JP2004144284A - 流体動圧軸受装置、モータ、および記録媒体駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸体支持部との隙間に充填されたオイル、水等の液体の動圧により軸体を回転自在に支持する流体動圧軸受装置において、流体動圧軸受装置の軸受特性を長時間持続させることができるができるようにする。
【解決手段】略円柱状に形成された円柱部11を有する軸体3と、該軸体3を収容する軸体挿入穴2aを有する軸体支持部2と、前記軸体3と前記軸体挿入穴2aとの間に形成される隙間に液体5を充填してなると共に、前記軸体3を回転させた際に前記液体5を集めて動圧を発生する動圧発生溝12を前記軸体3の表面10a,10b,11aまたは前記挿入穴2aの内壁面の少なくとも一方に形成した動圧発生部100とを備え、該動圧発生部100の軸方向の外側に位置する前記円柱部11の外周面11aに、径方向外方に突出する環状の軸体突出部14が設けられていることを特徴とする流体動圧軸受装置1を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】略円柱状に形成された円柱部11を有する軸体3と、該軸体3を収容する軸体挿入穴2aを有する軸体支持部2と、前記軸体3と前記軸体挿入穴2aとの間に形成される隙間に液体5を充填してなると共に、前記軸体3を回転させた際に前記液体5を集めて動圧を発生する動圧発生溝12を前記軸体3の表面10a,10b,11aまたは前記挿入穴2aの内壁面の少なくとも一方に形成した動圧発生部100とを備え、該動圧発生部100の軸方向の外側に位置する前記円柱部11の外周面11aに、径方向外方に突出する環状の軸体突出部14が設けられていることを特徴とする流体動圧軸受装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸体支持部との隙間に充填された液体の動圧により軸体を回転自在に支持する流体動圧軸受装置、この流体動圧装置を備えたモータ、およびこのモータを備えた録媒体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、モータの高速回転に対応しうる軸受として、オイル、水等の液体を利用した流体動圧軸受装置の開発が行われている。この流体動圧軸受装置は、軸体とスリーブ(軸体支持部)との隙間に液体を満たして、これらが互いに接触しないように軸体とスリーブとを相互に回転させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
従来の流体動圧軸受装置は、例えば、図15に示すように、断面逆T字型の軸体挿入孔51aを形成したスリーブ51と、スリーブ51の軸体挿入孔51aに所定の隙間を空けて挿入された断面逆T字型の軸体53と、この軸体53を挿入した状態で軸体挿入孔51aの下端部を塞ぐカウンタープレート55と、スリーブ51と軸体53との隙間に充填されたオイル57とを備えている。
軸体53は、略円柱状に形成されたラジアル軸部61と、ラジアル軸部61の下端部に略円盤状に形成されたスラスト軸部63とから形成されている。ラジアル軸部61の表面61a、および、スラスト軸部63の表裏面63aには、動圧発生溝65が形成されている。
【0004】
また、スリーブ51の外周面51bにはコア71およびコイル73が設けられている。そして、軸体53の上端部にはハブ75が取り付けられており、ハブ75の円筒壁部75aのうち、コア71およびコイル73に対向する内周面75bにはマグネット79が設けられている。軸体53およびハブ75は、コア71およびコイル73において発生させた交番磁界をマグネット79に作用させることにより、回転するようになっている。
軸体53が回転する際には、オイル57が動圧発生用溝65に集められて動圧が発生し、この動圧によってスリーブ51が軸体53を回転可能に支持するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−73126号公報(第3−5頁、第1図、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の流体動圧軸受装置においては、図16に示すように、軸体53の回転と共に、オイル57が軸体53の表面61a側に引き寄せられるため、軸体53側のオイル57の液面57aが軸方向(F1方向)に上昇する。そして、上昇したオイル57が、軸体53の上端部近傍に一定量溜まると軸体53の遠心力により軸体53とスリーブ51との隙間から外方(F2方向)に飛散して、オイル漏れを引き起こすという問題があった。
【0007】
また、特許文献1においては、図17に示すように、軸体53の上端部にオイル切り溝81を形成することにより、オイル57の液面57aの上昇を抑制する方法が提案されているが、この場合には、上昇したオイル57が一定量を超えるとオイル切り溝81に入り込み、オイル切り溝81に入ったオイル57の量が一定量を超えると、オイル57が軸体53の遠心力により隙間から外方に飛散することになる。
また、隙間の外方に飛散したオイルを吸収布82により捕獲して外方へのオイル漏れを防ぐとしているが、この場合には、隙間に充填されたオイル57が減少して流体動圧軸受装置に必要なオイル量に満たなくなる虞があった。
以上のことから、流体動圧軸受装置の軸受特性を長時間持続させることができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、流体動圧軸受装置の軸受特性を長時間持続させることができる流体動圧軸受装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の流体動圧軸受装置は、略円柱状に形成された円柱部を有する軸体と、該軸体を収容する軸体挿入穴を有する軸体支持部と、前記軸体と前記軸体挿入穴との間に形成される隙間に液体を充填してなると共に、前記軸体をその軸線回りに回転させた際に前記液体を集めて動圧を発生する動圧発生溝を前記軸体の表面または前記挿入穴の内壁面の少なくとも一方に形成した動圧発生部とを備え、該動圧発生部の軸方向の外側に位置する前記円柱部の外周面に、径方向外方に突出する環状の軸体突出部が設けられることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、軸体がその軸線回りに回転する際には、動圧によって軸体支持部が軸体を回転可能に支持する。
また、この際には、液体が円柱部の外周面側に引き寄せられ、外周面に沿って上昇する。上昇した液体は、円柱部の外周面に形成された軸体突出部の下端部側に付着して蓄積される。ここに蓄積した液体は、一定量を超えると、重力により落下して軸体と軸体挿入穴との隙間に戻ることになる。
【0011】
また、流体動圧軸受装置において、前記軸体突出部は、前記円柱部の外周面から前記内壁面に向けて立ち上がる液切り面を有することを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、軸体突出部の液切り面に付着した液体は、軸体の回転に伴う遠心力により、液切り面に沿って移動し、軸体の径方向外方に飛散しても、軸体挿入穴の内壁面に付着するため、液体が隙間の外方に飛散することがない。
【0012】
また、前記液切り面が、前記軸体の軸方向に沿って前記動圧発生部に向けて漸次径寸法が大きくなるテーパ内面となっていることを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、テーパ内面に付着した液体は、軸体の回転に伴う遠心力によって、テーパ内面に沿って径方向外方に移動すると共に、動圧発生部側に移動するため、軸体と軸体挿入穴との隙間に戻ることができる。
【0013】
また、本発明に係る流体動圧軸受装置は、前記動圧発生部の軸方向の外側に位置すると共に、前記液切り面の延長線と前記内壁面とが交差する位置よりも前記動圧発生部から離間して位置する前記内壁面に、径方向内方に突出する環状の軸支突出部が設けられていることを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、液切り面から飛散して内壁面に付着した液体は、内壁面に沿って動圧発生部から離間する方向に移動しても、軸支突出部の下端部に当接するため、隙間の外側に飛散することがない。また、軸支突出部の下端部側に付着した液体が蓄積して、一定量を超えると、重力により流れ落ちて軸体と軸体挿入穴との隙間に戻ることになる。
【0014】
また、流体動圧軸受装置において、前記動圧発生部の軸方向の外側に位置する前記挿入穴の内壁面が、前記軸体の軸方向に沿って前記動圧発生部に向けて漸次径寸法が小さくなるテーパ内壁面と、該テーパ内壁面に隣接し、前記動圧発生部と共に前記テーパ内壁面を挟み込んで位置する外側内壁面とを備え、これらテーパ内壁面および外側内壁面のいずれか一方が、前記液切り面の延長線と交差し、前記テーパ内壁面と前記外側内壁面とのなす角度をθとして、95°≦θ≦130°、であることを特徴とする。
また、前記外側内壁面が、前記軸体の軸方向に略平行に形成されていることを特徴とする。
【0015】
これらの発明に係る流体動圧軸受装置によれば、液切り面から軸体の径方向外方に飛散した液体は、テーパ内壁面や外側内壁面に付着する。ここで、テーパ内壁面と外側内壁面とにより形成される角部の角度θを95°以上としたのは、テーパ内壁面や外側内壁面に付着した液体が移動して角部に到達した際に、表面張力によって液体がこの角部に多量に溜まることを防止して、軸体と軸体挿入穴との隙間の外方側に液体が溢れて飛散することを防止するためである。
また、この角部の角度θを130°以下としたのは、テーパ内壁面に付着した液体がテーパ内壁面に沿って移動して角部に到達した際に、少量の液体を表面張力により抑留させ、液体が容易に角部を乗り越えて外側内壁面に沿って、軸体と軸体挿入穴との隙間の外方に飛散することを防止するためである。
また、外側内壁面を軸体の軸方向に略平行に形成した場合には、この外側内壁面と軸体突出部との間の隙間を容易に小さく形成できると共に、この隙間を容易に軸方向に沿って長く形成できる。このため、軸体が回転した際に液体が加熱されてミスト状になっても、ミスト状の液体が軸体と軸体挿入穴との隙間から外方に漏れ出ることを容易に抑制できる。
【0016】
また、本発明に係るモータは、前記流体動圧軸受装置と、前記軸体支持部に対して前記軸体を回転させる駆動手段とを備えていることを特徴とする。
この発明に係るモータによれば、駆動手段の駆動力により軸体が回転した際に、液体が軸体と軸体支持部との隙間から流出することがないため、このモータを長時間使用しても動圧発生部の軸受特性が変化しない。したがって、軸体の安定した回転を実現することができる。
【0017】
また、本発明に係る記録媒体駆動装置は、前記モータを備え、前記軸体に薄板状の記録媒体を支持するハブが取り付けられていることを特徴とする。
この発明に係る記録媒体駆動装置によれば、記録媒体を回転させた際に、液体が軸体と軸体支持部との隙間から流出することがないため、液体が記録媒体の表面に付着することがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1から図5はこの発明に係る第1の実施形態を示す図である。この実施の形態に係る流体動圧軸受装置は、薄板の円盤状に形成された磁気記録媒体等のディスク型記録媒体を回転させる記録媒体駆動装置に適用したものである。図1に示すように、流体動圧軸受装置1は、断面略十字型の軸体挿入穴2aを有するスリーブ(軸体支持部)2と、スリーブ2の軸体挿入穴2aに所定の隙間を空けて挿入され、断面略十字型の円筒状に形成された軸体3と、軸体3の上端部に取り付けられたハブ4と、軸体挿入穴2aと軸体3との隙間に充填されたオイル(液体)5とを備えている。
スリーブ2は、軸体挿入穴2aを構成する穴6aを有する有底円筒状のスリーブ本体6と、軸体3の上端部を突出させた状態で、軸体3との間に隙間を空けてスリーブ本体6の穴6aの開口部を塞ぐアッパープレート7とから構成されている。
【0019】
アッパープレート7は、略円盤状に形成されており、その中心軸線A1方向に貫通孔7aが形成されている。この貫通孔7aは、スリーブ本体6の穴6aと共に軸体挿入穴2aを構成しており、中心軸線A1に沿ってハブ4に対向する表面7bに向けて、すり鉢状に拡径している。
貫通孔7aの内壁面8は、図2に示すように、アッパープレート7の裏面7c側に形成された第1の内壁面8aと、アッパープレート7の表面7b側に形成された第2の内壁面8bとから構成されており、第2の内壁面8bは、第1の内壁面8aと比較して中心軸線A1に対する傾斜角度が大きくなっている。
【0020】
第1の内壁面8aは、毛細管現象を利用してスリーブ2と軸体3との隙間にあるオイル5の流出防止を図るためのものである。すなわち、第1の内壁面8aと、この第1の内壁面8aに対向する軸体3の外周面とにより、アッパープレート7の裏面7c側に向かう毛細管力がオイル5に働くようになっている。
第2の内壁面8bには、アッパープレート7の径方向内方に向けて突出する環状の突出部(軸支突出部)9が形成されており、突出部9は、オイル5の液面から離間した位置に形成されている。
【0021】
軸体3は、図1に示すように、略円盤状に形成されたスラスト軸部10と、スラスト軸部10の表面10aおよび裏面10bから、その中心軸線A1方向に突出する略円柱状のラジアル軸部(円柱部)11とを備えている。ラジアル軸部11のうち、スラスト軸部10の裏面10b側に突出する部分の外周面(表面)11aには、ヘリンボーンと呼ばれる形状の動圧発生溝12が複数形成されている。また、スラスト軸部10の表面10aおよび裏面(表面)10bには、スパイラル形状に形成された動圧発生溝(図示せず)が複数形成されている。
【0022】
これら動圧発生溝は、軸体3を中心軸線A1回りに回転させた際に、オイル5を集めて動圧を発生させ、スリーブ2と軸体3とを互いに回転可能に支持するものである。すなわち、ラジアル軸部11の動圧発生溝12において発生するオイル5の動圧が軸体3の径方向の軸受の役割を果たし、スラスト軸部10の動圧発生溝において発生するオイル5の動圧が軸体3の中心軸線A1方向の軸受の役割を果たしている。
これら軸体挿入穴2a、軸体3、オイル5および動圧発生溝により動圧発生部100が構成されている。
【0023】
軸体3の上端部には、ラジアル軸部11よりも小さい直径寸法を有する円柱状の嵌合部13が形成されており、後述するハブ4の貫通孔に嵌め込むようになっている。
ハブ4は、有底円筒状に形成されており、その底壁部4cの中央には、軸体3の嵌合部13を嵌め込む貫通孔4aが形成されている。ハブ4の貫通孔4aの周縁には、図2に示すように、アッパープレート7の表面7bに対向する表面4bから突出する環状の突出部(軸体突出部)14が形成されている。この突出部14の下端面(液切り面)14aは、軸体3の嵌合部13に嵌め合わせた際に、ラジアル軸部11の先端面11bに当接するようになっている。これにより、軸体3とハブ4との相対的な位置を容易に決定することができる。
【0024】
突出部14は、貫通孔4aに嵌合部13に嵌め込んだ状態で、ラジアル軸部11の外周面11aからその径方向外方に突出している。また、突出部14の下端面14aは、外周面11aから垂直に第2の内壁面8bに向けて立ち上がっており、軸体3が回転した際に、下端面14aに付着したオイルが、下端面14に沿って径方向外方に飛散しても、第2の内壁面8bに付着するようになっている。
【0025】
なお、アッパープレート7に形成された突出部9は、この下端面14aの延長線と第2の内壁面8bとが交差する位置よりもオイル5の液面から離間する位置に形成されている。
突出部14の基端部の外周面側には、環状のオイル捕獲溝15が形成されており、このオイル捕獲溝15は、突出部9と突出部14との隙間から飛散したオイル5を捕獲するようになっている。
また、第2の内壁面8bに隣接する突出部9の下端面9a、および突出部14の下端面14a、外周面14bには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成される撥油剤が塗布されている。この撥油剤は、突出部9の下端面9a、および突出部14の下端面14a、外周面14bとオイル5との付着力を低下させるものである。また、この撥水剤は、微細な塗り斑を有して塗布されており、下端面9a、下端面14aおよび外周面14bにおいてオイル5の微細な液滴が付着できるようになっている。
【0026】
この流体動圧軸受装置1には、図1に示すように、軸体3およびハブ4を回転させる駆動手段20が設けられており、この駆動手段20は、スリーブ2の周縁に配置されたコア22およびコイル23と、ハブ4のうち、コア22およびコイル23に対向する位置に配置されたマグネット24を備えている。軸体3およびハブ4は、コア22およびコイル23において発生させた交番磁界をマグネット24に作用させることにより、回転するようになっている。
これら流体動圧軸受装置1および駆動手段20によりモータ25が構成されている。
【0027】
また、ハブ4の底壁部4cの周縁には、ディスク型記録媒体30を支持するための段部4dが形成されている。この段部4dにディスク型記録媒体30の中央に形成された中央孔30aを嵌め込むことにより、ディスク型記録媒体30が、軸体3およびハブ4と共に中心軸線A1回りに回転することができるようになっている。
この段部4dを備えたハブ4およびモータ25により記録媒体駆動装置40が構成されることになる。
【0028】
次に、流体動圧軸受装置1の作用について以下に説明する。
軸体3がモータ25の駆動力により中心軸線A1回りに回転する際には、動圧発生溝において発生する動圧によってスリーブ2が軸体3を回転可能に支持する。また、この際には、図3に示すように、オイル5が軸体3の外周面11a側に引き寄せられるため、オイル5の液面が外周面11aに沿ってF3方向に上昇する。上昇したオイル5は、突出部14に下端面14aに付着して蓄積される。ここに蓄積されたオイル5は、一定量を超えると、重力によりF4方向に落下して軸体挿入穴2aと軸体3との隙間に戻ることになる。
【0029】
また、突出部14の下端面14aに付着したオイル5が、図4に示すように、前述した一定量に達する前に、軸体3およびハブ4の回転に伴う遠心力によって、径方向外方(F5方向)に飛散した場合には、第2の内壁面8bに付着する。ここに付着したオイル5は、その量が一定量を超えると、重力により第2の内壁面8bに沿ってF6方向に流れ落ち、スリーブ2と軸体3との隙間に回収されることになる。
【0030】
また、第2の内壁面8bに付着したオイル5が、第2の内壁面に沿ってF6方向とは逆の方向に移動しても、突出部9の下端面9aに当接するため、突出部9と突出部14との隙間の外側への飛散を抑止できる。そして、下端面9aに付着するオイル5の量が一定量を超えた場合には、図5に示すように、重力によりF7方向に落下し、第2の内壁面8bに沿って流れ落ちることになる。
【0031】
下端面9aに付着したオイル5が、前述した一定量を超える前に、万が一、下端面9aに沿って突出部9と突出部14との隙間の外方に飛散しても、突出部14に形成されたオイル捕獲溝15に収容されることになる。
なお、軸体3が回転する際には、オイル5が加熱されて、その一部がミスト状になるが、突出部9と突出部14との隙間を小さくすることにより、ミスト状のオイルの外方への漏れを小さくすることができる。また、ミスト状のオイルは、微細な液滴であるため、この微細な液滴を突出部9,14の下端面9a、下端面14aおよび外周面14bに付着させてミスト状のオイルの外方への漏れを抑制することもできる。
【0032】
上記のように、この流体動圧軸受装置1によれば、軸体3が回転しても、オイル5がスリーブ2と軸体3との隙間から外方への流出を防止すると共に、動圧発生部100から離れて移動したオイル5を動圧発生部100に回収することができるため、動圧発生部100の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
【0033】
また、この流体動圧軸受装置1が、モータ25に適用された場合には、モータ25を長時間使用しても動圧発生部100の軸受特性が変化しないため、軸体3の安定した回転を実現することができる。したがって、駆動手段20の駆動力の制御が容易となると共に、駆動力に要するエネルギーの省力化を図ることができる。
【0034】
また、この流体動圧軸受装置1が、ディスク型記録媒体30を回転させる記録媒体駆動装置40に適用される場合には、液体がディスク型記録媒体30の表面に付着することがないため、ディスク型記録媒体30に記録を書き込む際、もしくは、ディスク型記録媒体30から記録を読み出す際の不具合を防止することができる。
【0035】
次に、図6は、この発明に係る第2の実施形態を示しており、この図に示す実施形態は、図1から図5に示す流体動圧軸受装置1と基本的構成が同一であるが、アッパープレート7の貫通孔7aの形状に関して異なっている。ここでは、図6において、この貫通孔7aの形状について説明し、図1から図5の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
貫通孔7aの内壁面8は、図6に示すように、第1の内壁面(テーパ内壁面)8aおよび第2の内壁面(外側内壁面)8bから構成されている。第1の内壁面8aは、前述と同様に、貫通孔7aがアッパープレート7の表面7bに向けて拡径するように形成されている。また、第2の内壁面8bは、第1の内壁面8aの径寸法が大きい側に隣接しており、中心軸線A1に平行に形成されている。
また、ハブ4に形成された突出部14の外周面14bは、中心軸線A1に平行に形成されており、第2の内壁面8bに対向して位置している。これにより、第2の内壁面8bと突出部14の外周面14bとの隙間Sを狭く形成し、中心軸線A1方向に沿う隙間Sの長さを長く形成できる。
突出部14の下端面14a、外周面14b、およびアッパープレート7の第2の内壁面8bには、前述の実施形態と同様に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成される撥油剤が塗布されている。この撥油剤は、下端面14a、外周面14bおよび第2の内壁面8bとオイル5との付着力を低下させるものである。また、この撥水剤は、微細な塗り斑を有して塗布されており、下端面14a、外周面14bおよび第2の内壁面8bにおいてオイル5の微細な液滴が付着できるようになっている。
【0037】
以上の構成において、軸体3およびハブ4が回転した際には、下端面14aに付着したオイル5が軸体3の径方向外方に飛散し、第1の内壁面8aや第2の内壁面8bに付着する。そして、第2の内壁面8bに付着したオイル5が重力によって第2の内壁面8bに沿って流れ落ちたり、第1の内壁面8aに付着したオイル5が第1の内壁面8aに沿って第2の内壁面8bに向けて移動した場合には、オイル5が、第1の内壁面8aと第2の内壁面8bとにより形成される角部8cに到達し、表面張力によりこの角部8cに溜まることになる。
【0038】
ここで、この角部8cにおいて第1の内壁面8aと第2の内壁面8bとのなす角度θは、95°≦θ≦130°とすることが好ましい。すなわち、この角度θを95°以上としたのは、表面張力によって角部8cに多量のオイル5が溜まることを防ぎ、スリーブ2と軸体3との隙間の外方側にオイル5が溢れて飛散することを防止するためである。
また、角度θを130°以下としたのは、第1の内壁面8aに付着したオイル5が第1の内壁面8aに沿って移動して角部8cに到達した際に、少量のオイル5を表面張力により抑留させ、オイル5が容易に角部8cを乗り越えて第2の内壁面8bに沿ってスリーブ2と軸体3との隙間の外方に飛散することを防止するためである。
【0039】
以上のように、この流体動圧軸受装置1によれば、角部8cの角度θを、95°≦θ≦130°、とすることにより少量のオイル5を角部8cに溜め、オイル5が多量に溜まる前に重力により動圧発生部100側に移動させることができる。このことから、オイル5がスリーブ2と軸体3との隙間の外方に飛散することを防止できると共に、角部8cに溜まったオイル5を動圧発生部100に回収できるため、動圧発生部100の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
また、角部8cの角度θを95°以上としているため、貫通孔7aを切削加工により精度よく且つ容易に形成することも可能となる。
【0040】
また、軸体3が回転する際には、オイル5が加熱されて、その一部が蒸発してミスト状になるが、第2の内壁面8bと突出部14との狭い隙間Sが中心軸線A1方向に沿って長く形成されているため、ミスト状のオイルが外方に漏れ出ることを抑制することができる。また、ミスト状のオイルは、微細な液滴であるため、この微細な液滴を下端面14a、外周面14bおよび第2の内壁面8bに付着させてミスト状のオイルの外方への漏れを防止することもできる。
さらに、第2の内壁面8bおよび突出部14の外周面14bには撥油剤が塗布されているため、オイル5を隙間Sから注入してスリーブ2と軸体3との隙間に充填する際に、オイル5が表面張力によって狭い隙間Sに溜まることを防止して、オイル5の充填を円滑に行うことができる。したがって、オイル5を充填する際にスリーブ2と軸体3との隙間に気泡が混入することを容易に防止できる。
【0041】
なお、第1の実施形態においては、撥油剤を突出部9,14の下端面9a、下端面14aおよび外周面14bに塗布するとしたが、これに限ることはなく、これらの表面に加えて、アッパープレート7の表面7b、この表面7bに対向するハブ4の表面4bやオイル捕獲溝15の表面等、スリーブ2と軸体3との隙間の外方側に位置する表面に塗布してもよい。
また、第2の内壁面8bは、貫通孔7aがすり鉢状に拡径するように形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、図7に示すように、軸体3の軸方向に沿って形成するとしてもよい。また、第2の内壁面8bは、例えば、第1の内壁面8aの傾斜角度と同じ角度に形成されるとしてもよい。
さらに、アッパープレート7が、例えば、図8に示すように、内壁面8を有する第1のプレート部材31と、突出部9を有する第2のプレート部材32とから構成されるとしてもよい。この場合には、アッパープレート7の内壁面8および突出部9を別々に形成することができるため、アッパープレート7の製造を容易に行うことができる。
【0042】
また、例えば、図9に示すように、アッパープレート7に、内壁面8からスリーブ本体6の穴6aの内壁面33に向けて貫通する微小な径の貫通孔34と、この内壁面33に沿ってアッパープレート7の裏面7c側に貫通する貫通溝部35とから形成されるオイル回収路38を形成するとしてもよい。
この場合には、内壁面8や突出部9の下端面9aに付着したオイルを、毛細管力により貫通孔34の内部に回収すると共に、貫通溝部35に沿ってスラスト軸部10とアッパープレート7との隙間に回収することができる。
【0043】
さらに、このオイル回収路38は、例えば、図10に示すように、貫通溝部35からラジアル軸部11に向けて貫通する貫通孔36を備えるとしてもよく、この場合には、貫通溝部35に回収されたオイルを、スラスト軸部10とアッパープレート7との隙間、および、ラジアル軸部11とアッパープレート7との隙間に回収することができる。
また、このオイル回収路38の貫通孔34は、図9,10に示すように、2枚のプレート部材31,32から形成されるとしてもよいし、1枚のアッパープレート7に形成されるとしてもよい。
【0044】
なお、第2の実施形態においては、撥油剤を突出部14の下端面14a、外周面14bおよびアッパープレート7の第2の内壁面8bに塗布するとしたが、これに限ることはなく、これらの表面に加えて、アッパープレート7の表面7b、この表面7bに対向するハブ4の表面4bやオイル捕獲溝15の表面等、スリーブ2と軸体3との隙間の外方側に位置する表面に塗布してもよい。
【0045】
また、第2の内壁面8bは中心軸線A1に平行に形成されるとしたが、これに限ることはなく、中心軸線A1に対して僅かに傾斜するように形成するとしても構わない。ただし、貫通孔7aを容易に加工できるように、第2の内壁面8bと中心軸線A1とのなす角度を3°以下とすることが好ましい。
さらに、突出部14の外周面14bも中心軸線A1に平行に形成することに限らず、中心軸線A1に対して僅かに傾斜するように形成するとしても構わない。ただし、狭い隙間Sを中心軸線A1方向に沿って長く形成できるように、外周面14bを第2の内壁面8bに平行に形成することが好ましい。
また、アッパープレート7を、前述のように、第1の内壁面8aを有する第1のプレート部材と、第2の内壁面8bを有する第2のプレート部材とから構成するとしてもよいし、これら2つのプレート部材の間に前述のオイル回収路を形成するとしてもよい。
【0046】
なお、これら第1、第2の実施形態においては、撥油剤がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくともオイル5を弾くものであればよい。したがって、例えば撥油剤をエポキシ系樹脂から構成するとしてもよい。
また、軸体3の嵌合部13は、ラジアル軸部11よりも小さい直径寸法を有するとしたが、これに限ることはなく、少なくともハブ4の貫通孔4aに嵌め合わせることができればよい。したがって、この嵌合部13は、例えば、ラジアル軸部11と同等の直径寸法となっていてもよい。
【0047】
さらに、ヘリンボーン形状の動圧発生溝12は、ラジアル軸部11の外周面11aに複数形成されるとしたが、これに限ることはなく、この外周面11aに対向するスリーブ本体6の穴6aの内壁面に形成するとしてもよいし、外周面11aおよび穴6aの内壁面の両方に形成するとしてもよい。
【0048】
また、スパイラル形状の動圧発生溝は、スラスト軸部10の表面10aおよび裏面10bに複数形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、これら表面10aおよび裏面10bに対向する穴6aの内壁面およびアッパープレート7の裏面7cに形成するとしてもよいし、表面10aおよび裏面10bと、穴6aの内壁面および裏面7cとの両方に形成するとしてもよい。また、スラスト軸部10の動圧発生溝の形状は、スパイラル形状に限ることはなく、ヘリンボーン形状であってもよい。
【0049】
さらに、オイル捕獲溝15が、突出部14に設けられるとしたが、例えば、図11に示すように、設けなくてもよい。
また、突出部14の下端面14aは、ラジアル軸部11の外周面11aから垂直に第2の内壁面8bに向けて立ち上がるとしたが、少なくとも内壁面8に向けて立ち上がっていればよい。すなわち、この下端面14aは、例えば、図12に示すように、軸体3の軸方向に沿って動圧発生部100に向けて漸次径寸法が大きくなるテーパ内面としてもよい。
【0050】
この場合には、下端面14aに付着したオイル5は、軸体3およびハブ4の回転に伴う遠心力によって、下端面14aに沿って軸体3の径方向外方に飛散しても、動圧発生部100側に移動する。このため、このオイル5を軸体3と軸体挿入穴2aとの隙間に戻して、動圧発生部100の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
【0051】
さらに、突出部14は、ハブ4の貫通孔4aの周縁に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも動圧発生部100の軸方向外側に位置するラジアル軸部11の外周面11aから内壁面8に向けて環状に突出していればよい。すなわち、例えば、図13に示すように、ラジアル軸部11に一体的に形成されるとしてもよい。
【0052】
また、ラジアル軸部11に形成された突出部14は、図13(a)〜(d)に示すように、ハブ4と軸体3とを嵌め合わせる際の突き当て部として、軸体3とハブ4との相対的な位置決めを行うとしてもよいし、図13(e),(f)に示すように、突き当て部の機能を有さないものであってもよい。
さらに、この突出部14は、ハブ4に隣接して位置する必要はなく、例えば、図14に示すように、軸体3の軸方向に沿ってハブ4から離間して位置するとしてもよい。
【0053】
また、スリーブ2は、有底円筒状のスリーブ本体6と、アッパープレート7とから構成されるとしたが、これに限ることはなく、軸体3を挿入しうる構成となっていればよい。すなわち、例えば、スリーブ本体6が、貫通孔を有する円筒部材と、貫通孔の下方側の開口部を塞ぐカウンタープレートとから構成されるとしてもよい。
【0054】
さらに、軸体3は、断面略十字型に形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、スラスト軸部10をラジアル軸部11の下端部に形成して、軸体3を断面略逆T字型に形成されるとしてもよい。
また、ハブ4は軸体3に取り付けられるとしたが、これに限ることはなく、例えば、これらハブ4と軸体3とを一体的に形成するとしてもよい。
【0055】
さらに、モータ25の駆動手段20は、スリーブ2に設けられたコア22およびコイル23と、ハブ4に設けられたマグネット24から構成されるとしたが、これに限ることはなく、軸体3およびハブ4を回転させるものであればよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液体が軸体支持部と軸体との隙間から外方に飛散することを防止すると共に、動圧発生部から離間したオイルを隙間に回収することができるため、動圧発生部の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
【0057】
また、この流体動圧軸受装置をモータに設けた場合には、軸体の安定した回転を実現できるため、駆動手段の駆動力の制御が容易となると共に、駆動力に要するエネルギーの省力化を図ることができる。
【0058】
さらに、この流体動圧軸受装置を記録媒体駆動装置に設けた場合には、液体が記録媒体の表面に付着することがないため、記録媒体に記録を書き込む際、もしくは、記録媒体から記録を読み出す際の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す断面図である。
【図2】図1の流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図3】図1の流体動圧軸受装置において、オイル漏れを抑止する作用を説明する模式図である。
【図4】図1の流体動圧軸受装置において、オイル漏れを抑止する作用を説明する模式図である。
【図5】図1の流体動圧軸受装置において、オイル漏れを抑止する作用を説明する模式図である。
【図6】この発明の第2の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図7】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図8】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図9】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図10】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図11】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図12】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図13】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図14】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図15】従来の流体動圧軸受装置の一例を示す断面図である。
【図16】図15の流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図17】図15の流体動圧軸受装置において、軸体にオイル切り溝が形成されている場合の要部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 流体動圧軸受装置
2 スリーブ(軸体支持部)
2a 軸体挿入穴
3 軸体
4 ハブ
5 オイル(液体)
8 内壁面
8a 第1の内壁面(テーパ内壁面)
8b 第2の内壁面(外側内壁面)
9 突出部(軸支突出部)
10a 表面
10b 裏面(表面)
11 ラジアル軸部(円柱部)
11a 外周面(表面)
14 突出部(軸体突出部)
14a 下端面(液切り面)
20 駆動手段
25 モータ
30 ディスク型記録媒体(記録媒体)
40 記録媒体駆動装置
100 動圧発生部
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸体支持部との隙間に充填された液体の動圧により軸体を回転自在に支持する流体動圧軸受装置、この流体動圧装置を備えたモータ、およびこのモータを備えた録媒体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、モータの高速回転に対応しうる軸受として、オイル、水等の液体を利用した流体動圧軸受装置の開発が行われている。この流体動圧軸受装置は、軸体とスリーブ(軸体支持部)との隙間に液体を満たして、これらが互いに接触しないように軸体とスリーブとを相互に回転させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
従来の流体動圧軸受装置は、例えば、図15に示すように、断面逆T字型の軸体挿入孔51aを形成したスリーブ51と、スリーブ51の軸体挿入孔51aに所定の隙間を空けて挿入された断面逆T字型の軸体53と、この軸体53を挿入した状態で軸体挿入孔51aの下端部を塞ぐカウンタープレート55と、スリーブ51と軸体53との隙間に充填されたオイル57とを備えている。
軸体53は、略円柱状に形成されたラジアル軸部61と、ラジアル軸部61の下端部に略円盤状に形成されたスラスト軸部63とから形成されている。ラジアル軸部61の表面61a、および、スラスト軸部63の表裏面63aには、動圧発生溝65が形成されている。
【0004】
また、スリーブ51の外周面51bにはコア71およびコイル73が設けられている。そして、軸体53の上端部にはハブ75が取り付けられており、ハブ75の円筒壁部75aのうち、コア71およびコイル73に対向する内周面75bにはマグネット79が設けられている。軸体53およびハブ75は、コア71およびコイル73において発生させた交番磁界をマグネット79に作用させることにより、回転するようになっている。
軸体53が回転する際には、オイル57が動圧発生用溝65に集められて動圧が発生し、この動圧によってスリーブ51が軸体53を回転可能に支持するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−73126号公報(第3−5頁、第1図、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の流体動圧軸受装置においては、図16に示すように、軸体53の回転と共に、オイル57が軸体53の表面61a側に引き寄せられるため、軸体53側のオイル57の液面57aが軸方向(F1方向)に上昇する。そして、上昇したオイル57が、軸体53の上端部近傍に一定量溜まると軸体53の遠心力により軸体53とスリーブ51との隙間から外方(F2方向)に飛散して、オイル漏れを引き起こすという問題があった。
【0007】
また、特許文献1においては、図17に示すように、軸体53の上端部にオイル切り溝81を形成することにより、オイル57の液面57aの上昇を抑制する方法が提案されているが、この場合には、上昇したオイル57が一定量を超えるとオイル切り溝81に入り込み、オイル切り溝81に入ったオイル57の量が一定量を超えると、オイル57が軸体53の遠心力により隙間から外方に飛散することになる。
また、隙間の外方に飛散したオイルを吸収布82により捕獲して外方へのオイル漏れを防ぐとしているが、この場合には、隙間に充填されたオイル57が減少して流体動圧軸受装置に必要なオイル量に満たなくなる虞があった。
以上のことから、流体動圧軸受装置の軸受特性を長時間持続させることができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、流体動圧軸受装置の軸受特性を長時間持続させることができる流体動圧軸受装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の流体動圧軸受装置は、略円柱状に形成された円柱部を有する軸体と、該軸体を収容する軸体挿入穴を有する軸体支持部と、前記軸体と前記軸体挿入穴との間に形成される隙間に液体を充填してなると共に、前記軸体をその軸線回りに回転させた際に前記液体を集めて動圧を発生する動圧発生溝を前記軸体の表面または前記挿入穴の内壁面の少なくとも一方に形成した動圧発生部とを備え、該動圧発生部の軸方向の外側に位置する前記円柱部の外周面に、径方向外方に突出する環状の軸体突出部が設けられることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、軸体がその軸線回りに回転する際には、動圧によって軸体支持部が軸体を回転可能に支持する。
また、この際には、液体が円柱部の外周面側に引き寄せられ、外周面に沿って上昇する。上昇した液体は、円柱部の外周面に形成された軸体突出部の下端部側に付着して蓄積される。ここに蓄積した液体は、一定量を超えると、重力により落下して軸体と軸体挿入穴との隙間に戻ることになる。
【0011】
また、流体動圧軸受装置において、前記軸体突出部は、前記円柱部の外周面から前記内壁面に向けて立ち上がる液切り面を有することを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、軸体突出部の液切り面に付着した液体は、軸体の回転に伴う遠心力により、液切り面に沿って移動し、軸体の径方向外方に飛散しても、軸体挿入穴の内壁面に付着するため、液体が隙間の外方に飛散することがない。
【0012】
また、前記液切り面が、前記軸体の軸方向に沿って前記動圧発生部に向けて漸次径寸法が大きくなるテーパ内面となっていることを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、テーパ内面に付着した液体は、軸体の回転に伴う遠心力によって、テーパ内面に沿って径方向外方に移動すると共に、動圧発生部側に移動するため、軸体と軸体挿入穴との隙間に戻ることができる。
【0013】
また、本発明に係る流体動圧軸受装置は、前記動圧発生部の軸方向の外側に位置すると共に、前記液切り面の延長線と前記内壁面とが交差する位置よりも前記動圧発生部から離間して位置する前記内壁面に、径方向内方に突出する環状の軸支突出部が設けられていることを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受装置によれば、液切り面から飛散して内壁面に付着した液体は、内壁面に沿って動圧発生部から離間する方向に移動しても、軸支突出部の下端部に当接するため、隙間の外側に飛散することがない。また、軸支突出部の下端部側に付着した液体が蓄積して、一定量を超えると、重力により流れ落ちて軸体と軸体挿入穴との隙間に戻ることになる。
【0014】
また、流体動圧軸受装置において、前記動圧発生部の軸方向の外側に位置する前記挿入穴の内壁面が、前記軸体の軸方向に沿って前記動圧発生部に向けて漸次径寸法が小さくなるテーパ内壁面と、該テーパ内壁面に隣接し、前記動圧発生部と共に前記テーパ内壁面を挟み込んで位置する外側内壁面とを備え、これらテーパ内壁面および外側内壁面のいずれか一方が、前記液切り面の延長線と交差し、前記テーパ内壁面と前記外側内壁面とのなす角度をθとして、95°≦θ≦130°、であることを特徴とする。
また、前記外側内壁面が、前記軸体の軸方向に略平行に形成されていることを特徴とする。
【0015】
これらの発明に係る流体動圧軸受装置によれば、液切り面から軸体の径方向外方に飛散した液体は、テーパ内壁面や外側内壁面に付着する。ここで、テーパ内壁面と外側内壁面とにより形成される角部の角度θを95°以上としたのは、テーパ内壁面や外側内壁面に付着した液体が移動して角部に到達した際に、表面張力によって液体がこの角部に多量に溜まることを防止して、軸体と軸体挿入穴との隙間の外方側に液体が溢れて飛散することを防止するためである。
また、この角部の角度θを130°以下としたのは、テーパ内壁面に付着した液体がテーパ内壁面に沿って移動して角部に到達した際に、少量の液体を表面張力により抑留させ、液体が容易に角部を乗り越えて外側内壁面に沿って、軸体と軸体挿入穴との隙間の外方に飛散することを防止するためである。
また、外側内壁面を軸体の軸方向に略平行に形成した場合には、この外側内壁面と軸体突出部との間の隙間を容易に小さく形成できると共に、この隙間を容易に軸方向に沿って長く形成できる。このため、軸体が回転した際に液体が加熱されてミスト状になっても、ミスト状の液体が軸体と軸体挿入穴との隙間から外方に漏れ出ることを容易に抑制できる。
【0016】
また、本発明に係るモータは、前記流体動圧軸受装置と、前記軸体支持部に対して前記軸体を回転させる駆動手段とを備えていることを特徴とする。
この発明に係るモータによれば、駆動手段の駆動力により軸体が回転した際に、液体が軸体と軸体支持部との隙間から流出することがないため、このモータを長時間使用しても動圧発生部の軸受特性が変化しない。したがって、軸体の安定した回転を実現することができる。
【0017】
また、本発明に係る記録媒体駆動装置は、前記モータを備え、前記軸体に薄板状の記録媒体を支持するハブが取り付けられていることを特徴とする。
この発明に係る記録媒体駆動装置によれば、記録媒体を回転させた際に、液体が軸体と軸体支持部との隙間から流出することがないため、液体が記録媒体の表面に付着することがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1から図5はこの発明に係る第1の実施形態を示す図である。この実施の形態に係る流体動圧軸受装置は、薄板の円盤状に形成された磁気記録媒体等のディスク型記録媒体を回転させる記録媒体駆動装置に適用したものである。図1に示すように、流体動圧軸受装置1は、断面略十字型の軸体挿入穴2aを有するスリーブ(軸体支持部)2と、スリーブ2の軸体挿入穴2aに所定の隙間を空けて挿入され、断面略十字型の円筒状に形成された軸体3と、軸体3の上端部に取り付けられたハブ4と、軸体挿入穴2aと軸体3との隙間に充填されたオイル(液体)5とを備えている。
スリーブ2は、軸体挿入穴2aを構成する穴6aを有する有底円筒状のスリーブ本体6と、軸体3の上端部を突出させた状態で、軸体3との間に隙間を空けてスリーブ本体6の穴6aの開口部を塞ぐアッパープレート7とから構成されている。
【0019】
アッパープレート7は、略円盤状に形成されており、その中心軸線A1方向に貫通孔7aが形成されている。この貫通孔7aは、スリーブ本体6の穴6aと共に軸体挿入穴2aを構成しており、中心軸線A1に沿ってハブ4に対向する表面7bに向けて、すり鉢状に拡径している。
貫通孔7aの内壁面8は、図2に示すように、アッパープレート7の裏面7c側に形成された第1の内壁面8aと、アッパープレート7の表面7b側に形成された第2の内壁面8bとから構成されており、第2の内壁面8bは、第1の内壁面8aと比較して中心軸線A1に対する傾斜角度が大きくなっている。
【0020】
第1の内壁面8aは、毛細管現象を利用してスリーブ2と軸体3との隙間にあるオイル5の流出防止を図るためのものである。すなわち、第1の内壁面8aと、この第1の内壁面8aに対向する軸体3の外周面とにより、アッパープレート7の裏面7c側に向かう毛細管力がオイル5に働くようになっている。
第2の内壁面8bには、アッパープレート7の径方向内方に向けて突出する環状の突出部(軸支突出部)9が形成されており、突出部9は、オイル5の液面から離間した位置に形成されている。
【0021】
軸体3は、図1に示すように、略円盤状に形成されたスラスト軸部10と、スラスト軸部10の表面10aおよび裏面10bから、その中心軸線A1方向に突出する略円柱状のラジアル軸部(円柱部)11とを備えている。ラジアル軸部11のうち、スラスト軸部10の裏面10b側に突出する部分の外周面(表面)11aには、ヘリンボーンと呼ばれる形状の動圧発生溝12が複数形成されている。また、スラスト軸部10の表面10aおよび裏面(表面)10bには、スパイラル形状に形成された動圧発生溝(図示せず)が複数形成されている。
【0022】
これら動圧発生溝は、軸体3を中心軸線A1回りに回転させた際に、オイル5を集めて動圧を発生させ、スリーブ2と軸体3とを互いに回転可能に支持するものである。すなわち、ラジアル軸部11の動圧発生溝12において発生するオイル5の動圧が軸体3の径方向の軸受の役割を果たし、スラスト軸部10の動圧発生溝において発生するオイル5の動圧が軸体3の中心軸線A1方向の軸受の役割を果たしている。
これら軸体挿入穴2a、軸体3、オイル5および動圧発生溝により動圧発生部100が構成されている。
【0023】
軸体3の上端部には、ラジアル軸部11よりも小さい直径寸法を有する円柱状の嵌合部13が形成されており、後述するハブ4の貫通孔に嵌め込むようになっている。
ハブ4は、有底円筒状に形成されており、その底壁部4cの中央には、軸体3の嵌合部13を嵌め込む貫通孔4aが形成されている。ハブ4の貫通孔4aの周縁には、図2に示すように、アッパープレート7の表面7bに対向する表面4bから突出する環状の突出部(軸体突出部)14が形成されている。この突出部14の下端面(液切り面)14aは、軸体3の嵌合部13に嵌め合わせた際に、ラジアル軸部11の先端面11bに当接するようになっている。これにより、軸体3とハブ4との相対的な位置を容易に決定することができる。
【0024】
突出部14は、貫通孔4aに嵌合部13に嵌め込んだ状態で、ラジアル軸部11の外周面11aからその径方向外方に突出している。また、突出部14の下端面14aは、外周面11aから垂直に第2の内壁面8bに向けて立ち上がっており、軸体3が回転した際に、下端面14aに付着したオイルが、下端面14に沿って径方向外方に飛散しても、第2の内壁面8bに付着するようになっている。
【0025】
なお、アッパープレート7に形成された突出部9は、この下端面14aの延長線と第2の内壁面8bとが交差する位置よりもオイル5の液面から離間する位置に形成されている。
突出部14の基端部の外周面側には、環状のオイル捕獲溝15が形成されており、このオイル捕獲溝15は、突出部9と突出部14との隙間から飛散したオイル5を捕獲するようになっている。
また、第2の内壁面8bに隣接する突出部9の下端面9a、および突出部14の下端面14a、外周面14bには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成される撥油剤が塗布されている。この撥油剤は、突出部9の下端面9a、および突出部14の下端面14a、外周面14bとオイル5との付着力を低下させるものである。また、この撥水剤は、微細な塗り斑を有して塗布されており、下端面9a、下端面14aおよび外周面14bにおいてオイル5の微細な液滴が付着できるようになっている。
【0026】
この流体動圧軸受装置1には、図1に示すように、軸体3およびハブ4を回転させる駆動手段20が設けられており、この駆動手段20は、スリーブ2の周縁に配置されたコア22およびコイル23と、ハブ4のうち、コア22およびコイル23に対向する位置に配置されたマグネット24を備えている。軸体3およびハブ4は、コア22およびコイル23において発生させた交番磁界をマグネット24に作用させることにより、回転するようになっている。
これら流体動圧軸受装置1および駆動手段20によりモータ25が構成されている。
【0027】
また、ハブ4の底壁部4cの周縁には、ディスク型記録媒体30を支持するための段部4dが形成されている。この段部4dにディスク型記録媒体30の中央に形成された中央孔30aを嵌め込むことにより、ディスク型記録媒体30が、軸体3およびハブ4と共に中心軸線A1回りに回転することができるようになっている。
この段部4dを備えたハブ4およびモータ25により記録媒体駆動装置40が構成されることになる。
【0028】
次に、流体動圧軸受装置1の作用について以下に説明する。
軸体3がモータ25の駆動力により中心軸線A1回りに回転する際には、動圧発生溝において発生する動圧によってスリーブ2が軸体3を回転可能に支持する。また、この際には、図3に示すように、オイル5が軸体3の外周面11a側に引き寄せられるため、オイル5の液面が外周面11aに沿ってF3方向に上昇する。上昇したオイル5は、突出部14に下端面14aに付着して蓄積される。ここに蓄積されたオイル5は、一定量を超えると、重力によりF4方向に落下して軸体挿入穴2aと軸体3との隙間に戻ることになる。
【0029】
また、突出部14の下端面14aに付着したオイル5が、図4に示すように、前述した一定量に達する前に、軸体3およびハブ4の回転に伴う遠心力によって、径方向外方(F5方向)に飛散した場合には、第2の内壁面8bに付着する。ここに付着したオイル5は、その量が一定量を超えると、重力により第2の内壁面8bに沿ってF6方向に流れ落ち、スリーブ2と軸体3との隙間に回収されることになる。
【0030】
また、第2の内壁面8bに付着したオイル5が、第2の内壁面に沿ってF6方向とは逆の方向に移動しても、突出部9の下端面9aに当接するため、突出部9と突出部14との隙間の外側への飛散を抑止できる。そして、下端面9aに付着するオイル5の量が一定量を超えた場合には、図5に示すように、重力によりF7方向に落下し、第2の内壁面8bに沿って流れ落ちることになる。
【0031】
下端面9aに付着したオイル5が、前述した一定量を超える前に、万が一、下端面9aに沿って突出部9と突出部14との隙間の外方に飛散しても、突出部14に形成されたオイル捕獲溝15に収容されることになる。
なお、軸体3が回転する際には、オイル5が加熱されて、その一部がミスト状になるが、突出部9と突出部14との隙間を小さくすることにより、ミスト状のオイルの外方への漏れを小さくすることができる。また、ミスト状のオイルは、微細な液滴であるため、この微細な液滴を突出部9,14の下端面9a、下端面14aおよび外周面14bに付着させてミスト状のオイルの外方への漏れを抑制することもできる。
【0032】
上記のように、この流体動圧軸受装置1によれば、軸体3が回転しても、オイル5がスリーブ2と軸体3との隙間から外方への流出を防止すると共に、動圧発生部100から離れて移動したオイル5を動圧発生部100に回収することができるため、動圧発生部100の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
【0033】
また、この流体動圧軸受装置1が、モータ25に適用された場合には、モータ25を長時間使用しても動圧発生部100の軸受特性が変化しないため、軸体3の安定した回転を実現することができる。したがって、駆動手段20の駆動力の制御が容易となると共に、駆動力に要するエネルギーの省力化を図ることができる。
【0034】
また、この流体動圧軸受装置1が、ディスク型記録媒体30を回転させる記録媒体駆動装置40に適用される場合には、液体がディスク型記録媒体30の表面に付着することがないため、ディスク型記録媒体30に記録を書き込む際、もしくは、ディスク型記録媒体30から記録を読み出す際の不具合を防止することができる。
【0035】
次に、図6は、この発明に係る第2の実施形態を示しており、この図に示す実施形態は、図1から図5に示す流体動圧軸受装置1と基本的構成が同一であるが、アッパープレート7の貫通孔7aの形状に関して異なっている。ここでは、図6において、この貫通孔7aの形状について説明し、図1から図5の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
貫通孔7aの内壁面8は、図6に示すように、第1の内壁面(テーパ内壁面)8aおよび第2の内壁面(外側内壁面)8bから構成されている。第1の内壁面8aは、前述と同様に、貫通孔7aがアッパープレート7の表面7bに向けて拡径するように形成されている。また、第2の内壁面8bは、第1の内壁面8aの径寸法が大きい側に隣接しており、中心軸線A1に平行に形成されている。
また、ハブ4に形成された突出部14の外周面14bは、中心軸線A1に平行に形成されており、第2の内壁面8bに対向して位置している。これにより、第2の内壁面8bと突出部14の外周面14bとの隙間Sを狭く形成し、中心軸線A1方向に沿う隙間Sの長さを長く形成できる。
突出部14の下端面14a、外周面14b、およびアッパープレート7の第2の内壁面8bには、前述の実施形態と同様に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成される撥油剤が塗布されている。この撥油剤は、下端面14a、外周面14bおよび第2の内壁面8bとオイル5との付着力を低下させるものである。また、この撥水剤は、微細な塗り斑を有して塗布されており、下端面14a、外周面14bおよび第2の内壁面8bにおいてオイル5の微細な液滴が付着できるようになっている。
【0037】
以上の構成において、軸体3およびハブ4が回転した際には、下端面14aに付着したオイル5が軸体3の径方向外方に飛散し、第1の内壁面8aや第2の内壁面8bに付着する。そして、第2の内壁面8bに付着したオイル5が重力によって第2の内壁面8bに沿って流れ落ちたり、第1の内壁面8aに付着したオイル5が第1の内壁面8aに沿って第2の内壁面8bに向けて移動した場合には、オイル5が、第1の内壁面8aと第2の内壁面8bとにより形成される角部8cに到達し、表面張力によりこの角部8cに溜まることになる。
【0038】
ここで、この角部8cにおいて第1の内壁面8aと第2の内壁面8bとのなす角度θは、95°≦θ≦130°とすることが好ましい。すなわち、この角度θを95°以上としたのは、表面張力によって角部8cに多量のオイル5が溜まることを防ぎ、スリーブ2と軸体3との隙間の外方側にオイル5が溢れて飛散することを防止するためである。
また、角度θを130°以下としたのは、第1の内壁面8aに付着したオイル5が第1の内壁面8aに沿って移動して角部8cに到達した際に、少量のオイル5を表面張力により抑留させ、オイル5が容易に角部8cを乗り越えて第2の内壁面8bに沿ってスリーブ2と軸体3との隙間の外方に飛散することを防止するためである。
【0039】
以上のように、この流体動圧軸受装置1によれば、角部8cの角度θを、95°≦θ≦130°、とすることにより少量のオイル5を角部8cに溜め、オイル5が多量に溜まる前に重力により動圧発生部100側に移動させることができる。このことから、オイル5がスリーブ2と軸体3との隙間の外方に飛散することを防止できると共に、角部8cに溜まったオイル5を動圧発生部100に回収できるため、動圧発生部100の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
また、角部8cの角度θを95°以上としているため、貫通孔7aを切削加工により精度よく且つ容易に形成することも可能となる。
【0040】
また、軸体3が回転する際には、オイル5が加熱されて、その一部が蒸発してミスト状になるが、第2の内壁面8bと突出部14との狭い隙間Sが中心軸線A1方向に沿って長く形成されているため、ミスト状のオイルが外方に漏れ出ることを抑制することができる。また、ミスト状のオイルは、微細な液滴であるため、この微細な液滴を下端面14a、外周面14bおよび第2の内壁面8bに付着させてミスト状のオイルの外方への漏れを防止することもできる。
さらに、第2の内壁面8bおよび突出部14の外周面14bには撥油剤が塗布されているため、オイル5を隙間Sから注入してスリーブ2と軸体3との隙間に充填する際に、オイル5が表面張力によって狭い隙間Sに溜まることを防止して、オイル5の充填を円滑に行うことができる。したがって、オイル5を充填する際にスリーブ2と軸体3との隙間に気泡が混入することを容易に防止できる。
【0041】
なお、第1の実施形態においては、撥油剤を突出部9,14の下端面9a、下端面14aおよび外周面14bに塗布するとしたが、これに限ることはなく、これらの表面に加えて、アッパープレート7の表面7b、この表面7bに対向するハブ4の表面4bやオイル捕獲溝15の表面等、スリーブ2と軸体3との隙間の外方側に位置する表面に塗布してもよい。
また、第2の内壁面8bは、貫通孔7aがすり鉢状に拡径するように形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、図7に示すように、軸体3の軸方向に沿って形成するとしてもよい。また、第2の内壁面8bは、例えば、第1の内壁面8aの傾斜角度と同じ角度に形成されるとしてもよい。
さらに、アッパープレート7が、例えば、図8に示すように、内壁面8を有する第1のプレート部材31と、突出部9を有する第2のプレート部材32とから構成されるとしてもよい。この場合には、アッパープレート7の内壁面8および突出部9を別々に形成することができるため、アッパープレート7の製造を容易に行うことができる。
【0042】
また、例えば、図9に示すように、アッパープレート7に、内壁面8からスリーブ本体6の穴6aの内壁面33に向けて貫通する微小な径の貫通孔34と、この内壁面33に沿ってアッパープレート7の裏面7c側に貫通する貫通溝部35とから形成されるオイル回収路38を形成するとしてもよい。
この場合には、内壁面8や突出部9の下端面9aに付着したオイルを、毛細管力により貫通孔34の内部に回収すると共に、貫通溝部35に沿ってスラスト軸部10とアッパープレート7との隙間に回収することができる。
【0043】
さらに、このオイル回収路38は、例えば、図10に示すように、貫通溝部35からラジアル軸部11に向けて貫通する貫通孔36を備えるとしてもよく、この場合には、貫通溝部35に回収されたオイルを、スラスト軸部10とアッパープレート7との隙間、および、ラジアル軸部11とアッパープレート7との隙間に回収することができる。
また、このオイル回収路38の貫通孔34は、図9,10に示すように、2枚のプレート部材31,32から形成されるとしてもよいし、1枚のアッパープレート7に形成されるとしてもよい。
【0044】
なお、第2の実施形態においては、撥油剤を突出部14の下端面14a、外周面14bおよびアッパープレート7の第2の内壁面8bに塗布するとしたが、これに限ることはなく、これらの表面に加えて、アッパープレート7の表面7b、この表面7bに対向するハブ4の表面4bやオイル捕獲溝15の表面等、スリーブ2と軸体3との隙間の外方側に位置する表面に塗布してもよい。
【0045】
また、第2の内壁面8bは中心軸線A1に平行に形成されるとしたが、これに限ることはなく、中心軸線A1に対して僅かに傾斜するように形成するとしても構わない。ただし、貫通孔7aを容易に加工できるように、第2の内壁面8bと中心軸線A1とのなす角度を3°以下とすることが好ましい。
さらに、突出部14の外周面14bも中心軸線A1に平行に形成することに限らず、中心軸線A1に対して僅かに傾斜するように形成するとしても構わない。ただし、狭い隙間Sを中心軸線A1方向に沿って長く形成できるように、外周面14bを第2の内壁面8bに平行に形成することが好ましい。
また、アッパープレート7を、前述のように、第1の内壁面8aを有する第1のプレート部材と、第2の内壁面8bを有する第2のプレート部材とから構成するとしてもよいし、これら2つのプレート部材の間に前述のオイル回収路を形成するとしてもよい。
【0046】
なお、これら第1、第2の実施形態においては、撥油剤がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくともオイル5を弾くものであればよい。したがって、例えば撥油剤をエポキシ系樹脂から構成するとしてもよい。
また、軸体3の嵌合部13は、ラジアル軸部11よりも小さい直径寸法を有するとしたが、これに限ることはなく、少なくともハブ4の貫通孔4aに嵌め合わせることができればよい。したがって、この嵌合部13は、例えば、ラジアル軸部11と同等の直径寸法となっていてもよい。
【0047】
さらに、ヘリンボーン形状の動圧発生溝12は、ラジアル軸部11の外周面11aに複数形成されるとしたが、これに限ることはなく、この外周面11aに対向するスリーブ本体6の穴6aの内壁面に形成するとしてもよいし、外周面11aおよび穴6aの内壁面の両方に形成するとしてもよい。
【0048】
また、スパイラル形状の動圧発生溝は、スラスト軸部10の表面10aおよび裏面10bに複数形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、これら表面10aおよび裏面10bに対向する穴6aの内壁面およびアッパープレート7の裏面7cに形成するとしてもよいし、表面10aおよび裏面10bと、穴6aの内壁面および裏面7cとの両方に形成するとしてもよい。また、スラスト軸部10の動圧発生溝の形状は、スパイラル形状に限ることはなく、ヘリンボーン形状であってもよい。
【0049】
さらに、オイル捕獲溝15が、突出部14に設けられるとしたが、例えば、図11に示すように、設けなくてもよい。
また、突出部14の下端面14aは、ラジアル軸部11の外周面11aから垂直に第2の内壁面8bに向けて立ち上がるとしたが、少なくとも内壁面8に向けて立ち上がっていればよい。すなわち、この下端面14aは、例えば、図12に示すように、軸体3の軸方向に沿って動圧発生部100に向けて漸次径寸法が大きくなるテーパ内面としてもよい。
【0050】
この場合には、下端面14aに付着したオイル5は、軸体3およびハブ4の回転に伴う遠心力によって、下端面14aに沿って軸体3の径方向外方に飛散しても、動圧発生部100側に移動する。このため、このオイル5を軸体3と軸体挿入穴2aとの隙間に戻して、動圧発生部100の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
【0051】
さらに、突出部14は、ハブ4の貫通孔4aの周縁に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも動圧発生部100の軸方向外側に位置するラジアル軸部11の外周面11aから内壁面8に向けて環状に突出していればよい。すなわち、例えば、図13に示すように、ラジアル軸部11に一体的に形成されるとしてもよい。
【0052】
また、ラジアル軸部11に形成された突出部14は、図13(a)〜(d)に示すように、ハブ4と軸体3とを嵌め合わせる際の突き当て部として、軸体3とハブ4との相対的な位置決めを行うとしてもよいし、図13(e),(f)に示すように、突き当て部の機能を有さないものであってもよい。
さらに、この突出部14は、ハブ4に隣接して位置する必要はなく、例えば、図14に示すように、軸体3の軸方向に沿ってハブ4から離間して位置するとしてもよい。
【0053】
また、スリーブ2は、有底円筒状のスリーブ本体6と、アッパープレート7とから構成されるとしたが、これに限ることはなく、軸体3を挿入しうる構成となっていればよい。すなわち、例えば、スリーブ本体6が、貫通孔を有する円筒部材と、貫通孔の下方側の開口部を塞ぐカウンタープレートとから構成されるとしてもよい。
【0054】
さらに、軸体3は、断面略十字型に形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、スラスト軸部10をラジアル軸部11の下端部に形成して、軸体3を断面略逆T字型に形成されるとしてもよい。
また、ハブ4は軸体3に取り付けられるとしたが、これに限ることはなく、例えば、これらハブ4と軸体3とを一体的に形成するとしてもよい。
【0055】
さらに、モータ25の駆動手段20は、スリーブ2に設けられたコア22およびコイル23と、ハブ4に設けられたマグネット24から構成されるとしたが、これに限ることはなく、軸体3およびハブ4を回転させるものであればよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液体が軸体支持部と軸体との隙間から外方に飛散することを防止すると共に、動圧発生部から離間したオイルを隙間に回収することができるため、動圧発生部の安定した軸受特性を長時間持続させることができる。
【0057】
また、この流体動圧軸受装置をモータに設けた場合には、軸体の安定した回転を実現できるため、駆動手段の駆動力の制御が容易となると共に、駆動力に要するエネルギーの省力化を図ることができる。
【0058】
さらに、この流体動圧軸受装置を記録媒体駆動装置に設けた場合には、液体が記録媒体の表面に付着することがないため、記録媒体に記録を書き込む際、もしくは、記録媒体から記録を読み出す際の不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る流体動圧軸受装置を示す断面図である。
【図2】図1の流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図3】図1の流体動圧軸受装置において、オイル漏れを抑止する作用を説明する模式図である。
【図4】図1の流体動圧軸受装置において、オイル漏れを抑止する作用を説明する模式図である。
【図5】図1の流体動圧軸受装置において、オイル漏れを抑止する作用を説明する模式図である。
【図6】この発明の第2の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図7】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図8】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図9】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図10】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図11】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図12】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図13】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図14】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図15】従来の流体動圧軸受装置の一例を示す断面図である。
【図16】図15の流体動圧軸受装置の要部を示す拡大断面図である。
【図17】図15の流体動圧軸受装置において、軸体にオイル切り溝が形成されている場合の要部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 流体動圧軸受装置
2 スリーブ(軸体支持部)
2a 軸体挿入穴
3 軸体
4 ハブ
5 オイル(液体)
8 内壁面
8a 第1の内壁面(テーパ内壁面)
8b 第2の内壁面(外側内壁面)
9 突出部(軸支突出部)
10a 表面
10b 裏面(表面)
11 ラジアル軸部(円柱部)
11a 外周面(表面)
14 突出部(軸体突出部)
14a 下端面(液切り面)
20 駆動手段
25 モータ
30 ディスク型記録媒体(記録媒体)
40 記録媒体駆動装置
100 動圧発生部
Claims (8)
- 略円柱状に形成された円柱部を有する軸体と、
該軸体を収容する軸体挿入穴を有する軸体支持部と、
前記軸体と前記軸体挿入穴との間に形成される隙間に液体を充填してなると共に、前記軸体をその軸線回りに回転させた際に前記液体を集めて動圧を発生する動圧発生溝を前記軸体の表面または前記挿入穴の内壁面の少なくとも一方に形成した動圧発生部とを備え、
該動圧発生部の軸方向の外側に位置する前記円柱部の外周面に、径方向外方に突出する環状の軸体突出部が設けられることを特徴とする流体動圧軸受装置。 - 前記軸体突出部が、前記円柱部の外周面から前記内壁面に向けて立ち上がる液切り面を有することを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
- 前記液切り面が、前記軸体の軸方向に沿って前記動圧発生部に向けて漸次径寸法が大きくなるテーパ内面となっていることを特徴とする請求項2に記載の流体動圧軸受装置。
- 前記動圧発生部の軸方向の外側に位置すると共に、前記液切り面の延長線と前記内壁面とが交差する位置よりも前記動圧発生部から離間して位置する前記内壁面に、径方向内方に突出する環状の軸支突出部が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の流体動圧軸受装置。
- 前記動圧発生部の軸方向の外側に位置する前記挿入穴の内壁面が、前記軸体の軸方向に沿って前記動圧発生部に向けて漸次径寸法が小さくなるテーパ内壁面と、該テーパ内壁面の径寸法が大きい側に隣接して位置する外側内壁面とを備え、
これらテーパ内壁面および外側内壁面のいずれか一方が、前記液切り面の延長線と交差し、
前記テーパ内壁面と前記外側内壁面とのなす角度をθとして、
95°≦θ≦130°、
であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の流体動圧軸受装置。 - 前記外側内壁面が、前記軸体の軸方向に略平行に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の流体動圧軸受装置。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載の流体動圧軸受装置と、前記軸体支持部に対して前記軸体を回転させる駆動手段とを備えていることを特徴とするモータ。
- 請求項7に記載のモータを備え、前記軸体に薄板状の記録媒体を支持するハブが取り付けられていることを特徴とする記録媒体駆動装置。
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