JP4346779B2 - 動圧軸受モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータ等のモータに関し、特に固定シャフトに一対のラジアル動圧軸受部を介してロータを回転自在に支持するようにした動圧軸受モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ハードディスク等の磁気ディスクや光ディスク等といった記録ディスクを回転駆動するモータにおいては、記録ディスクを保持するロータを回転自在に軸支持するための軸受手段として、流体動圧軸受を用いることが提案されている。
【0003】
例えば、特開平8−105445号公報には、ブラケットに支持された固定のシャフトに対し軸線方向に離れた二カ所に設けたラジアル動圧軸受部を介してロータを回転自在に支持してなるディスクスピンドルモータが開示されている。このモータにおいては、ロータがシャフトと共に動圧軸受部を構成するスリーブ部(シャフトハウジング)とディスクを搭載するロータハブ(スピンドルハブ)とにより構成され、両者が互いの軸線方向一端部(ブラケットとの反対側)にて嵌合固定されている。
【0004】
また、ロータのスラスト方向荷重を支持する一対のスラスト軸受部は、シャフトの一端部及び他端部に固定したスラストベアリング板とこの軸線方向に対向したスリーブ部の肩部とを用いて構成され、シャフトの一端部側に一方のスラスト動圧軸受部と一方のラジアル動圧軸受部とが隣接配置され、シャフトの他端部側に他方のスラスト動圧軸受部と他方のラジアル動圧軸受部とが隣接配置されている。スリーブ部とロータハブとの嵌合固定部は一方のラジアル動圧軸受部及び一方のスラスト動圧軸受部に対して径方向に対向している。なお、ロータマグネットはロータハブの内周面に固着され、これがブラケットに固定されたステータにラジアルギャップを介して対向している。
【0005】
また、従来の他の動圧軸受モータは、特開平9−217735号公報に見られるように、フレームに固定された中心固定軸に対して、ロータハブ(ディスクハブ)とこの内周面に嵌合固定されたスリーブ部(ラジアル軸受部)とからなるロータが動圧軸受を介して回転自在に支持されている。動圧軸受は、固定軸の軸方向に離間する位置に形成されたラジアル受面とこれに所定のラジアル隙間を介したスリーブ部のラジアル軸受面とラジアル隙間に充填された潤滑流体等を備えて構成された一対のラジアル軸受部と、スリーブ部の両端面のスラスト受面とこれに所定のスラスト間隙を介して対向し固定軸に固定されたスラスト板とスラスト隙間に充填された潤滑流体等を備えて構成された一対のスラスト軸受部とからなる。
【0006】
回転部材としてのロータハブは、その外周部で記録ディスクを保持するよう構成され、ロータハブの内周面は固定軸のフレームからの突出長さにほぼ等しい軸方向長さを有し、この内周面の上下端部を除くほぼ全域でスリーブ部と嵌合している。
【0007】
このように、動圧軸受モータにおいては、特に記録ディスクなどの被回転体を回転するロータを動圧軸受を用いて回転支持する場合、被回転体を保持するロータハブと動圧軸受部材として機能するスリーブ部とを用い、両者を嵌合固定する構造が採用されている。この場合、ロータハブには被回転体を保持するに好適な材料、例えば被回転体と熱膨張係数がほぼ等しい材料が使用され、スリーブ部には動圧軸受を形成するに好適な材料、例えば動圧溝加工が容易な材料或いは摺動特性の良好な材料が用いられるのが普通である。そして、ロータハブとスリーブ部との嵌合固定部の締結応力が動圧軸受部に影響を及ぼさないよう、両者の締結を軽圧入として応力低減を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ロータをロータハブとスリーブ部とで構成するようにした動圧軸受モータにあっては、ハブ材料とスリーブ材料とが異種金属で構成されることにより両者の嵌合固定部の締結を軽圧入として応力低減を図っているが、この内部応力は零にはなり得ず、しかもハブ材料とスリーブ材料との線膨張係数が異なることにより温度変化時に嵌合固定部に大きな応力が作用する。
【0009】
上述した従来の動圧軸受モータにあっては、ロータハブとスリーブ部との嵌合固定部が動圧軸受部に対して径方向に対向しているため、嵌合固定部に作用する応力が動圧軸受部に作用し、シャフトとスリーブ部間の間隙が異常に小さくなり、或いは無くなり、軸受として機能しなくなると言った不具合が生じる。
【0010】
なお、ロータハブとスリーブ部との嵌合固定部における温度変化時の応力変化を見込んで、最も大きい温度域でのスリーブ部の変形を見積もってスリーブ部の内面を加工することも考えられるが、加工工程の追加によるコストアップを招くばかりでなく、通常使用状態における動圧軸受部の間隙が大きくなり、安定した軸受特性が得られないと言った問題を生じる。
【0011】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に留意してなされたものであり、その目的とするところは、ロータを構成するスリーブ部とロータハブとの嵌合固定部における応力が動圧軸受部に影響を及ぼすことを最小限に抑え、温度変化に拘わらず、安定した軸受特性を得ることができる動圧軸受モータを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の動圧軸受モータにおいては、固定のシャフトに対し軸線方向に離れた二カ所に設けたラジアル動圧軸受部を介してロータを回転自在に支持してなり、ロータは、シャフトと共にラジアル動圧軸受部を構成するスリーブ部及びこのスリーブ部の外周に嵌合固定されたロータハブ等を備えてなり、スリーブ部とロータハブとの嵌合固定部は、二カ所のラジアル動圧軸受部の間にのみ径方向に対向して配置され、かつ、嵌合固定部の径方向の内側若しくは外側に隣接して応力吸収用の環状溝が形成され、前記ロータハブの、軸線方向上部内周面と前記軸線方向上部内周面の内径より大きい内径で形成されている環状壁の内周面との境界には、段部が形成され、前記スリーブ部には、最大外径部を構成する環状膨出部が形成され、前記段部には、前記環状膨出部の上端縁を係合させていることを特徴とするものである。
【0013】
このような構成においては、ロータを構成するスリーブ部とロータハブとの嵌合固定部の径方向内側若しくは外側に隣接して応力吸収用の環状溝が形成されているため、温度変化などにより嵌合固定部における応力が変化した場合であっても、この応力変化を環状溝で吸収し得てスリーブ部の内周側に影響が生じることを抑制することができる。しかも、この嵌合固定部がシャフトとスリーブ部とに関連して設けられた軸方向に離間した一対のラジアル動圧軸受部の間にのみ径方向に対向配置されるため、仮に上述の応力変化がスリーブ部内径に影響を及ぼした場合であっても、スリーブ部内径の変形はラジアル動圧軸受部に作用することはなく、動圧軸受特性に影響を与えず、安定した軸受特性を得ることができるものである。特に高温時においてもスリーブ部での応力変形を非常に小さく押え得るため、軸受剛性を安定に維持することが可能になる。
【0014】
また、上述した本発明の動圧軸受モータにおいて、ラジアル動圧軸受部を、シャフトの外周面に設けられたラジアル外周面と、これにラジアル微少間隙を介して対向するスリーブ部のラジアル内周面と、ラジアル外周面とラジアル内周面との一方若しくは両方に設けられたラジアル動圧溝と、ラジアル微少間隙に充填された潤滑剤とから構成することができる。
【0015】
さらに、本発明の動圧軸受モータにおいて、シャフトの両ラジアル動圧軸受部のそれぞれの軸線方向外側に一対のスラストプレートを固着し、この両スラストプレートの互いに向かい合うスラスト内面とこれにそれぞれ軸線方向に対向するスリーブ部のスラスト外面との間にスラスト微少間隙を形成し、スラスト外面とスラスト内面との一方若しくは両方にスラスト動圧溝を形成すると共に、スラスト微少間隙に潤滑剤を充填し、一対のスラスト動圧軸受部を設けるようにするのがよい。
【0016】
一方、上記動圧軸受モータにおいて、一対のラジアル動圧軸受部間のシャフトとスリーブ部との間に環状の気体介在部を設け、スリーブ部とロータハブとの嵌合固定部をこの気体介在部に径方向に対向させることもできる。
【0017】
特に、気体介在部によって軸線方向に分離された一方のラジアル動圧軸受部及び一方のスラスト動圧軸受部と他方のラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部とを、それぞれのラジアル微少間隙及びスラスト微少間隙に連続して潤滑剤を充填し、両ラジアル動圧軸受部のラジアル動圧溝を潤滑油を気体介在部とは反対方向に圧送するよう軸線方向にアンバランスな形状とされたヘリングボーン状溝とすると共に、両スラスト動圧軸受部のスラスト動圧溝を潤滑油を半径方向内方に向かって圧送するスパイラル状溝とするのも好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の動圧軸受モータに係る実施形態について、記録ディスク駆動用モータとして使用する場合を例にとり、図1及び図2を参照して説明する。勿論、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものでないことは勿論である。
【0019】
図1は、本発明の実施形態のモータの概略構成を模式的に示す縦断面図であり、図2は、図1において示すモータの軸受部の概略構成を模式的に示す部分拡大断面図である。
【0020】
図1に示す記録ディスク駆動用動圧軸受モータ1は、上面に開口した環状凹部を有する浅皿状ブラケット2と、このブラケット2の中央部に設けられた環状ボス部2aの内側に一方の端部が圧入固定されるシャフト4と、このシャフト4に対して相対的に回転自在なロータ6とを備える。ロータ6は、外周部に記録ディスク(図示せず)が載置されるロータハブ8と、ロータハブ8の内周側に位置し潤滑剤(潤滑油)が保持される微少間隙を介してシャフト4に軸支持されるスリーブ部10とを備えている。ロータハブ8の下部内周面には接着等の手段によってロータマグネット12が固着されており、このロータマグネット12と半径方向に対向してブラケット2のボス部2aの外周面にステータ14が装着されている。ロータハブ8の下部外周には鍔状のディスク載置部8aが設けられており、中心孔をロータハブ8の外周面に嵌挿させた1枚若しくはそれ以上の記録ディスクがディスク載置部8a上に載置され、図外のクランプにより記録ディスクがロータハブ8に保持される。
【0021】
図2に示すように、スリーブ部10にはシャフト4が貫通する軸線方向の貫通孔10aが形成され、この貫通孔10aの上下部に連続して貫通孔10aより大きい内径の中内径部10b1,10b2及び大内径部10c1,10c2が軸線方向外側に順に配置されるよう形成されている。
【0022】
ブラケット2のボス部2aより突出したシャフト4の上部及び下部には、半径方向外方に張り出した円盤状の上部スラストプレート16及び下部スラストプレート18がそれぞれ固着され、これらスラストプレート16,18がそれぞれスリーブ部10の中内径部10b1,10b2にその内周面との間に潤滑剤を保持し得る程度の隙間を介在させて配置されている。これらスラストプレート16,18のそれぞれの軸線方向外側には、シャフト4の外周面との間に潤滑剤をトラップし得る若干の隙間を介して対向した上部スラストカバー20及び下部スラストカバー22が配置され、これがそれぞれスリーブ部10の大内径部10c1,10c2に内嵌固定されている。
【0023】
スリーブ部10の貫通孔10aの上部内周面及び下部内周面は、シャフト4の外周面にラジアル微少間隙を介して対向しており、このラジアル微少間隙に潤滑剤(潤滑油)24が充填されると共に、貫通孔10aの上部内周面及び下部内周面にこの潤滑剤24を後述する気体介在部とは反対方向(つまりそれぞれに隣接するスラストプレート16,18側)に圧送するように軸線方向にアンバランスな形状とされたヘリングボーン状のラジアル動圧溝26A,26Bが形成され、これらにより、ロータ8のラジアル荷重を支持し、シャフト4に対してロータ8を回転自在に支持する一対のラジアル動圧軸受部28A,28Bが軸線方向に離間して設けられている。
【0024】
一対のラジアル動圧軸受部28A,28Bの中間に対応するシャフト4の外周面には、環状凹部4aがその上下部を傾斜面として形成されており、この環状凹部4aの外周面と貫通孔10aの内周面との間に環状の気体介在部30が形成されている。両ラジアル動圧軸受部28A,28Bの潤滑剤24はこの気体介在部30で分断され、上部ラジアル動圧軸受部28Aにおける潤滑剤24の下側の境界面すなわちメニスカスが気体介在部30の上端のテーパ状間隙に位置し、下部ラジアル軸受部28Bにおける潤滑剤24の上側のメニスカスが気体介在部30の下端のテーパ状間隙に位置する。
【0025】
一対のスラストプレート16,18の互いに向かい合う面はそれぞれ、スリーブ部10の中内径部10b1,10b2の内底面、つまり貫通孔10aの両端縁と中内径部10b1,10b2の内周面との間の肩部の端面にスラスト微少間隙を介して対向しており、これらスラスト微少間隙に潤滑剤24が充填されると共に、スリーブ部10側の中内径部10b1,10b2の内底面にそれぞれロータ6の回転により潤滑剤24を半径方向内方に向かって圧送するスパイラル状のスラスト動圧溝32A,32Bが形成されており、これらによりロータ6のスラスト荷重を支持する一対のスラスト動圧軸受34A,34Bが形成されている。
【0026】
気体介在部30によって上下に分断された上側のラジアル動圧軸受部28Aとスラスト動圧軸受部34A、及び下側のラジアル動圧軸受部28Bとスラスト動圧軸受部34Bはそれぞれ隣接して配置され、上側の両動圧軸受部28A,34Aにおける潤滑剤24及び下側の両動圧軸受部28B,34Bにおける潤滑剤24はそれぞれ連続しており、両スラスト動圧軸受部34A,34Bのそれぞれの潤滑剤24の上側のメニスカスは、スリーブ部10の中内径部10b1,10b2の内周面とスラストプレート16,18の外周面との間隙に位置し、温度変化や急激な圧力変動に対してこの間隙中で移動する。
【0027】
シャフト4には、その下端から気体介在部30の位置まで延びる通気孔36が軸心線に沿って設けられており、通気孔36の上端が連通孔38を通して気体介在部30に連通し、連通孔36の中腹部が連通孔40を通してスラストプレート18とスラストカバー22間のシャフト4外周面に開口され、連通孔38の下端開口がゴムボール等のプラグ42により閉塞されている。両ラジアル動圧軸受部28A,28Bにおける潤滑剤24の気体介在部30側のメニスカスは、気体介在部30,連通孔38,通気孔36及び連通孔40を通してシャフト4の外周面に開放され、さらにスラストカバー22とシャフト4間の隙間を通してモータ内部に開放され、両スラスト動圧軸受部34A,34Bにおける潤滑剤24の軸線方向外側のメニスカスは、それぞれのスラストカバー20,22とシャフト4間の隙間を通してモータ内外に開放されている。
【0028】
ロータ6を構成するロータハブ8とスリーブ部10とは次のようにして一体的に結合されている。すなわち、スリーブ部10の軸線方向中央部における外周面には当該スリーブ部10における最大外径部を構成する環状膨出部44が形成されている。この環状膨出部44は両ラジアル動圧軸受部28A,28B間で特に気体介在部30に径方向に対向して配置されている。一方、スリーブ部8の軸線方向中央部における内周部位には、ロータハブ8の軸線方向上部内周面の内径より大きい内径で応力吸収用環状溝46によって肉厚が薄くされた環状壁48が形成されている。
【0029】
そして、スリーブ部10の環状膨出部44の外周にロータハブ8の環状壁48の内周面を圧入嵌合することにより、スリーブ部10にロータハブ8が結合される。この場合、ロータハブ8の軸線方向上部内周面と環状壁48の内周面との境界における段部50に環状膨出部44の上端縁を係合させることによりスリーブ部10とロータハブ8との軸線方向の位置決めが行われる。
【0030】
スリーブ部10とロータハブ8とは、環状膨出部44と環状壁48との接合部である嵌合固定部52のみにおいて結合され、この嵌合固定部52は明らかに気体介在部30に径方向に対向して配置されている。
【0031】
このような構成の動圧軸受モータにあっては、ステータ14のコイルへの励磁によりステータ14に回転磁界が発生すると、ロータマグネット12との間の磁気的相互作用によりロータ6がシャフト4に対して回転し、ロータ6のラジアル荷重が一対のラジアル動圧軸受部28A,28Bにより支持されると共に、ロータ6のスラスト荷重が一対のスラスト動圧軸受部34A,34Bにより支持される。
【0032】
すなわち、スラスト動圧軸受部34A,34Bは動圧発生手段としてのスラスト動圧溝32A,32Bがスパイラル状溝であるため、それのみでは必要な荷重支持圧を発生できないが、隣接するラジアル動圧軸受部28A,28Bには軸線方向にアンバランスなヘリングボーン状溝からなるラジアル動圧溝26A,26Bが形成されているので、モータ1の回転時に、潤滑剤24はスラスト動圧溝32A,32B(スパイラル状溝)及びラジアル動圧溝26A,26B(ヘリングボーン状溝)によってそれぞれ図2において矢印A及びBで示す方向へと圧送されるので、両軸受部の協働によりロータ6にかかる負荷を支持するに必要な動圧を発生せしめて負荷を支持している。
【0033】
この動作時、ラジアル間隙及びスラスト間隙に連続して充填された潤滑剤24においては、ラジアル動圧軸受部28A,28Bの軸線方向中心位置よりスラスト動圧軸受部34A,34B側に変位した位置において圧力が最も高く、気体介在部30に近づくにつれて徐々に圧力が小さくなる一方、この最高圧力点からスラストプレート16,18に向かって圧力が徐々に小さくなると共にスラスト動圧軸受部34A,34Bにおいて半径方向外方に向かうに従って圧力が徐々に小さくなる。従って、潤滑剤24中に混入された気泡は圧力の低い方へ移送されることから、上記最高圧力点から気体介在部30側に充填された潤滑剤24中の気泡は気体介在部30に移送され、さらにこの気体介在部30から連通孔38,通気孔36及び連通孔40を通してスラストプレート18とスラストカバー22間に案内され、シャフト4とスラストカバー22間の間隙を通してモータ内部に開放される。また、上記最高圧力点からスラスト動圧軸受部32A,32B側に充填された潤滑剤24中の気泡はスラスト間隙の径方向外側に移送され、スラストプレート16,18と中内径部10b1,10b2の内周面間からスラストプレート16,18とスラストカバー20,22間に案内され、シャフト4とスラストカバー20,22間の間隙を通してモータ内外に開放される。
【0034】
一方、シャフト4に対して一対のラジアル動圧軸受28A,28B及び一対のスラスト動圧軸受34A,34Bにより回転自在に支持されたロータ6は、スリーブ部10とロータハブ8とを結合して構成されているが、両者の嵌合固定部52はスリーブ部10におけるスリーブ部10の太径部である環状膨出部44に規定されているため嵌合固定部52の応力に対してスリーブ部10自身が補強され、その内径側に与える影響が小さくなっており、また、嵌合固定部52におけるロータハブ8側は環状溝46で薄肉部とされた環状壁48になっており、嵌合固定部52の応力を環状溝46で吸収し得る構造となっており、スリーブ部10の内径の変形は最小限に押さえられることになる。しかも、嵌合固定部52は一対のラジアル動圧軸受部28A,28B間の気体介在部30のみに径方向に対応しており、仮に僅かでも嵌合固定部52の応力がスリーブ部10の内径側に影響を及ぼしたとしてもその影響は一対のラジアル動圧軸受部28A,28Bには伝わらず、安定した軸支持が実現できることとなり、特に高温時においてもスリーブ部10の変形の影響がほとんどなく、軸受剛性を安定させ得ることになる。
【0035】
以上、本発明に従う動圧軸受モータの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0036】
特に、実施形態ではスリーブ部10とロータハブ8との嵌合固定部52の応力吸収をロータハブ8側に設けた環状溝46によって実現しているが、これに限らず、スリーブ部10側に嵌合固定部52に隣接して応力吸収用環状溝を設ける構造としても良い。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、つぎに記載する効果を奏する。
【0038】
ロータを構成するスリーブ部とロータハブとの嵌合固定部をスリーブ部の内径側に設けられた軸線方向に離れた二カ所のラジアル動圧軸受部間にのみ径方向に対向配置し、しかもこの嵌合固定部に隣接して応力吸収用の環状溝を設けているため、嵌合固定部で発生する応力を環状溝で吸収でき、スリーブ部の内径側に与える影響を最小限に押さえることができる上、両ラジアル動圧軸受部への影響を無くし、軸受特性を安定させることができるものであり、特に高温時においても軸受剛性を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧軸受モータの一実施形態を示す記録ディスク駆動用モータの概略構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1において示すモータの上部スラスト軸受部及び上部ラジアル軸受部の概略構成を模式的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
4 シャフト
6 モータ
8 ロータハブ
10 スリーブ部
16,18 スラストプレート
24 潤滑剤
26A,26B ラジアル動圧溝
28A,28B ラジアル動圧軸受部
30 気体介在部
32A,32B スラスト動圧溝
34A,34B スラスト動圧軸受部
46 環状溝
52 嵌合固定部

Claims (5)

  1. 固定のシャフトに対し軸線方向に離れた二カ所に設けたラジアル動圧軸受部を介してロータを回転自在に支持してなる動圧軸受モータにおいて、
    前記ロータは、前記シャフトと共に前記ラジアル動圧軸受部を構成するスリーブ部及び該スリーブ部の外周に嵌合固定されたロータハブ等を備えてなり、
    前記スリーブ部と前記ロータハブとの嵌合固定部は、前記二カ所のラジアル動圧軸受部の間にのみ径方向に対向して配置され
    記嵌合固定部の径方向の内側若しくは外側に隣接して応力吸収用の環状溝が形成され、
    前記ロータハブの、軸線方向上部内周面と前記軸線方向上部内周面の内径より大きい内径で形成されている環状壁の内周面との境界には、段部が形成され、
    前記スリーブ部には、最大外径部を構成する環状膨出部が形成され、
    前記段部には、前記環状膨出部の上端縁を係合させていることを特徴とする動圧軸受モータ。
  2. 前記ラジアル動圧軸受部は、前記シャフトの外周面に設けられたラジアル外周面と、
    これにラジアル微少間隙を介して対向する前記スリーブ部のラジアル内周面と、
    前記ラジアル外周面と前記ラジアル内周面との一方若しくは両方に設けられたラジアル動圧溝と、
    前記ラジアル微少間隙に充填された潤滑剤とから構成されている請求項1記載の動圧軸受モータ。
  3. 前記シャフトの前記両ラジアル動圧軸受部のそれぞれの軸線方向外側には一対のスラストプレートが固着され、
    該両スラストプレートの互いに向かい合うスラスト内面とこれにそれぞれ軸線方向に対向する前記スリーブ部のスラスト外面との間にスラスト微少間隙
    が形成され、
    前記スラスト外面と前記スラスト内面との一方若しくは両方にスラスト動圧溝が形成されると共に、該スラスト微少間隙に潤滑剤が充填されて一対のス
    ラスト動圧軸受部が設けられている請求項1又は2記載の動圧軸受モータ。
  4. 前記一対のラジアル動圧軸受部間の前記シャフトと前記スリーブ部との間には環状の気体介在部が設けられ、
    前記嵌合固定部はこの気体介在部に径方向に対向している請求項2又は3記載の動圧軸受モータ。
  5. 前記気体介在部によって軸線方向に分離された一方のラジアル動圧軸受部及び一方のスラスト動圧軸受部と他方のラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部とは、
    それぞれのラジアル微少間隙及びスラスト微少間隙に連続して潤滑剤が充填されており、
    前記両ラジアル動圧軸受部のラジアル動圧溝は前記潤滑油を前記気体介在部とは反対方向に圧送するよう軸線方向にアンバランスな形状とされたヘリングボーン状溝とされ、
    前記両スラスト動圧軸受部のスラスト動圧溝は前記潤滑油を半径方向内方に向かって圧送するスパイラル状溝とされている請求項4に記載の動圧軸受モータ。
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