JPH07332354A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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Publication number
JPH07332354A
JPH07332354A JP14858794A JP14858794A JPH07332354A JP H07332354 A JPH07332354 A JP H07332354A JP 14858794 A JP14858794 A JP 14858794A JP 14858794 A JP14858794 A JP 14858794A JP H07332354 A JPH07332354 A JP H07332354A
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JP
Japan
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rotary shaft
side end
dynamic pressure
recess
bearing device
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Withdrawn
Application number
JP14858794A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Nose
保 能勢
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁石を作り易くすると共に装置を低コスト化
し、且つラジアル軸受の材質の制約を少なくすると共
に、磁気吸引力のバラツキを少なくし、しかもスラスト
動圧効率を向上すると共に、モータ特性の悪化を防止し
て、開放側に向かうスラスト動圧力と閉塞側に向かう磁
気吸引力の平衡を保つようにする。 【構成】 一端が閉塞され他方が開放された凹部を有す
る固定部材1と、部材1の凹部内に挿入された回転軸3
3と、軸33をスラスト方向に支承し凹所底部1bを形
成するスラスト軸受と、軸33をラジアル方向に支承す
るラジアル軸受2と、を具備し、各軸受の摺動部A,C
に非圧縮性流体14が充填された動圧軸受装置におい
て、軸33の閉塞側端面または凹所底部1bにおける軸
33の閉塞側端面に対向する面1bbの何れか一方に凹
部33aを設けると共に、凹部33a内に、軸方向に着
磁が施された磁石34を設け、軸33の閉塞側端部及び
凹所底部1bを磁性体としてなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動圧軸受装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示されるような動圧軸受装
置を適用した、例えばHDD用のスピンドルモータが知
られている。このスピンドルモータは所謂中心軸回転型
且つラジアル軸受固定型であり、図が煩雑になるのを避
けるために、中心線より右半分のみが示されている。
【0003】同図において、符号1は固定部材たるモー
タハウジングとしてのフレームを示しており、このフレ
ーム1には筒状の軸受ホルダー部1aが立設するように
して一体成形されている。すなわち、軸受ホルダー部1
aを含むフレーム1は、一端が閉塞され他方が開放され
た凹形状をなしている。該軸受ホルダー部1aの外周面
にはステ−タコア6が固定されており、このステ−タコ
ア6にはコイル5が巻回されている。
【0004】上記軸受ホルダー部1aの内周にはラジア
ル滑り軸受2,2がそれぞれ嵌合固定されており、これ
らラジアル滑り軸受2,2の内周には回転軸としての中
心軸3が挿入配置されている。該中心軸3の外周面及び
ラジアル滑り軸受2,2の内周面の少なくとも一方に
は、例えばへリングボーン状等の動圧発生溝が形成され
ており、摺動部(中心軸3とラジアル滑り軸受2,2と
の間の空隙)Aには非圧縮性流体としてのオイル等の潤
滑油が充填されている。すなわち、中心軸3は、ラジア
ル滑り軸受2,2の内周面との間に発生するラジアル動
圧力によりラジアル方向の振れが抑えられて、ラジアル
滑り軸受2,2内を回転するようになっている。
【0005】中心軸3のフレーム閉塞側(図における下
方)の端面3aに対向する位置には、フレーム1の凹所
底部を形成するスラスト板1bが設けられている。この
スラスト板1b及び中心軸3のフレーム閉塞側端面3a
の少なくとも一方には、動圧発生溝が形成されており、
摺動部(中心軸3のフレーム閉塞側端面3aとこれに対
向するスラスト板1bの図における上端面との間の空
隙)Cには潤滑油14が充填されている。すなわち、中
心軸3のフレーム閉塞側端面3aとスラスト板1bの上
端面との間に、中心軸3に対してフレーム開放側に向う
スラスト動圧力が発生するようになっている。
【0006】また、中心軸3には、ステ−タコア6と駆
動マグネット7の磁気中心をずらす公知の手法により、
中心軸3に対してフレーム閉塞側に向う磁気吸引力が発
生するようになっている。従って、この磁気吸引力と上
記スラスト動圧力とにより、スラスト方向のバランス及
び振れが抑えられて、スラスト板1b上を回転するよう
になっている。
【0007】中心軸3のフレーム開放側(図における上
方)の端部には、上記コア6、コイル5等を覆うような
形状のハブ4が嵌合固定されている。このハブ4の外周
面には図示されないディスクが装着されており、ハブ4
内周の上記コア6に対向する位置には駆動マグネット7
が固定されている。
【0008】上記軸受ホルダー部1aの内外を連通する
通路10の途中、すなわち軸受ホルダー1aの図におけ
る上端部(フレーム開放側のラジアル滑り軸受2より上
方の位置)には磁性流体シール8が配設されている。こ
の磁性流体シール8は、磁石8bと、この磁石8bを軸
線方向に挟むようにして設けられ磁路を形成するポール
ピース8a,8aとから構成されており、このポールピ
ース8a,8a内周面と中心軸3の外周面との間に磁性
流体9,9が保持され得るようになっている。従って、
この磁性流体シール8により、上記摺動部A,A,Cに
充填されている潤滑油を含むホルダー部1a内部に満た
されている潤滑油14の、軸受部から外方への漏れが防
止されていると共に、外部から軸受部内への塵芥等の侵
入の防止が図られている。
【0009】そして、図示されないモータ外部の電源供
給手段からフレキシブル基板12を介してコイル5に所
定の駆動電圧が印加されると、ディスクを装着したハブ
4が回転するようになっている。なお、符号11は滑り
軸受2,2間に当接して配置される軸受カラーを、13
は中心軸3の抜け止めをそれぞれ示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記HDD用
等のモータにあっては、フレーム閉塞側に向う磁気吸引
力を、上述のように、ステ−タコア6と駆動マグネット
7の磁気中心をずらす手法により、得るようにしている
が、このように駆動部からとるようにすると、外乱によ
りモータ特性が悪化するといった問題がある。
【0011】そこで、本出願人は、先に出願した実願平
4−80178号明細書において、上記問題点の解決を
図っている。この実願平4−80178号明細書の軸受
装置は、中心軸と、この中心軸を支承し凹所底部を形成
しているスラスト軸受と、凹所底部近傍に位置するラジ
アル軸受と、をそれぞれ透磁性材料より形成し、ラジア
ル軸受とスラスト軸受との間に環状の磁石を配置したも
のであり、これら磁石、中心軸、スラスト軸受、ラジア
ル軸受により磁気回路を形成して、フレーム閉塞側に向
かう磁気吸引力を発生させるといったものである。この
ように、磁気吸引力を駆動部からとらないようにしてい
るので、モータ特性の悪化を防止することが可能となっ
ている。
【0012】しかしながら、上記実願平4−80178
号明細書記載の軸受装置にあっても、以下の問題点があ
った。すなわち、磁石が比較的大きく且つその形状がリ
ング形状であるので、装置が高コスト化すると共に該磁
石を作り難いといった問題がある。
【0013】また、ラジアル軸受を磁性材料より形成し
なければならないので、該ラジアル軸受の材質が制約さ
れてしまうといった問題がある。
【0014】また、磁気回路を構成する部品が比較的多
く、且つスラスト軸受上に磁石、ラジアル軸受を積んで
いく構成となっているので、これら部品の加工、組立誤
差により、磁気吸引力がバラツキやすいといった問題が
ある。
【0015】さらにまた、スラスト動圧力が、中心軸閉
塞側端面の軸中心辺りで発生する構成となっているの
で、スラスト動圧効率が悪いといった問題もある。
【0016】そこで本発明は、磁石が作りやすくされる
と共に装置が低コスト化され、且つラジアル軸受の材質
の制約が少なくされると共に、磁気吸引力のバラツキが
少なくされ、しかもスラスト動圧効率が向上されると共
に、モータ特性の悪化が防止されて、開放側に向かうス
ラスト動圧力と閉塞側に向かう磁気吸引力との平衡が保
たれる動圧軸受装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1手段の動圧軸受装置
は上記目的を達成するために、一端が閉塞され他方が開
放された凹部を有する固定部材と、この固定部材の該凹
部内に挿入された回転軸と、この回転軸をスラスト方向
に支承し凹所底部を形成するスラスト軸受と、該回転軸
をラジアル方向に支承するラジアル軸受と、を具備し、
前記各軸受の摺動部に非圧縮性流体が充填されてなる動
圧軸受装置において、前記回転軸の閉塞側端面または前
記凹所底部における該回転軸の閉塞側端面に対向する面
の何れか一方に凹部を設けると共に、この凹部内に、軸
方向に着磁が施された磁石を設け、前記回転軸の閉塞側
端部及び前記凹所底部を磁性体としたことを特徴として
いる。
【0018】第2手段の動圧軸受装置は上記目的を達成
するために、上記第1手段に加えて、凹部は、回転軸の
閉塞側端部に嵌合固定され、閉塞側端面が回転軸の閉塞
側端面より凹所底部側に突出する抜け止めと、回転軸の
閉塞側端部とにより形成され、回転軸の閉塞側端部及び
凹所底部と共に該抜け止めを磁性体としたことを特徴と
している。
【0019】第3手段の動圧軸受装置は上記目的を達成
するために、上記第1手段に加えて、凹部は、凹所底部
に設けられ、回転軸の閉塞側端部に、閉塞側端面が該回
転軸の閉塞側端面より凹所底部側に突出する抜け止めを
嵌合固定すると共に、回転軸の閉塞側端部及び凹所底部
と共に該抜け止めを磁性体としたことを特徴としてい
る。
【0020】第4手段の動圧軸受装置は上記目的を達成
するために、上記第2または第3手段に加えて、該抜け
止めとこの抜け止めに対向する固定部材との間に、狭ギ
ャップ部を設け、この抜け止めが収容されるスペース内
に、非圧縮性流体を充填したことを特徴としている。
【0021】第5手段の動圧軸受装置は上記目的を達成
するために、上記第1または第2または第3手段に加え
て、磁石を収容する凹部に対して凸となった面及びこの
凸面に対向する面の少なくとも一方に、動圧発生溝を形
成したことを特徴としている。
【0022】
【作用】このような第1手段における動圧軸受装置によ
れば、磁石及び回転軸の閉塞側端部並びに凹所底部によ
り磁気回路が構成され、フレーム閉塞側に向かう磁気吸
引力が発生し、一方、磁石を収容する凹部に対して凸と
なった面及びこの凸面に対向する面との間に、フレーム
開放側に向かうスラスト動圧力が発生し、これらスラス
ト動圧力及び磁気吸引力により、回転軸のスラスト方向
の通常のバランスが保たれる。ここで、磁石は、回転軸
の閉塞側端面または凹所底部における該回転軸の閉塞側
端面に対向する面の何れか一方に設けられた凹部内に配
設されるので、該磁石は小さくなる。また、該磁石を、
例えば円筒形状にできるので、その形状は簡易となる。
また、ラジアル軸受は磁気回路構成部品ではないので、
該ラジアル軸受を磁性体とする必要がない。また、磁気
回路を構成する部品が少なくされると共に該部品の積上
げ個数が減少されるので、部品の加工、組立誤差が少な
くされる。また、スラスト動圧効率は、スラスト動圧力
を回転軸閉塞側端面の軸中心辺りよりも周辺の方で発生
させた方が向上するが、該スラスト動圧力を、凹部に対
して凸となった面とこの凸面に対向する面との間、すな
わち回転軸閉塞側端面の軸中心辺りよりも周辺で発生さ
せているので、スラスト動圧効率が向上される。さらに
また、磁気吸引力を、駆動部からとるようにしていない
ので、モータ特性の悪化が防止される。
【0023】このような第2または第3手段における動
圧軸受装置によれば、磁石及び回転軸の閉塞側端部及び
凹所底部並びに抜け止めにより磁気回路が構成され、フ
レーム閉塞側に向かう磁気吸引力が発生し、一方、抜け
止めのフレーム閉塞側端面と凹所底部のこれに対向する
面との間に、フレーム開放側に向かうスラスト動圧力が
発生し、これらスラスト動圧力及び磁気吸引力により、
回転軸のスラスト方向の通常のバランスが保たれる。こ
のスラスト動圧力は、第1手段よりさらに周辺に発生す
るので、スラスト動圧効率がさらに向上される。
【0024】このような第4手段における動圧軸受装置
によれば、例えば回転軸に押し込み方向の振動、衝撃等
が加わったとすると、抜け止めを収容するスペースの狭
ギャップ部より閉塞側のスペースとしての非圧縮性流体
溜りの容積が縮小しこの非圧縮性流体溜りの非圧縮性流
体が流体抵抗の大きい狭ギャップ部を通り移動するの
で、当該部位において大きな絞り膜作用が働き、回転軸
の閉塞側に向かう振れが抑制される。一方、例えば回転
軸に引き抜き方向の振動、衝撃等が加わったとすると、
抜け止めを収容するスペースの狭ギャップ部より開放側
のスペースとしての非圧縮性流体溜りの容積が縮小しこ
の非圧縮性流体溜りの非圧縮性流体が流体抵抗の大きい
狭ギャップ部及びラジアル軸受の摺動部を通り移動する
ので、当該部位において大きな絞り膜作用が働き、回転
軸の開放側に向かう振れが抑制される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例を示す動圧軸受装置を
適用した、例えば中心軸回転型且つラジアル軸受固定型
のHDD用のスピンドルモータの要部の横断面図であ
り、従来技術で説明したものと同一なもの及び同一機能
を果たすものについては同一符号が付してあり、これら
については重複を避けるために、ここでの説明は省略す
る。
【0026】この第1実施例にあっては、回転軸33の
フレーム閉塞側端面に凹部33aが形成されており、こ
の凹部33a内に磁石34が配設されている。この磁石
34は軸方向に着磁が施されており、例えば円筒状をな
している。上記回転軸33のフレーム閉塞側端部及び凹
所底部1bは磁性材料よりなり、従ってこれら磁石34
及び回転軸33のフレーム閉塞側端部並びに凹所底部1
bにより、回転軸33に対して、図示の如くフレーム閉
塞側に向かう磁気吸引力が発生するようになっている。
【0027】また、回転軸33の凸面(磁石34を収容
する凹部33aに対して凸となった面)33b及び凹所
底部1bの該凸面33bに対向する面1bbbの少なく
とも一方には、図5に示されるようなスラスト動圧発生
溝50が形成されており、この凸面33bと対向面1b
bbとの間に、フレーム開放側に向かうスラスト動圧力
が発生するようになっている。
【0028】従って、上記スラスト動圧力及び磁気吸引
力により、回転軸33のスラスト方向の通常のバランス
が保たれるようになっている。
【0029】ここで、該磁石34は、回転軸33の軸径
以下の径を有する凹部33a内に配設されているので、
該磁石34を先行技術(実願平4−80178号明細書
に記載のもの)に対して小さくできるようになっている
と共に、例えば円筒形状(角柱形状等でも可)とするこ
とができるようになっており、従って、装置の低コスト
化を図ることが可能となっていると共に、該磁石34を
作りやすくなっている。
【0030】また、閉塞側のラジアル滑り軸受2を磁気
回路構成部品としていないので、該閉塞側のラジアル滑
り軸受2を磁性体とする必要がなくなっており、該閉塞
側のラジアル滑り軸受2の材質の制約を少なくすること
が可能となっている。
【0031】また、磁気回路を構成する部品が先行技術
より少なくされていると共に、該部品の積上げ個数が減
少されているので、部品の加工、組立誤差が少なくなっ
ており、磁気吸引力のバラツキを少なくすることが可能
となっている。
【0032】また、スラスト動圧効率は、スラスト動圧
力を回転軸閉塞側端面の軸中心辺りよりも周辺の方で発
生させた方が向上するが、該スラスト動圧力を、凹部3
3aに対して凸となった面33bとこの凸面33bに対
向する面1bbbとの間、すなわち回転軸閉塞側端面の
軸中心辺りよりも周辺で発生させるようにしているの
で、スラスト動圧効率を向上することが可能となってい
る。
【0033】さらにまた、磁気吸引力を、駆動部からと
るようにしていないので、モータ特性の悪化を防止する
ことが可能となっている。
【0034】図2は本発明の第2実施例を示す動圧軸受
装置を適用した、例えば中心軸回転型且つラジアル軸受
固定型のHDD用のスピンドルモータの要部の横断面図
であり、従来技術及び第1実施例で説明したものと同一
なもの及び同一機能を果たすものについては同一符号が
付してあり、これらについては重複を避けるために、こ
こでの説明は省略する。
【0035】この第2実施例にあっては、凹所底部31
bにおける回転軸3の閉塞側端面3aに対向する面に凹
部31aが形成されており、この凹部31a内に第1実
施例と同様な磁石34が配設されている。そして、第1
実施例と同様に、回転軸3のフレーム閉塞側端部及び凹
所底部31bは磁性材料よりなっている。従って、これ
ら磁石34及び回転軸3のフレーム閉塞側端部並びに凹
所底部1bにより、図示の如くフレーム閉塞側に向かう
磁気吸引力が発生するようになっている。
【0036】また、凹所底部31bの凸面(磁石34を
収容する凹部31aに対して凸となった面)31bb及
び回転軸3の該凸面31bbに対向する面3aaの少な
くとも一方には、図5に示されるようなスラスト動圧発
生溝50が形成されており、この凸面31bbと対向面
3aaとの間に、フレーム開放側に向かうスラスト動圧
力が発生するようになっている。
【0037】従って、上記スラスト動圧力及び磁気吸引
力により、回転軸3のスラスト方向の通常のバランスが
保たれるようになっている。
【0038】このように構成しても、第1実施例と同様
な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0039】図3は本発明の第3実施例を示す動圧軸受
装置を適用した、例えば中心軸回転型且つラジアル軸受
固定型のHDD用のスピンドルモータの要部の横断面図
である。
【0040】この第3実施例にあっては、回転軸3の閉
塞側端部に、閉塞側端面23aが回転軸3の閉塞側端面
3aより凹所底部1b側に突出する抜け止め23が嵌合
固定されている。すなわち、この抜け止め23と回転軸
3の閉塞側端部とにより凹部43aが形成されており、
この凹部43a内に第1実施例と同様な磁石34が配設
されている。そして、回転軸3のフレーム閉塞側端部及
び凹所底部1b並びに抜け止め23は磁性材料よりなっ
ており、これら磁石34及び回転軸3のフレーム閉塞側
端部及び凹所底部1b並びに抜け止め23により、図示
の如くフレーム閉塞側に向かう磁気吸引力が発生するよ
うになっている。
【0041】上記抜け止め23は、軸方向の両端から軸
方向の略中央に向かうに従って外径が大きくなる略算盤
玉のような形状をしており、この最大外径となる突出部
23Aとこの突出部23Aに対向する固定部材としての
軸受ホルダー部1aとの間に狭ギャップ部Xが形成され
ている。
【0042】抜け止め23が収容されるスペース(軸受
ホルダー部1a、フレーム閉塞側のラジアル滑り軸受
2、凹所底部1b、回転軸3により囲まれる領域)25
は、該狭ギャップ部Xを境にして軸方向に分けられてお
り、開放側、閉塞側スペース25a,25bがそれぞれ
形成されている。
【0043】軸受ホルダー部1aの凹部内で且つ磁性流
体シール8より閉塞側には、非圧縮性流体としての潤滑
油14が満たされており、スペース25内にも潤滑油が
充填された状態となっている。従って、上記開放側、閉
塞側スペース25a,25bは開放側、閉塞側潤滑油溜
り25a,25bとしてそれぞれ機能するようになって
いる。
【0044】上記抜け止め23の閉塞側端面(磁石34
を収容する凹部43aに対して凸となった面)23a及
び凹所底部1bの該閉塞側端面23aに対向する面1b
bbの少なくとも一方には、図5に示されるようなスラ
スト動圧発生溝50が形成されており、抜け止め23の
閉塞側端面23aと対向面1bbbとの間に、フレーム
開放側に向かうスラスト動圧力が発生するようになって
いる。
【0045】従って、上記スラスト動圧力及び磁気吸引
力により、回転軸3のスラスト方向の通常のバランスが
保たれるようになっており、第1実施例と同様な効果を
得ることができるようになっている。
【0046】しかも、スラスト動圧力を、抜け止め23
のフレーム閉塞側端面23aと対向面1bbbとの間に
発生させており、このスラスト動圧発生部位は第1実施
例よりさらに周辺となっているので、スラスト動圧効率
を第1実施例に比してさらに向上することが可能となっ
ている。
【0047】ここで、例えば回転軸3に押し込み方向の
振動、衝撃等が加わったとすると、閉塞側潤滑油溜り2
5bの容積が縮小しこの閉塞側潤滑油溜り25bの潤滑
油が流体抵抗の大きい狭ギャップ部Xを通り移動するの
で、当該部位において大きな絞り膜作用が働き、回転軸
3の閉塞側に向かう振れが抑制されるようになってい
る。
【0048】また、例えば回転軸3に引き抜き方向の振
動、衝撃等が加わったとすると、開放側潤滑油溜り25
aの容積が縮小しこの開放側潤滑油溜り25aの潤滑油
が流体抵抗の大きい狭ギャップ部X及び閉塞側ラジアル
滑り軸受2の摺動部Aを通り移動するので、当該部位に
おいて大きな絞り膜作用が働き、回転軸3の開放側に向
かう振れが抑制されるようになっている。
【0049】すなわち、回転軸3に振動、衝撃等による
押し込みまたは引き抜き力が加わったとしても、狭ギャ
ップ部Xにおいて大きな絞り膜作用が働くようになって
いるので、回転軸3のスラスト方向の振れを抑制できる
ようになっている。
【0050】図4は本発明の第4実施例を示す動圧軸受
装置を適用した、例えば中心軸回転型且つラジアル軸受
固定型のHDD用のスピンドルモータの要部の横断面図
であり、第3実施例の抜け止め23を第2実施例に加え
たものである。
【0051】すなわち、この第4実施例にあっては、回
転軸3の閉塞側端部に、閉塞側端面23aが回転軸3の
閉塞側端面3aより凹所底部1b側に突出する第3実施
例と同様な抜け止め23が嵌合固定されているが、回転
軸3の閉塞側端面3aに磁石34を配設しないことか
ら、その突出の程度は第3実施例に比して若干となって
いる。
【0052】凹所底部31bにおける回転軸3の閉塞側
端面3aに対向する面には、第3実施例と同様に、凹部
31aが形成されていると共にこの凹部31a内には磁
石34が配設されている。そして、第3実施例と同様
に、回転軸3のフレーム閉塞側端部及び凹所底部31b
並びに抜け止め23は磁性材料よりなっており、これら
磁石34及び回転軸3のフレーム閉塞側端部及び凹所底
部31b並びに抜け止め23により、図示の如くフレー
ム閉塞側に向かう磁気吸引力が発生するようになってい
る。
【0053】従って、凹所底部31bの凸面31bb及
び抜け止め23の閉塞側端面23aの少なくとも一方に
形成される、図5に示されるようなスラスト動圧発生溝
50によって、凸面31bbと対向面23aとの間にフ
レーム開放側に向かうスラスト動圧力が発生するように
なっており、このスラスト動圧力及び磁気吸引力によ
り、回転軸3のスラスト方向の通常のバランスが保たれ
るようになっている。
【0054】このように構成しても、第3実施例と同様
な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0055】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、上記実施例においては、非圧縮性流体をオイル等の
潤滑油としているが、これに限定されるものではなく、
例えば磁性流体等であっても良く、特に第3、第4実施
例における抜け止め23が収容されるスペース25内に
充填される流体に限っていえば、狭ギャップ部Xにおい
て絞り膜作用を起こさせる非圧縮性流体であればどのよ
うなものであっても構わない。
【0056】また、上記実施例においては、中心軸回転
型且つラジアル軸受固定型のスピンドルモータに対して
適用した例が述べられているが、ラジアル軸受の外周面
が摺動面となる中心軸及びラジアル軸受回転型のスピン
ドルモータに対しても適用できる。
【0057】また、上記実施例においては、動圧軸受装
置をHDD用のスピンドルモータに対して適用した例が
述べられているが、他のモータに対して適用することも
勿論可能である。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、第1乃至第5発明の
動圧軸受装置によれば、磁石を、回転軸径以下の径を有
する凹部内に配設したので、該磁石を小さくできると共
に、例えば円筒形状とすることができるようになり、装
置の低コスト化を図ることが可能となると共に、該磁石
が作りやすくなる。また、ラジアル軸受を磁気回路構成
部品としていないので、該ラジアル軸受を磁性体とする
必要がなく、該ラジアル軸受の材質の制約を少なくする
ことが可能となる。また、磁気回路を構成する部品が少
なくされると共に、該部品の積上げ個数が減少されるの
で、部品の加工、組立誤差が少なくなり、磁気吸引力の
バラツキを少なくすることが可能となる。また、スラス
ト動圧効率は、スラスト動圧力を回転軸閉塞側端面の軸
中心辺りよりも周辺の方で発生させた方が向上するが、
該スラスト動圧力を、凹部に対して凸となった面とこの
凸面に対向する面との間、すなわち回転軸閉塞側端面の
軸中心辺りよりも周辺で発生させているので、スラスト
動圧効率を向上することが可能となる。さらにまた、磁
気吸引力を、駆動部からとるようにしていないので、モ
ータ特性の悪化を防止することが可能となる。すなわ
ち、磁石を作りやすくすると共に装置を低コスト化し、
且つラジアル軸受の材質の制約を少なくすると共に、磁
気吸引力のバラツキを少なくし、しかもスラスト動圧効
率を向上すると共に、モータ特性の悪化を防止して、開
放側に向かうスラスト動圧力と閉塞側に向かう磁気吸引
力との平衡を保つことが可能となる。
【0059】また、第2、第3発明の動圧軸受装置によ
れば、スラスト動圧力を、抜け止めのフレーム閉塞側端
面と凹所底部のこれに対向する面との間に、発生させて
おり、このスラスト動圧発生部位は第1発明より周辺と
なるので、スラスト動圧効率を第1発明に比してさらに
向上することが可能となる。
【0060】また、第4発明の動圧軸受装置によれば、
たとえ回転軸に振動、衝撃等による押し込みまたは引き
抜き力が加わったとしても、狭ギャップ部において大き
な絞り膜作用が働くので、回転軸のスラスト方向の振れ
を抑制できるという新たな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す動圧軸受装置を適用
したHDD用モータの要部の横断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す動圧軸受装置を適用
したHDD用モータの要部の横断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す動圧軸受装置を適用
したHDD用モータの要部の横断面図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す動圧軸受装置を適用
したHDD用モータの要部の横断面図である。
【図5】同上各実施例のスラスト動圧発生溝の一例を表
した図である。
【図6】従来技術を示す動圧軸受装置を適用したHDD
用モータの横断面図である。
【符号の説明】
1 固定部材 1a 抜け止めに対向する固定部材 1b,31b 凹所底部 1bb 凹所底部における回転軸の閉塞側端面に対向す
る面 2 ラジアル軸受 3,33 回転軸 3a 回転軸の閉塞側端面 3aa,1bbb 凸面に対向する面 14 非圧縮性流体 23 抜け止め 23a 抜け止めの閉塞側端面 25 抜け止めが収容されるスペース 31a,33a,43a 凹部 31bb,33b 磁石を収容する凹部に対して凸とな
った面 34 磁石 50 動圧発生溝 A,C 摺動部 X 狭ギャップ部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が閉塞され他方が開放された凹部を
    有する固定部材と、この固定部材の該凹部内に挿入され
    た回転軸と、この回転軸をスラスト方向に支承し凹所底
    部を形成するスラスト軸受と、該回転軸をラジアル方向
    に支承するラジアル軸受と、を具備し、前記各軸受の摺
    動部に非圧縮性流体が充填されてなる動圧軸受装置にお
    いて、 前記回転軸の閉塞側端面または前記凹所底部における該
    回転軸の閉塞側端面に対向する面の何れか一方に凹部を
    設けると共に、 この凹部内に、軸方向に着磁が施された磁石を設け、 前記回転軸の閉塞側端部及び前記凹所底部を磁性体とし
    たことを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 凹部は、回転軸の閉塞側端部に嵌合固定され、閉塞側端
    面が回転軸の閉塞側端面より凹所底部側に突出する抜け
    止めと、回転軸の閉塞側端部とにより形成され、 回転軸の閉塞側端部及び凹所底部と共に該抜け止めを磁
    性体としたことを特徴とする動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の動圧軸受装置において、 凹部は、凹所底部に設けられ、 回転軸の閉塞側端部に、閉塞側端面が該回転軸の閉塞側
    端面より凹所底部側に突出する抜け止めを嵌合固定する
    と共に、 回転軸の閉塞側端部及び凹所底部と共に該抜け止めを磁
    性体としたことを特徴とする動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の動圧軸受装置に
    おいて、 抜け止めとこの抜け止めに対向する固定部材との間に狭
    ギャップ部を設け、 この抜け止めが収容されるスペース内に、非圧縮性流体
    を充填したことを特徴とする動圧軸受装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2または3記載の動圧軸
    受装置において、 磁石を収容する凹部に対して凸となった面及びこの凸面
    に対向する面の少なくとも一方に、動圧発生溝を形成し
    たことを特徴とする動圧軸受装置。
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Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006112627A (ja) * 2004-10-14 2006-04-27 Sunonwealth Electric Machine Industry Co Ltd スピンドルの油維持構造
JP2007147083A (ja) * 2007-02-08 2007-06-14 Nippon Densan Corp 動圧流体軸受け装置およびこれを備えたモータ
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