JP2005155912A5 - - Google Patents

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流体動圧軸受及びスピンドルモータ
本発明は、ハードディスク駆動装置等の信号記録再生装置に搭載される流体動圧軸受機構を採用した軸受装置と、その軸受装置を搭載したスピンドルモータに関する。特に、軸受高さが小さな、薄型の軸受装置と、薄型のスピンドルモータに関する。
ハードディスク駆動装置等の信号記録再生装置において使用されるスピンドルモータには、従来から種々の流体動圧軸受が利用されている。流体動圧軸受とは、シャフトとスリーブの間にオイル等の潤滑液を介在させ、その潤滑液に生ずる流体圧力を支持力とする軸受である。
従来の動圧軸受を使用するスピンドルモータの一例を図12に示す。このスピンドルモータは、ロータ105と一体を成す軸体131の外周面と、この軸体131が回転自在に挿通されるスリーブ133の内周面との間に、一対のラジアル軸受部137,137が軸線方向に隔たって配置されている。そして軸体131の一方の端部外周面から半径方向外方に突出するディスク状スラストプレート134の上面とスリーブ133に形成された段部、並びに、スラストプレート134の下面とスリーブ133の一方の開口を閉塞するスラストブッシュ132との間に、それぞれ一対のスラスト軸受部136,136が構成されている。ラジアル軸受部の上方には、第二のテーパシール部140が軸体131の周面に形成されている。
このようなスピンドルモータについて、更に、薄型にする事が求められるようになってきている。小型の情報機器に対する需要が高まっており、それに応じて、ハードディスク駆動装置等に対しても、小型化、薄型化が求められているからである。
しかしながら、図12に示したようなスピンドルモータを薄型化する場合、必然的に流体動圧軸受装置の高さにも厳しい制限が課される。この為、二つのラジアル軸受部の間隔も小さくせざるを得なくなるが、これは、特に軸体を倒そうとする外力に対する剛性を低下させ、軸受の設計を著しく困難にしていた。
特許文献1には、軸受の小型化を実現する為に、スリーブの端面に薄板を配置し、スリーブ端面との間隙にテーパシールを形成する構造が開示されている。この構成に寄れば、図12におけるテーパシール140が軸線方向ではなく、半径方向に寝た形で配置される。この為、二つのラジアル軸受の間隔を狭める事なく、軸受全体の高さを低くする事が可能になる。
しかし、この構造では、軸体周面と薄板との間に形成される小さな間隙を通って、潤滑液が漏れ出すトラブルを十分に抑制する事ができない。この為、特許文献1に開示された軸受は、これまで実用に供される事はなかった。
特開平08−331796号
本発明の目的は、軸受剛性が高く薄型の流体動圧軸受装置、及び、この軸受装置を搭載した薄型のスピンドルモータを提供する事である。
上記の課題を解決する為の、請求項1に記載の流体動圧軸受は、
軸体と、
軸体が挿入され、軸体を中心軸を中心として回転可能に支持する静止部と、
軸体の外周面とこれと対向する静止部の内周面との間に形成されたラジアル間隙と、
ラジアル間隙に充填された潤滑液と、
ラジアル間隙より径方向外側に位置し、静止部で且つ軸方向に伸びる間隙に形成されると共にラジアル間隙に接続する第二のシール部と、
ラジアル間隙の上端部に位置する軸方向に伸びる間隙に形成され、ラジアル間隙および第二のシール部に接続し、その軸方向長さが第二のシール部より短い第一のシール部と、
ラジアル間隙の一部を構成する第一の間隙に形成され、軸体の回転時、潤滑液を作動流体として流体動圧を誘起するラジアル動圧発生溝を有するラジアル動圧軸受と、を備えたことを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項2に記載の流体動圧軸受は、
第二のシール部には、第二の気液界面が形成され、
第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
第一の気液界面は、前記第二の気液界面より上側に位置することを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項3に記載の流体動圧軸受は、
静止部には、潤滑液で満たされ、且つ、第二のシール部、第一の間隙の上端部、および、第一のシール部をつなぐ連絡路が形成されていることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項4に記載の流体動圧軸受は、
静止部には、潤滑液で満たされ、且つ、第二のシール部および第一の間隙の下端部をつなぐ連通路の一部が形成されていることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項5に記載の流体動圧軸受は、第二のシール部の間隙は、軸方向に伸びるに従ってその間隙寸法が拡大するテーパ状に形成されていることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項6に記載の流体動圧軸受は、
第一のシール部の間隙は、上側に向かうに従ってその間隙寸法が拡大するテーパ状に形成され、
第一のシール部のテーパ角は、第二のシール部のテーパ角より大きいことを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項7に記載の流体動圧軸受は、
第二のシール部には、第二の気液界面が形成され、
第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
第二の気液界面の幅は、第一の気液界面の幅より広いことを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項8に記載の流体動圧軸受は、
第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
第一の気液界面より上側に位置する、軸体の外周面および静止部の表面の少なくとも一方には、撥油膜が形成されていることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項9に記載の流体動圧軸受は、
第二のシール部には、第二の気液界面が形成され、
第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
潤滑液の気液界面は、第二の気液界面および第一の気液界面のみであることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項10に記載の流体動圧軸受は、
静止部は、
円筒状のスリーブと、
スリーブの外周側に配置されたハウジングと、
スリーブの上側に位置し軸体の外周面と対向する内周面を有する板状部と、板状部の外周から下側へ伸びる周壁部と、を備えたカバー部材と、を備え、
第二のシール部は、カバー部材の周壁部の周面とこれと対向する静止部の周面との間に形成され、
第一のシール部は、カバー部材の板状部の内周面とこれと対向する軸体の外周面との間に形成されることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項11に記載の流体動圧軸受は、
第二のシール部は、カバー部材の周壁部の外周面とこれと対向するハウジングの内周面との間に形成されていることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項12に記載の流体動圧軸受は、
第二のシール部は、カバー部材の周壁部の内周面とこれと対向するスリーブの外周面との間に形成されていることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項13に記載のスピンドルモータは、
軸体、および、ロータマグネットを備えたロータと、
静止部に取り付けられたステータと、
請求項1乃至12のいずれか記載の流体動圧軸受と、を備えることを特徴とする。
請求項1の流体動圧軸受によれば、軸方向の高さが小さく、軸受剛性が高く、かつ潤滑液の漏出或いは気泡の残留による不具合の発生が抑制された、流体動圧軸受が得られる。これは次の理由による。
本願発明の流体動圧軸受では、従来、軸体の周面に沿って形成されていたテーパシールを撤去し、軸受空洞端部に形成された第一の界面で潤滑液を支える。この界面は、隣接部位が撥油性を有している為、殆ど移動しない。テーパシールのような長さが不要になる為、軸受を低くする事が可能になる一方で、ラジアル動圧軸受部の軸線方向のサイズは小さくしなくとも良い。
熱膨張等による潤滑液の体積変化は、スリーブ側面に形成したテーパシールで吸収する。スリーブの側面に形成する事により、潤滑液に取り込まれた、或いは生じた気泡が、より容易に排出される。
本発明の流体動圧軸受は、第一の間隙の軸方向に隔たった二ヶ所を連通する連通路を有しており、二ヶ所の間には動圧軸受機構が位置している。
この構成によれば、軸受面以外の経路を通じて潤滑液を保持する間隙の両端間で潤滑液が流通できる為、圧力の不均一発生が抑制され、軸受装置の特性が安定し、信頼性が高まる。
本発明の流体動圧軸受では、スリーブは、スリーブ本体とスリーブ本体の一端側端面に取り付けられたカバー部材とから成り、軸体の一端部はカバー部材が有する孔を通して突出し、孔は軸受空洞の開口を成し、孔の内周面と軸体外周面が構成する間隙には、第一の界面が形成されており、カバー部材とスリーブ本体との間には、連絡路の少なくとも一部が形成されている。
この構成によれば、第二のテーパシール部と第一の間隙を繋ぐ連絡路を、スリーブに対して加工を施す事なく、安価、かつ容易に形成する事が出来る。
本発明の流体動圧軸受では、連絡路は連通路の一部を成している。
この構成によれば、連通路の一部を連絡路で共用する事が出来る為、加工コストを低減する事が出来る。
本発明の流体動圧軸受では、カバー部材は、スリーブ本体の外周面に嵌合する周壁を有しており、周壁とスリーブ外周との間に連絡路の少なくとも一部が形成されている。
この構成によれば、カバー部材を取り付ける事で、スリーブの側面まで連絡路を延長する事が出来る。テーパシールをスリーブ側面に設ける場合、特に有用である。
本発明の流体動圧軸受では、更に有底の穴部を有するハウジングを有し、スリーブは、穴部に内嵌固定されており、穴部の内周面とカバー部材の外周面、及び/又は、カバー部材の内周面とスリーブ本体の外周面、との間に第二のテーパシール部が形成されている。
この構成によれば、スリーブをハウジングによって保護する事が出来ると同時に、容易にスリーブ側面に第二のテーパシール部を形成する事が出来る。
本発明の流体動圧軸受では、スリーブの外周面、及び/又は、ハウジング内周面に、軸方向又は径方向に伸びる凹部を設け、両部材を嵌合させた後に凹部が連通路となるように構成されている。
この構成によれば、潤滑油を循環させる連通路を、容易に形成する事が出来る。
本発明の流体動圧軸受では、軸体周面及び軸受空洞内周面は、動圧軸受機構の一端側に隣接する部位から、第一の界面近傍までは、親油性を有している。
この構成によれば、回転時に潤滑液に取り込まれる気泡が減少し、軸受の性能が安定すると同時に、長寿命の軸受装置が実現できる。この理由を図1用いて説明する。
図1のa)及びb)は、第一の界面近傍から、ラジアル動圧軸受機構が形成されている領域にかけての、軸受装置の模式断面図を表している。
a)は、第一の界面51付近のスリーブ、シャフト表面は親油性を有している。(図中、撥油性を有する壁面は、二重線で表されている)。b)は比較例であり、第一の界面51は、撥油性を有する壁面の間に形成されている。
軸体に対して動圧による支持力が働く為には、軸体の周面に対して垂直な成分を持つ流れが潤滑流体中に生じなければならない。このような流れが生じる場合、流体は複雑な流れを呈する。この際、動圧軸受部は、第一の界面側から潤滑液を引き込む様に作用する瞬間があり得る。b)の様に、第一の界面の外側表面に形成された撥油膜が、動圧軸受近傍にまで及んでいる場合、界面の曲率は小さい。このような状況で、上記のような引き込み力が加わると、軸受間隙の奥まで界面が引き込まれ、潤滑液中に気泡や空隙が形成される恐れがある。
本発明の流体動圧軸受では、第一の間隙に保持された潤滑液の圧力を、軸受の一端側から離れる方向に向けて高めるように作用するように構成されている。
この構成によれば、軸受内部の潤滑液を循環させる事が出来る為、軸受間隙(第一の間隙)への気泡の集積が抑制され、軸受装置の性能が安定する。
本発明の流体動圧軸受では、軸受空洞の開口端を形成する縁部分には、面取りが施されている。
この構成によれば、第一の界面がより安定し、潤滑液の漏れが一層生じにくくなる。これは次の理由による。
この構成に係わる発明は、シャフト端部の軸受間隙開口部にテーパシールを設けていない。テーパシールがある場合は、軸受加わる衝撃や熱膨張によって、潤滑液を押し出す力が加わった場合でも、界面が第二のテーパシール部内部を移動する事で、潤滑液の漏出は回避できる。本発明でも、第二のテーパシール部は有しているが、同時に、軸受一端側に第一の界面をも有している為、この界面の、衝撃や振動に対する安定性は考慮せざるを得ない。
一般に表面張力で維持されている界面は、幅が狭いほど強く、崩壊しにくい傾向がある。本発明の軸受装置では、軸受間隙端部の第一の界面は、第二のテーパシール部に形成される第二の界面よりも狭幅である為、基本的には衝撃や振動の影響は第二のテーパシール部で吸収される。しかし、瞬間的には界面が円筒空洞の端部を越えて押し出される状況はありうる。
そのような場合に、空洞端部に面取りが施されていなければ、その角や、或いは加工時に生じたバリなどによって潤滑液の一部が断ち切られ、間隙外部に残ってしまう恐れがある。空洞の開口縁を面取り加工しておけば、バリは除去され、角は取り去られる為、そのような事態は生じにくくなる。
本発明の流体動圧軸受では、面取りが施された部位の軸体方向の長さは、第一の界面の幅の半分よりも大きく、かつ、第二の界面の幅よりも小さい。
この構成によれば、第一の界面が更に安定し、軸受装置の高さを抑制しつつ、潤滑液の漏れが一層生じにくくする事が出来る。
先に述べた開口端縁の面取りは、余り大きくては、軸方向長さが長くなって軸受装置の高さを増してしまうが、余りに小さくては効果が低下する。この面取り量の下限としては、第一の界面の曲率を目安とする事が合理的である。上限は、テーパシールを構成する第二の界面の幅の半分とする。これ以上では、第一の界面が第二の界面よりも大きくなってしまうからである。
ここで、面取りの大きさは、軸線方向長さrで規定しており、半径方向については請求項中では規定していない。これは、通常の面取りでは、軸線方向と半径方向は、大きさがほぼ等しくするからである。非対称な面取りとしても界面安定化の効果は得られるが、低下する。軸線方向と半径方向の面取りの大きさの比が1:3或いは3:1を越える場合は、面取りによって生ずる角部分に、更に面取りを施すなどの処置を加える事が望ましい。
本発明の流体動圧軸受では、面取りが施された部位の表面の内、少なくとも径方向外寄り側半分の領域は、撥油性を有している。
この構成によれば、第一の界面が更に安定し、潤滑液の漏れが一層生じにくくなる。開口端縁からの潤滑液の流出を防ぐ為には、面取り部表面において潤滑液がはじかれ、潤滑液が間隙内に引き戻される効果が生ずる事が望ましいからである。このような効果を得る為には、面取り部において、軸受間隙から遠い側の半分は、撥油性を付与されている必要がある。一方で、軸受間隙内部においては、間隙を構成する面は、親油性を持っている事が望ましい。なお、本願明細書において、"撥油性を有する"とは、潤滑液の接触角が45度よりも大きい事を意味する。より好ましくは、90度以上である。
本発明の流体動圧軸受では、第一の間隙が一端側に向かって間隙が拡大する第一のテーパシール部となっており、そのテーパ角は、第二のテーパシール部のテーパ角よりも大きい。
この構成によれば、第一の間隙を一端側に向かって間隙が拡大する構造として第一のテーパシール部を形成する事で、この間隙に形成される第一の界面をより安定させる事が出来る。ただし、第一のテーパシール部テーパ角(以下、第一のテーパ角)は、第二のテーパシール部のテーパ角(以下、第二のテーパ角)よりも大きくする。第一のテーパ角を小さくすると、テーパシール部の軸体方向の長さが長くなって、軸受装置の小型化を阻害するからである。この第一のテーパ角は第二のテーパ角の2倍以上である事がより好ましい。
本発明の流体動圧軸受では、軸体の他端には、径方向膨大部が形成されており、スリーブの軸受空洞は径方向膨大部を収容する径方向拡大部を有し、径方向膨大部の軸方向表面、及び、これに対向する径方向拡大部の軸方向表面、を軸受面とするスラスト動圧軸受を有している。
この構成によれば、軸線方向の負荷はスラスト動圧軸受によって支持される事になる為、軸受の支持が安定する。
本発明の流体動圧軸受では、スリーブの少なくとも一部は、含油多孔質材料から構成されている。
この構成によれば、多孔質体が多量の潤滑液を蓄える事が出来る為、軸受装置の潤滑液保持量が増して、蒸発などによる潤滑液の枯渇が生じにくくなり、長寿命の軸受装置を得る事が出来る。加えて、多孔質体が軸受間隙において生じたダストをトラップできる為、ダストの集積によるトラブルも抑制される。
本発明のスピンドルモータは、ベースと、ベースに固定されたステータと、上記記載の流体動圧軸受によってベースに対して回転自在に支持されたロータと、ステータに対向してロータ周面に取り付けられたロータマグネット、を有する。
この構成によれば、上記の流体動圧軸受を採用する事により、振動が少なく長寿命で、かつ、高さの低いスピンドルモータを得る事が出来る。
本願発明に係る流体動圧軸受、及び、スピンドルモータを実施する為に好適な形態を、以下の実施例1乃至3に示す。
(1−1)スピンドルモータの説明
図2は、本願発明に係るスピンドルモータ1の模式断面図である。スピンドルモータ1は、ベースプレート2に取り付けられた本願発明に係る軸受装置3と、ベープレート2上に軸受装置3を取り囲むように設置されたステータ4と、シャフト31の一端に取り付けられたロータ5とから成る。ロータ5は、ハブ6とロータマグネット7とから成り、ロータマグネット7はハブ6の円筒部内周面に取り付けられ、ステータ4の磁極と対向する位置関係にある。このステータ4に通電する事により、回転駆動力が発生する。スピンドルモータ1は、ベースプレート2を介して、ハードディスク装置等の筐体に取り付けられる。
(1−2)軸受装置の全体構成
図3のa)は軸受装置3の模式断面図であり、b)は斜視図である。
軸受装置3は、略円筒形のスリーブ33と、その円筒部に内嵌されたシャフト31と、スリーブ33を収容する有底円筒形状のハウジング32を主な構成要素としている。
図中でシャフト31の下側端部には、スラストプレート34が形成されており、スリーブ33の下側端面にその上面で対向している。図3では、このスラストプレート34を収容する為に、ハウジング内周の底面には、段部41が形成されているが、スラストプレート34の外径とスリーブ33の外径がほぼ等しい場合には、このような段部41は必要ではない。
(1−3)潤滑液及び連通路
シャフト31の外周面とスリーブ33の内周面の間には、微小な第一の間隙が形成されている。同様に、スラストプレート34とハウジング32の内周面、及び、スリーブ33の下側端面との間にも第二の間隙が保持されている。これらの軸受間隙は、途中で途切れる事なく潤滑液で満たされている。そして、第一の間隙下部と上部は、後述する連通路42によって、連通している。
スリーブ33の上端側には、カバー部材35がはめ込まれている。カバー部材35の外周側面とハウジング32の内周面の間には、ハウジングの開口端に向けて間隙が拡大する第二のテーパシール部40が形成されている。
また、カバー部材35には、プレスによって形成された径方向に伸びる凸部43があり、その裏面の凹部とスリーブ33上端面との間に確保される間隙は、潤滑液の連絡路42aとなる。また、この連絡路42aは、連通路42の一部を成す。
スリーブ33の側面には、軸方向に伸びる平坦部44が、円周方向の三ヶ所に亘って形成されている(図4)。この平坦部44は、見かけ上は平坦部であるが、スリーブの中心軸からの距離が中央部で一番小さくなる点で実質的には凹部であって、ハウジングに内嵌する事で、連通路の一部42bとなる。
図5a)は、軸受装置3を図3の上側から見下ろした場合の様相を表す。図5b)は、カバー部材35を取り付ける前の状態を示している。図5a)の点線は、スリーブ33の平坦部44の位置を示している。カバー部材35の上面に形成された凸部43の径方向外側の端部は、平坦部44の上に位置しており、連絡42a、及び連通路の一部42bは、ここで接続して、一つの連通路42を構成する。連通路42は、軸受間隙と同じく潤滑液で満たされ、第一の間隙の上下の間での潤滑液の行き来を可能にする。
なお、図3a)の様に、ハウジング底部に段部41が形成されている場合は、スリーブ33側面に形成された連通路42bは、段部41で閉塞されてしまう。これを避ける為に、連通路42bの下端に対応する位置で、段部41の上面に凹部を設け、連通路42bと軸受間隙を接続している。
カバー部材35の上面には、シャフト31を通す為の孔46が形成されている。この孔の内周面47はシャフト31の周面と微小な間隙を保っており、ここに第一の界面51が形成されている。第二のテーパシール部40は、カバー部材35の下端縁で連通路42と接続している。第二のテーパシール部は途中まで潤滑液で満たされており、第二の界面52が形成されている。第一の界面に隣接するシャフト外周面とカバー部材35の表面には、フッ素系樹脂からなる撥油剤が塗布され、撥油性が付与されている。
この軸受装置3では、シャフト31の外周面とスリーブ32内周面との間の間隙を満たす潤滑液は、これら第一、第二の界面以外では、潤滑液は周囲の空気と接してはいない。
(1−4)動圧軸受
図3において、スリーブ33の円筒型の内周面には、軸線方向に隔たった2ヶ所に、動圧発生溝37、38が形成されており、各々ラジアル動圧軸受を構成する。これらの動圧発生溝は、シャフト31の回転時に、軸受間隙に保持された潤滑液に対して、軸線方向下側に向けて圧力を高めるよう作用する部位と、軸線方向上側に向けて圧力を高めるよう作用する部位が、対となって対向して設けられており、二つの部位の間で高い動圧を発生させ、軸受を支持する。
なお、図において、軸受面に対して斜めに描かれた二重線はこれら動圧発生溝の存在を表し、二重線が軸受面から離れて行く側に向かって、潤滑液の圧力が高められている事を意味する。図中の二重線は途中で折れ曲がっており、この部位で最も軸受面から離れているが、これは、この部分で最も高い圧力が発生する事を示す。
二つのラジアル動圧発生溝37、38の内、上側に位置する37は、上下方向に対称ではなく、下側に向けて圧力を高める部位がより大きく形成されている。この為、動圧発生溝37は、ラジアル方向の軸支持力を発生する一方で、潤滑液を軸受の下方へと押しやる様に作用する。もう一つのラジアル動圧発生溝38は対称であり、また、二つのスラスト動圧発生溝36、36は半径方向に対称に構成されている。
動圧発生溝全体では、ラジアル動圧発生溝37の作用によって、潤滑液には、第一の間隙であるラジアル軸受間隙を下方へと流れ、そして、連通路42を通ってラジアル軸受面の上端部である、第一の界面51付近へと還流する流れが生ずる。この流れは、第一の界面51から潤滑液が漏れ出す事を抑制する。また、軸受内部で生じた気泡などを、連通路42と第二のテーパシール部40を介して軸受外部に排出する事を助ける。
(1−5)製造方法
カバー部材35及びその取付け方法について、図6及び図7を用いて説明する。
図6はカバー部材35の製造工程の一例を表している。まず、金属製の板材を、打ち抜き、プレスによって、有蓋円筒形状と成し、蓋部の中央に孔46を打ち抜く。同時にプレスによって、蓋部に径方向に伸びる凸部43を形成する(図6a)。
次に、カバー部材の中心軸に対して、凸部の位置から60度ずれた場所で、部材の側周面に軸方向に伸びる切り込みを二本入れる。切り込みの間の部材48を水平に持ち上げて、スリット47を形成する(図6b)。
部材48はハウジング内周面と当接する長さに切断、成形して、接続部49とする(図6c)。
機械加工が終了した後、蓋部の孔46の周囲に撥油剤を塗布し、撥油性を付与する。この際、孔の内周面や蓋部の裏側(スリーブに接する側)には、撥油剤が回り込まないように注意する。
カバー部材35は、この接続部49の先端部で、ハウジングに溶接固定される。溶接方法としては、レーザ溶接、或いは電子ビーム溶接などの、指向性ビーム溶接が適している。また、溶接ではなく接着によって固定しても良い。更に他の方法として、カバー部材35の円筒部分を、スリーブ33に外嵌する形で軽圧入して固定しても良い。
なお、軸受装置への潤滑液注入は、カバー部材35を溶接した後で、第二のテーパシール部に潤滑液を滴下して軸受内に行き渡らせても良いが、潤滑液を滴下した後で、カバー部材35を溶接しても良い(図7)。
本発明の軸受装置は、潤滑液と周囲の空気との界面が軸受の2ヶ所にある為、潤滑液の注入時には、潤滑液と軸受隙間中の空気の入れ替わりが比較的円滑で、注入不良が生じにくい。しかし、カバー部材35をつけた後に潤滑液を注入する場合、注入不良の比率が高まる。
カバー部材35をつけた後で第二のテーパシール部40に潤滑液を滴下する場合、潤滑液は、二つの方向に分かれて軸受装置内に広がってゆく。まず、連通路の一部42bを伝って、軸受下部のスラストプレート34周囲に達し、それから、ラジアル動圧軸受が構成されている第一の微小間隙を軸受上部に向かって広がる経路がある。もう一つは、カバー部材35とスリーブ33の間に形成された連絡42aを伝って、第一の間隙の上部に達し、カバー部材の孔46の内周面50とシャフト31外周面との間の間隙を埋めて、第一の界面を形成する経路である。
前者と後者を比較した場合、前者の方が早く進行する。この為、軸受内部の空気が十分に排出される前に第一の界面が形成されて空気の逃げ道が塞がれ、軸受内部に気泡が残ってしまう事がある。これに対して、図7に示したように、軸受装置に潤滑液を注入した後でカバー部材35を取り付ける場合は、このような不具合は生じない。
図7の軸受装置のシャフト31bは、カバー部材35の孔46から突出する部分が縮径しており、カバー部材を取り付ける際に、シャフト外周面と孔46の内周面50が接触しにくいようになっている。孔46の直径は、シャフトの内、軸受空洞に収容されている部分の外径よりも大きいのであるが、その差は僅かであり、縮径しておかなければ、カバー部材の取付け作業時に、内周面50などが傷つく恐れがあるからである。なお、縮径部は、シャフト端部から孔の開口近傍に至る、すべての領域に亘って続いている必要はなく、開口からやや離れた位置で終わっていても、傷つき防止の効果は得られる。しかし、図7に示すように、開口近傍に傾斜部80を設けておくと、万一開口付近の撥油膜が失われて潤滑液が漏れ出しても、界面を支える壁面の角度が大きくなる為、潤滑液の漏れ出しを小さく抑制する事が出来る。
なお、潤滑液を注入した後カバー部材を溶接固定する際には、特に、熱による潤滑液の変質、及び、熱膨張による動圧軸受面への悪影響等が懸念されるが、本願発明の構造では問題は生じない。
まず、溶接時に加えられる熱は、大部分が熱容量の大きなハウジング部に散逸してしまって、第二のテーパシール部40内の潤滑液は殆ど熱せられない。カバー部材35とスリーブ33の間の潤滑液については、接続部49が小さい為、カバー部材に伝わる熱が小さく、問題を生じない。動圧軸受面への影響は、溶接部分が軸受面から遠く離れている為、無視する事が出来る。
(1−6)素材
この実施例で説明した軸受装置を構成する素材は、必要とされる強度と剛性を備えていれば、基本的には任意のものを選択する事が出来る。金属材料は、一般に十分な強度と剛性を備え、しかも親油性を備えている為、本発明の軸受装置を構成する素材として好適である。
図2乃至図7に示した軸受装置においては、ハウジングはアルミニウム系合金を素材としている。スリーブには快削性ステンレス鋼を用いており、機械加工の後、表面処理によって表面から介在物を除去している。また、シャフトにはマルテンサイト系ステンレスから、カバー部材は銅合金、或いは、合成樹脂材料から構成されている。合成樹脂材料の中でも、微細な構造の形成が容易な液晶ポリマーが特に適している。カバー部材35の孔部46の内周面50には、必要に応じて親油性を高める為の処理を施しても良い。
なお、第一の界面開口近傍に塗布されている撥油膜は、パーフルオロ樹脂を用いている。また、潤滑液はエステル系化合物を基油としている。
軸受装置3の変形例3’について図8、図9を用いて、説明する。図8a)は、軸受装置3’を、軸受の上側から見下ろした図である。図8b)は、更にカバー部材35’を取り付ける前の状態を示している。
軸受装置3と異なり、接続部49がスリーブ33の平坦部44の真上に位置している。そして、凸部43’は、43’a及び43’b二つに分かれており、その間に接続部49が形成されている。
図9a)は、このカバー部材35’の斜視図である。カバー部材35と同様の方法で形成される為、接続部49に伴なって形成されるスリット47も、二つの凸部43’a及び43’bの間に位置し、軸方向に伸びている。
図9b)は、第二の界面の一部の拡大図であり、カバー部材35’を含んだ軸線方向に垂直な面における断面図となっている。ハウジング内周面32とカバー部材35’の外周に形成される第二のテーパシール部40に、潤滑液と空気との界面は形成されるが、カバー部材の内周面とスリーブ外周面との間にも第二のテーパシール部40’が形成され、第二の界面の一部52’が現れる。
軸受内を循環する潤滑液は、この第二のテーパシール部40’の幅狭の部分から、連絡路42aに流れ込み、軸受上部に還流してゆく。潤滑液中に気泡が含まれていても、気泡は、第二のテーパシール部の幅の狭まっている領域には侵入が困難である為、第二のテーパシール部40’に位置する界面52’側へと追いやられ、スリット47を通って排出される。このように、第二のテーパシール部40’は、潤滑液中の気泡を分離する効率的な篩として機能する為、この軸受装置3’は、潤滑液中の気泡を極めて効率よく排出する事が出来る。
軸受装置3の他の変形例83、93について、図10a)及び図10b)を用いて説明する。
図10a)では、スリーブ33’の一端部外径を縮径させる事で、ハウジング32’の内周にテーパ部を作る事なく、第二のテーパシール部を形成している。この場合、スリーブ33’は、銅系の多孔質焼結体を用いており、焼結時にテーパ形状を形成している。機械切削でテーパ部を作る必要がなく、加工費用を低減する事が出来る。
図10b)では、連通路42’をスリーブ33に軸方向の貫通孔を開ける事で形成している。潤滑液が循環する距離の延長が短くなる為、潤滑液の循環がより速やかになり、軸受の性能が安定する。
軸受装置3の変形例73について、図11a)b)c)を用いて説明する。
図11a)は軸受装置73の軸方向断面図であり、特に、カバー部材35bと、第一の界面51、第二の界面52を含む部位を、拡大表示したものである。また、図11b)及び図11c)は、更に、第一の界面51及び第二の界面52近傍を拡大した図である。
カバー部材35bは、孔部の内周面側面を面取りしてあり、シャフト31の外周面と対向させる事で第一のテーパシール部39が形成されるようになっている。第一のテーパシール部39のテーパ角θaは34度、第二のテーパシール部40のテーパ角θbは5度であり、θaの方が大きく設定されている。界面を安定させる為には、テーパシール部の壁面は十分に濡れ性の良い状態である事が望ましく、この場合、第一の界面51の幅W1は、第二の界面52の幅W2よりも常に狭くなる。θa及びθbの大きさは、上記の値以外でも構わない。しかし、θaではおよそ、15〜50度、θbでは、3〜10度程度とした場合に、良好な特性が得られる。
第一の界面51は、第二の界面52と異なり、テーパシール部を構成する壁面の内シャフト外周面が相対的に回転している為、界面を乱すストレスが加わる。しかし、幅W1は相対的に狭くなるように構成されており、幅が狭いほど界面は外乱に強い為、このストレスによって界面が破壊される事を防いでいる。
第一のテーパシール部の外側には、撥油膜が塗布されている。図11では、撥油膜が塗布された表面は、二重線で表している。シャフト31外周面では、環状の凹部81が形成されており、この凹部に撥油膜が形成されている。この働きは、図7における傾斜部と類似している。カバー部材35bをシャフト31に通して取り付ける際に、孔部内周面との接触によってシャフト外周面の撥油膜が損傷を受ける恐れがあるが、凹部81に撥油膜を塗布する事で、そのような問題を回避できる。
カバー部材35b表面の撥油膜は図11では、第一の間隙(第一のテーパシール部39を含む)の内側の内側には塗布されていない。また、第一の界面51の端は、撥油膜が塗布された部位までは達していない。
軸受装置73では、第一の間隙からの潤滑液の流出は、まず第一のテーパシール部によって抑制される。撥油膜は、潤滑液に突発的な圧力がかかるなどによって、テーパシール部開口部付近まで界面が移動した場合に、それ以上の外側への移動を抑制する。また、壁面を通じて潤滑液が拡散して外部に漏れる事を防ぐ働きもある。このように、テーパシールと撥油膜の両方によってガードされている為、実施例1の軸受装置3よりも、潤滑液漏れに強い。しかし、第一の間隙部分の軸方向長さが長くなっている為、小型化にはやや不利になっている。
なお、以上で説明した実施例は、本発明の実施形態をこれらに限定するものではない。例えば、スラスト側の軸受機構としては、スラスト動圧軸受機構についての記述しかないが、これは、潤滑液の静圧を併用する動圧軸受機構であっても良い。或いは、スラストプレートを省略して軸端で点支持させても良い。また、材質としても、合成樹脂等を用いる事は自由で、それらの変更によって、本発明の効果が失われる訳ではない。
第一の界面、及び、ラジアル動圧溝の説明図 本願発明に係るスピンドルモータ1の模式断面図 軸受装置の模式断面図(a)及び斜視図(b) スリーブの斜視図 軸受装置の上面図 カバー部材の製造工程の説明図 カバー部材の取付け方法の説明図 軸受装置の変形例1 カバー部材の変形例説明図 軸受装置の第2及び3の変形例 軸受装置の第4の変形例 従来の軸受装置を搭載したスピンドルモータ
符号の説明
1 スピンドルモータ
2 ベースプレート
3、3’、73、83、93 軸受装置
31、31b、131 シャフト
32 ハウジング
33、33’、133 スリーブ
34、134 スラストプレート
35、35’ カバー部材
36、136 スラスト動圧発生溝
37、38、137 ラジアル動圧発生溝
39 第一のテーパシール部
4 ステータ
40、40’、140 第二のテーパシール部
41 段部
42、42’ 連通路
42a 連絡路
42b 連通路の一部
43、43’、43’a、43’b 径方向凸部
44 スリーブの平坦部
47 スリット
48 切り込みの間の部材
49 接続部
5、105 ロータ
50 孔部内周面
51 第一の界面
52、52’ 第二の界面
6 ハブ
7 ロータマグネット
80 シャフト側面の傾斜部
81 シャフト側面の凹部
r 面取り部の軸方向長さ
W1 第一の界面の幅
W2 第二の界面の幅
θa 第一のテーパシール部のテーパ角
θb 第二のテーパシール部のテーパ角
132 スラストブッシュ

Claims (13)

  1. 軸体と、
    前記軸体が挿入され、前記軸体を中心軸を中心として回転可能に支持する静止部と、
    前記軸体の外周面とこれと対向する前記静止部の内周面との間に形成されたラジアル間隙と、
    前記ラジアル間隙に充填された潤滑液と、
    前記ラジアル間隙より径方向外側に位置し、前記静止部で且つ軸方向に伸びる間隙に形成されると共に前記ラジアル間隙に接続する第二のシール部と、
    前記ラジアル間隙の上端部に位置する軸方向に伸びる間隙に形成され、前記ラジアル間隙および前記第二のシール部に接続し、その軸方向長さが第二のシール部より短い第一のシール部と、
    前記ラジアル間隙の一部を構成する第一の間隙に形成され、前記軸体の回転時、前記潤滑液を作動流体として流体動圧を誘起するラジアル動圧発生溝を有するラジアル動圧軸受と、を備えたことを特徴とする流体動圧軸受。
  2. 前記第二のシール部には、第二の気液界面が形成され、
    前記第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
    前記第一の気液界面は、前記第二の気液界面より上側に位置することを特徴とする請求項1記載の流体動圧軸受。
  3. 前記静止部には、前記潤滑液で満たされ、且つ、前記第二のシール部、前記第一の間隙の上端部、および、前記第一のシール部をつなぐ連絡路が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の流体動圧軸受。
  4. 前記静止部には、前記潤滑液で満たされ、且つ、前記第二のシール部および前記第一の間隙の下端部をつなぐ連通路の一部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の流体動圧軸受。
  5. 前記第二のシール部の間隙は、軸方向に伸びるに従ってその間隙寸法が拡大するテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の流体動圧軸受。
  6. 前記第一のシール部の間隙は、上側に向かうに従ってその間隙寸法が拡大するテーパ状に形成され、
    前記第一のシール部のテーパ角は、前記第二のシール部のテーパ角より大きいことを特徴とする請求項5記載の流体動圧軸受。
  7. 前記第二のシール部には、第二の気液界面が形成され、
    前記第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
    前記第二の気液界面の幅は、前記第一の気液界面の幅より広いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の流体動圧軸受。
  8. 前記第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
    前記第一の気液界面より上側に位置する、前記軸体の外周面および前記静止部の表面の少なくとも一方には、撥油膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の流体動圧軸受。
  9. 前記第二のシール部には、第二の気液界面が形成され、
    前記第一のシール部には、第一の気液界面が形成され、
    前記潤滑液の気液界面は、前記第二の気液界面および前記第一の気液界面のみであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の流体動圧軸受。
  10. 前記静止部は、
    円筒状のスリーブと、
    前記スリーブの外周側に配置されたハウジングと、
    前記スリーブの上側に位置し前記軸体の外周面と対向する内周面を有する板状部と、前記板状部の外周から下側へ伸びる周壁部と、を備えたカバー部材と、を備え、
    前記第二のシール部は、前記カバー部材の周壁部の周面とこれと対向する静止部の周面との間に形成され、
    前記第一のシール部は、前記カバー部材の板状部の内周面とこれと対向する前記軸体の外周面との間に形成されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか記載の流体動圧軸受。
  11. 前記第二のシール部は、前記カバー部材の周壁部の外周面とこれと対向する前記ハウジングの内周面との間に形成されていることを特徴とする請求項10記載の流体動圧軸受。
  12. 前記第二のシール部は、前記カバー部材の周壁部の内周面とこれと対向する前記スリーブの外周面との間に形成されていることを特徴とする請求項10記載の流体動圧軸受。
  13. 軸体、および、ロータマグネットを備えたロータと、
    前記静止部に取り付けられたステータと、
    請求項1乃至12のいずれか記載の流体動圧軸受と、を備えることを特徴とするスピンドルモータ。
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