JP2005337295A - 円錐型動圧軸受装置およびモータならびにディスク駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 円錐型(コニカル型)動圧軸受装置の潤滑流体DFどうしを離間維持する分離空気層SSの大気開放手段AGを容易な加工で形成し、シャフト12の剛性低下を低減することを可能とする。
【解決手段】 2箇所の傾斜軸受空間CB,CBの各々に独立して充填した潤滑流体DFを軸方向に分離して保持する分離空気層SSおよびコニカル動圧軸受部CBを大気側に連通させる大気開放手段を、シャフト12と軸側円錐ブッシュ15との接合面12a,15aの少なくとも一方側に設けた大気開放溝AGから形成して、比較的容易な溝加工を施すのみで大気開放溝AGからなる大気開放手段を効率的に形成するとともに、シャフト12の剛性を向上させるように構成したもの。
【選択図】 図2

Description

本発明は、略円錐形状の動圧面を有する軸側円錐ブッシュと軸受スリーブとを潤滑流体の動圧力により相対浮上させつつ非接触で回転支持させるように構成された円錐型動圧軸受装置およびモータならびにディスク駆動装置に関する。
近年、各種回転体を高速回転下で安定して支持することができるようにした動圧軸受装置の開発が進められているが、円錐型(コニカル型)動圧軸受装置においては、例えば図5に示されているように、シャフト1の外周側に軸方向に沿って2体の軸側円錐ブッシュ2,2が挿通されて固定されているとともに、それら2体の軸側円錐ブッシュ2,2の外周側に軸受スリーブ3が相対回転可能に装着されている。そして、それら2体の軸側円錐ブッシュ2,2の外周面の各々には、2箇所の軸側傾斜動圧面が略円錐形状をなすように形成されているとともに、前記軸受スリーブ3の内周面には、同じく略円錐形状の軸受側傾斜動圧面が2箇所形成されており、これらの軸側傾斜動圧面と軸受側傾斜動圧面とが互いに面対向するように配置されていることによって、2箇所の略円錐形状の傾斜軸受空間からなるコニカル動圧軸受部CB,CBがそれぞれ形成されている。
これら2箇所のコニカル動圧軸受部CB,CBに各々設けられた略円錐形状の傾斜軸受空間内には、オイル等の適宜の潤滑流体が充填されているとともに、上述した軸側円錐ブッシュ2および軸受スリーブ3の両傾斜動圧面の少なくとも一方側には、適宜の形状の凹溝構造等からなる動圧発生手段が設けられていて、軸側円錐ブッシュ2,2と軸受スリーブ3とが相対回転された時に、前記動圧発生手段によって潤滑流体を加圧して動圧力を発生させ、その潤滑流体の動圧力を利用して、軸側円錐ブッシュ2,2と軸受スリーブ3とをラジアル方向およびスラスト方向の双方に相対的に浮上させ、それら両部材どうしを非接触で回転支持させる構成になされている(例えば、下記特許文献1〜2参照)。
ここで、図5に示されている円錐型(コニカル型)動圧軸受装置では、2箇所の各コニカル動圧軸受部CB,CBに充填されたオイル等の適宜の潤滑流体が分離空気層4を挟んで軸方向に離間した状態でそれぞれ独立に充填されており、その分離空気層4が介在されていることによって各コニカル動圧軸受部CB,CB内の潤滑流体どうしが互いに混合することのないよう維持されている。
そして、このように2箇所のコニカル動圧軸受部CB,CB内の潤滑流体どうしが分離空気層4で離間された構造を有するものにおいては、環境温度の上昇などによって分離空気層4内の空気が膨張した場合に、当該膨張空気によって上記各コニカル動圧軸受部CB,CB内の潤滑流体が軸受外方側に向かって押し出されていき、潤滑流体の外部漏れを発生するおそれがある。そこで、従来から、シャフト1の中心部分を軸方向(図示上下方向)に貫通するようにして大気開放孔5を形成しておき、その大気開放孔5と分離空気層4とを、半径方向外方に延びる軸直交穴5aにより連通させることによって上記分離空気層4を軸受外方の大気側に開放可能とし、分離空気層4内で膨張した空気を大気に向かって放出させることにより圧力調整を可能にした構造がしばしば採用されている。
また、上述した軸側円錐ブッシュ2,2の各々に対しても、大気開放穴6が傾斜動圧面に沿った斜め方向に貫通するように設けられている。これらの各大気開放穴6は、前記分離空気層4とコニカル動圧軸受部CBとの連通路に開口しているとともに、そこから前記コニカル動圧軸受部CBの延在方向と略平行に傾斜して延び、その大気開放穴6の延出端部が大気側に開口するように設けられているものであって、コニカル動圧軸受部CB内の圧力調整を可能としている。
しかしながら、モータのようにシャフト1が長尺状になったり、全体の小径化が図られてくると、その分、上述した大気開放孔5をシャフト1に貫通する加工が困難になってくる。また、小径のシャフト1に大気開放孔5を貫通形成することによって、当該シャフト1における剛性の低下が顕著になり、衝突などの外乱による振動が増大して回転時における振れ回りなどの振動特性を低下させるおそれがある。
さらに、モータの小型化に伴い、各軸側円錐ブッシュ2に対して大気開放穴6を斜め方向に貫通するように形成することも、比較的難しい加工となることから生産性低下の原因になっている。
特開2003−269445 特開2002−5171
そこで本発明は、潤滑流体どうしを離間維持する分離空気層およびコニカル動圧軸受部の大気開放手段を容易な加工で形成することができるとともに、シャフトの剛性低下を低減することができるようにした円錐型動圧軸受装置およびモータならびにディスク駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項1にかかる円錐型動圧軸受装置では、2箇所のコニカル動圧軸受部の各々に独立して充填された潤滑流体を軸方向に分離して保持する分離空気層およびコニカル動圧軸受部を大気側に連通させる大気開放手段が、シャフトおよび軸側円錐ブッシュの接合面の少なくとも一方側に、前記分離空気層から軸受外方に向かって延在するように凹設された大気開放溝から構成され、その大気開放溝の軸方向一端部が、前記コニカル動圧軸受部と前記分離空気層との連通路内に開口する一方、当該大気開放溝の軸方向他端部は、前記シャフトまたは前記軸側円錐ブッシュの軸受外方側端部において大気側に開口し、前記分離空気層が、少なくとも回転駆動時において前記大気開放溝を通して大気側に連通されるように構成されている。
このような構成を有する請求項1にかかる円錐型動圧軸受装置によれば、シャフトの外周面または軸側円錐ブッシュの内周面に対して比較的容易な溝加工を施すことによって大気開放溝からなる大気開放手段が効率的に形成される。
また、その大気開放溝は、軸方向の一部のみに比較的短い長さで形成すればよく、しかも、従来のような貫通孔と同一の断面積の大気開放溝を形成した場合には、シャフトの剛性低下が低減されることとなるため、その分、シャフトの剛性が高められるようになっている。特に、軸側円錐ブッシュ側に大気開放溝が設けられる場合には、シャフト側に大気開放手段が形成されないため、当該シャフトの剛性は最大に高められる。
また、本発明の請求項2にかかる円錐型動圧軸受装置では、請求項1における大気開放溝の溝深さが、傾斜軸受空間の対向隙間より大きい隙間を形成するように設定されていることから、大気開放溝の毛細管力に基づく潤滑流体の吸出し現象が抑制されるようになっている。
さらに、本発明の請求項3にかかる円錐型動圧軸受装置では、請求項1における大気開放溝の軸方向途中部分に、拡大空間からなる貯留部が設けられていることから、大気開放溝を通して大気側に漏れ出そうとする潤滑流体が貯留部内に蓄えられることとなり、それによって潤滑流体の外部漏れが防止されるようになっている。
さらに、本発明の請求項4にかかる円錐型動圧軸受装置では、請求項3における貯留部の内壁面であって分離空気層側の部位に、当該貯留部の内部空間を軸受外方に向かって連続的に拡大するテーパシール面が形成されていることから、大気開放溝を通して大気側に漏れ出そうとする潤滑流体が、貯留部のテーパシール面に生成されるシール作用によって軸受内方側に押さえ込まれ、潤滑流体の外部漏れが防止されるようになっている。
さらにまた、本発明の請求項5にかかる円錐型動圧軸受装置では、請求項1における大気開放溝の内壁面、およびそれに対向する部材の内壁面の少なくとも一方側に、潤滑流体の這い上がりを防止する撥油剤が塗布されていることから、大気開放溝を通して大気側に漏れ出そうとする潤滑流体が、撥油剤による濡れ拡張性の低減作用によって外部漏れを防止されるようになっている。
一方、本発明の請求項6にかかるモータでは、請求項1ないし請求項5までのいずれかに記載された円錐型動圧軸受装置を備え、また本発明の請求項7にかかるディスク駆動装置では、請求項6におけるモータと、そのモータのロータに搭載された情報記録ディスクと、その情報記録ディスクに対して情報を記録または再生する記録ヘッドとを含むことから、上述した円錐型動圧軸受装置と同様な作用が得られる。
以上説明したように、本発明にかかる円錐型動圧軸受装置およびモータならびにディスク駆動装置は、2箇所の傾斜軸受空間の各々に独立して充填した潤滑流体を軸方向に分離して保持する分離空気層およびコニカル動圧軸受部を大気側に連通させる大気開放手段を、シャフトと軸側円錐ブッシュとの接合面の少なくとも一方側に設けた大気開放溝から構成したことにより、比較的容易な溝加工を施すのみで大気開放溝からなる大気開放手段を効率的に形成可能かつシャフトの剛性を向上させることを可能としたものであるから、円錐型動圧軸受装置の生産性を向上させつつ軸受特性を高めることができるという顕著な効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明することとするが、それに先立って、まず本発明を適用した円錐型(コニカル型)動圧軸受装置を備えたハードディスク駆動装置(HDD)用のスピンドルモータの概略構造を説明しておく。
図1に示されている軸固定/アウターロータ型のスピンドルモータの全体は、固定部材としてのステータ組10と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付けられた回転部材としてのロータ組20とを備えた構成になされている。
このうちステータ組10は、図示を省略したハードディスク駆動装置(HDD)の本体プレートにネジ止めされるベースフレーム11を有しており、そのベースフレーム11の略中央部分に、外径約φ3mmのステンレス(SUS)材からなる固定シャフト12の根本部分が、圧入や焼き嵌め等などの締まり嵌め状態で挿通されて固定されている。また、その固定シャフト12からやや離れた周囲には、上記ベースフレーム11の図示上側の表面から軸方向に所定量だけ突出したリング状部材からなるステータホルダー13が前記固定シャフト12の周囲を環状に取り囲むように設けられている。
さらに、上記ステータホルダー13の外周面には、電磁鋼板等の積層体からなるステータコア14の内径リング部14aが圧入や焼き嵌め等などの締まり嵌めによって挿通され固定されているとともに、そのステータコア14の内径リング部14aからは複数本の突極部14bが外方に向かって放射状に突出するように設けられていて、それらの各突極部14bに対してステータコイル14cが巻回されている。
一方、上述した固定シャフト12の図示上方側突出部分には、2体の軸側円錐ブッシュ15,15が軸方向に適宜の間隔だけ離して挿通されて固定されている。図2にも示されているように、それらの各軸側円錐ブッシュ15の各々を軸方向に貫通するように設けられた中心固定穴の内周面15aは、上述した固定シャフト12の外周面12aに対して、圧入や焼き嵌め等などの締まり嵌めにより挿通されて接合されており、それらの各軸側円錐ブッシュ15における中心穴の内周面15aと、前記固定シャフト12の外周面12aとは、締まり嵌めにおける接合面をそれぞれ形成している。
これら固定シャフト12および軸側円錐ブッシュ15の詳細な構造については後述することとするが、上記2体の軸側円錐ブッシュ15,15どうしは軸方向において互いに上下対称の位置関係となるように配置されていて、それら2体の軸側円錐ブッシュ15,15の各外周面に、略円錐状の周面形状の各々が軸受外方側に向かって外径が拡大するように形成されている。そして、それら2体の軸側円錐ブッシュ15,15の外周面の各々には、軸側傾斜動圧面15b,15bがそれぞれ略円錐形状をなすように形成されている。これらの軸側傾斜動圧面15b,15bに対しては、次に説明する軸受スリーブ21に設けられた同じく略円錐形状の軸受側傾斜動圧面21aが外周側から面対向するように配置されている。
すなわち、上述した2体の軸側円錐ブッシュ15,15の外周側には、ロータ組20を構成する軸受スリーブ21が回転自在に装着されている。この軸受スリーブ21は、略円筒状のステンレス(SUS)材から構成されているが、加工を容易化する場合にはリン青銅などの銅系材料から形成される。そして、その軸受スリーブ21の中心位置には、軸方向両端に開口する軸受用中心孔が軸方向に貫通するように形成されていて、当該軸受用中心孔の内周面に、略円錐形状をなす軸受側傾斜動圧面21a,21aが軸方向に離して2箇所形成されている。
それらの両軸受側傾斜動圧面21a,21aは、上述した2体の軸側円錐ブッシュ15,15に各々設けられた2箇所の軸側傾斜動圧面15b,15bに対して、外周側から近接した面対向の配置関係になされており、それらの互いに面対向する両傾斜動圧面15b,21aどうしの間に、微小隙間からなる傾斜軸受空間がそれぞれ形成されるようになっている。そして、それら2箇所の傾斜軸受空間の各々によってコニカル動圧軸受部CB,CBがそれぞれ形成されている。
これら2箇所のコニカル動圧軸受部CB,CBどうしは、軸方向に適宜の間隔だけ離して配置されていて、それらの各コニカル動圧軸受部CBを形成している軸受側傾斜動圧面21aと軸側傾斜動圧面15bとは、回転駆動時において約数μmのギャップからなる傾斜軸受空間を形成するように構成されている。そして、その傾斜軸受空間を含む軸受空間内に、例えばエステル系あるいはポリαオレフィン系の潤滑性オイル等の潤滑流体DFが注入され充填されている。
このとき、上述した2箇所のコニカル動圧軸受部CB,CBの傾斜軸受空間の各々に充填された潤滑流体DFどうしは、互いに独立した状態となるように注入されており、上記2箇所のコニカル動圧軸受部CB,CBに充填された潤滑流体DFどうしは、分離空気層SSを介して軸方向に離間された状態に維持されている。この分離空気層SSは、大気開放手段よって大気側に連通されているが、その点については本願発明の要部であるので、後段において詳述することとする。
一方、上述した軸受スリーブ21および軸側円錐ブッシュ15における両傾斜動圧面21a,15bの少なくとも一方側には、図示を省略した例えば、ヘリングボーン形状の凹溝構造を有する動圧発生手段が軸方向に2ブロックに分かれて凹設されており、上記軸受スリーブ21の回転駆動時に、それらの各動圧発生用溝のポンピング作用によって上述した潤滑流体DFが加圧されて動圧力を生じ、その潤滑流体DFの動圧力によって軸受スリーブ21側が軸側円錐ブッシュ15側からラジアル方向およびスラスト方向の双方に相対的に浮上して非接触状態にて保持されることとなり、それによって軸受スリーブ21、およびその軸受スリーブ21に固着された後述の回転ハブ体22が回転自在に支持されるようになっている。
また、上述した軸受スリーブ21の軸方向両端面(図示上下端面)には、漏れ止めカバー23,23の基板部がそれぞれ固着されている。それらの各漏れ止めカバー23は、上述した各軸側円錐ブッシュ15の軸端部分の外周面に対して適宜のシール隙間を形成するように近接して配置されているが、そのとき、上記軸側円錐ブッシュ15の軸端側外周面は、軸受外方に向かって軸中心側に急角度で傾斜するように延在している。一方、その軸側円錐ブッシュ15の急傾斜角度に対して、上述した各漏れ止めカバー23は、それよりもやや緩い傾斜角度を有して延在しており、それら両部材23,15どうしの間の傾斜角度の相違によって、上述したシール隙間が軸受外方側に向かって連続的に拡大するように形成されている。そして、このようなシール隙間によって潤滑流体DFの毛細管力と回転遠心力の双方を利用して潤滑流体DFを保持する複合流体シール部FSが形成されている。
また、上述した漏れ止めカバー23,23の最外端部分は、前記固定シャフト12側に向かって折れ曲げられており、当該各漏れ止めカバー23の内端部分23aが、軸中心側の径方向に適宜の寸法にわたって突出する形状になされている。
一方、上述した軸側円錐ブッシュ21とともにロータ組20を構成している回転ハブ体22は、図示を省略した磁気ディスク等の各種の情報記録媒体ディスクを搭載可能とする略カップ状のアルミ部材から形成されており、上記軸受スリーブ21の外周側に圧入や焼き嵌め等などの締まり嵌めによって挿通され固定されている。このときの情報記録媒体ディスクは、上記回転ハブ体22の外周側部分に設けられた環状胴部22aの外周面に対して軸方向に挿通され、その環状胴部22aの図示下端側から半径方向外方側に向かって張り出すように形成されたディスク搭載面22b上に上記情報記録媒体ディスクが載置されるようになっている。
また、上述した固定シャフト12の軸中心位置には、ディスク固定穴12bが穿設されており、そのディスク固定穴12b内に螺着された固定ネジ(図示省略)の締め付け力により固定されたクランパ(図示省略)の図示下方側への押圧力によって、上記ディスク搭載面22bに対して情報記録媒体ディスクが軸方向(図示下方向)に押し付けられ、不動状態に維持されるようになっている。
さらに、上記回転ハブ体22におけるディスク搭載面22bの最外周縁部には、磁性部材からなる環状ヨーク22cを介して、周方向に一定間隔でNS交互に着磁が施された円筒状のロータマグネット22dが取り付けられており、それによってロータ部が構成されている。上記ロータマグネット22dは、上述したステータコア14の各突極部14bの外周面に対して半径方向外方から近接して環状に対向するように配置されている。
次に、本発明の要部、すなわち、前述した2箇所の両コニカル動圧軸受部CB,CBどうし間に挟まれるようにして配置された分離空気層SSおよびコニカル動圧軸受部CBの大気開放手段の構成を図2および図3に基づいて説明する。
前述したように2体の軸側円錐ブッシュ15,15の中心固定穴の内周面15a、および固定シャフト12の外周面12aは、当該両部材15,12どうしの圧入や焼き嵌め等の締まり嵌めにおける接合面にそれぞれ形成されているものであるが、それらの両接合面のうちの固定シャフト12側の接合面である外周面12aには、大気開放手段としての大気開放溝AGが形成されている。この大気開放溝AGは、前述した分離空気層SSから図2の上方側の軸受外方側に向かって軸方向に延在する横断面略半円状の凹溝から形成されている。なお、図2においては、図示上側の軸側円錐ブッシュ15の配置部位に設けられた大気開放溝AGのみを示しているが、図示下側の軸側円錐ブッシュ15の配置部位に対しても、同様な構成の大気開放溝AGが図示下側の軸受外方側に向かって延在するように形成されている。
この大気開放溝AGは、前記固定シャフト12の軸受外方側の外端部(図2の上端部)において大気側に開口するように設けられているとともに、当該大気開放溝AGの軸受内方側の内端部分(図2の下端部分)には、潤滑流体または空気を貯留する拡大空間からなる貯留部AG1が形成されており、その貯留部AG1の図示下端部が、前記コニカル動圧軸受部CBと分離空気層SSとの連通路AG2に連通している。そして、図2に示された回転駆動時に潤滑流体がコニカル動圧軸受部CB側に移動することによって前記分離空気層SSを大気側に連通させ、当該分離空気層SS内で膨張した空気を、前記連通路AG2、貯留部AG1および大気開放溝AGを通して大気側に開放する構成になされている。
一方、回転停止時においては、潤滑流体DFの気液界面が内外両方向に移動していくことから、図2中の一点鎖線で示されているように、大気開放溝AGの貯留部AG1の内部、連通路AG2および分離空気層SSの内部、ならびに複合流体シール部FSの内部にそれぞれ潤滑流体DFが流入していき、それらの3箇所に形成される気液界面A,B,Cを有する潤滑流体DFによって、上記大気開放溝AGが閉塞状態になされる。
このときの上記大気開放溝AGの溝深さは、例えば0.3mm程度となるように設定されている。すなわち、前述した各コニカル動圧軸受部CBを構成している傾斜軸受空間の回転駆動時におけるギャップ値よりもやや大きい隙間寸法となるように設定されていることによって、上記大気開放溝AGに生成される毛細管力により潤滑流体DFの吸出し現象が抑制されるようになっている。
また、上述した大気開放溝AGの軸方向途中部分の内端部分に設けられている貯留部AG1を形成している内壁面のうち、前記連通路AG2および分離空気層SS側に接続されている部位には、上記連通路AG2および分離空気層SS側から大気側(図示上側)に向かって当該貯留部AG1の内部空間を連続的に拡大するテーパシール面TSが形成されており、上記大気開放溝AGを通して外気側に漏れ出そうとする潤滑流体DFが、そのテーパシール面TSに生成されるシール作用によって軸受内方側に押さえ込まれ、潤滑流体DFの外部漏れが防止されるようになっている。
さらに、このような大気開放溝AGの内壁面と、それに対面する軸側円錐ブッシュ15の中心固定穴の内周面15aとの少なくとも一方側には、潤滑流体DFの這い上がりを防止するための撥油剤が適宜の部位に塗布されていて、上述した大気開放溝AGを通して大気側に漏れ出そうとする潤滑流体DFが、上記撥油剤による濡れ拡張性の低減作用によって外部漏れが防止されるようになっている。
以上述べたように本実施形態では、固定シャフト12の外周面に対して比較的容易な溝加工を施すことによって大気開放溝AGからなる大気開放手段が効率的に形成されるようになっている。また、その大気開放溝AGは、固定シャフト12の軸受外方側の端部から分離空気層SSに至るまで軸方向の一部に短い長さで形成されればよく、しかも従来の貫通孔と同一の断面積を有する大気開放溝AGを形成した場合には、固定シャフト12の剛性の低下が低減されることとなるため、その分、固定シャフト12の剛性が高められるようになっている。
一方、前述した実施形態におけるハードディスク駆動装置(HDD)用スピンドルモータは、例えば図4に示されているようなハードディスク駆動装置(HDD)の内部に装着されて使用されて、同様な作用・効果が得られる。
すなわち、同図に示されているように、上述した各実施形態にかかるスピンドルモータMは、密閉状のハウジング100を構成している本体プレート100aに固定されることによって使用され、そのスピンドルモータM含むハウジング100の内部空間は、前記本体プレート100aに嵌合する密閉蓋100bによって清浄空間100cに形成されている。前記スピンドルモータMのロータハブ(図1中の符号22参照)には、ハードディスク等の情報記録ディスク101が搭載されているとともに、前記回転ハブに対して螺子102により固着されたクランプ103によって、前記情報記録ディスク101が不動状態に保持される。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもない。
例えば上述した実施形態では、大気開放手段としての大気開放溝AGを固定シャフト12側の接合面に設けているが、軸側円錐ブッシュ側の接合面またはそれらの双方の接合面に大気開放溝を設けることが可能である。そして、特に軸側円錐ブッシュ側に大気開放溝が設けられる場合には、シャフト側に大気開放手段が形成されないため、当該シャフトの剛性は最大に高められることとなる。
さらに、上述した実施形態では、大気開放手段としての大気開放溝AGを1箇所のみ設けているが、例えば中心角度で180°をなす反対側の部位に2箇所設けても良いし、また中心角度で120°等配の3箇所に設けることも可能である。また4箇所以上にわたって設けることもできる。
さらにまた、上述した各実施形態は、ハードディスク駆動装置(HDD)に対して本発明を適用したものであるが、本発明はそれに限定されるものではなく、他の多種多様な装置に用いられるディスク装置、その他の各種モータに対しても同様に適用することができるものである。
以上述べた本発明は、各種モータを始めとして多種多様な回転駆動装置に用いられる円錐型動圧軸受装置に対して広く採用することが可能である。
本発明を適用した円錐型動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。 図1に示されたHDD用スピンドルモータに用いられている図示上側のコニカル動圧軸受部を拡大して表した縦断面説明図である。 図2中のIII−III線に沿った横断面説明図である。 本発明にかかる動圧軸受装置を備えたスピンドルモータを使用したディスク駆動装置の概略構造例を表した縦断面説明図である。 従来の円錐型動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD用スピンドルモータの概要を表した縦断面説明図である。
符号の説明
12 固定シャフト
12a 固定シャフトの外周面(接合面)
14 ステータコア
14b 突極部
15 軸側円錐ブッシュ
15a 中心固定穴の内周面(接合面)
15b 軸側傾斜動圧面
21 軸受スリーブ
21a 軸受側傾斜動圧面
22 回転ハブ体
22b ディスク搭載面
22d ロータマグネット
23 漏れ止めカバー
CB コニカル動圧軸受部
SS 分離空気層
FS 複合流体シール部
DF 潤滑流体
AG 大気開放溝(大気開放手段)
AG1 貯留部
AG2 連通路
TS テーパシール面
M スピンドルモータ
100 ハウジング
101 情報記録ディスク

Claims (7)

  1. シャフトの外周側に軸方向に沿って挿通され、接合面において当該シャフトと接合された2体の軸側円錐ブッシュと、それら2体の軸側円錐ブッシュの外周側に相対回転可能に装着された軸受スリーブとを有し、
    前記2体の軸側円錐ブッシュの外周面の各々に略円錐形状をなすように形成された2箇所の軸側傾斜動圧面と、前記軸受スリーブの内周面に2箇所形成された略円錐形状の軸受側傾斜動圧面とが互いに面対向するように配置されていることにより、2箇所の略円錐形状の傾斜軸受空間からなるコニカル動圧軸受部が形成され、
    それら2箇所のコニカル動圧軸受部の傾斜軸受空間の各々には、潤滑流体が分離空気層を挟んで軸方向に離間した状態でそれぞれ独立に充填され、かつ
    前記分離空気層およびコニカル動圧軸受部が、当該分離空気層およびコニカル動圧軸受部から軸受外方に向かって延在する大気開放手段を介して大気側に連通された構成を有する円錐型動圧軸受装置において、
    前記大気開放手段は、前記シャフトおよび軸側円錐ブッシュの前記接合面の少なくとも一方側に、前記分離空気層から軸受外方に向かって延在するように凹設された大気開放溝から構成され、
    その大気開放溝の軸方向内端部が、前記コニカル動圧軸受部と前記分離空気層との連通路内に開口する一方、当該大気開放溝の軸方向外端部は、前記シャフトまたは前記軸側円錐ブッシュの軸受外方側端部において大気側に開口し、
    前記分離空気層が、少なくとも回転駆動時において前記大気開放溝を通して大気側に連通されるように構成されていることを特徴とする円錐型動圧軸受装置。
  2. 前記大気開放溝の溝深さが、前記傾斜軸受空間の対向隙間より大きい隙間を形成するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の円錐型動圧軸受装置。
  3. 前記大気開放溝における軸方向の途中部分に、拡大空間からなり、前記潤滑流体または空気を貯留する貯留部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の円錐型動圧軸受装置。
  4. 前記貯留部の内壁面であって前記分離空気層側の部位に、当該貯留部の内部空間を軸受外方に向かって連続的に拡大するテーパシール面が形成されていることを特徴とする請求項3記載の円錐型動圧軸受装置。
  5. 前記大気開放溝の内壁面、およびそれに対向する部材の内壁面の少なくとも一方側に、前記潤滑流体の這い上がりを防止する撥油剤が塗布されていることを特徴とする請求項1記載の円錐型動圧軸受装置。
  6. 請求項1ないし請求項5までのいずれかに記載された円錐型動圧軸受装置を備えていることを特徴とするモータ。
  7. 請求項6に記載のモータと、そのモータのロータに搭載された情報記録ディスクと、その情報記録ディスクに対して情報を記録または再生する記録ヘッドとを含むことを特徴とするディスク駆動装置。
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