことを示し、「漏出あり」は、試験の結果、潤滑流体の漏出が確認されたことを示し、「−」は、それ以前の段階の試験で潤滑流体の漏出が確認されたので、試験を実施しなかったことを示す。
Figure 2007113705
表1から明らかなように、本発明を適用したサンプルは、全ての衝撃試験において、潤滑流体の漏れが確認されなかったが、従来構造品では、1000Gの条件で潤滑流体の漏れが発生した。このような優位性が得られた理由は、本発明を適用したサンプルにおいて、第5の隙間123(図1の構造)および第5の隙間215(図3の構造)に貯留された潤滑流体が、シール部(例えば図1における第3の隙間114)との間で移動し易い構造であるが故に、衝撃を受けた際におけるシール部の隙間寸法の急激な変動に対応して潤滑流体が第5の隙間123や215とシール部との間で迅速に移動できるようになり、その結果、シール部における部分的な加圧または減圧状態の発生が防止され、圧力のアンバランスによる漏出が抑えられたためであるから、と考えられる。
1000Gという条件は、これまでのノートパソコン等のハードディスク装置、あるいはCD−ROM装置等におけるスピンドルモータに対する耐衝撃要求値であるが、近年のモバイル機器においては、1000Gを上回る耐衝撃性能が要求されてきている。したがって、表1に示されるような、1200Gに耐える耐衝撃性を有する流体動圧軸受装置は、より小型化および携帯性が要求され、さらに電車内等のように衝撃をより受け易い条件下での使用が想定されるモバイル機器のスピンドルモータに好適なものとなる。
次に振動試験について説明する。振動試験においても、試験サンプルは、上述した衝撃試験の場合と同じである。ここでは、各試験サンプルのスピンドルモータに対して、静止状態で振動負荷を与え、その振動に対する潤滑流体の漏出(飛散流出)の有無を確認した。振動試験は、実際の輸送中または使用中に受ける振動をより的確に再現すると考えられる、ランダムな振動を加える方法で行った。ここでは、振動を加える試験機として、EMIC社製のDCS−7800型振動試験装置を用い、振動条件として、(1)各試験において、振動周波数が5Hz〜500Hzの範囲内で周波数をランダムに変動させ、(2)各試験において、実効加速度を5Grms、6Grms、7Grmsの3条件とし、(3)各試験の試験時間を30分とする条件を採用した。なお、実効加速度は、JIS-C0036規格付属書B2.5に従った加速度の2乗平均値の平方根(rms)を単位Gで表したものを採用した。
なお、従来の振動試験においては、4Grmsのランダム振動において、10分間以上潤滑流体の漏れが発生しなければ、良好な特性であるとされていた。このことから、上記の振動試験が、極めて厳しい条件であることが理解される。
振動試験は、各サンプルにおいて、流体動圧軸受装置を上向きの組み付け姿勢として、実効加速度が5Grms、6Grmsおよび7Grmsのランダム振動を順に与え、次に流体動圧軸受装置を下向きの組み付け姿勢として、実効加速度が5Grms、6Grmsおよび7Grmsのランダム振動を順に与え、次に流体動圧軸受装置を横向きの組み付け姿勢として、実効加速度が5Grms、6Grmsおよび7Grmsのランダム振動を順に与えることで行った。また、各試験を行う毎に、光学顕微鏡を用いた目視検査によって、潤滑流体の漏出の有無(飛散の有無)を確認した。試験結果を下記表2に示す。表2における表記は、表1の場合と同じである。
Figure 2007113705
表2から明らかなように、本発明適用サンプル1では、6Grms・30分のランダム振動試験に耐え、さらに本発明適用サンプル2では、7Grms・30分のランダム振動試験に耐える特性が得られた。これは、4Grms・10分のランダム振動試験において潤滑流体の漏出が認められないことを合格基準とする従来の要求事項を十分に上回る性能である。なお、従来構造サンプルは、この従来の要求事項を満足するものではあるが、表2に示されるように、5Grmsの下向き組み付け姿勢での振動試験において、潤滑流体の漏出が発生している。これは、表2の振動試験条件にほとんど耐えられなかったことを意味している。
なお、図3に示す構造を有する本発明適用サンプル2の試験結果が良好なのは、円周上に存在する第2の隙間212およびシール部である第3の隙間213に対して、更にその外側にやはり円周上に存在する第4の隙間214を介して、同じく円周上に貯留部として機能する第5の隙間215が存在しているので、全周に亘って半径方向からシール部への迅速な潤滑流体の供給が行われ易く、気泡の発生が効果的に防止されたからであると考えられる。
これに対して、図1に示す構造を有する本発明適用サンプル1の試験結果が本発明適用サンプル2に比べてやや劣るのは、円周上に存在する第2の隙間113およびシール部である第3の隙間114に対して、通気口118が形成された4ヶ所の第5の隙間123から潤滑流体の供給が行われるので、シール部へ迅速に潤滑流体を供給する機能が、図3に示す構造に比較して、やや劣るためであると推定される。
さらに、図3に示す構造の本発明適用サンプル2の試験結果が、図1に示す構造の本発明適用サンプル1と比較して優れているもう一つの理由として、図3に示す構造においては、第5の隙間215の通気手段が貫通孔301だけであり、開口面積が小さく、潤滑流体が漏出し難い構造となっている点の寄与も考えられる。
本発明は、流体動圧軸受装置、流体動圧軸受装置を利用したスピンドルモータ、スピンドルモータを利用したディスク記憶装置、さらにはディスク記憶装置を利用したモバイル機器等に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す上面図(A)、側断面図(B)およびシール部の部分拡大側断面図(C)である。 本発明の第2実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す上面図(A)および側断面図(B)である。 本発明の第2実施形態に係る流体動圧軸受装置の変形例を示す上面図(A)および側断面図(B)である。 本発明の第2実施形態に係る流体動圧軸受装置の他の変形例を示す上面図(A)および側断面図(B)である。 本発明の第3実施形態に係るスピンドルモータの断面図である。 本発明の第4実施形態に係るディスク記憶装置の一例であるハードディスク装置の断面図である。 従来技術における流体動圧軸受装置の一例を示す上面図(A)および側断面図(B)である。 従来技術における流体動圧軸受装置のシール部構造の一例を示す部分拡大側断面図である。
符号の説明
21…軸部材、22…軸受部材、27…シール部、28…潤滑流体留め部、100…拡大部分、101…流体動圧軸受装置、102…軸部材、103…第1の隙間、104…軸受部材、105…第1大径部、106…第1小径部、106a…第1小径部内側の壁面、107…軸部材側環状部材、108…第2大径部、109…第2小径部、110…軸受部材側環状部材、111…軸受部材104の一端側端面、112…軸部材側環状部材107の他端側の端面、113…第2の隙間、114…第3の隙間(シール部)、115…軸受部材側環状部材110の他端側端面、116…第4の隙間、117…軸受部材側環状部材110の外周面、118…通気口、119…ねじ穴、120…隙間開口部、121…潤滑流体を受け止める返し空洞部、122…潤滑流体、123…第5の隙間(潤滑流体貯留部)、124…第6の隙間、125…塗布された撥油剤、200…流体動圧軸受装置、201…ハウジング、202…軸部材、202a…軸部材側環状部、203…軸受部材側環状部材、204…小径部、205…大径部、207…通気口、208…軸受部材、211…第1の隙間、212…第2の隙間、213…第3の隙間(シール部)、214…第4の隙間、215…第5の隙間(潤滑流体貯留部)、216…第6の隙間、217…潤滑流体を受け止める返し空洞部、301…貫通孔、401…通気口、402…封止部材(蓋部材)、403…貫通孔、500…スピンドルモータ、501…ロータ、502…永久磁石、503…ステータ、506…突出部、507…吸引板、600…ハードディスク装置、601…固定用ねじ、602…クランプ部材、603…ハードディスク、604…磁気ヘッド、605…アーム、606…ボイスコイルモータ、606a…コイル、606b…磁石、607…ベース、900…流体動圧軸受装置、901…軸部材、901a…軸部材側環状部、903…軸受部材側環状部材、904…軸受部材、905…ハウジング、906…隙間、907…隙間、908…液面の露出部分。

Claims (12)

  1. 軸部材と、
    この軸部材との間に形成される第1の隙間を隔てて配置された軸受部材と、
    前記軸部材に設けられ、その外周面において、軸方向一端側に向かって順に形成された第1大径部および第1小径部を備えた鍔部と、
    前記軸受部材に対して固定され、その内周面において、前記第1大径部および前記第1小径部に対向する位置にそれぞれ第2大径部および第2小径部を備えた軸受部材側環状部材と、
    前記軸受部材の前記一端側端面と前記鍔部の軸方向他端側端面との間に形成され、前記第1の隙間に連通する第2の隙間と、
    前記鍔部と前記軸受部材側環状部材との間に形成された第3の隙間と、
    前記軸受部材の前記一端側端面と前記軸受部材側環状部材の前記他端側端面との間に形成された第4の隙間と、
    この第4の隙間を介して前記第2および第3の隙間に連通し、前記軸受部材側環状部材の外周面が臨む第5の隙間と、
    この第5の隙間と外部との通気を確保する通気口と、
    前記第3の隙間および前記第5の隙間に液面が位置するように前記第1〜第5の隙間に連続的に充填された潤滑流体と
    を備えることを特徴とする流体動圧軸受装置。
  2. 前記第5の隙間が前記一端方向に向かって拡開するテーパ形状を有することを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
  3. 前記第4の隙間が径外側方向に向かって拡開するテーパ形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の流体動圧軸受装置。
  4. 前記第3の隙間における潤滑流体の液面の位置が、前記第5の隙間における潤滑流体の液面の位置よりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
  5. 前記第3の隙間の開口部の周囲に沿って撥油剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
  6. 前記第5の隙間の通気口の周囲に沿って撥油剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
  7. 前記軸受部材側環状部材は、第3大径部および第3小径部を有し、
    前記第3大径部は、前記軸受部材を含む有底筒状構造体の内周面に嵌着され、
    前記第3小径部の外周面と、この第3小径部外周面に対向する前記有底筒状構造体の内周面との間の隙間によって、前記第5の隙間が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
  8. 前記第3大径部の少なくとも一箇所に、前記通気口として切り欠き、または貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の流体動圧軸受装置。
  9. 前記第3大径部に、前記通気口を覆う封止部材が配置され、
    この封止部材には、前記通気口よりも開口面積の小さい貫通孔が形成され、
    前記第5の隙間は、前記貫通孔を介して外部へ通じていることを特徴とする請求項7または8に記載の流体動圧軸受装置。
  10. 前記第5の隙間の通気口または前記封止部材の貫通孔の周囲に沿って撥油剤が塗布されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
  11. 前記請求項1〜10のいずれかに記載した流体動圧軸受装置を備えることを特徴とするモータ。
  12. 前記請求項11に記載のモータと、
    このモータによって回転駆動されるディスク記憶媒体と、
    このディスク記憶媒体に情報の書き込みおよび/または読み出しを行うためのヘッドと
    を備えたことを特徴とするディスク記憶装置。
JP2005306405A 2005-10-20 2005-10-20 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置 Pending JP2007113705A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005306405A JP2007113705A (ja) 2005-10-20 2005-10-20 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置
US11/583,800 US7648281B2 (en) 2005-10-20 2006-10-20 Fluid dynamic bearing, motor and storage disk device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005306405A JP2007113705A (ja) 2005-10-20 2005-10-20 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007113705A true JP2007113705A (ja) 2007-05-10
JP2007113705A5 JP2007113705A5 (ja) 2008-11-20

Family

ID=37985462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005306405A Pending JP2007113705A (ja) 2005-10-20 2005-10-20 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7648281B2 (ja)
JP (1) JP2007113705A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7635936B2 (en) 2003-11-07 2009-12-22 Nidec Corporation Fluid dynamic pressure bearing and spindle motor
KR101084826B1 (ko) 2010-05-19 2011-11-21 삼성전기주식회사 유체 동압 베어링 모터

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248916A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置およびそれを備えたスピンドルモータ、ディスク駆動装置
US7758246B2 (en) * 2007-06-25 2010-07-20 Seagate Technology, Llc Air purging for a fluid dynamic bearing
US9093108B2 (en) * 2007-09-22 2015-07-28 Seagate Technology Llc Fluid dynamic bearing and pumping seal
KR100997189B1 (ko) * 2008-11-14 2010-11-29 삼성전기주식회사 모터
US8107195B2 (en) * 2009-05-01 2012-01-31 ALPHANA Technology, Co., Ltd. Fluid dynamic bearing unit and disk drive device including the same
US9176001B2 (en) * 2011-02-01 2015-11-03 Bonal Technologies, Inc. Vibration treatment method and graphical user interface
US10258741B2 (en) 2016-12-28 2019-04-16 Cequr Sa Microfluidic flow restrictor and system

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11125242A (ja) * 1997-10-23 1999-05-11 Koyo Seiko Co Ltd 動圧軸受
JP2000274429A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Seiko Instruments Inc 液体動圧軸受及びスピンドルモータ
JP2000310221A (ja) * 1999-04-27 2000-11-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動圧軸受装置
JP2001221228A (ja) * 2000-02-08 2001-08-17 Nsk Ltd スピンドルモータ
JP2001271838A (ja) * 2000-03-27 2001-10-05 Nippon Densan Corp 動圧流体軸受装置及び電動機
JP2002266878A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 動圧軸受装置及びその製造方法
JP2003139131A (ja) * 2001-11-02 2003-05-14 Nippon Densan Corp 軸受装置及びこれを用いたモータ、並びにこのモータを用いたディスク装置
JP2003194060A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 流体動圧軸受装置
JP2005257073A (ja) * 2004-02-09 2005-09-22 Minebea Co Ltd モータの流体軸受装置、該流体軸受装置を備えたモータ並びに記録ディスク駆動装置

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5433529A (en) * 1994-08-02 1995-07-18 Synektron Corporation Fluid bearing construction employing thrust plate with pressure compensation ports
US5900903A (en) * 1995-03-29 1999-05-04 Canon Kabushiki Kaisha Deflecting scanning apparatus
US5536088A (en) * 1995-06-07 1996-07-16 Synektron Corporation Fluid bearings for electronic spindle motors
JPH0979272A (ja) 1995-09-13 1997-03-25 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 動圧軸受のシール装置
US5718516A (en) * 1996-04-02 1998-02-17 Sae Magnetics (H.K.) Ltd. Spindle motors with hard coated hydrodynamic bearings
JP3894648B2 (ja) * 1998-02-09 2007-03-22 松下電器産業株式会社 流体軸受装置
JP3462982B2 (ja) * 1998-03-16 2003-11-05 日本電産株式会社 動圧流体軸受装置及び電動機
JP3579258B2 (ja) * 1998-06-18 2004-10-20 日本電産株式会社 モータおよびその製造方法
US6799891B2 (en) * 2002-02-22 2004-10-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Motor device
US20030190100A1 (en) * 2002-04-05 2003-10-09 Grantz Alan L. Radial capillary seal for fluid dynamic bearing motors
US6834996B2 (en) * 2002-05-15 2004-12-28 Sankyo Seiki Mfg. Co., Ltd. Motor with dynamic pressure bearing
US6991376B2 (en) * 2002-11-05 2006-01-31 Seagate Technology Llc Low profile fluid dynamic bearing motor having increased journal span
JP2004263863A (ja) * 2003-02-10 2004-09-24 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 動圧軸受装置
US6900568B2 (en) * 2003-04-16 2005-05-31 Seagate Technology Llc Fluid dynamic bearing motor configured with an integrated counterplate to contain bearing fluid
US8007176B2 (en) * 2003-06-27 2011-08-30 Ferrotec Corporation Dynamic pressure bearing and rotation machine employing same
US7224552B2 (en) * 2003-07-16 2007-05-29 Seagate Technology Llc High-speed centrifugal seal for a spindle motor
CN100417824C (zh) * 2003-11-07 2008-09-10 日本电产株式会社 流体动压轴承及主轴马达
JP2005155689A (ja) * 2003-11-21 2005-06-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置
US7568839B2 (en) * 2004-02-18 2009-08-04 Seiko Instruments Inc. Fluid dynamic pressure bearing, motor, and recording medium driving device
US7241050B2 (en) * 2004-07-29 2007-07-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Hydrodynamic bearing device
US20060039636A1 (en) * 2004-08-20 2006-02-23 Kura Laboratories Corporation Fluid dynamic bearing motor attached at both shaft ends
JP2006283964A (ja) * 2004-08-20 2006-10-19 Kura Gijutsu Kenkyusho:Kk 軸固定型動圧流体軸受モータ及び記録ディスク装置
US7422371B2 (en) * 2005-02-09 2008-09-09 Seagate Technology Llc Active hybrid FDB motor
DE102007005516A1 (de) * 2007-02-03 2008-08-07 Minebea Co., Ltd. Spindelmotor mit fluiddynamischem Lagersystem

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11125242A (ja) * 1997-10-23 1999-05-11 Koyo Seiko Co Ltd 動圧軸受
JP2000274429A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Seiko Instruments Inc 液体動圧軸受及びスピンドルモータ
JP2000310221A (ja) * 1999-04-27 2000-11-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 動圧軸受装置
JP2001221228A (ja) * 2000-02-08 2001-08-17 Nsk Ltd スピンドルモータ
JP2001271838A (ja) * 2000-03-27 2001-10-05 Nippon Densan Corp 動圧流体軸受装置及び電動機
JP2002266878A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 動圧軸受装置及びその製造方法
JP2003139131A (ja) * 2001-11-02 2003-05-14 Nippon Densan Corp 軸受装置及びこれを用いたモータ、並びにこのモータを用いたディスク装置
JP2003194060A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 流体動圧軸受装置
JP2005257073A (ja) * 2004-02-09 2005-09-22 Minebea Co Ltd モータの流体軸受装置、該流体軸受装置を備えたモータ並びに記録ディスク駆動装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7635936B2 (en) 2003-11-07 2009-12-22 Nidec Corporation Fluid dynamic pressure bearing and spindle motor
KR101084826B1 (ko) 2010-05-19 2011-11-21 삼성전기주식회사 유체 동압 베어링 모터

Also Published As

Publication number Publication date
US7648281B2 (en) 2010-01-19
US20070092172A1 (en) 2007-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007113705A (ja) 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置
JP4700394B2 (ja) 流体動圧軸受、該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置
CN102377275B (zh) 主轴马达及盘驱动装置
US6836388B2 (en) Spindle motor and disk drive utilizing the spindle motor
US8858084B2 (en) Rotating device and component for fluid dynamic bearing unit thereof
US8064166B2 (en) Hydrodynamic bearing device, spindle motor, and recording and reproducing apparatus
JP3978434B2 (ja) スピンドル・モーター軸受の耐衝撃方法およびシステム
US8284515B2 (en) Fluid dynamic pressure bearing device, spindle motor and disk drive apparatus
JP2009041671A (ja) 軸受装置とそれを用いたモータおよび情報装置
JP2012193839A (ja) スピンドルモータおよびディスク駆動装置
JP2011208701A (ja) スピンドルモータおよびディスク駆動装置
JP4619763B2 (ja) 流体動圧軸受装置および該流体動圧軸受装置を備えたスピンドルモータ並びに記録ディスク駆動装置
JP2012196115A (ja) スピンドルモータおよびディスク駆動装置
US8033732B2 (en) Hydrodynamic bearing device, and spindle motor equipped with same
JP2005257076A (ja) 流体動圧軸受システム及びその製造方法並びにスピンドルモータ
CN203761178U (zh) 主轴马达以及盘片驱动装置
JP4473716B2 (ja) 流体動圧軸受装置及び該流体動圧軸受装置を備えたスピンドルモ−タ、記録ディスク駆動装置
JP2004232860A (ja) オイル移動防止用流体トラップを有する流体動圧軸受組立体
KR20130136819A (ko) 유체 동압 베어링 어셈블리 및 이를 포함하는 스핀들 모터
JP2006211795A (ja) スピンドルモータ
JP2012055151A (ja) モータ
JP2007024199A (ja) 流体軸受装置、モータおよび情報装置
JP2009057990A (ja) 流体軸受装置、スピンドルモータ、情報装置
JP2003158861A (ja) スピンドルモータ及びこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
US20080279493A1 (en) Hydrodynamic bearing device, and spindle motor and information device equipped with same

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081003

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100520

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101004