JP3673799B2 - 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置 - Google Patents

流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、軸体支持部との隙間に充填された流体の動圧により軸体を回転自在に支持する流体動圧軸受、この流体動圧軸受を備えたモータ、およびこのモータを備えた記録媒体駆動装置に関する。
近年では、モータの高速回転に対応しうる軸受として、オイル、水等の液体を利用した流体動圧軸受の開発が行われている。この流体動圧軸受は、軸体とハウジング(軸体支持部)との隙間に液体を満たして、これらが互いに接触しないように軸体とハウジングとを相互に回転させるものである。軸体は、その径方向外方側に突出する略円環状のフランジ(スラスト軸部)を備えており、フランジの表面及び裏面の環状領域には、ハウジングの内面との間に動圧を発生させるV字形の動圧発生溝が形成されている。この軸体をハウジングに対して回転させた際には、動圧発生溝によってフランジの内周縁側及び外周縁側から径方向に液体が引き込まれ、フランジの径方向の中途部において最大の動圧が発生することになる。
従来の流体軸受装置においては、軸体の回転の際にフランジの表面側及び裏面側の隙間で発生する動圧が等しくなるように、動圧発生溝を形成した環状領域の径方向内側に軸体の軸方向に貫通する貫通孔を形成している(例えば、特許文献1参照。)。
一般に、このフランジの動圧発生溝は、軸体の製造効率を考慮して、フランジを軸方向から挟み込むプレス加工により形成されている。なお、このプレス加工の際には、フランジの表面及び裏面のうち、動圧発生溝の形成部分が軸方向に押される。
特開平10―196643号公報(第3頁、第1図)
前述のプレス加工の際には、フランジの外周縁側についてはプレス加工により押される部分がフランジの径方向外方側に逃げることができるが、フランジの内周縁側についてはプレス加工により押される部分の逃げ場が無い。このため、動圧発生溝の内周縁側が浅く、かつ、動圧発生溝の外周縁側が深く形成されることになり、動圧発生溝の深さ寸法がフランジの内周縁から外周縁に向けて順次深くなるように傾斜する。また、この動圧発生溝の傾斜角度はフランジの表面側と裏面側との間で相互に異なる。
そして、この軸体を回転させた際には、この動圧発生溝の傾斜に基づいて、フランジの内周縁側から引き込まれる液体の量と、外周縁側から引き込まれる液体の量とが相互に異なる。特に、フランジの内周縁側における局所的な液体の引き込み量が不安定となるため、動圧が最大となる位置が不安定になるという問題があった。さらに、動圧が最大となる位置が不安定になることにより、ハウジングに対して軸体が振動するという問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、軸体を安定して回転させることができる流体動圧軸受を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の流体動圧軸受は、略円柱状に形成された円柱部を有する軸体と、閉塞端を有し、前記軸体を回転自在に収容する軸体挿入穴を形成した軸体支持部と、前記軸体と前記軸体挿入との間に形成される隙間に充填された流体とを備え、前記軸体または前記軸体支持部のいずれか一方に、半径方向外方に延びて鍔状に形成されたスラスト軸部が一体的に備えられ、他方に前記スラスト軸部に軸方向に対向するスラスト軸受面が備えられ、前記スラスト軸受面に対向する前記スラスト軸部の外面に、前記軸体と前記軸体支持部とを相対的に回転させた際に、前記スラスト軸部の内周縁および外周縁から径方向の中途部に向けて前記流体を引き込む動圧発生溝がプレス加工により形成され、該動圧発生溝を形成した前記外面の環状領域の内周縁側から前記中途部よりも径方向内側までの間に、前記軸体の中心軸線方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成されていることを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受によれば、軸体と軸体支持部とを相対的に回転させた際には、動圧発生溝により流体がスラスト軸部の径方向の中途部に向けて引き込まれ、この中途部において軸体を軸方向に支持する流体の動圧が最大となる。
このとき、スラスト軸部の内周縁側から中途部に向けて引き込まれる流体が貫通孔側から安定して相互に供給されるため、軸体の中心軸線方向に面する動圧発生溝がスラスト軸部の内周縁から外周縁に向けて傾斜していても上/下の圧力差が均等になるので、スラスト軸部の内周縁側に位置する動圧発生溝における局所的な流体の引き込み量が安定する。したがって、動圧が最大となる位置が中途部から径方向に移動することを防止でき、軸体支持部に対して軸体が振動することを防止できる。
本発明の流体動圧軸受は、略円柱状に形成された円柱部を有する軸体と、閉塞端を有し、前記軸体を回転自在に収容する軸体挿入穴を形成した軸体支持部と、前記軸体と前記軸体挿入との間に形成される隙間に充填された流体とを備え、前記軸体または前記軸体支持部のいずれか一方に、半径方向に延びて鍔状に形成されたスラスト軸部が備えられ、他方に前記スラスト軸部に軸方向に対向するスラスト軸受面が備えられ、前記スラスト軸受面または該スラスト軸受面に対向する前記スラスト軸部の外面に、前記軸体と前記軸体支持部とを相対的に回転させた際に、前記スラスト軸部の内周縁および外周縁から径方向の中途部に向けて前記流体を引き込む複数の動圧発生溝が形成され、該動圧発生溝を形成した前記外面の環状領域の内周縁側から前記中途部よりも径方向内側までの間に、中心軸線方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成され、該貫通孔が、前記動圧発生溝のいずれかに接続する位置に設けられていることを特徴とする。
この発明に係る流体動圧軸受によれば、軸体と軸体支持部とを相対的に回転させた際には、動圧発生溝により流体がスラスト軸部の径方向の中途部に向けて引き込まれ、この中途部において軸体を軸方向に支持する流体の動圧が最大となる。
この際には、スラスト軸部の内周縁側から中途部に向けて引き込まれる流体が貫通孔側から安定して相互に供給されるため、軸体の中心軸線方向に面する動圧発生溝がスラスト軸部の内周縁から外周縁に向けて傾斜していても上/下の圧力差が均等になるので、スラスト軸部の内周縁側に位置する動圧発生溝における局所的な流体の引き込み量が安定する。したがって、動圧が最大となる位置が中途部から径方向に移動することを防止でき、軸体支持部に対して軸体が振動することを防止できる。
上記発明においては。前記貫通孔のほぼ全体が、前記動圧発生溝を形成した前記環状領域に配置されていることが好ましい。
また、上記発明においては、前記環状領域の半径方向内方に、全周にわたって円環状に形成された溝からなるニゲ部が設けられ、前記貫通孔が、前記動圧発生溝、動圧発生溝以外の前記環状領域およびニゲ部に接続する位置に配置されていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記貫通孔が複数形成され、これら複数の貫通孔が前記中心軸線を中心として、前記スラスト軸部の周方向に等しい間隔をあけて配列されていることが好ましい。
この発明に係る流体動圧軸受によれば、周方向に等しい間隔を空けて配列された複数の貫通孔から流体が相互に供給されるため、軸体と軸体支持部とを相対的に回転させた際には、周方向にわたって中途部で発生する動圧が等しくなり、軸体支持部に対して軸体が振動することを確実に防止できる。
また、本発明に係るモータは、前記流体動圧軸受と、前記軸体支持部に対して前記軸体を回転させる駆動手段とを備えていることを特徴とする。
この発明に係るモータによれば、駆動手段の駆動力により軸体を回転させても、軸体支持部に対して軸体が振動することを防止できるため、一定の駆動力で軸体を安定して回転させることができる。
また、本発明に係る記録媒体駆動装置は、モータを備え、前記軸体に薄板状の記録媒体を固定する固定部が設けられていることを特徴とする。
この発明に係る記録媒体駆動装置によれば、一定の駆動力により軸体及び記録媒体を安定して回転させることができ、記録媒体に記録を書き込む際、もしくは、記録媒体から記録を読み出す際の不具合を防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、環状領域の内周縁側から中途部までの間に、軸体の軸線方向に貫通する貫通孔を形成することにより、動圧が最大となる位置が中途部から径方向に移動することを防止できるため、軸体支持部に対して軸体を安定して回転させることができる。
また、軸体と軸体支持部とを相対的に回転させた際に、スラスト軸部と軸体支持部とが相互に接触することを防止できるため、この接触による軸体及び軸体支持部が傷つくことを防止できる。
さらに、貫通孔を軸対称となる位置に配したり、周方向に均等に配することにより、軸体支持部に対して軸体が振動することを確実に防止でき、軸体をより安定して回転させることができる。
また、この流体動圧軸受をモータに設けた場合には、一定の駆動力で軸体の安定した回転を実現できるため、駆動手段の駆動力の制御が容易となると共に、駆動力に要するエネルギーの省力化を図ることができる。
さらに、このモータを記録媒体駆動装置に設けた場合には、一定の駆動力により軸体及び記録媒体を安定して回転させることができるため、記録媒体に記録を書き込む際、もしくは、記録媒体から記録を読み出す際の不具合を防止することができる。
〔第1の実施の形態〕
図1から図3はこの発明に係る第1の実施形態を示す図である。この実施の形態に係る流体動圧軸受は、薄板の円盤状に形成された磁気ディスク、光ディスク等のディスク型記録媒体を回転させる記録媒体駆動装置に適用したものである。図1に示すように、この記録媒体駆動装置1は、ステータ2と、ステータ2に対して中心軸線A1回りに回転するロータ3と、ステータ2に対してロータ3を回転自在に支持する液体動圧軸受(流体動圧軸受)4とを備えている。
液体動圧軸受4は、断面略十字型の円柱状に形成された軸体6と、軸体6を回転自在に収容する断面略十字型の軸体挿入穴7aを有するスリーブ(軸体支持部)7と、軸体挿入穴7aと軸体6との隙間に充填されたオイル(流体)9とを備えている。
軸体6は、図2に示すように、その中心軸線A1方向の中央部から径方向に突出して鍔状に形成されたスラスト軸部11と、中心軸線A1方向の両側に突出する略円柱状の支持部(円柱部)13およびラジアル軸部(円柱部)15とを備えており、これらスラスト軸部11、支持部13およびラジアル軸部15は一体的に形成されている。
スリーブ7は、有底略円筒状のスリーブ本体17と、軸体6の支持部13を突出させた状態で、軸体6との間に隙間を空けてスリーブ本体17の開放端を塞ぐアッパープレート19とから構成されている。スリーブ本体17は、小径円筒部21と大径円筒部23とから構成されている。
小径円筒部21は、軸体挿入穴7aのうち閉塞端側を形成する穴25を有しており、この穴25には隙間R1,R2を空けてラジアル軸部15を挿入できるようになっている。大径円筒部23は、軸体挿入穴7aの開放端側を形成する貫通孔27を有しており、この貫通孔27には隙間R3を空けてスラスト軸部11を挿入できるようになっている。これら小径円筒部21および大径円筒部23は、一体的に形成されている。
アッパープレート19は、略円盤状に形成されており、その中心軸線A1方向に支持部13を挿入するための貫通孔29が形成されている。この貫通孔29は、小径円筒部21の穴25および大径円筒部23の貫通孔27と共に軸体挿入穴7aを構成している。また、このアッパープレート19と支持部13との間にはキャピラリーシールが施されており、このキャピラリーシールにより軸体6と軸体挿入穴7aとの隙間からオイル9が漏出しないようになっている。
なお、スラスト軸部11を大径円筒部23の貫通孔27に挿入し、かつ、アッパープレート19により大径円筒部23の貫通孔27の一端を塞いだ状態においては、スラスト軸部11の表面(外面)11aと表面11aに対向するアッパープレート19の裏面(内面、スラスト軸受面)19aとの間に隙間R4が形成される。またこの状態においては、スラスト軸部11の裏面(外面)11bと裏面11bに対向する小径円筒部21の軸方向の端面(内面、スラスト軸受面)21aとの間に隙間R5が形成される。
前述したラジアル軸部15の外周面15aには、へリングボーンと呼ばれるラジアル動圧発生溝31が複数形成されている。このラジアル動圧発生溝31は、軸体6を中心軸線A1回りに回転させた際に、オイル9を小径円筒部21の穴25の内周面25aとの隙間R2に集めて動圧を発生させるものであり、この動圧がスリーブ7に対する軸体6の径方向の軸受の役割を果たしている。
また、スラスト軸部11の表面11a及び裏面11bにも、図2,3に示すように、へリングボーンと呼ばれるV字状のスラスト動圧発生溝33,35が周方向に複数形成されている。これらスラスト動圧発生溝33,35は、軸体6を回転させた際に、アッパープレート19及び小径円筒部21との隙間R4,R5にオイル9を集めて動圧を発生させるものであり、この動圧がスリーブ7に対する軸体6の中心軸線方向の軸受の役割を果たしている。
なお、軸体6を回転させた際には、スラスト軸部11の外周縁側及び内周縁側からそれぞれスラスト動圧発生溝33,35に沿う方向にオイル9が引き込まれる。そして、このオイル9の引き込みより発生する動圧は、スラスト動圧発生溝33,35の屈曲部33a,35a付近において最大となる、すなわち、スラスト軸部11の径方向の中途部において最大となる。
これらオイル9、ラジアル動圧発生溝31及びスラスト動圧発生溝33,35により、スリーブ7に対して軸体6を回転可能に支持する動圧発生部30が構成されている。
また、スラスト軸部11の表面11a及び裏面11bは、スラスト動圧発生溝33,35を形成した環状領域37,39と、環状領域37,39の径方向内側に位置し、スラスト動圧発生溝33,35が形成されていない内側領域36,38とに区画されている。そして、この環状領域37,39の内周縁側には、スラスト軸部11の表面11aから裏面11bまで中心軸線A1方向に貫通する貫通孔41が2つ形成されている。
各貫通孔41は、環状領域37,39及び内側領域36,38の両方にわたって形成されると共に、スラスト動圧発生溝33,35に連結されている。また、2つの貫通孔41は、中心軸線A1を中心として相互に対称な位置に配されている。
ステータ2は、図1に示すように、浅底の略円筒状に形成されたべース部材51と、ベース部材51の内周面51aに固定された複数のコア53と、各コア53に巻き付けられた導線からなるコイル55とを備えている。ベース部材51の底壁部52の中央部には、中心軸線A1を中心とした穴52aが形成されており、この穴52aに液体動圧軸受4のスリーブ本体17が固定されるようになっている。コイル55は、図示しない電源と電気的に接続されており、コア53およびコイル55により交番磁界が形成できるようになっている。
ロータ3は、略円板状に形成された底壁部61と、この底壁部61の周縁から中心軸線A1方向に突出する略円筒状の円筒壁部63とから構成されている。
底壁部61の中央部には、中心軸線A1を中心とした貫通孔61aが形成されており、この貫通孔61aに軸体挿入穴7aの外方に突出する軸体6の支持部13の端部13aを嵌め込むことにより、ロータ3が軸体6に固定されることになる。また、円筒壁部63の外周面63aには、円環状に形成された永久磁石65が固定されている。
永久磁石65は、円環状に複数の磁極を配列し、これら各磁極の磁束方向が永久磁石65の径方向と略一致する所謂ラジアル異方性若しくは等方性のネオジウム磁石である。この永久磁石65は、その外周面65aがコア53及びコイル55に対向するように配されている。したがって、コア53及びコイル55において発生させる交番磁界を永久磁石65に作用させることにより、ロータ3がステータ2に対して中心軸線A1を中心として回転することになる。
これらコア53、コイル55及び永久磁石65により、ステータ2及びスリーブ7に対してロータ3及び軸体6を回転させる駆動手段5が構成され、また、液体動圧軸受4及び駆動手段5によりモータ70が構成されている。
また、ロータ3の底壁部61の周縁には、ディスク型記録媒体(記録媒体)80を支持するための段部(固定部)61bが形成されている。この段部61bにディスク型記録媒体80の中央に形成された中央孔80aを飲め込むことにより、ディスク型記録媒体80が、ロータ3及び軸体6と共に中心軸線A1回りに回転することができる。
このように構成された記録媒体駆動装置1によりディスク型記録媒体80を回転させる際には、コア53およびコイル55において交番磁界を発生させ、この交番磁界を永久磁石65に作用させてロータ3を回転させる。この際には、軸体6が中心軸線A1回りに回転し、動圧発生部30において発生する動圧によってスリーブ7が軸体6およびロータ3を回転可能に支持する。
また、この際には、スラスト動圧発生溝33,35によってスラスト軸部11の内周縁側から中途部に向けて引き込まれるオイル9が、貫通孔41側から安定して供給されるため、スラスト動圧発生溝33,35がプレス加工によりスラスト軸部11の内周縁から外周縁に向けて傾斜していても、屈曲部33a,35aよりもスラスト軸部11の内周縁側に位置するスラスト動圧発生溝33,35における局所的なオイル9の引き込み量が安定する。したがって、動圧が最大となる位置が中途部から径方向に移動することを防止でき、スリーブ7に対して軸体6が振動することを防止できる。
なお、この回転の際には、オイル9が貫通孔41からスラスト動圧発生溝33,35に供給されると共に、その一部が貫通孔41内に引き戻される、すなわち、貫通孔41からオイル9が相互に供給されることになる。
上記のように、この液体動圧軸受4によれば、スラスト動圧発生溝33,35を形成した環状領域37,39の内周縁側から中途部までの間に、軸体6の中心軸線A1方向に貫通する貫通孔41を形成することにより、動圧が最大となる位置が中途部から径方向に移動することを防止できるため、スリーブ7に対して軸体6を安定して回転させることができる。
また、軸体6とスリーブ7とを相対的に回転させた際に、スラスト軸部11とスリーブ7とが相互に接触することを防止できるため、この接触による軸体6及びスリーブ7が傷つくことを防止できる。
さらに、回転の際には、軸対称の位置に配された2つの貫通孔41からオイル9が相互に供給されるため、中心軸線A1の軸対称に位置する中途部で発生する動圧が相互に等しくなり、スリーブ7に対して軸体6が振動することを確実に防止できる。
また、この液体動圧軸受4が、駆動手段5を備えたモータ70に適用される場合には、駆動手段5の駆動力により軸体6を回転させても、スリーブ7に対して軸体6が振動することを防止できるため、一定の駆動力で軸体6を安定して回転させることができる。
さらに、このモータ70が、ディスク型記録媒体80を回転させる記録媒体駆動装置1に適用される場合には、一定の駆動力により軸体6及びディスク型記録媒体80を安定して回転させることができ、ディスク型記録媒体80に記録を書き込む際、もしくは、記録媒体から記録を読み出す際の不具合を防止することができる。
なお、上記の実施形態においては、貫通孔41が、互いに軸対称となる位置に2つ形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、複数の貫通孔41をスラスト軸部11の周方向に等しい間隔を空けて配列するとしても良い。この構成の場合には、軸体6とスリーブ7とを相対的に回転させた際に、周方向にわたって中途部で発生する動圧が等しくなり、スリーブ7に対して軸体6が振動することを確実に防止できる。
また、貫通孔41は、スラスト軸部11の環状領域37,39及び内側領域36,38の両方にわたって形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも環状領域37,39のみに形成されるとしてもよい。
さらに、貫通孔41は、動圧発生溝33,35に連結するように形成されるとしたが、これに限ることはなく、動圧発生溝33,35に連結されない環状領域37,39に形成するとしても良い。
また、貫通孔41は、環状領域37,39の内周縁側に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも動圧が最大となるスラスト軸部11の中途部よりも径方向内方側に位置する環状領域37,39に形成されていればよい。
さらに、軸体6を回転させた際には、オイル9の一部が貫通孔41内に引き戻されるとしたが、これに限ることはなく、オイル9が少なくとも貫通孔41からスラスト動圧発生溝33,35に向けて供給されていればよい。
また、スラスト動圧発生溝33,35は、スラスト軸部11の表面11a及び裏面11bの両方に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも表面11a若しくは裏面11bのいずれか一方に形成されていればよい。ただし、例えば、スラスト軸部11の表面11aにスラスト動圧発生溝33を形成しない場合には、アッパープレート19の裏面19aにスラスト動圧発生溝を形成する必要がある。また、例えば、スラスト軸部11の裏面11bにスラスト動圧発生溝35を形成しない場合には、小径円筒部21の端面21aにスラスト動圧発生溝を形成する必要がある。
あるいは、スラスト軸部11の表面11a及び裏面11bにスラスト動圧発生溝33,35を形成せずに、アッパープレート19の裏面19aにスラスト動圧発生溝33を形成し、小径円筒部21の端面21aにスラスト動圧発生溝35を形成してもよい。
さらに、軸体6と軸体挿入穴7aとの隙間R1〜R5にオイル9を充填するとしたが、これに限ることはなく、少なくとも液体を充填していればよい。また、液体に限ることはなく、例えば、軸体6を回転可能に支持する気体を充填するとしても構わない。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図4から図8を参照して説明する。
本実施の形態の記録媒体駆動装置の基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、液体動圧軸受の構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図4および図8を用いて液体動圧軸受の周辺のみを説明し、ステータやロータ等の説明を省略する。
図4は、本実施の形態に係る記録媒体駆動装置における液体動圧軸受の構成を示す断面図である。
本実施形態に係る液体動圧軸受(流体動圧軸受)110は、図4に示すように、上述したロータ(軸体)116と、ロータ116を回転自在に支持する軸体挿入孔を有するスリーブ(軸体支持部)122と、スリーブ122からロータ116が抜けるのを防止する抜け止め部133と、から概略構成されている。
ロータ116は、略円柱状のシャフト(円柱部)134と、シャフト134の一端において、その外周面に全周にわたって半径方向外方に延びる鍔状の円板部135と、が一体的に構成されている。円板部135のスリーブ122と対向する面(内面、スラスト軸受面)には、後述するスラスト軸部139を収容する凹部136と、抜け止め部133と、が形成されている。また、円板部135には永久磁石114を保持するヨーク152が形成され、円板部135の上面(図4中の上向きの面)には、記録媒体HDと嵌合する嵌合部(固定部)118が形成されている。
シャフト134の外周面には、へリングボーン溝と呼ばれるラジアル動圧発生溝137がシャフト134の軸線方向に2列並んで形成されている。これらラジアル動圧発生溝137は、シャフト134の一端側からシャフト134外周面を構成する円筒面の母線に対して一方向に傾斜して延びる溝と、円板部135側から逆方向に傾斜して延びる溝とを組み合わせて構成されている。つまり、これら一対の溝は、シャフト134の回転方向に向かって広がるように構成されている。また、ラジアル動圧発生溝137は、図4に示すように、交わらず溝同士の間に間隔が形成されているが、これら一対の溝が交わるように形成し、一本の屈曲した溝として形成されてもよい。
スリーブ122は、シャフト134を回転自在に支持する円筒部138と、円筒部138の一端において、その外周面に全面にわたって半径方向外方に延びる鍔状のスラスト軸部139と、から構成されている。
円筒部138の下方(図4中の下方向)の端部には、円筒部138の底面を形成する底板140が配置されている。
図5は、図4の液体動圧軸受110のキャピラリーシール142を説明する拡大断面図である。
円筒部138の下方には、図4および図5に示すように、ステータ111のボス部112に嵌合されるスリーブ嵌合部141が形成され、スラスト軸部139とスリーブ嵌合部141との間には、後述する抜け止め部シール面153とともにキャピラリーシール142を形成するスリーブシール面143が形成されている。スリーブシール面143は、スリーブ嵌合部141に向かって半径方向内方に傾斜する傾斜面として形成されている。また、スリーブシール面143とスリーブ嵌合部141との境目の段差には、面取り状に形成されたオイル切り面144が備えられている。
図6(a)は、本実施形態における流体動圧軸受のスラスト軸部139の上方の端面に形成されたスラスト動圧発生溝147を説明する平面図であり、図6(b)は、本実施形態におけるスラスト軸部139の下方の端面に形成されたスラスト動圧発生溝147を説明する平面図である。
図4に示す、スラスト軸部139の厚さ方向の上方の端面(外面)139aおよび下方の端面(外面)139bには、図6(a),(b)にそれぞれ示すように、半径方向内方の全周にわたって形成された円環状のニゲ部145と、ニゲ部145の半径方向外方に隣接配置された円環状のスラスト面146とが備えられている。スラスト面146には、へリングボーン溝と呼ばれる多数のスラスト動圧発生溝(動圧発生溝)147が形成されている。これらのスラスト動圧発生溝147は、それぞれニゲ部145側から半径方向外方に向かって、半径方向に対し一方向に傾斜して円弧状に延びた後、途中位置(中途部)において屈曲し逆方向に傾斜して外周縁まで延びている。
また、スラスト軸部139には、図4および図6に示すように、スラスト軸部139を厚さ方向に貫通する2つの貫通孔148が設けられている。これらの貫通孔148は、シャフト134の中心軸線周りに180°の角度間隔をあけて、同一半径方向位置に形成されている。各貫通孔148は、ニゲ部145に隣接する位置のスラスト面146に形成されているとともに、スラスト面に開口する開口部に、開口方向に向かって漸次広がるテーパ状の面取り部149を備えている。面取り部149は、その開口端側において、ニゲ部145に重なる位置に形成されている。その結果、ニゲ部145の溝壁を一部切り欠いて、貫通孔148とニゲ部145とを接続する連通凹部を構成している。
抜け止め部133は、図4および図5に示すように、ロータ116がスリーブ122から抜けるのを防止する抜け止め円板150と、スリーブ122とともにキャピラリーシール142を形成するシール円筒151と、から概略構成されている。
抜け止め円板150は、ロータ116のヨーク152に固定されることにより、凹部136との間にスラスト軸部139を保持するように形成されている。抜け止め円板150とヨーク152とは、接着剤Gにより固定されてもよいし、溶接により固定されてよく、抜け止め円板150とヨーク152とが隙間なく固定されることが好ましい。このように隙間なく固定することにより、後述するオイルが抜け止め円板150とヨーク152との隙間から漏れ出すことがない。
シール円筒151は、抜け止め円板150の内周面にステータ111側に向かって延びるように配置されている。シール円筒151の内周には、上述したスリーブシール面143に対向する領域に、スリーブシール面143とともにキャピラリーシール142を形成する抜け止め部シール面153が形成されている。抜け止め部シール面153は、抜け止め円板150から離れる方向に向かって、半径方向内方に傾斜する傾斜面として形成されている。抜け止め部シール面153と抜け止め円板150から離れる方向に隣接する円筒内周面154には、円環状に溝155が形成されている。なお、円筒内周面154は、円筒状に形成されていてもよいし、抜け止め部シール面153と同様に傾斜した面から形成されていてもよい。
また、スリーブシール面143と抜け止め部シール面153との隙間から形成されるキャピラリーシール142は、抜け止め円板150から離れる方向に向かって、その隙間が広がるように構成されている。
なお、シール円筒151の半径方向外方の空間は、永久磁石114などを埋め込む空間として利用してもよい。
図4に示すように、シャフト134とスリーブ122との間、およびスリーブ122と抜け止め部133との間には、それぞれ隙間C1からC4が設けられている。すなわち、スラスト動圧発生溝147が形成されたスラスト軸部139の一方の端面139aのスラスト面146と、これに対向するロータ116の凹部136の内面との間、および他方の端面139bのスラスト面146と、これに対向する抜け止め部の面との間には、それぞれ隙間C1,C2が形成されている。また、ラジアル動圧発生溝137が形成されたシャフト134の外周面と円筒部138の内周面との間には、円筒部138の中央にシャフト134が配置された状態で、均一な隙間C3が形成されるようになっている。さらに、シャフト134の端面とスリーブ122の底板140との間には、隙間C4が形成されている。
これら隙間C1,C2,C3には、オイル(流体)9が充填され、オイル9の液面がキャピラリーシール142に位置するように充填されている。そのため、キャピラリーシール142は、オイル9をその表面張力によって外部に漏れないように保持することができる。
これにより、ロータ116がスリーブ122に対して、その中心軸線回りに一方向に回転させられると、隙間C3のラジアル動圧発生溝137形成領域では、ラジアル動圧発生溝137に沿って、スリーブ122の底板140側および円板部135側からオイル9が引き込まれる。その結果、引き込まれたオイル9が集まる位置に動圧がピークとなる領域が全周にわたって形成される。この動圧のため、シャフト134がスリーブ122の半径方向略中央に保持される。
また、隙間C1および隙間C2には、スラスト動圧発生溝147に沿って、スラスト面146の外周縁側およびニゲ部145側からオイル9が引き込まれる。その結果、動圧が発生する円環状の動圧発生領域(環状領域)Aが全周にわたって形成される。この動圧のため、スラスト軸部139は、凹部136の内面と抜け止め部133の面との間の軸方向の略中央位置に保持されつつ回転されることができる。
このように構成された本実施形態に係る流体動圧軸受110、これを備えるモータ117および記録媒体駆動装置101の作用について、以下に説明する。
また、ロータ116が一方向に回転させられると、ロータ116と一体のシャフト134も一方向に回転させられる。このとき、シャフト134に設けられたラジアル動圧発生溝137およびスリーブ122に設けられたスラスト動圧発生溝147により、隙間C1,C2,C3に動圧が発生する。シャフト134の外周面に発生する動圧は、全周にわたって均一に発生するので、シャフト134がスリーブ122の中心軸線位置にバランスして保持される。また、スラスト軸部139のスラスト面146に発生する動圧は、それぞれが同等の動圧によってスラスト軸部139を厚さ方向に押圧するので、スラスト軸部139が、ロータ116の凹部136の内面と抜け止め部133の面との間の空間の軸方向の略中央位置にバランスして保持される。
この場合において、モータ117の停止時には、動圧が発生していないため、ロータ116はスリーブ122内において重力方向に下降している。したがって、例えば、図4に示すような上下関係に記録媒体駆動装置101が設置されている場合には、ロータ116がスリーブ122に対して軸方向に下降した状態となり、上側の隙間C1は下側の隙間C2よりも小さくなる。この状態でモータ117を起動すると、各隙間C1,C2においては、スラスト動圧発生溝147によりオイル9がニゲ部145側から半径方向外方に引き込まれる。このとき本実施形態に係る液体動圧軸受110によれば、スラスト面146に開口する貫通孔148が設けられているので、上側の狭い隙間C1には下側の広い隙間C2から貫通孔148を介してオイル9が供給される。
その結果、狭い隙間C1においてオイル9が引き込まれることによる過度の負圧状態の発生が防止され、オイル9中における気泡の発生が未然に防がれる。特に、貫通孔148をスラスト面146に開口させることにより、オイル9をスラスト面146に直接供給することができ、起動時の急激なオイル9の引き込みによっても気泡の発生を防止することができる。
また、本実施形態によれば、貫通孔148の開口部に面取り部149が設けられることにより、貫通孔148から動圧発生領域Aに供給されるオイルが動圧発生部Aに広がるようにスムーズに供給されることになるので、さらに効果的である。
オイル9内における気泡の発生を防止することにより、動圧発生領域Aに発生する動圧の変動を防止して、ロータ116を振動させることなく安定して回転させることができる。また、気泡の発生を防止することにより、ロータ116とスリーブ122との間、およびスリーブ122と抜け止め部133との間に、常にオイル9を介在させておくことができる。その結果、ロータ116とスリーブ122との接触、またはスリーブ122と抜け止め部133との接触による損傷などを防止することができる。
さらに、気泡の発生によりオイル9が隙間C1からC4から追い出されることを防止して、オイル漏れ等の不具合発生を防止することができる。また、オイル漏れの発生を防止できるため、漏れたオイルを吸収する吸収部材を備える必要がなくなり、記録媒体駆動装置101の薄型化を図りやすくすることができる。
また、仮に気泡が発生した場合、あるいは、気泡が混入していた場合においては、ロータ116が回転することにより、気泡が貫通孔148内に引き込まれる。引き込まれた気泡は貫通孔148内に留まるため、動圧発生領域Aに気泡が滞留して上述した種々の不都合の発生を防止することができる。
また、本実施形態に係る液体動圧軸受110においては、貫通孔148を中心軸線に対して軸対称の位置に2ヶ所設けたので、動圧発生領域Aにオイル9を分配供給することができる。また、ロータ116の重量バランス、回転バランスを図ることもできる。
そして、このようにして構成された本実施形態に係る液体動圧軸受110およびモータ117を備えた記録媒体駆動装置101によれば、記録媒体HDを振動させることなく安定して回転させることができる。そのため、記録媒体HDへの情報の書き込み、および記録媒体HDからの情報の読み出しを正確に行うことができる。
スラスト動圧発生溝147は、例えば、スラスト動圧発生溝147の屈曲点を半径方向外方に位置させたり、スラスト動圧発生溝147の高さを半径方向の内方と外方とで変えたりして、スラスト面146の内周縁周辺よりも外周縁周辺の方が、発生する動圧が高くなるように形成されている。そのため、スラスト面146の外周縁におけるロータ116とスリーブ122とを支持する力が強くなる。その結果、ロータ116の回転時に、ロータ116を安定して支持することができ、NRRO(Non−Repeatable Runout)も向上する。
また、キャピラリーシール142中のオイル9には、表面張力によりその液面面積が小さくなる方向、つまり、スリーブシール面143と抜け止め部シール面153との間隔が狭くなる方向に押込められる力が働く。そのため、キャピラリーシール142は、オイル9が外部に漏れないように保持することができる。
さらに、ロータ116が回転すると、オイル9も抜け止め部シール面153との摩擦により回転し、オイル9に遠心力が働く。オイル9は遠心力により抜け止め部シール面153に押し付けられ、抜け止め部シール面153に沿ってスラスト軸部139側に押込められる。そのため、キャピラリーシール142は、ロータ116の回転時には、オイル9の保持性をさらに向上させることができる。
また、オイル漏れの発生を防止できるため、漏れたオイルを吸収する吸収部材を備える必要がなくなり、記録媒体駆動装置101の薄型化を図りやすくすることができる。
なお、本実施の形態においては、図5および図6に示すように、貫通孔148の開口部に形成した面取り部144によってニゲ部145と貫通孔148とを接続する構成を示したが、これに代えて、図7(a),(b)に示すように、貫通孔148とニゲ部145とを直接接続する直溝状の連通凹部171を設けることにしてもよい。この場合、連通凹部171の深さとニゲ部145の深さとは略同程度であることが好ましい。ニゲ部145から貫通孔148へ気泡を逃す際に、段差に引っかかることなくスムーズに排出することができるからである。また、ニゲ部145から貫通孔148に向けて漸次深さが浅くなるスロープを設けてもよい。段差によることなくスロープによれば、気泡をスムーズに貫通孔148に放出することができるからである。
また、図8(a)、(b)に示すように、貫通孔148をいずれかのスラスト動圧発生溝147に一致する位置に形成し、貫通孔148とニゲ部145とを接続する連通凹部としてスラスト動圧発生溝147自体を利用することにしてもよい。
なお、スラスト動圧発生溝147は、上述のようにスラスト軸部139の端面139a,139bに形成されていてもよいし、端面139aまたは円板部135の端面139aに対向する面のいずれか一方、および、端面139bまたは抜け止め部133の端面139bに対向する面のいずれか一方にスラスト動圧発生溝147が形成されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
この発明の第1実施形態に係る記録媒体駆動装置を示す概略断面図である。 図1の記録媒体駆動装置において、液体動圧軸受を示す拡大断面図である。 図1の記録媒体駆動装置において、スラスト軸部に形成された動圧発生溝を示しており、(a)は、スラスト軸部の表面側から見た概略平面図、(b)は、スラスト軸部の裏面側から見た概略平面図である。 この発明の第2実施形態に係る記録媒体駆動装置における流体動圧軸受を示す拡大断面図である。 図4におけるキャピラリーシールを示す拡大断面図である。 図4におけるスラスト動圧発生溝および貫通孔を説明する平面図である。 スラスト動圧発生溝および貫通孔の他の実施例を説明する平面図である。 スラスト動圧発生溝および貫通孔のさらに別の実施例を説明する平面図である。
符号の説明
1,101 記録媒体駆動装置
4,110 液体動圧軸受(流体動圧軸受)
5 駆動手段
6 軸体
7,122 スリーブ(軸体支持部)
7a 軸体挿入穴
9 オイル(流体)
11,139 スラスト軸部
11a 表面(外面)
11b 裏面(外面)
13 支持部(円柱部)
15 ラジアル軸部(円柱部)
19 アッパープレート
19a 裏面(内面、スラスト軸受面)
21a 端面(内面、スラスト軸受面)
33,35 スラスト動圧発生溝
37,39 環状領域
41,148 貫通孔
61b 段部(固定部)
70,117 モータ
80 ディスク型記録媒体(記録媒体)
116 ロータ(軸体)
118 嵌合部(固定部)
134 略円柱状のシャフト(円柱部)
135 円板部(スラスト軸受部)
139a,139b 端面(外面)
147 スラスト動圧発生溝(動圧発生溝)
HD 記録媒体
A1 中心軸線
R1〜R5,C1〜C4 隙間

Claims (7)

  1. 略円柱状に形成された円柱部を有する軸体と、閉塞端を有し、前記軸体を回転自在に収容する軸体挿入穴を形成した軸体支持部と、前記軸体と前記軸体挿入との間に形成される隙間に充填された流体とを備え、
    前記軸体または前記軸体支持部のいずれか一方に、半径方向外方に延びて鍔状に形成されたスラスト軸部が一体的に備えられ、他方に前記スラスト軸部に軸方向に対向するスラスト軸受面が備えられ、
    前記スラスト軸受面に対向する前記スラスト軸部の外面に、前記軸体と前記軸体支持部とを相対的に回転させた際に、前記スラスト軸部の内周縁および外周縁から径方向の中途部に向けて前記流体を引き込む動圧発生溝がプレス加工により形成され、
    該動圧発生溝を形成した前記外面の環状領域の内周縁側から前記中途部よりも径方向内側までの間に、前記軸体の中心軸線方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成されていることを特徴とする流体動圧軸受。
  2. 略円柱状に形成された円柱部を有する軸体と、閉塞端を有し、前記軸体を回転自在に収容する軸体挿入穴を形成した軸体支持部と、前記軸体と前記軸体挿入との間に形成される隙間に充填された流体とを備え、
    前記軸体または前記軸体支持部のいずれか一方に、半径方向に延びて鍔状に形成されたスラスト軸部が備えられ、他方に前記スラスト軸部に軸方向に対向するスラスト軸受面が備えられ、
    前記スラスト軸受面または該スラスト軸受面に対向する前記スラスト軸部の外面に、前記軸体と前記軸体支持部とを相対的に回転させた際に、前記スラスト軸部の内周縁および外周縁から径方向の中途部に向けて前記流体を引き込む複数の動圧発生溝が形成され、
    該動圧発生溝を形成した前記外面の環状領域の内周縁側から前記中途部よりも径方向内側までの間に、中心軸線方向に貫通する少なくとも1つの貫通孔が形成され
    該貫通孔が、前記動圧発生溝のいずれかに接続する位置に設けられていることを特徴とする流体動圧軸受。
  3. 前記貫通孔のほぼ全体が、前記動圧発生溝を形成した前記環状領域に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体動圧軸受。
  4. 前記環状領域の半径方向内方に、全周にわたって円環状に形成された溝からなるニゲ部が設けられ、
    前記貫通孔が、前記動圧発生溝、動圧発生溝以外の前記環状領域およびニゲ部に接続する位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の流体動圧軸受。
  5. 前記貫通孔が複数形成され、これら複数の貫通孔が前記中心軸線を中心として、前記スラスト軸部の周方向に等しい間隔をあけて配列されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の流体動圧軸受。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の流体動圧軸受と、前記軸体支持部に対して前記軸体を回転させる駆動手段とを備えていることを特徴とするモータ。
  7. 請求項6に記載のモータを備え、前記軸体に薄板状の記録媒体を固定する固定部が設けられていることを特徴とする記録媒体駆動装置。
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