JPH0668153U - 磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成によってゴミの発生を著しく低下
させ、しかも、回転時に生ずるハブへの振動を低減させ
る。 【構成】 フレーム１に形成された軸受ホルダー１ａの
外周を回転するように配設されたハブ４と、このハブ４
に設けられたロータ７、このロータ７に外周面を対向さ
せると共に内周を軸受ホルダー１ａの外周に固着した電
機子コアとを備えた磁気ディスク駆動装置において、ロ
ータのマグネット８を固定したヨーク７の上端面とハブ
の少なくとも一方には接着剤溜まり部２１が形成され、
この接着剤溜まり部２１内の接着剤によりヨーク７をハ
ブ４に接着固定している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ディスクを装着して回転駆動するための磁気ディスク駆動装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

磁気ディスク駆動装置としては図２のような構成が提案されている。図２にお いて、フレーム１には円筒状に形成された軸受ホルダー１ａが一体に形成され、 この軸受ホルダー１ａの内周には、２個のボールベアリング２，３の外輪が各々 嵌合配置されている。ボールベアリング２，３の内輪にはハブ４を一端に固着し た回転軸５が嵌挿され、回転自在に支持されている。ハブ４は略ベル状に形成さ れていて、底部中央部の中心孔を上記回転軸５の一端に圧入もしくは接着によっ て固着されている。さらに、ハブ４の内周と軸受ホルダー１ａの上側には、僅か な間隔で両者を対向させたラビリンスシール部６が形成されている。このラビリ ンスシール部６によって、上記ボールベアリング２，３から発生するオイルミス ト等のダストが外部に飛散することを阻止している。このようなハブ４の外周に は磁気ディスク１１が装着されるようになっている。磁気ディスクには図示しな いアクチュエータによってシークされる浮動磁気ヘッドが臨んでいる。

【０００３】 上記ハブ４の外周下端に形成した環状鍔部４ａの底面には、略円筒状のロータ ヨーク７の上端部を当接すると共に、カシメ部４ｂによってカシメ固着されてい る。上記ロータヨーク７の内周にはロータマグネット８が嵌合固着されている。 一方、上記軸受ホルダー１ａの外周には電機子コア９が固定され、電機子コア９ は放射状に形成された複数の突極を有し、これら各突極にはコイル１０が例えば ３相形式で各々巻回されている。電機子コア９の外周面はロータマグネット７の 内周面に間隙をおいて対向している。そして、電機子コア９及びロータマグネッ ト８等によってモータ部を構成し、ロータマグネット７を回転付勢することによ りハブ４が一体に回転するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の磁気ディスク駆動装置においては、ハブ４の環状鍔部４ａの底面に 略円筒状のロータヨーク７をカシメ部４ｂによってカシメ固着している。しかし ながら、このようにカシメによって固着部した場合には、カシメ作業時にハブ４ からカシメ粉等のゴミが生じて悪影響を及ぼす原因となる可能性がある。また、 モータ部の回転時に電気子コア９とロータマグネット７間で生ずる電磁気的振動 が、カシメ固着による剛体結合のために直接ハブ４に伝達すくことによって、ハ ブ４に搭載される磁気ディスクまで伝達し、リード／ライト時にエラーが発生す る問題点がある。

【０００５】 本考案は、このような問題点を解消するためになされたもので、簡易な構成に よってゴミの発生を著しく低下させ、しかも、回転時に生ずるハブへの振動を低 減することのできる磁気ディスク駆動装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、フレームに形成された軸受ホルダーの外周に位置し、回転自在に配 設されたハブと、このハブに設けられたロータと、このロータに外周面を対向さ せると共に内周を上記軸受ホルダーの外周に固着した電機子コアとを備えた磁気 ディスク駆動装置において、上記ロータのマグネットを固定したヨークの上端面 と上記ハブの少なくとも一方には接着剤溜まり部が形成され、この接着剤溜まり 部内の接着剤により上記ヨークを上記ハブに接着固定している。

【０００７】

【作用】

ヨークの上端面とハブの少なくとも一方に接着剤溜まり部を形成すると、この 接着剤溜まり部内の接着剤によりヨークがハブに接着固定される。このため、カ シメ時に発生したゴミは著しく減少する。また、回転時に電気子コアとロータマ グネット間で生ずる電磁気的振動を接着剤による接着層によって減衰され、ハブ に伝達され難くなるため、磁気ディスクへの悪影響が低減する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の実施例について図面を参照しな がら説明する。尚、図２と同符号は同部品を示し、その詳細な説明は省略する。 図１において、前述した図２と相違する点は、ロータマグネット７を固定したロ ータヨーク２０の上端面に接着剤溜まり部２１が形成され、この接着剤溜まり部 ２１内の接着剤によりロータヨーク２０をハブ４に接着固定した点にある。

【０００９】 即ち、略円筒状に形成されたロータヨーク２０は、中心方向に屈曲した鍔部２ ０ａを有する断面Ｌ字状に形成され、この鍔部２０ａの上端面には円環状の溝を プレスによる押圧成形或いは切削等によって形成した接着剤溜まり部２１が形成 されている。そして、接着剤溜まり部２１内には接着剤が流入され、ハブ４の外 周下端に形成した環状鍔部４ａの底面に接着剤によって接着固定されている。上 記接着剤は金属を強固に接着固定すると共に、硬化しても所定の粘性を有するも のが選択される。

【００１０】 このとき、接着剤溜まり部２１内の接着剤によって、ロータヨーク２０とハブ ４との間には接着層が形成される。接着層は振動吸収効果を有していて、回転時 に電気子コア９とロータマグネット８で生ずる電磁気的振動が接着層によって減 衰され、ハブ４に伝達され難くなる。この結果、ハブ４に装着される磁気ディス クにも振動が伝達されなくなり、リード／ライト時のエラー発生率を減少させる ことができる。

【００１１】 以上の接着剤溜まり部は、ハブ４の環状鍔部４ａの底面に切削加工等によって 形成してもよく、また、場合によっては両者に形成しても同様の効果を得ること ができる。さらに、接着剤溜まり部の溝の幅は、接着強度や振動減衰効果等の観 点から適宜に設定することができる。

【００１２】 一方、図１において、円筒状に形成された軸受ホルダー１ａの内周は軸方向に ストレートに形成され、２個のボールベアリング２，３の外輪間にはスリーブ２ ２を介在されている。このスリーブ２２の両端面にボールベアリング２，３の外 輪を当接させることによって所定のスパンが決定される。従来の駆動装置にあっ ては、軸受ホルダー１ａの内周中央部分に係合凸部を一体に突設し、この凸部に ボールベアリングを当接してスパンを決める構成が採用されていた。

【００１３】 ところが、この実施例においては軸受ホルダー１ａの内周がストレートに形成 できるため、内径精度を高く形成できることから同軸度の精度を良好にすること ができる。また、ボールベアリングを上記凸部に当接させて組み立てる場合は、 ワークを裏返す必要があったが、この実施例によれば、一方側からボールベアリ ング及びスリーブ２２を嵌挿できることから、組立て作業が容易になると共に、 組立ての自動化ができる効果を奏する。尚、符号２３は、フレーム１の下部開口 を閉塞するためのキャップであり、周縁に対して中央部分を隆起させた構成とし ている。このキャップ２３は上記開口に嵌合すると共に、周縁部分を接着剤２４ によって密閉状に接着している。

【００１４】 尚、上述の実施例は本考案の一例を示すもので、ハブと一体に回転軸を回転す るようにしているが、フレームと一体的に固定軸を配設し、この固定軸に一対の ボールベアリングの内輪を嵌着すると共に、外輪にハブを装着するように構成し てもよく、本考案を逸脱しない範囲で種々変更可能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案の磁気ディスク駆動装置は、ヨークの 上端面とハブの少なくとも一方に接着剤溜まり部を形成しているため、この接着 剤溜まり部内の接着剤によってヨークがハブに接着固定され、従来カシメ時に発 生したゴミを著しく減少させることができる。また、回転時に電気子コアとロー タマグネット間で生ずる電磁気的振動が接着剤による接着層によって減衰するこ とからハブに伝達され難くなるため、磁気ディスクへの悪影響を低減することが できる利点がある。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の実施例
を示す断面図である。

【図２】従来の磁気ディスク駆動装置を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ フレーム １ａ 軸受ホルダー ４ ハブ ７ ロータヨーク ９ 電機子コア ２１ 接着剤溜まり部 ２１ 軸受ホルダー部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレームに形成された軸受ホルダーの外
   周に位置し、回転自在に配設されたハブと、このハブに
   設けられたロータと、このロータに外周面を対向させる
   と共に内周を上記軸受ホルダーの外周に固着した電機子
   コアとを備えた磁気ディスク駆動装置において、上記ロ
   ータのマグネットを固定したヨークの上端面と上記ハブ
   の少なくとも一方には接着剤溜まり部が形成され、この
   接着剤溜まり部内の接着剤により上記ヨークを上記ハブ
   に接着固定してなる磁気ディスク駆動装置。