JP4202080B2 - 動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ - Google Patents

動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ Download PDF

Info

Publication number
JP4202080B2
JP4202080B2 JP2002275266A JP2002275266A JP4202080B2 JP 4202080 B2 JP4202080 B2 JP 4202080B2 JP 2002275266 A JP2002275266 A JP 2002275266A JP 2002275266 A JP2002275266 A JP 2002275266A JP 4202080 B2 JP4202080 B2 JP 4202080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conical
dynamic pressure
thrust
shaft
pressure bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002275266A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004108546A (ja
Inventor
正博 今堀
竜秀 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec America Corp
Original Assignee
Nidec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Corp filed Critical Nidec Corp
Priority to JP2002275266A priority Critical patent/JP4202080B2/ja
Publication of JP2004108546A publication Critical patent/JP2004108546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4202080B2 publication Critical patent/JP4202080B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルなどの潤滑流体を用いた動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ハードディスク駆動装置等のディスク駆動装置において、記録ディスクを駆動するスピンドルモータの軸受として、回転軸であるシャフトとこれを支持するスリーブ体との間に介在させた潤滑流体の流体動圧を利用する動圧軸受が採用されている。
【0003】
このような動圧軸受の1つとして、従来では、ロータハブに一体に設けられたシャフトの端部に径方向外方へ張り出すように円環状スラスト板を固定し、シャフトの外周及びスラスト板の外周を覆うように筒状スリーブを設けると共に、スリーブの開口端を閉塞するスラストブッシュ(カウンタープレート)をスラスト板に対向して設け、シャフトの外周面とこれに対向するスリーブの内周面とで潤滑流体を介在させてラジアル荷重を支持する1対のジャーナル動圧軸受部を形成すると共に、スラスト板の両面とこれにそれぞれ対向するスリーブ端面及びスラストブッシュ平面とで潤滑流体を介在させてスラスト荷重を支持する1対のスラスト動圧軸受部を形成している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第第6,296,390号公報(Figure1A)
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ディスク駆動装置のさらなる小型化の要求が高まっており、スピンドルモータにも一層の小型化,薄型化が求められている。同時に、ディスク駆動装置が比較的安価な電子機器に搭載されるに連れ、さらなる製造コストの削減が要求されている。
【0005】
このような状況において、端部にスラスト板を設けたシャフトの軸部分に1対のラジアル動圧軸受部が構成される上記の構造では、モータ高さの制約から1対のラジアル動圧軸受部の軸受スパンが小さくなり、ロータ支持が不安定になり軸受の振れ回り剛性の低下を招く問題があり、加えて、モータ高さの制約からスラスト板を薄くすると、スラスト板のシャフトに対する締結強度が小さくなる問題がある。
【0006】
ここで、動圧軸受を用いたスピンドルモータにおいて、小型化、特に薄型化を図る場合、従来では、ロータハブの回転中心に略円錐台状の回転軸部を固着し、静止側の筒状部に回転軸部の円錐面に対向する受け面を形成すると共に、筒状部の開口端を閉塞するスラスト板に回転軸部の端面に対向する受け面を形成し、これら対向面の少なくとも一方に動圧溝を形成しそれぞれの対向面の隙間に潤滑流体を充填することにより円錐動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部を構成するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献2】
特開平6−315242号公報(第3〜4頁、図1)
しかしながら、この従来構造(特許文献2)のものでは、動圧軸受部に充填した潤滑流体に対する漏洩対策が何ら図られておらず、実使用に際しては改善が必要とされ、特に円錐動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部に潤滑流体を連続して充填する場合には、円錐動圧軸受部とスラスト動圧軸受部との間に圧力の谷間が生じ、潤滑流体中に生じた気泡が円滑に外部に排出されず、軸受性能が極端に低下する重大な問題を有している。
【0008】
この発明は、従来の技術の有するこのような問題点に留意してなされたものであり、その目的とするところは、モータの薄型化,小型化に好適で、内部に充填された潤滑流体の確実なシールが実現し、かつ潤滑流体中の気泡を円滑に排出することのできる動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の動圧軸受装置においては、軸部の一端寄りに一端側に行くに従い外径が大きくなる円錐面を形成した円錐部を有し、該円錐部より他端側の前記軸部の外周面にラジアル円筒面を形成すると共に、前記軸部の一端面及び/又は前記円錐部の端面にスラスト軸受面を形成した軸体と、内周に、前記円錐部の円錐面に対向する円錐受け面、及び前記ラジアル円筒面に対向する円筒状ラジアル受け面を有し、内底面に前記スラスト軸受面に対向するスラスト受け面を有する有底筒状のスリーブ体と、を備え、前記円錐部の円錐面と前記スリーブ体の円錐受け面との間の間隙に潤滑流体を介在させ、かつ前記円錐面と前記円錐受け面との一方もしくは両方に荷重支持圧を発生しかつ他端側への押し込み力を発生する円錐部動圧溝を形成して円錐動圧軸受部を構成し、前記軸部のラジアル円筒面と前記スリーブ体のラジアル受け面との間の間隙に潤滑流体を介在させ、かつ前記ラジアル円筒面と前記ラジアル受け面との一方もしくは両方に少なくとも一端側への押し込み力を発生するジャーナル動圧溝を形成してジャーナル動圧軸受部を構成し、前記軸体のスラスト軸受面と前記スリーブ体のスラスト受け面との間の間隙に潤滑流体を介在させ、かつ前記スラスト軸受面と前記スラスト受け面との一方もしくは両方に少なくとも軸部中心に向かう押し込み力を発生するスラスト動圧溝を形成してスラスト動圧軸受部を構成し、前記ジャーナル動圧軸受部、前記円錐動圧軸受部及び前記スラスト動圧軸受部のそれぞれの潤滑流体を連続させると共に、前記軸体側とスリーブ体側との間における前記ジャーナル動圧軸受部より他端側の位置に形成したテーパシール部においてのみ前記潤滑流体の界面を位置させ、前記円錐部側もしくは前記スリーブ体側に、前記円錐動圧軸受部の一端側の前記スラスト動圧軸受部との境界部分前記円錐動圧軸受部の他端側の前記ジャーナル動圧軸受部との境界部分とを連通する連通路を設けたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0010】
このような動圧軸受装置においては、円錐動圧軸受部は円錐面(円錐受け面)に直交する方向の荷重に対する支持圧を発生するが、この支持圧はラジアル方向とアキシャル方向との合成力であるため、ラジアル軸受位置及びアキシャル軸受位置を構成することになる。従って、回転負荷に対するラジアル支持はジャーナル動圧軸受部と円錐動圧軸受部との2箇所で行うことになり、ラジアル方向に対して大きな軸受スパンが得られる。
【0011】
ここで、軸部の一端寄りに設けられる円錐部は、軸部そのものに一体的に形成することが可能であるが、軸部の一端部に円錐筒体を嵌合して固着することにより構成することも可能である。この場合、円錐動圧軸受部を構成する円錐部にはモータの薄型化に際してもある程度の厚みが確保されることから、軸部に対する嵌合代が比較的大きく、その締結強度が大きくなる。
【0012】
ジャーナル動圧軸受部,円錐動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部に連続して充填される潤滑流体は、ジャーナル動圧軸受部より他端側に形成したテーパシール部にその界面を位置させることにより、潤滑流体のシールが実現し、潤滑流体の漏洩が防止される。
【0013】
潤滑流体中に気泡が混入していた場合、この気泡は、各動圧軸受部において圧力の低い位置に圧力勾配に従って移動する。このため、スラスト動圧軸受部と円錐動圧軸受部との間に気泡が残留することもあり得るが、円錐動圧軸受部の一端側と他端側とを連通する連通路を通して、円錐動圧軸受部の潤滑流体を他端側から一端側に循環させることが可能なため、円錐動圧軸受部の一端側の気泡は他端側に速やかに案内され、さらにジャーナル動圧軸受部を通してテーパシール部に至り、潤滑流体の界面から排出されることになる。
【0014】
上述した動圧軸受装置において、連通路を複数設けて周方向等間隔に配置するのが望ましい(請求項2)。これにより気泡の排出が速やかに行われるだけでなく、回転側にアンバランスを生じることがない。ここで、外周に円錐面を形成した筒状円錐部を軸部の一端部に嵌合して軸体を構成し、連通路を軸部と円錐部との接合位置に形成することができ(請求項6)、軸部または円錐部の一部に溝を設けて連通路を形成すれば構造が簡単となり、製造が容易になる。
【0015】
また、円錐部の円錐面とスリーブ体の円錐受け面の少なくとも一方を対向面に対し僅かに突出するR状に形成するのがよい(請求項3)。こうすることにより、装置姿勢により或いは外部衝撃発生等により円錐面と円錐受け面とが接触することがあっても、これが面接触ではなく線接触となり、耐摩耗性が良好となり、特に、円錐動圧軸受部における荷重支持圧の最大位置と当該軸受部の最小ギャップ位置とをほぼ一致させれば(請求項4)、回転時におけるその効果が顕著となる。
【0016】
さらに、軸体の軸部の一端面を、円錐部の端面より僅かに突出する突曲面状に形成すれば(請求項5)、軸体が鉛直方向に向いた姿勢の場合の回転停止時や起動初期等における耐摩耗性が良好となる。
【0017】
上述した動圧軸受装置を用いてスピンドルモータを構成することができる(請求項7)。すなわち、上述のスリーブ体及び軸体を有し、スリーブ体をモータ基盤に固定し、このモータ基盤にスリーブ体と同心状にステータを配設し、軸部の他端部にロータを固定し、ロータのロータマグネットをステータに対向して配置させればよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態につき、以下、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、HDD用スピンドルモータを示す縦断面図である。このスピンドルモータは、固定体であるステータ部Aと、回転体であるロータ部Bと、このロータ部Bをステータ部Aに対して回転自在に支持するオイル等の流体動圧を利用した軸受機構Cとにより構成されている。
【0020】
ステータ部Aは、HDDのベース部材もしくはこのベース部材に取り付けられるブラケットよりなるモータ基盤2を有し、モータ基盤2のモータ内部側に環状凹部4が設けられると共に、環状凹部4の内周壁となるベース基盤2の円筒状軸受支持部2aに、ステータコアにコイルを巻装してなるステータ6が外嵌固定され、これが環状凹部4に収容されている。ステータ6から引き出されたコイル線はモータ基盤2を貫通しモータ基盤2の裏面に貼着されたフレキシブル回路基板8に配線されている。
【0021】
ロータ部Bは、軸受機構Cの一部を構成する回転軸部10を中心に有し、その基部の段付き端部10aにこれと一体回転するよう固着されたロータハブ12及びこのロータハブ12の外周壁内面にステータ6に対向するよう装着された環状のロータマグネット14を備えている。ロータハブ12はステンレス等の磁性材料により構成され、外周部に円盤状ディスクを載置するためのディスク載置段部12aが形成されており、ディスク載置段部12aに載置したディスクを図外のクランパにて押圧した状態でこれを軸部10のねじ穴10bに螺合するねじにより締着することにより、ディスクがロータハブ12に一体的に保持される。
【0022】
軸受機構Cは、モータ基盤2の軸受支持部2aに内嵌固定された略円筒状のスリーブ16と、ロータ部Bの軸部10と、この軸部10の先端(一端)側に一体的に配置された円錐部18と、スリーブ16の下端開口を閉塞する円盤状スラストブッシュ20とを備えてなり、軸部10と円錐部18とにより軸体が構成され、スリーブ16とスラストブッシュ20とにより有底筒状のスリーブ体が構成される。軸部10の先端(一端)部は小径部10cとなっており、この外周面に固着された円錐部18は、軸部10の先端側に行くに従い外径が大きくなる円錐面18aを有している。軸部10における小径部10cより基部(他端)側の外周面にはラジアル円筒面10dが形成されている。円錐部18の端面18bと軸部10の先端面10eとの一方もしくは両方によりスラスト軸受面が形成される。
【0023】
スリーブ16の内周面には、円錐部18の円錐面18aに僅かな間隙を介して対向する円錐状内周面に形成された円錐受け面16aと、軸部10のラジアル円筒面10dに僅かな間隙を介して対向する円筒内周面に形成されたラジアル円筒面16bとが形成され、スリーブ16の一端には円錐受け面16aの最大開口径より拡径された開口部16cが形成され、これにスラストブッシュ20が嵌合固着されている。このスラストブッシュ20には、円錐部18の端面18b及び/又は軸部10の先端面10eよりなるスラスト軸受面に対向するスラスト受け面20aが形成されている。なお、スラストブッシュ20のスリーブ16への固着は、圧入やかしめ、接着、溶接あるいはこれらの組合せによる手段にて行われる。スリーブ16のラジアル円筒面10dより他端側の内周面は、他端側に行くに従い拡径するテーパ面16dが形成され、このテーパ面16dと軸部10の外周面との間にテーパシール部22が形成されている。
【0024】
軸部10及び円錐部18よりなる軸体の外周面とスリーブ16及びスラストブッシュ20よりなるスリーブ体の内面との間にはオイル等の液体潤滑剤24が連続的に充填されており、その界面はテーパシール部22に位置している。
【0025】
スリーブ16のラジアル受け面16bには、潤滑剤24に対する軸部先端側への押し込み力が基部側への押し込み力より大きくなるよう複数のアンバランスヘリングボーン状溝よりなるジャーナル動圧溝26が全周に渡って配列形成され、スリーブ体の軸体に対する回転によりラジアル円筒面10dとラジアル受け面16bとの間の間隙における潤滑剤24にジャーナル支持圧力を発生させると同時に軸部先端側への押し込み力を発生させるジャーナル動圧軸受部28が構成される。なお、このジャーナル動圧溝26は軸部10のラジアル円筒面10dに形成されていてもよくこれら両方の面に形成されていてもよい。また、ジャーナル動圧溝26は少なくとも先端側への押し込み力を発生させる複数のポンプインスパイラル状溝を周方向に配列して構成してもよい。
【0026】
スリーブ16の円錐受け面16aには、潤滑剤24に対する軸部基部側への押し込み力が先端部側への押し込み力より大きくなるよう複数のアンバランスヘリングボーン状溝よりなる円錐部動圧溝30が全周に渡って配列形成され、スリーブ体の軸体に対する回転により円錐面18aと円錐受け面16aとの間の間隙における潤滑剤24に荷重支持圧を発生させると同時に軸部基部側への押し込み力を発生させる円錐動圧軸受部32が構成される。なお、この円錐部動圧溝30は円錐部18の円錐受け面18aに形成されていてもよくこれら両方の面に形成されていてもよい。また、円錐部動圧溝30はアンバランスヘリングボーン状溝とする以外に、ポンプインスパイラル状溝とポンプアウトスパイラル状溝との組合せとすることもでき、円錐面18aの大径部側の面積が小径部側の面積に比し大きいことを利用し大径部側のスパイラル状溝の本数を多く設定して所要の押し込み力を発生させるようにすればよい。
【0027】
スラストブッシュ20のスラスト受け面20aには、潤滑剤24に対する軸部中心側への押し込み力を発生させるアンバランスヘリングボーン状溝もしくはポンプインスパイラル状溝よりなる複数のスラスト動圧溝34が周方向に配列形成され、スリーブ体の軸体に対する回転によりスラスト軸受面とスラスト受け面20aとの間の間隙における潤滑剤24にスラスト方向の浮上力を発生させるスラスト動圧軸受部36が構成される。なお、スラスト動圧溝34は円錐部18のスラスト軸受面18b及び/又は軸部10の端面10eに形成されていてもよくこれら両方の面に形成されていてもよい。
【0028】
軸体には円錐動圧軸受部32の一端側と他端側とを連通する連通路としての潤滑通路38が例えば3箇所周方向等間隔に配置されて形成されている。この循環通路38は、円錐部18の内周面に縦溝を切り欠いて形成し、この縦溝内面とこれを閉塞するようにかたちとなった小径部10c外周面とにより形成されており、少なくとも円錐動圧軸受部32より一端側と他端側との潤滑剤24の流通を可能とする。このように循環通路38を2つの部材(軸部10と円錐部18)の接合部に形成する構造にすると、少なくとも一方に溝を切り欠くのみでよく、部材を貫通して循環通路を形成する場合に比し、製造が容易となる。
【0029】
なお、図面においては、これら動圧溝26、30、34を便宜上複数本の斜線で表し、斜線の本数又は長さで動圧発生圧力の大小を象徴的に示してある。
【0030】
また、円錐部18の円錐面18aは、円錐受け面16aに対し僅かに突出するR状に形成され、円錐動圧軸受部32における荷重支持圧の最大位置が当該軸受部32における間隙の最小ギャップ位置となるように設定されており、円錐面18aと円錐受け面16aとが接触することがあってもこのR状突部において周方向線接触することになり、耐摩耗性が良好となる。加えて、円錐部18はその表面がDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティングされ、耐摩耗特性を向上させている。勿論、円錐受け面16aを円錐面18aに対して僅かに突出するR状に形成することによっても耐摩耗性を向上することができる。
【0031】
上述した構成の動圧軸受装置にあっては、ステータ6のコイルへの通電を開始すると、コイルが励磁され、ステータ6とロータマグネット14との間の電磁相互作用によりロータBが軸体を中心として回転する。軸体がスリーブ体に対して回転すると、ジャーナル動圧軸受部28における潤滑剤24に発生する動圧により、スリーブ16に対して軸部10を支持するラジアル支持力が発生し、かつ潤滑剤24に一端側への押し込み力が発生し、また、円錐動圧軸受部32における潤滑剤24に発生する動圧により、スリーブ16に対し円錐部18を円錐面18aに垂直な方向に押圧する荷重支持圧が発生し、かつ潤滑剤24に他端側への押し込み力が発生する。円錐部18に対する荷重支持圧はラジアル方向及びスラスト方向(一端側)に作用し、このラジアル方向の成分は上述したジャーナル動圧軸受部28のラジアル支持力と共に軸体を支持し、ロータBをラジアル方向に動圧支持する。
【0032】
さらに、軸体の回転により、スラスト動圧軸受部36における潤滑流体には、軸部10の中心に向かう動圧が発生し、軸体の端面にロータBに対する浮上力つまりスラスト方向(他端側)の力が得られ、上述した円錐動圧軸受部32のスラスト方向の荷重支持圧と共にロータBがスラスト方向に動圧支持される。
【0033】
ここで、ジャーナル動圧軸受部28においては、上述したように潤滑剤24に一端側への押し込み力が作用するが、これはテーパシール部22でメニスカスを形成している充填潤滑剤24が外部からの衝撃や環境変化などの影響によりテーパシール部22から飛散しないように機能する。また、円錐動圧軸受部32においては、潤滑剤24に対して他端側への押し込み力が発生しているが、これは循環通路38を通して潤滑剤24を強制的に循環させるように機能する。
【0034】
潤滑剤24中に混入した或いは潤滑剤24中にキャビテーションなどで発生した気泡は、動圧発生時には圧力の低い方向に向かって潤滑剤24中を移動する。従って、スラスト動圧軸受部36における潤滑剤24はこれに気泡が含まれた場合、その気泡はスラスト動圧軸受部36の外周部に移動し、円錐動圧軸受部32における潤滑剤24はこれに気泡が含まれた場合、その気泡は円錐動圧軸受部32のスラスト動圧軸受部36側に移動する。
【0035】
ここで、円錐動圧軸受部32とスラスト動圧軸受部36との間に気泡が溜まると、この気泡が温度上昇時に膨張し、これに伴い潤滑剤24が外部へ押し出されて軸受機構Cより漏出する危険があり、潤滑剤24の枯渇等の問題を生じることになる。しかしながら、上述した実施形態にあっては、軸体に円錐動圧軸受部32の両端側を連通する連通路38を設け、円錐動圧軸受部32に発生する動圧によりその他端側の潤滑剤24を連通路38を通して一端側に案内するようにしているため、円錐動圧軸受部32とスラスト動圧軸受部36との間に溜まった気泡は一端側つまりジャーナル動圧軸受部28と円錐動圧軸受部32との間に移送され、さらにジャーナル動圧軸受部28の圧力勾配に従ってジャーナル動圧軸受部28の一端側つまりテーパシール部22に案内され、テーパシール部22における潤滑剤24の界面から気泡が排出される。
【0036】
図2は、上述した本発明の実施形態と特許文献1(従来例)のものとを構造比較したものであり、図中の左半部が実施形態、右半部が従来例である。従来例においては、軸部10’の先端部に円環状スラスト板17’が圧入等の手段により固着され一体化されて軸体を構成し、これがスリーブ16’及びこの一端開口を閉塞するスラストブッシュ20’からなるスリーブ体に対し相対回転自在とされている。軸体とスリーブ体との間隙には液体潤滑剤が充填され、軸部10’の円筒状外周面とこれに対向するスリーブ16’の円筒状内周面との一方もしくは両方の上下2箇所にヘリングボーン状溝等の動圧発生溝を形成して一対のジャーナル動圧軸受部26’、27’が構成され、スラスト板の両面とこれに対向するスリーブ16’端面及びスラストブッシュ20’との一方もしくは両方に動圧溝を形成して一対のスラスト動圧軸受部35’、36’が構成されている。
【0037】
図2より明らかなように、本発明の実施形態では、円錐動圧軸受部32がジャーナル動圧軸受部とスラスト動圧軸受部との両方の機能を有するため、ラジアル方向を支持する一対の軸受部の軸受スパンL1が従来例の軸受スパンL2に比較して大幅に大きくなっており、回転支持の安定性が図られていることがわかる。また、軸部10に対する円錐部18の締結代l1は従来例の軸部10’に対するスラスト板17’の締結代l2に比べ大幅に大きくなっており、実施形態のものの締結強度が大であることを示している。これらの点から言えることは、従来例と同等のモータ形状(モータ高さ等)であれば、本発明のもののほうが従来例に比べ、軸受安定性を向上できる上、軸体の強度を高めることができ、軸受剛性を高め、振れ回り特性を大きく改善でき、NRRO(ノン・リピータブル・ラン・アウト:非同期成分の振れ)低減できるものである。他方、従来例と同等の軸受スパンL2、締結代l2を維持するものとすれば、従来例に比べ、大幅に薄型化、小型化したモータを得ることができることになる。
【0038】
図3は、本発明の第2の実施形態を示したものである。同図において、前記と同一符号のものは同一もしくは相当するものを示すものとし、詳細な説明は省略する。
【0039】
図3において、第1の実施形態(図1)と異なる点は、軸受機構Cのスリーブ体を構成するスリーブ16において、その他端部(上部)外周面に段付き溝部16eを形成し、ロータBのロータハブ12に段付き部溝部16eに対し遊嵌する円筒状壁12bを垂下形成した点である。そして、段付き溝部16eの周面は一端側に行くに従い小径となるテーパ面16fが形成されており、このテーパ面16fとその外側に位置する円筒状壁12bの内周面とで、一端側(下方側)に行くに従い拡開するテーパシール部40が形成されている。ここで、スリーブ16の上端面とこれに対向するロータハブ12の内天井面との間隙は潤滑剤24を保持し得る程度の間隙に設定されており、ジャーナル動圧軸受部28、円錐動圧軸受部32及びジャーナル動圧軸受部28に充填される潤滑剤24が、スリーブ16の上端面とこれに対向するロータハブ12の内天井面との間隙を通してテーパシール部40にまで連続して充填され、このテーパシール部40において潤滑剤24の界面を形成している。
【0040】
このような実施形態においては、軸体及びロータハブ12とスリーブ体との間隙に充填された潤滑剤24は、各部の間隙における毛細管現象とテーパシール部40の界面における表面張力によりその充填状態が保持され、ロータBの回転に際しても漏出することなく保持され、各動圧軸受部28、32、36において発生する動圧により回転体が回転自在に支持され、前述同様に機能する。
【0041】
特にこの実施形態では、テーパシール部40におけるテーパ面16fが他端側(つまり潤滑剤24の充填側)に行くに従い外径が大きくなる傾斜となっているため、ロータBの回転時にテーパシール部40の潤滑剤24に作用する遠心力により潤滑剤24はスリーブ16とロータハブ12との間隙を通して軸受部内に押し込む方向に力が作用することになり、潤滑剤24の漏洩防止効果が高まる。
【0042】
加えて、軸受部に充填された潤滑剤24のシール部分をスリーブ16の外周側に設定するため、スリーブ16の内周側にテーパシール部を設ける場合に比べてジャーナル動圧軸受部の幅寸法を大きく採ることが可能となり、ジャーナル安定性が高まるメリットが得られる。このことは、スリーブ16の内周側にテーパシール部を設定した場合と同様のジャーナル動圧軸受部寸法を設定した時には、スリーブ16の高さ寸法を小さくできることを意味し、モータの更なる薄型化に大きく寄与するものである。
【0043】
次に、本発明の第3の実施形態を示した図4について説明する。図4に示す実施形態において、図1の第1実施形態と同一符号のものは同一もしくは相当するものを示すものとし、大きく異なる点は、軸部10と共に軸体を構成する円錐部18そのものに循環通路38を形成した点である。
【0044】
すなわち、軸部10の一端部に(小径部を形成することなく)円錐部18が固着されて軸体が構成され、これを覆うようにスリーブ16とスラストブッシュ20とからなるスリーブ体が設けられ、両者の間隙に潤滑剤24が連続して充填され、テーパシール部22において潤滑剤24の界面が位置している。円錐部18の円錐面18aとこれに対応するスリーブ16の円錐受け面16aとを含んで円錐動圧軸受部32が構成されると共に、軸部10の円錐部18より基部側の周面であるラジアル円筒面10dとこれに対向するスリーブ16のラジアル受け面16bとを含んでジャーナル動圧軸受部28が構成され、さらに、円錐部18の端面18b及び/又は軸部10の先端面10eよりなるスラスト軸受面とこれに対向するスラストブッシュ20のスラスト受け面20aとを含んでスラスト動圧軸受部36が構成されている。円錐部18には180度間隔で2個の貫通孔が円錐面18aと同様の傾斜にて形成されて循環通路38とされ、円錐動圧軸受部32の両端部を連通している。
【0045】
なお、各動圧軸受部28、32、36に形成される動圧溝26、30、34はそれぞれ、第1の実施形態のものと同様のものとすることができ、ジャーナル動圧溝26は少なくとも軸部一端側への押し込み力を発生させるものであればよく、また、円錐部動圧溝30は荷重支持圧を発生しかつ他端側への押し込み力を発生させるものであればよく、さらに、スラスト動圧溝34は少なくとも軸部中心に向かう押し込み力を発生するものであればよい。
【0046】
この第3の実施形態にあっては、第1の実施形態の場合と同様に機能し、同等の作用効果を得ることができる。
【0047】
次に、図5に示す第4の実施形態について説明する。この実施形態は、軸体における軸部10の先端面10eを円錐部18の端面18bより先端側に突出するR状(突曲面状)に形成し、モータのスタート・ストップ時のスラストブッシュ20に対する軸体の接触を点接触とし、耐摩耗性を向上するようにしたものである。なお、第1の実施形態で説明したように、円錐部18の円錐面18aにおいてもこれを円錐受け面16aに対し僅かに突出するR状に形成することにより、円錐面18aと円錐受け面16aとが接触することがあってもこのR状突部において周方向線接触することになり、摩擦・摩耗に対して理想的な構造を提供できることになる。
【0048】
図6に示す第5の実施形態においては、軸部10の先端部に円錐部18が一体に形成されて軸体が構成され、スラストブッシュ20と共にスリーブ体を構成するスリーブ16に、円錐動圧軸受部32の一端側とジャーナル動圧軸受部28の他端側(広義には円錐動圧軸受部32の他端側)とを連通する連通路としての流体バランス通路42が設けられている。この流体バランス通路42は1つでも複数でもよいが、複数設ける場合は周方向等間隔に配置するのがよい。
【0049】
図6において各動圧軸受部28、32、36に示す矢印は、スリーブ体に対して軸体が回転した際の潤滑剤に作用する移動圧力の方向を示したものであり、ジャーナル動圧軸受部28においては、アンバランスヘリングボーン状又はポンプインスパイラル状のジャーナル動圧溝を形成して少なくとも一端側への押し込み力を発生させ、また、円錐動圧軸受部32においては、アンバランスヘリングボーン状の円錐部動圧溝を形成して荷重支持圧を発生させると共に他端側への押し込み力を発生させ、両動圧軸受部28、32に発生する互いに向かい合う押し込み力がバランスすることによりラジアル支持力及び一端側へのスラスト力を生じている。さらに、スラスト動圧軸受部36においては、ヘリングボーン状又はポンプインスパイラル状のスラスト動圧溝を形成して少なくとも軸部中心に向かう押し込み力を発生させ、軸体(ロータ)に対しロータに作用する重力と上記一端側へのスラスト力とにバランスする浮上力(他端側へのスラスト力)を生じている。
【0050】
ここで、各軸受部28、32、36における発生圧力は、各種構成部材の寸法誤差や周囲の環境温度、軸受機構Cの姿勢、さらには外部振動等の要因により変化し、上述したバランスが崩れる場合があるが、このような場合、スリーブ16に形成した流体バランス通路42を通して、ジャーナル動圧軸受部28の他端側の潤滑流体が円錐動圧軸受部32より一端側に、或いは円錐動圧軸受部32の一端側の潤滑剤がジャーナル動圧軸受部28より他端側に供給され、円錐動圧軸受部32とスラスト動圧軸受部36との間の圧力が調整される結果、バランスが確保され、安定動作が維持される。勿論、円錐動圧軸受部32とスラスト動圧軸受部36との間に溜まる気泡は液体バランス通路42を通してジャーナル動圧軸受部28より他端側に案内され、テーパシール部22を経て外部に排気される。
【0051】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱することなく種々変更が可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、つぎに記載の効果を奏する。
【0053】
請求項1記載の動圧軸受装置にあっては、円錐動圧軸受部において発生する荷重支持圧がラジアル方向とスラスト方向とに作用する合成力であり、この円錐動圧軸受部がラジアル軸受位置及びスラスト軸受位置を構成することになるため、回転負荷に対するラジアル支持をジャーナル動圧軸受部と片側のスラスト動圧軸受部を兼ねる円錐動圧軸受部との2箇所で行うことになり、軸部の2箇所でラジアル支持を行うと共にスラスト板の両面でスラスト支持を行う構成の従来構造のものに比較し、ラジアル方向に対して大きな軸受スパンを得ることが可能となり、軸受剛性が高まり、安定した回転支持が実現できるものであり、従来に比較し、小型化・薄型化が可能になるものである。加えて、ラジアル軸受位置及びスラスト軸受位置を構成する円錐部を軸部に対して締結する構造の場合には、この円錐部の軸部に対する締結寸法も、従来構造のスラスト板におけるものに比較し大きく設定することが可能となり、締結強度を大きくし、回転部の安定性を高めることができる。
【0054】
また、テーパシール部に最も近接するジャーナル動圧軸受部において、その発生動圧をテーパシール部との反対側である一端側への押し込み力を発生させるように機能するため、潤滑剤のテーパシール部からの漏洩を確実に防止することができる。さらに、円錐動圧軸受部の一端側と他端側とを連通する連通路を設けているため、円錐動圧軸受部とスラスト動圧軸受部との間に気泡が溜まろうとしてもこれを連通路を通して円滑に排出することができ、潤滑在中に気泡が混入することに伴う不具合を解消し、さらには軸受部間の圧力調整が実現し、安定した軸受特性を長期にわたって維持できるものである。
【0055】
請求項2記載の動圧軸受装置にあっては、連通路を複数設けて周方向等間隔に配置したので、前述した連通路による作用が迅速に行われ、連通路が軸体側に形成されていても安定した回転が維持される。
【0056】
請求項3記載の動圧軸受装置にあっては、円錐動圧軸受部を構成する円錐面と円錐受け面との少なくとも一方が他方に対して突出するR状としたので、装置姿勢や外部衝撃発生等により両面の接触が生じてもこれが線接触となり、耐摩耗性が高まる。
【0057】
請求項4記載の動圧軸受装置にあっては、円錐動圧軸受部における荷重支持圧の最大位置と当該軸受部の最小ギャップ位置とがほぼ一致しているため、回転時における円錐面と円錐受け面との接触に対する耐摩耗性効果が顕著となる。
【0058】
請求項5記載の動圧軸受装置にあっては、軸体の軸部の一端面を円錐部の端面より僅かに突出する突曲面状に形成しているので、軸体が鉛直方向に向いた姿勢の場合の回転停止時や起動初期等における耐摩耗性が良好となる。
【0059】
請求項6記載の動圧軸受装置にあっては、軸体を軸部の一端部に円錐部を嵌合して構成した上で、両者の接合位置に連通路を形成するようにしたので、両者の接合面の一方もしくは両方に溝形成することで連通路を構成でき、連通路を簡易に形成でき、製造が容易となる。
【0060】
請求項7記載のスピンドルモータにあっては、請求項1〜6記載の動圧軸受装置を用いてモータ基盤に対してロータを回転自在に支持する構成であるため、上述した作用効果を活かしたモータを得ることができ、特に、モータ形状・寸法の小型化、薄型化に顕著な効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスピンドルモータの断面図である。
【図2】図1の軸受機構と従来例との比較用の断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示すスピンドルモータの軸受機構部分の断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示すスピンドルモータの断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す軸受機構の断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態を示す軸受機構の断面図である。
【符号の説明】
A ステータ部
B ロータ部
C 軸受機構
2 モータ基盤
6 ステータ
10 軸部
10d ラジアル円筒面
10e 先端面
12 ロータハブ
14 ロータマグネット
16 スリーブ
16a 円錐受け面
16b ラジアル受け面
18 円錐部
18a 円錐面
18b 端面
20 スラストブッシュ
20a スラスト受け面
22 テーパシール部
24 潤滑剤
26 ジャーナル動圧溝
28 ジャーナル動圧軸受部
30 円錐部動圧溝
32 円錐動圧軸受部
34 スラスト動圧溝
36 スラスト動圧軸受部
38 循環通路
40 テーパシール部
42 液体バランス通路

Claims (7)

  1. 軸部の一端寄りに一端側に行くに従い外径が大きくなる円錐面を形成した円錐部を有し、該円錐部より他端側の前記軸部の外周面にラジアル円筒面を形成すると共に、前記軸部の一端面及び/又は前記円錐部の端面にスラスト軸受面を形成した軸体と、
    内周に、前記円錐部の円錐面に対向する円錐受け面、及び前記ラジアル円筒面に対向する円筒状ラジアル受け面を有し、内底面に前記スラスト軸受面に対向するスラスト受け面を有する有底筒状のスリーブ体と、
    を備え、
    前記円錐部の円錐面と前記スリーブ体の円錐受け面との間の間隙に潤滑流体を介在させ、かつ前記円錐面と前記円錐受け面との一方もしくは両方に荷重支持圧を発生しかつ他端側への押し込み力を発生する円錐部動圧溝を形成して円錐動圧軸受部を構成し、
    前記軸部のラジアル円筒面と前記スリーブ体のラジアル受け面との間の間隙に潤滑流体を介在させ、かつ前記ラジアル円筒面と前記ラジアル受け面との一方もしくは両方に少なくとも一端側への押し込み力を発生するジャーナル動圧溝を形成してジャーナル動圧軸受部を構成し、
    前記軸体のスラスト軸受面と前記スリーブ体のスラスト受け面との間の間隙に潤滑流体を介在させ、かつ前記スラスト軸受面と前記スラスト受け面との一方もしくは両方に少なくとも軸部中心に向かう押し込み力を発生するスラスト動圧溝を形成してスラスト動圧軸受部を構成し、
    前記ジャーナル動圧軸受部、前記円錐動圧軸受部及び前記スラスト動圧軸受部のそれぞれの潤滑流体を連続させると共に、前記軸体側とスリーブ体側との間における前記ジャーナル動圧軸受部より他端側の位置に形成したテーパシール部においてのみ前記潤滑流体の界面を位置させ、
    前記円錐部側もしくは前記スリーブ体側に、前記円錐動圧軸受部の一端側の前記スラスト動圧軸受部との境界部分前記円錐動圧軸受部の他端側の前記ジャーナル動圧軸受部との境界部分とを連通する連通路を設けたことを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 前記連通路は複数設けられて周方向等間隔に配置されている請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 前記円錐部の円錐面とスリーブ体の円錐受け面の少なくとも一方は対向面に対し僅かに突出するR状に形成されている請求項1又は2記載の動圧軸受装置。
  4. 前記円錐動圧軸受部における荷重支持圧の最大位置と当該軸受部の最小ギャップ位置とがほぼ一致している請求項3記載の動圧軸受装置。
  5. 前記軸体の軸部の一端面は、前記円錐部の端面より僅かに突出する突曲面状に形成されている請求項1〜4記載の動圧軸受装置。
  6. 前記軸体は、外周に円錐面を形成した筒状円錐部を前記軸部の一端部に嵌合して構成され、前記連通路は前記軸部と前記円錐部との接合位置に形成されている請求項1〜5記載の動圧軸受装置。
  7. 請求項1〜6記載のスリーブ体及び軸体を有し、前記スリーブ体がモータ基盤に固定され、モータ基盤には前記スリーブ体と同心状にステータが配設されており、前記軸部の他端部にロータが固定され、該ロータのロータマグネットが前記ステータに対向して配置されていることを特徴とするスピンドルモータ。
JP2002275266A 2002-09-20 2002-09-20 動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ Expired - Fee Related JP4202080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002275266A JP4202080B2 (ja) 2002-09-20 2002-09-20 動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002275266A JP4202080B2 (ja) 2002-09-20 2002-09-20 動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004108546A JP2004108546A (ja) 2004-04-08
JP4202080B2 true JP4202080B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=32271514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002275266A Expired - Fee Related JP4202080B2 (ja) 2002-09-20 2002-09-20 動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4202080B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100753491B1 (ko) * 2005-06-01 2007-08-31 (주)지엔더블유테크놀러지 저널베어링 간극이 다른 유체동압베어링모터
JP4800047B2 (ja) * 2006-01-31 2011-10-26 パナソニック株式会社 流体軸受装置およびその製造方法、スピンドルモータおよび記録再生装置
JP6345470B2 (ja) * 2014-04-14 2018-06-20 大豊工業株式会社 スラスト軸受
CN106763150B (zh) * 2017-01-09 2023-07-11 浙江大学 仿生变结构圆锥螺旋槽轴承

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS595723U (ja) * 1982-07-01 1984-01-14 三菱重工業株式会社 コンプレツサタ−ビン一体型過給機の軸受
JPS60234120A (ja) * 1984-05-07 1985-11-20 Canon Inc 動圧スラスト軸受
JPH06315242A (ja) * 1993-04-28 1994-11-08 Nippon Densan Corp スピンドルモータ
JP2001241432A (ja) * 2000-02-29 2001-09-07 Nsk Ltd 動圧軸受、スピンドルモータ
JP2002122134A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Nsk Ltd 流体軸受装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004108546A (ja) 2004-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3578948B2 (ja) モータ
JP4338359B2 (ja) 動圧軸受装置
US6888278B2 (en) Spindle motor and disk drive utilizing the spindle motor
JP2005045924A (ja) スピンドルモータ、このスピンドルモータに適用されるロータの製造方法、及びこのスピンドルモータを備えたハードディスク駆動装置
US7375448B2 (en) Motor
US7350975B2 (en) Hydrodynamic bearing device and spindle motor
JP4202080B2 (ja) 動圧軸受装置及びこれを用いたスピンドルモータ
JP2004190855A (ja) スピンドルモータ
JPH0432468B2 (ja)
JP2006112614A (ja) 動圧軸受装置
JP3549367B2 (ja) 動圧流体軸受装置及び電動機
JP3745675B2 (ja) 動圧軸受装置およびこの装置を備えたモータ、並びにこのモータを用いたディスク装置
JP3984449B2 (ja) 流体動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP2003074543A (ja) 動圧流体軸受装置及びこれを備えたモータ
JP2004316680A (ja) スピンドルモータ、及びこれを備えた記録ディスク駆動装置
JP2001271838A (ja) 動圧流体軸受装置及び電動機
JP4392112B2 (ja) 動圧軸受装置及びこれを備えたスピンドルモータ
JPH10255389A (ja) 光学ディスク回転装置
JP2004132455A (ja) 動圧軸受装置及びディスク記録装置
JP3121689B2 (ja) スピンドルモータ
JP3927392B2 (ja) 流体動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを用いたディスク駆動装置
JP3805934B2 (ja) 動圧流体軸受装置及び電動機
JP2004116623A (ja) 流体軸受装置
JP3872630B2 (ja) 動圧流体軸受装置及び電動機
JP2000113582A (ja) 記録ディスク駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141017

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees