JP2005308057A - 流体軸受式回転装置、注油方法及び記録媒体制御装置 - Google Patents

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隆文 淺田
Takao Yoshitsugu
孝雄 吉嗣
Akira Sakata
章 坂田
Norikazu Katsuyama
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Abstract

【課題】 落下衝撃や軸受内部に蓄積した空気等によって潤滑剤が漏れ出すのを防止する、信頼性の高い流体軸受回転装置を提供する。
【解決手段】 本発明の流体軸受式回転装置は、略中央に設けられた軸受穴を有するスリーブと、スリーブと相対的に回転自在に軸受穴に挿入された軸と、を有し、軸の外周面及びスリーブの内周面の少なくともいずれか一方に複数の浅溝から成るパターン状の動圧発生溝を少なくとも一組以上有する軸受面を有し、軸とスリーブの間の隙間に潤滑剤が充満された軸受ユニットを有し、軸受けユニットにおいて、スリーブに、又はスリーブとそのスリーブの端面を略覆うカバー板との間に、軸受穴との連結部において軸方向の幅が狭く、スリーブの外周に近づくにつれて軸方向の幅が広くなるテーパ状の空間を設け、テーパ状の空間の外周部に外部から空気の出入りが可能な換気孔を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体軸受式回転装置、潤滑剤の注油方法及び記録媒体制御装置に関する。
近年、光ディスク等のメモリー容量は爆発的に増大し、それに伴い高速なデータ転送速度を実現するため、記録装置のディスク回転装置にも高精度かつ高速に回転するものが求められている。これらディスク回転装置の回転主軸部には、一般的に、軸受を薄くでき、高速回転に適した流体軸受式回転装置が用いられるようになってきている。
流体軸受式回転装置は、軸とスリーブとの間に潤滑剤であるオイル(油)を介在させ、動圧発生溝によって回転時にポンピング圧力を発生し、これにより軸がスリーブに対して非接触で回転駆動する。流体軸受式回転装置は、非接触であるため摩擦抵抗が極めて少なく、高耐久性で高速回転に適している。
特開平6−269142号公報に従来例の流体軸受式回転装置が開示されている。図19を用いて、従来例の流体軸受式回転装置について説明する。図19は、従来例の軸回転式の流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図である。図19において、流体軸受式回転装置は、軸1、スリーブ2、スラスト板4、カバー板5、ベース6、モータステータ7、ロータ磁石8、スペーサ10、クランパー11、ロータハブ12を有する。
軸1は、フランジ(鍔部)3を一体的に有し、軸1は、スリーブ2の軸受穴2Aに回転自在に挿入される。軸1の外周面にはヘリングボーン形状の動圧発生溝1A及び1Bが設けられ、また、フランジ3のスリーブ2との対向面、及びフランジ3とスラスト板4との対向面には動圧発生溝1C及び1Dがそれぞれ設けられている。
スリーブ2は、軸受穴2Aと、潤滑剤に混じり込んだ空気を排出するための循環孔2Bと、フランジ収納部2Dとを有する。軸受穴2Aは、軸1を回転自在に収納し、フランジ収納部2Dは、軸1のフランジ3を回転自在に収納する。循環孔2Bは、スリーブ2の上端面とフランジ収納部2Dとを連通する。
カバー板5は、略リング状でスリーブ2に覆設され、軸1を突出可能な軸孔5Aと、カバー板5の上下両面を連通する換気孔5Bとを有する。
ロータハブ12は軸1に固定され、ロータ磁石8、スペーサ10及びクランパー11は、ロータハブ12に固定される。一方、ベース6及びスラスト板4はスリーブ2に固定され、モータステータ7が、ロータ磁石8に対向するようにベース6に固定される。
軸1とスリーブ2との間には、潤滑剤13が介在する。
以上のように構成された従来の流体軸受式回転装置について、その動作について説明する。
モータステータ7に通電されると回転磁界が発生し、ロータ磁石8に回転力が与えられ、ロータハブ12、軸1、クランパー11、スペーサ10、ディスク9とともに回転を始める。回転により、動圧発生溝1A〜1Dは潤滑剤13をかき集め、軸1とスリーブ2との間、及び軸1とスラスト板4との間にポンピング圧力を発生する。これにより、軸1はスリーブ2に対して上方に浮上して非接触で回転し、図示しない磁気ヘッドまたは光学ヘッドにより、ディスク9上のデータの記録再生を行う。
潤滑剤13内部に空気が堆積した場合は、循環孔2Bによって空気泡14はカバー板5の下面とスリーブ2の上端面との間に移動する。カバー板5は略リング状であるため、空気泡14はカバー板5の下面に沿って循環孔2B側から換気孔5B側へと周回して移動し、換気孔5Bから外へ排出される。これにより、空気泡14が動圧発生溝1A〜1Dに溜まらないため動圧発生溝1A〜1Dでの油膜切れが起こらず、装置の回転性能が低下することを防止することができる。
特開平6−269142号公報
しかしながら、従来例の流体軸受式回転装置は、図20に示すように、矢印G1に示す方向に大きな落下衝撃荷重が加わった場合、スリーブ2の上端面とカバー板5の下面から構成される油溜まり部31にある潤滑剤13が、軸受穴2Aの端部又は換気孔5Bを通って潤滑剤13’に示すように漏れる可能性があった。
また、軸受内部の空気泡14が循環孔2Bを通って外部に排出される際に、一部の潤滑油13が空気泡14によって押し出され、流出することがあった。
本発明は、上記した課題を鑑み、流体軸受式回転装置の落下や軸受内部に蓄積した空気の移動等による衝撃で潤滑剤が漏れ出すのを防止する、信頼性の高い流体軸受回転装置、及びそれを有する記録媒体制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、軸受内部に空気がほとんど残留しないように、本発明の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために本発明は以下の構成を有する。請求項1に記載の発明は、略中央に設けられた軸受穴を有するスリーブと、前記スリーブと相対的に回転自在に前記軸受穴に挿入された軸と、を有し、前記軸の外周面及び前記スリーブの内周面の少なくともいずれか一方に複数の浅溝から成るパターン状の動圧発生溝を少なくとも一組以上有する軸受面を有し、前記軸と前記スリーブの間の隙間に潤滑剤が充満された軸受ユニットを有し、前記軸受けユニットにおいて、前記スリーブに、又は前記スリーブとそのスリーブの端面を略覆うカバー板との間に、前記軸受穴との連結部において軸方向の幅が狭く、前記スリーブの外周に近づくにつれて軸方向の幅が広くなるテーパ状の空間を設け、前記テーパ状の空間の外周部に外部から空気の出入りが可能な換気孔を設ける、ことを特徴とする流体軸受式回転装置である。
本発明は、流体軸受式回転装置の落下や軸受内部に蓄積した空気の移動等によって潤滑剤に衝撃が加わると、潤滑剤がテーパ状の空間に吸い寄せられ、軸受からは漏れない。テーパ状の空間に流入する潤滑剤の量が多いと、潤滑剤はテーパ状の空間の外周部の奥まで入り込む。テーパ状の空間は外周に近いほど軸方向の幅が広くなっているので、空間が潤滑剤を収納する容積は拡がり、潤滑剤が換気孔から溢れない。衝撃が収まると、毛管力により潤滑剤はテーパ状の空間の断面が狭い方(軸受穴の方向)に吸い寄せられ、元の軸受穴に戻る。一部の潤滑剤がテーパ状の空間に残留して、次第に軸受穴の潤滑剤が減少するという恐れはない。
本発明は、流体軸受式回転装置の落下や軸受内部に蓄積した空気の移動等による衝撃で潤滑剤が漏れ出すのを防止する、信頼性の高い流体軸受回転装置を実現できるという作用を有する。
請求項の記載において、軸受穴は、実施の形態のフランジ収納部を含む。
従来、流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する時、いったん多めの潤滑剤を注油し、注油作業が終了した後、軸受穴の端部(開口部)で余分な潤滑剤を吸い取っていた。しかし、この方法では、精度良く軸受に残る潤滑剤の量を管理することが困難であった。本発明によれば、流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する時、テーパ状の空間の所定の位置に潤滑剤の表面が位置するように、換気孔から余分な潤滑剤を吸い取る。これにより、軸受に精度良く適量の潤滑剤を注入することが出来る。
好ましくは、テーパ状の空間は、軸受穴の開口部近傍に設ける。
請求項2に記載の発明は、前記軸は、前記軸穴から一端が突出しており、前記軸受ユニットは、突出する前記軸を通す開口部を有し前記スリーブの端面の少なくとも一部を覆うカバー板を有し、前記スリーブと前記カバー板との間に、前記軸受穴との連結部において軸方向の幅が狭く、前記スリーブの外周に近づくにつれて軸方向の幅が広くなるテーパ状の空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受式回転装置である。
スリーブと前記カバー板との間にテーパ状の空間を設けることにより、テーパ状の空間を安価に軸受穴の開口部近傍に設けることができる。軸受穴の開口部近傍にテーパ状の空間を設けることにより、衝撃によって溢れ出そうとする潤滑剤は、スムーズにテーパ状の空間に導かれ、その結果溢れ出さない。テーパ状の空間は、スリーブに設けても良く、或いはそれに代えてカバー板に設けても良い。
請求項3に記載の発明は、前記軸は、前記軸穴から一端が突出しており、他端は軸に直角なスラスト軸受面を有し、このスラスト軸受面は前記スリーブに固定されたスラスト板に対向し、その間の隙間には潤滑剤が充満されており、前記テーパ状の空間は、前記軸の突出部側の前記軸受面の端部の近傍で、前記軸受穴と連通している、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体軸受式回転装置である。
軸の他端にスラスト軸受が設けられている場合、軸受穴の開口部が、軸受穴の一方にのみ存在する。このような構成においては、流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する時、内部に空気が残りやすく、内部の空気の移動により潤滑剤が漏れ出す恐れがある。本発明は、軸受内部に蓄積した空気の移動等による衝撃で潤滑剤が漏れ出すのを防止する、信頼性の高い流体軸受回転装置を実現できる。
請求項4に記載の発明は、前記テーパ状の空間は、前記軸の周囲にリング状に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置である。
本発明により、衝撃を受けた潤滑剤がどちらの方向に移動しても、スムーズに溢れた潤滑剤をテーパ状の空間に導くことが出来る。
請求項5に記載の発明は、前記換気口の近傍の前記カバー板に、前記テーパ状の空間の軸方向の幅を広げる凹部を設けることを特徴とする請求項2のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置である。
テーパ状の空間の軸方向の幅を広げる凹部を設けることにより、潤滑剤に混入した空気をスムーズに換気孔から外部に放出することができる。更に、溢れようとする潤滑剤を凹部の内部に収納することが出来る。本発明により、潤滑剤が軸受から溢れ出すことを防止できる。又、注油時に、凹部の広い空間を利用して、テーパ状の空間の内部に残る余分な油を容易に吸い取ることができる。本発明により、余分な油を吸い取る作業性が改善される。
請求項6に記載の発明は、前記テーパ状の空間が前記軸受穴と連通するところより前記軸の他端に近いところで一端が前記軸受穴と連通し、他端が前記テーパ状の空間の外周部と連通する連通孔を更に有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置である。
軸受の内部に残留した空気は、軸受穴に沿って外部に抜けることができ、又は連通孔を通って外部に抜けることができる。
軸の他端にスラスト軸受を設けた流体軸受式回転装置において、スラスト軸の外周近傍に残留した空気を軸受穴に沿って外部に抜くことが困難である。軸の他端にスラスト軸受を設けた流体軸受式回転装置において、スラスト軸受の外周部近傍の軸受穴と、テーパ状の空間の外周部とを連通する連通孔を設けることにより、スラスト軸の外周近傍に残留した空気を連通孔に沿って外部に抜くことができる。
請求項7に記載の発明は、前記軸の外周面と前記スリーブの内周面との間の距離と、前記軸受穴との連結部での前記テーパ状の空間の軸方向の幅とが、ほぼ等しいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置である。
実験の結果、この構成にすることにより、衝撃により動く潤滑剤をスムーズにテーパ状の空間に導き、且つ衝撃が収まった時、テーパ状の空間から潤滑剤をスムーズに軸受穴に戻すことができる。
請求項8に記載の発明は、前記凹部の深さが0.05mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の流体軸受式回転装置である。
実験の結果、この構成にすることにより、潤滑剤が軸受から溢れ出すことを防止できる。又、注油時に、凹部に残る余分な油を吸い取ることにより、余分な油を吸い取る作業の作業性が改善される。
請求項9に記載の発明は、前記換気孔は直径が0.10mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受式回転装置である。
実験の結果、この構成にすることにより、流体軸受式回転装置が衝撃を受けた場合に潤滑剤が換気孔から溢れず、注油時に換気孔を通じて余分な油を吸い取る作業を容易に行うことが出来る。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置を有する、テープ状又はディスク状の記録媒体を記録及び/又は再生する記録媒体制御装置である。
本発明は、流体軸受式回転装置の落下や軸受内部に蓄積した空気の移動等による衝撃で潤滑剤が漏れ出すのを防止する、信頼性の高い流体軸受回転装置を有する記録媒体制御装置を実現できる。記録媒体は任意である。例えば光記録媒体、光磁気記録媒体、磁気記録媒体等である。記録媒体は、DVDディスク等の取り外し可能な媒体であっても良く、ハードディスク装置のように取り外し出来ないものであっても良い。流体軸受回転装置の使用箇所は任意である。例えば、ディスクの回転駆動装置、テープ状記録媒体のリール回転駆動装置、テープを駆動するキャプスタン回転駆動装置、ヘリカルスキャン型記録(又は再生)装置における、回転ヘッドを搭載したドラムの回転駆動装置等に使用する。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法であって、前記換気孔を仮封止体により仮封止するステップ、前記軸と前記スリーブとの隙間近傍に潤滑剤を注油するステップ、前記流体軸受式回転装置の周囲を減圧するステップ、前記流体軸受式回転装置の周囲の気圧を元に戻すステップ、前記換気孔の前記仮封止体を剥がすステップ、及び、吸油材を前記換気孔から挿入して前記換気孔近傍の潤滑剤を吸油するステップ、を有する前記流体軸受式回転装置の注油方法である。
本発明は、軸受内部に空気がほとんど残留しないように、本発明の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法を実現する。減圧時には、例えば0.1気圧程度に減圧する。
請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法であって、前記軸と前記スリーブとの隙間近傍と、前記換気孔の近傍と、に潤滑剤を注油するステップ、前記流体軸受式回転装置の周囲を減圧するステップ、前記流体軸受式回転装置の周囲の気圧を元に戻すステップ、及び、吸油材を前記換気孔から挿入して前記換気孔近傍の潤滑剤を吸油するステップ、を有する前記流体軸受式回転装置の注油方法である。
本発明は、軸受内部に空気がほとんど残留しないように、本発明の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法を実現する。
本発明によれば、軸受内部の潤滑剤中に空気が蓄積した場合に潤滑剤が漏れることなく空気のみを排出可能とし、衝撃荷重が加わっても潤滑剤が流出せず、また、軸受ユニットの潤滑剤の注油量を容易かつ正確にコントロール可能な、安価で信頼性の高い流体軸受式回転装置、及びそれを有する記録媒体制御装置を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、軸受内部に空気がほとんど残留しないように、本発明の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法を実現できるという有利な効果が得られる。
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
《実施の形態1》
図1〜図11を用いて、実施の形態1における流体軸受式回転装置、記録媒体制御装置及び注油方法について説明する。実施の形態1における流体軸受式回転装置は、光磁気ディスクを回転するスピンドルモータである。実施の形態1における記録媒体制御装置は、実施の形態1のスピンドルモータで光磁気ディスクを回転させるディスク装置である。図1は、実施の形態1における軸回転式の流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図である。図1において、1は軸、2はスリーブ、4はスラスト板、5はカバー板、6はベース板、7はモータステータ、8はロータ磁石、9は光磁気ディスク、10はスペーサ、11はクランパー、12はロータハブ、13は潤滑剤、14は空気泡、15は油溜まり部である。
軸1は、スリーブ2の軸受穴2Aに回転自在に収納され、フランジ3と動圧発生溝1A、1B及び1Dとを有する。軸1の一端側(図1において上部側)は、スリーブ2の軸受穴2Aから若干量突出しており、突出した部分でロータハブ12を固定する。
フランジ3は、軸1の他端側(図1において下部側)に一体的に設けられ、スリーブ2のフランジ収納部2Dに回転自在に収納される。また、動圧発生溝1A及び1Bは、軸1の外周面に形成されたヘリングボーン形状の動圧発生溝であり、ラジアル軸受面を形成する。また、動圧発生溝1C及び1Dは、フランジ3のスリーブ2との対向面及びフランジ3のスラスト板4との対向面にそれぞれ形成されたヘリングボーン形状の動圧発生溝である。
スリーブ2は、軸受穴2A、循環孔(連通孔)2B、テーパ状溝2C、フランジ収納部2Dを有する。軸受穴2A及びフランジ収納部2Dは、スリーブの略中央に設けられ、軸1(フランジ3を含む。)を回転自在に収納するための穴である。循環孔2Bは、軸受穴2Aにほぼ平行に設けられ、テーパ状溝2Cとフランジ収納部2Dとを連通する。テーパ状溝2Cは、所定の勾配を有し、内周部分では十分浅く、外周部分に近づくにつれて深くなっている。
カバー板5は、軸1の一端が突出可能な軸孔5Aと、換気孔5Bと、凹部5Cと、を有し、潤滑剤13が漏れるのを防ぐためにスリーブ2の開口側の上端面に覆設される略リング状のカバー板である。軸孔5Aは、カバー板の略中央に設けられる。凹部5Cは、カバー板5のスリーブ2側(図1において下側)の面の所定の位置に形成された凹部である。換気孔5Bはカバー板5の外周に近い位置に所定の大きさ(例えば直径は0.2mm程度)で設けられ、凹部5Cとカバー板5の上端面(流体軸受式回転装置の外部)とを連通する。また、スリーブ2の上端面とカバー板5の下面とによって、油溜まり部15が構成される。スリーブ2のテーパ状溝2Cと、カバー板5の下面とは、テーパ状の空間を構成する。
図2及び図3を用いて、本発明の特徴の1つであるカバー板5の構造を説明する。図2の(a)は、カバー板5の一例をスリーブ2側(図1において下側)から示した図、(b)はその斜視図である。図3の(a)は、カバー板5の別の例を示した図、(b)はその斜視図である。図2及び図3において、軸孔5A、換気孔5B及び凹部5Cの配置例が示されている。図3における凹部5Cは、図2における凹部5Cよりもその表面積が広く設定されている。凹部5Cはプレス加工、またはエンドミル等による切削加工により設けられる。図2、図3に示すように、スリーブ2のテーパ状溝2Cはリング状(360度)に設けられている。
再び図1を参照する。ロータハブ12は軸1に固定され、ロータ磁石8、スペーサ10及びクランパー11は、ロータハブ12に固定される。一方、ベース6及びスラスト板4はスリーブ2に固定され、モータステータ7が、ロータ磁石8に対向するようにベース6に固定される。ディスク9は、記録及び/または再生に用いる着脱可能な媒体であり、図1においては、スペーサ10を介してロータハブ12上に装着され、クランパー11によって固定されている。
軸1とスリーブ2の間の隙間及び軸1とスラスト板4の間の隙間には潤滑剤13が介在している。潤滑剤13は、オイル(油)である。
次に、上記のように構成された流体軸受式回転装置についてその動作を説明する。
まず、モータステータ7に通電されると回転磁界が発生し、ロータ磁石8が回転力を受け、ロータハブ12、軸1、ディスク9、クランパー11、スペーサ10とともに回転を始める。回転により、ヘリングボーン形状の動圧発生溝1A〜1Dは潤滑剤13をかき集め、軸1とスリーブ2との間、フランジ3とスリーブ2との間、及びフランジ3とスラスト板4との間にポンピング圧力を発生する。これにより軸1はスリーブ2に対して上方に浮上して非接触で回転し、図示しない記録再生ヘッドにより、ディスク9上のデータの記録再生を行う。
次に、図4及び図5を用いて本実施の形態の流体軸受式回転装置の作用について説明する。まず、図4に示すように、隙間S1〜S5と距離D1〜D5とを定義する。
動圧発生溝1A部の軸受半径隙間をS1、軸1の外周面とカバー板5の内周面との間の半径隙間(軸方向の幅)をS2、スリーブ2のテーパ状溝2Cの内周面(テーパ状溝2Cとカバー板5の下面とで構成されるテーパ状の空間と、軸受穴1Aとの連通部)におけるカバー板5とスリーブ2との間の隙間(軸方向の幅)をS3、スリーブ2のテーパ状溝2Cの外周面(凹部5Cの内周縁)におけるカバー板5とスリーブ2との間の隙間(軸方向の幅)をS4、スリーブ2のテーパ状溝2Cの外周に配置されたカバー板5の凹部5Cとスリーブ2との間の隙間(軸方向の幅)をS5とする。これらの隙間S1〜S5における各々の距離をD1〜D5として、距離D1〜D5を次式(1)の関係を満たすように設定する。
D1<D2≒D3<D4<D5 ・・・・・・(1)
本実施の形態において、例えば、各隙間距離をD1=2μm、D2=20μm、D3=20μm、D4=100μm、D5=350μmと設定する。
図5に上記の隙間S1〜S5における各毛管力を示すグラフを示す。横軸は距離、縦軸は毛管力である。毛管力とは、潤滑剤13がその表面張力によってより小さい隙間に侵入しようとする力である。図5において、隙間S1〜S5における毛管力をそれぞれP1〜P5とした時に、次式(2)が成り立つ。
P1>P2≒P3>P4>P5 ・・・・・・(2)
油溜まり部15近傍(隙間S5近傍)の潤滑剤13は、毛管力によってより小さい隙間S2〜S4の近傍に集められ、さらに小さい隙間S1を有するラジアル軸受部または動圧発生溝1Aの方向に供給されていく。
流体軸受式回転装置に衝撃荷重が加わった場合、潤滑剤13はいったん軸受穴1Aからテーパ状の空間に導かれ、テーパ状の空間において外周方向に広がる。テーパ状の空間は外周に近いほど軸方向の幅が広くなっているので、空間が潤滑剤を収納する容積は拡がり、潤滑剤が換気孔から溢れない。衝撃が収まると、毛管力により潤滑剤はテーパ状の空間の断面が狭い方(軸受穴の方向)に吸い寄せられ、元の軸受穴に戻る。一部の潤滑剤がテーパ状の空間に残留して、次第に軸受穴の潤滑剤が減少するという恐れはない。
テーパ状溝2Cの外周端近傍に設けられた凹部5Cにより、溢れようとする潤滑剤13を凹部5Cの内部に収納することが出来る。潤滑剤13が換気孔5Bを通じて外部に漏れることはない。注油時に、凹部5Cの広い空間を利用して、テーパ状の空間の内部に残る余分な油を容易に吸い取ることができる。余分な油を吸い取る作業性が改善される。
また、潤滑剤13に混入した空気14は、その量が多い場合、周囲の温度が上昇してその内部圧力が上昇した場合、または低圧環境下で膨張してその体積が大きくなった場合等に、循環孔2Bを図4中の下から上に向かって移動する。この時、循環孔2B内では、空気14とともに潤滑剤13も移動する。潤滑剤13と空気14が油溜まり部15に運ばれた後、潤滑剤13は毛管力により隙間S2、S3近傍に集まり、空気泡14は、隙間S4近傍及びS5近傍に集められる。更に、隙間S4の距離D4は隙間S5の距離D5より小さいので、空気泡14は油溜まり部15の外周縁に沿って循環孔2B側から凹部5C側へと周回して移動し、空気泡14のみが換気孔5Bから外へ排出される。潤滑剤に混入した空気をスムーズに換気孔から外部に放出することができる。これにより、潤滑剤13が軸受外へ押し出されたり漏れたりすることなく、空気泡14のみがスムーズに軸受外部に排出される。
次に、図11のフローチャートを用いて、本実施の形態の流体軸受回転装置の潤滑剤の注油方法を示す。各ステップにおける、流体軸受回転装置の状態の概要を図6から図10の断面図に示す。
組み立ての完了した軸受部(図6の状態)において、換気孔5Bにシール16を貼り付けて仮封止する(S1101・図7の状態)。
次に注油ノズル17から軸1とカバー板5の隙間近傍に所定量の潤滑剤13を注油して塗布する(S1102)。所定量とは、軸1、スリーブ2、スラスト板4、カバー板5から構成される隙間部の容積にスリーブ2の循環孔2Bの容積を加えた量以上(例えば2倍程度)である。
次に軸受部を低圧室に入れ、大気圧から約0.1気圧以下に減圧する(S1103)。この時、軸受内部の空気は、減圧により体積が増加するため、軸1とカバー板5の隙間から外部に排出される。
次に大気圧にまで昇圧させると、軸受内部の空気の体積は減少するため、S1102で塗布した潤滑剤13は軸1とカバー板5との間の隙間から軸受内部に吸い込まれる(S1104・図8の状態)。換気孔5Bは仮封止されているため、換気孔から空気が入ることは無い。この時点で軸受内部及び循環孔2Bは潤滑剤13で満たされる。
次に換気孔5Bのシール16を剥がす(S1105)。
次に十分小径な吸油チューブ18を換気孔5Bを通して凹部5Bにまで挿入する(S1106・図9の状態)。吸油チューブ18には、例えば外径0.16mm、内径0.10mmのポリアセタール樹脂製のチューブを使用することができる。
次に吸油チューブ18から凹部5Cの潤滑剤を吸油する(S1107・図10の状態)。S1107において、隙間S1〜S4では強い毛管力によって潤滑剤13が保持されるが、隙間S5は十分広く凹部5Cにおける毛管力は隙間S1〜S4における毛管力に比べて弱い。したがって、凹部5Cにおいて、潤滑剤13は吸油チューブ18によって容易に吸油される。凹部5Cの潤滑剤13が吸取られた後は、換気孔5Bから空気14が流入し、吸油チューブ18からはこの空気14が吸い取られるようになる。つまり、潤滑剤13は隙間の小さい隙間S1〜S4に保持されており吸油チューブ18から必要以上に吸い出されることはない。
上記のS1101〜S1107に示した一連の注油処理を実行することにより、吸油において吸油力や吸油時間を調整することなく、凹部5Cに吸油チューブ18を挿入し吸出すだけで精度良く注油を完了することができる。
以上のように本実施の形態によれば、流体軸受部に混入した空気を容易に排出し、それにより潤滑材が漏れることを防止できる。また、軸受ユニットの潤滑剤の注油量を正確かつ容易にコントロール可能で、また、衝撃荷重が加わっても潤滑剤が流出しない、信頼性の高い流体軸受式回転装置を実現することができる。
また、軸1の直径が1〜20mm、循環孔2Bの直径が0.1〜1.0mm、凹部5Cの高さ(S5からS4を引いた数値)が0.05mm〜1.0mm、換気孔5Bが直径0.10mm〜1.0mmである場合に、距離D1が1〜10μm、距離D2及びD3が20〜100μm、距離D4が180μm以下、距離D5が0.1mm以上の各範囲内で各隙間の距離が設定された場合において、潤滑剤13が流出することなく空気14が良好に排出されることが確認できた。また、特に距離D2と距離D3をそれぞれ20μm程度に設定した場合に、軸受に2000Gの衝撃荷重が加わった時でも(作用時間は1〜10ミリ秒間)潤滑剤13の流出を防止できた。
また、吸油チューブ18はチューブ状に限らず、これに代えて紐状、海綿状又は繊維状の吸油材を用いても良く、例えば、実験では直径0.16mmのスポンジを利用できることが確認された。
また、図11において、ステップS1103は、ステップS1102の後に処理されたが、S1102の前に処理されても同様の効果を奏する。
《実施の形態2》
図12を用いて実施の形態2における流体軸受式回転装置について説明する。実施の形態2における流体軸受式回転装置は、光磁気ディスクを回転するスピンドルモータである。実施の形態2における記録媒体制御装置は、実施の形態2のスピンドルモータで光磁気ディスクを回転させるディスク装置である。図12は、本実施の形態における流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図である。図12において、軸1に代えて軸130を有する点、スリーブ2からフランジ収納部2Dを除する点、スリーブ2が新たに直溝部2Eを有する点において、実施の形態1とは異なる。それ以外の点においては同一であり、同一の符号を付した要素についての詳細な説明は省略する。
軸130は、実施の形態1における軸1のフランジ3と動圧発生溝1Cとを有さない。スリーブ2もまた実施の形態1におけるフランジ収納部2Dを有さない。循環孔2Bは軸受穴2Aにほぼ平行に設けられ、直溝部2Eがスリーブ2の軸受穴2Aの下部から形成される。循環孔2Bと直溝部2Eとは、スリーブ2の軸受穴2Aとテーパ状溝2Cとを連通する。特許請求の範囲において、連通孔は、循環孔2Bと直溝部2Eとを含む。
上記の構成とすることで、テーパ状溝2Cと軸受穴2Aの下部とが連通され、動圧発生溝1A、1B及び1Dに油膜切れが起こることを防止することができる。直溝部2Eは、エンドミル等による切削加工により設けられる。
実施の形態2の流体軸受式回転装置は、実施の形態1と同様の効果を奏する。実施の形態1に示した流体軸受式回転装置の注油方法は、本実施の形態の軸130のように幅が大きく、フランジ3を有さない軸受に対しても同様に適用することが出来、同等の効果を奏するものである。
《実施の形態3》
図13及び図14を用いて実施の形態3における流体軸受式回転装置について説明する。実施の形態3における流体軸受式回転装置は、光磁気ディスクを回転するスピンドルモータである。実施の形態3における記録媒体制御装置は、実施の形態3のスピンドルモータで光磁気ディスクを回転させるディスク装置である。図13は、本実施の形態における流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図である。図13において、カバー板5に代えてカバー板5’を有する点において、実施の形態1とは異なる。それ以外の点においては同一であり、同一の符号を付した要素についての詳細な説明は省略する。
図14に、本実施の形態におけるカバー板5’の構造を説明する。図14の(a)は、カバー板5’の一例をスリーブ2側(図13における下側)から示した図、(b)はその斜視図である。
カバー板5’は、軸孔5Aと、換気孔5B’と、凹部5Cとを有する。軸孔5A及び凹部5Cは、図2及び図3に示す実施の形態1におけるカバー板5と同一である。換気孔5B’は、カバー板5’の側面に設けられている。
実施の形態3の流体軸受式回転装置は、実施の形態1と同様の効果を奏する。実施の形態1に示した流体軸受式回転装置の注油方法は、本実施の形態のように、換気孔がカバー板の側面に設けられた場合においても同様に適用することが出来、同等の効果を奏するものである。
《実施の形態4》
図15を用いて実施の形態4における流体軸受式回転装置について説明する。実施の形態4における流体軸受式回転装置は、光磁気ディスクを回転するスピンドルモータである。実施の形態4における記録媒体制御装置は、実施の形態4のスピンドルモータで光磁気ディスクを回転させるディスク装置である。図15は、本実施の形態における流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図である。図15において、流体軸受式回転装置が、軸回転式であることに代えて軸固定式である点において実施の形態1とは異なる。つまり、軸1は、ロータハブ12と固定されることに代えてベース6に固定され、一方ロータハブ12は、スリーブ2に固定される。それ以外の点においては同一であり、同一の符号を付した要素についての詳細な説明は省略する。
モータステータ7に通電されると回転磁界が発生し、ロータ磁石8が回転力を受け、ロータハブ12、スリーブ2、スラスト板4、ディスク9、クランパー11、スペーサ10とともに回転を始める。回転により、ヘリングボーン形状の動圧発生溝1A〜1Dは潤滑剤13をかき集め、軸1とスリーブ2との間、及びフランジ3とスラスト板4との間にポンピング圧力を発生する。これによりスリーブ2は軸1に対して上方に浮上して非接触で回転し、図示しない記録再生ヘッドにより、ディスク9上のデータの記録再生を行う。
図4において定義した隙間S1〜S5での距離D1〜D5が適正に設定されているため、潤滑剤13が軸1とカバー板5との間から漏れることはない。また、衝撃荷重が加わった場合でも、潤滑剤13は、強い毛管力により隙間S1〜S4近傍に集められるため、換気孔13から流出することはない。
以上のように、実施の形態1に示した流体軸受式回転装置及び注油方法は、本実施の形態のように、流体軸受式回転装置が軸固定式である場合にも同様に適用することが出来、同等の効果を奏するものである。
《実施の形態5》
図16〜図18を用いて実施の形態5における流体軸受式回転装置、記録媒体制御装置及び注油方法について説明する。光磁気ディスクを回転するスピンドルモータである。実施の形態5における記録媒体制御装置は、実施の形態5のスピンドルモータで光磁気ディスクを回転させるディスク装置である。実施の形態5における流体軸受式回転装置は、実施の形態1と同一である。図16は、本実施の形態における流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法を説明するための断面図である。図16において、注油ノズル17A及び17Bを用いて下記の注油方法を実行することにおいて、実施の形態1とは異なる。それ以外の点においては同一であり、同一の符号を付した要素についての詳細な説明は省略する。
図18のフローチャートを用いて、本実施の形態の流体軸受回転装置の潤滑剤の注油方法を示す。
組み立ての完了した軸受部において、注油ノズル17Aから軸1とカバー板5の隙間近傍に第1の所定量の潤滑剤13を注油して塗布する(S1801)。
次に注油ノズル17Bから換気孔5Bの上部に第2の所定量の潤滑剤13を注油して塗布し、換気孔5Bを封止する(S1802)。この時、第1の所定量と第2の所定量との和が、軸1、スリーブ2、スラスト板4及びカバー板5から構成される隙間部の容積に循環孔2Bの容積を加えた量以上(例えば2倍程度)になるようにする。
次に軸受部を低圧室に入れ、大気圧から約0.1気圧以下に減圧する(S1803)。この時、軸受内部の空気は、減圧により体積が増加するため、軸1とカバー板5の隙間から外部に排出される。
次に大気圧にまで昇圧させると、軸受内部の空気の体積は減少するため、S1801及びS1802で塗布した潤滑剤13は軸1とカバー板5との間の隙間及び換気孔5Bから軸受内部に吸い込まれる(S1804)。この時点で軸受内部及び循環孔2Bは潤滑剤13で満たされる。
次に十分小径な吸油チューブ18を換気孔5Bを通して凹部5Bにまで挿入する(S1805)。
吸油チューブ18から凹部5Cの潤滑剤を吸引する(S1806)。
S1806において、隙間S1〜S4では強い毛管力によって潤滑剤13が保持されるが、隙間S5は十分広く凹部5Cにおける毛管力は隙間S1〜S4における毛管力に比べて弱い。したがって、凹部5Cにおいて、潤滑剤13は吸油チューブ18によって容易に吸油される。凹部5Cの潤滑剤13が吸取られた後は、換気孔5Bから空気14が流入し、吸油チューブ18からはこの空気14が吸い取られるようになる。つまり、潤滑剤13は隙間の小さい隙間S1〜S4に保持されており吸油チューブ18から必要以上に吸い出されることはない。
上記のS1101〜S1107に示した一連の注油処理を実行することにより、吸油において吸油力や吸油時間を調整することなく、凹部5Cに吸油チューブ18を挿入し吸出すだけで精度良く注油を完了することができる。
本実施の形態の注油方法によれば、シールを貼るステップ及びシールを剥がすステップが無く、より短時間で確実に潤滑剤を注入できる、信頼性の高い流体軸受式回転装置を実現することができる。
なお、ステップS1802において、注油ノズル17Bから換気孔5Bの上部に第2の所定量の潤滑剤13を注油して塗布したが、第2の所定量の潤滑剤13を確実に注油して塗布するために、カバー板5の換気孔5Bの上部に第2の凹部5Dを設けても良い。すなわち、図17の(a)の断面図で示されるカバー板5に代えて、図17の(b)の断面図で示されるカバー板5(第2の凹部5Dを有する)を用いても良い。
また、図18において、ステップS1803はステップS1802の後に処理されたが、これに限らず、S1801の前に処理されても同様の効果を奏する。
本発明の実施の形態において、流体軸受式回転装置はスピンドルモータであり、記録媒体制御装置は、スピンドルモータで光磁気ディスクを回転させるディスク装置であった。しかし、これに限られず、流体軸受式回転装置及び記録媒体制御装置は任意の装置であっても良い。例えば記録媒体制御装置が制御する記録媒体は、光記録媒体、光磁気記録媒体、磁気記録媒体等である。記録媒体は、DVDディスク等の取り外し可能な媒体であっても良く、ハードディスク装置のように取り外し出来ないものであっても良い。ディスク状の記録媒体であっても良く、又はテープ状の記録媒体であっても良い。流体軸受回転装置は、例えば、ディスクの回転駆動装置、テープ状記録媒体のリール回転駆動装置、テープを駆動するキャプスタン回転駆動装置、ヘリカルスキャン型記録(又は再生)装置における、回転ヘッドを搭載したドラムの回転駆動装置等の任意の装置である。本発明の流体軸受式回転装置を、記録媒体制御装置以外の任意の装置に適用することも出来る。
本発明に係る流体軸受式回転装置は、例えば、光磁気ディスク装置等のスピンドルモータに用いることができる。本発明に係る記録媒体制御装置は、例えば、光磁気ディスク装置、ハードディスク装置等に用いることが出来る。本発明の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法は、例えば本発明のスピンドルモータに潤滑剤を注油する注油方法として用いることが出来る。
本発明の実施の形態1における流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図 (a)本発明の実施の形態1におけるカバー板5の一例をスリーブ2の上端面側から見た図 (b)本発明の実施の形態1におけるカバー板5の一例の斜視図 (a)本発明の実施の形態1におけるカバー板5の他の例をスリーブ2の上端面側から見た図 (b)本発明の実施の形態1におけるカバー板5の他の例の斜視図 本発明の実施の形態1における隙間S1〜S5を示す図 本発明の実施の形態1における隙間S1〜S5での毛管力を説明する図 本発明の実施の形態1における注油工程の開始時の流体軸受式回転装置を示す図 本発明の実施の形態1における注油工程のステップS1101及びS1102における流体軸受式回転装置を示す図 本発明の実施の形態1における注油工程のステップS1103及びS1104における流体軸受式回転装置を示す図 本発明の実施の形態1における注油工程のステップS1105及びS1106における流体軸受式回転装置を示す図 本発明の実施の形態1における注油工程のステップS1107における流体軸受式回転装置を示す図 本発明の実施の形態1における注油工程を説明するフローチャート 本発明の実施の形態2における流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図 本発明の実施の形態3における流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図 本発明の実施の形態3におけるカバー板をスリーブ2側から見た図 本発明の実施の形態4における流体軸受式回転装置の構成の概略を示す断面図 本発明の実施の形態5における流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法を説明するための断面図 (a)本発明の実施の形態5における流体軸受式回転装置のカバー板5の一例の拡大断面図を示す断面図 (b)本発明の実施の形態5における流体軸受式回転装置のカバー板5の他の例の拡大断面図を示す断面図 本発明の実施の形態5における注油工程を説明するフローチャート 従来例の流体軸受式回転装置の構成の概略を示す図 従来例の別の流体軸受式回転装置の構成の概略を示す図
符号の説明
1 軸
1A、1B、1C、1D 動圧発生溝
2 スリーブ
2A 軸受穴
2B 循環孔
2C テーパ状溝
2D フランジ収納部
2E 直溝部
3 フランジ
4 スラスト板
5 カバー板
5A 軸孔
5B 換気孔
5C 凹部
5D 第2の凹部
6 ベース板
7 モータステータ
8 ロータ磁石
9 ディスク
10 スペーサ
11 クランパー
12 ロータハブ
13、13’ 潤滑剤
14 空気
15 油溜まり部
16 シール
17、17A、17B 注油ノズル
18 吸油チューブ

Claims (12)

  1. 略中央に設けられた軸受穴を有するスリーブと、前記スリーブと相対的に回転自在に前記軸受穴に挿入された軸と、を有し、前記軸の外周面及び前記スリーブの内周面の少なくともいずれか一方に複数の浅溝から成るパターン状の動圧発生溝を少なくとも一組以上有する軸受面を有し、前記軸と前記スリーブの間の隙間に潤滑剤が充満された軸受ユニットを有し、
    前記軸受けユニットにおいて、
    前記スリーブに、又は前記スリーブとそのスリーブの端面を略覆うカバー板との間に、前記軸受穴との連結部において軸方向の幅が狭く、前記スリーブの外周に近づくにつれて軸方向の幅が広くなるテーパ状の空間を設け、
    前記テーパ状の空間の外周部に外部から空気の出入りが可能な換気孔を設ける、
    ことを特徴とする流体軸受式回転装置。
  2. 前記軸は、前記軸穴から一端が突出しており、
    前記軸受ユニットは、突出する前記軸を通す開口部を有し前記スリーブの端面の少なくとも一部を覆うカバー板を有し、
    前記スリーブと前記カバー板との間に、前記軸受穴との連結部において軸方向の幅が狭く、前記スリーブの外周に近づくにつれて軸方向の幅が広くなるテーパ状の空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受式回転装置。
  3. 前記軸は、前記軸穴から一端が突出しており、他端は軸に直角なスラスト軸受面を有し、
    このスラスト軸受面は前記スリーブに固定されたスラスト板に対向し、その間の隙間には潤滑剤が充満されており、
    前記テーパ状の空間は、前記軸の突出部側の前記軸受面の端部の近傍で、前記軸受穴と連通している、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体軸受式回転装置。
  4. 前記テーパ状の空間は、前記軸の周囲にリング状に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置。
  5. 前記換気口の近傍の前記カバー板に、前記テーパ状の空間の軸方向の幅を広げる凹部を設けることを特徴とする請求項2のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置。
  6. 前記テーパ状の空間が前記軸受穴と連通するところより前記軸の他端に近いところで一端が前記軸受穴と連通し、他端が前記テーパ状の空間の外周部と連通する連通孔を更に有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置。
  7. 前記軸の外周面と前記スリーブの内周面との間の距離と、前記軸受穴との連結部での前記テーパ状の空間の軸方向の幅とが、ほぼ等しいことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置。
  8. 前記凹部の深さが0.05mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の流体軸受式回転装置。
  9. 前記換気孔は直径が0.10mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の流体軸受式回転装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置を有する、テープ状又はディスク状の記録媒体を記録及び/又は再生する記録媒体制御装置。
  11. 請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法であって、
    前記換気孔を仮封止体により仮封止するステップ、
    前記軸と前記スリーブとの隙間近傍に潤滑剤を注油するステップ、
    前記流体軸受式回転装置の周囲を減圧するステップ、
    前記流体軸受式回転装置の周囲の気圧を元に戻すステップ、
    前記換気孔の前記仮封止体を剥がすステップ、及び、
    吸油材を前記換気孔から挿入して前記換気孔近傍の潤滑剤を吸油するステップ、
    を有する前記流体軸受式回転装置の注油方法。
  12. 請求項1から請求項9のいずれかの請求項に記載の流体軸受式回転装置に潤滑剤を注油する注油方法であって、
    前記軸と前記スリーブとの隙間近傍と、前記換気孔の近傍と、に潤滑剤を注油するステップ、
    前記流体軸受式回転装置の周囲を減圧するステップ、
    前記流体軸受式回転装置の周囲の気圧を元に戻すステップ、及び、
    吸油材を前記換気孔から挿入して前記換気孔近傍の潤滑剤を吸油するステップ、
    を有する前記流体軸受式回転装置の注油方法。
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