JP3053560B2 - 動圧軸受のシール装置 - Google Patents
動圧軸受のシール装置Info
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- JP3053560B2 JP3053560B2 JP7266224A JP26622495A JP3053560B2 JP 3053560 B2 JP3053560 B2 JP 3053560B2 JP 7266224 A JP7266224 A JP 7266224A JP 26622495 A JP26622495 A JP 26622495A JP 3053560 B2 JP3053560 B2 JP 3053560B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性流体等の潤滑
流体の動圧により回転軸を回転自在に支承する動圧軸受
のシール装置に関する。
流体の動圧により回転軸を回転自在に支承する動圧軸受
のシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種モータ等において、動圧軸受装置が
広く用いられている。この動圧軸受装置は、所定の潤滑
流体の動圧を利用して例えば回転軸を回転自在に支承す
るものであって、通常、動圧発生用の潤滑流体が軸受装
置の外部に飛散しないようにシール装置が付設されてい
る。
広く用いられている。この動圧軸受装置は、所定の潤滑
流体の動圧を利用して例えば回転軸を回転自在に支承す
るものであって、通常、動圧発生用の潤滑流体が軸受装
置の外部に飛散しないようにシール装置が付設されてい
る。
【0003】このような動圧軸受装置及びシール装置を
備えた機器として、例えば図2に示されているような軸
回転型のHDDスピンドルモータがある。このものは、
フレーム1側に組み付けられたステータ組と、このステ
ータ組に対して軸方向に組み付けられたロータ組とから
構成されており、上記フレーム1には、円筒状の軸受ホ
ルダー2が垂直に立設するように設けられている。また
この円筒状の軸受ホルダー2の外周部には、巻線3が巻
回されたステータコア4が装着されている。さらに上記
軸受ホルダー2の内部側には、円筒状のラジアル軸受5
が装着されており、このラジアル軸受5を介して回転軸
6が回転自在に支承されている。
備えた機器として、例えば図2に示されているような軸
回転型のHDDスピンドルモータがある。このものは、
フレーム1側に組み付けられたステータ組と、このステ
ータ組に対して軸方向に組み付けられたロータ組とから
構成されており、上記フレーム1には、円筒状の軸受ホ
ルダー2が垂直に立設するように設けられている。また
この円筒状の軸受ホルダー2の外周部には、巻線3が巻
回されたステータコア4が装着されている。さらに上記
軸受ホルダー2の内部側には、円筒状のラジアル軸受5
が装着されており、このラジアル軸受5を介して回転軸
6が回転自在に支承されている。
【0004】すなわち上記回転軸6とラジアル軸受5と
の対向部位には軸受部が形成されており、この軸受部内
に磁性流体等からなる潤滑流体Aが充填されている。ま
た当該軸受部における回転軸6の外周面には、動圧発生
用のラジアルグルーブ6aが形成されており、このラジ
アルグルーブ6aのポンピング作用によって発生される
潤滑流体Aの動圧により回転軸6が回転自在に支承され
るようになっている。
の対向部位には軸受部が形成されており、この軸受部内
に磁性流体等からなる潤滑流体Aが充填されている。ま
た当該軸受部における回転軸6の外周面には、動圧発生
用のラジアルグルーブ6aが形成されており、このラジ
アルグルーブ6aのポンピング作用によって発生される
潤滑流体Aの動圧により回転軸6が回転自在に支承され
るようになっている。
【0005】さらに上記回転軸6の図示上端部分は、ハ
ブ8の中心部に一体に回転するように固着されている。
ハブ8は、磁気ディスク等のメディアを外周部に装着す
る胴部8aを有しているととともに、この胴部8aの図
示下縁側に半径方向外周側に張り出すように設けられた
取付部8bに、バックヨーク9を介して駆動マグネット
10が環状に装着されている。上記駆動マグネット10
は、前記ステータコア4の外周面に環状に対向するよう
に配置されている。
ブ8の中心部に一体に回転するように固着されている。
ハブ8は、磁気ディスク等のメディアを外周部に装着す
る胴部8aを有しているととともに、この胴部8aの図
示下縁側に半径方向外周側に張り出すように設けられた
取付部8bに、バックヨーク9を介して駆動マグネット
10が環状に装着されている。上記駆動マグネット10
は、前記ステータコア4の外周面に環状に対向するよう
に配置されている。
【0006】また上記コアホルダー2の図示上端開口部
には、磁性流体シール11が設けられている。この磁性
流体シール11は、上記潤滑流体Aの外部への漏出を防
止するために配置されているものであって、磁石11a
の軸方向両側が一対のポールピース11b,11bによ
り軸方向に挟み込まれているとともに、上記ポールピー
ス11b,11bの内周端縁部と回転軸6の外周面との
対向部位に形成されたシール部内に、外部側と遮断する
ように磁性流体11c,11cが保持されている。そし
てこの磁性流体シール11の外部遮断作用によって上記
軸受ホルダー2の内部空間内に画成される筒状の空間内
に、上述した軸受部内の潤滑流体Aが封止され、これに
より潤滑流体Aの外部漏出が防止されるとともに、外部
側からの塵埃等の流入が防止されるようになっている。
には、磁性流体シール11が設けられている。この磁性
流体シール11は、上記潤滑流体Aの外部への漏出を防
止するために配置されているものであって、磁石11a
の軸方向両側が一対のポールピース11b,11bによ
り軸方向に挟み込まれているとともに、上記ポールピー
ス11b,11bの内周端縁部と回転軸6の外周面との
対向部位に形成されたシール部内に、外部側と遮断する
ように磁性流体11c,11cが保持されている。そし
てこの磁性流体シール11の外部遮断作用によって上記
軸受ホルダー2の内部空間内に画成される筒状の空間内
に、上述した軸受部内の潤滑流体Aが封止され、これに
より潤滑流体Aの外部漏出が防止されるとともに、外部
側からの塵埃等の流入が防止されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
の従来装置では、ラジアル軸受5と回転軸6とが対向す
る軸受部と、磁性流体シール11が設けられたシール部
とが軸方向に分離して配置されており、軸受部とシール
部との間に封止空間が形成される構成となっているの
で、その封止空間内の空気が温度上昇により膨張するこ
と等によって磁性流体シール11が破壊され易く、軸受
部内の潤滑流体Aが外部に漏出するおそれがある。また
潤滑流体Aの注入量にバラツキがあったり、軸受部を構
成する各部品の製作精度のバラツキにより軸受部内の体
積変動があったりすること等によっても、潤滑流体Aの
外部漏出の可能性がある。そして一旦、潤滑流体Aが外
部漏出してしまうと、軸受部内に充填された潤滑流体が
不足して予定の軸受特性が得られなくなったり、漏出し
た潤滑流体が装置外に装填されたメディア等を汚染して
故障の原因となり信頼性を損ねる場合がある。
の従来装置では、ラジアル軸受5と回転軸6とが対向す
る軸受部と、磁性流体シール11が設けられたシール部
とが軸方向に分離して配置されており、軸受部とシール
部との間に封止空間が形成される構成となっているの
で、その封止空間内の空気が温度上昇により膨張するこ
と等によって磁性流体シール11が破壊され易く、軸受
部内の潤滑流体Aが外部に漏出するおそれがある。また
潤滑流体Aの注入量にバラツキがあったり、軸受部を構
成する各部品の製作精度のバラツキにより軸受部内の体
積変動があったりすること等によっても、潤滑流体Aの
外部漏出の可能性がある。そして一旦、潤滑流体Aが外
部漏出してしまうと、軸受部内に充填された潤滑流体が
不足して予定の軸受特性が得られなくなったり、漏出し
た潤滑流体が装置外に装填されたメディア等を汚染して
故障の原因となり信頼性を損ねる場合がある。
【0008】そこで本発明は、簡易な構成で、軸受部か
らの潤滑流体の漏出を良好に防止することができるよう
にした動圧軸受のシール装置を提供することを目的とす
る。
らの潤滑流体の漏出を良好に防止することができるよう
にした動圧軸受のシール装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、回転軸と軸受部材とが対向して形成
された軸受部内に所定の潤滑流体が充填され、当該潤滑
流体の動圧によって上記回転軸が回転自在に支承される
とともに、上記回転軸とシール部材とが対向して形成さ
れたシール部によって、前記潤滑流体の外部側への漏出
が防止されるように構成された動圧軸受のシール装置に
おいて、上記シール部材は、前記軸受部材の軸方向外側
端において前記回転軸と対向するように装着され、上記
潤滑流体は、当該潤滑流体の液面が前記シール部材の回
転軸対向壁面に接触するように軸受部からシール部まで
連続して一連に充填されて、前記シール部内における潤
滑流体の液面位置が、シール部材の回転軸対向壁面の軸
方向途中位置に設定されているとともに、上記シール部
材の回転軸対向面は、回転軸との間の距離が外部側に向
って徐々に拡大する傾斜壁面に形成され、且つ前記シー
ル部を軸方向外側から覆って当該シール部を外部側から
遮断するシール板が、前記シール部より軸方向外側にお
いて前記回転軸と対向するように前記軸受部材側に取り
付けられ、当該シール板とシール部材との間には、シー
ル部から漏出した潤滑流体を保持する潤滑流体吸収空間
が設けられた構成になされている。
請求項1の発明は、回転軸と軸受部材とが対向して形成
された軸受部内に所定の潤滑流体が充填され、当該潤滑
流体の動圧によって上記回転軸が回転自在に支承される
とともに、上記回転軸とシール部材とが対向して形成さ
れたシール部によって、前記潤滑流体の外部側への漏出
が防止されるように構成された動圧軸受のシール装置に
おいて、上記シール部材は、前記軸受部材の軸方向外側
端において前記回転軸と対向するように装着され、上記
潤滑流体は、当該潤滑流体の液面が前記シール部材の回
転軸対向壁面に接触するように軸受部からシール部まで
連続して一連に充填されて、前記シール部内における潤
滑流体の液面位置が、シール部材の回転軸対向壁面の軸
方向途中位置に設定されているとともに、上記シール部
材の回転軸対向面は、回転軸との間の距離が外部側に向
って徐々に拡大する傾斜壁面に形成され、且つ前記シー
ル部を軸方向外側から覆って当該シール部を外部側から
遮断するシール板が、前記シール部より軸方向外側にお
いて前記回転軸と対向するように前記軸受部材側に取り
付けられ、当該シール板とシール部材との間には、シー
ル部から漏出した潤滑流体を保持する潤滑流体吸収空間
が設けられた構成になされている。
【0010】このような請求項1記載の動圧軸受のシー
ル装置によれば、軸受部内の潤滑流体がシール部内に連
続して一連に充填されているので、軸受部とシール部と
の間に従来のような膨張性の大きい空間が形成されなく
なり、空間の熱膨張等によりシール部が破壊されること
がなくなってシール部が安定的に維持される。
ル装置によれば、軸受部内の潤滑流体がシール部内に連
続して一連に充填されているので、軸受部とシール部と
の間に従来のような膨張性の大きい空間が形成されなく
なり、空間の熱膨張等によりシール部が破壊されること
がなくなってシール部が安定的に維持される。
【0011】またシール部内における潤滑流体の液面が
シール部材の外方拡大傾斜壁面の途中位置に接している
ことから、回転軸の回転中に衝撃や温度変化によって潤
滑流体が外部側へ漏出するように液面が外方へ移動した
場合には、潤滑流体の液面曲率が徐々に小さくなってい
き、その液面曲率の変化が液面の抵抗となるので液面移
動は抑えられ、その結果、潤滑流体の保持力が徐々に増
大されることとなって潤滑流体の外部漏出が良好に防止
されるようになっている。
シール部材の外方拡大傾斜壁面の途中位置に接している
ことから、回転軸の回転中に衝撃や温度変化によって潤
滑流体が外部側へ漏出するように液面が外方へ移動した
場合には、潤滑流体の液面曲率が徐々に小さくなってい
き、その液面曲率の変化が液面の抵抗となるので液面移
動は抑えられ、その結果、潤滑流体の保持力が徐々に増
大されることとなって潤滑流体の外部漏出が良好に防止
されるようになっている。
【0012】さらに同様にシール部の外部へ漏出しよう
とした場合における余剰の潤滑流体は、潤滑流体吸収空
間内に引き込まれて貯留されるとともに、さらにこの潤
滑流体吸収空間から外部へ逃げようとする潤滑流体は、
シール板によって漏出を阻止されるようになっている。
とした場合における余剰の潤滑流体は、潤滑流体吸収空
間内に引き込まれて貯留されるとともに、さらにこの潤
滑流体吸収空間から外部へ逃げようとする潤滑流体は、
シール板によって漏出を阻止されるようになっている。
【0013】また請求項2にかかる装置は、請求項1記
載のシール部材は、回転軸を囲繞する環状磁石から形成
されているとともに、潤滑流体が磁性流体からなる構成
になされている。
載のシール部材は、回転軸を囲繞する環状磁石から形成
されているとともに、潤滑流体が磁性流体からなる構成
になされている。
【0014】このような請求項2にかかる装置によれ
ば、環状磁石の磁気的吸引力によって磁性流体からなる
潤滑流体が良好に保持され、潤滑流体の外部漏出が一層
潤滑流体吸収空間内に良好に防止されるようになってい
る。
ば、環状磁石の磁気的吸引力によって磁性流体からなる
潤滑流体が良好に保持され、潤滑流体の外部漏出が一層
潤滑流体吸収空間内に良好に防止されるようになってい
る。
【0015】さらに請求項3にかかる装置は、請求項1
記載の潤滑流体吸収部に余剰の潤滑流体を吸収する油吸
収部材が配置された構成になされている。
記載の潤滑流体吸収部に余剰の潤滑流体を吸収する油吸
収部材が配置された構成になされている。
【0016】このような請求項3にかかる装置によれ
ば、潤滑流体吸収空間における潤滑流体の吸収が油吸収
部材によって円滑且つ多量に行われ、潤滑流体の外部漏
出が一層良好に防止されるようになっている。
ば、潤滑流体吸収空間における潤滑流体の吸収が油吸収
部材によって円滑且つ多量に行われ、潤滑流体の外部漏
出が一層良好に防止されるようになっている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、まず本発明の実施の形態を
図面に基づいて詳細に説明する。図1に示されている本
発明の実施の形態は、前述したHDDスピンドルモータ
(図2参照)と同様な型式のモータに本発明を適用した
ものであって、モータの全体構造の説明は省略し、図1
に示した回転中心軸線より左側の要部について以下説明
する。
図面に基づいて詳細に説明する。図1に示されている本
発明の実施の形態は、前述したHDDスピンドルモータ
(図2参照)と同様な型式のモータに本発明を適用した
ものであって、モータの全体構造の説明は省略し、図1
に示した回転中心軸線より左側の要部について以下説明
する。
【0018】まず図1に示されているように、中空円筒
状の軸受ホルダー21の内周壁面には軸受部材22が固
定されており、この軸受部材22の内周面と回転軸の外
周面との対向部位に形成された軸受部24内に、所定の
磁性流体からなる潤滑流体25が充填されている。そし
てこの潤滑流体25の動圧によって上記回転軸23が回
転自在に支承されるようになっている。
状の軸受ホルダー21の内周壁面には軸受部材22が固
定されており、この軸受部材22の内周面と回転軸の外
周面との対向部位に形成された軸受部24内に、所定の
磁性流体からなる潤滑流体25が充填されている。そし
てこの潤滑流体25の動圧によって上記回転軸23が回
転自在に支承されるようになっている。
【0019】また上記軸受部材22の軸方向外側端(図
示上端)には、回転軸23に対して半径方向に着磁さ
れ、例えば内側がN極、外側がS極のように着磁された
シール部材としての環状磁石26が装着されており、当
該環状磁石26と回転軸23との対向部位にシール部2
7が画成されている。このシール部26は、上述した軸
受部24内の潤滑流体25の外部漏出を防止するように
設けられたものであって、軸受部24内の潤滑流体25
が、図1において下側に位置するスラスト軸受からシー
ル部27まで連続して一連に、すなわちラジアル軸受部
とスラスト軸受部との双方の間に空間部が形成されない
ように連続して充填されている。従ってこの潤滑流体2
5の液面25aは、上述した環状磁石26が回転軸21
に対向する壁面26aの途中位置に接触するように設定
されている。
示上端)には、回転軸23に対して半径方向に着磁さ
れ、例えば内側がN極、外側がS極のように着磁された
シール部材としての環状磁石26が装着されており、当
該環状磁石26と回転軸23との対向部位にシール部2
7が画成されている。このシール部26は、上述した軸
受部24内の潤滑流体25の外部漏出を防止するように
設けられたものであって、軸受部24内の潤滑流体25
が、図1において下側に位置するスラスト軸受からシー
ル部27まで連続して一連に、すなわちラジアル軸受部
とスラスト軸受部との双方の間に空間部が形成されない
ように連続して充填されている。従ってこの潤滑流体2
5の液面25aは、上述した環状磁石26が回転軸21
に対向する壁面26aの途中位置に接触するように設定
されている。
【0021】このとき上記環状磁石26の回転軸対向壁
面26aは、回転軸23に対する対向距離が外部側(図
1上方側)に向って徐々に拡大する傾斜壁面となるよう
にテーパ状に形成されており、これによって当該環状磁
石26の回転軸対向壁面26aに接触する潤滑流体25
の液面接触角が外部側(図示上方側)に向かって徐々に
増大するように構成されている。
面26aは、回転軸23に対する対向距離が外部側(図
1上方側)に向って徐々に拡大する傾斜壁面となるよう
にテーパ状に形成されており、これによって当該環状磁
石26の回転軸対向壁面26aに接触する潤滑流体25
の液面接触角が外部側(図示上方側)に向かって徐々に
増大するように構成されている。
【0022】さらに上述した軸受ホルダー21の最上端
開口部には、前記環状磁石26及びシール部27を軸方
向外側(図示上側)から覆うようにシール板28が取り
付けられている。このシール板28は、シール部27を
外部側(図示上側)と遮断するリング状の板部材から形
成されており、当該シール板28の図示下面と環状磁石
26の図示上面との間には、前記シール部27から漏出
した潤滑流体を保持するための潤滑流体吸収空間30が
画成されている。
開口部には、前記環状磁石26及びシール部27を軸方
向外側(図示上側)から覆うようにシール板28が取り
付けられている。このシール板28は、シール部27を
外部側(図示上側)と遮断するリング状の板部材から形
成されており、当該シール板28の図示下面と環状磁石
26の図示上面との間には、前記シール部27から漏出
した潤滑流体を保持するための潤滑流体吸収空間30が
画成されている。
【0023】さらに上記潤滑流体吸収空間30には、当
該潤滑流体吸収空間30内にある潤滑流体を吸収するよ
うに油吸収部材31が配置されている。この油吸収部材
31は、前記シール部27の軸方向内側(図示下側)面
に密着するようにして取り付けられており、例えば、フ
ェルトや不織布の他に、気孔率を高めた焼結金属やスポ
ンジ等の多孔質体が用いられる。但し、加熱されてもガ
スが発生しないものを採用することが好ましい。なおこ
の油吸収部材31は、シール板28から離して設けるこ
とも可能である。
該潤滑流体吸収空間30内にある潤滑流体を吸収するよ
うに油吸収部材31が配置されている。この油吸収部材
31は、前記シール部27の軸方向内側(図示下側)面
に密着するようにして取り付けられており、例えば、フ
ェルトや不織布の他に、気孔率を高めた焼結金属やスポ
ンジ等の多孔質体が用いられる。但し、加熱されてもガ
スが発生しないものを採用することが好ましい。なおこ
の油吸収部材31は、シール板28から離して設けるこ
とも可能である。
【0024】このような実施形態にかかる軸受装置にお
いては、軸受部24内の潤滑流体25がシール部27内
まで連続して一連に充填されているので、軸受部24と
シール部27との間に従来のような膨張性の大きい空間
(図2参照)が形成されなくなり、空間の熱膨張等によ
るシール部の破壊が防止されてシール部27が安定的に
維持されるようになっている。
いては、軸受部24内の潤滑流体25がシール部27内
まで連続して一連に充填されているので、軸受部24と
シール部27との間に従来のような膨張性の大きい空間
(図2参照)が形成されなくなり、空間の熱膨張等によ
るシール部の破壊が防止されてシール部27が安定的に
維持されるようになっている。
【0025】またシール部27内における潤滑流体25
の液面25aが、シール部材としての環状磁石26の外
方拡大傾斜壁面(回転軸対向壁面)26aの途中部分に
接していることから、回転軸23の回転中に衝撃や温度
変化によって潤滑流体25の液面25aが外部漏出方向
(図示上方向)へ移動した場合には、環状磁石26の外
方拡大傾斜壁面(回転軸対向壁面)26aの拡大に従っ
て潤滑流体25の液面曲率が徐々に小さくなっていき、
その液面曲率の変化が液面の抵抗となるので液面移動が
抑えられ、その結果、潤滑流体25の保持力が徐々に増
大されることとなって潤滑流体25の外部漏出が良好に
防止されることとなる。
の液面25aが、シール部材としての環状磁石26の外
方拡大傾斜壁面(回転軸対向壁面)26aの途中部分に
接していることから、回転軸23の回転中に衝撃や温度
変化によって潤滑流体25の液面25aが外部漏出方向
(図示上方向)へ移動した場合には、環状磁石26の外
方拡大傾斜壁面(回転軸対向壁面)26aの拡大に従っ
て潤滑流体25の液面曲率が徐々に小さくなっていき、
その液面曲率の変化が液面の抵抗となるので液面移動が
抑えられ、その結果、潤滑流体25の保持力が徐々に増
大されることとなって潤滑流体25の外部漏出が良好に
防止されることとなる。
【0026】さらに潤滑流体25が外部漏出しようとし
た場合における余剰の潤滑流体25は、潤滑流体吸収空
間30内に引き込まれ、特にこの潤滑流体吸収空間30
に設けられた油吸収部材31により円滑且つ多量に吸収
され保持される。さらにこの潤滑流体吸収空間30から
外部へ逃げようとする潤滑流体は、シール板28によっ
て漏出を阻止されるようになっている。
た場合における余剰の潤滑流体25は、潤滑流体吸収空
間30内に引き込まれ、特にこの潤滑流体吸収空間30
に設けられた油吸収部材31により円滑且つ多量に吸収
され保持される。さらにこの潤滑流体吸収空間30から
外部へ逃げようとする潤滑流体は、シール板28によっ
て漏出を阻止されるようになっている。
【0027】また本実施形態装置では、シール部材とし
て半径方向に着磁された環状磁石26が用いられている
ため、当該環状磁石26の磁気的吸引力によって磁性流
体からなる潤滑流体25が良好に保持されることとな
り、外部漏出が一層良好に防止されるようになってい
る。
て半径方向に着磁された環状磁石26が用いられている
ため、当該環状磁石26の磁気的吸引力によって磁性流
体からなる潤滑流体25が良好に保持されることとな
り、外部漏出が一層良好に防止されるようになってい
る。
【0028】以上本発明者によってなされた発明の実施
形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変形可能であるというのはいうまでもない。例えば、シ
ール部材として上述した実施形態のような磁石体を用い
る必要は必ずしもなく、また潤滑流体としても上述した
実施形態の磁性流体以外の流体であっても同様に採用す
ることができる。
形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変形可能であるというのはいうまでもない。例えば、シ
ール部材として上述した実施形態のような磁石体を用い
る必要は必ずしもなく、また潤滑流体としても上述した
実施形態の磁性流体以外の流体であっても同様に採用す
ることができる。
【0029】一方、本発明は、あらゆる種類のモータに
適用可能であるとともに、モータ以外の装置に対しても
同様に適用することができる。
適用可能であるとともに、モータ以外の装置に対しても
同様に適用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の動圧軸
受のシール装置は、軸受部とシール部との間に従来のよ
うな膨張性の大きい空間を形成しないように軸受部内の
潤滑流体をシール部内に連続して一連に充填するととも
に、シール部内における潤滑流体の液面をシール部材の
外方拡大傾斜壁面の途中位置に接触させて潤滑流体の液
面曲率を外方側に向かって徐々に大きくし、さらに潤滑
流体が外部漏出しようとした場合における余剰の潤滑流
体を吸収し保持しておく潤滑材吸収空間及びシール板を
設けることによって、潤滑流体の保持力を高め潤滑流体
の外部漏出を良好に防止するように構成したものである
から、簡易な構成で、軸受部からの潤滑流体の漏出を良
好に防止することができ、動圧軸受装置の信頼性を向上
させることができる。
受のシール装置は、軸受部とシール部との間に従来のよ
うな膨張性の大きい空間を形成しないように軸受部内の
潤滑流体をシール部内に連続して一連に充填するととも
に、シール部内における潤滑流体の液面をシール部材の
外方拡大傾斜壁面の途中位置に接触させて潤滑流体の液
面曲率を外方側に向かって徐々に大きくし、さらに潤滑
流体が外部漏出しようとした場合における余剰の潤滑流
体を吸収し保持しておく潤滑材吸収空間及びシール板を
設けることによって、潤滑流体の保持力を高め潤滑流体
の外部漏出を良好に防止するように構成したものである
から、簡易な構成で、軸受部からの潤滑流体の漏出を良
好に防止することができ、動圧軸受装置の信頼性を向上
させることができる。
【0031】また請求項2記載の装置は、シール部材と
して環状磁石を採用し、その環状磁石の磁気的吸引力に
よって磁性流体からなる潤滑流体を良好に保持し、潤滑
流体の外部漏出を一層良好に防止するように構成したも
のであるから、上述した請求項1における効果を一層高
めることができる。
して環状磁石を採用し、その環状磁石の磁気的吸引力に
よって磁性流体からなる潤滑流体を良好に保持し、潤滑
流体の外部漏出を一層良好に防止するように構成したも
のであるから、上述した請求項1における効果を一層高
めることができる。
【0032】さらに請求項3記載の装置は、潤滑流体吸
収空間に、余剰の潤滑流体を吸収する油吸収部材を配置
し、潤滑流体吸収空間における潤滑流体の吸収を油吸収
部材によって円滑且つ多量に行わせ、潤滑流体の外部漏
出を一層良好に防止するように構成したものであるか
ら、上述した請求項1における効果を一層高めることが
できる。
収空間に、余剰の潤滑流体を吸収する油吸収部材を配置
し、潤滑流体吸収空間における潤滑流体の吸収を油吸収
部材によって円滑且つ多量に行わせ、潤滑流体の外部漏
出を一層良好に防止するように構成したものであるか
ら、上述した請求項1における効果を一層高めることが
できる。
【図1】本発明の一実施形態を表した部分拡大横断面図
である。
である。
【図2】動圧軸受装置及びシール装置を有するモータの
一例を表した判断面説明図である。
一例を表した判断面説明図である。
22 軸受部材 23 回転軸 24 軸受部 25 潤滑流体 25a 潤滑流体の液面 26 環状磁石(シール部材) 26a 外方拡大傾斜壁面(回転軸対向壁面) 27 シール部 28 シール板 30 潤滑流体吸収空間 31 油吸収部材
Claims (3)
- 【請求項1】 回転軸と軸受部材とが対向して形成され
た軸受部内に所定の潤滑流体が充填され、当該潤滑流体
の動圧によって上記回転軸が回転自在に支承されるとと
もに、上記回転軸とシール部材とが対向して形成された
シール部によって、前記潤滑流体の外部側への漏出が防
止されるように構成された動圧軸受のシール装置におい
て、上記シール部材が、前記軸受部材の軸方向外側端におい
て前記回転軸と対向するように装着され、 上記潤滑流体は、当該潤滑流体の液面が前記シール部材
の回転軸対向壁面に接触するように前記軸受部からシー
ル部まで連続して一連に充填されて、前記シール部内に
おける潤滑流体の液面位置が、シール部材の回転軸対向
壁面の軸方向途中位置に設定されているとともに、 上記シール部材の回転軸対向壁面は、回転軸との間の距
離が外部側に向って徐々に拡大する傾斜壁面に形成さ
れ、 且つ前記シール部を軸方向外側から覆って当該シール部
を外部側から遮断するシール板が、前記シール部より軸
方向外側において前記回転軸と対向するように前記軸受
部材側に取り付けられているとともに、 上記シール板とシール部材との間には、前記シール部か
ら漏出した潤滑流体を保持する潤滑流体吸収空間が設け
られている、ことを特徴とする動圧軸受のシール装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のシール部材は、回転軸を
囲繞する環状磁石から形成されているとともに、潤滑流
体が磁性流体からなることを特徴とする動圧軸受のシー
ル装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の潤滑流体吸収空間には、
当該潤滑流体吸収空間内の潤滑流体を吸収する油吸収部
材が配置されていることを特徴とする動圧軸受のシール
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7266224A JP3053560B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 動圧軸受のシール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7266224A JP3053560B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 動圧軸受のシール装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0988979A JPH0988979A (ja) | 1997-03-31 |
JP3053560B2 true JP3053560B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=17427997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7266224A Expired - Fee Related JP3053560B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 動圧軸受のシール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3053560B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004144284A (ja) * | 2002-08-28 | 2004-05-20 | Seiko Instruments Inc | 流体動圧軸受装置、モータ、および記録媒体駆動装置 |
CN102042300B (zh) * | 2009-10-12 | 2014-03-26 | 富准精密工业(深圳)有限公司 | 轴承系统 |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP7266224A patent/JP3053560B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0988979A (ja) | 1997-03-31 |
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