JPH09217735A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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Publication number
JPH09217735A
JPH09217735A JP8045526A JP4552696A JPH09217735A JP H09217735 A JPH09217735 A JP H09217735A JP 8045526 A JP8045526 A JP 8045526A JP 4552696 A JP4552696 A JP 4552696A JP H09217735 A JPH09217735 A JP H09217735A
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JP
Japan
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thrust
radial
bearing portion
dynamic pressure
bearing
Prior art date
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Application number
JP8045526A
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English (en)
Inventor
Masamichi Hayakawa
正通 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Publication date
Application filed by Nidec Sankyo Corp filed Critical Nidec Sankyo Corp
Priority to JP8045526A priority Critical patent/JPH09217735A/ja
Publication of JPH09217735A publication Critical patent/JPH09217735A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/10Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load
    • F16C17/102Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load with grooves in the bearing surface to generate hydrodynamic pressure
    • F16C17/107Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for both radial and axial load with grooves in the bearing surface to generate hydrodynamic pressure with at least one surface for radial load and at least one surface for axial load
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/74Sealings of sliding-contact bearings

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑流体の外部への漏出を確実に防止する。 【解決手段】 ラジアル軸受部26とラジアル軸受部2
6より外部側に位置するスラスト軸受部29とに連続し
て充填されている潤滑流体35のうちのスラスト軸受部
側の潤滑流体であってスラスト軸受部29から外部漏出
しようとする潤滑流体をスラスト軸受部29の動圧溝に
よりラジアル軸受部26とスラスト軸受部29との境界
部40に向かって送り出すと共に、スラスト軸受部29
における潤滑流体の液面より外部側端部が外部に露出す
るように形成されたスラスト軸受部29の動圧溝により
エアー動圧力を生じて、該エアー動圧力によりスラスト
軸受部29から外部漏出しようとする潤滑流体をさらに
境界部40に向かって送り出し、この時ラジアル軸受部
側の潤滑流体をラジアル軸受部側の動圧溝により境界部
40に向かって送り出し、両軸受部側の潤滑流体のバラ
ンスを保つように構成してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種モータ等において、動圧軸受装置が
広く用いられている。この動圧軸受装置は、所定の潤滑
流体の動圧作用を利用して回転部材を固定部材に対して
回転自在に支持するものである。このような動圧軸受装
置を備えた機器としては、例えば特開平3−27231
8号公報に記載の軸固定型の磁気ディスク駆動モータが
知られている。この特開平3−272318号公報記載
の磁気ディスク駆動モータを表したのが図9である。
【0003】同図において、符号1はフレームを示して
いる。このフレーム1には磁性材よりなる中心固定軸2
が垂直に立設するように設けられており、この中心固定
軸2にはラジアル受面2a,2aがそれぞれ設けられて
いる。この中心固定軸2にはまた、上記2箇所のラジア
ル受面2a,2aの間に、軸径より大径の鍔部2bが形
成されており、この鍔部2bの軸方向の両端面には、平
面状のスラスト受面2c,2cがそれぞれ設けられてい
る。
【0004】回転部材としてのハウジング3は、ハブ3
aと、このハブ3aの内周面にそれぞれ嵌合して取り付
けられ軸方向に分割された一対のラジアル軸受4,4
と、を備えている。ラジアル軸受4は、上記ラジアル受
面2aにラジアル軸受隙間を介して対向するラジアル軸
受面4aを有しており、これらラジアル軸受面4a、ラ
ジアル受面2a及び後述の磁性流体11によってラジア
ル軸受部5が構成されている。
【0005】ラジアル軸受4はまた、上記鍔部2bのス
ラスト受面2cにスラスト軸受隙間を介して対向するス
ラスト軸受面4bを有しており、これらスラスト軸受面
4b、スラスト受面2c及び後述の磁性流体11によっ
てスラスト軸受部6が構成されている。
【0006】上記ラジアル受面2aには、例えばヘリン
グボーン状の動圧溝が設けられており、上記スラスト受
面2cには、例えばヘリングボーン状またはスパイラル
状の動圧溝が設けられている。
【0007】上記ハブ3aには、図示下方に開放された
環状溝が形成されており、この環状溝の外側周面には環
状の駆動マグネット9が固着されている。この駆動マグ
ネット9の対向位置にはコイル10aの巻回されたステ
−タコア10が配置されており、このステ−タコア10
は上記フレーム1に固定されている。
【0008】上記ハブ3aにはまた、2箇所のラジアル
軸受4,4より軸方向外側の位置に、磁性流体シール
7,7がそれぞれ設けられている。この磁性流体シール
7は、軸方向に磁極を有する環状の永久磁石7aと、こ
の永久磁石7aの両端面に同心的に配設された環状の磁
性材よりなる所謂ポールピース7b,7bと、からな
り、これら永久磁石7a、ポールピース7b,7b及び
上記中心固定軸2によって形成される磁気回路によっ
て、該ポールピース7b,7bと中心固定軸2との間に
磁性流体を磁気的に保持して磁性流体リングを形成し、
ポールピース7b,7bと中心固定軸2との間の隙間を
塞ぐようになされている。そして、上記ラジアル軸受部
5の軸受隙間及びスラスト軸受部6の軸受隙間と共に上
記磁性流体シール7,7間の隙間には、上記磁性流体と
同様な磁性流体が潤滑流体11として充填されている。
【0009】ここで、上記コイル10aに通電すると、
駆動マグネット9に回転力が発生し、ハウジング3が回
転する。このようにハウジング3が回転すると、上記ラ
ジアル動圧溝のポンピング作用によって潤滑流体11が
循環し、ラジアル動圧力が発生してハウジング3が回転
自在に支持されると共に、上記スラスト動圧溝のポンピ
ング作用によって潤滑流体11が循環し、スラスト動圧
力が発生してハウジング3が浮上支持される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記動
圧軸受装置においては、以下の問題がある。すなわち、
上述した磁性流体シール7,7によって潤滑流体11の
外部への漏れが防止されるわけであるが、動作時には磁
性流体シール7を挟んで外部側が低圧に、内部側が高圧
に、それぞれなることから、低圧側が、低圧側の磁性流
体リングの耐圧より低圧割合がより大きくなると低圧側
の磁性流体リングが破れ、この破れた磁性流体リングの
磁性流体が低圧側に飛散してしまい、低圧側雰囲気を磁
性流体で汚染してしまうと共に内部の潤滑流体11が漏
出しやすくなるといった問題があった。また、潤滑流体
11が磁性流体シール7,7間の全ての隙間に充填さ
れ、潤滑流体11の熱膨張による体積増加の緩衝スペー
スがないことから、シール性が低く、加えて潤滑流体
(磁性流体)11が内側の磁性流体リングに吸引されて
1段構造のシール機能となってしまうことから、シール
性が低く、このようなシール性の低さによって潤滑流体
11が外部に漏出する畏れが高いといった問題がある。
さらに、当該磁性流体シール7は、振動、衝撃、遠心力
が加わると磁性流体リングが破れやすく、もって内部の
潤滑流体11が漏出してしまうといった問題があった。
【0011】そこで本発明は、潤滑流体の外部への漏出
を確実に防止できる動圧軸受装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の動圧軸受装置は、固定部材と回転部材と
の間の軸受部に介在された潤滑流体によって生じる動圧
作用により、前記回転部材を前記固定部材に対して回転
自在に支持するようにした動圧軸受装置において、前記
軸受部は、前記回転部材をラジアル方向に支持するラジ
アル軸受部と、このラジアル軸受部より外部側に位置し
前記回転部材をスラスト方向に支持するスラスト軸受部
と、前記ラジアル軸受部とスラスト軸受部とに連続して
充填される潤滑流体と、からなり、前記ラジアル軸受部
とスラスト軸受部とは、該ラジアル軸受部とスラスト軸
受部との境界部に向かって前記潤滑流体を送る圧力を発
生させる動圧溝をそれぞれ有し、前記スラスト軸受部の
動圧溝は、動作時に前記スラスト軸受部における潤滑流
体の液面よりその外部側端部が外部に露出するように形
成されてなる。
【0013】このような請求項1における動圧軸受装置
によれば、ラジアル軸受部とこのラジアル軸受部より外
部側に位置するスラスト軸受部とに連続して充填されて
いる潤滑流体のうちのスラスト軸受部側の潤滑流体であ
って当該スラスト軸受部から外部に漏出しようとする潤
滑流体は、当該スラスト軸受部の動圧溝によってラジア
ル軸受部とスラスト軸受部との境界部に向かって送り出
されると共に、スラスト軸受部における潤滑流体の液面
よりその外部側端部が外部に露出するように形成された
スラスト軸受部の動圧溝によってエアー動圧力が発生さ
れて、このエアー動圧力によって上記スラスト軸受部か
ら外部に漏出しようとする潤滑流体は、さらに上記境界
部に向かって送り出される。この時、ラジアル軸受部側
の潤滑流体は、ラジアル軸受部側の動圧溝によって上記
境界部に向かって送り出され、ラジアル軸受部側の潤滑
流体とスラスト軸受部側の潤滑流体とのバランスが保た
れる。
【0014】上記目的を達成するために、請求項2の動
圧軸受装置は、上記請求項1に加えて、スラスト軸受部
は、回転部材の回転中心に対する内径側に位置し、スラ
スト方向に対向する面同士の間隔が一定の平行対向面部
と、この平行対向面部より外径側に位置しスラスト方向
に対向する面同士の間隔が外径側がより大きい隙間変化
部と、を有し、スラスト軸受部の動圧溝は、前記平行対
向面部と前記隙間変化部との双方に形成されてなる。
【0015】このような請求項2における動圧軸受装置
によれば、上記請求項1の作用に加えて、スラスト軸受
部の内径側を構成する平行対向面部より外径側に位置
し、スラスト方向に対向する面同士の間隔が外径側がよ
り大きいスラスト軸受部の外径側を構成する隙間変化部
によって、スラスト軸受部側の潤滑流体が外部に移動し
ようとしても、液面の曲率が徐々に小さくなろうとしこ
れが抵抗となって、当該スラスト軸受部側の潤滑流体の
外部への移動が阻止される。
【0016】上記目的を達成するために、請求項3の動
圧軸受装置は、上記請求項1記載の軸受部を2組有し、
これら2組の軸受部におけるスラスト軸受部の間に、2
組の軸受部におけるラジアル軸受部を配置し、これら2
つのラジアル軸受部の間に、ラジアル方向に対向する面
同士の間隔が、対向するラジアル軸受部側に向かって前
記ラジアル軸受部におけるラジアル方向に対向する面同
士の間隔より外径側に大きくなる隙間変化部を形成する
と共に、この隙間変化部の間に潤滑流体が充填されてい
ない空間部を設け、この空間部を大気と連通してなる。
【0017】このような請求項3における動圧軸受装置
によれば、請求項1記載の軸受部が2組用いられ、2組
の軸受部におけるスラスト軸受部の間に配置された2組
の軸受部におけるラジアル軸受部同士の間に、対向する
ラジアル軸受部側に向かって前記ラジアル軸受部におけ
るラジアル方向に対向する面同士の間隔より外径側に大
きくなる隙間変化部が形成され、この隙間変化部によっ
て、ラジアル軸受部側の潤滑流体が、対向するラジアル
軸受部側に移動しようとしても、液面の曲率が徐々に小
さくなろうとしこれが抵抗となって、当該ラジアル軸受
部側における潤滑流体の該対向するラジアル軸受部側へ
の移動が阻止される。この時、当該隙間変化部の間に潤
滑流体が充填されていない空間部が設けられて、この空
間部が大気と連通されていることから、空間部と大気と
の気圧差がなく、充填されている潤滑流体の気圧差によ
る移動がさらに阻止される。従って、請求項1記載の軸
受部が2組用いられても、ラジアル軸受部側の潤滑流体
とスラスト軸受部側の潤滑流体とのバランスが保たれ
る。
【0018】上記目的を達成するために、請求項4の動
圧軸受装置は、上記請求項1乃至3の何れか一つに加え
て、ラジアル軸受部は、回転部材の回転中心に位置する
中心軸が挿入されるラジアル軸受を備え、このラジアル
軸受は、焼結材よりなることを特徴としている。
【0019】このような請求項4における動圧軸受装置
によれば、上記請求項1乃至3の何れか一つの作用に加
えて、回転部材の回転中心に位置する中心軸が、焼結材
よりなるラジアル軸受に挿入されるが、焼結材をラジア
ル軸受として使用する場合には、一般的に軸受面側の両
周端に面取りが施される。この面取り部には、サイジン
グによる目詰まりがないことから、潤滑流体は、一方の
周端の面取り部−焼結材内部−他方の周端の面取り部−
ラジアル軸受部におけるラジアル方向に対向する面同士
の間の隙間に、ラジアル軸受部側の潤滑流体とスラスト
軸受部側の潤滑流体とのバランスが保たれ得るように循
環される。また、上記ラジアル軸受の面取り部に、例え
ば充填される潤滑流体を所定量載せ、ラジアル軸受部よ
り外部側に位置するスラスト軸受部としての例えばスラ
スト板を押し込むようにして組立を行うようにすれば、
この押し込みによってスラスト軸受部側及びラジアル軸
受側の双方に潤滑流体が連続して充填されるようにな
る。
【0020】上記目的を達成するために、請求項5の動
圧軸受装置は、上記請求項1乃至4の何れか一つに加え
て、ラジアル軸受部は、回転部材の回転中心に位置する
中心軸が挿入されるラジアル軸受を備え、スラスト軸受
部は、前記中心軸に設けられたスラスト板を備え、潤滑
流体は、磁性流体または磁性流体グリースであり、前記
ラジアル軸受及び前記中心軸を磁性体とすると共に、前
記スラスト板を非磁性体とし、前記スラスト板の外部側
平面に環状磁石を配置してなる。
【0021】このような請求項5における動圧軸受装置
によれば、上記請求項1乃至4の何れか一つの作用に加
えて、回転部材の回転中心に位置する中心軸、この中心
軸が挿入されるラジアル軸受が磁性体に、前記中心軸に
設けられラジアル軸受より外部側に位置するスラスト板
が非磁性体に、潤滑流体が磁性流体または磁性流体グリ
ースに、それぞれされると共に、上記スラスト板の外部
側平面に環状磁石が配置されることによって、上記磁性
体及び環状磁石による磁気回路が形成され、この磁気回
路によって、両軸受部側の潤滑流体は上記境界部に向か
うように保持される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態
における動圧軸受装置をHDDモータに適用した構造を
表した横断面図であり、本動圧軸受装置は所謂軸固定型
の動圧軸受装置である。
【0023】同図において、符号21はフレームを示し
ており、このフレーム21には磁性体よりなる中心固定
軸22が垂直に立設するように設けられている。フレー
ム21における上記中心固定軸22の周囲には環状のコ
ア載置台21aが突設されており、このコア載置台21
aの外周面には、コイル33が巻回されたステ−タコア
32が固定されている。
【0024】上記中心固定軸22は、軸方向に離間する
位置に、ラジアル受面22a,22aをそれぞれ有して
おり、このラジアル受面22a,22aにはそれぞれ、
図3に示されるようなへリングボーン状の動圧溝(ラジ
アル動圧溝)22b,22bが周面に沿って複数個形成
されている。なお、図1においては、図が煩雑になるた
めに動圧溝22b,22bは省略されて描かれていな
い。
【0025】このへリングボーン状の動圧溝22bは、
図3に示されるように、屈曲部22cから軸端側(図示
上側の動圧溝にあっては図示上側、図示下側の動圧溝に
あっては図示下側)の溝長さの方が、該屈曲部22cか
ら反軸端側の溝長さより短い非対称形のへリングボーン
状の溝形状になされている。この非対称形のへリングボ
ーン状の動圧溝22bは、ラジアル隙間に充填される後
述の潤滑流体を軸端側に押し出す機能を有している。
【0026】上記中心固定軸22には、回転部材として
のディスクハブ24が挿入されている。このディスクハ
ブ24の外周面には、図示を省略したディスクが複数枚
固定されており、図示下面に形成されている環状の凹設
溝の外側周面には、上記ステ−タコア32の対向位置
に、環状の駆動マグネット34が固着されている。
【0027】このディスクハブ24の内周面には、ラジ
アル軸受25が嵌合固定されている。このラジアル軸受
25は、例えばFe−36Ni(インバー)等の低膨張
材にCuをコーティングした焼結材(磁性体)よりな
る。そして、このような材質を用いると、温度変化によ
る潤滑流体の粘性変化を相殺する方向にラジアル隙間が
変化し、所定の動圧特性が得られることになる。このラ
ジアル軸受25は、上記ラジアル受面22a,22aに
対向する位置に、所定のラジアル隙間を介してラジアル
軸受面25a,25aをそれぞれ有しており、これらラ
ジアル軸受面25a、ラジアル受面22a、ラジアル動
圧溝22b及び後述の潤滑流体によってラジアル軸受部
26が構成されている。
【0028】上記ラジアル軸受25におけるラジアル軸
受面25a,25aの間には、他方のラジアル軸受に向
かって上記所定のラジアル軸受隙間より外径側(図示左
右方向)に大きくなるように傾斜するテーパ面25b,
25b(図示上側のテーパ面は図示下側に向かって大き
くなり、図示下側のテーパ面は図示上側に向かって大き
くなる)がそれぞれ設けられており、これらテーパ面2
5b,25bと上記中心固定軸22とで囲まれる領域に
よって、ラジアル軸受部26,26の間の隙間変化部2
7が形成されている。この隙間変化部27には、ラジア
ル軸受25を貫通して大気に開放される連通孔28が連
通されている。そして、上記ラジアル軸受25は、その
両端面(図示上下端面)に、平面状のスラスト受面25
c,25cをそれぞれ有している。
【0029】上記中心固定軸22には、ラジアル軸受2
5の両端面より外部側の位置に、所定のスラスト隙間を
介してスラスト板23,23がそれぞれ固定されてい
る。このスラスト板23は、例えばリン青銅等の非磁性
体よりなり、その内径側に、上記スラスト受面25cに
対して一定のスラスト隙間を形成する平行対向面23a
を、この平行対向面23aより外径側に、上記スラスト
受面25cに対するスラスト隙間が外径側がより大きく
なるように傾斜するテーパ面23bを、それぞれ備えて
いる。これら平行対向面23aとテーパ面23bとの双
方には、図2に示されるように、スパイラル状の動圧溝
(スラスト動圧溝)23Xが連続して形成されている。
このスパイラル状の動圧溝23Xは、スラスト隙間に充
填される後述の潤滑流体をスラスト板内径側に押し出す
機能を有している。そして、平行対向面23a、テーパ
面23b、スラスト動圧溝23X及び後述の潤滑流体に
よってスラスト軸受部29が、平行対向面23aとスラ
スト受面25cとによりスラスト軸受部の平行対向面部
23cが、テーパ面23bとスラスト受面25cとによ
ってスラスト軸受部の隙間変化部23dが、それぞれ構
成されている。
【0030】上記スラスト板23,23の外部側平面に
は、軸方向に着磁が施された環状磁石30,30がそれ
ぞれ固定されており、この環状磁石30,30の外部側
平面には、環状のヨーク(磁性体)31,31がそれぞ
れ固定されている。
【0031】そして、上記図示上側のラジアル軸受部2
6とスラスト軸受部29、図示下側のラジアル軸受部2
6とスラスト軸受部29にはそれぞれ、潤滑流体として
の例えば磁性流体グリース35,35が、ラジアル、ス
ラスト軸受部に連続するようにして充填されている。こ
の磁性流体グリース35,35は、上述したラジアル軸
受部26,26の間の隙間変化部27の間に大気に連通
する空間部36を設けることによって、図示上方側の軸
受部に用いられる磁性流体グリース35と図示下方側の
軸受部に用いられる磁性流体グリース35との分離がな
されている。
【0032】次に、このように構成されたモータの動作
を説明する前に、上述の磁性流体グリース35の充填方
法について以下説明する。上記ラジアル軸受25におけ
る軸受面側の両周端には、面取り25d,25dが施さ
れている。この面取り部25d,25dは、焼結材より
なるラジアル軸受にあっては一般的に設けられている。
従って、先ずラジアル軸受25をディスクハブ24に嵌
合固定し、次いでこの回転組を中心固定軸22に挿入
し、そうしたら上記面取り部25dに、図4に示される
ように、所定量の磁性流体グリース35を添載し、次い
で上記スラスト板23を押圧してスラスト隙間が所定量
となるようにセットする。すると、このスラスト板23
の押圧によって磁性流体グリース35は、ラジアル軸受
部26とスラスト軸受部29に連続して充填されること
となる。
【0033】すなわち、スラスト板23を押圧するとい
う簡易な作業によって、所定量の磁性流体グリース35
を所定位置に確実に充填できるようになっている。
【0034】この時、スラスト軸受部29にあっては、
少なくともスラスト軸受部29の平行対向面部23cに
磁性流体グリース35が充填されると共に、スパイラル
状の動圧溝23Xの外部側端部が、スラスト軸受部29
における磁性流体グリースの液面より外部に露出し得る
ように、上記磁性流体グリース35の充填量の設定がな
されている。そして、このようにして磁性流体グリース
35の所定量の充填がなされたら、後工程の所定の組立
工程を行うことによって図1に示したモータが得られ
る。
【0035】さて、モータ動作前(非動作時)にあって
は、スラスト軸受部側の磁性流体グリースが、例えば振
動、衝撃等によって隙間変化部23dを伝って外部に移
動しようとしても、当該隙間変化部23dによって液面
の曲率が徐々に小さくなろうとしこれが抵抗となって、
当該スラスト軸受部側の磁性流体グリースの外部への移
動が阻止される。また、ラジアル軸受部側の磁性流体グ
リースが、対向するラジアル軸受部側に移動しようとし
ても、ラジアル軸受部26,26の間の隙間変化部27
によって同様に液面の曲率が徐々に小さくなろうとしこ
れが抵抗となって、当該ラジアル軸受部側における磁性
流体グリースの該対向するラジアル軸受部側への移動が
阻止される。
【0036】またこの時、上述した環状磁石30、磁性
体よりなるラジアル軸受25、中心固定軸22、ヨーク
31によって、図5に示されるような磁気回路Gが形成
され、この磁気回路Gによって、隙間変化部23dを伝
って外部に移動しようとするスラスト軸受部側の磁性流
体グリース及び軸方向に移動しようとするラジアル軸受
部側の磁性流体グリースは、両軸受部の境界部40(図
1及び図5参照)に向かうようにして保持される。
【0037】すなわち、モータ動作前(非動作時)にあ
っては、充填されている磁性流体グリース35は、図1
に示した所定位置にて保持されると共に、当該磁性流体
グリース35の外部への漏出が防止され得るようになっ
ている。
【0038】さて、ここで上記コイル33に通電を行う
と、駆動マグネット34に回転力が生じ、ディスクハブ
24が回転する。このようにディスクハブ24が回転す
ると、上記ラジアル動圧溝22bのポンピング作用によ
って磁性流体グリース35が循環し、ラジアル動圧力が
発生してディスクハブ24が回転自在に支持されると共
に、上記スラスト動圧溝23Xのポンピング作用によっ
て磁性流体グリース35が循環し、スラスト動圧力が発
生してディスクハブ24が浮上支持される。
【0039】この時、スラスト軸受部側の磁性流体グリ
ースのうちの当該スラスト軸受部側から外部に漏出しよ
うとする磁性流体グリースは、上述したスパイラル状の
動圧溝23Xによって上記境界部40に向かって送り出
される。
【0040】この時また、上記スパイラル状の動圧溝2
3Xの外部側端部が、スラスト軸受部29における磁性
流体グリースの液面より外部に露出する構成になされて
いることから、このスパイラル状の動圧溝23Xによっ
てエアー動圧力が発生することとなり、上記スラスト軸
受部側の磁性流体グリースのうちの当該スラスト軸受部
側から外部に漏出しようとする磁性流体グリースは、こ
のエアー動圧力によってさらに上記境界部40に向かっ
て送り出される。
【0041】すなわち、このようにスラスト軸受部側の
磁性流体グリースのうちの該スラスト軸受部側から外部
に漏出しようとする磁性流体グリースを、上記境界部4
0に向かって送り出すようにしているため、磁性流体グ
リースの外部への漏出を確実に防止できるようになって
いる。また、このようなモータ動作時にあっても、上述
したモータ動作前(非動作時)において機能している以
下の機能、すなわちスラスト軸受部29の隙間変化部2
3dによる磁性流体グリースを外部へ漏出させない機
能、磁気回路Gによる磁性流体グリースを境界部40へ
指向保持させる機能が働くため、磁性流体グリースの外
部への漏出をさらに確実に防止できるようになってい
る。
【0042】またこの時、ラジアル軸受部側の磁性流体
グリースは、上記非対称形のへリングボーン状の動圧溝
22cによって上記境界部40に向かって送り出され
る。
【0043】すなわち、スラスト軸受部側及びラジアル
軸受部側の磁性流体グリースは共に、境界部40に向か
って送り出されることとなり、スラスト軸受部側から送
り出される磁性流体グリースとラジアル軸受部側から送
り出される磁性流体グリースとの間のバランスが保たれ
得るようになっている。
【0044】この時、上述したモータ動作前(非動作
時)において機能している以下の機能、すなわちラジア
ル軸受部26,26の間の隙間変化部27による磁性流
体グリースを該対向するラジアル軸受部に向かって移動
させない機能、磁気回路Gによる磁性流体グリースを境
界部40へ指向保持させる機能が働くため、上記バラン
スをさらに保つことができるようになっている。
【0045】さて、このようにしてスラスト軸受部側の
磁性流体グリースとラジアル軸受部側の磁性流体グリー
スとのバランスが保たれるわけであるが、場合によって
は、スラスト軸受部側から送り出される磁性流体グリー
スとラジアル軸受部側から送り出される磁性流体グリー
スとの間のバランスが崩れる畏れがある。しかしなが
ら、上記焼結材よりなるラジアル軸受25の面取り部2
5dにはサイジングによる目詰まりがなく、しかも上記
隙間変化部27のテーパ面25bにも当該面取り部25
dと同様にサイジングによる目詰まりがないことから、
上記境界部40に送り出されてきたアンバランスを画策
する磁性流体グリースは、図5に示されるような循環経
路H、すなわち面取り部25d−ラジアル軸受25(焼
結材)内部−テーパ面25b−ラジアル隙間、という循
環経路Hを循環することになり、スラスト軸受部側から
送り出される磁性流体グリースとラジアル軸受部側から
送り出される磁性流体グリースとの間のバランスを保ち
得るようになっている。
【0046】また、このようなモータ動作時には、上記
連通孔28によって空間部36と大気とに気圧差を生じ
ることがないことから、充填されている磁性流体グリー
ス35の気圧差による移動が阻止されることとなり、上
述したバランスを一層保ち得るようになっている。
【0047】なお、本実施形態においては、潤滑流体と
して磁性流体グリース35を用いているが、これに限定
されるものではなく、例えば磁性流体に代えることも可
能である。このような磁性流体としては、例えばポリα
オレフィンの3量体〜5量体やジエステル、ポリオール
エステル等の低粘度、低蒸発性のものを用いるのがより
好ましい。但し、このように磁性流体を用いると、上記
磁性流体グリースに比して飛散しやすくなる。
【0048】ところで、上記第1実施形態においては、
ラジアル軸受25を焼結材より構成し隙間変化部27の
テーパ面25bが軸方向に長いことから、遠心力が加わ
ると、当該隙間変化部27のテーパ面25bから予定外
の磁性流体グリースが進入し軸受隙間内の磁性流体グリ
ースが減少する畏れがあると共に、このテーパ面25b
から進入してきた磁性流体グリースや上記ラジアル軸受
25の面取り部25dから進入する磁性流体グリース
が、遠心力によってラジアル軸受25内の外周側に移動
し、当該ラジアル軸受25の端面の気孔(ポーラス)か
ら外部に漏出する畏れがある。
【0049】そこで、これに対する対策を施した実施形
態を示したのが図6であり、先の第1実施形態で説明し
たのと同一なもの及び同一機能を果たすものに関しては
同一符号が付してある。この図6に示される第2実施形
態にあっては、上記ラジアル軸受25が軸方向に2分割
されてラジアル軸受45,45とされている。この図示
上側のラジアル軸受45は、上記ラジアル軸受25の上
側のラジアル軸受面25aと同様なラジアル軸受面45
aを有しており、図示下側のラジアル軸受45は、上記
ラジアル軸受25の下側のラジアル軸受面25aと同様
なラジアル軸受面45aを有している。そして、これら
ラジアル軸受45,45の間には、上記テーパ面25
b,25bと同様なテーパ面46b,46bを有するス
ペーサ46,46が配設されており、このスペーサ4
6,46は、磁性流体グリース35を通さない材質より
構成されている。また、ラジアル軸受45,45の外部
側の端面には、上記スペーサ46と同一材よりなるスラ
スト盲板47,47が、第1実施形態のスラスト隙間と
同様なスラスト隙間を確保するようにして、配設されて
いる。
【0050】従って、ディスクハブ24が回転して遠心
力が加わっても、スペーサ46は磁性流体グリースを通
さないため、スペーサ46のテーパ面46bから磁性流
体グリース35が進入することがなく、もって磁性流体
グリースの減少を防止することができるようになってい
ると共に、スラスト盲板47が磁性流体グリースを通さ
ないため、ラジアル軸受45内に進入した磁性流体グリ
ースの外部への漏出を防止できるようになっている。こ
の時、ラジアル軸受45における軸受面側の両周端に
は、面取り部45d,45dが施されているため、先の
第1実施形態で説明した循環経路Hによる磁性流体グリ
ースのバランス保持機能を発揮できるようになってい
る。
【0051】なお、第2実施形態においては、上述のよ
うに循環経路Hによる磁性流体グリースのバランス保持
機能を発揮し得るようにラジアル軸受45に面取り部4
5d,45dを設けているが、これら面取り部45d,
45dを設けないことによって、軸受隙間内の磁性流体
グリースの減少防止及びラジアル軸受45を介する磁性
流体グリースの外部への漏出防止の効果を一層高めるこ
とも可能である。但し、このように構成した場合には、
上記循環経路Hによる磁性流体グリースのバランス保持
機能は消失することになる。
【0052】因に、第2実施形態においては、スペーサ
を2分割しているが、一体物としても良い。
【0053】図7は本発明の第3実施形態における動圧
軸受装置をHDDモータに適用した構造を表した横断面
図であり、先の実施形態とで説明したのと同一なもの及
び同一機能を果たすものに関しては同一符号が付してあ
る。この図7に示される第3実施形態が先の第1実施形
態と主に違う点は、第1実施形態で示したラジアル軸受
部26及びスラスト軸受部29よりなる1組の軸受部で
あって一方の軸受部(図示下側の軸受部)を、他の構成
の軸受部に代えた点である。
【0054】すなわち、この一方の軸受部(図示下側の
軸受部)にあっては、第1実施形態で説明したスラスト
板23に代えて、截頭円錐台形状のスラスト板47が用
いられている。この截頭円錐台形状のスラスト板47
は、外部側に向かってテーパ面47が小さくなるように
配置されており、ラジアル軸受25の端面に対向する面
には第1実施形態で説明したのと同様なスパイラル状の
動圧溝47Xが形成されている。
【0055】従って、スラスト板47のテーパ面47a
に接触している潤滑流体49が外部側(図示下方)に移
動しようとしても、該テーパ面47aによって液面の曲
率が徐々に小さくなろうとしこれが抵抗となって、当該
潤滑流体の外部への移動が阻止されるようになってい
る。また、該スラスト軸受部側の潤滑流体のうちのスパ
イラル状の動圧溝47Xを有している面とラジアル軸受
25のスラスト受面25cとの間のスラスト隙間から外
部に漏出しようとする潤滑流体は、上述したスパイラル
状の動圧溝47Xによってラジアル軸受部とスラスト軸
受部との境界部48に向かって送り出されるようになっ
ている。また、図示下側の軸受部の他の構成(例えば図
示下側のラジアル軸受25等の構成)に関しては第1実
施形態で説明したのと同様であるため、このものに関し
ては第1実施形態と同様な作用・効果を奏することにな
る。すなわち、図示下側の軸受部にあっても、潤滑流体
のバランスを保ちつつ、図示下側の軸受部から外部への
潤滑流体の漏出を防止できるようになっている。
【0056】そして、図示上側のラジアル軸受部26及
びスラスト軸受部29よりなる1組の軸受部に関して
は、第1実施形態と全く同様であるため、第1実施形態
と同様な作用・効果を奏することになる。
【0057】すなわち、この第3実施形態においては、
一方の軸受組(図示上側の軸受組)を第1実施形態と同
様な軸受組とし、他方の軸受組(図示下側の軸受組)を
他の構成の軸受組とすることが可能となっており、第1
実施形態と同様な一方の軸受組に関しては、第1実施形
態と同様な効果を得ることができるようになっている。
【0058】なお、この第3実施形態にあっては、第1
実施形態で採用されていた環状磁石30,30が不要に
されていると共に、ヨーク31,31が不要にされてい
る。すなわち、磁気回路Gによる磁性流体グリースを境
界部40へ指向保持させる機能が消失されている。この
ため、潤滑流体49として、上述した磁性流体グリース
や磁性流体等の磁性系流体を必ずしも用いる必要がな
く、例えばグリースやオイル等を用いても良い。但し、
グリースの方がオイルに比して飛散し難いという利点が
あることから、グリースを用いるのがより好ましい。
【0059】図8は本発明の第4実施形態における動圧
軸受装置をHDDモータに適用した構造の要部を抽出し
て表した横断面図であり、先の実施形態とで説明したの
と同一なもの及び同一機能を果たすものに関しては同一
符号が付してある。この図8に示される動圧軸受装置
は、所謂軸回転型のHDDモータに適用されているもの
である。
【0060】この軸回転型のHDDモータにあっては、
第1実施形態で示した中心固定軸22が中心回転軸50
として回転する一方で、第1実施形態で示したラジアル
軸受25がフレーム21側の軸受ホルダ21bに固定さ
れる構成、すなわち、回転部材と固定部材とが互いに逆
になる構成になされている。
【0061】このように第1実施形態で説明した動圧軸
受装置を軸回転型のモータに適用しても、該動圧軸受装
置としては、第1実施形態で説明したのと同様な作用・
効果を奏することになるため、軸固定型のモータに対す
るのと同様に適用することができる。
【0062】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、境界部40に潤滑流体
を送り出す構成として、ラジアル軸受部にあっては非対
称形のへリングボーン状の動圧溝22c、スラスト軸受
部にあってはスパイラル状の動圧溝23Xとしている
が、これら動圧溝に限定されるものではない。
【0063】なお、上記実施形態の動圧軸受装置は、H
DDモータ以外のモータに対しても適用可能であり、さ
らにモータ以外の装置に対しても適用可能である。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の動圧軸受
装置によれば、ラジアル軸受部とこのラジアル軸受部よ
り外部側に位置するスラスト軸受部とに連続して充填さ
れている潤滑流体のうちのスラスト軸受部側の潤滑流体
であって当該スラスト軸受部から外部に漏出しようとす
る潤滑流体を、当該スラスト軸受部の動圧溝によってラ
ジアル軸受部とスラスト軸受部との境界部に向かって送
り出すと共に、スラスト軸受部における潤滑流体の液面
よりその外部側端部が外部に露出するように形成された
スラスト軸受部の動圧溝によってエアー動圧力を発生し
て、このエアー動圧力によって上記スラスト軸受部から
外部に漏出しようとする潤滑流体を、さらに上記境界部
に向かって送り出し、この時ラジアル軸受部側の潤滑流
体を、ラジアル軸受部側の動圧溝によって上記境界部に
向かって送り出し、ラジアル軸受部側の潤滑流体とスラ
スト軸受部側の潤滑流体とのバランスを保つように構成
したものであるから、何れか一方の軸受部側の潤滑流体
が低下することによる動圧特性の低下を防止しつつ、潤
滑流体の外部への漏出を確実に防止でき、もって装置の
信頼性及び品質を向上することが可能となる。
【0065】また、請求項2の動圧軸受装置によれば、
上記請求項1に加えて、スラスト軸受部の内径側を構成
する平行対向面部より外径側に位置し、スラスト方向に
対向する面同士の間隔が外径側がより大きいスラスト軸
受部の外径側を構成する隙間変化部によって、スラスト
軸受部側の潤滑流体が外部に移動しようとしても、液面
の曲率が徐々に小さくなろうとしこれが抵抗となって、
当該スラスト軸受部側の潤滑流体の外部への移動を阻止
し得るように構成したものであるから、動作時、非動作
時の何れであっても、潤滑流体の外部への漏出を請求項
1よりさらに防止でき、請求項1の効果を一層高めるこ
とが可能となる。
【0066】また、請求項3の動圧軸受装置によれば、
上記請求項1記載の軸受部を2組用い、2組の軸受部に
おけるスラスト軸受部の間に配置した2組の軸受部にお
けるラジアル軸受部同士の間に、対向するラジアル軸受
部側に向かって前記ラジアル軸受部におけるラジアル方
向に対向する面同士の間隔より外径側に大きくなる隙間
変化部を形成し、この隙間変化部によって、ラジアル軸
受部側の潤滑流体が、対向するラジアル軸受部側に移動
しようとしても、液面の曲率が徐々に小さくなろうとし
これが抵抗となって、当該ラジアル軸受部側における潤
滑流体の該対向するラジアル軸受部側への移動を阻止す
ると共に、当該隙間変化部の間に潤滑流体が充填されて
いない空間部を設け、この空間部と大気とを連通し空間
部と大気との気圧差をなくして、充填されている潤滑流
体の気圧差による移動をさらに阻止し、請求項1記載の
軸受部を2組用いた場合であっても、ラジアル軸受部側
の潤滑流体とスラスト軸受部側の潤滑流体とのバランス
を保ち得るように構成したものであるから、請求項1と
同様に、何れか一方の軸受部側の潤滑流体が低下するこ
とによる動圧特性の低下を防止しつつ、潤滑流体の外部
への漏出を確実に防止でき、もって装置の信頼性及び品
質を向上することが可能となる。
【0067】また、請求項4の動圧軸受装置によれば、
上記請求項1乃至3の何れか一つに加えて、回転部材の
回転中心に位置する中心軸を、一般的に軸受面側の両周
端に面取りが施されている焼結材よりなるラジアル軸受
に挿入し、面取り部にはサイジングによる目詰まりがな
いという特性を利用して、潤滑流体を、一方の周端の面
取り部−焼結材内部−他方の周端の面取り部−ラジアル
軸受部におけるラジアル方向に対向する面同士の間の隙
間に、ラジアル軸受部側の潤滑流体とスラスト軸受部側
の潤滑流体とのバランスを保つように循環可能とすると
共に、上記ラジアル軸受の面取り部に、例えば充填され
る潤滑流体を所定量載せ、ラジアル軸受部より外部側に
位置するスラスト軸受部としての例えばスラスト板を押
し込むようにして組立を行うことによって、スラスト軸
受部側及びラジアル軸受側の双方に潤滑流体を連続して
充填し得るように構成したものであるから、請求項1乃
至3の何れか一つの効果に加えて、何れか一方の軸受部
側の潤滑流体が低下することによる動圧特性の低下を請
求項1乃至3の何れか一つに比してさらに防止できると
共に、組立性の向上が可能となる。
【0068】また、請求項5の動圧軸受装置によれば、
上記請求項1乃至4の何れか一つに加えて、回転部材の
回転中心に位置する中心軸、この中心軸が挿入されるラ
ジアル軸受を磁性体に、前記中心軸に設けられラジアル
軸受より外部側に位置するスラスト板を非磁性体に、潤
滑流体を磁性流体または磁性流体グリースに、それぞれ
すると共に、上記スラスト板の外部側平面に環状磁石を
配置することによって、上記磁性体及び環状磁石による
磁気回路を形成し、この磁気回路によって、両軸受部側
の潤滑流体を上記境界部に向かわせて保持するように構
成したものであるから、請求項1乃至4の何れか一つの
効果を一層高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における動圧軸受装置を
HDDモータに適用した構造を表した横断面図である。
【図2】図1に示したスラスト板のスラスト動圧溝を表
した平面図である。
【図3】図1に示した中心固定軸のラジアル動圧溝を表
した正面図である。
【図4】図1に示した潤滑流体を所定位置に充填する際
の方法を表した工程説明図である。
【図5】磁気回路及び潤滑流体の循環経路を説明するた
めに図1の要部を抽出して表した横断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態における動圧軸受装置を
HDDモータに適用した構造の要部を抽出して表した横
断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態における動圧軸受装置を
HDDモータに適用した構造を表した横断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態における動圧軸受装置を
HDDモータに適用した構造の要部を抽出して表した横
断面図である。
【図9】従来技術における動圧軸受装置を磁気ディスク
駆動モータに適用した構造を表した横断面図である。
【符号の説明】
22 中心固定軸 22b ラジアル動圧溝 23 スラスト板 23c スラスト軸受部の平行対向面部 23d スラスト軸受部の隙間変化部 23X スラスト動圧溝 25,45 ラジアル軸受 26 ラジアル軸受部 27 ラジアル軸受部の間の隙間変化部 28 連通孔 29 スラスト軸受部 30 環状磁石 35,49 潤滑流体 36 隙間変化部の空間部 40,48 境界部 50 中心回転軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材と回転部材との間の軸受部に介
    在された潤滑流体によって生じる動圧作用により、前記
    回転部材を前記固定部材に対して回転自在に支持するよ
    うにした動圧軸受装置において、 前記軸受部は、 前記回転部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部
    と、 このラジアル軸受部より外部側に位置し前記回転部材を
    スラスト方向に支持するスラスト軸受部と、 前記ラジアル軸受部とスラスト軸受部とに連続して充填
    される潤滑流体と、からなり、 前記ラジアル軸受部とスラスト軸受部とは、該ラジアル
    軸受部とスラスト軸受部との境界部に向かって前記潤滑
    流体を送る圧力を発生させる動圧溝をそれぞれ有し、 前記スラスト軸受部の動圧溝は、動作時に前記スラスト
    軸受部における潤滑流体の液面よりその外部側端部が外
    部に露出するように形成されてなる動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 スラスト軸受部は、回転部材の回転中心
    に対する内径側に位置し、スラスト方向に対向する面同
    士の間隔が一定の平行対向面部と、この平行対向面部よ
    り外径側に位置しスラスト方向に対向する面同士の間隔
    が外径側がより大きい隙間変化部と、を有し、 スラスト軸受部の動圧溝は、前記平行対向面部と前記隙
    間変化部との双方に形成されてなる請求項1記載の動圧
    軸受装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軸受部を2組有し、 これら2組の軸受部におけるスラスト軸受部の間に、2
    組の軸受部におけるラジアル軸受部を配置し、 これら2つのラジアル軸受部の間に、ラジアル方向に対
    向する面同士の間隔が、対向するラジアル軸受部側に向
    かって前記ラジアル軸受部におけるラジアル方向に対向
    する面同士の間隔より外径側に大きくなる隙間変化部を
    形成すると共に、この隙間変化部の間に潤滑流体が充填
    されていない空間部を設け、 この空間部を大気と連通してなる動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 ラジアル軸受部は、回転部材の回転中心
    に位置する中心軸が挿入されるラジアル軸受を備え、 このラジアル軸受は、焼結材よりなることを特徴とする
    請求項1乃至3の何れか一つに記載の動圧軸受装置。
  5. 【請求項5】 ラジアル軸受部は、回転部材の回転中心
    に位置する中心軸が挿入されるラジアル軸受を備え、 スラスト軸受部は、前記中心軸に設けられたスラスト板
    を備え、 潤滑流体は、磁性流体または磁性流体グリースであり、 前記ラジアル軸受及び前記中心軸を磁性体とすると共
    に、前記スラスト板を非磁性体とし、 前記スラスト板の外部側平面に環状磁石を配置してなる
    請求項1乃至4の何れか一つに記載の動圧軸受装置。
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