JP4215453B2 - 動圧軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸と動圧軸受部材を備え、回転軸と動圧軸受部材とが互いに非接触で相対回転することができる動圧軸受装置およびその製造方法に関するもので、たとえば磁気ディスク、光ディスク等のディスク駆動用モータの動圧軸受装置として、その他、高い回転精度が要求される各種装置の動圧軸受装置として用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
高い回転精度が要求される各種装置の軸受装置として動圧軸受装置が用いられている。たとえば、ハードディスク駆動装置においては、ハードディスクの記録密度が月日を追って高くなっており、これに伴って、ディスクの回転速度および回転精度がますます高くなっている。ディスクの高回転速度化および高回転精度化の要求に応えるには、動圧軸受装置、特に潤滑流体に生じる動圧力を利用した動圧軸受装置を用いることが適している。
【0003】
潤滑流体を用いた動圧軸受装置は、回転軸と動圧軸受部材を備え、回転軸と動圧軸受部材との間の微小隙間に潤滑流体が介在している。動圧軸受部材に対して回転軸が相対回転することにより、回転軸と動圧軸受部材の少なくとも一方に形成されている動圧発生用溝によって動圧力が発生し、この動圧力によって回転軸が動圧軸受部材に対し非接触で回転する。このような動圧軸受装置に関して本出願人は先に特許出願した。特開2001−65552公報および特願2001−349402号明細書および図面に記載されている発明はその例である。
【0004】
上記特開2001−65552公報記載の発明と実質的に同じ技術思想を取り入れた動圧軸受装置の例を図6に示す。図6において、ほぼ円筒状の動圧軸受部材14には、回転軸挿入孔面の軸方向両端部に、ラジアル動圧軸受の主要部をなすラジアル動圧発生用溝54、54が形成されている。動圧軸受部材14の回転軸挿入孔には図示されない回転軸が上記回転軸挿入孔の面との間に微小な隙間をおいて挿入される。図6において動圧軸受部材14の上端面には、外周に円形の突堤102を残して凹部100が形成されている。この凹部100にはカバー22が落とし込まれている。カバー22は偏平なカップ状になっていて、円筒形の周壁221を有し、この周壁221に連続して外方に直角に突出した鍔部222を有している。この鍔部222が上記凹部100の底面に接触した状態で凹部100に接着剤46が充填され、硬化されることにより、カバー22が動圧軸受部材14に固定され、回転軸挿入孔が開口している動圧軸受部材14の一端面がカバー22で閉鎖されている。
【0005】
常識的な使用状態では、動圧軸受部材14を図6に示す姿勢から上下反転させる。カバー22の周壁221の内径は動圧軸受部材14の内径と同じになっていて、動圧軸受部材14の回転軸挿入孔に回転軸を挿入した状態では、回転軸の端部がカバー22内に進入する。そして、カバー22の周壁221内周面と回転軸の外周面との間に微小な隙間が生じている。また、回転軸を含む回転体が図示されないスラスト動圧軸受によってスラスト方向に支持されることにより、回転軸の一端面とこれが対向するカバー22の内底面との間にも微小な隙間が生じている。これらの隙間には潤滑流体、例えばオイルが介在していて、動圧軸受部材14に対して回転軸が回転することにより、ラジアル動圧発生用溝54、54で動圧力が発生し、回転軸が動圧軸受部材14に非接触で支持される。なお、動圧軸受部材14は、図6においてほぼ上半部の外周面、実際の使用状態でほぼ下半部の外周面が、図示されないベースプレートの円筒状嵌合孔に嵌合され、接着等によって固定される。
【0006】
前記特願2001−349402号明細書および図面記載の発明と実質的に同じ技術思想を取り入れた動圧軸受装置の例を図7に示す。図7において、動圧軸受部材14の一端面には、回転軸挿入孔の開口部の周囲に、円周方向に連続して、かつ、軸方向に窪んだ溝状の凹部56が形成されている。この凹部56には偏平なカップ状のカバー22の円筒状周壁221が挿入され、回転軸挿入孔が開口している動圧軸受部材14の一端面がカバー22で閉鎖されている。カバー22の上記周壁221の外周面が上記凹部56の外径側周壁面に接触し、この接触面に接着剤が充填されて硬化され、潤滑流体が漏れないように封止されている。図7に示す動圧軸受部材14も、上下反転して使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す前記特開2001−65552公報記載の発明は、動圧軸受部材14の一端面を封止するカバー22は扁平なカップ状になっており、このカバー22が動圧軸受部材14の一端面に形成された凹部100に接着により固定され、上記カバー22に回転軸の一部が挿入される構造になっている。そのため、動圧軸受部材14の軸方向有効長さが上記凹部100の分だけ制限されて、上下のラジアル動圧軸受スパンが短くなり、剛性の低い動圧軸受装置になり易いという難点がある。その反面、動圧軸受部材14の前記ベースプレートとの接合長さは充分に確保できる利点がある。また、接着剤46が軸受内すなわち回転軸挿入孔に侵入しやすい構造になっている。
【0008】
一方、図7に示す前記特願2001−349402号明細書および図面記載の発明は、動圧軸受部材14のほぼ一端面においてカバー22が開口を閉鎖しているので、動圧軸受部材14の有効長さが長くなり、上下のラジアル動圧軸受スパンを長く取って、剛性の高い動圧軸受装置を得るのに有利である。動圧軸受部材14の前記ベースプレートとの接合長さを充分に確保できる利点もある。しかし、カバー22の外周面と動圧軸受部材14の一端面に形成した円環状の凹部56の外周壁面とが接合面となっているため、動圧軸受部材14とカバー22との間に十分な接着剤を塗布ないしは充填することができず、開口の封止手段として信頼性が不十分であるという難点がある。また、カバー22の周壁221と上記凹部56の内周側壁面との間に大きな空間が形成されていて、この空間にも、動圧発生用潤滑流体を充填する必要があるため、潤滑流体の注入に多くの時間を要し、生産性が劣る。さらに、潤滑流体が多量に充填される部分では潤滑流体に気泡を生じやすく、気泡の発生によって潤滑流体が漏れ易いという難点がある。
【0009】
なお、上記の例以外にも、動圧軸受部材14の一端面の閉鎖構造として、図8ないし図10に示すような構造のものもある。図8に示す例は、動圧軸受部材14の一端面に凹部88を形成し、この凹部88に平板状のカバー86を嵌め、カバー86の周縁と上記凹部88の周縁とをレーザ溶接機90によって溶接したものである。この例において、開口の封止手段として高い信頼性を得るためには、カバー86の厚さを厚くする必要があり、カバー86の厚さを厚くすることによってラジアル動圧軸受を配置するスパンが短くなる難点がある。
【0010】
図9に示す例は、動圧軸受部材14の一端面に浅い凹陥部を形成すると共に、この凹陥部の外周側に、周方向に連続しかつ軸方向に窪んだ溝状の凹部94を形成し、上記浅い凹陥部に薄い平板状のカバー92を置き、上記凹部94に接着剤46を充填して、カバー92の外周縁部を動圧軸受部材14に接着し開口を封止したものである。この例は、カバー92の外周縁部を折り曲げることなく、平板状のカバー92を接着によって接合するものである。そのため、接着剤46の液面が動圧軸受部材14の開口端面と同じ位置にあり、接着剤46が回転軸挿入孔に流入しやすく、この接着剤が回転軸と干渉するという問題がある。
【0011】
図10に示す例は、動圧軸受部材14の一端部外周に円筒状の突堤108を形成すると共に、この突堤108の内周壁に沿って周方向に連続しかつ軸方向に窪んだ溝状の凹部98を形成し、上記突堤108の内周側に平板状のカバー92を嵌め、上記凹部98に接着剤46を充填し、さらにカバー92の表面側外周縁部と上記突堤108の内周壁との間に接着剤46を塗布して、カバー92を動圧軸受部材14に固定したものである。この例によれば、動圧軸受部材14の一端部を窪ませて突堤108を形成しているため、突堤108の分だけ、ラジアル動圧軸受を形成するための軸方向寸法が制限され、動圧軸受の剛性が低下するという難点がある。
【0012】
本発明は以上のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ラジアル動圧軸受を形成するための軸方向のスパンを長くすることができ、ラジアル動圧軸受の剛性を高めることが可能であり、また、動圧軸受部材の一端開口を閉鎖するカバーと動圧軸受部材との接合面積を大きくすることができ、接合強度を高めることが可能な動圧軸受装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項記載の発明は、動圧軸受部材およびこの動圧軸受部材に対して回転する回転軸と、
この回転軸と動圧軸受部材との間の微小隙間に介在する潤滑流体と、
この潤滑流体の介在のもとに上記回転軸と動圧軸受部材とのラジアル方向対向面間に形成されたラジアル動圧軸受と、
回転軸挿入孔が開口している上記動圧軸受部材の一端面を閉鎖するカバーとを有する動圧軸受装置であって、
少なくとも上記回転軸の外周面と上記動圧軸受部材の内周面との間、および上記回転軸の一端側と当該一端側と対向する上記カバー部材の他端側との間にはそれぞれ隙間が形成され、これらの隙間は互いに連通しており、且つこれらの隙間には上記潤滑流体が途切れることなく連続して充填されており、
回転軸挿入孔が開口している上記動圧軸受部材の一端面には、当該一端面から他端側へ窪む凹部が形成され、凹部は、凹部内周面及び外周面を有し、
上記カバーの外周縁は軸方向に折り曲げられて上記凹部内に延びる折り曲げ縁部が形成され、上記折り曲げ縁部は、縁部内周面と縁部外周面とを有し、
上記凹部には接着剤が充填され、
上記カバーの折り曲げ縁部の縁部内周面は、動圧軸受部材の凹部内周面との間に隙間があり、この隙間は、縁部外周面と凹部の外周面との間の隙間よりも小さいことを特徴とする。
また請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、上記カバーの折り曲げ縁部が径方向外方に向かって折り曲げられることによって鍔部が形成されており、
上記鍔部は上記動圧軸受部材の凹部内にあり、
上記凹部に充填された接着剤で上記鍔部が上記動圧軸受部材に接着固定されていることを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、カバーを接着する接着剤の接着剤が硬化した後の表面は凹部内に位置することを特徴とする。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1乃至記載の発明において、動圧軸受部材の内周面にはラジアル動圧発生用溝が形成されており、動圧軸受部材の凹部はラジアル動圧発生用溝の径方向外側に形成されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる動圧軸受装置およびその製造方法の実施形態について説明する。この実施形態は、ハードディスク等のディスクを回転駆動するディスク駆動装置として構成されているが、本発明にかかる動圧軸受装置は、ディスク駆動装置以外の各種機器の動圧軸受装置として適用可能なものである。
【0018】
図1において、符号16は回転軸を、符号14は動圧軸受部材をそれぞれ示している。動圧軸受部材14はほぼ円筒形状になっていて、中心に沿って形成された回転軸挿入孔には微小な間隙をおいて回転軸16が嵌められている。回転軸16には動圧軸受部材14の上端から突出した部分に回転部材20が圧入等によって接合されている。この例では、回転部材20はディスクを載置して回転するハブで、外周の軸方向端部にフランジを有し、このフランジの上面にディスク載置部40が設けられている。回転軸16と回転部材20との接合部は、動圧を発生するための潤滑流体18が上記接合部36から外部に漏れないように、全周が溶接され、またはシール材によってシールされている。
【0019】
上記動圧軸受部材14は、ラジアル動圧軸受26、26を形成するための円筒部と、この円筒部の外周側に形成されたスラスト動圧軸受34形成用の拡径部28とを有してなる。この拡径部28は、上記円筒部の一端部(図1において上端部)に、フランジ状に形成されている。上記回転部材20の天井面は動圧軸受部材14の上端面と対向していて、この上端面にはスラスト動圧発生用溝が形成され、上記対向面間には潤滑流体が介在する隙間が形成されている。
【0020】
図2に示すように、動圧軸受部材14の上記回転軸挿入孔の内周面には、軸方向両端近くにおいてラジアル動圧発生用溝54、54が形成されている。上記ラジアル動圧発生用溝54、54は、動圧軸受部材14の回転軸挿入内周面の上下2箇所に、全周にわたって形成されている。上記スラスト動圧発生用溝も、拡径部28近傍の上端面(図2においては下面)全周にわたって形成されている。これらの動圧発生用溝は、回転軸16が動圧軸受部材14に対して回転することにより、回転軸16および動圧軸受部材14相互間の潤滑流体に動圧力を発生させて回転軸16を回転自在に支持する動圧力発生手段を構成している。
【0021】
上記動圧軸受部材14の円筒部に、回転部材20が圧入されて一体となった回転軸16が上側から挿入されている。動圧軸受部材14の外周下側からはリング状の脱落防止部材30が挿入され、回転部材20に円形に形成された突堤の内周面に接合されている。脱落防止部材30は回転部材20の天井面にも接合されている。さらに、潤滑流体が漏れないように、脱落防止部材30と回転部材20との接合部は接着剤等で封止されている。上記脱落防止部材30は動圧軸受部材14の上記拡径部28の下側に位置し、拡径部28の外周縁部と半径方向において重なり合い、また拡径部28の下面と軸方向において微小な隙間を置いて重なり合い、脱落防止が可能な構成となっている。
【0022】
動圧軸受部材14の一端面、より具体的には図1において右端面、図2において上端面には、カバー22が固定され、動圧軸受部材14の一端面開口がカバー22によって閉鎖されている。動圧軸受部材14の上記一端面には、回転軸挿入孔の開口部の周囲に、円周方向全周にわたり連続しかつ軸方向に窪んだ同心円形の凹部44が形成されている。上記カバー22は外周縁部が軸方向に折り曲げられて折り曲げ縁部221が形成された偏平なカップ状の部材で、動圧軸受部材14の上記凹部44にカバー22の折り曲げ縁部221が落とし込まれている。カバー22の折り曲げ縁部221の内周面は、動圧軸受部材14の上記凹部44の内周側の面に接触している。上記凹部44には接着剤46が塗布ないしは充填され、接着剤46でカバー22の折り曲げ縁部221が動圧軸受部材14の一端に固定され、動圧軸受部材14の一端面がカバー22で閉鎖されている。
【0023】
上記脱落防止部材30の内周面とこれに対向する動圧軸受部材14の外周面との間、脱落防止部材30の上面(図1は90度回転して横向きに描いてあるため、図1において左側の面、以下同じ)とこれに対向する動圧軸受部材14の拡径部28の下面(図1においては右側の面、以下同じ)との間、回転部材20の天井面とこれに対向する動圧軸受部材14の上面との間、動圧軸受部材14の内周面と回転軸16の外周面との間、および上記カバー22と回転軸16の下端面との間には隙間が形成されている。これらの隙間は互いに上記の順に連通していて、この隙間には潤滑流体が充填されている。脱落防止部材30の内周面とこれに対向する上記動圧軸受部材14の外周面との間の隙間は下に向かって開放している。また、脱落防止部材30の内周面に対向する上記動圧軸受部材14の外周面は、下に向かって外径が小さくなる向きのテーパー部となっていて、上記脱落防止部材30の内周面と動圧軸受部材14の外周面との間の隙間は、その間隔が下に向かって徐々に拡大する毛細管シール部32となっている。この毛細管シール部32に、潤滑流体の液面が位置している。
【0024】
上記毛細管シール部32から上記隙間に潤滑流体が注入される。動圧軸受部材14の天井面とこれに対向する動圧軸受部材14の上面との間にはスラスト動圧軸受34が形成され、動圧軸受部材14の内周面と回転軸16の外周面との間の上下2箇所にはラジアル動圧軸受26、26が形成されている。これらの動圧軸受に上記潤滑流体が介在している。
【0025】
図1に示すように、動圧軸受部材14の外周は、ベースプレート10の中心部に形成された円筒部12の内周側に嵌合され固定されている。ベースプレート10の上記円筒部12は、その上端面が回転部材20内に脱落防止部材30の近くまで進入している。ベースプレート10の上記円筒部12にはその外周側にモータのステータ60が固定されている。ステータ60は、コア48と、このコア48が一体に有している複数の突極に巻き回された駆動コイル50とを有し、コア48の内周面が上記円筒部12の外周面に固定されている。上記複数の突極は放射状に形成されている。
【0026】
回転部材20は、円筒形の周壁を有するカップ状に形成され、上記周壁の内周面にはリング状の駆動マグネット42が取り付けられている。この駆動マグネット42と、回転部材20と、回転軸16とでモータのロータを構成している。上記ステータ60を構成するコア48の突極先端面は、上記駆動マグネット42の内周面と適宜の間隙をおいて対向していて、駆動コイル50への通電を切り替えることによってロータが回転駆動されるようになっている。このように、図1、に示す実施形態は、アウターロータ形のモータを有し、モータの軸受が動圧軸受になっている。
【0027】
図1に示すように、ベースプレート10の上面には、リング状の磁性板52が固定されている。磁性板52の平面部分は、駆動マグネット42の下面と適宜の間隔をおいて対向している。磁性板52と駆動マグネット42との間にはスラスト方向の磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力は、回転体20の回転によりスラスト動圧軸受34に発生するスラスト方向の動圧力に対して反対向きの力となる。回転部材20の回転によりスラスト動圧軸受34で発生するスラスト方向の力と、上記スラスト方向の磁気吸引力とのバランスによって、回転体20の軸方向の位置が精度良く保たれるようになっている。
【0028】
上記オイル動圧モータの駆動コイル50への通電を、駆動マグネットの回転位置に応じて切り替え制御することにより、ステータコア48の突極と、ロータの駆動マグネット42との磁気的吸引反発力で、駆動マグネット42、回転部材20と回転軸16を含むロータが回転駆動される。このロータの回転によって、スラスト動圧軸受34に存在する潤滑流体にスラスト動圧力が発生し、また、ラジアル動圧軸受26、26に存在する潤滑流体にラジアル動圧力が発生し、回転軸16および回転部材20が動圧軸受部材14に対し非接触状態を保持したままで相対回転する。
【0029】
以上説明した実施の形態は、図2に示すように、回転軸挿入孔が開口している動圧軸受部材14の一端面に、開口部の周囲に円周方向に連続して軸方向に窪んだ凹部44が形成され、外周縁が軸方向に折り曲げられて折り曲げ縁部221が形成されたカバー22の上記折り曲げ縁部221が上記凹部44内まで延び、上記凹部44には接着剤46が充填されて、カバー22の折り曲げ縁部221が凹部44内において接着剤46で動圧軸受部材14に接着され、動圧軸受部材14の一端部がカバー22で閉鎖されている。そのため、カバー22と動圧軸受部材14との接合面積を大きくすることができ、接合強度を高めることができる。
【0030】
また、上記のように構成することにより、ラジアル動圧軸受26、26の配置を、動圧軸受部材14の軸方向長さのほぼ全長とすることができ、ラジアル動圧軸受26、26の軸方向のスパンを長くすることができるので、ラジアル方向の軸受剛性を高めることができる。さらに、動圧軸受部材14とベースプレート10との接合長さを充分長くすることができるため、動圧軸受部材14とベースプレート10との接合強度を高めることができる。
【0031】
カバー22を接着する接着剤46は、動圧軸受部材14の一端面に形成した円環状の凹部44内に保持され、外部に流出することはなく、動圧軸受部材14の一端面からはみ出すこともないから、動圧軸受部材14とベースプレート10との接合に不具合を生じることはないし、動圧軸受装置の薄型化の障害となることもない。
【0032】
カバー22を接着する接着剤46の液面はカバー22で覆われた動圧軸受部材14の端面位置よりも低くなっていて、動圧軸受部材14の端面位置よりも凹部44の底側にあるため、軸受内部に接着剤が流入することがなく、接着剤と回転軸16とが干渉することはない。
【0033】
図1、図2に示す実施形態は、カバー22の折り曲げ縁部221の内周面が、動圧軸受部材14の上記凹部44の内周側の面に接触しているものとして説明したが、図5に示す実施形態のように、カバー22の折り曲げ縁部221の内周面と上記凹部44の内周側の面との間に隙間aがあっても差支えない。ただし、この隙間aは、カバー22の折り曲げ縁部221と上記凹部44の外周側の面との間に生じる隙間bよりも小さいことを条件とする。その理由は、毛細管力による接着剤の浸透力は隙間が小さい方が大きいからである。すなわち、隙間の小さい上記カバー22の折り曲げ縁部221の内周面と上記凹部44の内周側の面との隙間aに、より大きい浸透力で接着剤46が浸透し、接合部に流入する接着剤46の長さを確実に長くして、接合強度を高めることができるからである。
【0034】
次に、参考例にかかる動圧軸受装置の製造方法、特に、本発明の構造上の特徴であるカバー22と動圧軸受部材14との接合部の組立方法について、図4を参照しながら説明する。まず、図4(a)に示すように、動圧軸受部材14を上下反転させて、カバー装着側が上になる姿勢にし、動圧軸受部材14の一端面すなわち図4(a)において上端面にカバー22を被せる。カバー22は周壁221を有する偏平なカップ状をしており、動圧軸受部材14の凹部44の内周側壁面に沿ってカバー22の周壁221を凹部44内に進入させる。
【0035】
次に、図4(b)に示すように、接着剤塗布装置のニードル62の先端を上記凹部44に向け、動圧軸受部材14を回転させながら、またはニードル62を移動させながら上記凹部44に接着剤46を充填する。これによって、カバー22の周囲がシールされる。この状態において、図4(c)に示すように、カバー22の上に錘64を載せ、この状態で接着剤46を硬化させる。
【0036】
次に、図3に示す別の実施形態について説明する。この実施形態が図1、図2に示す実施形態と異なる点は、カバー22の周壁221に続き周壁221の端縁部が外方に向かって直角に折り曲げられることによって鍔部222が形成されていることである。そして、この鍔部222が、動圧軸受部材14の前記凹部44内にあり、凹部44に充填された接着剤46で上記鍔部222が動圧軸受部材14に接着固定されている。この実施形態によれば、動圧軸受部材14へのカバー22の接着面積を広くすることができ、カバー22をより強固に固定することができる。
【0037】
図示の実施形態はいずれもアウターロータ型であったが、本発明はインナーロータ型にも適用することができる。本発明にかかる動圧軸受装置は、ディスク駆動装置だけでなく、各種回転体駆動装置の動圧軸受装置として用いることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、回転軸挿入孔が開口している動圧軸受部材の一端面に、開口部の周囲に円周方向に連続して軸方向に窪んだ凹部が形成され、外周縁が軸方向に折り曲げられて折り曲げ縁部が形成されたカバーの上記折り曲げ縁部が上記凹部内に延び出し、この凹部には接着剤が充填されて、カバーの折り曲げ縁部が凹部内において接着剤で動圧軸受部材に接着され、動圧軸受部材の一端部がカバーで閉鎖されているため、カバーと動圧軸受部材との接合面積を大きくすることができ、接合強度を高めることができる。
【0039】
また、上記のように構成することにより、ラジアル動圧軸受を配置することができる軸方向のスパンを、動圧軸受部材の軸方向長さのほぼ全長とすることができ、ラジアル方向の軸受剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる動圧軸受装置の実施形態を示す断面図である。
【図2】上記実施形態の主要部を拡大し上下反転して示す断面図である。
【図3】本発明にかかる動圧軸受装置の別の実施形態を拡大し上下反転して示す断面図である。
【図4】参考例にかかる動圧軸受装置の製造方法の例を工程順に示す断面図である。
【図5】本発明にかかる動圧軸受装置のさらに別の実施形態を拡大し上下反転して示す断面図である。
【図6】本発明に至る前に構想されていた動圧軸受装置の一例を示す断面図である。
【図7】本発明に至る前に構想されていた動圧軸受装置の別の例を示す断面図である。
【図8】本発明に至る前に構想されていた動圧軸受装置のさらに別の例を示す断面図である。
【図9】本発明に至る前に構想されていた動圧軸受装置のさらに別の例を示す断面図である。
【図10】本発明に至る前に構想されていた動圧軸受装置のさらに別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
14 動圧軸受部材
16 回転軸
20 回転部材
22 カバー
26 ラジアル動圧軸受
44 凹部
46 接着剤
221 折り曲げ縁部

Claims (4)

  1. 動圧軸受部材およびこの動圧軸受部材に対して回転する回転軸と、
    この回転軸と動圧軸受部材との間の微小隙間に介在する潤滑流体と、
    この潤滑流体の介在のもとに上記回転軸と動圧軸受部材とのラジアル方向対向面間に形成されたラジアル動圧軸受と、
    回転軸挿入孔が開口している上記動圧軸受部材の一端面を閉鎖するカバーとを有する動圧軸受装置であって、
    少なくとも上記回転軸の外周面と上記動圧軸受部材の内周面との間、および上記回転軸の一端側と当該一端側と対向する上記カバー部材の他端側との間にはそれぞれ隙間が形成され、これらの隙間は互いに連通しており、且つこれらの隙間には上記潤滑流体が途切れることなく連続して充填されており、
    回転軸挿入孔が開口している上記動圧軸受部材の一端面には、当該一端面から他端側へ窪む凹部が形成され、凹部は、凹部内周面及び凹部外周面を有し、
    上記カバーの外周縁は軸方向に折り曲げられて上記凹部内に延びる折り曲げ縁部が形成され、上記折り曲げ縁部は、縁部内周面と縁部外周面とを有し、
    上記凹部には接着剤が充填され、
    上記カバーの折り曲げ縁部の縁部内周面は、上記動圧軸受部材の凹部内周面との間に隙間があり、この隙間は、上記縁部外周面と上記凹部の外周面との間の隙間よりも小さいことを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 請求項1記載の動圧軸受装置において、
    上記カバーの折り曲げ縁部が径方向外方に向かって折り曲げられることによって鍔部が形成されており、
    上記鍔部は上記動圧軸受部材の凹部内にあり、
    上記凹部に充填された接着剤で上記鍔部が上記動圧軸受部材に接着固定されていることを特徴とする動圧軸受装置。
  3. 請求項1又は2に記載の動圧軸受装置において、
    上記カバーを接着する上記接着剤の接着剤が硬化した後の表面は上記凹部内に位置することを特徴とする動圧軸受装置。
  4. 請求項1乃至3に記載の動圧軸受装置において、
    上記動圧軸受部材の内周面にはラジアル動圧発生用溝が形成されており、
    上記動圧軸受部材の凹部は上記ラジアル動圧発生用溝の径方向外側に形成されていることを特徴とする動圧軸受装置。
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