JP2001159420A - 動圧軸受モータ - Google Patents

動圧軸受モータ

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JP2001159420A
JP2001159420A JP34389699A JP34389699A JP2001159420A JP 2001159420 A JP2001159420 A JP 2001159420A JP 34389699 A JP34389699 A JP 34389699A JP 34389699 A JP34389699 A JP 34389699A JP 2001159420 A JP2001159420 A JP 2001159420A
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dynamic pressure
thrust
shaft member
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Haruhiko Ito
晴彦 伊藤
Shinya Tokunaga
晋也 徳永
Mitsuo Saeki
光男 佐伯
Yoshito Oku
義人 奥
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Nidec Corp
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Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産性を考慮して動圧軸受手段の潤滑油の充
填を容易に且つ短時間で行うことができる動圧軸受モー
タを提供すること。 【解決手段】 固定部材102と、ロータハブ104
と、これらの間にに介在された動圧軸受手段106とを
具備する動圧軸受モータ。動圧軸受手段106は軸部材
120、軸受スリーブ体122、一対のラジアル動圧流
体軸受手段150,152及び一対のスラスト動圧流体
軸受手段158,160を備え、軸部材120には軸孔
176が形成され、軸孔176の一端部に大内径部19
0が設けられ、ラジアル及びスラスト動圧流体軸受手段
152,158,160の潤滑流体は、軸孔176を通
して大内径部190に注入され、注入された潤滑油が毛
細管現象によって浸透してこれら動圧流体軸受手段に充
填される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧軸受手段を備
えた動圧軸受モータに関する。
【0002】
【従来の技術】記録媒体の駆動に用いられるスピンドル
モータ、回転多面鏡を回転駆動するためのスキャナ用モ
ータ、各種OA機器に用いられるモータでは、軸受手段
として動圧軸受手段を用いたものが提案され実用に供さ
れている。このような動圧軸受手段を備えた動圧軸受モ
ータとして、本出願人は、図4に示すものを提案した。
図4を参照して、この提案した動圧軸受モータは、固定
部材としてのブラケット2と、ロータハブの如きロータ
4と、これらの間に介在された動圧軸受手段6とを備え
ている。動圧軸受手段6は、軸部材8とこの軸部材8を
回転自在に支持する軸受スリーブ体10から構成され、
軸部材8の軸部12の一端部にはスラストプレート部1
4が設けられている。軸受スリーブ体10はスリーブ本
体16とこのスリーブ本体16の一端部に装着されたス
ラストカバー18から構成され、スリーブ本体16及び
スラストカバー18によって形成された空間に軸部材8
のスラストプレート部14が収容されている。そして、
軸部材8の他端部がロータ4に固定され、軸受スリーブ
体16が固定部材2に固定されている。
【0003】この動圧軸受手段6では、軸部材8の軸部
12及び軸受スリーブ体10に関連して一対のラジアル
動圧流体軸受手段20,22が設けられ、また軸部材8
のスラストプレート部14及び軸受スリーブ体10に関
連して一対のスラスト動圧流体軸受手段24,26が設
けられている。図示のものでは、軸受スリーブ体10の
スリーブ本体16の内周面にラジアル動圧流体軸受手段
20,22の動圧発生溝が形成され、軸部材8のスラス
トプレート部14の両端面にスラスト動圧流体軸受手段
24,26の動圧発生溝が形成されている。軸部材8の
軸線方向略中央部には環状凹部28が形成され、この環
状凹部28を境に、一方(上側)のラジアル動圧流体軸
受手段20に潤滑油が充填されるとともに、他方(下
側)のラジアル動圧流体軸受手段22及び一対のスラス
ト動圧流体軸受手段24,26にわたって潤滑油が充填
されている。
【0004】この動圧軸受モータでは、潤滑油に混入さ
れた気泡を排出するために、次のように構成されてい
る。軸部材8の軸部12には軸線方向に貫通する軸孔3
2が形成されているとともに、半径方向に延びる第1及
び第2呼吸孔34,36が形成されている。第1呼吸孔
34は環状凹部28を軸孔32に連通し、第2呼吸孔3
6は軸孔32をモータ内部に連通する。また、軸部材8
のスラストプレート部14には軸線方向に貫通する一対
の第1逃げ孔38が形成されているとともに、半径方向
に延びて一方の第1逃げ孔38に連通する第2逃げ孔4
0が形成されている。更に、ロータ4と軸受スリーブ体
10の他端部との間には環状空間42が設けられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような動圧軸受モ
ータでは、潤滑油は、次の通りにして充填される。即
ち、一方のラジアル動圧流体軸受手段20の潤滑流体
は、軸受スリーブ体10に軸部材8を組み付ける際に充
填される。そして、他方のラジアル動圧流体軸受手段2
2及び一対のスラスト動圧流体軸受手段24,26の潤
滑油は、図4に示す通りに動圧軸受手段6を組み付けた
状態(密封部材44は装着されていない)にて、軸部材
8の軸孔32を利用して充填される。この潤滑油の充填
には供給用シリンジを用い、シリンジの先端部を軸部材
8の軸孔12内に挿入してその先端開口をスラストカバ
ー18の内面近傍まで位置付け、シリンジを通して潤滑
油を軸孔12の底部に少しずつ供給して行う。かくする
と、供給した潤滑油が毛細管現象によって軸部材8及び
軸受スリーブ体10の間隙に浸透し、このようにして潤
滑油の充填が行われる。
【0006】しかしながら、このような充填様式では、
潤滑油の注入速度を速くすると、供給された潤滑油の浸
透量に比して潤滑油の供給量が多くなり、軸孔32の内
周面に潤滑油が付着したり、軸孔12内に潤滑油のオイ
ルブリッジが生じたりし、場合により軸孔32の上端開
口から潤滑油が溢れたりする。特に、軸孔32の内周面
に撥油処理を施していると、軸孔32内に潤滑油が僅か
に付着していても、モータの姿勢によってはその回転時
に付着した潤滑油が飛散し、呼吸孔36からモータ内部
に潤滑油が漏れるという問題が発生する。
【0007】このような問題を解消するためには、浸透
速度を考慮しながらシリンジを通して潤滑油を少しずつ
注入すればよいが、このように注入しようとすると、潤
滑油の注入に時間を要し、注入工程の時間が長くなり、
量産性が著しく悪くなるという問題がある。本発明の目
的は、量産性を考慮して動圧軸受手段の潤滑油の注入を
容易に且つ短時間で行うことができる動圧軸受モータを
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、固定部材
と、前記固定部材に対して回転自在であるロータと、前
記固定部材と前記ロータとの間に介在された動圧軸受手
段と、前記ロータに装着されたロータマグネットと、前
記ロータマグネットに対向して前記固定部材に取り付け
られたステータとを具備し、前記動圧軸受手段は、軸部
及びこの軸部の一端部に設けられたスラストプレート部
を有する軸部材と、前記軸部材を相対的に回転自在に支
持する軸受スリーブ体と、前記軸部材の前記軸部及びこ
れに対向する前記軸受スリーブ体の部位に関連して設け
られた一対のラジアル動圧流体軸受手段と、前記軸部材
の前記スラストプレート部及びこれに対向する前記軸受
スリーブ体の部位に関連して設けられたスラスト動圧流
体軸受手段とを備え、前記軸部材及び前記軸受スリーブ
体のいずれか一方が前記固定部材に固定され、それらの
他方が前記ロータに固定される動圧軸受モータにおい
て、前記軸部材には軸線方向に貫通する軸孔が形成さ
れ、前記軸孔の一端部には大内径部が設けられ、少なく
とも前記スラスト動圧流体軸受手段の潤滑流体は、前記
軸孔を通して前記大内径部に供給され、毛細管現象によ
って浸透して前記スラスト動圧流体軸受手段に充填され
ることを特徴とする。
【0009】本発明に従えば、動圧軸受手段の軸部材に
は軸線方向に貫通する軸孔が形成され、この軸孔の一端
部には大内径部が設けられ、少なくともスラスト動圧流
体軸受手段の潤滑流体はこの軸孔を通して大内径部内に
供給される。このとき、大内径部は充填する潤滑流体の
充填溜め部として機能し、大内径部に注入された潤滑流
体が毛細管現象によって浸透してスラスト動圧流体軸受
手段に充填される。従って、少なくともスラスト動圧流
体軸受手段の潤滑流体を充填するときには、潤滑流体を
軸孔を通して大内径部内に注入すればよく、またその注
入速度を潤滑流体の浸透速度よりも速くすることがで
き、簡単に且つ比較的短時間で潤滑流体を注入すること
ができ、量産性に適している。
【0010】また、本発明では、前記軸部材の前記軸孔
の前記大内径部の容積は、前記軸孔を通して供給される
潤滑流体の注入量よりも大きく設定されていることを特
徴とする。本発明に従えば、軸部材の大内径部の容積
は、この軸孔を通して供給される潤滑流体の注入量より
も大きく設定されているので、潤滑流体を軸孔を通して
大内径部内に一度に注入することができ、その注入時間
の短縮化を図ることができる。
【0011】また、本発明では、前記軸部材の前記大内
径部の開口部には、半径方向外方に向けて前記軸受スリ
ーブ本体との間隙が漸減するテーパ部が設けられている
ことを特徴とする。本発明に従えば、軸部材の大内径部
の開口部には所定のテーパ部が設けられているので、軸
部材の軸孔の大内径部に注入された潤滑流体は、このテ
ーパ部の作用によってスラスト動圧流体軸受手段への浸
透が促進され、また浸透による充填後はこのテーパ部が
シール作用として機能し、潤滑流体の軸孔内への漏れを
防止することができる。
【0012】更に、本発明では、前記軸部材には、前記
一対のラジアル動圧流体軸受手段間の空間を前記軸孔を
通してモータ内部に連通するための呼吸孔が設けられ、
前記スラストプレート部の両端面及びこれに対向する前
記軸受スリーブ体の部位に前記スラスト動圧流体軸受手
段が設けられ、前記一対のラジアル動圧流体軸受手段の
一方及び双方の前記スラスト動圧流体軸受手段の潤滑流
体が前記軸部材の前記軸孔を通して毛細管現象によって
浸透して充填されることを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、一対のラジアル動圧流体
軸受手段間の空間をモータ内部に連通するための呼吸孔
が軸部材に設けられ、この呼吸孔を境にその片側に一方
のラジアル動圧流体軸受手段及び一対のスラスト動圧流
体軸受手段が設けられており、軸部材の軸孔の大内径部
に注入された潤滑流体が毛細管現象によってこれら動圧
流体軸受手段に充填される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を参照して、本
発明に従う動圧軸受モータの一実施形態について説明す
る。図1は、本発明に従う動圧軸受モータの一例として
のスピンドルモータの一実施形態の要部を示す断面図で
あり、図2及び図3は、図1のスピンドルモータにおけ
る動圧軸受手段に潤滑流体を充填する充填方法を説明す
るための拡大断面図である。尚、以下の実施形態では、
ハードディスクの如き記録媒体を回転駆動するためのス
ピンドルモータに適用して説明するが、スキャナ用モー
タ、OA機器用モータ等の各種モータに適用することが
できる。
【0015】図1において、動圧軸受モータの一例とし
ての図示のスピンドルモータは、固定部材102と、こ
の固定部材102に対して回転自在であるロータとして
のロータハブ104と、これら固定部材102及びロー
タハブ104との間に介在された動圧軸受手段106と
を備えている。図示の形態では、固定部材102はブラ
ケット108から構成され、かかるブラケット108が
記録媒体駆動装置のハウジングのベースプレート(図示
せず)に装着される。尚、上述した構成に代えて、固定
部材を記録媒体駆動装置のベースプレートから構成する
ようにしてもよい。
【0016】ロータハブ104は円筒状のハブ本体11
0を備え、このハブ本体110の一端部(上端部)には
端壁部112が設けられている。このハブ本体110の
他端部(下端部)には半径方向外方に突出する環状フラ
ンジ114が設けられ、環状フランジ114にハードデ
ィスクの如き記録媒体(図示せず)が載置される。この
環状フランジ114の下端部には環状ヨーク116が装
着され、環状ヨーク116の内周面に環状ロータマグネ
ット118が取り付けられている。
【0017】図示の動圧軸受手段106は軸部材120
とこの軸部材120を回転自在に支持する軸受スリーブ
体122から構成され、軸部材120の一端部(図1に
おいて上端部)がハブ本体110の端壁部112に固定
されている。ブラケット108の略中央部には略円筒ス
リーブ状の軸受支持筒部124が一体的に設けられ、軸
受支持筒部124はブラケット108から実質上垂直上
方に延びており、この軸受支持筒部124に動圧軸受手
段106の軸受スリーブ体122が例えば接着によって
固定されている。このようにして、ロータハブ104は
動圧軸受手段106を介して固定部材102に回転自在
に支持される。尚、動圧軸受手段106及びそれに関連
する構成については、後に詳述する。
【0018】ブラケット108の軸受支持筒部124の
外周面には、ロータマグネット118に対向してステー
タ126が装着されている。ステータ126は、コアプ
レートを積層することによって構成されるステータコア
128と、このステータコア128に所要の通りに巻か
れたコイル130とから構成され、ステータコア128
が軸受支持筒部124に外嵌固定される。従って、コイ
ル130に駆動電流を所要の通りに供給すると、磁化さ
れるステータコア128とロータマグネット118の相
互磁気作用によって、ロータハブ104が所定方向に回
転駆動される。
【0019】このスピンドルモータでは、ロータマグネ
ット118の一端面(図1において下端面)に対向し
て、ブラケット108の所定部位に環状磁性体132が
装着されている。この環状磁性体132は、環状ヨーク
116に装着されたロータマグネット118を相対的に
吸引するように作用し、これによって、モータ姿勢に拘
わらず、モータ停止時はスラストプレート部136がス
ラストカバー138と接触するようになり、スリーブ本
体140とスラストプレート部136がスラスト動圧流
体軸受手段158にて接触しなくなり、スリーブ本体1
40の摩耗を少なくすることができる。
【0020】次に、図1及び図2を参照して、図示の動
圧軸受手段106及びこれに関する構成について説明す
ると、図示の軸部材120は軸部134を有し、スラス
トプレート部136はこの軸部134の一端部(図1及
び図2において下端部)に設けられている。軸部134
は横断面が円形状の細長い軸から構成され、スラストプ
レート部136はこの軸部134に例えば圧入によって
固定され、かかるスラストプレート部136はロータハ
ブ104の抜止めとしても機能する。
【0021】また、図示の軸受スリーブ体122は、ス
リーブ本体140及びスラストカバー138から構成さ
れている。スリーブ本体140には軸線方向(図1及び
図2において上下方向)に貫通して支持孔141が形成
され、この支持孔141の一端部(図1及び図2におい
て下端部)には、その一端に向けて中内径部142及び
大内径部144が設けられ、中内径部142の内径は支
持孔141の内径よりも大きく、大内径部144の内径
は中内径部142の内径より大きくなっている。軸部材
120の軸部134はスリーブ本体140の支持孔14
1に挿入され、そのスラストプレート部136はスリー
ブ本体140の中内径部142に受け入れられ、スリー
ブ本体140の大内径部144に、軸部材120のスラ
ストプレート部136を覆うようにスラストカバー13
8が取り付けられている。このスラストカバー138
は、スリーブ本体140の一部146にかしめ加工を施
すことによって固定される。
【0022】この実施形態では、軸部材120の軸部1
34及びこれに対向するスリーブ本体140に関連して
一対のラジアル動圧流体軸受手段150,152が設け
られている。ラジアル動圧流体軸受手段150,152
は動圧発生溝154,156を有し、この形態では動圧
発生溝154,156がスリーブ本体122の支持孔1
41の内周面に軸線方向(図1及び図2において上下方
向)に間隔をおいて設けられている。動圧発生溝15
4,156は、例えばヘリングボーン等の形状でよい。
尚、動圧発生溝154,156はスリーブ本体122の
内周面に代えて、又はそれに加えて軸部材120の軸部
134の外周面に設けるようにしてもよい。
【0023】また、軸部材120のスラストプレート部
136並びにこれに対向するスリーブ本体140及びス
ラストカバー138に関連して一対のスラスト動圧流体
軸受手段158,160が設けられている。スラスト動
圧流体軸受手段158,160は動圧発生溝162,1
64を有し、この形態では動圧発生溝162が軸部材1
20のスラストプレート部136の内側端面(図1及び
図2において上側端面)に設けられ、他方の動圧発生溝
164がスラストプレート部136の外側端面(図1及
び図2において下側端面)に設けられている。動圧発生
溝162,164は、例えばスパイラル等の形状でよ
い。尚、動圧発生溝162は、スラストプレート部13
6の内側端面に代えて、またはこれに加えてスリーブ本
体140の中内径部142の段部に設けるようにしても
よく、また他方の動圧発生溝164は、スラストプレー
ト部136の外側端面に代えて、又はこれに加えてスラ
ストカバー138の内面に設けるようにしてもよい。
【0024】この形態では、図2及び図3から理解され
るように、下側に配置されたラジアル動圧流体軸受手段
152及び一対のスラスト動圧流体軸受手段158,1
60にわたって、それらの潤滑流体としての潤滑油が充
填され、また、上側に配置されたラジアル動圧流体軸受
手段150に潤滑流体としての潤滑油が充填されてい
る。そして、このことに関連して、更に次の通りに構成
されている。軸部材120の軸部134の軸線方向略中
央部、即ち一対のラジアル動圧流体軸受手段154,1
56の間の部位に環状凹部166が設けられ、この環状
凹部166の上下方向両端部とスリーブ本体140の内
周面との間にテーパシール部168,170が設けられ
ている。また、軸部材120の軸部134の他端部とス
リーブ本体140の他端部の内周面との間にテーパシー
ル部172が設けられている。動圧軸受手段106の潤
滑油の界面はこれらテーパシール部168,170,1
72に位置し、これら界面に作用する外気圧によって潤
滑油の外側への漏れが防止される。尚、スラスト動圧流
体軸受手段160の半径方向内側にテーパシール部を設
けていないが、必要に応じてテーパシール部を設けるよ
うにしてもよく、また後述する如く構成することによっ
てテーパシール効果を持たせるようにしてもよい。
【0025】この実施形態では、潤滑油に混入された気
泡を排出するために、次のように構成されている。軸部
材120の軸部134には、軸線方向(図1及び図2に
おいて上下方向)に貫通して軸孔176が設けられ、こ
の軸孔176の上端部は弾性密封部材177(図1)に
よって後述する如く密封される。この軸部134には、
また半径方向に延びる第1及び第2呼吸孔178,18
0が設けられている。第1呼吸孔178は軸部134の
軸線方向略中央部に設けられ、環状凹部160を軸孔1
76に連通する。また、第2呼吸孔180は軸部134
の他端部に設けられ、軸孔176をテーパシール部17
2の軸線方向外側空間に連通する。尚、この空間は、軸
受スリーブ体122とロータハブ104との間の環状空
間184を通してモータ内部、即ちロータマグネット1
18及びステータ126が収容された空間に連通されて
いる。更に、軸部材120のスラストプレート部136
の基部には対向して一対の第1逃げ孔186が設けら
れ、かかる第1逃げ孔186はスラストプレート部13
6を軸線方向に貫通している。また、このスラストプレ
ート部136には第2逃げ孔188が設けられ、この第
2逃げ孔188はスラストプレート部136の外周面か
ら半径方向内方に延びて一方の第1逃げ孔186に連通
している。
【0026】かく構成されているので、ラジアル及びス
ラスト動圧流体軸受手段150,152,158,16
0の潤滑油に混入された気泡は、潤滑油の圧力が低い界
面にて、この実施形態ではテーパシール部168,17
0,172の界面にて、またスラスト動圧流体軸受手段
160の半径方向内側の界面にて潤滑油から分離され
る。そして、テーパシール部168,170にて分離さ
れた空気は環状凹部160、第1呼吸孔178、軸孔1
76、第2呼吸孔180及び環状空間184を通してモ
ータ内部に排出され、またテーパシール部172にて分
離された空気は環状空間184を通してモータ内部に排
出され、更に、スラスト動圧流体軸受手段160の半径
方向内側にて分離された空気は、軸孔176、第2呼吸
孔180及び環状空間184を通してモータ内部に排出
される。このような動圧流体軸受106を備えたスピン
ドルモータでは、一対のスラスト動圧軸受手段158,
160間の空間、またラジアル動圧流体軸受手段152
及びスラスト動圧流体軸受手段158間の空間において
潤滑油の圧力が低下し、これら空間に潤滑油に混入した
空気が溜まる傾向にあり、一対のスラスト動圧流体軸受
手段158,160間の空間に溜まった空気は、第2逃
げ孔188及び第1逃げ孔186を通してスラスト動圧
流体軸受手段160の半径方向内側の空間に導かれ、ま
たラジアル動圧流体軸受手段152及びスラスト動圧流
体軸受手段158間の空間に溜まった空気は、第1逃げ
孔186を通してスラスト動圧流体軸受手段160の半
径方向内側の空間に導かれ、かく導かれた空気は軸孔1
76及び第2呼吸孔180を通してモータ内部に排出さ
れる。このように潤滑油の界面にて分離された空気、ま
た潤滑油に溜まった空気はモータ内部に排出されるの
で、混入した気泡による悪影響、例えば気泡の熱膨張に
起因する飛散等を回避することができる。尚、モータ内
部に排出された空気は、ブラケット108とロータハブ
104との間を通して記録媒体駆動装置のハウジング
(図示せず)内の空間(この空間にスピンドルモータ及
び記録媒体等が収容される)に流れる。
【0027】次に、図2とともに図3を参照して、流体
軸受手段106の潤滑油の充填について説明する。この
実施形態では、潤滑油を充填するとき軸部材120の軸
孔176が利用され、このことに関連して、軸部材12
0の軸孔176の一端部(図1〜図3において下端部)
に大内径部190が設けられ、この大内径部190の内
径は軸孔176のその他の部分よりも大きく形成されて
いる。また、軸部材120の大内径部190の開口部に
は、半径方向外方に向けてスラストカバー138との間
隙が漸減するテーパ部192が設けられ、かかるテーパ
部192が大内径部190からスラスト動圧流体軸受手
段160の半径方向内側空間に向けて延びている。
【0028】動圧軸受手段106への潤滑油の充填は、
次の通りにして行われる。まず、動圧軸受手段106を
図2に示すように組み付ける(この組付状態では、密封
部材177は装着されていない)。この組み付けは、例
えば、スリーブ本体140の大内径部144側から軸部
材120の軸部134を支持孔141内に挿入し、その
スラストプレート部136をスリーブ本体140の中内
径部142内に位置付け、その後スラストカバー138
をスリーブ本体140の大内径部144に装着して固定
する。
【0029】ラジアル動圧流体軸受手段150の潤滑油
は、動圧軸受手段106の組付過程において、この形態
では軸部材120の軸部134をスリーブ本体140の
支持孔141に挿入する際に充填される(図2参照)。
他方のラジアル動圧流体軸受手段152及び一対のスラ
スト動圧流体軸受手段158,160の潤滑油は、動圧
軸受手段106を上述した如く組み付けた後に軸孔17
6を通して充填される。即ち、潤滑油供給用シリンジ
(図示せず)の先端部を軸部材120の軸孔176を通
して大内径部190の上端部まで挿入し、挿入したシリ
ンジを通して充填すべき潤滑油を注入し、かく注入した
後(シリンジを軸孔176から外した後)に弾性密封部
材177(図1参)を装着する。潤滑油を注入すると、
図2に示すように、供給した潤滑油194が大内径部1
90内に一時的に溜まり、かく溜まった潤滑油194
が、図3に示すように、時間の経過とともに毛細管現象
によって軸部材120のスラストプレート部136の外
側端面、その外周面及びその内側端面に沿って軸部材1
20の軸部134まで浸透し、大内径部190に供給し
た潤滑油194が毛細管現象によってラジアル動圧流体
軸受手段152及び一対のスラスト動圧流体軸受手段1
58,160にわたって充填される。このとき、大内径
部190の開口部にテーパ部192が設けられているの
で、潤滑油194のスラスト動圧流体軸受手段160側
への浸透が促進され、かかる潤滑油194の充填時間の
短縮化を図ることができる。尚、充填した潤滑油194
の界面がこのテーパ部192に位置するようにすること
によって、このテーパ部192がテーパシール機能を発
揮し、スラスト動圧流体軸受手段160の半径方向内側
における潤滑油の漏れを効果的に防止することができ
る。
【0030】この形態では、ラジアル動圧流体軸受手段
152及び一対のスラスト動圧流体軸受手段158,1
60に充填する潤滑油を軸部材120の軸孔176を通
して大内径部190に供給しているが、このことに関連
して、大内径部190の容積を注入される潤滑油の注入
量よりも大きく設定するのが望ましい。かく設定するこ
とによって、充填すべき潤滑油を一度に注入しても大内
径部190内に収容され、潤滑油の注入時間の一層の短
縮化を図ることができる。尚、潤滑油をこのように注入
することに関連して、軸孔176内の撥油処理は、注入
の際に潤滑油が直接的に接触する大内径部190及びテ
ーパ部192を除く軸孔176の他の領域に施すのが望
ましい。
【0031】以上、本発明に従う動圧軸受モータの一例
としてのスピンドルモータの一実施形態について説明し
たが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではな
く、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修
正が可能である。例えば、図示の実施形態では、軸部材
120のスラストプレート部136に第1及び第2逃げ
孔186,188を設けているが、空気の溜まりが実質
上発生しないような場合、これら逃げ孔186,188
のいずれか一方又は双方を省略することができる。
【0032】また、図示の実施形態では、動圧軸受手段
106の軸部材120をロータハブ104(ロータ)に
固定し、その軸受スリーブ体122をブラケット108
(固定部材)に固定した軸回転型のモータに適用して説
明したが、これに限定されず、軸部材120をブラケッ
ト108に固定し、軸受スリーブ体122をロータハブ
104に固定した軸固定型のモータにも同様に適用する
ことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の請求項1の動圧軸受モータによ
れば、動圧軸受手段の軸部材には軸線方向に貫通する軸
孔が形成され、この軸孔の一端部に大内径部が設けられ
ているので、軸孔を通して供給された潤滑流体は大内径
部内に一時的に溜まり、この溜まった潤滑流体が時間の
経過とともに毛細管現象によって浸透して充填される。
従って、潤滑流体を充填するときには、潤滑流体を軸孔
を通して大内径部内に注入すればよく、簡単に且つ比較
的短時間で潤滑流体を注入することができる。
【0034】また、本発明の請求項2の動圧軸受モータ
によれば、充填される潤滑流体を軸孔を通して大内径部
内に一度に注入することができ、その注入時間の一層の
短縮化を図ることができる。また、本発明の請求項3の
動圧軸受モータによれば、軸部材の大内径部の開口部に
所定のテーパ部が設けられているので、大内径部に注入
された潤滑流体の浸透速度を速めて充填時間の短縮化を
図ることができる。
【0035】更に、本発明の請求項4の動圧軸受モータ
によれば、軸部材の軸孔の大内径部に注入した潤滑流体
を一方のラジアル動圧流体軸受手段及び一対のスラスト
動圧流体軸受手段に毛細管現象によって浸透して充填す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う動圧軸受モータの一例としてのス
ピンドルモータの一実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図2】図1のスピンドルモータにおける動圧軸受手段
を、軸孔の大内径部内に潤滑油を注入した状態で示す拡
大断面図である。
【図3】図2の動圧軸受手段を、潤滑油が所要の通りに
充填された状態で示す拡大断面図である。
【図4】背景技術のスピンドルモータの一例を示す断面
図である。
【符号の説明】 102 固定部材 104 ロータハブ 106 動圧軸受手段 108 ブラケット 110 ハブ本体 118 ロータマグネット 120 軸部材 122 軸受スリーブ体 126 ステータ 134 軸部 136 スラストプレート部 140 スリーブ本体 138 スラストカバー 150,152 ラジアル動圧流体軸受手段 158,160 スラスト動圧流体軸受手段 176 軸孔 178,180 呼吸孔 186,188 逃げ孔 190 大内径部 192 テーパ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐伯 光男 滋賀県愛知郡愛知川町中宿248 日本電産 株式会社滋賀技術開発センター内 (72)発明者 奥 義人 滋賀県愛知郡愛知川町中宿248 日本電産 株式会社滋賀技術開発センター内 Fターム(参考) 3J011 AA07 BA04 CA01 CA02 CA04 JA02 KA04 MA03 MA24 5H605 AA03 BB05 BB19 CC04 EB02 EB06 EB21 EB28 EB31 5H607 AA06 BB01 BB07 BB14 BB17 CC01 CC05 FF12 GG01 GG02 GG12 GG25 GG28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材と、前記固定部材に対して回転
    自在であるロータと、前記固定部材と前記ロータとの間
    に介在された動圧軸受手段と、前記ロータに装着された
    ロータマグネットと、前記ロータマグネットに対向して
    前記固定部材に取り付けられたステータとを具備し、前
    記動圧軸受手段は、軸部及びこの軸部の一端部に設けら
    れたスラストプレート部を有する軸部材と、前記軸部材
    を相対的に回転自在に支持する軸受スリーブ体と、前記
    軸部材の前記軸部及びこれに対向する前記軸受スリーブ
    体の部位に関連して設けられた一対のラジアル動圧流体
    軸受手段と、前記軸部材の前記スラストプレート部及び
    これに対向する前記軸受スリーブ体の部位に関連して設
    けられたスラスト動圧流体軸受手段とを備え、前記軸部
    材及び前記軸受スリーブ体のいずれか一方が前記固定部
    材に固定され、それらの他方が前記ロータに固定される
    動圧軸受モータにおいて、 前記軸部材には軸線方向に貫通する軸孔が形成され、前
    記軸孔の一端部には大内径部が設けられ、少なくとも前
    記スラスト動圧流体軸受手段の潤滑流体は、前記軸孔を
    通して前記大内径部に供給され、毛細管現象によって浸
    透して前記スラスト動圧流体軸受手段に充填されること
    を特徴とする動圧軸受モータ。
  2. 【請求項2】 前記軸部材の前記軸孔の前記大内径部の
    容積は、前記軸孔を通して供給される潤滑流体の注入量
    よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1
    記載の動圧軸受モータ。
  3. 【請求項3】 前記軸部材の前記大内径部の開口部に
    は、半径方向外方に向けて前記軸受スリーブ体との間隙
    が漸減するテーパ部が設けられていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の動圧流体モータ。
  4. 【請求項4】 前記軸部材には、前記一対のラジアル動
    圧流体軸受手段間の空間を前記軸孔を通してモータ内部
    に連通するための呼吸孔が設けられ、前記スラストプレ
    ート部の両端面及びこれに対向する前記軸受スリーブ体
    の部位に前記スラスト動圧流体軸受手段が設けられ、前
    記一対のラジアル動圧流体軸受手段の一方及び双方の前
    記スラスト動圧流体軸受手段の潤滑流体が前記軸部材の
    前記軸孔を通して毛細管現象によって浸透して充填され
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の動
    圧軸受モータ。
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