JP4084843B2 - 動圧軸受装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受空間内に充填された潤滑流体の外部漏出を、毛細管力および回転遠心力の双方を利用して防止するようにした複合流体シール部を有する動圧軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種回転体を高速でも安定して支持することができるようにした動圧軸受装置の開発が進められている。動圧軸受装置は、軸受部材側に設けられた動圧面と、その軸受部材の内部に相対回転可能に挿通された軸部材側に設けられた動圧面とを対向配置させることによって動圧軸受部を構成し、その動圧軸受部を含む軸受空間内に、オイルなどの潤滑流体を充填したものであって、回転側部材を回転駆動させたときのポンビング力によって上記潤滑流体に動圧力を発生させ、そのときの潤滑流体の動圧力に基づいて、上記軸受部材と軸部材とを非接触で円滑に支持する構成になされている。
【0003】
ところで、このような動圧軸受装置では、軸受空間内に充填された潤滑流体の外部漏出を出来るだけ少なくして潤滑流体の寿命を保証し、動圧特性を長期にわたって安定的に維持する必要がある。例えば、潤滑流体が蒸発して動圧軸受部まで減少してくると、必要な潤滑流体が供給されなくなって動圧特性が低下し、軸受寿命が短縮化されてしまう。そのため、軸受空間が外方へ開口する部分などに流体シール部を配置することなどが従来から行われているが、特に最近では、極めて高速な回転を行う装置に対する流体シール部として、潤滑流体の「毛細管力」と「回転遠心力」との双方を利用することによって、潤滑流体の外部漏出を強力に規制可能とした複合流体シール部の構造に関する提案が種々なされている。
【0004】
このような毛細管力と回転遠心力とを利用した複合流体シール部は、例えば図11に示されているように、回転部材1と固定部材2との半径方向における対向隙間3により形成されているが、その回転部材1および固定部材2に設けられた両傾斜壁面1a,2aどうしの間に形成された半径方向隙間3を、複合流体シール部の開口部側(図示下方側)に向かって徐々に拡大するように延在させることによって、潤滑流体4を軸受内部側(図示上方側)に引き込む方向の毛細管力を得るようにしている。また、その複合流体シール部を構成している半径方向隙間3の中心軸線Mを、当該複合流体シール部の開口部に向かう方向(図示下方向)において回転中心軸X側に向かって徐々に近接する方向に傾斜させた構成としており、それによって、同じく潤滑流体4を軸受内部側に引き込む方向の回転遠心力を得るようにしている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3および特許文献4等参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−168250号公報
【特許文献2】
特開2001−82458号公報
【特許文献3】
特開2001−359880号公報
【特許文献4】
特開2001−349402号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような毛細管力と回転遠心力とを利用した複合流体シール部を備えた装置では、複合流体シール部を構成している半径方向隙間3の中心軸線Mの傾斜角度を大きくすればするほど、潤滑流体を軸受内部側に引き込む方向の回転遠心力を大きくすることができ、また半径方向隙間3の通路幅をなるべく狭くし、しかも潤滑流体の気液界面を奥側(図示上側)に位置させればさせるほど、シール機能を向上させることができることとなるが、そのようにした場合には、複合流体シール部内に位置する潤滑流体4の気液界面4aが、複合流体シール部の傾斜壁面1aに邪魔されて気液界面4aの観測、すなわち潤滑流体4の充填量の管理が困難になってくる。
【0007】
通常の毛細管力を利用した流体シール部を備えた装置においては、複合流体シール部を形成している半径方向隙間の中心軸線が、ほぼ回転中心軸線の方向に沿って軸方向に延在しているため、流体シール部の直上位置から流体シール部内に存在する潤滑流体の気液界面の観測を容易に行うことができる。そして、その気液界面の観測によって、当該潤滑流体の気液界面の半径方向位置または液面高さを計測し、それらを予め設定した位置に調整することによって潤滑流体の充填量の調整を行うことが可能である。
【0008】
しかしながら、上述したように毛細管力と回転遠心力とを利用した複合流体シール部では、当該複合流体シール部のシール機能を高めようとすると、複合流体シール部内に位置する潤滑流体4の気液界面4aの観測が困難になって潤滑流体4の充填量を管理できなくなる場合があり、その結果、潤滑流体の寿命保証が損なわれてしまうおそれがある。
【0009】
そこで本発明は、複合流体シール部における潤滑流体の気液界面の観測を容易に行うことができ、潤滑流体の寿命保証を確実にすることができるようにした動圧軸受装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる動圧軸受装置では、動圧軸受部を含む軸受空間内に充填された潤滑流体の充填量を、回転停止時における前記潤滑流体の気液界面が前記潤滑流体に作用する毛細管力および回転遠心力を利用して潤滑流体の漏出を規制する複合流体シール部の内部に位置する量に設定しているとともに、回転中心軸Xから前記潤滑流体の気液界面に設定された液面測定位置Pに至るまでの半径方向距離R2に対して、回転中心軸Xから前記複合流体シール部の外側傾斜壁面に至るまでの半径方向距離のうちの最小値R1の方が大きく(R1>R2)なるように前記外側傾斜壁面が構成されている。
また、請求項5にかかる動圧軸受装置の製造方法では、上記請求項1記載の動圧軸受装置の製造方法であって、潤滑流体の気液界面の液面測定位置Pを、当該液面測定位置Pの直上位置から回転中心軸Xに略平行な方向に観測することによって前記潤滑流体の充填量を計測し、前記潤滑流体の充填量を予め設定した量に調整するようにしている。
【0011】
このような構成を有する請求項1にかかる動圧軸受装置および請求項5にかかる動圧軸受装置の製造方法によれば、複合流体シール部内に存在する潤滑流体の気液界面における液面測定位置Pの観測が、当該複合流体シール部の外側傾斜壁面に邪魔されることなく複合流体シール部の直上位置から可能となる。従って、その気液界面の液面測定位置Pの観測によって、当該潤滑流体の気液界面の液面測定位置Pにおける半径方向位置または軸方向高さ位置を計測し、それらを予め設定した位置に調整することによって潤滑流体の充填量の調整を行うことが可能となる。
【0012】
このとき、本発明の請求項2にかかる動圧軸受装置では、上記請求項1における液面測定位置Pを、複合流体シール部内に位置する潤滑流体の気液界面が複合流体シール部の内側傾斜壁面と接触する位置に設定し、また請求項6にかかる動圧軸受装置の製造方法では、上記請求項5における液面測定位置Pを、複合流体シール部内の潤滑流体の気液界面が内側傾斜壁面と接触した位置に設定し、その液面測定位置Pから回転中心軸Xまでの半径方向距離R2を計測し、それにより得た液面測定位置Pの半径方向位置を予め設定した位置に調整することによって潤滑流体の充填量の調整を行うようにしている。
【0013】
このような構成を有する請求項2にかかる動圧軸受装置または請求項6にかかる動圧軸受装置の製造方法によれば、液面測定位置Pの半径方向における位置を計測することによって、潤滑流体の充填量の調整が確実に行われる。
【0014】
また、本発明の請求項3にかかる動圧軸受装置では、上記請求項1における液面測定位置Pを、回転中心軸Xに直交する平面が潤滑流体の気液界面と接する位置に設定し、さらに請求項7にかかる動圧軸受装置の製造方法では、上記請求項5における液面測定位置Pを、回転中心軸Xと直交する平面が潤滑流体の気液界面に接する点に設定し、その液面測定位置Pにおける潤滑流体の気液界面の液面高さを計測し、それにより得た液面測定位置Pにおける潤滑流体の気液界面の液面高さを予め設定した位置に調整することによって潤滑流体の充填量の調整を行うようにしている。
【0015】
このような構成を有する請求項3にかかる動圧軸受装置または請求項7にかかる動圧軸受装置の製造方法によれば、液面測定位置Pにおける潤滑流体の気液界面の液面高さを計測することによって、潤滑流体の充填量の調整が確実に行われる。
【0016】
さらに、本発明にかかる動圧軸受装置では、外側傾斜壁面の開口側に位置する開口壁面が、開口側より内側に位置する外周側傾斜壁面の回転中心軸Xとの間になす傾斜角度より小さい傾斜角度を有している。このような構成を有する本発明にかかる動圧軸受装置によれば、外側傾斜壁面に適宜の傾斜面加工を施すことによって、複合流体シール部内に存在する潤滑流体の気液界面における液面測定位置Pの観測が確実に可能となる。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項4にかかる動圧軸受装置では、上記請求項1から請求項3のいずれかにおける前記開口壁面が、前記回転中心軸Xと略平行に延在している。このような構成を有する請求項4にかかる動圧軸受装置によれば、外側傾斜壁面に適宜の平面加工を容易に施すことによって、複合流体シール部内に存在する潤滑流体の気液界面における液面測定位置Pの観測が確実に可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、それに先立って、まず本発明を適用した動圧軸受装置を採用した一例としてのハードディスク駆動装置(HDD)用スピンドルモータの概要を説明することとする。
【0019】
図1に示されている軸回転/アウターロータ型のスピンドルモータの全体は、固定側部としてのステータ組10と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付けられた回転側部としてのロータ組20を含む構成になされている。
【0020】
このうちのステータ組10は、図示を省略したハードディスク駆動装置(HDD)の本体プレートにネジ止めされるベースフレーム11を有している。このベースフレーム11の略中央部分に形成された筒状のスリーブ保持部(軸受部材ホルダー)12の内周側には、中空円筒状に形成された軸受スリーブ13が圧入や焼き嵌め等の固定手段によってベースフレーム11と一体的に接合されている。この軸受スリーブ13は、その加工を容易化するためにリン青銅などの銅系材料からなり、軸方向両端に開口部を有する軸受用中心孔が形成されている。また、上記スリーブ保持部12の外周面には、放射状に突出したステータコアの突極部にステータコイル14を巻装したステータコア部15が嵌着されている。
【0021】
さらに、上記軸受スリーブ13の軸受用中心孔内には、上記ロータ組20の一部を構成する軸部材としての回転軸21が、回転中心軸Xの回りに回転自在となるように挿入されている。本実施形態における回転軸21は、ステンレス鋼から形成されている。
【0022】
そして、上記軸受スリーブ13の内周面に形成された動圧面は、上記回転軸21の外周面に形成された動圧面に対して半径方向に微少隙間を介して対向するように配置されており、その微少隙間部分にラジアル動圧軸受部RB,RBが構成されている。より詳細には、各ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリーブ13側の動圧面と、回転軸21側の動圧面とは、数μmのラジアルギャップを介して対向配置されており、そのラジアルギャップを含む軸受空間内に、例えばエステル系あるいはポリαオレフィン系の潤滑性オイル等の潤滑流体が注入されている。
【0023】
さらにまた、上記軸受スリーブ13および回転軸21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略した例えばヘリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝が、軸方向に2ブロックに分かれて凹設されており、上記回転軸21の回転駆動時において、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピング作用により潤滑流体が加圧されて動圧力を生じ、その動圧力によって上記回転軸21が上記軸受スリーブ13からラジアル方向に浮上して非接触状態に保持され、それによって上記回転軸21に固着されたハブ体22が回転自在に支持される構成になされている。
【0024】
一方、軸受スリーブ13の図示下端側に設けられた開口部は、カバー13aにより閉塞されており、各ラジアル動圧軸受部RB内の潤滑流体が外部に漏出しない構成になされている。また、上記軸受スリーブ13の図示上端面と、上述した回転ハブ22の中心側部分における図示下端面とは、軸方向に近接した状態で対向するように配置されており、それら軸受スリーブ13の図示上端面と、回転ハブ22の図示下端面との間の軸方向対向領域に、スラスト動圧軸受部SBが設けられている。すなわち、上記スラスト動圧軸受部SBを構成している両対向動圧面13,22の少なくとも一方側には、例えばへリングボーン形状のスラスト動圧発生溝(図示省略)が形成されており、そのスラスト動圧発生溝を含む軸方向対向部分がスラスト動圧軸受部SBになされている。
【0025】
このようなスラスト動圧軸受部SBを構成している軸受スリーブ13の図示上端面側の動圧面と、それに近接対向する回転ハブ22の図示下端面側の動圧面とは、数μmの微少隙間を介して軸方向に対向配置されているとともに、その微少隙間からなる軸受空間内に、上述したラジアル動圧軸受部RBと同様の潤滑流体が、そのラジアル動圧軸受部RBから連続するように充填されていて、回転駆動時に、上述したスラスト動圧発生溝のポンピング作用によって上記潤滑流体が加圧されて動圧力を生じ、その潤滑流体の動圧力によって回転軸21および回転ハブ22が、スラスト方向に浮上した非接触状態で軸支持されるように構成されている。
【0026】
さらに、上記軸受スリーブ13の外周側には、毛細管力と回転遠心力の双方を利用した複合流体シール部CSが画成されているが、その複合流体シール部CSの構造については、後段において詳述することとする。
【0027】
また、上記回転軸21とともにロータ組20を構成している回転ハブ体22は、磁気ディスク等の各種の情報記録媒体ディスクを搭載可能とするように略カップ状に形成されており、当該回転ハブ体22の中心部に設けられた接合穴に対して上記回転軸21の上端部分が圧入や焼き嵌めあるいは接着等の固定手段によって固定されている。
【0028】
上記回転ハブ体22は、その外周部にロータ部を構成するための環状胴部22aを有しており、その環状胴部22aの内周面側には、周方向に一定間隔でNS交互に着磁が施された円筒状のロータマグネット22bが装着固定されており、それによってロータ部が構成されている。上記ロータマグネット22bは、上述したステータコア部15の外周面に対して環状に対向するように近接配置されている。
【0029】
また、上記ロータマグネット22bの軸方向下端面は、上述したベースフレーム11側に取り付けられた磁気吸引板16と軸方向に対面する位置関係になされており、これら両部材22b,16どうしの間の磁気的吸引力によって、上述した回転ハブ体22の全体が軸方向に引き付けられ、安定的な回転状態が得られる構成になされている。
【0030】
ここで、上述した複合流体シール部CSは、前述したスラスト動圧軸受部SBを含む軸方向のスラスト対向領域に対して半径方向外方側に連設されるように設けられたものであって、図2にも示されているように、当該複合流体シール部CSの内周側傾斜壁面CSiが、上述した軸受スリーブ13の外周側表面により形成されているとともに、上記複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoが、上記軸受スリーブ13に対して半径方向外方側に対向するように配置された抜け止め部材としての環状胴部材25の内周側表面により形成されている。
【0031】
より詳しくは、上記環状胴部材25は、略リング状に形成された環状部材から形成されており、当該環状胴部材25の外周側の部位を形成している板状のハブ取付部25aが、上述した回転ハブ22に設けられた固定部22cにより固着されている。上記固定部22cは、上記回転ハブ22の図示下端面であって上記スラスト動圧軸受部SBの半径方向外方側の領域に、軸方向(図示下方向)に突出するように形成されており、当該固定部22cに対して、上記環状胴部材25のハブ取付部25aを外方側から覆うようにカシメ等による塑性変形が施される構成になされており、その固定部22cの塑性変形によって上記環状胴部材25のハブ取付部25aが強固な固定状態になされるようになっている。
【0032】
また、上記軸受スリーブ13の図示上端部分には、半径方向外方側に張り出すように突出する抜止め係止鍔部13bが設けられており、その抜止め係止鍔部13bの一部が、上述した環状胴部材25の本体部25bの図示上面側に対して軸方向に対向するように配置されている。そして、これら両部材13b,25bが軸方向に当接可能に配置されていることによって、上記回転ハブ22が軸方向に抜け出すことを防止する構成になされている。すなわち、その軸受スリーブ13における抜止め係止鍔部13bの半径方向外方側には、上述した環状胴部材25のハブ取付部25aが配置されており、上記抜止め係止鍔部13bの外周壁面に対して、上記環状胴部材25のハブ取付部25aの内周壁面が、半径方向外方側から対面するように配置されている。
【0033】
一方、上記ハブ取付部25aから内方側に突出するように設けられた本体部25bの内周側表面(複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSo)は、上述した軸受スリーブ13の外周側表面(複合流体シール部CSの内周側傾斜壁面CSi)の外周側に配置されており、それらの両傾斜壁面によって、上記スラスト動圧軸受部SBから連続する半径方向隙間CSsが画成されており、当該半径方向隙間CSsによって、前述したスラスト動圧軸受部SBを含む軸受空間内に充填された潤滑流体DFの外部漏出を防止する複合流体シール部CSが形成されている。
【0034】
この複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoを構成している環状胴部材25の内周側表面と、複合流体シール部CSの内周側傾斜壁面CSiを構成している上記軸受スリーブ13の外周側表面との間の半径方向隙間CSsは、図示下方側の開口側(図示下方側)に向かって連続的に拡大するように形成されており、それによって毛細管力を発生するテーパ状のシール空間が構成されている。そして、上述したようにスラスト動圧軸受部SB内の潤滑流体DFは、上記複合流体シール部CSに至るまで連続的に充填されており、当該複合流体シール部CS内部の途中位置に上記潤滑流体DFの気液界面DFsが常時存在するように、当該潤滑流体DFの全注入量である充填量が調整されている。
【0035】
ここで、上記複合流体シール部CSの内周側傾斜壁面CSiおよび外周側傾斜壁面CSoをそれぞれ構成している上記軸受スリーブ13の外周側表面および環状胴部材25における本体部25bの内周側表面の双方は、上記複合流体シール部CSの図示下端側の開口部に向かって半径方向内方側に傾斜するテーパ面を有するように形成されている。すなわち、上記複合流体シール部CSの中心軸線Mは、図示下方側の開口部に向かうに従って上記回転中心軸X側に徐々に近接し、半径方向内方側に傾斜して延在する構成になされている。そして、このような傾斜配置によって、回転駆動時における回転遠心力が上記複合流体シール部CS内の潤滑流体DFを外周側、すなわちシール内部側(図示上側)に向かって引き込むように作用する構成になされている。
【0036】
またこのとき、上述したように複合流体シール部CS内に充填されている潤滑流体DFの気液界面DFsは、回転停止時において上記複合流体シール部CSの内部に位置するように潤滑流体DFの充填量が設定されている。そして、その潤滑流体DFの気液界面DFsは、上記複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoと、内周側傾斜壁面CSiとにそれぞれ接触しているが、当該気液界面DFsの表面張力の作用によって、図示上方のシール奥側に向かって凹形状に窪んだ湾曲断面形状になっている。
【0037】
一方、上述した回転軸21の回転中心軸Xから、上記複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoに至るまでの半径方向距離は、図示最下端位置で最小値R1となっている。そして本実施形態では、上述した潤滑流体DFの気液界面DFsが複合流体シール部CSの内周側傾斜壁面CSiと接触する点Pを、当該気液界面DFsに対する液面測定位置に設定しており、その液面測定位置Pに関する位置計測を、顕微鏡などによって検出することができるように、上記複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoに関する構成が以下のようになされている。
【0038】
すなわち、上記回転中心軸Xから、上記潤滑流体DFの気液界面DFsに設定された液面測定位置Pに至るまでの半径方向距離をR2としたとき、その半径方向距離R2に対して、上述した半径方向距離R1、つまり、上記回転中心軸Xから複合流体シール部CSの外側傾斜壁面CSoに至るまでの半径方向距離の最小値R1の方が、より大きくなるように(R1>R2)、上記外側傾斜壁面CSoの形状および傾斜角度が設定されている。
【0039】
このように本実施形態では、例えば図3に示されているように、回転ハブ22およびその回転ハブ22に接合された回転軸21に、軸受スリーブ13および環状胴部材25をそれぞれ取り付けた軸受組BAを構成し、複合流体シール部CSの開口部を上方側に向けた状態に上記軸受組BAを保持しておく。そして、矢印で示したように、上記複合流体シール部CSの直上位置から、当該複合流体シール部CS内に存在する潤滑流体DFの気液界面DFsを観測し、その気液界面DFsの液面測定位置Pの位置を計測する。
【0040】
このとき、その複合流体シール部CS内に存在する潤滑流体DFの気液界面DFsにおける液面測定位置Pの観測は、当該複合流体シール部CSの外側傾斜壁面CSoに邪魔されることなく、複合流体シール部CSの直上位置から容易かつ良好に行われる。そして、そのような気液界面DFsの液面測定位置Pの観測によって半径方向位置を計測し、その気液界面DFsの半径方向位置を予め設定した位置に調整することによって、潤滑流体DFの全体注入量、つまり充填量の調整を行うことが可能となる。
【0041】
特に本実施形態では、上記複合流体シール部CS内の気液界面DFsの液面測定位置Pを、当該潤滑流体DFの気液界面DFsを内周側傾斜壁面CSiと接触させた位置に設定しており、その液面測定位置Pから回転中心軸Xまでの半径方向距離R2を計測し、それにより得た液面測定位置Pの半径方向位置を予め設定した位置に調整することによって潤滑流体DFの充填量の調整を行うようにしていることから、潤滑流体DFの充填量の調整が確実に行われるようになっている。この場合の液面位置の測定は、例えば特開2001−90733号公報に開示された測定方法によって容易に行われることとなる。
【0042】
次に、図4および図5にかかる実施形態では、上記複合流体シール部CS内の気液界面DFsの液面測定位置Pが、上述した実施形態とは異ならされている。すなわち、回転中心軸Xに直交する平面Yが、潤滑流体DFの気液界面DFsと接する位置に上記液面測定位置Pが設定されていて、その液面測定位置Pにおける潤滑流体DFの気液界面DFsの液面高さを計測する構成になされている。
【0043】
そして、その液面測定位置Pに対する計測により得た上記潤滑流体DFの気液界面DFsの液面高さを、予め設定した位置に調整することによって、上記潤滑流体DFの充填量の調整を行うようにしている。このような実施形態においても、潤滑流体DFの充填量の調整が確実に行われる。
【0044】
さらに、図6に示されている実施形態では、上記複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoが途中位置で折曲された状態に形成されており、複合流体シール部CSの開口部を含む開口近傍部位において、上記外周側傾斜壁面CSoと回転中心軸Xとの間に形成されている傾斜角度θが、開口部側(図示下方側)に向かって小さくなるように形成されている。そして、特に図7に示されている実施形態では、複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoが、当該複合流体シール部CSの開口部を含む開口近傍部位において、回転中心軸Xと略平行に延在する開口壁面CSaを有している。
【0045】
このような各実施形態においては、外周側傾斜壁面CSoに対して適宜の傾斜面加工を施すことによって、複合流体シール部CS内に存在する潤滑流体DFの気液界面DFsに対する観測、すなわち液面測定位置Pの位置計測が確実により一層確実になる。
【0046】
さらにまた、図8に示されている実施形態においては、複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoが途中位置で折曲された状態に形成されており、複合流体シール部CSの開口部を含む開口近傍部位において上記外周側傾斜壁面CSoと回転中心軸Xとの間に形成されている傾斜角度θが、開口部側(図示下方側)に向かって小さくなるように形成されている点において、上述した図6にかかる実施形態と同様であるが、その外周側傾斜壁面CSoが湾曲面に形成されている点で上述した実施形態と相違している。
【0047】
このような実施形態においては、外周側傾斜壁面CSoに適宜の曲面加工を施すことによって、複合流体シール部CS内に存在する潤滑流体DFの気液界面DFsに対する観測、すなわち液面測定位置Pの位置計測が確実により一層確実になる。
【0048】
一方、図9に示されている実施形態においては、上記複合流体シール部CSの外周側傾斜壁面CSoが、当該複合流体シール部CSの開口部を含む開口近傍部位において回転中心軸Xと略平行に延在する開口壁面CSaを有している点で、上述した図7にかかる実施形態と同様であるが、本実施形態では、上記潤滑流体DFの気液界面DFsが、回転駆動時において奥側(図示上方側)に引き込まれている一方、回転停止時において図中の破線で示したように、複合流体シール部CSの開口壁面CSaと接触する位置まで出現するように設定されている。このような実施形態によれば、潤滑流体DFの気液界面DFsの幅寸法DFwを観測することによって気液界面DFsの位置を計測することが可能となり、上記潤滑流体DFの充填量の調整を行うことができる。
【0049】
また、前述した図1にかかるハードディスク駆動装置(HDD)に対応する構成物に対して同一の符号を付した図10に示されている実施形態では、回転軸21の図示下端側の先端部分に、環状の抜け止めリング13cが固着されている。この抜け止めリング13cは、軸受スリーブ13の図示下端側における中心部分に凹設された収納部13dに配置されていることによって、ロータ組20の離脱を防止する機能を有している。このような実施形態においても上述した実施形態と同様な作用・効果が得られる。
【0050】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもない。
【0051】
例えば、上述した各実施形態は、ハードディスク駆動装置(HDD)用のスピンドルモータに対して本発明を適用したものであるが、その他の多種多様な動圧軸受装置に対しても本発明は同様に適用することができるものである。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1にかかる動圧軸受装置および請求項5にかかる動圧軸受装置の製造方法は、潤滑流体に作用する毛細管力および回転遠心力を利用した複合流体シール部の内部に位置する潤滑流体の気液界面に適宜の液面測定位置Pを設定し、その液面測定位置Pの半径方向距離R2に対して、前記複合流体シール部の外側傾斜壁面の半径方向距離の最小値R1の方が大きく(R1>R2)なるように前記外側傾斜壁面を構成したことによって、潤滑流体の気液界面の液面測定位置Pを直上位置から観測可能とし、潤滑流体の充填量を容易かつ確実に計測して前記潤滑流体の充填量を予め設定した量に調整し得るようにしたものであるから、複合流体シール部を備えた動圧軸受装置における潤滑流体の寿命保証を確実化することができ、動圧軸受装置の信頼性を大幅に向上させることができる。
【0053】
このとき、本発明の請求項2にかかる動圧軸受装置は、上記請求項1における液面測定位置Pを複合流体シール部内に位置する潤滑流体の気液界面が複合流体シール部の内側傾斜壁面と接触する位置に設定し、また請求項6にかかる動圧軸受装置の製造方法は、上記請求項5における液面測定位置Pを複合流体シール部内の潤滑流体の気液界面が内側傾斜壁面と接触した位置に設定し、その液面測定位置Pから回転中心軸Xまでの半径方向距離R2を計測して得た液面測定位置Pの半径方向位置を予め設定した位置に調整することによって潤滑流体の充填量の調整を行うように構成したものであるから、上述した効果をより確実に得ることができる。
【0054】
また、本発明の請求項3にかかる動圧軸受装置は、上記請求項1における液面測定位置Pを回転中心軸Xに直交する平面が潤滑流体の気液界面と接する位置に設定し、さらに請求項7にかかる動圧軸受装置の製造方法は、上記請求項5における液面測定位置Pを回転中心軸Xと直交する平面が潤滑流体の気液界面に接する点に設定し、その液面測定位置Pにおける潤滑流体の気液界面の液面高さを計測して得た液面測定位置Pにおける潤滑流体の気液界面の液面高さを予め設定した位置に調整することによって潤滑流体の充填量の調整を行うように構成したものであるから、上述した効果をより確実に得ることができる。
【0055】
さらに、本発明にかかる動圧軸受装置は、外側傾斜壁面の開口側に位置する開口壁面が、開口側より内側に位置する外周側傾斜壁面の回転中心軸Xとの間になす傾斜角度より小さい傾斜角度を有し、開口壁面に適宜の傾斜面加工を施すことによって複合流体シール部内に存在する潤滑流体の気液界面における液面測定位置Pの観測を確実化したものであるから、上述した効果をより確実に得ることができる。
【0056】
さらにまた、本発明の請求項4にかかる動圧軸受装置は、上記請求項1から請求項3のいずれかにおける開口壁面が回転中心軸Xと略平行に延在し、開口壁面に適宜の平面加工を容易に施すことによって複合流体シール部内に存在する潤滑流体の気液界面における液面測定位置Pの観測を確実化したものであるから、上述した効果をより確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたHDD用スピンドルモータに用いられている複合流体シール部の開口部分を拡大して表した縦断面説明図である。
【図3】複合流体シール部内の潤滑流体に対する液面測定を行っている状態を表した軸受組の縦断面説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態における複合流体シール部の開口部分を拡大して表した縦断面説明図である。
【図5】図4に表された複合流体シール部内に位置する潤滑流体の気液境界面をさらに拡大して表した縦断面説明図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態における複合流体シール部の開口部分を拡大して表した縦断面説明図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態における複合流体シール部の開口部分を拡大して表した縦断面説明図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態における複合流体シール部の開口部分を拡大して表した縦断面説明図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態における複合流体シール部の開口部分を拡大して表した縦断面説明図である。
【図10】本発明にかかる動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータ他の例を表した縦断面説明図である。
【図11】従来の複合流体シール部の開口部分を拡大して表した縦断面説明図である。
【符号の説明】
13 軸受スリーブ(固定部材)
21 回転軸(回転部材)
RB ラジアル動圧軸受部
22 回転ハブ
SB スラスト動圧軸受部
CS 複合流体シール部
CSi 内周側傾斜壁面
CSo 外周側傾斜壁面
25 環状胴部材(抜け止め部材)
25a ハブ取付部
22c 固定部
13b 抜止め係止鍔部
25b 本体部
CSs 半径方向隙間
DF 潤滑流体
DFs 気液界面
M 複合流体シール部の中心軸線
Claims (7)
- 固定部材側の動圧面と、回転部材側の動圧面とが、回転中心軸Xの回りに回転可能に対向配置されることにより動圧軸受部が構成され、その動圧軸受部を含む軸受空間内には潤滑流体が充填されているとともに、
前記軸受空間における軸受外方への開口部分には、前記潤滑流体に作用する毛細管力および回転遠心力を利用して潤滑流体の漏出を規制する複合流体シール部が設けられ、
その複合流体シール部が、前記回転部材または固定部材のいずれか一方に形成された内周側傾斜壁面と、前記回転部材または固定部材のいずれか他方に形成された外周側傾斜壁面との間の半径方向隙間により形成されたものであって、
前記複合流体シール部の半径方向隙間は、当該複合流体シール部の開口部に向かって徐々に拡大するように形成されているとともに、その複合流体シール部を構成している半径方向隙間の中心軸線Mが、当該複合流体シール部の開口部に向かう方向において前記回転中心軸X側に向かって徐々に近接する方向に傾斜した構成になされた動圧軸受装置において、
前記潤滑流体の充填量は、回転停止時における前記潤滑流体の気液界面が前記複合流体シール部の内部に位置する量に設定されているとともに、
前記気液界面は、前記複合流体シール部内においてのみ形成され、
前記複合流体シール部の開口側には、前記開口側より内側に位置する前記外周側傾斜壁面の前記回転中心軸Xとの間になす傾斜角度より小さい傾斜角度を有する開口壁面が形成され、
前記複合流体シール部のうち前記開口壁面を備えたシール部の半径方向隙間は、前記開口壁面より内側に位置する前記外周側傾斜壁面を備えたシール部の半径方向隙間より広く、
前記回転中心軸Xから前記潤滑流体の気液界面に設定された液面測定位置Pに至るまでの半径方向距離R2に対して、前記回転中心軸Xから前記複合流体シール部の外側傾斜壁面に至るまでの半径方向距離のうちの最小値R1の方が大きく(R1>R2)なるように前記外側傾斜壁面が構成されていることを特徴とする動圧軸受装置。 - 前記液面測定位置Pは、前記複合流体シール部内に位置する潤滑流体の気液界面が、前記複合流体シール部の内側傾斜壁面と接触した位置に設定されていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
- 前記液面測定位置Pは、前記回転中心軸Xに直交する平面が前記複合流体シール部内に位置する潤滑流体の気液界面と接する位置に設定されていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
- 前記開口壁面は、前記回転中心軸Xと略平行に延在していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の動圧軸受装置。
- 請求項1記載の動圧軸受装置の製造方法であって、
前記潤滑流体の気液界面の液面測定位置Pを、当該液面測定位置Pの直上位置から前記回転中心軸Xに略平行な方向に観測することによって前記潤滑流体の充填量を計測し、前記潤滑流体の充填量を予め設定した量に調整するようにしたことを特徴とする動圧軸受装置の製造方法。 - 前記液面測定位置Pを、前記複合流体シール部内に位置する潤滑流体の気液界面が、前記複合流体シール部の内側傾斜壁面と接触した位置に設定し、
その液面測定位置Pから前記回転中心軸Xまでの半径方向距離R2を計測し、
それにより得た液面測定位置Pの半径方向位置を、予め設定した位置に調整することによって、前記潤滑流体の充填量の調整を行うようにしたことを特徴とする請求項5記載の動圧軸受装置の製造方法。 - 前記液面測定位置Pを、前記回転中心軸Xと直交する平面が、前記複合流体シール部内に位置する潤滑流体の気液界面に接する点に設定し、
その液面測定位置Pにおける前記潤滑流体の気液界面の液面高さを計測し、
それにより得た液面測定位置Pにおける前記潤滑流体の気液界面の液面高さを、予め設定した位置に調整することによって、前記潤滑流体の充填量の調整を行うようにしたことを特徴とする請求項5記載の動圧軸受装置の製造方法。
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