JP2008008313A - 動圧流体軸受の製造方法および、それを用いたモータ、回転装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】略カップ状のハブ4とこのハブ4に固定されたシャフト3とマグネット5とから構成される軸部1と、ベース6とステータコア42と環状のリング41とスリーブ7とを備えたステータ2と、ハブ4とスリーブ7との間および、スリーブ7とシャフト3との間に軸受隙間を形成している動圧流体軸受に潤滑剤を注入する方法であって、スリーブ7の軸受穴10に第1の潤滑剤を塗布してからスリーブ7にシャフト3を挿入して、真空注油により第2の潤滑剤を軸受隙間に気泡を介在させることなく、1回の注入で軸受隙間にオイルを注入することができる。
【選択図】図1
Description
図6(a)は、従来の動圧流体軸受を組立する際の真空注油工程における滴下注油工程を示している図である。
(1)製造対象である動圧流体軸受の構成
図1又は図3、図4に示すに工程を経て製造される図2に示す動圧流体軸受を有するモータは、軸部1とステータ2からなる。図2では軸部1側にシャフト3を構成しているが、これに限るものではない。ステータ2側にシャフト3が設けられていてもよく、モータ以外の装置の回転側又は固定側に設けられているものでもよい。また、本発明により製造される動圧流体軸受は、特に、ハードディスクなどの情報記録機器を駆動するためのモータに用いるのに適するが、それ以外の回転機械等にも用い得るものである。
図1(a)に図示されているように、スリーブ7の開口側の端面12の外周部には、半径方向外方に突設され且つ外周面がその開口端から離間するにつれて縮径するよう傾斜面状に形成された環状フランジ部14が設けられている。
図1又は図3、図4に示すに工程を経て製造される図2に示す動圧流体軸受を有するモータに搭載されている動圧流体軸受9の製造方法について説明する。
図1(a)、(b)に図示しているように、真空チャンバー内(図示しない)における減圧下で、軸受隙間部であるスリーブ7の軸受穴10におけるラジアル軸受部19a、19bおよび、スラスト軸受部21を形成している部分を除く部分22、23、24に第1の潤滑剤L1を塗布する。この軸受部以外の部分22、23、24に塗布する第1の潤滑剤L1は、少量でよく、また、軸受穴10の内周面を必ずしも充填する必要はない。また、塗布方法について特に規定するものではない。尚、塗布する第1の潤滑剤L1は、エステル系、エーテル系、イオン性液体などのオイルであり、脱法処理を行ったものであり、後述する滴下注油する際の第2の潤滑剤L2と同等である。すなわち、例えば、第1の潤滑剤L1がエステル系ならば、第2の潤滑剤L2もエステル系であり、第1の潤滑剤L1がエステル系としたときには、第2の潤滑剤L2をエーテル系とはしないものとする。次に、図1(b)に図示しているように、軸部1のシャフト3をスリーブ7の軸受穴10に挿入する。この際に、スリーブ7の開口部側の端面12とハブ4の平板部13とが接触するまで挿入する。
図2に示されるように、環状壁部15のうちテーパシール部17よりも先端側には、接着等の手段によって環状の抜止めリング40が固着されている。この抜止めリング40が環状フランジ部14下部に対して非接触状態で嵌り合うことで、軸部1の抜け止め構造が構成される。
このように、スリーブ7の外周面側において軸部1の抜止め構造を構成しているので、一対のラジアル軸受部と抜止め構造とが軸線方向における同一線上に整列配置されることが回避されている。従って、相互に対向するシャフト3の外周面とスリーブ7の内周面との軸線方向の高さ寸法全体を軸受として有効に活用することが可能になり、軸受剛性を維持しながら更なる液体動圧軸受及びそれを利用する装置の軸線方向寸法の縮小又は薄型化が実現される。
液体動圧軸受を有する図2に示すような用いたモータにおいては、ベース6のマグネット5との対向位置に強磁性材からなる環状のリング41を配置し、マグネット5と環状のリング41との間で軸線方向の磁気吸引力を発生させることで、スラスト軸受部21で発生する軸部1の浮上圧とバランスさせて、軸部1のスラスト方向の支持を安定させている。このような軸部1に対する磁気的な付勢は、例えば、ステータコア42とマグネット5との磁気的中心を軸線方向に相違させることによっても作用させることが可能である。また、スリーブ7が、ベース6に設けられた環状の立設部8の内周面に固着され、環状の立設部8の外周面には、マグネット5と半径方向に対向してステータコア28が固着される。
図6に、一般的なディスク駆動装置50の内部構成を模式図として示す。ケーシング51の内部は塵・埃等が極度に少ないクリーンな空間を形成しており、その内部に情報を記憶する円板状のディスク板52が装着されたモータ53が設置されている。加えてケーシング51の内部には、ディスク板52に対して情報を読み書きするヘッド移動機構54が配置され、このヘッド移動機構54は、ディスク板52上の情報を読み書きするヘッド55、このヘッドを支えるアーム56及びヘッド55及びアーム56をディスク板52上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部57により構成される。このようなディスク駆動装置50のモータ53として上記のように製造される動圧流体軸受を用いたモータを使用することで、ディスク駆動装置50の薄型化並びに低コスト化を可能にすると同時に、スピンドルモータの安定性や信頼性及び耐久性が改善されるので、より信頼性の高いディスク駆動装置とすることができる。
また本願発明は実施の形態1に示すような構成の軸回転型モータだけに限定されるものではない。
2 ステータ
3 シャフト
4 ハブ
5 マグネット
6 ベース
7 スリーブ
8 立設部
10 軸受穴
11 閉塞面
12 端面
13 平板部
14 環状フランジ部
15 環状壁部
16 環状凹部
17 テーパシール部
18a、18b ヘリングボーングルーブ
19a、19b ラジアル軸受部
20 スパイラルグルーブ
21 スラスト軸受部
22、23、24 軸受部以外の部分
25 ノズル
26 動圧発生溝
27 第1の傾斜面
28 第1の端面
29 内径面
30 第2の傾斜面
31 ラジアル軸受形成部
32 第3の傾斜面
33 第4の傾斜面
34 液面
40 抜止めリング
41 環状のリング
42 ステータコア
50 ディスク駆動装置
51 ケーシング
52 ディスク板
53 モータ
55 ヘッド
56 アーム
57 アクチュエータ部
71 軸受隙間構成部
72 軸受隙間
73 シャフト
74 ハブ
75 環状部
76 スリーブ
Claims (7)
- 軸部を挿入する軸受穴を持つスリーブの前記軸受穴の内壁に、少量の第1の潤滑剤を塗布する第1のステップと、
前記第1の潤滑剤を塗布した前記スリーブの前記軸受穴内に、減圧環境下において前記軸部を挿入する第2のステップと、
前記スリーブと前記軸部との間の開口部に、前記第1の潤滑剤と同等の第2の潤滑剤を滴下注油し、前記第1の潤滑剤との間で作用する表面張力によって前記第2の潤滑剤を前記隙間部に浸透介在させる第3のステップと、
前記減圧環境下から復圧して、大気圧環境にする第4のステップと、
を有している動圧流体軸受の製造方法。 - 前記減圧環境下の気圧は1Torr以下であることを特徴とする請求項1に記載の動圧流体軸受の製造方法。
- 前記動圧発生機構を構成しない隙間部に、前記第1の潤滑剤を塗布することを特徴とする、請求項1に記載の流体軸受の製造方法。
- 前記第4ステップにおいて、減圧環境下から復圧することで、前記隙間部への前記第2の潤滑剤の充填が終了することを特徴とする請求項1に記載の流体軸受の製造方法。
- 前記スリーブは多孔質材からなり、前記スリーブの外部に潤滑剤が漏れないようにカバー部材を有している請求項1に記載の動圧流体軸受の製造方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の動圧流体軸受の製造方法にて製造された動圧流体軸受を備えていることを特徴とするモータ。
- 請求項6に記載のモータを備えていることを特徴とする回転装置。
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JP2006176216A JP2008008313A (ja) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | 動圧流体軸受の製造方法および、それを用いたモータ、回転装置 |
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2006
- 2006-06-27 JP JP2006176216A patent/JP2008008313A/ja active Pending
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