JPH11153130A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

Info

Publication number
JPH11153130A
JPH11153130A JP33779097A JP33779097A JPH11153130A JP H11153130 A JPH11153130 A JP H11153130A JP 33779097 A JP33779097 A JP 33779097A JP 33779097 A JP33779097 A JP 33779097A JP H11153130 A JPH11153130 A JP H11153130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dynamic pressure
lubricating fluid
bearing
pressure bearing
air vent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33779097A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamichi Hayakawa
正通 早川
Masato Gomyo
五明  正人
Kazuji Miura
和司 三浦
Hideki Kanebako
秀樹 金箱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP33779097A priority Critical patent/JPH11153130A/ja
Publication of JPH11153130A publication Critical patent/JPH11153130A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易で低コストな構造で潤滑流体の漏れを良
好に防止しつつ長寿命化を図り、動圧軸受装置の適用性
を拡大して有用性を高めることを可能とする。 【解決手段】 潤滑流体を保持する毛細管シール部31
を備えるとともに、隣接する一組の動圧軸受部RBa,
RBb(SBa,SBb)どうしの間で潤滑流体を加圧
し合うように動圧発生用溝RGa,RGb(SGa,S
Gb)を非対称な形状とし、かつ、隣接する一組の動圧
軸受部RBa,RBbと、他の一組の動圧軸受部SB
a,SBbとの間に生じる空間部分における膨張空気を
外部側の大気に放出する空気抜き通路33を設けること
によって、潤滑流体を安定的に保持するようにしたも
の。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑流体に動圧を
発生させ、その潤滑流体の動圧により固定部材に対して
回転部材を軸支するように構成した動圧軸受装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、モータ等の各種装置において、特
に高速回転に対応し得るようにオイル等の潤滑流体の動
圧を利用した動圧軸受装置が種々検討され提案されてい
る。この動圧軸受装置においては、固定部材側の動圧面
と回転部材側の動圧面とが対向配置されているとととも
に、これら両対向動圧面のうちの少なくとも一方側に動
圧発生用溝が形成されており、上記回転部材と固定部材
との両対向面間に介在された所定のオイル等の潤滑流体
が、回転部材の回転時に動圧発生用溝のポンピング作用
により昇圧され、当該潤滑流体の動圧によって回転部材
の回転支持が行われるようになっている。
【0003】このように動圧軸受装置では、オイル等の
動圧発生用潤滑流体(以下、単に潤滑流体という。)が
軸受部内に保持されているが、その潤滑流体の保持構造
によって次のような3つの型式に大別することができ
る。 (1)部分潤滑流体構造(例えば、特開平6−1784
92号公報参照) これは、潤滑流体が軸受部分のみに充填されたものであ
って、軸受どうしの間には空気層が設けられており、最
も単純な動圧軸受構造を有するものある。 (2)潤滑流体循環構造(例えば、米国特許4,79
5,275参照) これは、軸受部のみならず軸受部どうしの間部分にも潤
滑流体が満たされたものであって、軸受端どうしが循環
孔で繋げられており、回転時に発生する内部の圧力差
(差圧)を解消するように潤滑流体が循環移動させられ
る構造になされている。この構造によれば、潤滑流体の
量が十分に確保されて長寿命化を図ることが可能となる
ととともに、潤滑流体の内部圧力差(差圧)が循環孔に
より常に解消されているため、潤滑流体の外部漏れを防
止する点においても有利である。 (3)片袋保持構造(例えば、米国特許5,427,4
56参照) このものは、軸受部の軸方向一端側を壁で閉塞して袋状
の軸受空間を形成し、その軸受空間が外気と繋がる出口
部を一個所とした構造であって、潤滑流体の圧力差を片
袋構造により支えるように構成したものである。この構
造によれば、潤滑流体の移動が防止されるため、簡易で
低コストな動圧軸受構造を得ることができるとととも
に、長寿命化と潤滑流体漏れ防止との双方が可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の各動圧軸受構造のうち、(1)の「部分潤滑流
体構造」においては、潤滑流体の注入量管理が難しい上
に、軸受部内のスペースが小さいために潤滑流体の絶対
量が少なく絶対寿命が短いという問題がある。また、こ
れを解消するために潤滑流体の充填スペースを拡大して
潤滑流体の量を増やすと、今度は潤滑流体が漏れ易くな
ってしまう。さらに、軸受どうしの間にある空気層が気
圧及び温度の変化によって体積膨張及び縮小することか
ら潤滑流体の移動・漏れが生じ易いという問題もある。
【0005】また、上述した(2)の「潤滑流体循環構
造」においては、循環孔を設けるために構造が複雑化し
てしまい、量産性に乏しく、製造コストも高くなるとい
う問題がある。
【0006】さらに、上述した(3)の「片袋保持構
造」では、片袋状の軸受部を作る結果として、いわゆる
軸回転型及び軸固定型の何れの軸受構造であっても、軸
部材が片持ち構造に限られてしまい、そのため用途が限
定されるという問題がある。
【0007】そこで本発明は、簡易で低コストな構造
で、潤滑流体漏れを良好に防止しつつ長寿命化を図るこ
とができ、しかも適用性の広い動圧軸受装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、まず(1)潤滑流体漏れを防止する条件、
(2)長寿命化を可能とするための条件、及び(3)低
コストで量産性を良好とするための条件のそれぞれにつ
いて必要な点を考えてみる。
【0009】(1)潤滑流体漏れを防止するための条件
について、潤滑流体の外部漏れを防止するためには、ま
ず潤滑流体の液面位置が固定部材と回転部材との間の狭
い隙間内にあることが必要である。これは、回転及び停
止の双方の状態を含むのは勿論、温度・気圧が変化した
状態、全ての姿勢状態、振動・衝撃が加わった状態、潤
滑流体の注入量のばらつき及び蒸発などによる量変化し
た状態等、仕様内のあらゆる状態に対して必要な条件で
ある。
【0010】特に、動圧軸受に対して大きな慣性力が負
荷された場合には、毛細管力や磁気力によるシール力だ
けでは潤滑流体を保持することが難しくなるため、その
場合には、潤滑流体の流体粘性抵抗による動圧力を潤滑
流体保持力の主とする必要がある。そしてこの潤滑流体
の流体粘性抵抗による動圧力を大きくするためには、潤
滑流体の表面位置における隙間を一定以下に狭くする必
要がある。
【0011】さらに、上述したように潤滑流体の液面位
置が常に狭い隙間内にあるには、 a.潤滑流体の液面位置及び量が、上述した何れの状態
にあっても大きく変動しないこと、 b.潤滑流体の注入時における液面位置を管理・調整す
ることができ、簡単に指定の位置内とすることができる
こと、 c.狭い隙間内における液面指定位置の前後に、ある程
度の体積的余裕があること、などが必要となる。
【0012】また、潤滑流体の外部漏れを防止するため
の次の条件としては、停止時に毛細管シール力が働く状
態になっていることがある。つまり、潤滑流体を軸受内
部の所定の位置に維持する力としての毛細管力による引
戻力が、連続的に作用していることが必要である。
【0013】さらに、(3)の潤滑流体の外部漏れを防
止するためには、回転時において潤滑流体の内部差圧が
解消されており、バランスがとれた状態にあることを要
する。つまり、回転時に発生する動圧力または遠心力に
よって潤滑流体内に圧力差が生じることとなるが、この
圧力差は一般にシール圧力よりもかなり大きくなってし
まい、例えば、2つの出口部どうしの間で潤滑流体に圧
力差があると、その圧力差が解消されるまで潤滑流体が
移動して外部漏れの原因となることがある。すなわち、
潤滑流体の外部漏れを防止するためには、潤滑流体の僅
かな移動量だけで上述した圧力差が解消され、バランス
が取れるようにした構造、或は、片袋保持構造のように
圧力差を支えられる構造とすることが必要である。
【0014】さらにまた、潤滑流体の外部漏れを防止す
るためには、回転時において軸受部間の軸受空間(所謂
潤滑流体溜り部)を正圧とする必要がある。これは、潤
滑流体溜り部が負圧になると、潤滑流体に溶け込んでい
た空気が分離・気化して該潤滑流体溜り部に溜り、その
体積膨張分潤滑流体が押し出されてしまうからである。
【0015】また、外気に繋がる出口部の付近は、潤滑
流体が濡れ拡散しない条件、例えば種々の環境条件下に
おいても潤滑流体の接触角が0度とならないような部分
を、各出口部の外側に設けておく等の対策を施しておく
ことが潤滑流体漏れを防止するために必要である。
【0016】(2)長寿命化を可能とするための条件に
ついて、次に、長寿命化を図るためには、まず軸受部内
に充填された潤滑流体の容量の何倍かの量の潤滑流体が
余裕分として保持されていることが必要である。これ
は、軸受の使用により潤滑流体に摩耗粉が混入したり、
化学的変化を生じたり、蒸発や漏れなどが、材料・条件
により程度の差あるものの必ず生じ、これらを原因とし
て潤滑流体の劣化・減少を招来するからである。従っ
て、動圧軸受の長寿命化は、どの程度の余裕潤滑流体を
内部に保持できるかが目安となるととともに、蒸発や漏
れなどによる潤滑流体の減少をいかに少なくできるかが
ポイントとなる。
【0017】(3)低コストで量産性を良好とするため
の条件について、この条件を達成するためには、当然の
ことであるが、できるだけ簡易な構造とすることが重要
である。
【0018】このようなことから、請求項1記載の発明
にかかる動圧軸受装置では、固定部材に対して回転部材
を回転可能に支承する複数の動圧軸受部によって一連の
軸受空間が画成されているとともに、上記各動圧軸受部
を構成する固定部材及び回転部材の少なくとも一方側
に、前記軸受空間内に充填された潤滑流体に動圧を発生
させる動圧発生用溝が設けられた動圧軸受装置におい
て、上記潤滑流体が、前記複数の動圧軸受部のうちの隣
接する少なくとも一組の動圧軸受部どうしの間に連続し
て充填されているとともに、上記一組の動圧軸受部の両
端部分には、前記固定部材と回転部材との間の隙間を狭
小にしてなる毛細管シール部がそれぞれ設けられ、上記
一組の動圧軸受部における各動圧発生用溝は、当該一組
の動圧軸受部の互いに他方側に向かって潤滑流体を加圧
し合う非対称形状を備えるように形成され、かつ、上記
一組の動圧軸受部と、他の一組の動圧軸受部との間にお
ける隙間を大気側に向かって開放する空気抜き通路が設
けられている。
【0019】そして、このような動圧軸受装置によれ
ば、先ず潤滑流体の液面位置が、固定部材と回転部材と
の間の狭い隙間からなる毛細管シール部内に存在し、停
止時において、毛細管シール力が常時働く状態になって
おり、この毛細管シール力に基づく引戻力によって潤滑
流体が内部側所定の位置に保持される。一方、大きな慣
性力Gが負荷された場合には、潤滑流体の流体粘性抵抗
による動圧力が、狭い隙間からなる毛細管シール部に発
生し、これにより潤滑流体の外部拡散が防止される。
【0020】回転時においては、隣接する一組の動圧軸
受部どうしの間で潤滑流体が加圧されて平衡状態になさ
れるため、回転時における潤滑流体の外部拡散が防止さ
れるようになっている。
【0021】さらに、隣接する一組の動圧軸受部と、他
の一組の動圧軸受部との間に生じる空間部分における空
気が、特に回転停止時に温度変化や圧力変化で膨張した
場合であっても、その膨張空気は空気抜き通路を通して
外部側の大気に放出されることとなり、空気の膨張によ
って潤滑流体が外部へ押し出されるような事態が回避さ
れる。
【0022】加えて、潤滑流体の外部漏れを防止する毛
細管シール部が、固定部材と回転部材との間の狭小隙間
により簡易に構成されているため、製作の容易化が図ら
れ生産性が向上されるようになっている。
【0023】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の一組の動圧軸受部が、軸方向に連続する軸受
空間を有するように並設された2つのラジアル動圧軸受
部からなるとともに、他の一組の動圧軸受部が、半径方
向に連続する軸受空間を有するように並設された2つの
スラスト動圧軸受部からなる。
【0024】このような構成によれば、潤滑流体を加圧
状態とする隣接する一組の動圧軸受部が、同一種類の動
圧軸受部から構成されるために、潤滑流体の加圧動作が
安定的に行われるようになっている。
【0025】さらに、請求項3記載の発明では、上記請
求項1記載の空気抜き通路が、毛細管シール部の外部側
空間に開口するように設けられている。
【0026】このような構成によれば、毛細管シール部
の外部側空間における膨張空気が、空気抜き通路を通し
て外部へ放出されて潤滑流体の外部漏出が防止されるよ
うになっている。
【0027】さらにまた、請求項4記載の発明では、上
記請求項2記載のスラスト動圧軸受部を構成している固
定部材と回転部材との間の隙間の一部を半径方向に拡大
することにより空気抜き通路が形成されている。
【0028】このような構成によれば、ラジアル動圧軸
受部とスラスト動圧軸受部との間の膨張空気が、スラス
ト動圧軸受部の内周部に設けられた空気抜き通路を通し
て外部へ放出されて潤滑流体の外部漏出が防止されるよ
うになっている。
【0029】また、請求項5記載の発明では、上記請求
項2記載のラジアル動圧軸受部又はスラスト動圧軸受部
を構成している固定部材又は回転部材を貫通するように
して空気抜き通路が設けられている。
【0030】このような構成によれば、ラジアル動圧軸
受部とスラスト動圧軸受部との間の膨張空気が、固定部
材又は回転部材を貫通するようにして設けられた空気抜
き通路を通して外部へ放出されて潤滑流体の外部漏出が
防止されるようになっている。
【0031】さらに、請求項6記載の発明では、上記請
求項1記載の空気抜き通路の内径寸法が、軸受空間及び
毛細管シール部における隙間寸法より大きく形成され
て、空気抜き通路の毛細管力が、軸受空間及び毛細管シ
ール部における毛細管力より小さく設定されている。
【0032】このような構成によれば、動圧軸受部どう
しの間に存在する空気が、軸受空間や毛細管シール部に
移動することなく、必ず空気抜き通路を通して外部に放
出されるため、潤滑流体の外部漏出が防止されるように
なっている。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、いわゆる両端軸
固定型のHDDスピンドルモータに適用した実施形態に
ついて図面により詳細に説明する。まず、図1に示され
たHDDスピンドルモータの全体構造を説明すると、こ
のHDDスピンドルモータは、固定部材としてのステー
タ組1と、このステータ組1に対して図示上側から組み
付けられた回転部材としてのロータ組2とから構成され
ている。このうちステータ組1は、図示省略した固定基
台側にネジ止めされるフレーム11を有しているととも
に、このフレーム11の略中央部分に立設された固定軸
12が、図示上方に向かって延在している。この固定軸
12の先端部(図示上端部)は、図示を省略した固定基
台に対して螺子止めされる。
【0034】また、上記フレーム11は、中空円筒状の
支持ホルダー13を有しており、この支持ホルダー13
の外周にステータコア14が嵌着されており、当該ステ
ータコア14の突極部に対して巻線15が巻回されてい
る。
【0035】一方、上記ロータ組2では、図示を省略し
た所定の記録媒体を支持するためのハブ21が、軸受基
体22の外周側に固着されている。上記ハブ21は、磁
気ディスク等の磁気記録媒体を外周部に装着する略円筒
形状の胴部21aを有しているとともに、この胴部21
aの内周側に、バックヨーク21bを介して駆動マグネ
ット21cが環状に装着されている。この駆動マグネッ
ト21cは、前述したステータコア14の外周端面に対
して環状に対向するように近接配置されている。
【0036】また、上記軸受基体22の中心側部分に設
けられた中心穴には、軸受部材としての軸受スリーブ2
3が固着されている。この軸受スリーブ23の内周壁部
には、一組の軸受突部23a,23bが軸方向に所定間
隔離して形成されており、これらの各軸受突部23a,
23bが、上記固定軸12の外周面に近接するようにし
て対向配置されている。そして、これらの各軸受突部2
3a,23bの内周面に設けられた動圧面と、上記固定
軸12の外周面に形成された動圧面とにより、隣接した
一組のラジアル動圧軸受部RBa,RBbが、軸方向に
並列するように形成されている。そして、これら一組の
ラジアル動圧軸受部RBa,RBbによって、上記ハブ
21が固定軸12に対してラジアル方向に回転自在とな
るように支承されている。
【0037】すなわち、上記各ラジアル動圧軸受部RB
a,RBbにおいては、軸受スリーブ23側の動圧面と
固定軸12側の動圧面とが、数μmの狭小隙間を介して
周状に対面配置されており、その軸方向に所定間隔離し
て一組の狭小隙間からなる軸受空間が連続するように形
成されており、それらの両軸受空間内に、オイルや磁性
流体等からなる所定の潤滑流体が連続するようにして充
填されている。
【0038】また、上記軸受スリーブ23側の動圧面
と、固定軸12側の動圧面との少なくとも一方側には、
図2に示されているようなヘリンボーン形状をなす一対
のラジアル動圧発生用溝RGa,RGbが各々環状に並
列するように凹設されており、前記ハブ21の回転時
に、これら両ラジアル動圧発生用溝RGa,RGbのポ
ンピング作用により潤滑流体が昇圧されて動圧が生じ、
この潤滑流体に生じさせられた動圧によって、ハブ21
がラジアル方向に軸支持されるように構成されている。
上記ラジアル動圧発生用溝RGa,RGbのヘリンボー
ン形状の詳細については後述する。
【0039】このとき、本実施形態における上記潤滑流
体としては、当該潤滑流体の寿命と良好な軸受特性とを
両立し得るように、トリメチロールプロパン(TMP)
またはペンタエリスリトール(PE)と、炭素数5〜1
8の直鎖または分岐脂肪酸とをエステル化した構造のオ
イルが使用されており、その中でも、特に蒸発率が、1
-7g /h ・cm2 (at40°C)以下で、粘度が30c
P(at40°C)以下のオイルが用いられている。
【0040】なお、このような潤滑流体を軸受内部に注
入するにあたっては、組立が完了したモータを一旦真空
室内に入れ、その真空引きした状態で毛細管力または外
部大気圧を利用して行う。このようにすれば、含有空気
率が低い状態で軸受内部全体に潤滑流体を満たすことが
可能となる。
【0041】再び、図1に戻って、上述したように、隣
接する一組のラジアル動圧軸受部RBa,RBbを構成
する軸受空間は、軸方向に連続して延びるように形成さ
れているが、その一組のラジアル動圧軸受部RBa,R
Bbどうしの間部分に、軸受スリーブ23を半径方向外
方に向かって窪ませた拡大空間からなるオイル溜め部3
0が形成されている。このオイル溜り部30の隙間寸法
は、ラジアル動圧軸受部RBa,RBbにおける軸受空
間における隙間寸法の3倍以上または40μm以上に設
定されている。これは、軸受空間に対して潤滑流体に量
的余裕をもたせるように一定量以上の潤滑流体を潤滑流
体溜り部33内に確保して長寿命化を図るためである。
【0042】また、それらの各ラジアル動圧軸受部RB
a,RBbを構成する軸受空間の軸方向両端側部分に
は、毛細管シール部31a,31bが、各ラジアル動圧
軸受部RBa,RBbを軸方向両側から挟むように設け
られている。これらの各毛細管シール部31a,31b
は、軸受スリーブ23側に形成された傾斜面によって、
当該軸受スリーブ23と前記固定軸12との間の隙間を
軸受外方に向かって徐々に拡大したものであって、軸受
内方側に配置された毛細管シール部31bは、上述した
オイル溜め部30に連通している。これら毛細管シール
部31a,31bにおいて連続的に拡大している狭小隙
間の寸法は、20μmから300μmになされており、
潤滑流体の液面位置が、モータ回転・停止のいずれの場
合にも、各毛細管シール部31a,31bの内部所定位
置となるように設定されている。
【0043】さらに、上記固定軸12の先端側部分(図
示上端側部分)には、円板状のスラストリング16が固
定されている。このスラストリング16は、上述した軸
受基体22の図示上側中心部分に凹設された円筒状の窪
み部内に収容するように配置されており、当該軸受基体
22の窪み部の底壁部22aに設けられた動圧面に対し
て、上記スラストリング16の図示下面側に設けられた
動圧面が軸方向に近接配置されていることによって、下
側のスラスト動圧軸受部SBaが構成されている。
【0044】また、上記スラストリング16の図示上面
側に近接するようにして、カウンタープレート25が上
記軸受基体22に取り付けられており、このカウンター
プレート25の図示下面側に設けられた動圧面と、上記
スラストリング16の図示上面側に設けられた動圧面と
により上側のスラスト動圧軸受部SBbが構成されてい
る。
【0045】すなわち、隣接するようにして配置された
一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbのそれぞれに
おいては、軸受基体22側の動圧面とスラストリング1
6側の動圧面とが、数μmの狭小隙間を介して軸方向に
対面配置されており、上記スラストリング16の外周側
通路を介して軸方向に所定間隔離して配置された一組の
狭小隙間からなる各軸受空間内に、オイルや磁性流体等
からなる所定の潤滑流体が連続的に充填されている。
【0046】また、本実施形態においては、図3に示さ
れているように、上記スラストリング16の両端面に設
けられた両動圧面に対して、ヘリンボーン形状をなすス
ラスト動圧発生用溝SGa,SGbが環状に並列するよ
うに凹設されており、前記ハブ21の回転時に、これら
の両スラスト動圧発生用溝SGa,SGbのポンピング
作用によって、潤滑流体が昇圧されて動圧が生じ、この
潤滑流体に生じさせられた動圧によって、ハブ21がス
ラスト方向に軸支持されるように構成されている。上記
スラスト動圧発生用溝SGa,SGbのヘリンボーン形
状については後述する。
【0047】さらに、上述した一組の各スラスト動圧軸
受部SBa,SBbを構成する軸受空間の半径方向両端
側部分には、毛細管シール部32a,32bが、各スラ
スト動圧軸受部SBa,SBbを半径方向両側から挟む
ように設けられている。
【0048】これらの各毛細管シール部32a,32b
は、スラストリング16側に形成された傾斜面によっ
て、当該スラストリング16と前記軸受基体22との間
の隙間を半径方向の内外方向に向かって徐々に拡大した
ものであって、半径方向内方側に配置された毛細管シー
ル部32bが、上述したラジアル動圧軸受部RBa側及
びモータ外部側の大気にそれぞれ連通している。なお、
当該毛細管シール部32a,32bにおいて連続的に拡
大している狭小隙間の寸法は、20μmから300μm
となっており、潤滑流体の液面位置が、モータ回転・停
止のいずれの場合にも、各毛細管シール部32a,32
bの内部所定位置となるように設定されている。
【0049】また、前述したスラストリング16の外周
面は、当該スラストリング16の外周面を半径方向内側
に窪ませられており、半径方向外側から対面する軸受基
体22の窪み部内周面との間に、潤滑流体溜り部34が
形成されており、所定の油量が確保されている。
【0050】さらに、上述した図2に示されているよう
に、上記一組のラジアル動圧軸受部RBa,RBbにお
ける各動圧発生用溝RGa,RGbは、一対の傾斜溝R
Ga1,RGa2どうし及びRGb1,RGb2どうし
を合流させて略「く」の字状に連続させたものを多数環
状に並べて構成されている。上記各動圧発生用溝RG
a,RGbを構成している各傾斜溝RGa1,RRGa
2及びGb1,RGb2は、それぞれ数μmの溝深さに
形成されており、軸方向両端側から合流中心側に向かっ
て潤滑流体を加圧するようになっている。
【0051】このとき、上記各動圧発生用溝RGa,R
Gbにおける軸方向外側に設けられた傾斜溝RGa1,
RGb1の軸方向長さRL1は、軸方向内側に設けられ
た傾斜溝RGa2,RGb2の軸方向長さRL2より長
く形成されている(RL1>RL2)。すなわち、上記
各ラジアル動圧軸受部RBa,RBbにおいては、軸方
向外側の傾斜溝RGa1,RGb1による加圧力が、軸
方向内側の傾斜溝RGa2,RGb2による加圧力より
も大きくなるように軸方向に非対称な形状に形成されて
おり、これによって、当該一組のラジアル動圧軸受部R
Ba,RBbの互いに他方側に向かって潤滑流体を加圧
し合う構成になされている。
【0052】一方、上述した図3に示されているよう
に、上記一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbにお
ける各動圧発生用溝SGa,SGbは、一対の傾斜溝S
Ga1,SGa2どうし及びSGb1,SGb2どうし
を合流させて略「く」の字状に連続させたものを多数環
状に並べて構成されている。上記各動圧発生用溝SG
a,SGbを構成している各傾斜溝SGa1,SGa2
及びSGb1,SGb2は、それぞれ数μmの溝深さに
形成されており、半径向の内外両端側から合流中心側に
向かって潤滑流体を加圧するようになっている。
【0053】このとき、上記各動圧発生用溝SGa,S
Gbにおける半径方向内側に設けられた傾斜溝SGa
1,SGb1の半径方向長さSL1は、半径方向外側に
設けられた傾斜溝SGa2,SGb2の半径方向長さS
L2より長く形成されている(SL1>SL2)。すな
わち、上記各スラスト動圧軸受部SBa,SBbにおい
ては、半径方向外側の傾斜溝RGa1,RGb1による
加圧力が、半径方向内側の傾斜溝RGa2,RGb2に
よる加圧力よりも大きくなるように半径方向に非対称な
形状に形成されており、これによって、当該一組のスラ
スト動圧軸受部SBa,SBbの互いに他方側に向かっ
て潤滑流体を加圧し合う構成になされている。
【0054】また、上記スラストリング16の内周壁面
には、当該スラストリング16の内周壁面の一部を断面
略半円状に窪ませることよって2体の空気抜き通路33
が軸方向に延びるように設けられている。これらの各空
気抜き通路33の内側(図1下側)開口端は、上述した
各動圧軸受部RBa,RBb,SBa,SBbのうちの
隣接するラジアル動圧軸受部RBaとスラスト動圧軸受
部SBbとの間の隙間空間に臨むように配置されてい
る。より具体的には、上記空気抜き通路33は、毛細管
シール部31a,32bの外側部分に形成された空間部
分に臨むように配置されており、当該空気抜き通路33
によって、上述した一組のラジアル動圧軸受部RBa,
RBbと、他の一組のスラスト動圧軸受部SBa,SB
bとの間の内部空間を、モータ外部側の大気に連通して
いる。
【0055】このとき、上記各空気抜き通路16aの内
径寸法は、各軸受空間及び毛細管シール部における隙間
寸法よりもやや大きく設定されており、当該空気抜き通
路16aにおける毛細管力が、各軸受空間及び毛細管シ
ール部における毛細管力がより小さくなるように構成さ
れている。
【0056】なお、上述したカウンタープレート25
は、上述した各動圧軸受部の組付後に軸受基体に対して
接合されるが、前記潤滑流体の充填部分に臨む接合部
は、このカウンタープレート25による接合部のみであ
って、潤滑流体の充填部分に対するその他の部位は一体
に成形されて密閉性を確保している。
【0057】さらに、上記カウンタープレート25と軸
受基体22との接合部は、潤滑流体の注入前に、接着剤
によって完全密閉構造となるように接合され、これによ
って潤滑流体に対する密閉性が良好に確保されている。
この接合部に充填される接着剤は、当該接合部に形成さ
れた環状案内溝(図示省略)の毛細管力によって、接合
部全周にわたって切れ目なく連続的に充填されるように
なっており、これによって密閉構造が完全化される。
【0058】また、上記カウンタープレート25には、
外側(図示上側)から吸収布26を介して薄板状のスト
ッパー板27が設けられており、これら吸収布26及び
ストッパー板27によって、最悪の場合でも、潤滑流体
の外部飛散が防止されるようになっている。また、図示
下端側のラジアル動圧軸受部RBbの外側部分に対して
も、同様な吸収布26を介して薄板状のストッパー板2
7が設けられており、これら吸収布26及びストッパー
板27によって、最悪の場合でも、潤滑流体の外部飛散
が防止されるようになっている。
【0059】このような実施形態装置によれば、まず潤
滑流体の液面位置が、固定軸12と回転側部材としての
軸受スリーブ23及びスラストリング16との間の狭隙
間からなる毛細管シール部31a,31b,32a,3
2b内に存在するため、回転時には勿論停止時において
も毛細管シール力が常時働く状態になっており、この毛
細管シール力に基づく引戻力によって、潤滑流体が内部
側の所定位置に保持される。一方、大きな慣性力Gが負
荷された場合には、潤滑流体の流体粘性抵抗による動圧
力が、狭い隙間からなる毛細管シール部31a,31
b,32a,32bに発生し、これにより潤滑流体の外
部拡散が防止される。
【0060】また、回転時においては、隣接する一組の
ラジアル動圧軸受部RBaとRBbとの間で潤滑流体が
加圧状態になされるとともに、他の隣接する一組のスラ
スト動圧軸受部SBaとSBbとの間でも潤滑流体が加
圧状態になされ、その加圧状態で潤滑流体が平衡状態に
なされるため、回転時における潤滑流体の外部拡散が防
止されるようになっている。このときの潤滑流体の加圧
は、同一種類の動圧軸受部のどうし間で行われるため、
安定的に加圧が行われる。
【0061】さらに、隣接する一組のラジアル動圧軸受
部RBa,RBbと、他の一組のスラスト動圧軸受部S
Ba,SBbとの間では、毛細管シール部31a及び3
2bの外部側空間に空気が発生することとなるが、特に
回転停止時に温度変化や圧力変化で膨張した場合であっ
ても、その膨張空気は、空気抜き通路33を通して外部
の大気に放出されることとなり、空気の膨張によって潤
滑流体が外部へ押し出されて漏出するような事態が回避
されるようになっている。
【0062】加えて、本実施形態においては、空気抜き
通路33における毛細管力が、軸受空間及び毛細管シー
ル部における毛細管力より小さくなされているため、動
圧軸受部どうしの間の空気が、軸受空間や毛細管シール
部に移動することなく、必ず空気抜き通路33を通して
外部に放出されるようになっている。
【0063】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0064】例えば、図4に示されている実施形態で
は、空気抜き通路33が、軸受基体22を貫通するよう
に設けられており、このような空気抜き通路33を通し
ても、ラジアル動圧軸受部RBaとスラスト動圧軸受部
SBaとの間の膨張空気が上述した実施形態と同様に外
部放出されることとなって、同様な作用・効果を得るこ
とができる。
【0065】また、図示は省略したが、固定軸12を貫
通するようにして空気抜き通路を設けることも可能であ
る。
【0066】さらに、上述した実施形態では、互いに加
圧し合う隣接した一組の動圧軸受部を、ラジアル動圧軸
受部RBa,RBbどうし、及びスラスト動圧軸受部S
Ba,SBbどうしのように、同一種類の動圧軸受部と
しているが、異なる種類の動圧軸受部どうしを一組とし
て加圧し合うように構成することも可能である。
【0067】さらにまた、上述した実施形態では、ラジ
アル動圧発生用溝RGa,RGbが回転部材側の軸受ス
リーブ23に設けられているが、固定軸12側または双
方に形成することも可能である。同様に、スラスト動圧
発生用溝SGa,SGbが回転部材側のスラストリング
16に設けられているが、固定部材としての軸受基体2
2または双方に形成することも可能である。
【0068】また、本発明を適用する動圧発生用溝は、
上述した実施形態におけるようなヘリングボーン形状の
ものに限定されることはなく、その他の多種多様な形状
を有する動圧発生用溝に対しても本発明は同様に適用す
ることができる。
【0069】さらに、上述した実施形態は、いわゆる軸
固定型のモータに対して本発明を適用したものである
が、軸回転型のモータに対しても本発明は同様に適用す
ることができる。
【0070】さらにまた本発明は、上述したHDDモー
タ以外に用いられる動圧軸受装置に対しても同様に適用
することができる。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1にか
かる動圧軸受装置は、潤滑流体を保持する毛細管シール
部を備えるとともに、隣接する一組の動圧軸受部どうし
の間で潤滑流体を加圧し合うように動圧発生用溝を非対
称な形状とし、かつ、隣接する一組の動圧軸受部と、他
の一組の動圧軸受部との間に生じる空間部分における膨
張空気を外部側の大気に放出する空気抜き通路を設けた
ものであるから、簡易で低コストな構造で、回転時及び
非回転時のいずれにおいても潤滑流体を安定的に保持す
ることができ、潤滑流体の外部漏出を防止して長寿命化
を図ることができ、しかも動圧軸受装置の適用性を拡大
して有用性を高めることができる。
【0072】また、請求項2記載の発明は、上記請求項
1記載の一組の動圧軸受部を同一種類の2つのラジアル
動圧軸受部から構成するとともに、他の一組の動圧軸受
部を同一種類の2つのスラスト動圧軸受部から構成した
ものであるから、潤滑流体の加圧動作安定的に行わせる
ことができ、上述した請求項1記載の効果をさらに向上
させることができる。
【0073】さらに、請求項3記載の発明は、上記請求
項1記載の空気抜き通路を毛細管シール部の外部側空間
に開口するように設けて、毛細管シール部の外部側空間
における膨張空気を外部へ放出させるようにしたもので
あるから、上述した請求項1記載の効果を確実に得るこ
とができる。
【0074】さらにまた、請求項4記載の発明は、上記
請求項2記載のスラスト動圧軸受部を構成している固定
部材と回転部材との間の隙間の一部を半径方向に拡大す
ることにより空気抜き通路を形成したものであるから、
空気抜き通路を容易に形成することができ、生産性の向
上を図ることができる。
【0075】また、請求項5記載の発明は、上記請求項
2記載のラジアル動圧軸受部又はスラスト動圧軸受部を
構成している固定部材又は回転部材を貫通するようにし
て空気抜き通路が設けて、毛細管シール部の外部側空間
における膨張空気を外部へ放出させるようにしたもので
あるが、このようにしても上述した請求項1記載の効果
を確実に得ることができる。
【0076】さらに、請求項6記載の発明は、上記請求
項1記載の空気抜き通路の内径寸法を、軸受空間及び毛
細管シール部における隙間寸法より大きく形成して、空
気抜き通路の毛細管力を軸受空間及び毛細管シール部に
おける毛細管力より小さく設定し、動圧軸受部どうしの
間に存在する空気を確実に空気抜き通路を通して外部に
放出して潤滑流体の外部漏出を防止するようにしたもの
であるから、上述した請求項1記載の発明の効果を一層
確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における動圧軸受装置を備
えたHDDスピンドルモータを表した横断面図である。
【図2】ラジアル動圧発生用溝を表した正面展開図であ
る。
【図3】スラストリング及びスラスト動圧発生用溝を表
したものであって、(a)はスラストリングの底面説明
図、(b)はスラストリングの縦断面説明図、(c)は
スラストリングの平面説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態における空気抜き通路の
構造を表した部分横断面図である。
【符号の説明】
12 固定軸 23 軸受スリーブ 16 スラストリング 31a,31b,32a,32b 毛細管シール部 RBa,RBb ラジアル動圧軸受部 SBa,SBb スラスト動圧軸受部 33 空気抜き通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金箱 秀樹 長野県諏訪郡下諏訪町5329番地 株式会社 三協精機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に対して回転部材を回転可能に
    支承する複数の動圧軸受部によって一連の軸受空間が画
    成されているとともに、上記各動圧軸受部を構成する固
    定部材及び回転部材の少なくとも一方側に、前記軸受空
    間内に充填された潤滑流体に動圧を発生させる動圧発生
    用溝が設けられた動圧軸受装置において、 上記潤滑流体が、前記複数の動圧軸受部のうちの隣接す
    る少なくとも一組の動圧軸受部どうしの間に連続して充
    填されているとともに、 上記一組の動圧軸受部の両端部分には、前記固定部材と
    回転部材との間の隙間を狭小にしてなる毛細管シール部
    がそれぞれ設けられ、 上記一組の動圧軸受部における各動圧発生用溝は、当該
    一組の動圧軸受部の互いに他方側に向かって潤滑流体を
    加圧し合う非対称形状を備えるように形成され、かつ、 上記一組の動圧軸受部と、他の一組の動圧軸受部との間
    における隙間を大気側に向かって開放する空気抜き通路
    が設けられていることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一組の動圧軸受部が、軸
    方向に連続する軸受空間を有するように並設された2つ
    のラジアル動圧軸受部からなるとともに、他の一組の動
    圧軸受部が、半径方向に連続する軸受空間を有するよう
    に並設された2つのスラスト動圧軸受部からなることを
    特徴とする動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の空気抜き通路が、毛細管
    シール部の外部側空間に開口するように設けられている
    ことを特徴とする動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のスラスト動圧軸受部を構
    成している固定部材と回転部材との間の隙間の一部を半
    径方向に拡大することにより空気抜き通路が形成されて
    いることを特徴とする動圧軸受装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のラジアル動圧軸受部又は
    スラスト動圧軸受部を構成している固定部材又は回転部
    材を貫通するようにして空気抜き通路が設けられている
    ことを特徴とする動圧軸受装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の空気抜き通路の内径寸法
    が、軸受空間及び毛細管シール部における隙間寸法より
    大きく形成されて、空気抜き通路の毛細管力が、軸受空
    間及び毛細管シール部における毛細管力より小さく設定
    されていることを特徴とする動圧軸受装置。
JP33779097A 1997-11-21 1997-11-21 動圧軸受装置 Pending JPH11153130A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33779097A JPH11153130A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 動圧軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33779097A JPH11153130A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 動圧軸受装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11153130A true JPH11153130A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18312000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33779097A Pending JPH11153130A (ja) 1997-11-21 1997-11-21 動圧軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11153130A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11230162A (ja) * 1998-02-09 1999-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置
WO2001063133A1 (fr) * 2000-02-24 2001-08-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Palier fluide de type pression dynamique
US6698931B2 (en) 2000-02-24 2004-03-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dynamic pressure-type liquid bearing unit
US7160030B2 (en) 2004-03-17 2007-01-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Hydrodynamic bearing and apparatus for driving polygonal mirror using the same
JP2011033154A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Alphana Technology Co Ltd ディスク駆動装置
JP2014105630A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Rinnai Corp 水ポンプ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11230162A (ja) * 1998-02-09 1999-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置
WO2001063133A1 (fr) * 2000-02-24 2001-08-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Palier fluide de type pression dynamique
US6698931B2 (en) 2000-02-24 2004-03-02 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dynamic pressure-type liquid bearing unit
US7160030B2 (en) 2004-03-17 2007-01-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Hydrodynamic bearing and apparatus for driving polygonal mirror using the same
CN100337044C (zh) * 2004-03-17 2007-09-12 三星电子株式会社 液压轴承和用该液压轴承来驱动多面镜的装置
JP2011033154A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Alphana Technology Co Ltd ディスク駆動装置
US8506168B2 (en) 2009-08-04 2013-08-13 Samsung Electro-Mechanics Japan Advanced Technology Co., Ltd. Disk drive device improved in anti-vibration characteristic
JP2014105630A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Rinnai Corp 水ポンプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09222121A (ja) 動圧軸受装置
US7568839B2 (en) Fluid dynamic pressure bearing, motor, and recording medium driving device
JP3462982B2 (ja) 動圧流体軸受装置及び電動機
US5847479A (en) Self-pressure-balanced hydrodynamic bearing spindle motor
US6843602B2 (en) Hydrodynamic bearing unit
US6955471B2 (en) Cartridge style fluid dynamic bearing with conical or spherical bearing elements
JPH11187611A (ja) スピンドルモータ、及びスピンドルモータを回転体の駆動源とする回転体装置
JPH11153130A (ja) 動圧軸受装置
JP4519607B2 (ja) 流体動圧軸受、スピンドルモータ及びハードディスク駆動装置
JP4194610B2 (ja) 動圧軸受装置
JP3799176B2 (ja) 動圧型焼結含油軸受ユニット
JP3658074B2 (ja) 動圧軸受装置
JPS624565B2 (ja)
JP3495521B2 (ja) 動圧軸受装置
JP3369040B2 (ja) 動圧軸受装置
JP3639374B2 (ja) 動圧軸受装置
JP4392112B2 (ja) 動圧軸受装置及びこれを備えたスピンドルモータ
JPH1130229A (ja) 動圧軸受装置
JPH1073126A (ja) 動圧軸受装置
JP3815929B2 (ja) モータ
JP2502674B2 (ja) 流体軸受装置
JP3381981B2 (ja) スピンドルモータ
JP2005195180A (ja) 動圧型焼結含油軸受ユニット
JP3681018B2 (ja) 動圧軸受
JP3606728B2 (ja) 動圧軸受装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041108

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050927

A521 Written amendment

Effective date: 20050927

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070925

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071023

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080325

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02