JP5408328B2 - モータおよびディスク駆動装置 - Google Patents

モータおよびディスク駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁性体とロータマグネットとを軸方向に対向させることによって、ロータマグネットを含む回転体に軸方向の磁気力を付与することによって、振動を低減することを目的としたモータ、および、このモータを搭載したディスク駆動装置に関する。
従来から、モータの回転によって発生するモータの回転部を浮上させる力を低減する手段の一つとして、ロータマグネットの端面と対向した位置に、磁性体にて構成されたヨークを配置する構成がある。この構成により、ロータマグネットの端面とヨークとの磁気吸引力が回転部を浮上させる力に対する抗力となる(このような、従来のモータ構造として、例えば、特許文献1参照)。
2006−194400号公報
ヨークは、ロータマグネットに対して、傾いて取り付けられた場合、磁気吸引力がアンバランスとなり、回転部を振動させてしまう。特に、磁気ヘッドを使用した記録ディスクを回転するスピンドルモータでは、記録ディスクと磁気ヘッドとの間隙が非常に小さいために、回転部の振動によって、記録ディスクと磁気ヘッドとが接触してしまう可能性がある。そのため、ヨークのベースに対する取付平行度を高精度にすることによる回転部の振動の低減が重要となる。
また近年のディスク駆動装置の価格の低下により、このディスク駆動装置に搭載されるモータの価格も低下する要求が強くなっている。
したがって、本発明は、上記問題に鑑み、なされたものであり、その目的とするところは、ヨークの平行度を向上させることによって回転部の振動を低減するモータおよびこのモータを搭載したディスク駆動装置を安価に提供することである。
本発明の例示的な第1発明のモータは、
所定の中心軸の周りを回転するロータマグネットを含む回転部と、
ロータマグネットと対向して配置される、磁場を発生するステータと該ステータを保持し、回転部と軸方向に対向する上面を有するベースとベースの上面におけるロータマグネットと軸方向に対向した位置に固定される磁性体にて形成されたヨークと、を含む固定部と、
回転部および前記固定部の間に形成され、回転部を回転自在に支持する軸受機構と、
を備え、
ヨークは、内縁および外縁を有し、
ベースにおける前記ヨークと軸方向に対向する上面には、
ヨークと接触する第1面と、
第1面より軸方向下側に形成され、ヨークと軸方向に間隙を有する第2面と、を有し、
第1面の少なくとも一部は、ロータマグネットと軸方向に対向し、
ヨークは、ロータマグネットと軸方向に対向する平板部と、
ヨークの内縁および外縁の少なくともどちらか一方に形成される略軸方向に延びる延長部と、を備え、
延長部は、第2面に向かい延び、延長部の軸方向端面は、第2面と軸方向に間隙を介して対向することを特徴とする。
本発明の例示的な第2発明のモータは、
所定の中心軸の周りを回転するロータマグネットを含む回転部と、
ロータマグネットと対向して配置される、磁場を発生するステータとステータを保持し、回転部と軸方向に対向する上面を有するベースとベースの上面におけるロータマグネットと軸方向に対向した位置に固定される磁性体にて形成されたヨークと、を含む固定部と、
回転部および固定部の間に形成され、回転部を回転自在に支持する軸受機構と、
を備え、
ヨークは、内縁および外縁を有し、
ベースにおけるヨークと軸方向に対向する上面には、
ヨークと接触する第1面と、
第1面より軸方向下側に形成され、ヨークと軸方向に間隙を有する第2面と、を有し、
第1面の少なくとも一部は、ロータマグネットと軸方向に対向し、
ヨークは、ロータマグネットと軸方向に対向する平板部と、
ヨークの内縁および外縁の少なくともどちらか一方に形成される略軸方向に延びる延長部と、を備え、
延長部は、第2面に向かい延び、
平板部の下面と第1面の上面との間、および延長部と第2面との間には、接着剤が介在することを特徴とする。
本発明によれば、ヨークの平行度を向上させることによって回転部の振動を低減するモータおよびこのモータを搭載したディスク駆動装置を安価に提供することができる。
また、ヨークをベースにより強固に固定することができる。
本発明のモータの実施例の一形態を示した、軸方向に切った模式断面図である。 本発明のモータに搭載されたヨークの実施例の一形態を示し、a)は、ヨークを軸方向に切った模式断面図を示し、b)は、ヨークを軸方向上側より見た模式平面図を示し、c)は、ヨークを軸方向下側より見た模式平面図を示す。 本発明のヨークの電気ニッケルメッキの状態を示した、模式図である。 本発明のヨークを形成するプレス加工の金型を示した、模式図である。 本発明のモータに搭載されたベースの実施例の一形態の一部を示した、軸方向に切った模式断面図である。 本発明のベースにヨークを配置した状態を示した、軸方向に切った模式断面図である。 図1の点線円の拡大図である。 本発明のディスク駆動装置の実施例の一形態を示した、軸方向に切った模式断面図である。 本発明のモータにおけるベースにヨークを配置する構造の別の形態を示した、模式断面図である。
<モータの構造>
本発明のモータの構造の実施例の一形態について、図1を用いて説明する。図1は、本発明のモータの実施例の一形態を示した、軸方向に切った、模式断面図である。
図1を参照して、モータ10は、所定の中心軸J1の周りを回転するロータマグネット24を含む回転部20と、ロータマグネット24と径方向に対向し、磁場を発生するステータ32およびステータ32を保持するベース31を有する固定部30と、回転部20と固定部30との間に形成される軸受機構BRと、を備える。
回転部20は、中心軸J1と同軸に配置され、中心軸J1を中心として回転するシャフト21と、シャフト21の上部に固定され、被回転部材(本実施例では記録ディスク)を載置する載置部224を有するロータハブ22と、ロータハブ22に固定されるロータヨーク23と、ロータヨーク23に固定されるロータマグネット24と、を備える。
シャフト21は、略円柱形状に形成される。そして、シャフト21の下端部は、シャフト21の他の部位と比較して径が大きい拡径部211を有する。
ロータハブ22は、シャフト21と固定されるシャフト固定部221と、シャフト固定部221より軸方向下側に形成され、ステータ32の上側を覆う蓋部222と、蓋部222の外周部から軸方向下側に延びる円筒部223と、円筒部223から径方向外側に延びることによって、記録ディスクを載置する載置面を有する載置部224と、から構成される。ロータハブ22の円筒部223の内周面には、磁性体の鋼板を略円筒形状に形成されたロータヨーク23が固定される。そして、ロータヨーク23の内周面には、円筒形状のロータマグネット24が固定される。
固定部30は、シャフト21の外周面と対向する、軸方向に貫通した内周面を有する略円筒形状のスリーブ33と、スリーブ33の内周面を下側より覆う円板状のプレート34と、スリーブ33の外周面を固定する内周面を有する軸方向に貫通した保持円筒部311を有するベース31と、ベース31の保持円筒部311の外周面に固定される内周面を有するステータ32と、を備える。
ベース31は、保持円筒部311と、保持円筒部311から径方向外側に延びる円形の凹部となる円形凹部312と、円形凹部312からさらに径方向外側に延びる平板部313と、を備える。円形凹部312の内周面は、ロータハブ22の載置部224の外周面と径方向に対向する。また円形凹部312における、ロータマグネット24の下端面と軸方向に対向する径方向の位置には、円環形状の磁性体にて形成されたヨーク35が固定される。
保持円筒部311の外周部には、ステータ32を載置する円環状であり、径方向に延びる平面であるステータ載置面3111と、ステータ載置面3111より軸方向上側に延び、ステータ32の内周面と径方向に対向する外周面である第1外周面3112と、ステータ載置面3111より軸方向下側に延び、円形凹部312と連続する第2外周面3113と、を有する。そして、第1外周面3112の径は、第2外周面3113の径よりも小さい。
ステータ32は、磁性体の薄板の鋼板を複数軸方向に積層して形成されたステータ32の内周面を形成する貫通孔を有するステータコア321と、ステータコア321に導電線を複数層巻回されることによって形成されるコイル322と、から構成される。そして、ステータコア321の外面は、ロータマグネット24の内周面と径方向に対向する。
スリーブ33は、シャフト21の外周面と対向する内周面331と、シャフト21の拡径部211を収容する、内周面331の径より大きい径の内周面を有する第1収容凹部332と、第1収容凹部332より軸方向下側に形成され、プレート34を収容する、第1収容凹部332の内周面の径より大きい径の内周面を有する第2収容凹部333と、を備える。これにより、シャフト21の拡径部211は、第1収容凹部332の下面とプレート34の上面とにそれぞれ軸方向に対向する。
またスリーブ33の内周面331には、軸方向に離間した2つのラジアル動圧発生溝3311が形成される。そして第1収容凹部332の下面およびプレート34の上面には、スラスト動圧発生溝3321が形成される。そして、スリーブ33およびプレート34とシャフト21との間には、潤滑油が充填されている。シャフト21が回転することによってラジアル動圧発生溝3311およびスラスト動圧発生溝3321に発生した動圧によって、シャフト21は軸方向および径方向に回転自在に支持される。これらラジアル動圧発生溝3311、スラスト動圧発生溝3321、および潤滑油によって、軸受機構BRが構成される。
ステータ32のコイル322に電流を通流することによって、ステータ32の周囲に磁場を発生させる。そしてこの磁場とロータマグネット24によって、回転磁界を形成することによって、回転部20は中心軸J1を中心とする回転駆動力を得る。
<ヨーク35の形状>
次に本発明のモータ10のヨーク35の形状について、図2および図3を用いて説明する。図2のa)は、ヨーク35を軸方向に切った模式断面図であり、b)は、ヨーク35を軸方向上側より見た模式平面図であり、c)は、ヨーク35を軸方向下側より見た模式平面図である。図3は、ヨーク35の電気ニッケルメッキを施した状態を示した模式図である。図4は、鋼板からヨークを形成するプレス加工の金型の一部を示した、模式図である。
図2を参照して、ヨーク35は、磁性体の鋼板をプレス加工によって形成される。そして、ヨーク35は、円環形状の平板である平板部351と、平板部351の内周側より軸方向に延びる延長部352と、から構成される。平板部351と延長部352との間には、屈曲部353が形成される。この屈曲部353および延長部352により、平板部351のみの場合と比較して、ヨーク35の強度を、向上させることができる。したがって、ヨーク35の板厚を薄くすることができる。
また、延長部352が形成されることによって、作業者が板厚の薄いヨーク35の取り扱いを容易に行うことができる。すなわち、延長部352を起点として、作業者がヨーク35を持つことができる。したがって、作業者のモータの製造の作業性を向上させることができる。
図3を参照して、ヨーク35には、電気ニッケルメッキ354がヨーク35の外面全体に施されている。そして、電気ニッケルメッキ354において、平板部351の外周面および延長部352の軸方向端面では、膜厚が他の部位と比較して厚くなっている(以下、平板部351の外周側の膜厚が他の部位と比較して厚くなっている部位を第1膜厚部3541、および、延長部352の軸方向端面の膜厚が他の部位と比較して厚くなっている部位を第2膜厚部3542とする)。
ヨーク35の外面全体に電気ニッケルメッキ354を施すことによって、電気ニッケルメッキ354より内部のヨーク35と外気(空気)との接触を防ぐことができる。したがって、ヨーク35の錆の発生を防ぐことができる。したがって、信頼性の高いモータを提供することができる。
図4のa)を参照して、プレス金型40は、軸方向に移動可能であり、鋼板35aからヨーク35の外形形状に打ち抜く上刃であるパンチ411を有する第1金型41と、パンチ411の軸方向の力に対して、鋼板35aを保持する下刃であるダイ421を有する第2金型42と、を備える。本実施例では、第1金型41が第2金型42に対して上側に配置される。そして、第1金型41のパンチ411によって、ヨーク35の平板部351の外周面に相当する鋼板35aの外周縁が切り取られる。その上、図4のb)を参照して、第2金型42の絞り用のパンチ421によって、環状の鋼板35aの中央は、上側に絞ることによって円筒部35a1が形成される。この円筒部35a1を円筒部35a1の伸びる方向に対して垂直な平面にて切削することによって、延長部352を形成される(切削部分は、図4のb)の点線部分)。これにより鋼板35aは、ヨーク35の形状となる。また鋼板35aの上面に相当する、パンチ411によって打ち抜かれる側の面を、ヨーク35の打ち抜かれる側の面とする。
ここで、第1金型41のパンチ411によって、鋼板35aが打ち抜かれることによって、鋼板35aの下面に相当する、打ち抜かれる側の面に対する裏面には、パンチ411が鋼板35aを抜く方向と略同方向にバリが発生する可能性がある。
ここで、第2金型42のパンチ421によって、鋼板35aに対して絞り加工を施すことによって、鋼板35aの環状の平板部を変形させることなく、円筒部35a1を形成することができる。さらに、第2金型41によって、鋼板35aに絞り加工を施すことによって、第1金型41によって、打ち抜かれた後でも、鋼板35aの位置精度を確保しつつ、絞り加工を行うことができる。
また電気ニッケルメッキ354は、ヨーク35をプレス加工によって形成した後に、施すことが望ましい。予め電気ニッケルメッキ354を施した鋼板をプレス加工によって、ヨーク35の形状に打ち抜いた場合、ヨーク35の平板部351の外周面および延長部352の軸方向端面は、加工面となるために、電気ニッケルメッキ354が施されていない面となる。したがって、これら加工面と外気とが接触することによって、錆が発生してしまう可能性がある。また、加工面の錆を発生することを防止するために、再度、電気ニッケルメッキを施した場合、ヨーク35を形成する工数が多くなってしまう。その結果、モータの製造工程が多くなってしまうために、モータを安価に提供することができない。したって、ヨーク35をプレス加工によって形成した後に、電気ニッケルメッキ354を施すことにより、錆の発生を防止したヨーク35を安価に提供することができる。その結果、信頼性の高いモータを安価に提供することができる。
<円形凹部312内の形状>
次に本発明のモータ10のベース31における円形凹部312の形状について、図5を用いて説明する。図5は、図1のベース31の部分を取り出した、模式断面図である。
図5を参照して、円形凹部312は、ロータハブ22の載置部224の下面と軸方向に対向する上面である環状の第1凹部3121と、第1凹部3121より径方向内側に形成され、ヨーク35が固定される上面である環状の第2凹部3122と、第2凹部3122より径方向内側に形成され、ステータ32のコイル322と軸方向に対向する環状の第3凹部3123と、を有する。そして第1凹部3121の上面は、第2凹部3122の上面より軸方向上側に形成される。そして第2凹部3122の上面は、第3凹部3123の上面より軸方向上側に形成される。
第2凹部3122には、ヨーク35の下面と接触する第1面3122aと、第1面3122aの径方向の両側に形成され、第1面3122aより軸方向下側となるように形成される第2面3122bと、から構成される。また第2面3122bは、第1面3122aより径方向内側に形成される内側第2面3122b1と、第1面3122aより径方向外側に形成される外側第2面3122b2と、から構成される。ここで、内側第2面3122b1は、外側第2面3122b2より軸方向下側となるように形成される。そして、内側第2面3122b1は、第3凹部3123の上面より軸方向下側となるように形成される。また、外側第2面3122b2と、第1凹部3121との間には、軸方向に沿って延びる円環状の周面3121aが形成される。
本発明のベース31は、アルミニウム、または、アルミニウム合金をダイカスト法等の鋳造によって形成される。これにより、ベース31の形状が、特に円形凹部312の形状が複雑になったとしても、容易にその形状を形成することができる。
<ヨーク35と円形凹部312との関係>
次に本発明のヨーク35とベース31の円形凹部312との位置関係について、図6を用いて、説明する。図6は、ベース31の円形凹部312にヨーク35を配置した状態を示す、軸方向に切った模式断面図である。
図6を参照して、ヨーク35の平板部351の下面(打ち抜き側の面)は、第1面3122aの上面と接着剤を介して固定されている。そして、平板部351の外周部は、外側第2面3122b2と軸方向に対向する。特に平板部351の外周部は、電気ニッケルメッキ354の第1膜厚部3541を含む。ここで、外側第2面3122b2の上面は、平板部351の外周部の下面と軸方向に間隙を有している。また、平板部351の内周部の下面、屈曲部353、および、延長部352の軸方向端面(下端面)は、内側第2面3122b1と軸方向に対向する。ここで、内側第2面3122b1の上面は、平板部351の内周部の下面、屈曲部353、および、延長部352の軸方向端面と軸方向に間隙を有している。
上記の構成により、電気ニッケルメッキ354の第1膜厚部3541の下面および第2膜厚部3542の下面がそれぞれ外側第2面3122b2および内側第2面3122b1と軸方向に間隙を持って対向するために、第1膜厚部3541および第2膜厚部3542によって、ヨーク35がベース31の上面である第1面3122aに対して傾くことを防ぐことができる。したがって、ロータマグネット24の下端面とヨーク35の上面との間隙が精度良く均一となるために、ヨーク35の傾きによる、ヨーク35とロータマグネット24との間の磁気吸引のアンバランスを起因とする回転部20の振動およびこの振動を起因とする騒音を低減することができる。したがって、振動および騒音を低減したモータを提供することができる。
また、上記の構成により、異なるプレス加工の方法によってヨーク35を形成したことにより、ヨーク35の平板部351の外周面に軸方向下側に向かい延びるバリが発生したとしても、ヨーク35の平板部351の外周部と外側第2面3122b2の上面との間には間隙が設けられるために、バリと外側第2面3122b2の上面とが接触することを防ぐことができる。また、延長部352の軸方向端面に径方向外側に延びるバリが発生したとしても、延長部352の軸方向端面と内側第2面3122b1とは、径方向および軸方向に間隙を介して対向するため、バリと内側第2面3122b1とが接触することを防ぐことができる。したがって、ヨーク35の平板部351の外周面および延長部352の軸方向端面に発生するバリによって、ヨーク35がベース31の上面である第1面3122aに対して傾くことを防ぐことができる。したがって、ロータマグネット24の下端面とヨーク35の上面との間隙が精度良く均一となるために、ヨーク35の傾きによる、ヨーク35とロータマグネット24との間の磁気吸引のアンバランスを起因とする回転部20の振動およびこの振動を起因とする騒音を低減することができる。したがって、振動および騒音を低減したモータを提供することができる。
また、ベース31の周面3121aは、ヨーク35の平板部351の外周面と径方向に対向する。そして、周面3121aは、ヨーク35の平板部351の上面より軸方向上側となるように形成される。
また、第1面3122aの上面に塗布された接着剤は、ヨーク35の平板部351の下面と接触することによって、接着剤の一部は、内側第2面3122b1および外側第2面3122b2に移動する。この内側第2面3122b1および外側第2面3122b2が設けられることによって、ヨーク35を第1面3122aに押し付けることにより、第1面3122aに余計な接着剤を除くことができる。したがって、ヨーク35と第1面3122aとの間の接着剤を均一にすることができる。その結果、ヨーク35のベース31に対する傾きを防止することができ、回転部20の振動およびこの振動に起因する騒音を低減することのできるモータを提供することができる。
また、内側第2面3122b1および外側第2面3122b2とヨーク35の下面との間には、接着剤が充填される。これにより、ヨーク35は、内側第2面3122b1および外側第2面3122b2にも固定されるために、より強固にベース31に対して固定される。したがって、モータ10の外部から衝撃等を受けた場合においても、ヨーク35はベース31に対して離れることを防ぐことができる。したがって、信頼性の高いモータを提供することができる。
ここで、内側第2面3122b1および外側第2面3122b2とヨーク35の下面との間に充填された接着剤は、平板部351の外周面および延長部352の軸方向端面を覆ってもよい。これにより、予め電気ニッケルメッキを施した鋼板をプレス加工することによって、形成されたヨーク35を使用したとしても、平板部351の外周面および延長部352の軸方向端面は接着剤によって覆われているために、錆の発生を抑えることができる。したがって、後から電気ニッケルメッキを施すヨーク35と比較して、安価なヨークを使用することができる。したがって、信頼性の高いモータを安価に提供することができる。特に、ヨーク35の平板部351と径方向に対向する周面3121aが平板部351の上面よりも、軸方向上側にまで設けられることによって、周面3121aと平板部351の上面との間にて接着剤溜まりを設けることができる。したがって、平板部351の外周面をより確実に接着剤にて覆うことができる。その結果、ヨーク35の錆の発生を抑えることができる。
<ヨーク35とロータマグネット24との関係>
次に本発明のヨーク35とロータマグネット24との位置関係について、図7を用いて説明する。図7は、図1の点線円の拡大図である。
図7を参照して、ベース31の第1面3122aは、ロータマグネット24の下端面と軸方向に対向する部分を含む。これにより、ロータマグネット24の下端面と対向するヨーク35の平板部351の上面との間隙を精度良く均一にすることができる。
また、ヨーク35は、ロータマグネット24の内周面より径方向内側まで延びる。そして、ヨーク35は、ロータマグネット24の外周面より径方向外側およびロータヨーク25の外周面まで延びる。これにより、ヨーク35の板厚を薄くしたとしても、ヨーク35の径方向の幅を大きくしているために、ヨーク35の磁気飽和を防ぐことができる。これにより、ヨーク35の鉄損を防ぐことができる。これは特に、モータ10を高速回転させる場合に好適である。
<ディスク駆動装置の構造>
次に本発明のモータ10を搭載したディスク駆動装置の実施例の一形態について、図8を用いて説明する。図8は、本発明のディスク駆動装置の実施例の一形態を示した、軸方向に切った模式断面図である。
図8を参照して、ディスク駆動装置50は、矩形状をしたハウジング51を有する。そしてハウジング51の内部は、塵・埃等が極度に少ないクリーンな空間を形成している。その内部には、情報を記録する円板状の記録ディスクであるハードディスク52が装着されたモータ54が配設されている。
また、ハウジング51の内部には、ハードディスク52に対して情報を読み書きするアクセス機構53が配置される。このアクセス機構53は、ハードディスク52上の情報を読み書きする磁気ヘッド531、この磁気ヘッド531を支えるアーム532および磁気ヘッド531およびアーム532をハードディスク52上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部533とから構成される。
このようなディスク駆動装置50のモータ54として、本発明のモータ10を適用することで、ヨーク35に起因する回転部20の振動およびこの振動に起因する騒音を低減することができるために、振動および騒音の低いディスク駆動装置を提供することができる。また、ヨーク35の径方向の幅を大きくすることによって、ヨーク35を薄型化するとともに、ヨーク35が磁気飽和をする上限を向上させたことによって、高速回転に対応したモータ10に適用することができる。これは、特に、モータ10の高速回転が求められるサーバー用のディスク駆動装置に適用することが望ましい。
以上、本発明の実施例の一形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変形が可能である。
例えば、本発明のモータ10では、ヨーク35の延長部352に軸方向に対向する内側第2面3122b1を第3凹部3123の上面とは、別に設けたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、図9に示すように、内側第2面3122b1を設けず、第3凹部3123が内側第2面3122b1の代わりを果たしてもよい。
また、例えば、本発明のヨーク35では、防錆処理のために、電気ニッケルメッキ354を用いたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、従来から使用されている無電解ニッケルメッキを使用してもよい。この場合、電気ニッケルメッキと比較して、ヨーク35を製造する価格は高くなる。
本実施形態では、ベースの上面とヨークとの接触面積を減少させることによって、ベースとヨークとの接触に起因するベースに対するヨークの周方向および径方向の平行度の悪化を防ぐことができる。すなわち、ベースに対するヨークの周方向および径方向の傾きを低減することができる。その結果、ヨークとロータマグネットとの間隙を略一定とすることができるために、回転部におけるヨークの傾きに起因する振動およびこの振動に起因する騒音を低減することができる。
また、第2面が内縁および外縁の少なくともどちらか一方に形成されることによって、内縁および外縁が第1面に接触する場合と比較して、ヨークの取付平行度を向上させることができる。
また、第2面を内縁および外縁に形成することによって、ヨークの加工によって、内縁および外縁に発生するバリとベースとの接触を防ぐことができる。したがって、ベースに対するヨークの取付平行度を向上させることができる。すなわち、ベースに対するヨークの傾きを防ぐことができる。
また、ヨークは、ロータマグネットと軸方向に対向する平板部と、ヨークの内縁および外縁の少なくともどちらか一方に形成される略軸方向に延びる延長部と、を備える。
これにより、内縁および外縁の少なくともどちらか一方に略軸方向に延びる延長部が形成されることによって、ヨーク自体の強度を向上させることができる。したがって、ヨークを薄型化したとしても、ヨークに必要な強度を保持することができるために、ヨークの薄型化を達成することができる。その上、ヨークを薄型化した際には、作業者がヨークを保持することを容易にすることができる。したがって、作業者がヨークの取り扱いを容易とすることができる。したがって、作業者の作業性を向上させることができる。
また、ヨークの延長部が第2面に延びることによって、ヨークを薄型化できるとともに、回転体とヨークとの軸方向の間隙も小さくすることができる。
また、ヨークは、鋼板をプレス加工することによって形成される。これにより、ヨークを安価に製造することができる。したがって、モータを安価に提供することができる。
また、ヨークにおけるプレス加工の打ち抜かれる側の面がロータマグネットと対向する面であることによって、その反対側の面がバリの発生する可能性のある面となる。そしてこの反対側の面がベースの上面におけるヨークの周縁と対向する部分が第2面となることによって、バリが発生したとしても、そのバリを第2面とヨークとの間の空間によって収容することができる。したがって、ベースに対して、バリの影響のない、取付平行度を向上したヨークを提供することができる。
また、ヨークに電気ニッケルメッキが施されることによって、ヨーク自体の錆を防止することができるとともに、従来から一般的に使用されている無電解ニッケルメッキと比較して、安価とすることができる。したがって、モータを安価に提供することができる。
また、電気ニッケルメッキは、内縁および外縁の部分の膜厚が大きくなる可能性があるが、その内縁および外縁に第2面を形成することによって、膜厚の不均一さによるヨークの傾きを防止することができる。
また、電気ニッケルメッキがヨークをプレス加工した後に、施されることによって、打ち抜き面にも電気ニッケルメッキが施すことができる。したがって、ヨークの錆の発生をより確実に低減することができ、バリの脱落も確実に防止することができる。したがって、信頼性の高いモータを提供することができる。
また、電気ニッケルメッキを予め施すことにより、すなわち、メッキ鋼板を使用することによって、ヨークをより安価にて提供することができる。したがって、モータをより安価に提供することができる。
また、防錆処理の薄膜のうち、他の部位より膜厚が厚い部分と第2面とが軸方向に対向することによって、第1面と膜厚が厚い部分との接触を避けることができる。したがって、ヨークの傾きを防止することができる。
また、第2面がステータと軸方向に対向する面を含むことによって、ステータをより軸方向下側に配置することができる。したがって、モータの薄型化を図ることができる。
また、第2平面とヨークとの間に接着剤が充填されることによって、ヨークをベースにより強固に固定することができる。したがって、ベースとヨークとの接触面積を減少させたとしても、ベースとヨークとの固定強度の低下を防ぐことができる。
また、ヨークの外縁にベースの周面が形成されることによって、ヨークの外縁に対して良好に接着剤を付着させることができる。ここで、ヨークの外縁は、プレス加工の切り離し面であるために、電気ニッケルメッキが取られており、錆が発生する可能性がある。しかしながら、接着剤によって、その切り離し面が覆われることによって、外気との接触を遮断することが可能となるため、錆の発生を抑えることができる。
また、ベースを鋳造にて形成することによって、容易に第1面および第2面を形成することができる。特にヨークの形状を安価にすることにより、ベース側の形状を複雑にしなければならないが、鋳造により複雑な形状を容易に行うことができるために、モータ全体の価格を低減することができる。
また、ヨークとベースの第1面とが接着剤にて固定されるために、第2面を接着剤の逃がし部分として活用することができる。すなわち、ヨークと第1面との間の接着剤のうちの一部が第2面側に移動することによって、ヨークとベースとの間の接着剤の厚さを均一にすることができる。したがって、ベースに対するヨークの傾きを低減することができる。
また、本発明のモータを搭載することによって、ヨークに起因する振動およびその振動に起因した騒音を低減したモータであるために、振動および騒音を低減したディスク駆動装置を提供することができる。
10 モータ
20 回転部
21 シャフト
22 ロータハブ
23 ロータヨーク
24 ロータマグネット
30 固定部
31 ベース
312 円形凹部
3121 第1凹部
3121a 周面
3122 第2凹部
3122a 第1面
3122b 第2面
3122b1 内側第2面
3122b2 外側第2面
3123 第3凹部
32 ステータ
33 スリーブ
34 プレート
35 ヨーク
35a 鋼板
351 平板部
352 延長部
353 屈曲部
354 電気ニッケルメッキ(薄膜)
3541 第1膜厚部(膜厚部)
3542 第2膜厚部(膜厚部)
40 金型
50 ディスク駆動装置
51 ハウジング
52 ハードディスク(記録ディスク)
53 アクセス機構
533 アクチュエータ
BR 軸受機構
J1 中心軸

Claims (15)

  1. モータであって、
    所定の中心軸の周りを回転するロータマグネットを含む回転部と、
    前記ロータマグネットと対向して配置される、磁場を発生するステータと該ステータを保持し、前記回転部と軸方向に対向する上面を有するベースと該ベースの上面における前記ロータマグネットと軸方向に対向した位置に固定される磁性体にて形成されたヨークと、を含む固定部と、
    前記回転部および前記固定部の間に形成され、該回転部を回転自在に支持する軸受機構と、
    を備え、
    前記ヨークは、内縁および外縁を有し、
    前記ベースにおける前記ヨークと軸方向に対向する上面には、
    前記ヨークと接触する第1面と、
    前記第1面より軸方向下側に形成され、前記ヨークと軸方向に間隙を有する第2面と、を有し、
    前記第1面の少なくとも一部は、前記ロータマグネットと軸方向に対向し、
    前記ヨークは、前記ロータマグネットと軸方向に対向する平板部と、
    前記ヨークの前記内縁および前記外縁の少なくともどちらか一方に形成される略軸方向に延びる延長部と、を備え、
    前記延長部は、前記第2面に向かい延び、前記延長部の軸方向端面は、前記第2面と軸方向に間隙を介して対向することを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータであって、
    前記ヨークは、鋼板をプレス加工することによって形成されることを特徴とするモータ。
  3. 請求項2に記載のモータであって、
    前記ヨークにおけるプレス加工の金型によって打ち抜かれる側の面が前記ロータマグネットと対向する面であることを特徴とするモータ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のモータであって、
    前記ヨークには、電気ニッケルメッキが施されることを特徴とするモータ。
  5. 請求項4に記載のモータであって、
    前記ヨークは、プレス加工によって形成され、
    前記電気ニッケルメッキは、前記ヨークがプレス加工された後に、前記ヨークの全体に施すことを特徴とするモータ。
  6. 請求項5に記載のモータであって、
    前記ヨークは、プレス加工によって形成され、
    前記電気ニッケルメッキは、前記ヨークがプレス加工される前に、前記ヨークに施すことを特徴とするモータ。
  7. 請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のモータであって、
    前記ヨークには、薄膜の防錆処理が施され、
    前記第2面は、前記薄膜のうち、他の部位よりも膜厚が厚い部分と軸方向に対向することを特徴とするモータ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のモータであって、
    前記第2面は、前記ステータと軸方向に対向する面を含むことを特徴とするモータ。
  9. モータであって、
    所定の中心軸の周りを回転するロータマグネットを含む回転部と、
    前記ロータマグネットと対向して配置される、磁場を発生するステータと該ステータを保持し、前記回転部と軸方向に対向する上面を有するベースと該ベースの上面における前記ロータマグネットと軸方向に対向した位置に固定される磁性体にて形成されたヨークと、を含む固定部と、
    前記回転部および前記固定部の間に形成され、該回転部を回転自在に支持する軸受機構と、
    を備え、
    前記ヨークは、内縁および外縁を有し、
    前記ベースにおける前記ヨークと軸方向に対向する上面には、
    前記ヨークと接触する第1面と、
    前記第1面より軸方向下側に形成され、前記ヨークと軸方向に間隙を有する第2面と、を有し、
    前記第1面の少なくとも一部は、前記ロータマグネットと軸方向に対向し、
    前記ヨークは、前記ロータマグネットと軸方向に対向する平板部と、
    前記ヨークの前記内縁および前記外縁の少なくともどちらか一方に形成される略軸方向に延びる延長部と、を備え、
    前記延長部は、前記第2面に向かい延び、
    前記平板部の下面と前記第1面の上面との間、および前記延長部と前記第2面との間には、接着剤が介在することを特徴とするモータ。
  10. 前記延長部は、前記ヨークの内縁に形成され、
    前記第2面は、外側第2面と内側第2面と有し、
    前記接着剤は、前記延長部の外周面と前記内側第2面との間に介在することを特徴とする請求項9に記載のモータ。
  11. 前記接着剤は、延長部の軸方向端面を覆っていることを特徴とする請求項10に記載のモータ。
  12. 前記接着剤は、前記外側第2面と前記ヨークの下面との間に介在することを特徴とする請求項10または11に記載のモータ。
  13. 前記延長部は、前記ヨークの内縁に形成され。
    前記接着剤は、前記平板部の外周面を覆っていることを特徴とする請求項9に記載のモータ。
  14. 前記ベースには、前記ヨークの外縁と径方向に対向する周面が形成され、
    前記周面が、前記平板部の上面よりも、軸方向上側に設けられ、
    前記接着剤が、前記周面と平板部の上面との間に介在していることを特徴とする請求項13に記載のモータ。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のモータと、
    前記回転部に搭載された記録ディスクと、
    前記ディスクに情報を記録再生するアクセス機構と、
    を備えることを特徴とするディスク駆動装置。
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