JPH0960645A - 流体軸受装置の製造方法 - Google Patents
流体軸受装置の製造方法Info
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Abstract
ト受板の前記回転軸に対する直角度を精度良く出しなが
らなお潤滑流体が外部流出しないような流体軸受装置の
製造方法を提案する。 【解決手段】 スラスト受板と軸受ホルダーに設けられ
た取付面に接着剤を塗布せず両者を密着させて固定螺子
で機械的結合を行い、スラスト受板の回転軸に対する直
角度を精度良く出し、更に機械的結合手段により両者を
固定した後、シール剤を充填して補強することにより潤
滑流体の装置外への流出を防ぐと共にスラスト受板と軸
受ホルダーとの結合強度を増加させたことを特徴とす
る。
Description
より回転軸を回転自在に支承する流体軸受装置の製造方
法に関する。
タ等の各種装置において、流体軸受装置が広く用いられ
ている。この流体軸受装置は、所定の潤滑流体の動圧を
利用して回転軸を回転自在に支承するものであって、回
転軸のラジアル方向の支持を行うラジアル軸受と、回転
軸のスラスト方向の支持を行うスラスト軸受が通常設け
られている。
されているように、動圧発生用の溝が形成された回転軸
111の一端部がスラスト受板113に対面されてお
り、これら回転軸111とスラスト受板113との間
に、潤滑流体による動圧を発生させて軸方向支持を行っ
ている。
常、フレーム等の固定部材114側に設けられた取付面
115に接合されており、この取付面115からスラス
ト受板113の外周部にかけて塗布されたシール兼用の
接着剤116によってスラスト受板113が固定部材1
14側に固定されている。
化あるいは扁平化の要請に従って、スラスト受板113
の接着面積を小さくする傾向があり、そのためスラスト
受板113の接合強度が低下し、スラスト方向の耐衝撃
性が悪化するおそれが生じている。そこで固定手段とし
ての接着剤116を多量に使用して接着強度を増すこと
が行われている。
構成の流体軸受装置では、スラスト受板113の接着面
積が小さいので接合強度がなお充分ではなく、また接合
強度を増すために接着剤116を多量に使用すると、余
分な接着剤116が固定部材に設けられた取付面115
に滞留してしまい、スラスト受板113の回転軸に対す
る直角度が出ないという問題がある。
りつつも、スラスト受板の接合強度を良好にし、さらに
軸の直角度を得つつ、軸受流体の外部漏洩を防止できる
ようにした流体軸受装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、所定の潤滑流体の動圧により回転軸
を回転自在に支承すると共に、上記回転軸を軸方向に支
持するスラスト受板をフレーム側の取付面に接合し、固
着する流体軸受装置の製造方法において、上記スラスト
受板とフレームとの接合部に接着剤を介在させずに当該
スラスト受板とフレームとを密着させ、機械的結合手段
により上記スラスト受板をフレームに固着した後、上記
スラスト受板とフレームとの接合部に上記潤滑流体の流
出を防止するシール剤を充填している。
の発明に加えて、機械的結合手段は、ネジにより前記ス
ラスト受板を前記フレームに固着するものであって、ス
ラスト受板に設けたネジ孔の径の一部は、上記ネジの頭
部の径より大きい径を有していると共に、上記スラスト
受板に設けたネジ孔にシール剤を充填している
の発明に加えて、フレーム側の取付面は、上記フレーム
に形成された壁面により囲まれるように形成されたもの
であり、前記スラスト受板は上記壁面に接触しない大き
さで形成され、上記スラスト受板の最外周端部と上記フ
レームに形成された壁面との間に接着剤を充填してい
る。
法によれば、フレーム側に形成した取付面に接着剤を介
在させずにスラスト受板を機械的結合し、スラスト受板
を上記フレームに直接密着させたので、スラスト受板の
回転軸に対する軸直角度が精度良く出される。また機械
的結合を施した後、更にスラスト受板とフレームとの間
にシール剤を充填し接着させたので、接合強度及びシー
ル性がともに確実となり、しかも潤滑流体が外部に漏洩
しない構造になされる。
孔及びその外側に形成された溝等が独立空間にならずに
シール剤が充填されるため、潤滑流体の外部流出がより
一層確実に防止される。
て、製造された流体軸受装置をHDDスピンドルモータ
に適用した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。
心軸線X−Xより右半分を示した図であるが、フレーム
1側に固定されたステータ組2と、このステータ組2に
対して、図示上側から組みつけられたロータ組3とから
主に構成されている。上記ステータ組2は、上記フレー
ム1の略中心位置に立設された略円筒状の軸受ホルダー
22の外周部に嵌着されたステータ21と、当該ステー
タコア21の突極部に巻回された巻線23と、により構
成されている。
一体形成された一対のラジアル滑り軸受24,24が、
軸方向に所定間隔離して設けられており、それら一対の
ラジアル滑り軸受24,24によって、回転軸31が回
転自在に支承されている。すなわち上記両ラジアル滑り
軸受24,24の内周面は、回転軸31の外周面に対し
て、所定の潤滑流体を介して摺動可能に滑り接触されて
おり、軸受24の内周面又は回転軸31の外周面の一方
に動圧発生用溝が形成されていることにより、上記各ラ
ジアル滑り軸受24の内周面と回転軸31の外周面とに
よってラジアル方向の動圧滑り面が構成されている。
部)には、スラスト方向の動圧を発生させるための動圧
発生用溝が形成されており、この回転軸31の先端部
は、前記軸受ホルダー22の図示下端側の開口部を覆う
スラスト受板25に摺動可能に滑り接触されており、こ
れら回転軸31の先端面とスラスト受板25の受面とに
よって、スラスト方向の動圧滑り面が構成されている。
また上記回転軸31の先端部分には、鍔状の抜止板32
が固着されており、この抜止板32によって回転軸31
が抜け出ないようになっている。
スト受板25は、前記軸受ホルダー22の開口縁に所定
の精度で段状に凹設された取付面22aに密着するよう
に当接されている。また図3に示すようにスラスト受板
25の外周縁部には、外方に向かって開口するように形
成された複数のU字状のネジ孔25a,25a,…が切
欠形成されている。そして機械的結合手段である固定螺
子28,28,…が上記U字状ネジ孔25a,25a,
…を通して軸受ホルダー22側に螺着され、これによっ
て、スラスト受板25が軸受ホルダー22に対して強固
に固着されている。このようにスラスト受板25は、軸
受ホルダー22の取付面22aに当接されることによっ
て回転軸31に対して軸直角度が精度良く出されてい
る。
22、すなわちフレーム1に形成された取付面22aと
の接合部より外側の部分には固定螺子28の頭部28a
の周辺部を被覆するようにしてシール剤としての接着剤
27が充填されており、これにより接着とシールとが行
われている。このように、スラスト受板25にU字状の
ネジ孔25aを形成すると、このネジ孔25aの一部は
固定螺子28の頭部28aよりも大きい径を有するもの
となるから、接着剤27は、上記ネジ孔25a内に確実
に入り込み、スラスト受板25と軸受ホルダー22、す
なわちフレーム1に形成した取付面22aとの間の接着
及びシールもより確実になる。上記接着剤27として
は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等が
採用される。
ルダー22の開口縁に段状に凹設されることにより形成
されるフレーム側の壁面22b内にぴったり嵌まる大き
さとしているが、上記スラスト受板25を、上記壁面2
2bとの間で全周にわたり隙間を生ずる上記壁面22b
に接触しない大きさとし、上記スラスト受板25の最外
周端部と上記フレーム1に形成された壁面22bとの間
に接着剤27を充填すれば、その接着とシールをより確
実なものとすることができる。
結合手段である固定螺子28により軸受ホルダー22側
の取付面22aに固着した後に、接着剤27をU字状の
ネジ孔25a等に充填すると、既に固着されたスラスト
受板25と取付面22aとの間の接合面に残るわずかな
隙間に接着剤27が毛細管現象により入り込むことにな
るので、スラスト受板25の回転軸31に対する直角度
に影響を及ぼさずにシール性能と接着強度を向上させる
ことができる。
a,25a,…と固定螺子28,28,…とを嵌合した
構成となっているが、上記U字状ネジ孔25a,25
a,…を図4に示すように周方向に長径を有する長孔4
5,45,…としても良い。このようにスラスト受板2
5に形成する螺子孔を長孔45,45,…とした場合
は、固定螺子28の頭部28aの両側に位置するネジ孔
が外部に開放される構造となり、前述したように固定螺
子28,28,…の周辺部に充填されたシール剤がネジ
孔内に良好に充填される。
向外側端(図示上側端)には、前記ロータ組3を構成す
るハブ33が一体に回転するように固定されている。上
記ハブ33は、複数体の磁気ディスク34を外周部に装
着する略円筒形状の胴部33aを有していると共に、こ
の胴部33aの図示下端縁に取付部33bを有してお
り、この取付部33bに、バックヨーク35を介して環
状の駆動マグネット36が装着されている。上記駆動マ
グネット36は、前記ステータコア21の突極に対して
対向するように近接配置されている。
開口部分には、前述した軸受流体の流出を防止するため
の磁性流体シール26が配置されている。この磁性流体
シール26は、軸受ホルダー22の内周壁に対して環状
に取り付けられた磁石体26aを有しており、この環状
磁石体26aの軸方向両端面に、一対のポールピース2
6b,26bが取り付けられている。そしてこれらの各
ポールピース26bの内周端縁と、前記回転軸31の外
周面との間に、磁性流体26cが保持されており、この
磁性流体26cによって磁性流体のシール機能が得られ
るように構成されている。
外側(図示上側)のポールピース26bは、前述したハ
ブ33の下面に対して軸方向に対向配置されており、こ
れらポールピース26b及びハブ33の両対向面に、例
えばテフロン系樹脂からなる撥油剤の被膜29,37が
コーティング形成されている。
て、製造する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。
組2を組みつけられたフレームを示しており、このフレ
ーム1には軸受ホルダー22が一体的に形成されてい
る。そしてまず軸受ホルダー22に形成された取付面2
2aにスラスト受板25を密着するように当接させて固
定螺子28によりスラスト受板25を軸受ホルダー22
に固定する。このとき取付面22aには接着剤を充填し
ないで機械的結合手段である固定螺子28によってのみ
固定する。このようにしてスラスト受板25をフレーム
1に固定した後、固定螺子28の頭部28aより大きい
径の部分であるネジ孔25aを介して、固定螺子28,
28の頭部28a,28aの周辺部に接着剤27,27
を充填し、接着剤27,27を良く乾燥させる。
後、図6に示したように、ラジアル滑り軸受24の内
側、すなわち動圧軸受内の空洞部43を、略真空状態に
しながら、潤滑流体38を上側開口部より動圧軸受内に
注入する。このとき潤滑流体38は、上記接着剤27が
固化した後に注入しているため、潤滑流体38は接着剤
27と反応することがほとんどなく、潤滑流体38が接
着剤27によってシールした部分から漏洩することが良
好に防止される。その結果、上記空洞部43内の潤滑流
体38の量はほとんど減少することなく、一定量に維持
される。
組みつけたフレーム1の上方より回転部材としてのロー
タ組3を真空中で組み付け、ロータ組3の回転軸31が
ラジアル軸受部24内に回転自在となるように挿入す
る。これにより図8に示すように潤滑流体38が回転軸
31の外周面及び下端面に万遍なく行き渡り、ラジアル
軸受及びスラスト軸受において、動圧を発生可能とする
ことができる。
スト受板25を固着する機械的結合手段すなわち固定螺
子28が固定部材として機能し、軸受ホルダー22の取
付面22aに対しスラスト受板25をその接合面内にお
いて接着剤を介さず密着するように当接させている。こ
の構成により接合面内のスラスト受板25と取付面22
aの密着精度が高くなり、スラスト受板25の回転軸3
1に対する軸直角度が精度良く出される。またスラスト
受板25と軸受ホルダー22との間、つまり固定螺子2
8の頭部28aの周辺部に充填されたシール剤及び固定
手段としての接着剤27により、軸受流体の外部漏れが
良好に防止されるとともに、スラスト受板25の結合強
度が増大される。
として固定螺子を用いているが、図9に示すように軸受
ホルダー22の接合部外周端に設けられた折曲部22
b,22bをスラスト受板25の外周端25d,25d
に嵌めるようにしてカシメ部を形成することにより機械
的固定手段を構成しても良い。
ムに形成した取付面に接着剤を介在させずにスラスト受
板をフレームに機械的結合を施しているので、スラスト
受板がフレームに対して直接密着し、スラスト受板の回
転軸に対する軸直角度が精度良く出される。また機械的
固定手段により接合した後、更にスラスト受板とフレー
ムとの間にシール剤を充填させたので、接合強度及びシ
ール性がより確実となる。従って本発明によれば、流体
軸受装置の特性を向上させることができると共に潤滑流
体の外部漏洩を極小とすることができ、生産性及び信頼
性の高い軸受装置を製造することが可能となる。
部断面説明図である。
用したHDD用スピンドルモータの断面説明図である。
面説明図である。
形例の平面説明図である。
て、ステータ組を組みつけられたフレームの断面説明図
である。
て、ステータ組を組みつけられたフレームに潤滑流体を
注入した後の断面説明図である。
つけられたフレームに積層状に組み付けられたロータ組
を挿入する組立説明図である回転部材。
後の断面説明図である。
の要部断面説明図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 所定の潤滑流体の動圧により回転軸を回
転自在に支承すると共に、上記回転軸を軸方向に支持す
るスラスト受板をフレーム側の取付面に接合し、固着す
る流体軸受装置の製造方法において、 上記スラスト受板とフレームとの接合部に接着剤を介在
させずに当該スラスト受板とフレームとを密着させ、機
械的結合手段により上記スラスト受板をフレームに固着
した後、 上記スラスト受板とフレームとの接合部に上記潤滑流体
の流出を防止するシール剤を充填することを特徴とする
流体軸受装置の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の機械的結合手段は、ネジ
により前記スラスト受板を前記フレームに固着するもの
であって、スラスト受板に設けたネジ孔の径の一部は、
上記ネジの頭部の径より大きい径を有していると共に、
上記スラスト受板に設けたネジ孔にシール剤を充填する
ことを特徴とする流体軸受装置の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載のフレーム側の取付面は、
上記フレームに形成された壁面により囲まれるように形
成されたものであり、前記スラスト受板は上記壁面に接
触しない大きさで形成され、上記スラスト受板の最外周
端部と上記フレームに形成された壁面との間に接着剤を
充填したことを特徴とする流体軸受装置の製造方法。
Priority Applications (2)
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JP07240683A JP3130457B2 (ja) | 1995-08-26 | 1995-08-26 | 流体軸受装置の製造方法 |
US08/702,012 US5743656A (en) | 1995-08-26 | 1996-08-26 | Hydrodynamic bearing apparatus and method for manufacturing same |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=17063160
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Country Status (1)
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- 1995-08-26 JP JP07240683A patent/JP3130457B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Also Published As
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JP3130457B2 (ja) | 2001-01-31 |
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