JP2001182741A - スラスト動圧軸受装置及びその製造方法 - Google Patents

スラスト動圧軸受装置及びその製造方法

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JP2001182741A
JP2001182741A JP36893499A JP36893499A JP2001182741A JP 2001182741 A JP2001182741 A JP 2001182741A JP 36893499 A JP36893499 A JP 36893499A JP 36893499 A JP36893499 A JP 36893499A JP 2001182741 A JP2001182741 A JP 2001182741A
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thrust plate
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English (en)
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Masato Gomyo
五明  正人
Masayoshi Seichi
正義 齋地
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で、スラストプレート23の変形
を良好に防止し、好適なスラスト動圧特性を長期にわた
って維持することを可能とする。 【解決手段】 スラストプレート23の固定用孔23a
の軸方向部分に設けた両面取り部Ca,Cbの軸方向長
さLa,Lb及び半径方向長さRa,Rbどうしの関係
を適宜に規定したものであって、上記両面取り部Ca,
Cbにおける軸方向及び半径方向の各寸法どうしを互い
に2倍の範囲内の寸法関係となるように設定することに
より、軸部材21に対するスラストプレート23の接合
力を軸方向に沿って均等に振り分け、スラストプレート
23の変形を動圧特性に影響しない程度の微少量に抑え
るように構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の潤滑流体の
動圧力によって、軸部材と軸受部材とをスラスト方向に
相対回転可能に支承させるようにしたスラスト動圧軸受
装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク、ポリゴンミラー、
光ディスク等の各種回転体を高速回転支持するための動
圧軸受装置に関する提案が種々行われている。この動圧
軸受装置のスラスト軸受部においては、例えば図7に示
されているように、軸部材1に嵌着・固定されたスラス
トプレート2側の動圧面と、スラスト軸受部材を構成す
る軸受スリーブ3及びカウンタープレート4側の動圧面
とが、所定の狭小隙間を介して軸方向に対向するように
配置されており、それらの対向隙間内に、空気やオイル
等の潤滑流体が注入されている。また、上記両対向動圧
面のうちの少なくとも一方側には、図示を省略した動圧
発生用溝等の流体加圧手段が形成されており、回転時に
おける上記流体加圧手段のポンピング作用によって潤滑
流体が加圧され、それにより生じた潤滑流体の動圧によ
って、前記軸部材1及びスラスト軸受部材3,4の両部
材どうしが、相対的に浮上した状態でスラスト方向の回
転支持が行われるようになっている。
【0003】このようなスラスト動圧軸受装置に用いら
れている前記スラストプレート2の中心部分には、固定
用孔2aが貫通するように設けられていて、その固定用
孔2aを、上記軸部材1に対して、圧入又は焼きバメな
どの挿入接合手段により挿入することによって、上記両
部材2,1どうしを固着している。つまり、上記挿入接
合手段は、前記スラストプレート2の固定用孔2aの内
壁面から、軸部材1の外表面に対して所定の圧縮応力を
作用させるものであって、上記スラストプレート2の内
部に残留する応力を半径方向中心側に向かって生じさせ
ることによって、当該スラストプレート2自身に、上記
軸部材1に対する強固な締め付け力を発生させるもので
ある。
【0004】このとき、上記スラストプレート2の固定
用孔2aを軸部材1に挿入するにあたっては、通常、上
記固定用孔2aにおける軸方向両端の開口部分に、断面
形状において直線形状又は湾曲形状の面取り部5,6を
それぞれ形成するようにしている。これらの面取り部
5,6は、上記固定用孔2aにおける両端開口部分の周
縁角部を斜めに切り落とすようにして形成されたもので
あるが、このような面取り部5,6を設けることによっ
て、上記固定用孔2aの開口面積が外方に向かって拡大
されることとなり、その結果、上記両部材1,2どうし
の挿入作業が容易に行われるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した図
7に示されているように、前記スラストプレート2の固
定用孔2aにおける軸方向両端部分に各々設けられた両
面取り部5,6どうしの相互の寸法関係が、一定以上に
相違したものになっていると、上述した圧入又は焼きバ
メなどの挿入接合手段によってスラストプレート2自身
に残留させられた圧縮応力の作用が非対称状態になって
しまい、その結果、スラストプレート2が自ら変形を起
こしてしまうことがある。そのときの変形は、上述した
面取り部5,6のうちの大きい寸法を有する方に向かっ
て、傘状又は円弧状に反り返るようにして行われる。
【0006】そして、このような原因によってスラスト
プレート2に変形を生じてしまうと、軸部材1とスラス
トプレート2との間の直角度に狂いを生じることとな
り、スラストプレート2とスラスト軸受部材3,4との
間の平行度が保てなくなって動圧特性を著しく低下させ
てしまう。また、スラスト動圧軸受部の隙間が周方向に
不均一状態となってしまうことから、動圧発生用溝等の
流体加圧手段によるポンピング力のバランスが崩れてし
まい、所定の浮上量が得られなくなるとともに、浮上に
必要な最低回転数の上昇を招き、最悪の場合には、軸受
部内で接触が発生して摩耗の進行を早め、装置寿命を短
くしてしまう。
【0007】そこで本発明は、簡易な構成で、スラスト
プレートの変形を良好に防止することができるようにし
たスラスト動圧軸受装置及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載のスラスト動圧軸受装置では、軸部材
と、この軸部材に対して固定用孔が嵌着されることによ
って固定されたスラストプレートと、上記スラストプレ
ートを軸方向に挟み込むようにして対向配置されたスラ
スト軸受部材と、これらスラストプレートとスラスト軸
受部材との対向隙間部分に形成されたスラスト動圧軸受
部内に注入された潤滑流体と、その潤滑流体に動圧を発
生させる流体加圧手段と、を備え、上記軸部材とスラス
ト軸受部材とを、前記潤滑流体に発生した動圧によって
相対回転可能に支持するスラスト動圧軸受装置におい
て、前記スラストプレートと軸部材とは、上記スラスト
プレートの固定用孔の内壁面から上記軸部材の外表面に
対して圧縮応力を作用させる挿入接合手段により固着さ
れているとともに、上記スラストプレートの固定用孔に
おける軸方向両端の開口部分には、当該開口部分の周縁
角部を切り落とした形状の面取り部Ca,Cbがそれぞ
れ形成されたものであって、前記スラストプレートにお
ける外径OD、同内径ID及び同軸方向厚さT、並び
に、上記両面取り部Ca,Cbの各々における軸方向長
さLa,Lb及び同半径方向長さRa,Rbにおける相
互の寸法関係が、OD−ID≧2T、かつLa≧0.0
1T、かつLb≧0.01T、かつRa≧0.01T、
かつRb≧0.01Tに設定されているとともに、上記
両面取り部Ca,Cbにおける寸法関係が、OD−ID
=4T/αを満足するα(但し、α≦4)に対して、L
a≦αLb、又はLb≦αLaに設定されている。
【0009】また、請求項2記載のスラスト動圧軸受装
置では、上記請求項1記載の挿入接合手段が、圧入手段
又は焼きバメ手段である。
【0010】さらに、請求項3記載のスラスト動圧軸受
装置では、上記請求項1記載の面取り部Ca,Cbは、
断面形状において直線形状又は湾曲線形状になされてい
る。
【0011】さらにまた、請求項4記載のスラスト動圧
軸受装置の製造方法では、軸部材と、この軸部材に対し
て固定用孔が嵌着されることによって固定されたスラス
トプレートと、上記スラストプレートを軸方向に挟み込
むようにして対向配置されたスラスト軸受部材と、これ
らスラストプレートとスラスト軸受部材との対向隙間部
分に形成されたスラスト動圧軸受部内に注入された潤滑
流体と、その潤滑流体に動圧を発生させる流体加圧手段
と、を備え、上記軸部材とスラスト軸受部材とを、前記
潤滑流体に発生した動圧によって相対回転可能に支持す
るスラスト動圧軸受装置の製造方法において、前記スラ
ストプレートと軸部材とを、上記スラストプレートの固
定用孔の内壁面から上記軸部材の外表面に対して圧縮応
力を作用させる挿入接合手段により固着する工程と、上
記スラストプレートの固定用孔における軸方向両端の開
口部分に、当該開口部分の周縁角部を切り落とした形状
の面取り部Ca,Cbをそれぞれ形成する工程と、を有
し、前記スラストプレートにおける外径OD、同内径I
D及び同軸方向厚さT、並びに、上記両面取り部Ca,
Cbの各々における軸方向長さLa,Lb及び同半径方
向長さRa,Rbにおける相互の寸法関係を、OD−I
D≧2T、かつLa≧0.01T、かつLb≧0.01
T、かつRa≧0.01T、かつRb≧0.01Tに設
定するとともに、上記両面取り部Ca,Cbにおける寸
法関係が、OD−ID=4T/αを満足するα(但し、
α≦4)に対して、La≦αLb、又はLb≦αLaに
設定して、製造を行うようにしている。
【0012】また、請求項5記載のスラスト動圧軸受装
置の製造方法では、上記請求項4記載のスラストプレー
トと軸部材とを挿入接合手段により固着する工程におい
て、上記挿入接合手段として、圧入又は焼きバメを採用
するようにしている。
【0013】さらに、請求項6記載のスラスト動圧軸受
装置の製造方法では、上記請求項4記載のスラストプレ
ートの固定用孔における軸方向両端の開口部分に面取り
部Ca,Cbをそれぞれ形成する工程において、上記面
取り部Ca,Cbを、断面形状において直線形状又は湾
曲線形状に形成するようしている。
【0014】このような構成を有する本発明によれば、
スラストプレートの固定用孔に設けられた面取り部C
a,Cbの軸方向長さLa,Lbどうしの寸法関係を、
適宜の範囲内に規定することによって、軸部材に対する
スラストプレートの接合力を軸方向に沿って均等に振り
分け、その結果、スラストプレートの変形の程度が、動
圧特性に影響しない範囲内の微少量に抑えられるように
している。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、それに先立って、本発明を適用するハー
ドディスク駆動装置(HDD)の全体構造を図面に基づ
いて説明しておく。
【0016】図1に示されている軸回転のHDDスピン
ドルモータの全体は、固定部材としてのステータ組10
と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付け
られた回転部材としてのロータ組20とから構成されて
いる。このうちステータ組10は、図示を省略した固定
基台側にネジ止めされた固定フレーム11を有してい
る。この固定フレーム11は、軽量化を図るためにアル
ミ系金属材料から形成されているが、当該固定フレーム
11の略中央部分に立設するようにして形成された環状
の軸受ホルダー12の内周側には、中空円筒状に形成さ
れた固定軸受部材としての軸受スリーブ13が、圧入又
は焼嵌めによって上記軸受ホルダー12に接合されてい
る。この軸受スリーブ13は、小径の孔加工等を容易化
するためにリン青銅などの銅系材料から形成されてい
る。
【0017】また、前記軸受ホルダー12の外周取付面
には、電磁鋼板の積層体からなるステータコア14が嵌
着されている。このステータコア14に設けられた各突
極部には、駆動コイル15がそれぞれ巻回されている。
【0018】さらに、上記軸受スリーブ13に設けられ
た中心孔内には、上述したロータ組20を構成する回転
軸21が回転自在に挿入されている。すなわち、上記軸
受スリーブ13の内周壁部に形成された動圧面は、上記
回転軸21の外周面に形成された動圧面に対して半径方
向に対向するように配置されており、その微小隙間部分
にラジアル動圧軸受部RBが構成されている。より詳細
には、上記ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリー
ブ13側の動圧面と、回転軸21側の動圧面とは、数μ
mの微少隙間を介して周状に対向配置されており、その
微少隙間からなる軸受空間内に、オイルや磁性流体やエ
アー等の潤滑流体が軸方向に連続するように注入されて
いる。
【0019】さらに、上記軸受スリーブ13及び回転軸
21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略し
た例えばへリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝
が、軸方向に2ブロックに分けられて環状に凹設されて
おり、回転時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピン
グ作用により潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤
滑流体の動圧によって、上記回転軸21とともに後述す
る回転ハブ22がラジアル方向に、上記軸受スリーブ1
3に対して非接触状態で軸支持される構成になされてい
る。
【0020】また、上記各ラジアル動圧軸受部RBを構
成している軸受空間の図示上端部分に、毛細管シール部
RSが配置されている。この毛細管シール部RSは、上
記回転軸21又は軸受スリーブ13側に形成された傾斜
面によって、隙間を軸受外方側に向かって徐々に拡大し
たものであって、例えば20μmから300μmに設定
されている。この毛細管シール部RSには、モータの回
転・停止のいずれの場合にも上記潤滑流体の液面が位置
するように構成されている。
【0021】さらに、上記回転軸21とともにロータ組
20を構成している回転ハブ22は、図示を省略した磁
気ディスク等の記録媒体を搭載するように、アルミ系金
属からなる略カップ状部材からなり、当該回転ハブ22
の中心部分に設けられた接合穴22dが、上記回転軸2
1の図示上端部分に対して、圧入又は焼嵌めによって一
体的に接合されている。
【0022】上記回転ハブ22は、記録媒体ディスクを
外周部に搭載する略円筒状の胴部22aを有していると
ともに、この胴部22aの図示下側の内周壁面側に、バ
ックヨーク22bを介して環状駆動マグネット22cが
取り付けられている。この環状駆動マグネット22c
は、前述したステータコア14の外周側端面に対して環
状に対向するように近接配置されている。
【0023】一方、図2にも示されているように、前記
回転軸21の図示下端側の先端部分には、円盤状のスラ
ストプレート23が固着されている。このスラストプレ
ート23は、上述した軸受スリーブ13の図示下端側の
中心部分に凹設された円筒状の窪み部内に収容されるよ
うにして配置されていて、その軸受スリーブ13の窪み
部内において、上記スラストプレート23の図示上側面
に設けられた動圧面が、軸受スリーブ13に設けられた
動圧面に対して、軸方向に近接するように対向配置され
ている。そして、その両対向動圧面のうち少なくとも一
方側には、通常のようにして動圧発生溝が形成されてい
て、それらスラストプレート23及び軸受スリーブ13
の両動圧面どうしの対向隙間部分に、上側のスラスト動
圧軸受部SBaが形成されている。
【0024】さらにまた、上記スラストプレート23の
図示下側の動圧面に近接するようにして、比較的大径の
円盤状部材からなるカウンタープレート16が配置され
ている。このカウンタープレート16は、上記軸受スリ
ーブ13の下端側開口部分を閉塞するように固着されて
おり、当該カウンタープレート16の図示上面側に設け
られた動圧面と、上述したスラストプレート23の図示
下側の動圧面との間の近接対向隙間部分にも、通常のよ
うに動圧発生溝が形成されていることによって、下側の
スラスト動圧軸受部SBbが形成されている。
【0025】上述したように軸方向に隣接して配置され
た一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbを構成して
いるスラストプレート23側の両動圧面と、それに対向
する軸受スリーブ13及びカウンタープレート16側の
両動圧面とは、それぞれ数μmの微少隙間を介して軸方
向に対向配置されているとともに、その微少隙間からな
る軸受空間内に、オイルや磁性流体やエアー等の潤滑流
体が、前記スラストプレート23の外周側通路を介して
軸方向に連続するように注入されている。
【0026】さらに、上記スラストプレート23の動圧
面と、軸受スリーブ13及びカウンタープレート16の
動圧面との少なくとも一方側には、例えば図3に示され
ているようなへリングボーン形状のスラスト動圧発生用
溝DGが、半径方向に2ブロックに分けられて環状に凹
設されており、回転時に、当該スラスト動圧発生用溝D
Gのポンピング作用により潤滑流体が加圧されて動圧を
生じ、その潤滑流体の動圧によって、上述した回転軸2
1及び回転ハブ22が、スラスト方向に非接触状態で軸
支持される構成になされている。
【0027】ここで、上述したスラストプレート23と
回転軸21とは、圧入や焼きバメなどの挿入接合手段に
よって固着されている。すなわち、特に図4に示されて
いるように、上記スラストプレート23の中心部分に
は、上記回転軸21に挿入するための固定用孔23aが
軸方向に貫通するようにして形成されており、その固定
用孔23aの内壁面から回転軸21の外表面に対して、
上記圧入や焼きバメなどの挿入接合手段による圧縮応力
が作用させられる。つまり、上記挿入接合手段は、スラ
ストプレート23の内部に残留する応力を半径方向中心
側に向かって生じさせることによって、当該スラストプ
レート23自身に回転軸21に対する強固な締め付け力
を発生させるものであって、この挿入接合手段によっ
て、上記スラストプレート23が回転軸21側に固着さ
れている。
【0028】このとき、図4にも示されているように、
上記スラストプレート23の固定用孔23aにおける軸
方向両端の開口部分には、当該両開口における周縁角部
を切り落とした形状を有する面取り部Ca,Cbがそれ
ぞれ形成されている。本実施形態におけるこれらの両面
取り部Ca,Cbは、断面形状において直線形状をなす
ように形成されたチャンファーと呼ばれるものである
が、これらの両面取り部Ca,Cbよって、上記固定用
孔23aにおける両端開口部分が軸方向外方側に向かっ
て拡大されることとなり、上記スラストプレート23と
回転軸21との挿入作業が容易に行われるようになって
いる。
【0029】一方、このような各面取り部Ca,Cbを
設けた場合には、その分だけ、上記スラストプレート2
3と回転軸21との嵌着接合部の軸方向長さが減じられ
て、接合力が低下することとなるが、本実施形態におい
ては、スラストプレート23の軸方向両端側の双方にお
いて接合力の低下分がアンバランス状態とならないよう
に、以下のような構成が採用されている。
【0030】すなわち、まず本実施形態における上記ス
ラストプレート23は、その軸方向厚さ寸法に対して外
径寸法が比較的大きい形状になされているが、より具体
的には、特に図2に示されているように、上記スラスト
プレート23の外径をOD、内径をID、軸方向厚さを
Tとするとともに、上述した両面取り部Ca,Cbにお
ける各軸方向長さをLa,Lb、同各半径方向長さR
a,Rbとしたとき、それぞれの寸法関係が、 OD−ID≧T、かつLa≧0.01T、かつLb≧
0.01T、かつ Ra≧0.01T、かつRb≧0.01T の条件を満足するような関係になされている。
【0031】そして、上述した両面取り部Ca,Cbに
おける各軸方向長さLa,Lbどうしの寸法関係が、O
D−ID=4T/αを満足するα(α≦4)に対して、 La≦αLb、又はLb≦αLa の範囲内となるように設定されている。
【0032】このように、本実施形態におけるスラスト
プレート23の軸方向両端部分に設けられた両面取り部
Ca,Cbどうしは、軸方向寸法において上記数式に表
される範囲内の寸法関係となるように設定されており、
これによって、上記スラストプレート23の軸方向両端
側部分の双方における接合力が、相互にバランスした状
態となるようにしている。
【0033】本実施形態のように、スラストプレート2
3の固定用孔23aに設けられた面取り部Ca,Cbの
軸方向長さLa,Lbどうしの寸法関係を適宜に規定し
ておけば、回転軸21に対するスラストプレート23の
接合力が、軸方向に沿って均等に振り分けられることと
なり、その結果、スラストプレート23の変形の程度
が、動圧特性に影響しない範囲内の微少量に抑えられ
る。この点について、本願発明者は、例えば次のような
実験データに基づいて明確に確認することができた。
【0034】すなわち、上述したスラストプレート23
及び面取り部Ca,Cbの寸法関係を種々変更しつつ、
スラストプレート23の中立位置からの変形量を測定し
てみたところ、例えば次の表1のようになった。
【表1】
【0035】このとき、スラスト動圧軸受部の特性上、
前記スラストプレート23の変形量は、スラスト動圧軸
受部の隙間に対して±5%以下となることが望ましい
が、そのスラスト動圧軸受部の隙間を、例えば0.01
5mmとした場合には、上記スラストプレート23の変
形量の上限値は、0.00075mmとなる。そして、
前記表1において、前述した条件式を満足する場合に
は、スラストプレート23の変形量が上限値を越えない
ようにすることができる。
【0036】具体例としては、上記表1において、T=
1.5mm、ID=3mm(φ)、OD=5mm(φ)
のとき、 OD−ID=5−3=2 となるから、 4T/α=2 を満足するαは、 α=3 となり、α≦4を満足する。そして、このときのスラス
トプレート23の変形量をみると、La=4Lb,3L
b,2Lb,Lbの全てにおいて上限値を超えないもの
となっている。
【0037】また、上表1からは、上記条件に加えて、 α≦4のときに、Ra≦1.5・α・Rb、又は Rb≦1.5・α・Ra に設定しておくことが望ましいことが解る。
【0038】また、対応する部材を同一符号で表した図
5にかかる実施形態のように、スラストプレート23の
固定用孔23aにおける軸方向両端開口部分の各々に、
断面形状において湾曲線状をなすフィレットからなる面
取り部Ca’,Cb’をそれぞれ設けた場合には、これ
ら両面取り部Ca,Cbの各変曲点Pa,Pbを基準と
した寸法関係を、上述した実施形態と同様に規定するこ
とによって、同様な作用・効果を得ることができる。
【0039】一方、本発明にかかる動圧軸受装置は、図
6に示されているような、いわゆる軸固定型のHDDス
ピンドルモータに対しても同様に適用することができ
る。
【0040】すなわち、図6に示されているHDDスピ
ンドルモータの全体は、固定部材としてのステ一夕組3
0と、そのステータ組30に対して図示上側から組み付
けられた回転部材としてのロータ組40とから構成され
ている。このうちステータ組30は、図示省略した固定
基台側にネジ止めされる軸受支持枠体としてのフレーム
31を有しているとともに、このフレーム31の略中央
部分に、中空円筒状のコアホルダー32が一体的に立設
されている。
【0041】上記コアホルダー32の外周側の壁面に
は、ステータコア33が嵌着されており、当該ステータ
コア33の各突極部に対して巻線34が巻回されてい
る。
【0042】一方、上記フレーム31の略中央部分に
は、固定軸35が上方に向かって突出するように固定さ
れている。この固定軸35は、例えばステンレス鋼(S
US420J2)のような材料から形成されており、当
該固定軸35の図示上端部分が、当該上端部分に設けら
れた雌ねじタップ穴を利用して、図示を省略した固定基
台カバーにネジ止めされるようになっている。
【0043】また、上記固定軸35の外周側には、前記
ロータ組40を構成する軸受部材としての軸受スリーブ
41を介して、当該軸受スリーブ41と一体的に設けら
れた回転ハブ42が回転可能に装着されている。すなわ
ち、上記ロータ組40では、図示を省略した所定の記録
媒体を支持するための回転ハブ42が、軸受スリーブ4
1の外周側に配置されている。上記回転ハブ42は、磁
気ディスク等の磁気記録媒体を外周部に装着する略円筒
形状の胴部42aを有しているとともに、この胴部42
aの内周壁面側に、バックヨーク42bを介して駆動マ
グネット42cが環状に装着されている。この駆動マグ
ネット42cは、前述したステータコア33の各突極部
の外周端面に対して環状に対向するように近接して配置
されている。
【0044】また、上記軸受スリーブ41の中心孔の内
周壁部には、一組の軸受突部41a,41aが軸方向に
所定間隔離して形成されており、これらの各軸受突部4
1a,41aが、上記固定軸35の外周面に近接するよ
うにして対向配置されている。そして、これらの各軸受
突部41a,41aの内周面に設けられた動圧面と、上
記固定軸35の外周面に形成された動圧面とにより、隣
接した一組のラジアル動圧軸受部RBa,RBbが、軸
方向に並列するように設けられている。そして、これら
一組のラジアル動圧軸受部RBa,RBbによって、上
記回転ハブ42が固定軸35に対してラジアル方向に回
転自在となるように支承されている。
【0045】すなわち、上記各ラジアル動圧軸受部RB
a,RBbにおいては、軸受スリーブ41側の動圧面と
固定軸35側の動圧面とが、数μmの狭小隙間を介して
周状に対面配置されており、軸方向に所定間隔離して一
組の狭小隙間からなる軸受空間が連続するように形成さ
れている。そして、それらの各軸受空間内には、潤滑油
(オイル)がそれぞれ独立して注入されていて、両動圧
軸受部RBa,RBbの間部分を半径方向外方に向かっ
て窪ませた拡大空間Bには、大気と連通した空気層が介
在している。
【0046】また、上記一対の動圧面のうちの少なくと
も上記軸受スリーブ41側の動圧面には、図示を省略し
たへリングボーン形状をなす一対のラジアル動圧発生用
溝が各々環状に並列するように凹設されており、前記回
転ハブ42の回転時に、これら両ラジアル動圧発生用溝
のボンピング作用により潤滑油が加圧・昇圧されて動圧
が生じ、その潤滑油に生じさせられた動圧によって、固
定軸35に対して軸受スリーブ41が非接触状態で支持
され、回転ハブ42がラジアル方向に互いに接触するこ
となく軸支持されるように構成されている。
【0047】また、それらの各ラジアル動圧軸受部RB
a,RBbを構成する軸受空間の軸方向両端側部分に
は、潤滑油保持部としての毛細管シール部が、各ラジア
ル動圧軸受部RBa,RBbを軸方向両側から挟むよう
に設けられている。これらの各毛細管シール部は、軸受
スリーブ41側に形成された傾斜面によって、当該軸受
スリーブ41と前記固定軸35との間の隙間を軸受外方
向に向かって徐々に拡大したものであって、潤滑油の液
面位置が、モータ回転・停止のいずれの場合にも、各毛
細管シール部内部所定位置となるように設定されてい
る。
【0048】さらに、上記固定軸35の先端側部分(図
示上端側部分)には、円板状のスラストプレート36が
固定されている。このスラストプレート36は、上述し
た軸受スリーブ41の図示上側中心部分に凹設された円
筒状の窪み部内に収容するように配置されており、当該
軸受スリーブ41の窪み部の底壁部に設けられた動圧面
に対して、上記スラストプレート36の図示下面側に設
けられた動圧面が軸方向に近接配置されていることによ
って、下側のスラスト動圧軸受部SBbが構成されてい
る。
【0049】また、上記スラストプレート36の図示上
面側の動圧面に近接するようにして、大型の円盤状部材
からなるカウンタープレート44が、上記軸受スリーブ
41の上部外周側より中心側に延出するように取り付け
られている。そして、このカウンタープレート44の図
示下面側に設けられた動圧面と、上記スラストプレート
36の図示上面側に設けられた動圧面とにより上側のス
ラスト動圧軸受部SBaが構成されている。
【0050】すなわち、隣接するようにして配置された
一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbのそれぞれに
おいては、軸受スリーブ41及びカウンタープレート4
4側の各動圧面と、スラストプレート36の軸方向両端
面における両動圧面とが、数μmの狭小隙間を介して軸
方向にそれぞれ対面配置されており、上記スラストプレ
ート36の外周側通路を介して軸方向に所定間隔離して
配置された一組の狭小隙間からなる各軸受空間内に、潤
滑油(オイル)がそれぞれ独立して注入されている。
【0051】また、本実施形態においては、上記スラス
トプレート36の軸方向両端面に設けられた各動圧面に
対して、図示を省略したへリングボーン形状をなすスラ
スト動圧発生用溝(図3中の符号DG参照)が、環状に
並列するように凹設されており、前記回転ハブ42の回
転時に、これらの両スラスト動圧発生用溝のボンピング
作用によって、潤滑油が加圧・昇圧されて動圧が生じ、
この潤滑油に生じさせられた動圧によって、軸受スリー
ブ41及び回転ハブ42がスラスト方向に非接触状態で
軸支持されるように構成されている。
【0052】ここで、上述したスラストプレート36と
固定軸35とは、圧入や焼きバメなどの挿入接合手段に
よって固着されており、上記スラストプレート36の中
心部分に設けられた固定用孔36aの内壁面から固定軸
35の外表面に対して、上記圧入や焼きバメなどの挿入
接合手段による圧縮応力を作用させることによって、上
記スラストプレート36が固定軸35に固着されてい
る。
【0053】このとき、上記スラストプレート36の固
定用孔36aにおける軸方向両端開口部分の各々には、
当該両開口における周縁角部を切り落とした面取り部C
a,Cbがそれぞれ形成されている。本実施形態におけ
るこれらの両面取り部Ca,Cbは、断面形状において
直線形状をなすように形成されたチャンファーからなる
が、当該両面取り部Ca,Cbよって、上記固定用孔3
6aにおける両端開口部が軸方向外方側に向かって拡大
されることとなり、上記スラストプレート36と固定軸
35との挿入作業が容易に行われるようになっている。
【0054】そして、本実施形態における上記スラスト
プレート36も、上述した実施形態にかかる図2と同様
な寸法関係に設定されている。すなわち、図2中のスラ
ストプレートを示している符号「23」を、符号「3
6」に置き換えてみれば、本実施形態のものを表すこと
となり、その符号を置き換えた図2を参照すると、スラ
ストプレート36の外径OD、内径ID、軸方向厚さ
T、並びに上記両面取り部Ca,Cbにおける各軸方向
長さLa,Lb、各半径方向長さRa,Rbどうしの関
係は、OD−ID≧T、かつLa≧0.01T、かつL
b≧0.01T、かつRa≧0.01T、かつRb≧
0.01Tの条件を満足するような関係になされている
とともに、上述した両面取り部Ca,Cbにおける各軸
方向長さLa,Lbどうしの寸法関係が、OD−ID=
4T/αを満足するα(α≦4)に対して、 La≦αLb、又はLb≦αLa で規定される範囲内に設定されている。
【0055】また、好ましくは、上記条件に加えて、 α≦4のときに、Ra≦1.5・α・Rb、又は Rb≦1.5・α・Ra に設定されていることが望ましい。
【0056】このように、スラストプレート36の軸方
向部分に設けられた両面取り部Ca,Cbどうしを、軸
方向寸法において、所定の範囲内の寸法関係となるよう
に設定しておけば、スラストプレート36の変形は、上
述した実施形態と同様に、動圧特性に影響しない程度に
抑えられる。
【0057】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を異体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
程々変形可能であるというのはいうまでもない。例え
ば、本発明は、上述した実施形態のようなHDD用モー
タ以外に用いられる動圧軸受装置、例えば、ポリゴンミ
ラー駆動用モータやCD−ROM駆動用モータに用いら
れる動圧軸受装置に対しても同様に適用することができ
る。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、スラストプ
レートの固定用孔の軸方向部分に設けた両面取り部C
a,Cbの軸方向長さLa,Lbどうしの寸法関係を適
宜に規定したものであって、上記両面取り部Ca,Cb
における軸方向の寸法を所定の範囲内の寸法関係となる
ように設定することによって、軸部材に対するスラスト
プレートの接合力を軸方向に均等に振り分け、スラスト
プレートの変形を動圧特性に影響しない程度の微少量に
抑えるように構成したものであるから、簡易な構成で、
スラストプレートの変形を良好に防止することができ、
好適なスラスト動圧特性を長期にわたって維持すること
ができる。より具体的には、スラスト動圧軸受装置にお
ける非同期性振れ(NRRO)を低減して良好な軸受特
性を得ることができ、なおかつ、軸受寿命を延長するこ
とができるなど、スラスト動圧軸受装置の信頼性を大幅
に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる軸回転型の動圧軸
受装置を備えたハードディスク駆動装置(HDD)の全
体構造例を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に示された動圧軸受装置のスラスト動圧軸
受部分を拡大して表した半断面説明図である。
【図3】動圧発生用溝の一例を表した平面説明図であ
る。
【図4】スラストプレートの構造を表した横断面説明図
である。
【図5】本発明の他の実施形態を表した図2相当の拡大
断面説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態にかかる軸固定型の動圧
軸受装置を備えたハードディスク駆動装置(HDD)の
全体構造例を表した縦断面説明図である。
【図7】従来における動圧軸受装置のスラスト動圧軸受
部分を拡大して表した半断面説明図である。
【符号の説明】
13 軸受スリーブ 16 カウンタープレート 21 回転軸 23 スラストプレート 23a 固定用孔 SBa,SBb スラスト動圧軸受部 Ca,Cb,Ca’,Cb’ 面取り部 OD スラストプレート外径 ID スラストプレート内径 T スラストプレート軸方向厚さ La,Lb 両面取り部Ca,Cbにおける各軸方向長
さ Ra,Rb 両面取り部Ca,Cbにおける各半径方向
長さ 35 固定軸 36 スラストプレート 41 軸受スリーブ 43 カウンタープレート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材と、この軸部材に対して固定用孔
    が嵌着されることによって固定されたスラストプレート
    と、上記スラストプレートを軸方向に挟み込むようにし
    て対向配置されたスラスト軸受部材と、これらスラスト
    プレートとスラスト軸受部材との対向隙間部分に形成さ
    れたスラスト動圧軸受部内に注入された潤滑流体と、そ
    の潤滑流体に動圧を発生させる流体加圧手段と、を備
    え、 上記軸部材とスラスト軸受部材とを、前記潤滑流体に発
    生した動圧によって相対回転可能に支持するスラスト動
    圧軸受装置において、 前記スラストプレートと軸部材とは、上記スラストプレ
    ートの固定用孔の内壁面から上記軸部材の外表面に対し
    て圧縮応力を作用させる挿入接合手段により固着されて
    いるとともに、 上記スラストプレートの固定用孔における軸方向両端の
    開口部分には、当該開口部分の周縁角部を切り落とした
    形状の面取り部Ca,Cbがそれぞれ形成されたもので
    あって、 前記スラストプレートにおける外径OD、同内径ID及
    び同軸方向厚さT、並びに、上記両面取り部Ca,Cb
    の各々における軸方向長さLa,Lb及び同半径方向長
    さRa,Rbにおける相互の寸法関係が、 OD−ID≧T、かつLa≧0.01T、かつLb≧
    0.01T、かつ Ra≧0.01T、かつRb≧0.01T に設定されているとともに、 上記両面取り部Ca,Cbにおける寸法関係が、OD−
    ID=4T/αを満足するα(但し、α≦4)に対し
    て、 La≦αLb、又はLb≦αLa に設定されていることを特徴とするスラスト動圧軸受装
    置。
  2. 【請求項2】 前記挿入接合手段が、圧入手段又は焼き
    バメ手段であることを特徴とする請求項1記載の動圧軸
    受装置。
  3. 【請求項3】 前記面取り部Ca,Cbは、断面形状に
    おいて直線形状又は湾曲線形状になされていることを特
    徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 軸部材と、この軸部材に対して固定用孔
    が嵌着されることによって固定されたスラストプレート
    と、上記スラストプレートを軸方向に挟み込むようにし
    て対向配置されたスラスト軸受部材と、これらスラスト
    プレートとスラスト軸受部材との対向隙間部分に形成さ
    れたスラスト動圧軸受部内に注入された潤滑流体と、そ
    の潤滑流体に動圧を発生させる流体加圧手段と、を備
    え、 上記軸部材とスラスト軸受部材とを、前記潤滑流体に発
    生した動圧によって相対回転可能に支持するスラスト動
    圧軸受装置の製造方法において、 前記スラストプレートと軸部材とを、上記スラストプレ
    ートの固定用孔の内壁面から上記軸部材の外表面に対し
    て圧縮応力を作用させる挿入接合手段により固着する工
    程と、 上記スラストプレートの固定用孔における軸方向両端の
    開口部分に、当該開口部分の周縁角部を切り落とした形
    状の面取り部Ca,Cbをそれぞれ形成する工程と、を
    有し、 前記スラストプレートにおける外径OD、同内径ID及
    び同軸方向厚さT、並びに、上記両面取り部Ca,Cb
    の各々における軸方向長さLa,Lb及び同半径方向長
    さRa,Rbにおける相互の寸法関係を、 OD−ID≧2T、かつLa≧0.01T、かつLb≧
    0.01T、かつ Ra≧0.01T、かつRb≧0.01T に設定するとともに、 上記両面取り部Ca,Cbにおける寸法関係が、OD−
    ID=4T/αを満足するα(但し、α≦4)に対し
    て、 La≦αLb、又はLb≦αLa に設定して、製造を行うようにしたことを特徴とするス
    ラスト動圧軸受装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記スラストプレートと軸部材とを挿入
    接合手段により固着する工程において、 上記挿入接合手段として、圧入又は焼きバメを採用する
    ことを特徴とする請求項4記載のスラスト動圧軸受装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記スラストプレートの固定用孔におけ
    る軸方向両端の開口部分に面取り部Ca,Cbをそれぞ
    れ形成する工程において、 上記面取り部Ca,Cbを、断面形状において直線形状
    又は湾曲線形状に形成するようしたことを特徴とする請
    求項4記載のスラスト動圧軸受装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100439732C (zh) * 2001-11-26 2008-12-03 株式会社三协精机制作所 动压轴承装置
WO2017098567A1 (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 三菱電機株式会社 圧縮機及び冷凍サイクル装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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