JP2000337383A - 軸受装置 - Google Patents
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- JP2000337383A JP2000337383A JP2000059760A JP2000059760A JP2000337383A JP 2000337383 A JP2000337383 A JP 2000337383A JP 2000059760 A JP2000059760 A JP 2000059760A JP 2000059760 A JP2000059760 A JP 2000059760A JP 2000337383 A JP2000337383 A JP 2000337383A
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Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Sealing Of Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 軸受内に注入された潤滑油15を、簡易な構
成で長期にわたって良好に確保することを可能とする。 【解決手段】 油シール部16の開口縁部を覆うように
して軸受部材13に飛散防止部材17を装着し、油シー
ル部16のテーパ状壁面16aを、加工が容易な鈍角状
に構成した場合であっても、その油シール部16内から
外部側に飛散しようとする潤滑油15を飛散防止部材1
7によって堰き止めるように構成したもの。
成で長期にわたって良好に確保することを可能とする。 【解決手段】 油シール部16の開口縁部を覆うように
して軸受部材13に飛散防止部材17を装着し、油シー
ル部16のテーパ状壁面16aを、加工が容易な鈍角状
に構成した場合であっても、その油シール部16内から
外部側に飛散しようとする潤滑油15を飛散防止部材1
7によって堰き止めるように構成したもの。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油を介在させ
て軸受部材と軸部材とを相対回転可能に支持するように
した軸受装置に関する。
て軸受部材と軸部材とを相対回転可能に支持するように
した軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸受部材と軸部材との間に潤滑
油を介在させた構造の軸受装置が、各種装置において広
く採用されている。潤滑油を用いた軸受装置では、軸受
内に確保されている潤滑油の量によって軸受寿命が大き
く左右されることから、軸受内部に対して十分な量の潤
滑油が注入されている。しかしながら、軸部材の振れ回
りにより高圧部から低圧部に向かって潤滑油が流動した
り、軸受部材の端面側に漏出した潤滑油が、回転遠心力
によって外方に飛散してしまったり、或いは、軸受ロス
を低減させるために低粘度の潤滑油を採用することなど
により蒸発量が増大した際に、軸受内部の潤滑油が経時
的に減少し、軸受機能が急激に低下することがある。
油を介在させた構造の軸受装置が、各種装置において広
く採用されている。潤滑油を用いた軸受装置では、軸受
内に確保されている潤滑油の量によって軸受寿命が大き
く左右されることから、軸受内部に対して十分な量の潤
滑油が注入されている。しかしながら、軸部材の振れ回
りにより高圧部から低圧部に向かって潤滑油が流動した
り、軸受部材の端面側に漏出した潤滑油が、回転遠心力
によって外方に飛散してしまったり、或いは、軸受ロス
を低減させるために低粘度の潤滑油を採用することなど
により蒸発量が増大した際に、軸受内部の潤滑油が経時
的に減少し、軸受機能が急激に低下することがある。
【0003】このような観点から、従来より、潤滑油を
十分に確保するための構造が種々提案されているが、本
願発明者らは、まず図13に示されているような軸受部
材1について検討した。この軸受部材1では、軸受孔2
における内周壁面の軸方向両端部分(図示上下端部分)
に油シール部3,3がそれぞれ設けられているが、これ
らの各油シール部3は、軸方向外方側(図示上下方向
側)に向かって孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面3
aによって狭小な隙間空間を画成したものであって、軸
受部分に注入された潤滑油の液面高さが上記テーパ状壁
面3aの途中位置となるように設定され、当該油シール
部3に生じる毛細管力で潤滑油の保持を行わせるように
している。
十分に確保するための構造が種々提案されているが、本
願発明者らは、まず図13に示されているような軸受部
材1について検討した。この軸受部材1では、軸受孔2
における内周壁面の軸方向両端部分(図示上下端部分)
に油シール部3,3がそれぞれ設けられているが、これ
らの各油シール部3は、軸方向外方側(図示上下方向
側)に向かって孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面3
aによって狭小な隙間空間を画成したものであって、軸
受部分に注入された潤滑油の液面高さが上記テーパ状壁
面3aの途中位置となるように設定され、当該油シール
部3に生じる毛細管力で潤滑油の保持を行わせるように
している。
【0004】ところで、このようなテーパ形状の油シー
ル部3に対して、特に高回転用の軸受装置のように大き
な遠心力が作用する場合には、それに対応して油シール
部3の毛細管力を大きくすることが必要となる。そのた
めには、図14に示されているように、油シール部3の
テーパ角がきつくなるように設定することにより、当該
油シール部3の隙間空間を狭くした細長状の構造とする
必要がある。
ル部3に対して、特に高回転用の軸受装置のように大き
な遠心力が作用する場合には、それに対応して油シール
部3の毛細管力を大きくすることが必要となる。そのた
めには、図14に示されているように、油シール部3の
テーパ角がきつくなるように設定することにより、当該
油シール部3の隙間空間を狭くした細長状の構造とする
必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような細長状の油シール部3を形成するには、非常に
小さい角度のテーパ状壁面を成形しなければならず、面
加工が難しくなって加工時間が増大し、製造コストの上
昇を招来する。特に、焼結材等によって軸受部材を型成
形する場合には、油シール部を形成することが不可能に
なったり、別の加工工程を付加しなければならなくなる
ことから、製造コストが大幅に増大することもある。
たような細長状の油シール部3を形成するには、非常に
小さい角度のテーパ状壁面を成形しなければならず、面
加工が難しくなって加工時間が増大し、製造コストの上
昇を招来する。特に、焼結材等によって軸受部材を型成
形する場合には、油シール部を形成することが不可能に
なったり、別の加工工程を付加しなければならなくなる
ことから、製造コストが大幅に増大することもある。
【0006】そこで本発明は、簡易な構成で、潤滑油の
保油量を良好に確保することができるようにした軸受装
置を提供することを目的とする。
保油量を良好に確保することができるようにした軸受装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本請求項1記載の発明では、軸受部材に設けられた軸
受孔内に、軸部材を回転可能に挿入し、これら軸部材と
軸受部材とを、潤滑油を介在して相対回転可能に支持す
るようにした軸受装置において、上記軸受部材が、焼成
された多孔質材の内部に潤滑油を含む焼結含油材から形
成されているとともに、前記軸受孔の内周壁面における
軸方向の少なくとも一端部分に、軸方向外方に向かって
孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面により画成された
油シール部が設けられ、前記潤滑油は、当該潤滑油の液
面が上記油シール部のテーパ状壁面の軸方向途中位置に
位置するように注入量を設定され、かつ、上記油シール
部の軸方向外方側には、当該油シール部の開口縁部から
半径方向内方側に向かって突出することにより前記潤滑
油の飛散を防止する飛散防止部材が配置されている。
に本請求項1記載の発明では、軸受部材に設けられた軸
受孔内に、軸部材を回転可能に挿入し、これら軸部材と
軸受部材とを、潤滑油を介在して相対回転可能に支持す
るようにした軸受装置において、上記軸受部材が、焼成
された多孔質材の内部に潤滑油を含む焼結含油材から形
成されているとともに、前記軸受孔の内周壁面における
軸方向の少なくとも一端部分に、軸方向外方に向かって
孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面により画成された
油シール部が設けられ、前記潤滑油は、当該潤滑油の液
面が上記油シール部のテーパ状壁面の軸方向途中位置に
位置するように注入量を設定され、かつ、上記油シール
部の軸方向外方側には、当該油シール部の開口縁部から
半径方向内方側に向かって突出することにより前記潤滑
油の飛散を防止する飛散防止部材が配置されている。
【0008】また、請求項2記載の発明では、軸受部材
に設けられた軸受孔内に、軸部材を回転可能に挿入し、
これら軸部材と軸受部材との間に介在された潤滑油を、
上記軸部材及び軸受部材の少なくとも一方側に設けられ
た動圧発生手段により加圧することによって、前記軸部
材と軸受部材とを潤滑油の動圧力により相対回転可能に
支持するようにした軸受装置において、上記軸受部材
が、焼成された多孔質材の内部に潤滑油を含む焼結含油
材から形成されているとともに、前記軸受孔の内周壁面
における軸方向の少なくとも一端部分に、軸方向外方に
向かって孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面により画
成された油シール部が設けられ、前記潤滑油は、当該潤
滑油の液面が、上記油シール部のテーパ状壁面における
軸方向途中位置に位置するように注入量を設定され、か
つ、上記油シール部の軸方向外方側には、当該油シール
部の開口縁部から半径方向内方側に向かって突出して、
上記潤滑油の軸方向への移動による前記潤滑油の飛散を
防止する飛散防止部材が配置されている。
に設けられた軸受孔内に、軸部材を回転可能に挿入し、
これら軸部材と軸受部材との間に介在された潤滑油を、
上記軸部材及び軸受部材の少なくとも一方側に設けられ
た動圧発生手段により加圧することによって、前記軸部
材と軸受部材とを潤滑油の動圧力により相対回転可能に
支持するようにした軸受装置において、上記軸受部材
が、焼成された多孔質材の内部に潤滑油を含む焼結含油
材から形成されているとともに、前記軸受孔の内周壁面
における軸方向の少なくとも一端部分に、軸方向外方に
向かって孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面により画
成された油シール部が設けられ、前記潤滑油は、当該潤
滑油の液面が、上記油シール部のテーパ状壁面における
軸方向途中位置に位置するように注入量を設定され、か
つ、上記油シール部の軸方向外方側には、当該油シール
部の開口縁部から半径方向内方側に向かって突出して、
上記潤滑油の軸方向への移動による前記潤滑油の飛散を
防止する飛散防止部材が配置されている。
【0009】さらに、請求項3記載の発明では、前記請
求項1又は2記載の飛散防止部材が、軸受部材の軸方向
端面に対して気密状に密着して配置されている。
求項1又は2記載の飛散防止部材が、軸受部材の軸方向
端面に対して気密状に密着して配置されている。
【0010】さらにまた、請求項4記載の発明では、前
記請求項1又は2記載の軸受部材及び飛散防止部材が、
軸受ホルダの内周側に挿入され固着されているととも
に、上記軸受部材の外周壁面における軸方向の少なくと
も一端部分には、当該軸受部材の外周壁面の一部を切り
欠くようにして、所定量の潤滑油を貯留する油溜部が形
成され、当該油溜部を装置外方の大気に連通させる大気
通路が、前記飛散防止部材の外周壁面と軸受ホルダの内
周壁面との間に形成され、かつ、上記油溜部と油シール
部とを半径方向に連通させる油通路が、前記飛散防止部
材と軸受部材との両対向面の間に形成されている。
記請求項1又は2記載の軸受部材及び飛散防止部材が、
軸受ホルダの内周側に挿入され固着されているととも
に、上記軸受部材の外周壁面における軸方向の少なくと
も一端部分には、当該軸受部材の外周壁面の一部を切り
欠くようにして、所定量の潤滑油を貯留する油溜部が形
成され、当該油溜部を装置外方の大気に連通させる大気
通路が、前記飛散防止部材の外周壁面と軸受ホルダの内
周壁面との間に形成され、かつ、上記油溜部と油シール
部とを半径方向に連通させる油通路が、前記飛散防止部
材と軸受部材との両対向面の間に形成されている。
【0011】一方、請求項5記載の発明では、前記請求
項1又は2記載の飛散防止部材が、軸受部材の軸方向端
面に対面するように配置されたリング状部材からなる。
項1又は2記載の飛散防止部材が、軸受部材の軸方向端
面に対面するように配置されたリング状部材からなる。
【0012】また、請求項6記載の発明では、前記請求
項1又は2記載のリング状部材の内径寸法Rが、軸部材
の半径r、潤滑油の比重ρ、潤滑油の表面張力γ、軸部
材の回転角速度ωに対して、 2γ/(R−r)>{(R+r)/2}(R−r)ρω
2/3 を満足するように設定されている。
項1又は2記載のリング状部材の内径寸法Rが、軸部材
の半径r、潤滑油の比重ρ、潤滑油の表面張力γ、軸部
材の回転角速度ωに対して、 2γ/(R−r)>{(R+r)/2}(R−r)ρω
2/3 を満足するように設定されている。
【0013】また、請求項7記載の発明では、前記請求
項1又は2記載の軸受部材が、軸方向において2箇所配
置されているとともに、それらの各軸受部材の軸方向外
方側に、飛散防止部材がそれぞれ配置されている。
項1又は2記載の軸受部材が、軸方向において2箇所配
置されているとともに、それらの各軸受部材の軸方向外
方側に、飛散防止部材がそれぞれ配置されている。
【0014】このような構成を有する請求項1又は2又
は5又は7記載の発明によれば、油シール部のテーパ状
壁面を、加工が容易な鈍角状に構成した場合であって
も、その油シール部内から外部側に飛散しようとする潤
滑油が飛散防止部材によって堰き止められることとな
り、軸受内に注入された潤滑油が長期にわたって良好に
確保されるようになっている。
は5又は7記載の発明によれば、油シール部のテーパ状
壁面を、加工が容易な鈍角状に構成した場合であって
も、その油シール部内から外部側に飛散しようとする潤
滑油が飛散防止部材によって堰き止められることとな
り、軸受内に注入された潤滑油が長期にわたって良好に
確保されるようになっている。
【0015】このとき、請求項3記載の発明によれば、
軸受部材自体からの油漏れが防止される。
軸受部材自体からの油漏れが防止される。
【0016】また、請求項4記載の発明によれば、油シ
ール部内の潤滑油が減少しても、軸受部材の外周側に設
けられた油溜部内の潤滑油が、油シール部との間の圧力
差によって油通路を通して油シール部側に補給されるこ
ととなり、潤滑油が一層良好に確保されるようになって
いる。
ール部内の潤滑油が減少しても、軸受部材の外周側に設
けられた油溜部内の潤滑油が、油シール部との間の圧力
差によって油通路を通して油シール部側に補給されるこ
ととなり、潤滑油が一層良好に確保されるようになって
いる。
【0017】また、飛散防止部材を構成するリング状部
材の内径寸法Rの最大寸法を、請求項6記載の発明のよ
うに設定しておけば、油シール部における毛細管力は、
常に回転遠心力より大きくなり、良好なシール機能が常
時維持されるようになっている。
材の内径寸法Rの最大寸法を、請求項6記載の発明のよ
うに設定しておけば、油シール部における毛細管力は、
常に回転遠心力より大きくなり、良好なシール機能が常
時維持されるようになっている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。まず、本発明を、動圧軸受装
置に適用した場合の実施形態における装置の全体構造を
説明すると、図4に示されているように、本体フレーム
11から略垂直に立ち上がるように一体形成された中空
円筒状の軸受ホルダ12の内部側には、当該軸受ホルダ
12の図示上下の両端部分から軸受部材13,13がそ
れぞれ圧入・固定されている。これら両軸部材13,1
3どうしは、同心配置となるように、上記軸受ホルダ1
2の内周壁面の軸方向中央部分に突出形成された環状係
止部12aの端面に突き当てるようにして固着されてい
る。
基づいて詳細に説明する。まず、本発明を、動圧軸受装
置に適用した場合の実施形態における装置の全体構造を
説明すると、図4に示されているように、本体フレーム
11から略垂直に立ち上がるように一体形成された中空
円筒状の軸受ホルダ12の内部側には、当該軸受ホルダ
12の図示上下の両端部分から軸受部材13,13がそ
れぞれ圧入・固定されている。これら両軸部材13,1
3どうしは、同心配置となるように、上記軸受ホルダ1
2の内周壁面の軸方向中央部分に突出形成された環状係
止部12aの端面に突き当てるようにして固着されてい
る。
【0019】上記各軸受部材13は、多数の気孔を備え
るように焼成された多孔質焼結材から構成されており、
それらの気孔内には所定の潤滑油が略飽和状態となるよ
うに充填されている。そして、当該軸受部材13の中心
部分に貫通形成された軸受孔13aの内側には、図2に
示されているように、軸部材14が回転可能に挿入され
ており、当該軸部材14の外周表面と、各軸受部材13
の軸受孔13aの内周壁面との間には、動圧発生用の潤
滑流体としての潤滑油15がそれぞれ介在するように注
入されている。
るように焼成された多孔質焼結材から構成されており、
それらの気孔内には所定の潤滑油が略飽和状態となるよ
うに充填されている。そして、当該軸受部材13の中心
部分に貫通形成された軸受孔13aの内側には、図2に
示されているように、軸部材14が回転可能に挿入され
ており、当該軸部材14の外周表面と、各軸受部材13
の軸受孔13aの内周壁面との間には、動圧発生用の潤
滑流体としての潤滑油15がそれぞれ介在するように注
入されている。
【0020】このとき、上記各軸受部材13は、図3に
示されているような、いわゆる多円弧型の動圧軸受を構
成するものであって、上記軸部材14の外周表面を取り
囲むようにして配置された軸受部材13の内周壁面は、
円弧状凹面からなる3つの加圧面13a,13a,13
aを周方向に繋いだ形状を有している。これら円弧状凹
面からなる各加圧面13aと、上記軸部材14の外周表
面との間の半径方向隙間は、上記各加圧面13aの周方
向中央部分において最も狭くなるように構成されてい
て、それらの各最狭隙間部分で、前記潤滑油15が最大
の加圧力を受けることにより、所定の軸受用動圧力を得
る構成になされている。
示されているような、いわゆる多円弧型の動圧軸受を構
成するものであって、上記軸部材14の外周表面を取り
囲むようにして配置された軸受部材13の内周壁面は、
円弧状凹面からなる3つの加圧面13a,13a,13
aを周方向に繋いだ形状を有している。これら円弧状凹
面からなる各加圧面13aと、上記軸部材14の外周表
面との間の半径方向隙間は、上記各加圧面13aの周方
向中央部分において最も狭くなるように構成されてい
て、それらの各最狭隙間部分で、前記潤滑油15が最大
の加圧力を受けることにより、所定の軸受用動圧力を得
る構成になされている。
【0021】また、上記各軸受部材13の内周壁面の軸
方向両端部分に相当する部位には、油シール部16がそ
れぞれ設けられている。これらの各油シール部16のそ
れぞれは、特に図1に示されているように、軸方向外方
に向かって孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面16a
により画成されており、当該油シール部16内に注入さ
れた潤滑油15の液面位置が、上記テーパ状壁面16a
の途中部分に位置するように設定されている。
方向両端部分に相当する部位には、油シール部16がそ
れぞれ設けられている。これらの各油シール部16のそ
れぞれは、特に図1に示されているように、軸方向外方
に向かって孔径が連続的に拡大するテーパ状壁面16a
により画成されており、当該油シール部16内に注入さ
れた潤滑油15の液面位置が、上記テーパ状壁面16a
の途中部分に位置するように設定されている。
【0022】さらに、上記油シール部16の軸方向外方
側には、前記潤滑油15の液面から飛散する油分を堰き
止める飛散防止部材17が配置されている。この飛散防
止部材17は、上記各軸受部材13の軸方向外方側の端
面に取り付けられたリング状部材からなり、上述した油
シール部16の軸方向外端側の開口縁部から、半径方向
内方側に向かって所定量突出するように取り付けられて
いる。本実施形態における飛散防止部材17は、上記各
軸受部材13における軸方向外方側の端面に密着するよ
うにして取り付けられている。すなわち、上記各軸受部
材13の軸方向外端面は、気孔が目潰しされること等に
よって平坦面化されており、その軸受部材13の平坦面
に対して、上記飛散防止部材17が気密状に密着されて
固定されている。
側には、前記潤滑油15の液面から飛散する油分を堰き
止める飛散防止部材17が配置されている。この飛散防
止部材17は、上記各軸受部材13の軸方向外方側の端
面に取り付けられたリング状部材からなり、上述した油
シール部16の軸方向外端側の開口縁部から、半径方向
内方側に向かって所定量突出するように取り付けられて
いる。本実施形態における飛散防止部材17は、上記各
軸受部材13における軸方向外方側の端面に密着するよ
うにして取り付けられている。すなわち、上記各軸受部
材13の軸方向外端面は、気孔が目潰しされること等に
よって平坦面化されており、その軸受部材13の平坦面
に対して、上記飛散防止部材17が気密状に密着されて
固定されている。
【0023】また、上記飛散防止部材17における油シ
ール部16の開口縁部からの突出量は、当該飛散防止部
材17の内周端縁により画成される中心側開口部の内半
径Rを、以下の範囲内に規定することにより設定されて
いる。
ール部16の開口縁部からの突出量は、当該飛散防止部
材17の内周端縁により画成される中心側開口部の内半
径Rを、以下の範囲内に規定することにより設定されて
いる。
【0024】まず、図5に示されているように、軸部材
14が回転振れを生じて最大量傾いたときであっても、
上記軸部材14が飛散防止部材17の内周側端縁に接触
してはならないことから、図示した軸部材14と軸受部
材13との間の直径クリアランスC、軸受有効長L、油
シール部16の軸方向長さl、軸部材14の外半径rに
対して、 R>{(CL+2Cl)/2L}+r を満足する必要がある。このようなR値によって、飛散
防止部材17に対する軸部材14の衝突が回避されるこ
ととなる。
14が回転振れを生じて最大量傾いたときであっても、
上記軸部材14が飛散防止部材17の内周側端縁に接触
してはならないことから、図示した軸部材14と軸受部
材13との間の直径クリアランスC、軸受有効長L、油
シール部16の軸方向長さl、軸部材14の外半径rに
対して、 R>{(CL+2Cl)/2L}+r を満足する必要がある。このようなR値によって、飛散
防止部材17に対する軸部材14の衝突が回避されるこ
ととなる。
【0025】次に、前記油シール部16内に潤滑油15
を保持させるためには、潤滑油15の表面張力による当
該潤滑油15自身を押さえ込む力が、回転の遠心力より
大きくなければならない。この条件から、図1に示され
ているように、軸部材14の外半径r、油シール部16
内の潤滑油15の比重ρ、潤滑油15の表面張力γ、軸
部材14の回転角速度ωに対して、 2γ/(R−r)>{(R+r)/2}(R−r)ρω
2/3 を満足する必要がある。この式を満足するようにR値を
採用することによって、油シール部16内に潤滑油15
が良好に保持されることとなる。
を保持させるためには、潤滑油15の表面張力による当
該潤滑油15自身を押さえ込む力が、回転の遠心力より
大きくなければならない。この条件から、図1に示され
ているように、軸部材14の外半径r、油シール部16
内の潤滑油15の比重ρ、潤滑油15の表面張力γ、軸
部材14の回転角速度ωに対して、 2γ/(R−r)>{(R+r)/2}(R−r)ρω
2/3 を満足する必要がある。この式を満足するようにR値を
採用することによって、油シール部16内に潤滑油15
が良好に保持されることとなる。
【0026】このような構成を有する本実施形態では、
油シール部16のテーパ状壁面16aを、図13に示さ
れているような加工が容易な鈍角状に構成した場合であ
っても、その油シール部16内から外部側に飛散しよう
とする潤滑油15が、飛散防止部材17によって堰き止
められることとなり、軸受内に注入された潤滑油15
は、長期にわたって油シール部16内に良好に確保され
る。
油シール部16のテーパ状壁面16aを、図13に示さ
れているような加工が容易な鈍角状に構成した場合であ
っても、その油シール部16内から外部側に飛散しよう
とする潤滑油15が、飛散防止部材17によって堰き止
められることとなり、軸受内に注入された潤滑油15
は、長期にわたって油シール部16内に良好に確保され
る。
【0027】特に、本実施形態におけるような動圧軸受
装置では、上述した加圧面13aで発生されられた動圧
力により、潤滑油15が軸方向に流動させられ、加圧さ
れた潤滑油15が、油シール部16から外部に向かって
漏れ出そうとする作用が大きくなっている。しかしなが
ら、本実施形態では、飛散防止部材17による堰き止め
作用によって潤滑油15の外部飛散を良好に防止する構
成になされていることから、潤滑油15を確実に保持さ
せることが可能となっている。すなわち、本発明は、本
実施形態のような動圧軸受装置において特に顕著な作用
・効果を奏するものである。
装置では、上述した加圧面13aで発生されられた動圧
力により、潤滑油15が軸方向に流動させられ、加圧さ
れた潤滑油15が、油シール部16から外部に向かって
漏れ出そうとする作用が大きくなっている。しかしなが
ら、本実施形態では、飛散防止部材17による堰き止め
作用によって潤滑油15の外部飛散を良好に防止する構
成になされていることから、潤滑油15を確実に保持さ
せることが可能となっている。すなわち、本発明は、本
実施形態のような動圧軸受装置において特に顕著な作用
・効果を奏するものである。
【0028】また本実施形態では、飛散防止部材17を
構成するリング状部材の内径寸法Rの最大寸法を、油シ
ール部16における毛細管力が回転遠心力より常に大き
くなるように設定しているため、良好なシール機能が常
時維持されるようになっている。
構成するリング状部材の内径寸法Rの最大寸法を、油シ
ール部16における毛細管力が回転遠心力より常に大き
くなるように設定しているため、良好なシール機能が常
時維持されるようになっている。
【0029】このとき、上述した飛散防止部材17は、
図6(a)に示されているように、軸受部材13の端面
部に軸方向に立設するようにして一体形成された環状突
起片17’を、パンチ19等により加圧成形することに
よって、図6(b)に示されているように傾斜して延び
る軸受一体のリング状部材として構成することも可能で
ある。
図6(a)に示されているように、軸受部材13の端面
部に軸方向に立設するようにして一体形成された環状突
起片17’を、パンチ19等により加圧成形することに
よって、図6(b)に示されているように傾斜して延び
る軸受一体のリング状部材として構成することも可能で
ある。
【0030】一方、図7に示されている実施形態では、
軸受部材23の外周壁面23aにおける軸方向外端部分
に、角部をテーパ面状に切り欠いて形成した油溜部24
が設けられている。この油溜部24は、当該油溜部24
の外周壁面と、軸受ホルダ22の内周壁面の間に画成さ
れる空間部分から構成されており、その油溜部24内に
は、所定量の潤滑油25が貯留されている。
軸受部材23の外周壁面23aにおける軸方向外端部分
に、角部をテーパ面状に切り欠いて形成した油溜部24
が設けられている。この油溜部24は、当該油溜部24
の外周壁面と、軸受ホルダ22の内周壁面の間に画成さ
れる空間部分から構成されており、その油溜部24内に
は、所定量の潤滑油25が貯留されている。
【0031】また、図8に示されているように、上記軸
受部材23の軸方向端面に対面するようにして、リング
状部材からなる飛散防止部材27が配置されている。こ
の飛散防止部材27の外周縁部には、直径方向に対向し
た対称位置に、略直線状の切欠部27aが形成されてお
り、これらの各切欠部27aと、上記軸受ホルダ22の
内周壁面との間に画成される円弧形状の大気通路29に
よって、前記油溜部24の内部側の空間が、前記軸受部
材23の装置外方側の大気に連通させられている。
受部材23の軸方向端面に対面するようにして、リング
状部材からなる飛散防止部材27が配置されている。こ
の飛散防止部材27の外周縁部には、直径方向に対向し
た対称位置に、略直線状の切欠部27aが形成されてお
り、これらの各切欠部27aと、上記軸受ホルダ22の
内周壁面との間に画成される円弧形状の大気通路29に
よって、前記油溜部24の内部側の空間が、前記軸受部
材23の装置外方側の大気に連通させられている。
【0032】さらに、本実施形態においては、上記軸受
部材23上に配置された飛散防止部材27が、上記軸受
部材23を構成している焼結材の凹凸面によって、軸受
部材23との間に所定の隙間を形成するように装着され
ている。すなわち、上記飛散防止部材27は、軸受部材
23側に対して平面どうしの密着状態にはなっておら
ず、当該軸受部材23と飛散防止部材27との両対向面
どうしの間の凹凸により形成された隙間によって、外周
側の油溜部24と内周側の油シール部26とを半径方向
に連通させる油通路20が画成されている。なお、この
油通路20は、上記軸受部材23及び飛散防止部材27
の少なくとも一方側に対して、半径方向に延在する凹溝
を設ける等によって形成することも可能である。
部材23上に配置された飛散防止部材27が、上記軸受
部材23を構成している焼結材の凹凸面によって、軸受
部材23との間に所定の隙間を形成するように装着され
ている。すなわち、上記飛散防止部材27は、軸受部材
23側に対して平面どうしの密着状態にはなっておら
ず、当該軸受部材23と飛散防止部材27との両対向面
どうしの間の凹凸により形成された隙間によって、外周
側の油溜部24と内周側の油シール部26とを半径方向
に連通させる油通路20が画成されている。なお、この
油通路20は、上記軸受部材23及び飛散防止部材27
の少なくとも一方側に対して、半径方向に延在する凹溝
を設ける等によって形成することも可能である。
【0033】このような実施形態では、油シール部26
側の潤滑油25が、何らかの原因で図7のように減少し
ても、図8に示されているように、軸受部材23の外周
側に配置された油溜部24内の潤滑油25が、油シール
部26との間の圧力差によって油通路20を通して油シ
ール部26側に補給されることとなる。従って、軸受部
内における潤滑油25の確保は一層良好に行われる。
側の潤滑油25が、何らかの原因で図7のように減少し
ても、図8に示されているように、軸受部材23の外周
側に配置された油溜部24内の潤滑油25が、油シール
部26との間の圧力差によって油通路20を通して油シ
ール部26側に補給されることとなる。従って、軸受部
内における潤滑油25の確保は一層良好に行われる。
【0034】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0035】例えば、本発明は、上述した実施形態にお
けるような多円弧型の動圧軸受装置以外の動圧軸受装
置、具体的には図10又は図11に示されているような
多点支持型の動圧軸受装置や、図12に示されているよ
うな動圧グルーブ型の動圧軸受装置などに対しても同様
に適用可能である。
けるような多円弧型の動圧軸受装置以外の動圧軸受装
置、具体的には図10又は図11に示されているような
多点支持型の動圧軸受装置や、図12に示されているよ
うな動圧グルーブ型の動圧軸受装置などに対しても同様
に適用可能である。
【0036】まず、図10に示されている多点支持型動
圧軸受装置においては、軸部材34の外周面を取り囲む
ようにして配置された軸受部材33の内周壁面に、平坦
状の加圧面33a,33a,33aが、周方向において
3箇所設けられている。そして、それらの平坦状面から
なる各加圧面33aと、上記軸部材34の外周表面との
間に形成された各最狭隙間部分において、潤滑油が最大
の加圧力を受け、それによって、所定の軸受用動圧力を
得る構成になされている。
圧軸受装置においては、軸部材34の外周面を取り囲む
ようにして配置された軸受部材33の内周壁面に、平坦
状の加圧面33a,33a,33aが、周方向において
3箇所設けられている。そして、それらの平坦状面から
なる各加圧面33aと、上記軸部材34の外周表面との
間に形成された各最狭隙間部分において、潤滑油が最大
の加圧力を受け、それによって、所定の軸受用動圧力を
得る構成になされている。
【0037】また、図11に示されている多点支持型動
圧軸受装置においては、軸部材44の外周表面を取り囲
むように配置された軸受部材43の内周壁面に、凸部4
3aが周方向において3箇所設けられている。そして、
それらの各凸部43aの内周壁面に形成された円弧状の
加圧面43bと、上記軸部材44の外周表面との間に形
成された各最狭隙間部分において、潤滑油が最大の加圧
力を受け、それによって、所定の軸受用動圧力を得る構
成になされている。このような各多点支持型動圧軸受装
置においても、上述した実施形態と同様な作用・効果を
得ることができる。
圧軸受装置においては、軸部材44の外周表面を取り囲
むように配置された軸受部材43の内周壁面に、凸部4
3aが周方向において3箇所設けられている。そして、
それらの各凸部43aの内周壁面に形成された円弧状の
加圧面43bと、上記軸部材44の外周表面との間に形
成された各最狭隙間部分において、潤滑油が最大の加圧
力を受け、それによって、所定の軸受用動圧力を得る構
成になされている。このような各多点支持型動圧軸受装
置においても、上述した実施形態と同様な作用・効果を
得ることができる。
【0038】一方、図12に示されている動圧グルーブ
型の動圧軸受装置では、図示を省略した軸部材の外周面
を取り囲むように配置された軸受部材53の内周壁面
に、略「く」の字状の細溝からなる動圧発生用グルーブ
53aが、環状に多数配列されており、図示上下の両グ
ルーブどうしが合流した頂部において、潤滑油が最大の
加圧力を受け、それことによって、所定の軸受用動圧力
を得る構成になされている。このような動圧グルーブ型
の動圧軸受装置においても、上述した実施形態と同様な
作用・効果を得ることができる。但し、動圧発生用グル
ーブの溝形状は、図12に示された形状に限定されるも
のではない。
型の動圧軸受装置では、図示を省略した軸部材の外周面
を取り囲むように配置された軸受部材53の内周壁面
に、略「く」の字状の細溝からなる動圧発生用グルーブ
53aが、環状に多数配列されており、図示上下の両グ
ルーブどうしが合流した頂部において、潤滑油が最大の
加圧力を受け、それことによって、所定の軸受用動圧力
を得る構成になされている。このような動圧グルーブ型
の動圧軸受装置においても、上述した実施形態と同様な
作用・効果を得ることができる。但し、動圧発生用グル
ーブの溝形状は、図12に示された形状に限定されるも
のではない。
【0039】さらに、本発明は、上述した各実施形態に
おけるような動圧軸受装置に限定されるものではなく、
動圧を用いない一般のオイル軸受装置や、焼結含油軸受
以外の軸受装置に対しても、同様に適用することができ
るものである。
おけるような動圧軸受装置に限定されるものではなく、
動圧を用いない一般のオイル軸受装置や、焼結含油軸受
以外の軸受装置に対しても、同様に適用することができ
るものである。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように請求項1又は2又は5
又は7記載の発明は、油シール部の開口縁部を覆うよう
にして軸受部材に飛散防止部材を装着し、油シール部の
テーパ状壁面を、加工が容易な鈍角状に構成した場合で
あっても、その油シール部内から外部側に飛散しようと
する潤滑油を飛散防止部材によってせき止めるように構
成したものであるから、軸受内に注入された潤滑油を、
簡易な構成で長期にわたって良好に確保することがで
き、軸受装置の信頼性を向上させることができる。
又は7記載の発明は、油シール部の開口縁部を覆うよう
にして軸受部材に飛散防止部材を装着し、油シール部の
テーパ状壁面を、加工が容易な鈍角状に構成した場合で
あっても、その油シール部内から外部側に飛散しようと
する潤滑油を飛散防止部材によってせき止めるように構
成したものであるから、軸受内に注入された潤滑油を、
簡易な構成で長期にわたって良好に確保することがで
き、軸受装置の信頼性を向上させることができる。
【0041】このとき、請求項3記載の発明は、飛散防
止部材を、軸受部材の軸方向端面に対して気密状に密着
して配置することによって、軸受部材自体からの油漏れ
を防止するようにしたものであるから、上述した発明の
効果をさらに向上させることができる。
止部材を、軸受部材の軸方向端面に対して気密状に密着
して配置することによって、軸受部材自体からの油漏れ
を防止するようにしたものであるから、上述した発明の
効果をさらに向上させることができる。
【0042】また、請求項4載の発明は、軸受部材の外
周側に設けた油溜部を、内周側の油シール部に対して油
通路により連通させ、油シール部内の潤滑油が減少して
きたときに、上記油溜部内の潤滑油を圧力差によって油
通路を通して油シール部側に補給させるように構成した
ものであるから、潤滑油の確保が一層良好に行われるこ
ととなり、上述した効果を一層向上させることができ
る。
周側に設けた油溜部を、内周側の油シール部に対して油
通路により連通させ、油シール部内の潤滑油が減少して
きたときに、上記油溜部内の潤滑油を圧力差によって油
通路を通して油シール部側に補給させるように構成した
ものであるから、潤滑油の確保が一層良好に行われるこ
ととなり、上述した効果を一層向上させることができ
る。
【0043】このとき、請求項6記載の発明は、飛散防
止部材を構成するリング状部材の内径寸法Rの最大寸法
を、油シール部における毛細管力が回転遠心力より大き
くなるように設定することによって、良好なシール機能
を確保するように構成したものであるから、上述した効
果を一層向上させることができる。
止部材を構成するリング状部材の内径寸法Rの最大寸法
を、油シール部における毛細管力が回転遠心力より大き
くなるように設定することによって、良好なシール機能
を確保するように構成したものであるから、上述した効
果を一層向上させることができる。
【図1】本発明の一実施形態における軸受部材の要部を
拡大して表した模式的な縦断面説明図である。
拡大して表した模式的な縦断面説明図である。
【図2】図1に示された軸受部材の軸部材との支持関係
を表した部分縦断面説明図である。
を表した部分縦断面説明図である。
【図3】図1に示された軸受部材と軸部材との配置関係
を表した横断面説明図である。
を表した横断面説明図である。
【図4】図1、図2及び図3にかかる軸受部材を用いた
軸受装置の全体を表した縦断面説明図である。
軸受装置の全体を表した縦断面説明図である。
【図5】軸部材が傾いた状態を表した模式的な縦断面説
明図である。
明図である。
【図6】飛散防止部材の他の実施形態を拡大して表した
模式的な部分縦断面説明図である。
模式的な部分縦断面説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態における飛散防止部材の
装着関係を表した模式的な縦断面説明図である。
装着関係を表した模式的な縦断面説明図である。
【図8】図7に表された装置に用いられている飛散防止
部材の構造を表した平面説明図である。
部材の構造を表した平面説明図である。
【図9】図7に表された実施形態における油補給状態を
示した模式的な図7相当の縦断面説明図である。
示した模式的な図7相当の縦断面説明図である。
【図10】本発明の他の実施形態における軸受部材と軸
部材との配置関係を表した横断面説明図である。
部材との配置関係を表した横断面説明図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態における軸受部材
と軸部材との配置関係を表した横断面説明図である。
と軸部材との配置関係を表した横断面説明図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態における軸受部材
と軸部材との配置関係を表した横断面説明図である。
と軸部材との配置関係を表した横断面説明図である。
【図13】本願発明者らが検討した軸受装置に用いられ
る油シール部の構造を表した模式的な部分縦断面説明図
である。
る油シール部の構造を表した模式的な部分縦断面説明図
である。
【図14】本願発明者らが検討した軸受装置に用いられ
る油シール部の他の構造を表した模式的な部分縦断面説
明図である。
る油シール部の他の構造を表した模式的な部分縦断面説
明図である。
12 軸受ホルダ 13 軸受部材 13a 加圧面 14 軸部材 15 潤滑油 16 油シール部 16a テーパ状壁面 17 飛散防止部材(リング状部材) 22 軸受ホルダ 23 軸受部材 24 油溜部 25 潤滑油 27 飛散防止部材 29 大気通路 33,43,53 軸受部材 34,44 軸部材 33a,43b 加圧面 53a 動圧発生用グルーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 正通 長野県諏訪郡下諏訪町5329番地 株式会社 三協精機製作所内 Fターム(参考) 3J011 AA07 BA02 CA01 CA02 CA04 DA01 JA02 KA02 LA01 MA23 MA24 3J016 AA02 BB15
Claims (7)
- 【請求項1】 軸受部材に設けられた軸受孔内に、軸部
材を回転可能に挿入し、これら軸部材と軸受部材とを、
潤滑油を介在して相対回転可能に支持するようにした軸
受装置において、 上記軸受部材が、焼成された多孔質材の内部に潤滑油を
含む焼結含油材から形成されているとともに、 前記軸受孔の内周壁面における軸方向の少なくとも一端
部分に、軸方向外方に向かって孔径が連続的に拡大する
テーパ状壁面により画成された油シール部が設けられ、 前記潤滑油は、当該潤滑油の液面が上記油シール部のテ
ーパ状壁面の軸方向途中位置に位置するように注入量を
設定され、かつ、 上記油シール部の軸方向外方側には、当該油シール部の
開口縁部から半径方向内方側に向かって突出することに
より前記潤滑油の飛散を防止する飛散防止部材が配置さ
れていることを特徴とする軸受装置。 - 【請求項2】 軸受部材に設けられた軸受孔内に、軸部
材を回転可能に挿入し、これら軸部材と軸受部材との間
に介在された潤滑油を、上記軸部材及び軸受部材の少な
くとも一方側に設けられた動圧発生手段により加圧する
ことによって、前記軸部材と軸受部材とを潤滑油の動圧
力により相対回転可能に支持するようにした軸受装置に
おいて、 上記軸受部材が、焼成された多孔質材の内部に潤滑油を
含む焼結含油材から形成されているとともに、 前記軸受孔の内周壁面における軸方向の少なくとも一端
部分に、軸方向外方に向かって孔径が連続的に拡大する
テーパ状壁面により画成された油シール部が設けられ、 前記潤滑油は、当該潤滑油の液面が、上記油シール部の
テーパ状壁面における軸方向途中位置に位置するように
注入量を設定され、かつ、 上記油シール部の軸方向外方側には、当該油シール部の
開口縁部から半径方向内方側に向かって突出して、上記
潤滑油の軸方向への移動による前記潤滑油の飛散を防止
する飛散防止部材が配置されていることを特徴とする軸
受装置。 - 【請求項3】 前記飛散防止部材が、軸受部材の軸方向
端面に対して気密状に密着して配置されていることを特
徴とする請求項1又は2記載の軸受装置。 - 【請求項4】 前記軸受部材及び飛散防止部材が、軸受
ホルダの内周側に挿入され固着されているとともに、 上記軸受部材の外周壁面における軸方向の少なくとも一
端部分には、当該軸受部材の外周壁面の一部を切り欠く
ようにして、所定量の潤滑油を貯留する油溜部が形成さ
れ、 当該油溜部を装置外方の大気に連通させる大気通路が、
前記飛散防止部材の外周壁面と軸受ホルダの内周壁面と
の間に形成され、かつ、 上記油溜部と油シール部とを半径方向に連通させる油通
路が、前記飛散防止部材と軸受部材との両対向面の間に
形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
軸受装置。 - 【請求項5】 前記飛散防止部材が、軸受部材の軸方向
端面に対面するように配置されたリング状部材からなる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の軸受装置。 - 【請求項6】 前記リング状部材の内径寸法Rが、軸部
材の半径r、潤滑油の比重ρ、潤滑油の表面張力γ、軸
部材の回転角速度ωに対して、 2γ/(R−r)>{(R+r)/2}(R−r)ρω
2/3 を満足するように設定されていることを特徴とする請求
項1又は2記載の軸受装置。 - 【請求項7】 前記軸受部材が、軸方向において2箇所
配置されているとともに、 それらの各軸受部材の軸方向外方側に、飛散防止部材が
それぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は
2記載の軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000059760A JP2000337383A (ja) | 1999-03-23 | 2000-03-06 | 軸受装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-78547 | 1999-03-23 | ||
JP7854799 | 1999-03-23 | ||
JP2000059760A JP2000337383A (ja) | 1999-03-23 | 2000-03-06 | 軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000337383A true JP2000337383A (ja) | 2000-12-05 |
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ID=26419607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000059760A Withdrawn JP2000337383A (ja) | 1999-03-23 | 2000-03-06 | 軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000337383A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005114165A (ja) * | 2003-10-02 | 2005-04-28 | Minebea Co Ltd | 流体動圧軸受、スピンドルモータ及びハードディスクドライブ装置 |
US7510330B2 (en) | 2004-05-12 | 2009-03-31 | Minebea Co., Ltd. | Fluid dynamic bearing and a storage disk drive with a spindle motor having the fluid dynamic bearing |
JP2009210083A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-17 | Porite Corp | モータ軸受構造 |
DE102014019055A1 (de) | 2014-12-22 | 2016-06-23 | Minebea Co., Ltd. | Fluiddynamisches Lagersystem zur Drehlagerung eines Spindelmotors |
WO2024195428A1 (ja) * | 2023-03-17 | 2024-09-26 | Ntn株式会社 | 焼結含油軸受、軸受ユニット、及びモータ |
-
2000
- 2000-03-06 JP JP2000059760A patent/JP2000337383A/ja not_active Withdrawn
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