JP2001271828A - 動圧型焼結含油軸受ユニット - Google Patents

動圧型焼結含油軸受ユニット

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JP2001271828A
JP2001271828A JP2000088762A JP2000088762A JP2001271828A JP 2001271828 A JP2001271828 A JP 2001271828A JP 2000088762 A JP2000088762 A JP 2000088762A JP 2000088762 A JP2000088762 A JP 2000088762A JP 2001271828 A JP2001271828 A JP 2001271828A
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dynamic pressure
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Natsuhiko Mori
夏比古 森
Tetsuya Kurimura
栗村  哲弥
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受隙間への空気の巻き込みや油の漏れに起
因する回転精度の低下を確実に、かつ低コストに防止す
る。 【解決手段】 含油焼結金属からなる動圧型焼結含油軸
受2と、一端が開口で他端が閉塞され、上記動圧型焼結
含油軸受が内装されたハウジング3とを備えるものにお
いて、ハウジング3の一端側開口部を、軸受本体22の
ハウジング開口側の端面22a1に密着するシール部材11
でシールする。また、ハウジング3内に、軸受本体22
のハウジング閉塞側の端面22a2に密着する閉塞部13を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高回転精度、高速
安定性、高耐久性などに優れた特徴を有する動圧型焼結
含油軸受ユニットに関し、特に情報機器用スピンドルモ
ータのスピンドル支持用に好適な軸受ユニットに関す
る。ここでいう「情報機器用スピンドルモータ」には、
例えば、CD−R/RW、DVD−ROM/RAMなど
の光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、HDDなど
の磁気ディスクを駆動するディスクドライブモータ、あ
るいはレーザビームプリンタ(LBP)や複写機のスキ
ャナモータなどが含まれる。
【0002】
【従来の技術】上記情報機器類のスピンドルモータに
は、高回転精度の他、さらなる高速化、低コスト化、低
騒音化などが求められているが、これらの要求性能を決
定づける構成要素の一つにモータのスピンドルを支持す
る軸受がある。従来では、この軸受としてボールベアリ
ングか一般的な真円型の焼結含油軸受が用いられてい
る。
【0003】しかしながら、この種のスピンドルモータ
は8000〜10000rpm程度、特にLBPに使用
されるポリゴンスキャナモータでは、数万rpmの高速
で使用される場合が多く、また、軸振れ、NRRO、ジ
ッタなどの回転精度も考慮する必要があるため、ボール
ベアリングや焼結含油軸受では上記要求性能を満足する
ことが難しくなっている。
【0004】以上の観点から、近年ではこの種の軸受と
して動圧型の焼結含油軸受を使用することが検討され、
あるいは実際に使用されている。この軸受は、図16に
示すように、焼結金属製の軸受本体122に潤滑油また
は潤滑グリースを含浸させ、軸受本体122内周の軸受
面121に設けた動圧溝の動圧効果で軸受隙間Cに潤滑
油膜を形成してスピンドルとなる軸101を非接触支持
するもので、上記要求性能にも十分に対応できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図16に示す従来構造
では、ハウジング103の開口部がシールワッシャ13
2でシールされているが、シールワッシャ132とシー
ルワッシャに対向する軸受本体122の端面との間に隙
間114が存在する。そのため、図17に示すように、
熱膨張等によって軸受本体122の端面から滲み出した
油が軸受隙間Cに引き込まれる際に、同時に隙間114
中の空気も軸受隙間Cに引き込まれるおそれがある。軸
受隙間Cへの空気の巻き込みは、油膜圧力を低下させ、
軸振れやNRROに代表される回転精度を大きく低下さ
せる要因となる。
【0006】また、動圧型焼結含油軸受をハウジングに
組み込んで縦軸姿勢で使用する場合、軸受本体122の
下方へ漏れ出た油は、ハウジング103の底部に溜まる
が、軸受本体122の下面とハウジング103底面との
間の隙間115が広いと軸受本体122は溜まった油と
接触しなくなる。モータが停止すると温度が下がり、軸
受本体122の表面に付着した油は毛細管現象によって
再び軸受本体122内部に吸収されるが、軸受本体12
2と接触しない隙間115中の油は二度と戻らず、これ
が繰り返されることによって潤滑油不足に至る。潤滑油
不足になると軸受隙間に形成された潤滑油膜中に空気が
巻き込まれるようになり、本来の動圧効果が減じられて
ラジアル剛性が低下する一方、不安定な振動が発生する
ようになり、回転精度が悪化する。
【0007】そこで、本発明は、上述した空気の巻き込
みや油の漏れに起因する回転精度の低下を確実に、かつ
低コストに防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、焼結金属で形成され、かつ軸の外周面
と軸受隙間を介して対向する軸受本体に油を保有させて
なり、軸と軸受本体との相対回転で生じる動圧作用によ
り軸を非接触支持する動圧型焼結含油軸受と、一端が開
口で他端が閉塞され、上記動圧型焼結含油軸受が内装さ
れたハウジングとを備えるものにおいて、ハウジング内
に、軸受本体両端部の少なくとも一方の端面と密着する
部材を設けた。
【0009】上記部材は、軸受本体のハウジング開口側
の端面に密着するシール部材で構成することができる。
これにより、軸受本体のハウジング開口側の端面とこれ
に対向するシール部材の端面との間の隙間がなくなるの
で、空気がハウジング開口側の軸受隙間C(図5ではそ
の幅を誇張して描いている)へ引き込まれにくくなる。
【0010】また、上記部材は、軸受本体のハウジング
閉塞側の端面に密着する閉塞部で構成することができ
る。これにより、ハウジングの底部付近において、軸の
外周面と閉塞部の内周面とで形成される隙間に油が漏れ
出にくくなるので、軸受本体の内部に長期間潤沢な油を
保持することができ、高速回転時においても安定した回
転精度を確保することが可能となる。
【0011】ハウジングの内周面と軸受本体の外周面と
の間に、軸受本体の両端面に開口する第一通気路を形成
しておけば、この第一通気路が空気抜きとして機能する
ため、軸受ユニットの組立時における軸の挿入作業をス
ムーズに行うことができる。
【0012】この作用効果は、ハウジングの内周面とシ
ール部材の外周面との間に、シール部材の両端面に開口
する第二通気路を形成しておくことによって、より顕著
に得ることができる。この場合、第二通気路は第一通気
路と連通させておく。
【0013】第一通気路を、閉塞部の何れかの一方の端
面に沿った半径方向通気路を介して軸の外周面との対向
位置に開口させることにより、空気抜き作業がより容易
に行える。
【0014】以上述べた動圧型焼結含油軸受ユニット
は、軸と軸受本体との相対回転により光ディスク、光磁
気ディスク、あるいは磁気ディスクの何れかを回転させ
るディスクドライブモータや、軸と軸受本体との相対回
転によりポリゴンミラーを回転させるスキャナモータに
適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図15に基いて説明する。
【0016】図1は、情報機器の一種であるレーザビー
ムプリンタ(LBP)に装備されるスキャナモータ(ポ
リゴンミラーモータとも呼ばれる)の断面図である。こ
のスキャナモータは、軸1を回転自在に支持する動圧型
焼結含油軸受2を有する軸受ユニットUと、軸1の上端
に取付けられたポリゴンミラーPと、軸方向のギャップ
を介して対向させたステータmSおよびロータmRを主体
とするモータ部Mとで構成される。軸受2はベース4に
取付けたハウジング3の内周に固定される。6はロータ
ハブ、7はポリゴンミラーPをロータハブ6に押付ける
ための予圧バネである。ハウジング3の外周に固定され
たステータmSに通電すると、ロータハブ6に取付けら
れたロータmRとの間の励磁力でロータmRが回転し、こ
の回転に伴ってポリゴンミラーPが回転する。レーザ光
源から所定の光学系を経てポリゴンミラーPに入射した
レーザ光は、ポリゴンミラーPにより反射されて感光ド
ラム面を走査する。
【0017】軸受ユニットUを他の情報機器用スピンド
ルモータ、例えば光ディスクのディスクドライブモータ
に用いる場合は、光ディスクを支持するターンテーブル
が軸1に装着され、磁気ディスクのディスクドライブモ
ータに用いる場合は、一枚または複数枚の磁気ディスク
を保持するディスクハブが軸1に装着される。
【0018】図2に示すように、軸受ユニットUは、焼
結含油軸受2と、焼結含油軸受2を内周部に固定したハ
ウジング3とを主要構成要素として構成される。ハウジ
ング3は一端を開口すると共に、他端を閉塞した有底円
筒型に形成され、一端側の開口部を上にしてベース4に
固定される。ハウジング3は、他端側を例えば図示のよ
うにスラスト軸受部31で閉塞した有底筒型に構成され
る。スラスト軸受部31は、例えば円板状に形成された
樹脂製のスラストワッシャ32と、これを支持する裏金
33とを積層した構造で、軸1は、その球面状の軸端を
スラストワッシャ32に接触させてスラスト方向で支持
される。スラスト軸受部31の構造は任意であり、例え
ばハウジング3と一体に成形することもできる。
【0019】焼結含油軸受2は、軸1の外周面と軸受隙
間を介して対向する軸受面21を有する焼結金属からな
る円筒状の軸受本体22に、潤滑油あるいは潤滑グリー
スを含浸させることにより、焼結金属の細孔内に油を保
有させたものである。焼結金属からなる軸受本体22
は、銅系あるいは鉄系、またはその双方を主成分とする
焼結金属で形成され、望ましくは銅を20〜95%使用して
成形される。軸受本体22の内周には、軸方向に離隔す
る2つの軸受面21が形成され、2つの軸受面21の双
方に、それぞれ軸方向に対して傾斜した複数の動圧溝2
3(へリングボーン型)が円周方向に配列形成される。
動圧溝23は軸方向に対して傾斜して形成されていれば
足り、この条件を満たす限りへリングボーン型以外の他
の形状、例えばスパイラル型でもよい。動圧溝23の溝
深さは2〜6μm程度が適当で、例えば3μmに設定さ
れる。
【0020】この焼結含油軸受2では、軸1の回転に伴
う圧力発生と昇温による油の熱膨張によって軸受本体2
2の内部の潤滑剤(潤滑油、または潤滑グリースの基
油)が軸受本体22の表面からからにじみ出し、動圧溝
の作用により軸受面21と軸1の外周面との間の軸受隙
間Cに引き込まれる。軸受隙間Cに引き込まれた油は潤滑
油膜を形成して軸1を非接触支持する。すなわち、軸受
面21に、上記傾斜状の動圧溝23を設けると、その動
圧作用によりにじみ出した軸受本体22内部の潤滑剤が
軸受隙間Cに引き込まれると共に、軸受面21に潤滑剤
が押し込まれ続けるので、油膜力が高まり、軸受の剛性
を向上させることができる。
【0021】軸受隙間に正圧が発生すると、軸受面21
の表面に孔(開孔部:多孔質体組織の細孔が外表面に開
口した部分をいう)があるため、潤滑剤は軸受本体の内
部に還流するが、次々と新たな潤滑剤が軸受隙間に押し
込まれ続けるので油膜力および剛性は高い状態で維持さ
れる。この場合、連続しかつ安定した油膜が形成される
ので、高回転精度が得られ、軸振れやNRRO、ジッタ
等が低減される。また、軸1と軸受本体22が非接触で
回転するために低騒音であり、しかも低コストである。
【0022】図3(A)に示すように、両軸受面21
は、一方に傾斜する動圧溝23が配列された第1の溝領
域m1と、第1の溝領域m1から軸方向に離隔し、他方に傾
斜する動圧溝23が配列された第2の溝領域m2と、2つ
の溝領域m1、m2の間に位置する環状の平滑部nとを備え
ており、2つの溝領域m1、m2の動圧溝23は平滑部nで
区画されて非連続になっている。平滑部nと動圧溝23
間の背の部分24は同一レベルにある。
【0023】通常、軸1は、ハウジング3にスラスト軸
受部31を装着した状態で軸受2の内径部に挿入され
る。軸1の挿入前には、潤滑性向上のために予めハウジ
ング3内に油を注油する場合があるが、軸受2と軸1の
間の軸受隙間は数μm程度しかないため、軸端と注油し
た油の上面との間に閉じ込められた空気の逃げ場がなく
なり、軸1の挿入が難しくなる。
【0024】この対策としては、軸受本体22の外周面
とハウジング3の内周面との間に、軸受本体22の軸方
向両端に開口する第一通気路9を設け、軸1の挿入と共
に閉じ込められた空気をこの第一通気路9を介して軸受
外に逃がすようにすればよい。この通気路9は、例えば
図3(B)に示すように、軸受本体22の外周面に一ま
たは複数(二本以上が望ましい)の軸方向の溝を設ける
ことによって形成することができるが、図4に示すよう
に、ハウジング3の内周面に同様の溝9’を設けること
によっても形成可能である。
【0025】図1および図2に示すように、ハウジング
3の一端開口部は、厚肉リング状の部材、例えばシール
部材11でシールされる。このシール部材11は、例え
ば樹脂材料(例えばポリアミドなど)や金属材料(焼結
金属も含む)で形成され、接着や圧入等の手段でハウジ
ング3の一端開口部に固定される。図5に拡大して示す
ように、シール部材11は、その内周面を軸1の外周面
にできるだけ近接させた非接触シールで、毛細管現象に
よりハウジング3内部からの油漏れを防止する構造であ
る。シール部材11を軸1に接触させると、トルクの増
大・変動を招き、高精度が要求される情報機器用スピン
ドルモータとしては好ましくないため、軸1に対して非
接触としたものである。シール部材11の内周面と軸1
の外周面との間の隙間幅Sが半径で0.2mm以下、望ま
しくは0.1mm以下であれば、たとえ軸姿勢を横向きや
逆向きとした場合でも、毛細管現象により油漏れが確実
に防止される。なお、隙間Sを介した空気の流通は確保
されているので、ハウジング3内からの空気の放出はス
ムーズに行われる。
【0026】シール部材11は、これと対向する軸受本
体22の一端側(ハウジング開口側)端面22a1に密着配
置される。これより熱膨張等によって軸受本体22から
しみ出そうとする油は、内径側のチャンファ部22b1から
しみ出すので、チャンファ部22b1と軸1の外周面との間
の隙間が常に油で満たされた状態となる(同様に外径側
のチャンファ部22b2とハウジング3の内周面との間の隙
間もしみ出した油で満たされる)。これよりシール部材
11と軸受本体22との間に空気が存在することはな
く、それ故、図17に示す従来品に比べると、空気がハ
ウジング開口側の軸受隙間C(図5ではその幅を誇張し
て描いている)へ引き込まれにくくなり、安定した回転
精度を維持することが可能となる。
【0027】この場合、軸1の外周面のうち、少なくと
もシール部材11の内周面との対向部を含む領域(シー
ル部材11の厚みよりも大きな軸方向幅の領域)に、そ
の全周にわたって撥油剤を塗布しておけば、軸1を伝わ
って漏れ出ようとする油をはじくことができ、油漏れを
完全に防止することができる。
【0028】図1および図2に示すように、ハウジング
3内には、軸受本体22の他端側(ハウジング閉塞側)
の端面22a2と密着する部材、例えば閉塞部13が配置さ
れる。この閉塞部13は、図示のように例えばハウジン
グ3と一体に形成される。図示例ではハウジング3の内
周面からその全周にわたって内径方向に突出形成した薄
肉円盤状の閉塞部13を例示している。閉塞部13は、
軸受本体端面22a2の外周縁から当該端面22a2の半径方向
長さ(外周面の半径寸法から内周面の半径寸法を差し引
いた値)の少なくとも六割にかけての部分を覆うものと
する。閉塞部13の内周部には、軸1を挿入するための
挿入孔13aが形成されている。
【0029】この場合、熱膨張などによって軸受本体2
2から漏れ出した過剰の油は、図6に示すように、軸受
本体22の内径側端面チャンファ部22c1、閉塞部13の
内周面13a、スラストワッシャ32、および軸1の外
周面で仕切られた隙間15に溜まるが(外径側の端面チ
ャンファ部22c2、閉塞部13、およびハウジング3内周
面で仕切られた隙間にも油が溜まる)、当該隙間15の
容積は、図16に示す従来品の隙間115よりも少なくと
も閉塞部13の張り出し部分だけ小さくなる。この隙間
15中の油は、駆動停止時の軸受本体22の温度低下時
により、軸受本体22内部に容易に吸収されるため(毛
細管現象)、軸受内部には常に潤沢な油を保持すること
ができ、高速回転時においても安定した回転精度を確保
することができる。
【0030】図7(A)〜(C)は、図8(A)〜
(C)に示す各軸受ユニットについて、回転速度の上昇
に伴うNRRO(非繰り返し精度)を測定した結果を示すも
のである。図8(A)は図16に示す従来品であり、同
図(B)は軸受本体端面22a1、22a2のうち、ハウジング
開口側の軸受本体端面22a1にシール部材11を密着させ
たもの(但し、ハウジング閉塞側の端面22a2は開放して
おり、軸受本体22とスラストワッシャ32との間には
従来品と同様の隙間115がある)、同図(C)はハウ
ジング開口側の軸受本体端面22a1にシール部材11を密
着させると共に、ハウジング閉塞側の軸受本体端面22a2
に閉塞部13を密着させたものである(図2に対応)。
図7(A)〜(C)の各実験結果は図8の符号(A)〜
(C)にそれぞれ対応している。
【0031】図7(A)では回転数の増大に伴ってNRRO
値のバラツキが大きくなり、その値も増大する傾向にあ
るが、同図(B)ではこれよりもNRRO値のバラツキは小
さく、回転数の増大に対する上昇度合いも小さくなる。
さらに同図(C)では同図(B)に比べてバラツキおよ
び上昇度合いがより小さく、全回転数域でほぼ一定の値
を示す。以上から、軸受本体の両端面22a1、22a2のう
ち、少なくともハウジング開口側の端面22a1(図8
(B)に対応)、さらに望ましくは両端面22a1、22a2
(図8(C)に対応)を塞ぐことにより、高速回転(3
0000rpm以上)下においても高回転精度を維持で
きることが確認された。
【0032】組立工程において軸1を挿入する際の空気
抜きとして機能させるべく、ハウジング3の内周面とシ
ール部材11の外周面との間には、図2に示すように、
シール部材11の両端面に開口すると共に、第一通気路
9と連通した第二通気路14が形成される。第二通気路
14は、第一通気路9の位置に対応して形成され、図9
に示すように、例えばシール部材11の外周面の一また
は複数箇所(二個所以上が望ましい)に軸方向の溝を形
成することによって構成される。第二通気路14は、シ
ール部材11の両端面に開口していればその形状は問わ
ず、たとえば図10に示すように螺旋状に形成すること
もできる。また、図11に示すように、複数の第二通気
路14を円周方向の周方向通気路18で相互に連通させ
てもよい。
【0033】この場合、図12および図13に示すよう
に、軸受本体22のハウジング閉塞側の端面22a2、およ
びこれに面する閉塞部13の端面の間に、閉塞部13の
内・外周面に開口する半径方向通気路16を介在させる
こともできる。この半径方向通気路16により、第一通
気路9が軸端周囲の隙間15に開口するため、組立時に
おいて軸1を挿入する際の空気抜きをスムーズに行うこ
とが可能となる。図12および図13は、半径方向通気
路16の一例で、このうち、図12は軸受本体22の端
面22a2に一または複数(図面では四個所)の半径方向溝
16を設けたものであり、図13は、軸受本体22に対
向する閉塞部13の端面に、同様の半径方向溝16を設
けたものである。
【0034】以上の説明では、閉塞部13をハウジング
3と一体に成形した場合を例示したが、ハウジング3と
は別部材で閉塞部13を構成することもできる。図14
および図15は、閉塞部としてのリング状の閉塞部材1
3をハウジング3内で軸受本体22の端面22a2に密着さ
せて配置したものである。閉塞部13は、樹脂材料や金
属材料(焼結金属も含む)で形成することができ、ハウ
ジング3の内周面に例えば接着や圧入で固定される。図
示例では、閉塞部材13とハウジング3の底部(本実施
形態ではスラストワッシャ32)との間に軸方向の隙間
16を残してある。
【0035】この場合、第一通気路9を閉塞部13の外
周領域にまで延長することにより、第一通気路9が半径
方向通気路となる隙間16を介して軸端の外周面との対
向位置に開口するため、軸1を挿入する際の空気抜きを
スムーズに行うことが可能となる。第一通気路9の延長
手段として、図14は、閉塞部13の外周にその両端面
に開口する一または複数の溝13bを設けた場合を、図
15は、ハウジング3内周面に設けた溝9(図4(A)
(B)参照)を閉塞部材13の外周領域まで延長した場
合を例示している。
【0036】なお、上記半径方向通気路16は、閉塞部
13の両端面のうち、何れか一方の端面に沿うものであ
ればよく、図14および図15に示すようにハウジング
閉塞側の端面に沿わせる他、別体の閉塞部材13を用い
た場合でも、図12および図13の実施形態と同様にハ
ウジング開口側の端面に沿わせて形成することもでき
る。
【0037】なお、以上の説明では、動圧溝23を軸受
本体22の内周に設けた場合を例示したが、本発明は軸
1の外周面に同様の動圧溝を設けた場合にも適用が可能
である。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ハウジン
グの一端側開口部を、軸受本体のハウジング開口側の端
面に密着するシール部材でシールしているので、ハウジ
ング開口側からの軸受隙間への空気の混入を確実に防止
することができ、高速回転下においても高い回転精度を
維持することができる。
【0039】ハウジング内に、軸受本体のハウジング閉
塞側の端面に密着する閉塞部を設ければ、ハウジング閉
塞側での油漏れを抑制することができ、より高い回転精
度を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる動圧型軸受ユニットを用いたL
BPスキャナモータの軸方向の断面図である。
【図2】上記動圧型軸受ユニットの軸方向の断面図であ
る。
【図3】(A)図は焼結含油軸受の軸方向の断面図、
(B)図は半径方向の断面図である。
【図4】(A)図は、動圧型軸受ユニットの他の実施形
態を示す軸方向の断面図、(B)図は(A)図中のB−
B断面図である。
【図5】上記動圧型軸受ユニットのハウジング開口部付
近の拡大断面図である。
【図6】上記動圧型軸受ユニットのハウジング閉塞部付
近の拡大断面図である。
【図7】回転数とNRRO値の測定データを示す図であ
る。
【図8】図7の測定に使用した動圧型軸受ユニットの仕
様を示す軸方向の断面図である。
【図9】(A)図はシール部材の軸方向断面図、(B)
図は(A)図中のB−B線断面図である。
【図10】シール部材の他の実施形態を示す側面図(一
部断面図)である。
【図11】シール部材の他の実施形態を示す側面図(一
部断面図)である。
【図12】(A)図は動圧型軸受ユニットのハウジング
閉塞部付近を示す軸方向の断面図、(B)図は軸受本体
の底面図である。
【図13】(A)図は動圧型軸受ユニットのハウジング
閉塞部付近を示す軸方向の断面図、(B)図は(A)図
中のB−B断面図である。
【図14】閉塞部の他の実施形態を示す軸方向の断面図
である。
【図15】(A)図は閉塞部の他の実施形態を示す軸方
向の断面図、(B)ハウジングの断面図(A図B−B
線)である。
【図16】従来の動圧型軸受ユニットを示す軸方向の断
面図である。
【図17】従来の動圧型軸受ユニットのハウジング開口
部付近を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 軸 2 動圧型焼結含油軸受 21 軸受面 22 軸受本体 22a1 端面(ハウジング開口側) 22a2 端面(ハウジング閉塞側) 3 ハウジング 31 スラスト軸受部 9 第一通気路 11 シール部材 13 閉塞部 14 第二通気路 16 半径方向通気路 C 軸受隙間 U 動圧型軸受ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 5/167 H02K 5/167 A 7/08 7/08 A Fターム(参考) 3J011 AA07 AA12 AA20 BA02 BA09 CA02 DA01 DA02 JA02 KA02 KA05 LA01 MA12 SB19 3J016 AA02 AA06 BB17 5H605 BB05 BB14 CC04 EB06 EB09 EB13 EB16 EB28 5H607 BB01 BB13 CC01 DD03 GG12 GG15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結金属で形成され、かつ軸の外周面と
    軸受隙間を介して対向する軸受本体に油を保有させてな
    り、軸と軸受本体との相対回転で生じる動圧作用により
    軸を非接触支持する動圧型焼結含油軸受と、一端が開口
    で他端が閉塞され、上記動圧型焼結含油軸受が内装され
    たハウジングとを備えるものにおいて、 上記ハウジング内に、軸受本体両端部の少なくとも一方
    の端面と密着する部材を設けたことを特徴とする動圧型
    軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 上記部材が、軸受本体のハウジング開口
    側の端面に密着するシール部材からなる請求項1記載の
    動圧型焼結含油軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 上記部材が、軸受本体のハウジング閉塞
    側の端面に密着する閉塞部からなる請求項1または2何
    れか記載の動圧型焼結含油軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 ハウジングの内周面と軸受本体の外周面
    との間に、軸受本体の両端面に開口する第一通気路を形
    成した請求項3記載の動圧型焼結含油軸受ユニット。
  5. 【請求項5】 ハウジングの内周面とシール部材の外周
    面との間に、シール部材の両端面に開口する第二通気路
    を形成した請求項4記載の動圧型焼結含油軸受ユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】 第一通気路を、閉塞部の何れかの一方の
    端面に沿った半径方向通気路を介して軸の外周面との対
    向位置に開口させた請求項5記載の動圧型焼結含油軸
    受。
  7. 【請求項7】 軸と軸受本体との相対回転により光ディ
    スク、光磁気ディスク、あるいは磁気ディスクの何れか
    を回転させる、請求項1〜6何れか記載の動圧型焼結含
    油軸受ユニットを備えたディスクドライブモータ。
  8. 【請求項8】 軸と軸受本体との相対回転によりポリゴ
    ンミラーを回転させる、請求項1〜6何れか記載の動圧
    型焼結含油軸受ユニットを備えたスキャナモータ。
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