JP2001271838A - 動圧流体軸受装置及び電動機 - Google Patents

動圧流体軸受装置及び電動機

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JP2001271838A
JP2001271838A JP2000086044A JP2000086044A JP2001271838A JP 2001271838 A JP2001271838 A JP 2001271838A JP 2000086044 A JP2000086044 A JP 2000086044A JP 2000086044 A JP2000086044 A JP 2000086044A JP 2001271838 A JP2001271838 A JP 2001271838A
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Japan
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thrust
gap
radial
sleeve
bearing
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JP2000086044A
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English (en)
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Shinya Tokunaga
晋也 徳永
Yoshito Oku
義人 奥
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑液中に混在し得る気泡を、軸体以外の部
分に設けた通気孔を通じて外部に円滑に解放し、特に高
速回転においても気泡を円滑に外部に解放する。 【解決手段】 軸部8a及び径方向外方へ張り出したス
ラスト板部8bを有する軸体8と、スリーブ部6a1及
びスラスト支持部20を有するスリーブ体6との間の間
隙に潤滑液を充填し、軸部8aとスリーブ部6a1が径
方向に相対するラジアル軸受部24,26、及びスラス
ト板部8bが軸心方向両側においてスラスト支持部20
とそれぞれ軸心方向に相対する両スラスト軸受部30,
32において、軸体8とスリーブ体6とを相対回転自在
に支持する。スラスト板部8bより径方向外方にスラス
ト支持部20とスラスト板部8bとの間隙において連通
する間隙形成部34を設けると共に、この間隙形成部3
4の外周側に間隙拡大部38を形成し、スリーブ体6に
軸方向に形成したスラスト部通気孔40をこの間隙拡大
部38の外周側に開口する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸部から張り出し
たスラスト板部を有してなる軸体とスリーブ体との一方
に対し他方が潤滑液を介し回転自在に支持されてなる動
圧流体軸受装置及びその動圧軸受装置を備えた電動機に
関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク駆動用のスピンドルモー
タ等の電動機においては、高速化並びに低振動(騒音)
を目的に、軸受装置として動圧流体軸受を使用したもの
が提案されている。図14はこの種動圧流体軸受装置を
備えたハードディスク駆動用のスピンドルモータ(電動
機)についての断面図を示したものである。
【0003】図14における軸受装置は、軸部aの下端
にスラスト板部bを有する上下方向の回転軸体cが、軸
部aにスリーブ嵌合したスリーブ部dとスラスト板部b
に外嵌した径方向内方開口の環状のスラスト溝部eとを
有し下端部が閉塞されてなる固定スリーブ体fに対し、
潤滑液を介し回転自在に支持されてなる。
【0004】スリーブ部dと軸部aの間には、それぞれ
動圧発生用のヘリングボーン溝部が設けられた上ラジア
ル軸受部g及び下ラジアル軸受部hが形成され、両者の
間に径方向間隙拡大部iが設けられている。この間隙拡
大部iは、固定スリーブ体fに設けられた通気孔jを介
して外部(スピンドルモータ内における固定スリーブ体
fの外部)に連通し、ロータkとブラケットlの間隙m
を介して外気に通じている。
【0005】また、間隙拡大部iは、回転軸体cに設け
られた径方向通気孔n及び軸方向通気孔oを介して回転
軸体cの下端の凹部pに連通している。スラスト板部b
と軸部aの間には軸心方向の呼吸孔qが設けられ、スラ
スト板部b内には、呼吸孔qの軸心方向中間位置とスラ
スト板部bの外周面を連通する呼吸孔rが設けられてい
る。
【0006】スラスト板部bの上下面とスラスト溝部e
の上下面の間には、それぞれ動圧発生用のヘリングボー
ン溝部が設けられたスラスト軸受部sが形成されてい
る。
【0007】上ラジアル軸受部gにおける潤滑液に混在
する気泡は、その上部においてスリーブ部dの上端と軸
部aの間から、また下部において間隙拡大部i及び通気
孔jを介して、それぞれ外部に解放される。下ラジアル
軸受部hにおける潤滑液に混在する気泡は、その上部に
おいて間隙拡大部i及び通気孔jを介して、下部におい
て呼吸孔q、凹部p、軸方向通気孔o、径方向通気孔
n、間隙拡大部i及び通気孔jを介してそれぞれ外部に
解放される。また、各スラスト軸受部sにおける潤滑液
中に混在する気泡は、呼吸孔q、凹部p、軸方向通気孔
o、径方向通気孔n、間隙拡大部i及び通気孔jを介し
て外部に解放される。このように、各ラジアル軸受部の
軸心方向両端及び各スラスト軸受部の径方向両端、すな
わち動圧発生用溝部による圧力が最低となる部分をそれ
ぞれ外気に通じさせ、それらの部分において潤滑液中の
気泡を外部に解放することにより、温度上昇や気圧低下
時の気泡膨張による潤滑液の流出・散逸を防いでいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようなハードディ
スク駆動用スピンドルモータにあっては、回転軸体cの
軸部aに、ハードディスクのクランプ等のためのディス
ククランプ用の雌ねじ部tが設けられることがあるが、
軸方向通気孔oや径方向通気孔n等と軸部a内のスペー
スの取り合いになり、設計面の自由度が低下し、加工上
の難点となる場合もある。さらに、上記のように必要な
通気孔及び呼吸孔の数が多いことは、製造コストの増大
要因となっていた。特に、スラスト板部bに上記のよう
な呼吸孔q及び呼吸孔rを設ける必要があることは、コ
ストアップは勿論、軸部aとスラスト板部bからなる回
転軸部cを一体物とすることを困難としていた。
【0009】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に留意してなされたものであり、その目的とする
ところは、潤滑液中に混在し得る気泡を、軸体以外の部
分に設けた通気孔を通じて外部に円滑に解放することが
でき、特に高速回転においても気泡を円滑に外部に解放
し得る動圧流体軸受装置及びその動圧流体軸受装置を備
えた電動機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の動圧流体軸受装置にあっては、軸部とその
軸部よりも径方向外方へ張り出したスラスト板部とを有
する軸体と、前記軸部にスリーブ嵌合したスリーブ部と
前記スラスト板部に外嵌したスラスト支持部とを有する
スリーブ体と、前記軸体とスリーブ体との間の間隙に充
填された潤滑液とを備えてなり、前記軸部と前記スリー
ブ部が径方向に相対する1又は2以上のラジアル軸受
部、及び前記スラスト板部が軸心方向における両側にお
いて前記スラスト支持部とそれぞれ軸心方向に相対する
両スラスト軸受部において、前記軸体と前記スリーブ体
が前記潤滑液を介して相対回転自在に支持されてなる動
圧流体軸受装置であって、前記スラスト板部と前記スラ
スト支持部との間の間隙における前記スラスト板部の外
周側には、前記両スラスト軸受部に連続して前記潤滑液
が充填され、前記スラスト支持部は、前記スリーブ部に
連続して設けられ一方の前記スラスト軸受部の一部を構
成するスラスト軸受面が形成されたスラスト支持基部
と、該スラスト支持基部に取り付けられ他方の前記スラ
スト軸受部の一部を構成する他のスラスト軸受面が形成
されたスラストブッシュとからなり、前記スラスト板部
の径方向外方における前記スラスト支持基部と前記スラ
ストブッシュとの間には、前記スラスト板部の外周側に
連通し前記潤滑剤の一部を保持する間隙形成部と該間隙
形成部の外周側に位置し前記スラスト支持基部と前記ス
ラストブッシュとを隙間無く接合する環状の結合部とが
設けられ、かつ、前記間隙形成部の前記結合部寄りに径
方向外側に行くに従い間隙が大となる間隙拡大部が形成
され、前記スラスト板部の外周側の潤滑剤に連続して前
記間隙形成部に充填された潤滑剤が前記間隙拡大部にお
いて界面を形成し、前記スリーブ体に、前記間隙拡大部
の外周側を前記スリーブ体の外方に開口するスラスト部
通気孔が径方向に設けられていることを特徴とする(請
求項1)。
【0011】軸体及びスリーブ体の一方に対し他方が回
転することにより、スラスト軸受部及びラジアル軸受部
における潤滑液に、軸体及びスリーブ体の一方に対する
他方の調芯に必要な動圧が発生する。潤滑液に混入し得
る気泡は軸受部における圧力が低くなる側に移送される
ため、この部分を外部に解放することが必要であり、気
泡の排出を円滑に行うことが可能となる。スラスト軸受
部における潤滑液の気泡はスラスト軸受部の外周側に移
送され、間隙形成部を経てその間隙拡大部の界面に達
し、スラスト部通気孔を通ってスリーブ体の外方に解放
される。
【0012】潤滑液としては、例えばスピンドル油等の
各種潤滑油を用いることができる。潤滑液は、ラジアル
軸受部に充填されると共に、両スラスト軸受部及びスラ
スト支持部とスラスト板部との間隙におけるスラスト板
部の外周側に連続して充填され、この外周側に連通した
間隙形成部はオイルバッファとして機能し、この間隙形
成部に存在する潤滑液が必要に応じスラスト軸受部及び
前記外周側に補給され得る。
【0013】ここで、スラスト支持部とスラスト板部と
の間隙におけるスラスト板部の外周側に連通した間隙形
成部においては、スラスト板部側の間隙が、潤滑液を毛
細管現象により保持し得る程度の小さい隙間寸法に設定
され、スラスト板部の外周側の潤滑液に連続しており、
間隙形成部の結合部側に形成された間隙拡大部の位置ま
で潤滑液が存在し、この位置に潤滑液の界面を形成して
いる。潤滑液の界面はスラスト板部の外側に対して間隙
形成部の小間隙部分を介在させて連通しているため、軸
体とスリーブ体との相対回転時においても、間隙拡大部
の潤滑液は回転時の周速の影響や圧力変動の影響を受け
ることはほとんどなく、潤滑液界面は安定した状態が保
持される。間隙形成部はスラスト板部の外側に環状に形
成することもでき、或いは周方向の一部において部分的
に例えばスリット状に形成することもできる(請求項
2)。
【0014】スラスト板部の外周側と間隙拡大部とを複
数のスリット状連通路部で連通した場合には、間隙形成
部における間隙拡大部より径方向内方においてスリット
状連通路部以外の部分でスラスト支持基部とスラストブ
ッシュとが接合することとなり、スラスト支持基部とス
ラストブッシュとの接合位置が外周端部の結合部だけで
なくスラスト板部の近傍においても設定できるため、ス
ラスト周りの機械的な剛性を確保できることとなる。
【0015】スリーブ体に形成されたスラスト部通気孔
は、上記間隙拡大部の外周側に開口しており、スラスト
部通気孔を通して間隙拡大部に潤滑液を注入することに
よりスラスト軸受部及びその近傍に潤滑液を充填するこ
とが可能である。すなわち、間隙拡大部に注入された潤
滑液は、毛細管現象により間隙が小となる側つまり間隙
拡大部における内径側に浸透し、間隙形成部のスラスト
板部側を経てスラスト板部の外周部及び両スラスト軸受
部に入り込む。
【0016】前記間隙拡大部は前記スラスト板部の中心
から偏倚した中心を有する環状に形成し、間隙拡大部の
径方向間隙及び軸方向間隙を周方向に連続的に変化させ
ることができる(請求項3)。この場合には、間隙拡大
部における潤滑液の界面が間隙拡大部の周方向2カ所に
存在することとなる。間隙拡大部に注入された潤滑液
は、毛細管現象により間隙が小となる側つまり間隙拡大
部における径方向及び軸方向間隙の小さい側から浸透
し、スラスト板部の周り及びスラスト軸受部に入り込
む。スラスト周りに存在した空気は潤滑液が入り込んで
くる側とは異なる側から間隙形成部に押し出され、スラ
スト部通気孔から外部に開放され、潤滑液と空気との入
れ換わりがスムーズに行われる。
【0017】軸体を構成する軸部とスラスト板部は一体
に形成されたものであってもよく、別体の部品を結合し
てなるものであってもよい。通常、軸部は軸心線に対し
回転対称状をなす略円柱形状であり、スラスト板部は軸
心線に対し垂直で回転対称状をなす環状板形状である。
【0018】スリーブ体は、軸心方向における一方にお
いて軸体(例えば軸部)との間が全周に渡り外部に実質
上解放され、他方において軸体(例えばスラスト板部)
を内部に実質上閉塞するものとすることができる。例え
ば、軸体が軸部の一端に略円板状のスラスト板部を有す
るものである場合、スラスト支持部は、略円板状のスラ
スト板部のうち軸部突出部分を除く全体に対し軸心方向
及び径方向に外嵌したものとすることができる。また、
スリーブ体は、軸心方向における両方において軸体(例
えば軸部)との間が全周にわたり外部に実質上開放され
たものとすることもできる。この場合、スラスト支持部
は、例えばスラスト板部のうち軸部よりも径方向外方に
張り出した環状部分に外嵌した径方向内方開口の環状溝
形状とすることができる。なお、スリーブ体が固定さ
れ、軸体が回転軸体として回転するものとすることがで
きる他、軸体が固定され、スリーブ体が回転スリーブ体
として回転するものとすることもできる。
【0019】上記動圧流体軸受装置において、両スラス
ト軸受部をそれぞれ、前記潤滑液を径方向内方にポンピ
ングする動圧発生用のスパイラル溝部を有する構成とす
ることができる(請求項4)。軸体とスリーブ体との相
対回転時においては、スラスト軸受部及びその外周側の
潤滑液に対し常に径方向内方への動圧圧力が作用するこ
とから、スラスト板部の外周側の潤滑液に遠心力が作用
する場合にも、この潤滑液が遠心力に対向して確実に保
持され、間隙拡大部における潤滑液の界面がより安定に
なる。
【0020】ポンプイン型のスパイラル溝部は、動圧発
生の効率がよく、ヘリングボーン溝に比べて潤滑液の粘
性抵抗が小さいため、スラスト軸受部における損失を減
少させることができる。また、動圧発生の効率がよいた
めスラスト板部を小径化することが可能であり、そのよ
うな小径化によってスラスト板部の周速に比例する傾向
があるスラスト軸受部における損失を一層減少させるこ
とができる。
【0021】上述した動圧流体軸受装置において、ラジ
アル軸受部の1つは前記両スラスト軸受部の一方に隣接
し、そのラジアル軸受部に、前記潤滑液を隣接するスラ
スト軸受部に向かう方向にポンピングするよう軸心方向
に不平衡に形成された動圧発生用のヘリングボーン溝部
を有し、ラジアル軸受部に隣接するスラスト軸受部に、
前記潤滑液を径方向内方にポンピングする動圧発生用の
スパイラル溝部を有するものとすることができる(請求
項5)。
【0022】また、前記スラスト軸受部に隣接するラジ
アル軸受部の隣接スラスト軸受部とは逆の側に、別のラ
ジアル軸受部を有し、それらのラジアル軸受部同士の間
に、軸部の外周面とスリーブ部の内周面との径方向間隙
が両ラジアル軸受部よりも大きい環状の中間径方向間隙
拡大部を有し、該中間径方向間隙拡大部に開口して外部
に連通するラジアル部通気孔を有するものとすることも
できる(請求項6)。
【0023】スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部
において潤滑液中の気泡は潤滑液の圧力が最も低くなる
側、すなわち軸心方向における前記隣接スラスト軸受部
とは逆の側へ集まりやすく、中間径方向間隙拡大部を経
てラジアル部通気孔を通じて外部に開放される。隣接ス
ラスト軸受部の側から気泡を開放する必要がないので、
スラスト板部内や軸部内に通気孔を設けて隣接スラスト
軸受部の側を外部に通じさせる必要もない。ラジアル部
通気孔は、スリーブ体内に径方向に設けるのがよい。
【0024】中間径方向間隙拡大部は、少なくとも軸心
方向両端部が、両ラジアル軸受部に向かって径方向間隙
が漸次縮小するものとし、各径方向間隙漸次縮小部にそ
れぞれ潤滑液の界面が位置するものとすることが望まし
い。さらに、各径方向間隙漸次縮小部に十分な径方向間
隙を形成して十分な量の潤滑液を保持し、両ラジアル軸
受部(及びスラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部を
通じてその隣接スラスト軸受部)に対し潤滑液が十分補
給されるようにすることが望ましい。中間径方向間隙拡
大部は、軸心方向のまわりに回転対称状に形成すること
ができる。
【0025】前記の別のラジアル軸受部は、潤滑液の圧
力を高める動圧発生用溝を有するものとすることが好ま
しく、その動圧発生用溝としては、例えば発生する圧力
が軸心方向中央を中心として軸心方向に対称に形成され
たヘリングボーン溝を採用し得る。この別のラジアル軸
受部における軸心方向一方側は、中間径方向間隙拡大部
に臨む。他方側はスリーブ体の軸心方向における一方と
軸体との間の全周にわたり外部に実質上開放された部分
を経て外部に通じるものとすることができる。この別の
ラジアル軸受部の軸心方向における前記中間径方向間隙
拡大部とは逆の側は、表面張力により潤滑液を各軸受部
に保持し得るよう漸次径方向間隙を拡大させる径方向間
隙拡大部とし、これらの径方向間隙拡大部に潤滑液の界
面を有するものとすることが望ましい。このラジアル軸
受部における潤滑液中に混在し得る気泡は、中間径方向
間隙拡大部を経てスリーブ体内のラジアル部通気孔を通
じて外部に開放されるか、或いは、例えばスリーブ体の
軸心方向における一方と軸体との間の全周にわたり外部
に実質上開放された部分を経て外部に開放される。
【0026】ラジアル部通気孔は、中間径方向間隙拡大
部に1又は2以上開口するものとすることができる。そ
の開口位置は、中間径方向間隙拡大部における径方向間
隙が最大の位置とすることが好ましい。
【0027】上記した動圧流体軸受装置において、前記
ラジアル部通気孔と前記スラスト部通気孔とは、前記ス
リーブ体の軸心を通る同一平面上に位置していることが
好ましい(請求項7)。
【0028】スリーブ体に径方向にラジアル部通気孔及
びスラスト部通気孔を形成する場合、これらがスリーブ
体の軸心を通る同一平面上に位置することは、スリーブ
体にこれらの孔加工を同一方向から行い得ることを意味
し、スリーブ体を持ち替えることなく、例えば固定した
状態で或いは軸方向のみ位置調節自在に支持した状態で
孔加工用を行い得る。
【0029】本発明の電動機は、上記動圧流体軸受装置
を備え、軸体又はスリーブ体がロータと一体的に回転す
るものである(請求項8)。スリーブ体が固定され、軸
体が回転軸体として回転するものとすることもでき、軸
体が固定され、スリーブ体が回転スリーブ体として回転
するものとすることもできる。この電動機は、ハードデ
ィスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−RO
M、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−
RAM等の光ディスクを始めとする記録媒体、特に円盤
状記録媒体を駆動するためのスピンドルモータの他、種
々の電動機として用いることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態につ
いて図1〜図13を参照して説明する。
【0031】図1〜図4は、本発明の実施の形態の一例
を示したものであって、そのうち図1は本発明の動圧流
体軸受装置を備えたハードディスク駆動用のスピンドル
モータ(電動機)の断面図、図2は図1における要部の
拡大断面図、図3はスリーブ形成体の断面図、図4はス
リーブ形成体の一部の底面図である。尤も、この動圧流
体軸受装置は、他の電動機や種々の機械器具にも利用し
得る。
【0032】図1に示されるように、ハードディスク駆
動装置のベース又はこのベースに取り付けられるブラケ
ット等のモータ支持部材2の内周環状支持壁4に、動圧
流体軸受装置の固定スリーブ体6の下部が同軸状に内嵌
固定され、動圧流体軸受装置の回転軸体8の軸部8aの
上端部にカップ形のロータハブ10がその中央嵌合孔1
0aにおいて嵌合固定され、支持壁4の外周面に外嵌固
定されたステータ12とロータハブ38の下部外周壁部
10bに内嵌固定された円筒状のロータマグネット14
が径方向に相対することにより、軸回転型のスピンドル
モータ16が構成される。
【0033】複数枚のハードディスク18は、隣り合う
ハードディスク18間にスペーサ19を介在させた積層
状態でロータハブ10の上部外周壁部10cに外嵌さ
れ、ロータハブ10若しくは軸部8aに固着されるクラ
ンプ部材(図示せず)により保持される。
【0034】回転軸体8は、上下方向の軸部8aと、そ
の軸部8aの下端部に環状板状に同軸状に張り出してな
る円板状のスラスト板部8bからなる一体物であり、軸
部8aの上端の連結部8a1がロータハブ10の中央嵌
合孔10aにおいて嵌合固定される。回転軸体8には、
スリーブ形成体6aとスラストブッシュ6bからなる固
定スリーブ体6が外嵌されている。
【0035】固定スリーブ体6のスリーブ形成体6a
は、軸部8aのうちスラスト板部8bと上端の連結部8
a1との間の部分にスリーブ嵌合するスリーブ部6a1
と、このスリーブ部6a1の下部に連続しスラストブッ
シュ6bと共にスラスト板部8bに外嵌するスラスト支
持部20を構成するスラスト支持基部6a2とを形成し
ている。スラスト支持基部6a2の内径は、下方に向か
って、中内径部6a3及び大内径部6a4へと順次拡径
されており、この大内径部6a4に円板状のスラストブ
ッシュ6bが内嵌固定(例えばかしめ固定)されること
により、スラスト板部8bに対し径方向及び軸部8aを
除く軸心方向に外嵌したスラスト支持部20が形成され
ている。
【0036】スリーブ部6a1の内周面の上下中間部
は、上下両端部に傾斜面を有する環状凹部6a5が形成
され(図3参照)、軸部8aの外周面と相対して両者の
間に環状の中間径方向間隙拡大部22が形成されてい
る。また、両端が環状凹部6a5の上下中間位置と固定
スリーブ体6の外周面にそれぞれ開口する径方向のラジ
アル部通気孔23がスリーブ部6a1に設けられてい
る。固定スリーブ体6の外周部におけるスラスト部通気
孔23の開口部は、支持壁4の上方においてスピンドル
モータ16内に通じており、さらにモータ支持部材2と
ロータハブ10の間隙15を通じて外気に通じている。
【0037】中間径方向間隙拡大部22の上下における
スリーブ部6a1と軸部8aの間には、それぞれ上ラジ
アル軸受部24及び下ラジアル軸受部26が形成されて
いる。上ラジアル軸受部24におけるスリーブ部6a1
の内周面には、図3に示すように、中心(溝の折曲位
置)をその上ラジアル軸受部24の上下中間位置に位置
させて上下対称状に形成した動圧発生用のヘリングボー
ン溝24aが設けられている。回転軸体8の回転時に
は、ヘリングボーン溝24aによって、上ラジアル軸受
部24に充填された潤滑液に、上下中間位置に向かって
上下均衡して圧力が高まるように動圧が発生し、上下端
において最も圧力が低くなる。
【0038】一方、下ラジアル軸受部26におけるスリ
ーブ部6a1の内周面には、図3に示すように、中心
(溝の折曲位置)を下方に偏心させ、潤滑液Vを下方に
ポンピングするよう軸心方向に不平衡に形成した動圧発
生用のヘリングボーン溝26aが設けられている。回転
軸体8の回転時にヘリングボーン溝26aによって下ラ
ジアル軸受部26に充填された潤滑液Vに発生する動圧
は、下ラジアル軸受部26の上端において最も低くな
る。
【0039】上ラジアル軸受部24の上側は、軸部8a
が漸次縮径されてスリーブ部6a1との間隙を漸次拡大
させる径方向間隙拡大部28に臨み、上ラジアル軸受部
24に充填された潤滑液Vの上方界面は、表面張力によ
り径方向間隙拡大部28に位置する。上ラジアル軸受部
24の下側は、中間径方向間隙拡大部22に臨み、上ラ
ジアル軸受部24に充填された潤滑液Vの下方界面は、
表面張力により中間径方向間隙拡大部22の上半部にお
けるラジアル部通気孔23の開口部よりも上方(上方に
向かって漸次径方向間隙が縮小する部分)に位置する。
【0040】下ラジアル軸受部26の上側は、中間径方
向間隙拡大部22に臨み、下ラジアル軸受部26に充填
された潤滑液Vの上方界面は、表面張力により中間径方
向間隙拡大部22の下半部におけるラジアル部通気孔2
3の開口部よりも下方(下方に向かって漸次径方向間隙
が縮小する部分)に位置する。
【0041】中間径方向間隙拡大部22の上下にはそれ
ぞれ十分な量の潤滑液Vが保持され、上ラジアル軸受部
24及び下ラジアル軸受部26に対し潤滑液Vが十分に
補給され得る。
【0042】スラスト支持部20の上下面は、内周側及
び外周側において若干の段差を有するものの実質上平行
に構成され、スラスト支持部20の上下面とスラスト板
部8bの上下面との間にそれぞれ上スラスト軸受部30
及び下スラスト軸受部32が形成されている。上スラス
ト軸受部30のスラスト支持基部6a2における下面に
は、図4に示すように、動圧発生用のポンプイン型のス
パイラル溝30aが環状配置で設けられ、下スラスト軸
受部32のスラスト板部8bにおける下面には、図示し
ないが、上記スパイラル溝30aより内周寄りに動圧発
生用のポンプイン型のスパイラル溝が環状配置で設けら
れている。回転軸体8の回転時には、スパイラル溝によ
って、上スラスト軸受部30及び下スラスト軸受部32
にそれぞれ充填された潤滑液Vに、径方向内方に向かっ
て圧力が高まるように動圧が発生する。潤滑液Vに発生
する動圧は、上スラスト軸受部30及び下スラスト軸受
部32の外周側において最も低くなる。
【0043】潤滑液Vは、下ラジアル軸受部26の上方
界面から下ラジアル軸受部26,上スラスト軸受部3
0,スラスト板部8bの外周側、下スラスト軸受部3
2,及びその径方向内方に至るまで、実質上連続した状
態で充填されている。
【0044】スラスト支持部20を構成するスラスト支
持基部6a2とスラストブッシュ6bとの間には、スラ
スト板部8bの径方向外方において、環状の間隙形成部
34及び環状の結合部36が形成されている。間隙形成
部34は、スラスト支持部20におけるスラスト板部8
bの外周側つまりスラスト支持基部6a2における中内
径部6a3の内周面とスラスト板部8bの外周面との間
の間隙に連通しており、スラスト板部8b側の連通路部
37とこの外周側に連通する間隙拡大部38とからな
る。
【0045】連通路部37は、その間隙がスラスト板部
8b外周面と大内径部6a3との間の間隙にほぼ等しい
間隙に形成され、また、間隙拡大部38は、径方向外側
に行くに従い間隙が連通路部37の間隙から徐々に大き
くなるよう、スラスト支持基部6a2の中内径部6a3
と大内径部6a4との間の下面側に環状円錐面38aを
加工することにより形成されている。間隙形成部34の
さらに径方向外側に位置する結合部36は、大内径部6
a4におけるスラストブッシュ6bとの嵌合部に連続し
てスラスト支持基部6a2とスラストブッシュ6bとの
間を密に結合している。
【0046】スラスト支持部20に充填された潤滑剤V
は、その一部がスラスト支持基部6a2における中内径
部6a3の内周面とスラスト板部8bの外周面との間の
間隙に満たされると共に、図2に示すように、連通路部
37を通り、間隙拡大部38の内周部側に位置し、間隙
拡大部38の中間位置において潤滑剤Vの界面を形成し
ている。
【0047】固定スリーブ体6のスラスト部通気孔40
は、一端が間隙拡大部38の外周側に、他端がスリーブ
形成体6aの外周面にそれぞれ開口するよう径方向に設
けられている。固定スリーブ体6におけるラジアル部通
気孔23とスラスト部通気孔40とは、スリーブ形成体
6aの軸心を通る同一平面上において同一側(当該同一
平面における軸心線より一方側)に平行に位置してお
り、スリーブ形成体6aに対する通気孔23,40の孔
加工を一方からのみで行えるようになっている。固定ス
リーブ体6を支持したモータ支持部材16の支持壁4の
内周面には、上記スラスト部通気孔40に対応して通気
案内溝が軸方向に形成されており、スラスト部通気孔4
0がこの通気案内溝とスリーブ形成体6aとで形成され
る縦方向の案内通路42を通じて支持壁4の上面に開口
されている。
【0048】ロータハブ10の回転による回転軸体8の
回転時には、上ラジアル軸受部24における潤滑液Vの
圧力は上下中間位置に向かって上下均衡して圧力が高ま
るので、潤滑液V中に混在し得る気泡は、中間径方向間
隙拡大部22を経てスリーブ体6の外部すなわち外気に
開放されるか、或いは径方向間隙拡大部28を経て外部
に開放される。
【0049】また、回転軸体8の回転時には、下ラジア
ル軸受部26における潤滑液Vにヘリングボーン溝26
aによって下ラジアル軸受部26の下端に近い位置に偏
って圧力が高まるように動圧が発生すると共に、上スラ
スト軸受部30における潤滑液Vに、スパイラル溝30
aによって径方向内方に向かって圧力が高まるように動
圧が発生するので、下ラジアル軸受部26において調芯
に必要な動圧が潤滑液Vに発生すると共に、上スラスト
軸受部30における潤滑液Vに軸心方向の負荷を支持し
得る動圧が発生する。同時に、下スラスト軸受部32の
径方向内方側は閉じた空間であるので、下スラスト軸受
部32における潤滑液Vに軸心方向の負荷を支持し得る
動圧が発生する。
【0050】上下スラスト軸受部30,32におけるポ
ンプイン型のスパイラル溝30aは、動圧発生の効率が
良く、ヘリングボーン溝に比べて潤滑液Vの粘性抵抗が
小さいため、上下スラスト軸受部30,32における損
失を減少させることができると共に、ヘリングボーン溝
を用いる場合に比しスラスト板部8bが小径化されてい
るので、回転による損失を一層減少させることができ、
スピンドルモータ16の駆動電流の電流値を低減させる
ことができる。
【0051】下ラジアル軸受部26の潤滑液Vに発生す
る動圧は下ラジアル軸受部26の上端において最も低く
なり、上スラスト軸受部30の潤滑液Vに発生する動圧
は上スラスト軸受部30の外周側において最も低くな
る。下ラジアル軸受部26又は上スラスト軸受部30に
おける潤滑液V中に混在し得る気泡は、潤滑液Vが低圧
である側、すなわち下ラジアル軸受部26における上方
又は上スラスト軸受部30における径方向外方へ移動
し、下ラジアル軸受部26から中間径方向間隙拡大部2
2を経て固定スリーブ体6内のラジアル部通気孔23を
通じて外部に解放されると共に、上スラスト軸受部30
からスラスト板部8bの外周面と中内径部6a3との間
の間隙、連通路部37及び間隙拡大部38を経てスラス
ト部通気孔40及び案内通路42を通じて確実性高く外
部に解放される。また、下スラスト軸受部34における
潤滑液V中に混在し得る気泡は、同様にスラスト板部8
bの外周面と中内径部6a3との間の間隙、連通路部3
7及び間隙拡大部38を経てスラスト部通気孔40及び
案内通路42を通じて外部に解放される。
【0052】このように、潤滑液Vに混在し得る気泡
を、固定スリーブ体6に設けたラジアル部通気孔23及
びスラスト部通気孔40を通じて確実性高く外部に解放
させ得るので、温度上昇や気圧低下等による気泡の膨張
による潤滑液Vの流出、散逸を防止することができる。
しかも、従来例に比し通気孔の数が少なく回転軸体8を
一体物とすることができるので、製造工程が容易で製造
コストを大きく削減し得る。特に実施形態では、ラジア
ル部通気孔23及びスラスト部通気孔40を固定スリー
ブ体6に径方向でかつ同一方向側に設けているので、ス
リーブ形成体6a1に対する孔加工が非常に簡単にな
り、製造時のコストメリットが高くなる。
【0053】また、スラスト部側における潤滑液Vの界
面が、スラスト板部8bの外方に設けた間隙形成部34
における間隙拡大部38に形成され、しかも、この界面
がスラスト板部8bの外周に対して間隙の小さい連通路
部37を経た間隙拡大部38に位置しているため、スラ
スト板部8bの高速回転時にスラスト板部8b回りの潤
滑液Vが大きく流動する状態にあっても、この圧力変動
は連通路部37の小間隙において緩衝される結果、間隙
拡大部38における界面は安定状態を保持し得るもので
あり、長期に渡って安定した動作状態を維持できること
になる。
【0054】加えて、下ラジアル軸受部26及び上下ス
ラスト軸受部30,32に充填された潤滑液Vの界面
が、スラスト板部8bの外周側に離れて位置しているこ
とから、スラスト板部8bの外周面から連通路部37及
び間隙拡大部38における界面の位置までを潤滑液Vの
溜部(オイルバッファ)として作用させることが可能で
あり、潤滑液中の気泡排除の進行や潤滑液の蒸発等によ
り潤滑液Vが減少した場合には、間隙拡大部38におけ
る潤滑液V及び連通路部37の潤滑液Vを順次軸受部に
補充することができ、長寿命の軸受構造を提供し得る。
【0055】ところで、下ラジアル軸受部26及び上下
スラスト軸受部30,32に対する潤滑液Vの注入に際
しては、スラスト部通気孔40を利用することができ
る。すなわち、固定スリーブ体6に回転軸体8を回転自
在に組み込んだ後、固定スリーブ体6の外周方向からス
ラスト部通気孔40を通して間隙拡大部38に潤滑液V
を注入することにより、注入された潤滑液Vが毛細管現
象により間隙拡大部38から間隙寸法の小さい内周側に
浸透し、これが連通路部34及びスラスト板部8bと中
内径部6a3との間隙を経て上スラスト軸受部30及び
下ラジアル軸受部26に充填されると共に、下スラスト
軸受部32に充填される。この注入の際、各軸受部2
6,30,32においては気泡が混入することもある
が、この気泡は、固定スリーブ体6に対する回転軸体8
の回転時に上述した要領でラジアル部通気孔23及びス
ラスト部通気孔40を経て排出される。
【0056】つぎに、本発明の他の実施の形態を、図5
〜図13を用いて説明する。なお、これらの図面におい
て、上述と同一符号のものは同一もしくは相当するもの
を示すものとする。また、図7〜図9,図11及び図1
3はそれぞれスリーブ形成体6aの下面図であるが、ス
パイラル溝30aは黒く塗りつぶして示してある。
【0057】まず、図5に示す実施の形態について説明
する。図5に示す動圧流体軸受装置は、先の実施の形態
と同様、ハードディスク駆動用のスピンドルモータ(電
動機)に用いることができる。この実施の形態におい
て、図1〜図4のものと異なる点は、固定スリーブ体6
のスリーブ形成体6a及びスラストブッシュ6bであ
る。すなわち、スリーブ形成体6aにおいては、スリー
ブ部6a1の下部に連続するスラスト支持基部6a2
に、中内径部を形成することなく大内径部6a4が設け
られ、内周部側に設けられた上スラスト軸受部30のス
パイラル溝と大内径部6a4との間の下面に間隙拡大部
38を形成する環状円錐面38aが形成されている。こ
の環状円錐面38aとスパイラル溝との間は、スラスト
ブッシュ6bとの間で連通路部37を形成し得るよう、
スパイラル溝が形成された面より一段低くなる加工が施
されている。
【0058】また、スラストブッシュ6bにおいては、
先の実施の形態のものに比し厚みの大きい円板状に形成
される一方、中央部上面にスラスト板部8bが遊嵌する
円形凹溝6b1が形成されている。下スラスト軸受部3
2のスパイラル溝はこの円形凹溝6b1の内底面に形成
されている。スラストブッシュ6bは、スラスト支持基
部6a2の大内径部6a4に嵌合すると共に、その外周
端部上面をスラスト支持基部6a2の環状円錐面38a
より外周側の下面に当接した状態で、かしめ加工等によ
り固定される。
【0059】この実施の形態では、スラスト板部8bの
外周がスラストブッシュ6b側の円形凹溝6b1の内周
面に対向し、この両者間で潤滑液Vの充填空間を形成す
る点が先の実施形態と異なるだけでなく、この充填空間
に連続する間隙形成部34が上スラスト軸受部30の径
方向外側の位置に設けられている点も異なる。
【0060】従って、先の実施の形態と同様な作用効果
を発揮し得るだけでなく、スラストブッシュ6bを下側
にした使用状態において、間隙形成部34の連通路部3
7及び間隙拡大部38が両スラスト軸受部30,32と
同一高さ以上に位置するため、両スラスト軸受部30,
32より外周方向に移送されてきた潤滑液V中の気泡が
円滑に間隙形成部34に案内されることになるため、気
泡の外部解放がより確実性高くなる利点が得られる。
【0061】つぎに、図6及び図7の実施の形態につい
て説明する。図6及び図7は、スラストブッシュ6bと
共に固定スリーブ体6を構成するスリーブ形成体6aを
示したものである。
【0062】スリーブ形成体6aの下部のスラスト支持
基部6a2において、スラスト板部が嵌装する中内径部
6a3とその径方向外側に設けられた環状円錐面38a
との間の環状基部6a6が、結合部36を形成する大内
径部6a4の内側天井面と同一の高さに形成され、この
環状基部6a6の点対称位置の2カ所に径方向のスリッ
ト溝6a7が形成されている。大内径部6a4内にスラ
ストブッシュ6bが嵌装された際には、スリット溝6a
7とスラストブッシュ6bとの間にスラスト板部8bの
外周側と間隙拡大部38とを連通する2つの連通路部3
7が形成され、この連通路部37を通してスラスト軸受
部30,32の近傍の潤滑液Vが間隙拡大部38の潤滑
液Vに連続し得る。
【0063】このような実施形態にあっては、間隙拡大
部38を環状に形成すると共に、スラスト板部8bの外
周側と間隙拡大部38とを連通する連通路部37をスリ
ット状に2カ所対向配置するようにしているため、間隙
拡大部38におけるオイルバッファを所定量確保できる
上、スリーブ形成体6aとスラストブッシュ6bとの接
合位置が結合部36の外周端部だけでなく環状基部6a
6の位置のスラスト板部8bの近傍においても設定でき
るため、スラスト板部8b回りの機械的な剛性を確保す
ることができる。
【0064】つぎに、図8に示す実施形態について説明
する。この実施形態は、スリーブ形成体6aにおける環
状基部6a6に3個のスリット溝6a8を周方向等間隔
に形成し、スラスト板部8bの外側を3カ所の連通路部
37を通して間隙拡大部38に連通するようにしたもの
である。
【0065】また、図9に示す実施形態においては、ス
リーブ形成体6aにおける環状基部6a6に3個のスリ
ット溝6a9を周方向等間隔に形成すると共に、この各
スリット溝6a9を周方向に湾曲させている。
【0066】この図9の実施形態においては、スラスト
板部8bの外側を周方向に湾曲した3個の連通路部37
を通して間隙拡大部38に連通する構成となるため、ス
ラスト板部8bの外側と間隙拡大部38との間を潤滑液
Vが急激に流れることに対して抵抗となり、急激な圧力
変動や外部衝撃などに対しても潤滑液Vの急激な流動を
抑え、安定した軸受動作を確保することが可能となる。
【0067】つぎに、図10及び図11に示す実施形態
について説明する。この実施形態では、スラスト板部8
bの径方向外側にスリーブ形成体6aのスラスト支持基
部6a2とスラストブッシュ6bとで形成した環状の間
隙拡大部38をその中心がスリーブ形成体6aの中心よ
りスラスト部通気孔40側に偏倚するようにしたもので
ある。
【0068】すなわち、スラストブッシュ6bに当接す
る環状基部6a6の径方向外側に環状円錐面38bをス
リーブ形成体6aの中心から通気孔40側に偏倚させて
形成し、径方向外側に行くに従いスラストブッシュ6b
との軸方向間隙が大となる間隙拡大部38を、径方向間
隙及び軸方向間隙が通気孔40の位置が最大となるよう
周方向に連続的に変化させる。これにより間隙拡大部3
8の径方向間隙及び軸方向間隙は通気孔40に対し点対
称の位置が最も小さくなる。環状基部6a6に形成した
3個のスリット溝6a8は、この径方向間隙及び軸方向
間隙の最も小さい位置を含む等間隔の位置に配置され、
スラストブッシュ6bとの間で連通路部37を形成して
いる。
【0069】このような実施形態にあっては、スラスト
部通気孔40を利用して潤滑液Vを軸受部に注入する
際、軸受部及びその周りに存在する空気と潤滑液Vとが
非常にスムーズに入れ換わる。すなわち、スリーブ形成
体6aとスラストブッシュ6bとからなる固定スリーブ
体6に回転軸体8を回転自在に組み込んだ後、固定スリ
ーブ体6の外周方向からスラスト部通気孔40を通して
間隙拡大部38に潤滑液Vを注入すると、注入された潤
滑液Vは毛細管現象により通気孔40から間隙寸法の小
さい内周側及び周方向対向側に移動し、これが矢印に示
すように通気孔40に対向するスリット溝6a8の連通
路部34を通りスラスト板部8bと中内径部6a3との
間隙を経て上スラスト軸受部30及び下ラジアル軸受部
26に充填されると共に、下スラスト軸受部32に充填
される。この潤滑液Vが充填される際、各軸受部26,
30,32やスラスト板部8b外側の間隙に存在した空
気は、矢印で示すように、上記とは異なるスリット溝6
a8の連通路部34を通って間隙拡大部38に案内さ
れ、さらに通気孔40より外部に排出される。
【0070】この結果、スラスト軸受部回りの潤滑液V
の注入の安定化が図れ、大気中においても潤滑液Vと空
気との入れ換えが速く潤滑液Vの注入動作のスピードア
ップ化が図れ、動圧軸受部の動作時においても、潤滑液
Vの不足時の補給が迅速に行われることとなる。加え
て、図11より明らかなように、間隙拡大部38におけ
る潤滑液Vの界面が周方向2カ所のみとなるため、潤滑
液Vの蒸発量は低く抑えられることになる。
【0071】つぎに、図12及び図13に示す実施形態
につき説明する。この実施形態は、図10及び図11の
実施形態と同様、環状の間隙拡大部38の中心をスリー
ブ形成体6aの中心に対して偏倚させるようにしたもの
であるが、間隙拡大部38の偏倚する方向を、スリーブ
形成体6aの中心と通気孔40とを結ぶ平面に対して直
交する方向に設定したものであり、さらに環状基部6a
6に形成された連通路部37用の2つのスリット溝6a
7をこの直交する方向に配置したものである。
【0072】図12及び図13の実施形態にあっては、
図10及び図11で説明したのと同様な作用効果を得る
ことができる上、特にこの実施形態では、間隙拡大部3
8における径方向及び軸方向の間隙が最も小さい位置及
び最も大きい位置に対応してスリット溝6a7による連
通路部37を配置すると共に、その中間位置に通気孔4
0を開口するようにしているため、通気孔40から潤滑
液Vを注入した際に潤滑液Vと空気との入れ換えがより
スムーズに行える。すなわち、図13に矢印で示すよう
に、通気孔40より間隙拡大部38に注入された潤滑液
Vは、毛細管現象により間隙の小なる部分に移動し、そ
の位置の連通路部37より軸受部及びその回りに浸透
し、これと入れ換えに空気が他方の連通路部37より間
隙拡大部38に流入し、通気孔40から排出される。こ
の場合、間隙拡大部38から軸受部内部への潤滑液Vの
流れと軸受部内部から間隙拡大部38への空気の流れと
が一方向となるため、潤滑液Vの注入動作が飛躍的に迅
速に行われることになる。
【0073】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこれら実施形態に限定されるものではな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能で
ある。たとえば、上記した実施形態では、軸回転型のス
ピンドルモータに適用した場合を示しているが、これに
限らず、動圧流体軸受装置における回転軸体8の上端部
を電動機のブラケット等のモータ支持部材に固定して固
定軸体とすると共に固定スリーブ体6を回転スリーブ体
とし、上下反転させることにより、固定軸体に対して回
転スリーブ体が回転自在に支持された動圧流体軸受装置
を構成することが可能であり、その回転スリーブ体と共
に回転するロータを設けることにより、軸固定型の電動
機を構成することができる。
【0074】さらに、以上の実施の形態において、ラジ
アル軸受部24,26及びスラスト軸受部30,32に
おける動圧溝構造は、ヘリングボーン溝とすることもで
きる。
【0075】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、つぎに記載するような効果を奏する。
【0076】請求項1記載の動圧流体軸受装置において
は、スラスト板部より径方向外方にスラスト支持部とス
ラスト板部との間隙において連通する間隙形成部を設け
ると共に、この間隙形成部の外周側に間隙拡大部を形成
し、スリーブ体に軸方向に形成したスラスト部通気孔を
この間隙拡大部の外周側に開口するようにしたので、軸
体以外の部分に設けた通気孔を通じて潤滑液中に混在し
得る気泡を円滑に解放することが可能になり、しかもス
ラスト部通気孔をスリーブ体の外周に開口するよう径方
向に設けているため、軸体を一体物とすることが可能で
あるだけでなく、通気孔の加工が容易となり、製造工程
が容易で製造コストを大きく削減し得るものである。
【0077】また、スラスト板部の外周側における潤滑
液の界面が間隙形成部における間隙拡大部に形成され、
しかも、この界面がスラスト板部の外周に対して間隙の
小さい部分を経た間隙拡大部に位置しているため、スラ
スト板部の高速回転時にスラスト板部回りの潤滑液が大
きく流動する状態にあっても、この圧力変動は間隙拡大
部における界面に影響することはなく、界面は安定状態
を保持し得、長期に渡って安定した動作状態を維持でき
るものである。
【0078】加えて、スラスト軸受部に充填された潤滑
液の界面がスラスト板部の外周側に離れて位置し、スラ
スト板部の外周面から間隙形成部の間隙拡大部における
界面の位置までを潤滑液の溜部(オイルバッファ)とし
て作用させることが可能であり、潤滑液中の気泡排除の
進行や潤滑液の蒸発等により潤滑剤が減少した場合に潤
滑剤を順次軸受部に補充することができ、長寿命の軸受
構造を提供し得る。
【0079】請求項2記載の動圧流体軸受装置において
は、間隙形成部に設けた複数のスリット状連通路部以外
においてスラスト支持基部をスラストブッシュに接合さ
せるようにしているため、スラスト支持基部とスラスト
ブッシュとの接合位置をその外周端部だけでなくスラス
ト板部の近傍においても設定できるため、スラスト板部
回りの機械的な剛性を確保することができるものであ
る。
【0080】請求項3記載の動圧流体軸受装置において
は、間隙拡大部をスラスト板部の中心から偏倚した中心
を有する環状に形成し、間隙拡大部の径方向及び軸方向
間隙を周方向に連続的に変化させるようにしているた
め、スラスト部通気孔より潤滑液の注入を行う場合にお
いて、その注入動作をスムーズかつ迅速に行わせること
が可能となり、回転動作時の潤滑液の減少に際してもそ
の補給を迅速に行うことができ、しかも、間隙拡大部に
おける潤滑液の界面を最小限に設定することができるの
で、潤滑液の蒸発量を最小限に抑えることができるもの
である。
【0081】請求項4記載の動圧流体軸受装置において
は、両スラスト軸受部をポンプイン型スパイラル溝部を
有して構成したので、回転動作時において、潤滑液が常
に径方向内方にポンピングされることとなり、スラスト
板部の外周側に位置する潤滑液の界面の安定性がより促
進されることになる。
【0082】請求項5記載の動圧流体軸受装置において
は、ラジアル軸受部の1つをこれが隣接するスラスト軸
受部に向かう方向に潤滑液をポンピングするよう軸方向
に不平衡なヘリングボーン溝部とすると共に、この隣接
スラスト軸受部に径方向に潤滑液をポンピングするスパ
イラル溝部としたため、動圧発生の効率が良く、潤滑液
の粘性抵抗が小さくなるような使用としてスラスト軸受
部における損失を減少させることができ、加えて、動圧
発生の効率が良くなることによりスラスト板部の小径化
が可能となり、スラスト板部の周速に比例する傾向にあ
るスラスト軸受部における損失を一層減少させることが
可能となる。
【0083】請求項6記載の動圧流体軸受装置において
は、複数のラジアル軸受部の間に間隙の大きい環状の中
間径方向間隙拡大部を設け、これを外部に連通するラジ
アル部通気孔を設けるようにしたため、ラジアル軸受部
における潤滑液中の気泡を外部に確実に解放することが
できる。
【0084】請求項7記載の動圧流体軸受装置において
は、一つのラジアル部通気孔と一つのスラスト部通気孔
とをスリーブ体の軸心を通る同一平面上に位置するよう
にしたので、スリーブ体に対し通気孔を同一方向から加
工することが可能となり、加工工数の削減が図れ、特に
スリーブ体に径方向や軸方向に通気孔を設ける場合に比
し、ワークとしてのスリーブ体を持ち替えることなく孔
加工を行うことができ、加工時間の大幅な短縮化が実現
する。
【0085】請求項8記載の電動機においては、請求項
1〜7の動圧流体軸受装置を備え、軸体又はスリーブ体
をロータと一体的に回転させるため、必要な負荷能力、
剛性を確保し、焼き付き等の不具合を生じることなく、
高速回転に適した電動機を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧流体軸受装置をハードディスク駆
動用のスピンドルモータに適用した実施の形態を示す断
面図である。
【図2】図1における要部(間隙形成部)の拡大断面図
である。
【図3】図1におけるスリーブ形成体の断面図である。
【図4】図1のスリーブ形成体のスパイラル溝を示す一
部の下面図である。
【図5】本発明の別の実施の形態を示す動圧流体軸受装
置の断面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施の形態を示す動圧流体
軸受装置のスリーブ形成体の断面図である。
【図7】図6のスリーブ形成体の下面図である。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態を示す動圧流体
軸受装置のスリーブ形成体の下面図である。
【図9】本発明のさらに別の実施の形態を示す動圧流体
軸受装置のスリーブ形成体の下面図である。
【図10】本発明のさらに別の実施の形態を示す動圧流
体軸受装置のスリーブ形成体の断面図である。
【図11】図10のスリーブ形成体の下面図である。
【図12】本発明のさらに別の実施の形態を示す動圧流
体軸受装置のスリーブ形成体の断面図である。
【図13】図12のスリーブ形成体の下面図である。
【図14】ハードディスク駆動用のスピンドルモータの
従来例についての断面図である。
【符号の説明】
2 モータ支持部材 6 固定スリーブ体 6a スリーブ形成体 6a1 スリーブ部 6a2 スラスト支持基部 6a7,6a8 スリット溝 6b スラストブッシュ 8 回転軸体 8a 軸部 8b スラスト板部 10 ロータハブ 16 スピンドルモータ 20 スラスト支持部 22 中間径方向間隙拡大部 23 ラジアル部通気孔 24,26 ラジアル軸受部 30,32 スラスト軸受部 34 間隙形成部 36 結合部 37 連通路部 38 間隙拡大部 40 スラスト部通気孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部とその軸部よりも径方向外方へ張り
    出したスラスト板部とを有する軸体と、前記軸部にスリ
    ーブ嵌合したスリーブ部と前記スラスト板部に外嵌した
    スラスト支持部とを有するスリーブ体と、前記軸体とス
    リーブ体との間の間隙に充填された潤滑液とを備えてな
    り、 前記軸部と前記スリーブ部が径方向に相対する1又は2
    以上のラジアル軸受部、及び前記スラスト板部が軸心方
    向における両側において前記スラスト支持部とそれぞれ
    軸心方向に相対する両スラスト軸受部において、前記軸
    体と前記スリーブ体が前記潤滑液を介して相対回転自在
    に支持されてなる動圧流体軸受装置であって、 前記スラスト板部と前記スラスト支持部との間の間隙に
    おける前記スラスト板部の外周側には、前記両スラスト
    軸受部に連続して前記潤滑液が充填され、 前記スラスト支持部は、前記スリーブ部に連続して設け
    られ一方の前記スラスト軸受部の一部を構成するスラス
    ト軸受面が形成されたスラスト支持基部と、該スラスト
    支持基部に取り付けられ他方の前記スラスト軸受部の一
    部を構成する他のスラスト軸受面が形成されたスラスト
    ブッシュとからなり、 前記スラスト板部の径方向外方における前記スラスト支
    持基部と前記スラストブッシュとの間には、前記スラス
    ト板部の外周側に連通し前記潤滑剤の一部を保持する間
    隙形成部と該間隙形成部の外周側に位置し前記スラスト
    支持基部と前記スラストブッシュとを隙間無く接合する
    環状の結合部とが設けられ、かつ、前記間隙形成部の前
    記結合部寄りに径方向外側に行くに従い間隙が大となる
    間隙拡大部が形成され、前記スラスト板部の外周側の潤
    滑剤に連続して前記間隙形成部に充填された潤滑剤が前
    記間隙拡大部において界面を形成し、 前記スリーブ体に、前記間隙拡大部の外周側を前記スリ
    ーブ体の外方に開口するスラスト部通気孔が径方向に設
    けられていることを特徴とする動圧流体軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記間隙形成部には、前記スラスト板部
    の外周側と前記間隙拡大部とを連通する複数のスリット
    状の連通路部が設けられ、前記間隙形成部における前記
    間隙拡大部より径方向内方においては前記スリット状連
    通路部以外において前記スラスト支持基部が前記スラス
    トブッシュに接合している請求項1記載の動圧流体軸受
    装置。
  3. 【請求項3】 前記間隙拡大部は前記スラスト板部の中
    心から偏倚した中心を有する環状に形成され、前記間隙
    拡大部の径方向間隙及び軸方向間隙が周方向に連続的に
    変化しており、前記間隙拡大部における前記潤滑液の界
    面が前記間隙拡大部の周方向2カ所に存在している請求
    項1又は2記載の動圧流体軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記両スラスト軸受部にはそれぞれ、前
    記潤滑液を径方向内方にポンピングする動圧発生用のス
    パイラル溝部を有している請求項1〜3のいずれかに記
    載の動圧流体軸受装置。
  5. 【請求項5】 ラジアル軸受部の1つは前記両スラスト
    軸受部の一方に隣接し、そのラジアル軸受部に、潤滑液
    を前記隣接するスラスト軸受部に向かう方向にポンピン
    グするよう軸心方向に不平衡に形成された動圧発生用の
    ヘリングボーン溝部を有し、前記ラジアル軸受部に隣接
    する前記スラスト軸受部に、前記潤滑液を径方向内方に
    ポンピングする動圧発生用のスパイラル溝部を有してい
    る請求項1〜4のいずれかに記載の動圧流体軸受装置。
  6. 【請求項6】 前記スラスト軸受部に隣接するラジアル
    軸受部の隣接スラスト軸受部とは逆の側に、別のラジア
    ル軸受部を有し、それらのラジアル軸受部同士の間に、
    軸部の外周面とスリーブ部の内周面との径方向間隙が両
    ラジアル軸受部よりも大きい環状の中間径方向間隙拡大
    部を有し、該中間径方向間隙拡大部に開口して外部に連
    通するラジアル部通気孔を有する請求項5に記載の動圧
    流体軸受装置。
  7. 【請求項7】 前記ラジアル部通気孔と前記スラスト部
    通気孔とは、前記スリーブ体の軸心を通る同一平面上に
    位置している請求項6記載の動圧流体軸受装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6又は7記
    載の動圧流体軸受装置を備え、軸体又はスリーブ体がロ
    ータと一体的に回転する電動機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100465178B1 (ko) * 2002-06-04 2005-01-13 (주)지엔더블유테크놀러지 스핀들 모터의 조합형 동압 베어링
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