JP4605168B2 - 動圧軸受装置および動圧軸受装置の製造方法 - Google Patents

動圧軸受装置および動圧軸受装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、相対回転可能に装着された軸部材と軸受部材との間の微小隙間内に、潤滑流体が連続的に充填された動圧軸受装置及びその製造方法に関する。
近年、動圧軸受装置は、特に、高速回転用の軸受装置として注目されつつあるが、例えば、図6に示されているようなハードディスク駆動装置(HDD)の軸受部分を構成するように用いられている。
本図に示されている軸回転のHDD用スピンドルモータの全体は、固定部材としてのステータ組1と、そのステータ組1に対して上方側から組み付けられた回転部材としてのロータ組2とから構成されているが、このうちステータ組1は、図示を省略した固定基台側にネジ止めされる固定フレーム11を有していて、その固定フレーム11の略中央部分に、環状の円筒状胴部を備えた軸受ホルダー12が立設するようにして一体的に形成されている。その軸受ホルダー12の内周壁面側には、中空円筒状に形成された固定軸受部材としての軸受スリーブ13が挿入・固定されているとともに、当該軸受ホルダー12の外周側壁面には、電磁鋼板の積層体からなるステータコア14が嵌着されている。このステータコア14に設けられた各突極部には、駆動コイル15がそれぞれ巻回されている。
さらに、上記軸受スリーブ13の中心軸に沿って貫通形成された軸受孔内には、上述したロータ組2を構成する回転軸21が回転自在に挿入されていて、上記軸受スリーブ13における軸受孔の内周面に形成された動圧面が、上記回転軸21の外周面に形成された動圧面に対して半径方向に対面するように配置されており、それら両動圧面どうしの間の微小隙間に、ラジアル動圧軸受部RBが形成されている。より詳しくは、上記ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリーブ13側の動圧面と、回転軸21側の動圧面とは、数μm程度の微少隙間を介して周状に対向配置されており、それらの間に画成された上記ラジアル動圧軸受部RBを含んで軸方向に延在する微少隙間内には、潤滑オイルや磁性流体等からなる所定の潤滑流体が連続的に注入・充填されている。
さらに、上記軸受スリーブ13側の動圧面には、図示を省略したへリングボーン形状などの形状を有するラジアル動圧発生用溝が、例えば軸方向に2ブロックに分けて環状に凹設されており、回転時には、それら両ラジアル動圧発生用溝のポンピング作用によって上記潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧により前記回転軸21とともに後述する回転ハブ22が軸支持される構成になされている。
このとき、上記ラジアル動圧軸受部RBを含んで軸方向に延在する微少隙間の図上端側には、潤滑流体の外方漏れを防止するための流体封止部Sが設けられている。本例における流体封止部Sは、上述した回転軸21と軸受スリーブ13との間の微少隙間を外方側(図示上方側)に向かって連続的に拡大させることによって形成したものであるが、本例では、上記軸受スリーブ13側の面を傾斜面としている。そして、この流体封止部S内に存在する潤滑流体が、毛細管力の作用によって内方側に保持されるている。
一方、前記回転軸21における図示下方側の先端部分には、例えば、リング円盤状のスラストプレート23が固着されている。このスラストプレート23は、上述した軸受スリーブ13における図示下端側の中心部分に凹設された円筒状の窪み部内に収容されるようにして配置されていて、その軸受スリーブ13の窪み部内において、当該スラストプレート23側に設けられた動圧面が、上記軸受スリーブ13側の動圧面に対して軸方向に近接するように対向配置されている。そして、それらスラストプレート23及び軸受スリーブ13の両動圧面どうしの微小隙間に、図示上側のスラスト動圧軸受部SBaが形成されている。
さらに、上記スラストプレート23の図示下側の動圧面23bに近接するようにして、比較的大径の円盤状部材からなるカウンタープレート16が配置されている。このカウンタープレート16は、上記軸受スリーブ13の下端側開口部分を閉塞するように装着されて接着剤により固着されたものであって、当該カウンタープレート16の図示上面側に設けられた動圧面と、上述したスラストプレート23の図示下側の動圧面23bとの間の近接対向隙間部分に、図示下側のスラスト動圧軸受部SBbが形成されている。
そして、上述したように軸方向に隣接して配置された一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbにおいては、スラストプレート23側の両動圧面23a,23bと、それに対向する軸受スリーブ13及びカウンタープレート16側の両動圧面とが、それぞれ数μmの微少隙間を介して軸方向に対向配置されているとともに、その微少隙間内には、前述したラジアル動圧軸受部RBから連続するようにして、同一の潤滑流体が注入・充填されており、その潤滑流体は、前記スラストプレート23の外周側通路を介して軸方向に連続させられている。
さらに、上記スラストプレート23の両動圧面と、軸受スリーブ13及びカウンタープレート16の動圧面との少なくとも一方側には、例えばヘリングボーン形状を有する動圧発生溝が環状に凹設されており、回転時に、当該スラスト動圧発生用溝のポンピング作用によって上記潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧によって、上述した回転軸21及び回転ハブ22が、スラスト方向に軸支持される構成になされている。
一方、上記回転軸21とともにロータ組2を構成している回転ハブ22は、図示を省略した磁気ディスク等の記録媒体ディスクを搭載するように構成された略カップ状部材からなり、当該回転ハブ22の中心部分に設けられた接合穴が、上記回転軸21の図示上端部分に対して、圧入又は焼嵌めによって一体的に接合されている。上記回転ハブ22は、記録媒体ディスクを外周部に搭載する略円筒状の胴部22aを有しており、当該胴部22aから半径方向外方側に向かって張り出すように設けられたディスク搭載面22b上に、図示を省略した記録媒体ディスクが載置される構成になされている。
さらに、上記胴部22aの内周壁面側には、環状の磁性ヨーク24を介して、同じく環状の駆動マグネット25が取り付けられている。この環状駆動マグネット25は、前述したステータコア14の突極部の外周側端面に対して環状に対向するように近接配置されている。
特開2000−113582号公報
ところが、最近では、動圧軸受装置の薄型化などの要請によって、上述した潤滑流体の流体封止部Sの軸方向長さを始めとして、ラジアル動圧軸受部RBを含む潤滑流体充填部分の全長が短縮化される傾向にある。そして、その結果として、上記ラジアル動圧軸受部RBを含む潤滑流体充填部分に存在している潤滑流体の総量が減じられることとなり、蒸発などによって潤滑流体が早期に減少して軸受寿命が低下するおそれを生じている。
このようなことから、例えば、特開2000−113582号公報に開示された動圧軸受装置では、潤滑流体が充填された隙間空間を、半径方向外方に向かって折れ曲がるようにして延長させる構成が採用されている。より具体的には、半径方向外方に延在している回転ハブ側の内側端面と、同じく半径方向外方に延在している軸受部材側の端面とを、互いに近接して配置することによって、上記潤滑流体の充填空間を画成しており、そこに充填された潤滑流体によって潤滑流体の貯留量を増大させるようにしている。
しかしながら、このような構成では、潤滑流体を注入した状態を目視しようとしても、回転ハブが邪魔になって確認することができなくなってしまい、動圧軸受装置の信頼性に問題を生じるおそれがある。
そこで本発明は、潤滑流体の貯留量を増大させることができ、しかも、潤滑流体の注入量を容易に確認したり調整することができるなど、信頼性及び組立性を向上させることができるようにした動圧軸受装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、軸部材と、
軸方向一端側に位置し軸部材に対し一体又は別体にて形成され、軸部材から半径方向外方に張り出した環状部材と、
軸方向一端側の中心部分に凹設された窪み部を有し、軸方向他端が閉塞され一端側が開口し、軸部材が挿入されて相対的に回転する軸受部材と、
軸部材と軸受部材との間の隙間を満たす潤滑流体と、
軸部材の外周面と軸受部材の内周面との間の微隙間に形成され、相対回転時に該微
隙間に保持された潤滑流体に動圧を生じさせるラジアル動圧発生用溝を有するラジアル動圧
軸受部と、
環状部材の周面と、該周面と径方向に窪み部の内周面との隙間、および、環状部材の他端面と、該他端面と軸方向に対向する窪み部の底面との隙間により形成される流体封止部と、を備え、
潤滑流体は、流体封止部の環状部材の外周面と、該外周面と径方向に対向する窪み部の内周面との隙間においてのみ外気との間に界面を有することを特徴とする。
本発明の請求項2は、流体封止部の環状部材の外周面と、該外周面と径方向に対向する窪み部の内周面との隙間には、一端側に向かうに従って隙間が拡大する縦テーパ封止部が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項3は、環状部材の他端面と、該他端面と軸方向に対向する窪み部の底面と隙間には、半径方向外方に向かうに従って隙間が拡大する横テーパ封止部が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項4は、流体封止部の隙間寸法は、半径方向内方から外方を経て環状部材から軸方向に離れるに従って拡大することを特徴とする。
本発明の請求項5は、環状部材は、軸部材とは別部材から構成され、軸部材の一端側には、該軸部材のラジアル動圧軸受部を構成する外周面より小径な小径軸部と、該小径軸部と該外周面とを接続し軸部材が当接する段差面と、が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項6は、環状部材より一端側において、小径軸部の外周部には固定部材又は回転部材が固定されていることを特徴とする。
本発明の請求項7は、回転部材又は固定部材の他端面は、環状部材の一端面に当接することを特徴とする。
本発明の請求項8は、環状部材より一端側には、固定部材又は回転部材が配置され、固定部材又は回転部材は、その他端面が環状部材の一端面に当接することを特徴とする。
本発明の請求項9は、固定部材又は回転部材は、その内周部が軸部材の外周部に固定されていることを特徴とする。
本発明の請求項10は、請求項1乃至9のいずれかに記載の動圧軸受装置を備えたことを特徴とするハードディスク駆動用モータである
本発明の請求項11は、軸部材と、軸部材とともにロータ組を構成している回転ハブと、半径方向外方に張り出した環状部材と、軸方向一端側の中心部分に凹設された窪み部を有し、軸部材が挿入されて相対的に回転する軸受部材と、軸部材と軸受部材との間の隙間を満たす潤滑流体と、軸部材の外周面と軸受部材の内周面との間の微小隙間に形成され、相対回転時に該微小隙間に保持された潤滑流体に動圧を生じさせるラジアル動圧発生用溝を有するラジアル動圧軸受部と、環状部材の外周面と、該外周面と径方向に対向する窪み部の内周面との隙間、および、環状部材の他端面と、該他端面と軸方向に対向する窪み部の底面との隙間により形成される流体封止部と、を備えた流体動圧軸受装置の製造方法であって、
(a)環状部材を軸部材の軸方向一端側に一体又は別体にて形成する工程と、
(b)軸部材を軸受部材に挿入する工程と、
(c)(a)および(b)工程後に、潤滑流体を、流体封止部を通して、ラジアル動圧軸受部を含む微小隙間内に注入する工程と、
(d)(c)工程後に、回転ハブを環状部材よりも一端側で、軸部材の小径軸部に対して固定する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明では、潤滑流体の注入量を容易に目視することができ、また潤滑流体の注入量の調整もできる。
以下、本発明を、ハードディスク駆動装置(HDD)の動圧軸受装置に適用した実施形態について説明するが、主として、前述した公知のもの(図6参照)と相違する点を、図面に基づいて詳細に説明する。
まず、図1に示されているように、ステータ組30を構成している固定の軸受部材としての軸受スリーブ31の軸受孔内には、ロータ組40を構成している回転軸41が回転可能に挿入されている。その回転軸41としては、硬質性の要求から、例えばステンレス鋼が用いられている。そして、上記軸受スリーブ31における軸受孔の内周面に形成された動圧面が、上記回転軸41の外周面に形成された動圧面に対して半径方向に対面するように配置されており、それら両動圧面どうしの間の微小隙間に、軸方向に離して2箇所のラジアル動圧軸受部RB,RBが形成されている。
より詳しくは、上記各ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリーブ31側の動圧面と、回転軸41側の動圧面とは、数μm程度の微少隙間を介して周状に対向配置されており、それらの間に画成された上記ラジアル動圧軸受部RBを含んで軸方向に延在する微少隙間内に、潤滑オイルや磁性流体等からなる所定の潤滑流体Fが連続的に注入されている。
さらに、上記軸受スリーブ31側の動圧面には、図示を省略したへリングボーン形状などの形状を有するラジアル動圧発生用溝が、例えば軸方向に2ブロックに分けて環状に凹設されており、回転時には、それら両ラジアル動圧発生用溝のポンピング作用によって上記潤滑流体Fが加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体Fの動圧により前記回転軸41とともに後述する回転ハブ42が、ラジアル方向に浮上されながら軸支持される構成になされている。
このとき、上記ラジアル動圧軸受部RBを含んで軸方向に延在する微少隙間の図上端側には、上記潤滑流体Fの外方漏れを防止するための流体封止部Sが設けられている。この流体封止部Sは、上記回転軸41側に固着された環状部材43の外表面と、前記軸受スリーブ31の表面との間に形成されており、その流体封止部S内に存在する潤滑流体Fが、毛細管力によって保持されるようになっている。この流体封止部Sの詳細構造については後述する。
一方、前記回転軸41における図示下方側の先端部分には、例えば、リング円盤状のスラストプレート43が固着されている。このスラストプレート43は、上述した軸受スリーブ31における図示下端側の中心部分に凹設された円筒状の窪み部31a内に収容されるようにして配置されていて、その軸受スリーブ31の窪み部31a内において、当該スラストプレート43側に設けられた動圧面が、上記軸受スリーブ31側の窪み部31aの底壁に設けられた動圧面に対して、軸方向に近接するように対向配置されている。そして、それらスラストプレート43及び軸受スリーブ31の両動圧面どうしの軸受隙間空間に、図示上側のスラスト動圧軸受部SBaが形成されている。
さらに、上記スラストプレート43の図示下側の動圧面に近接するようにして、比較的大径の円盤状部材からなるカウンタープレート32が配置されている。このカウンタープレート32は、上記軸受スリーブ31の下端側開口部分を閉塞するように装着されてカシメ等により固着されたものであって、当該カウンタープレート32の図示上面側に設けられた動圧面と、上述したスラストプレート43の図示下側の動圧面との間の近接対向隙間部分に、図示下側のスラスト動圧軸受部SBbが形成されている。
上述したように軸方向に隣接して配置された一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbにおいては、スラストプレート43側の両動圧面と、それらに対向する軸受スリーブ31及びカウンタープレート32側の両動圧面とが、それぞれ数μmの微少隙間を介して軸方向に対向配置されているとともに、その微少隙間からなる軸受隙間空間内には、前述したラジアル動圧軸受部RBから連続するようにして、同一の潤滑流体Fが充填されており、その潤滑流体Fは、前記スラストプレート43の外周側通路を介して軸方向に連続させられている。
さらに、上記スラストプレート43の両動圧面と、軸受スリーブ31及びカウンタープレート32の動圧面との少なくとも一方側には、例えばヘリングボーン形状を有する動圧発生溝が環状に凹設されており、回転時に、当該スラスト動圧発生用溝のポンピング作用によって上記潤滑流体Fが加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体Fの動圧によって、上述した回転軸41及び回転ハブ42が、スラスト方向に軸支持される構成になされている。
このとき、上記回転軸41とともにロータ組40を構成している回転ハブ42は、図示を省略した磁気ディスク等の記録媒体ディスクを搭載するように構成された略カップ状の回転部材を構成するものであって、当該回転部材としての回転ハブ42の中心部分設けられた接合穴42aが、上記回転軸41の図示上端部分に設けられた小径軸部41aに対して、圧入又は焼嵌めによって一体的に接合されている。このとき、上記回転ハブ42の材質としては、例えば、快削成分としてPb成分を含有するステンレス鋼が採用されている。
このようなPb等の快削成分を添加する場合としては、例えば、2.5インチモバイル(ノートパソコン)などに使用されるガラス製のメディアディスクとほぼ同じ線膨張係数のステンレス鋼を用いて回転ハブ42を形成することとした際に、切削性が良好でないステンレス鋼の切削性を向上させるような場合がある。この点は、上記回転ハブ42を、S,Mnなどの快削成分又は圧延成分を含有する材質から形成する場合も同様である。なお、これらの快削成分又は圧延成分を含有する材質は、3インチ等の各種ディスクに用いられる場合においても同様である。
ここで、上述した流体封止部Sは、前記回転軸41の小径軸部41aに固着されたリング状の環状部材43と、軸受スリーブ31との間に画成されたものであるが、その構造について、以下詳細に説明する。
まず上記環状部材43は、リン青銅や銅、すなわち、Pb,S,Mnなどの快削成分又は圧延成分を含有していない材質から形成されていて、前記回転軸41の図示上端部分に設けられた小径軸部41aの段差面41bに対して軸方向に当接するように、圧入や、焼きバメ等によって嵌着されている。
この環状部材43における軸方向両端面のうち、図示上端側の一端面43aは、前記回転部材としての回転ハブ42の支持面を構成するように形成されていて、その環状部材43の支持面43aに対して、上記回転ハブ42の図示下面側の端面が軸方向に当接する構成としたことによって、上記回転ハブ42が軸方向に強固に保持されるようになっている。
また、上記環状部材43は、上述した軸受スリーブ31の図示上端側の中心部分に凹設された窪み部31b内に収容されていて、その軸受スリーブ31の窪み部31bを構成している底面31b1、及び内周面31b2の各壁面が、上記環状部材43の軸方向両端面のうちの図示下端側の他端面43b、及びその他端面43bから上記一端面43a側に向かって延在する外周面43cを覆うようにして、近接対向する配置関係になされている。
そして、その環状部材43の各表面43b,43cと、軸受スリーブ31の窪み部31bの各表面31b1,31b2との近接対向部分に、上述した流体封止部Sが画成されている。より具体的には、まず、上記環状部材43の図示下端側の他端面43bが、略半径方向及に延在する面から構成されているのに対して、上述した軸受スリーブ31の窪み部31aの底面31b1は、半径方向外方に向かって図示下方側に連続的に下降する傾斜面に形成されており、それによって、半径方向外方に向かって連続的に隙間が拡大する横テーパ封止部S1が画成されている。
一方、上記環状部材43の外周面43cが、略軸方向に延在する面から構成されているのに対して、上記軸受スリーブ31の窪み部31bの内周面31b2は、軸方向外方(図示上方向)に向かって連続的に拡径する傾斜面に形成されており、それによって、軸方向に延在する縦テーパ封止部S2が画成されている。このとき、上記横テーパ封止部S1から縦テーパ封止部S2にかけての隙間寸法も、連続的に拡大させられた構成になされている。
さらに、前記環状部材43の外周面43cには、潤滑流体Fの這い上がりを防止するための段部43dが、当該外周面43cの一部を半径方向内方側に向かって窪ませるように切り欠いて形成されている。なお、その段部43dに替えて又は加えて、撥油処理剤からなるバリアフィルムを被着するようにすることも可能である。
このような実施形態にかかる動圧軸受装置では、流体封止部Sの壁面の一部を構成するように回転軸41に嵌着された環状部材43によって、潤滑流体Fの貯留空間が半径方向に増大される。また、そのときの環状部材43が、快削成分又は圧延成分を含有していない材質からなることから、潤滑流体Fに接触した状態となっていても潤滑流体Fに対して何らの影響を与えることがない。
また、上記環状部材43によって、回転軸41に固定された回転ハブ42が軸方向に支持されることから、その回転ハブ42の接合強度が増大されることとなり、その結果、当該回転ハブ42の抜け強度、及びその回転ハブ42に対する加工・組立性が向上されるようになっている。
さらに、本実施形態では、環状部材43の軸方向一端面43bにより形成された流体封止部S1に加えて、環状部材43の外周面43cにより流体封止部S2が形成されていることから、潤滑流体Fの貯留空間が、半径方向に加えて軸方向にも増大されるようになっている。
さらにまた、本実施形態にかかる動圧軸受装置では、流体封止部Sを画成している環状部材43の外周面43cに、潤滑流体Fの濡れ拡散による這い上がりを防止する段部43dが、当該外周面の一部を半径方向内方側に向かって窪ませるように切り欠いて形成されていることから、流体封止部Sのシール機能が向上されるようになっている。
また、本実施形態にかかる動圧軸受装置では、回転ハブ42が、快削成分としてのPb成分を含有するステンレス鋼から形成されているが、上述した各作用は、このような材質の場合において特に顕著に得られるものである。
一方、このような動圧軸受装置を組み付けるにあたっては、まず、上記回転軸41の小径軸部41aに対して環状部材43を挿通して接合し、その後に、軸受スリーブ31、スラストプレート43、及びカウンタープレート32を組み付け、その状態、すなわち、回転ハブ42を取り付けていない状態で、潤滑流体Fを、上記環状部材43により画成される流体封止部Sを通して、軸受部を含む微小隙間内に注入する。そして、その後に、上記回転軸41の小径軸部41aに対して、軸部材に対して回転ハブ42を嵌着する。
このような方法によって動圧軸受装置を製造することとすれば、環状部材43により画成された流体封止部Sを通して潤滑流体Fを微小隙間内に注入した直後において、回転軸41に回転ハブ42が取り付けられていないこととなるから、そのときに、潤滑流体Fの注入量を容易に目視することが可能であり、また潤滑流体の注入量の調整も可能となっている。
また、上述した実施形態と同一の構成物を同一の符号で表した図2に示されている実施形態では、環状部材43の図示下端側の他端面43b’が、半径方向外方に向かって図示上方側に連続的に上昇する傾斜面に形成されているとともに、軸受スリーブ31の窪み部31aの底面31b1’が、略半径方向及に延在する面から構成されている。さらに、図3に示されている実施形態は、回転軸41に小径軸部(図1符号41a参照)を設けないで、環状部材43’を取り付けるようにしたものである。さらにまた、図4に示されている実施形態では、回転軸41に対して、環状部材43”を一体的に設けるようにしている。このような各実施形態によっても、上述した実施形態と同様な作用・効果を得ることが可能である。
さらに、本発明は、図5に示されているような軸固定型の動圧軸受装置に対しても同様に適用することができる。すなわち、本図に示されているように、ステータ組50を構成しているベースフレーム50aに対して立設するように固着された固定軸51の外周側には、ロータ組60を構成している軸受部材としての軸受スリーブ61の軸受孔が回転可能に挿入されている。そして、上記軸受スリーブ61における軸受孔の内周面に形成された動圧面が、上記固定軸51の外周面に形成された動圧面に対して半径方向に対面するように配置されており、それら両動圧面どうしの間の微小隙間に、軸方向に離して2箇所のラジアル動圧軸受部RB,RBが形成されている。
より詳しくは、上記各ラジアル動圧軸受部RBにおける軸受スリーブ61側の動圧面と、固定軸51側の動圧面とは、数μm程度の微少隙間を介して周状に対向配置されており、それらの間に画成された上記ラジアル動圧軸受部RBを含んで軸方向に延在する微少隙間内に、潤滑オイルや磁性流体等からなる所定の潤滑流体が連続的に注入されている。そして、回転時には、図示を省略したラジアル動圧発生用溝のポンピング作用によって上記潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流体の動圧により前記軸受スリーブ61とともに後述する回転ハブ62が、ラジアル方向に浮上されながら軸支持される構成になされている。
このとき、上記ラジアル動圧軸受部RBを含んで軸方向に延在する微少隙間の図下端側には、上記潤滑流体の外方漏れを防止するための流体封止部Tが設けられている。この流体封止部Tは、上記固定軸51側に固着された環状部材53の外表面と、前記軸受スリーブ61の表面との間に形成されており、その流体封止部T内に存在する潤滑流体が、毛細管力によって保持されるようになっている。
また、上記流体封止部Tは、前記固定軸51の小径軸部51aに固着されたリング状の環状部材53と、軸受スリーブ61との間に画成されたものであるが、その環状部材53は、リン青銅や銅、すなわち、Pb,S,Mnなどの快削成分又は圧延成分を含有していない材質から形成されていて、前記回転軸51の図示下端部分に設けられた小径軸部51aの段差面51bに対して軸方向に当接するように、圧入や、焼きバメ等によって嵌着されている。
この環状部材53における軸方向両端面のうち、図示下端側の一端面53aは、前記固定部材としてのベースフレーム50aの支持面を構成するように形成されていて、その環状部材53の支持面53aに対して、上記ベースフレーム50aの図示上面側の端面が軸方向に当接する構成としたことによって、上記ベースフレーム50aと固定軸51とが軸方向に強固に保持されるようになっている。
また、上記環状部材53は、上述した軸受スリーブ61の図示上端側の中心部分に凹設された窪み部61b内に収容されていて、その軸受スリーブ61の窪み部61bを構成している底面61b1、及び内周面61b2の各壁面が、上記環状部材53の軸方向両端面のうちの図示上端側の他端面53b、及びその他端面53bから上記一端面53a側に向かって延在する外周面53cを覆うようにして、近接対向する配置関係になされている。
そして、その環状部材53の各表面53b,53cと、軸受スリーブ61の窪み部61bの各表面61b1,61b2との近接対向部分に、上述した流体封止部Tが画成されている。より具体的には、まず、上記環状部材53の図示上端側の他端面53bが、略半径方向及に延在する面から構成されているのに対して、上述した軸受スリーブ61の窪み部31aの底面61b1は、半径方向外方に向かって図示上方側に連続的に上昇する傾斜面に形成されており、それによって、半径方向外方に向かって連続的に隙間が拡大する横テーパ封止部T1が画成されている。
一方、上記環状部材53の外周面53cが、略軸方向に延在する面から構成されているのに対して、上記軸受スリーブ61の窪み部61bの内周面61b2は、軸方向外方(図示下方向)に向かって連続的に拡径する傾斜面に形成されており、それによって、軸方向に延在する縦テーパ封止部T2が画成されている。このとき、上記横テーパ封止部T1から縦封止部T2にかけての隙間寸法も、連続的に拡大させられた構成になされている。
さらに、前記環状部材53の外周面53cには、潤滑流体Fの這い上がりを防止するための段部53dが、当該外周面53cの一部を半径方向内方側に向かって窪ませるように切り欠いて形成されている。
このような実施形態にかかる動圧軸受装置では、流体封止部Tの壁面の一部を構成するように固定軸51に嵌着された環状部材53によって、潤滑流体の貯留空間が半径方向に増大される。また、そのときの環状部材53が、快削成分又は圧延成分を含有していない材質からなることから、潤滑流体に接触した状態となっていても潤滑流体に対して何らの影響を与えることがないなど、前述した各実施形態と同様な作用・効果が得られる。
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、流体封止部Sを、半径方向外方に延在する横テーパ封止部S1と、軸方向外方に延在する縦テーパ封止部S2とから構成しているが、半径方向に延在する封止部のみで構成することも可能である。
また、本発明は、上述したハードディスク駆動用(HDD)モータ以外の、例えばポリゴンミラー回転用のモータに用いられる動圧軸受装置などのように、多種多様な動圧軸受モータや、その他各種の装置に採用されている各種の動圧軸受装置に対しても同様に適用することができる。
以上述べたように本実施形態の動圧軸受装置は、快削成分又は圧延成分を含有していない材質からなる環状部材を軸部材に嵌着し、その環状部材により流体封止部の壁面の一部を構成することによって、潤滑流体の貯留空間を半径方向に増大するとともに、潤滑流体に対する影響をなくし、しかも上記環状部材によって、軸部材に固定された回転部材又は固定部材を強固に支持することにより、当該回転部材又は固定部材の抜け強度及び加工・組立性を向上させるように構成したものであるから、動圧軸受装置の信頼性を高めつつ生産性を向上させることができる。
また、環状部材の軸方向一端面から連続するようにして軸方向に延在する外周面により、前記流体封止部の一部を画成することによって、潤滑流体の貯留空間を半径方向に加えて軸方向にも増大させたものであるから、上述した効果を更に高めることができる。
さらに、流体封止部を、軸受内部側から外部側に向かって連続的に隙間が拡大するテーパ封止部を含む構成としたことによって、流体封止部を簡易かつ良好に形成可能としたものであるから、上述した効果を更に高めることができる。
さらに、流体封止部を画成している環状部材の外周面に、潤滑流体の這い上がりを防止する段部を切り欠いて形成したことにより、流体封止部のシール機能を向上させたものであるから、上述した効果に加えて、潤滑流体の長寿命化を一層図ることができる。
さらにまた、回転部材又は固定部材を、快削成分としてのPb成分を含有するステンレス鋼から形成したものであるから、上述した効果を特に顕著なものとして得ることができる。
一方、本実施形態にかかる動圧軸受装置の製造方法は、環状部材により画成された流体封止部を通して潤滑流体を微小隙間内に注入した後に、軸部材に対して回転部材又は固定部材を接合することによって、潤滑流体を注入した直後に潤滑流体の注入量を容易に目視すること、及びその注入量の調整を可能としたものであるから、上述した効果のうちの、特に生産性及び信頼性を一層高めることができる。
本実施形態の動圧軸受装置では、軸部材における前記流体封止部に対応する位置には、快削成分又は圧延成分を含有していない材質からなる環状部材が嵌着され、その環状部材の軸方向一端側における半径方向への延在表面と、軸受部材側における半径方向への延在表面とが、互いに軸方向に近接して対向配置されていることにより、流体封止部が画成されているとともに、上記環状部材の軸方向他端側における半径方向への延在表面が、回転部材又は固定部材の一端面に当接していることにより、当該回転部材又は固定部材が軸方向に支持されている。
このような動圧軸受装置では、流体封止部の壁面の一部を構成するように軸部材に嵌着された環状部材によって、潤滑流体の貯留空間が半径方向に増大されるとともに、そのときの環状部材が、快削成分又は圧延成分を含有していない材質からなることから、潤滑流体に接触した状態となっていても潤滑流体に対して何らの影響を与えることがない。また、上記環状部材によって、軸部材に固定された回転部材又は固定部材が軸方向に支持されることから、それら回転部材又は固定部材の接合強度が増大されることとなり、その結果、当該回転部材又は固定部材の抜け強度、及びそれら回転部材又は固定部材に対する加工・組立性が向上されるようになっている。
また、環状部材の軸方向一端側における半径方向延在表面の外縁から軸方向に連続する外周面が、前記流体封止部の一部を画成していることから、潤滑流体の貯留空間が、半径方向に加えて軸方向にも増大される。
さらに、流体封止部は、軸受内部側から外部側に向かって連続的に隙間が拡大するテーパ封止部を含む構成になされている。このような構成によれば、流体封止部が簡易かつ良好に形成される。
さらにまた、流体封止部を画成している環状部材の外周面には、潤滑流体の濡れ拡散による這い上がりを防止する段部が、当該外周面の一部を半径方向内方側に向かって窪ませるように切り欠いて形成されている。このような構成によれば、流体封止部のシール機能が向上されるようになっている。
一方、回転部材又は固定部材が、快削成分としてのPb成分を含有するステンレス鋼から形成されていて、例えば、このような材質の場合において、上述した作用が特に顕著に得られる。
また、動圧軸受装置の製造方法では、まず、軸部材における前記流体封止部に対応する位置に、快削成分又は圧延成分を含有していない材質からなる環状部材を嵌着し、その環状部材の軸方向一端側における半径方向への延在表面と、軸受部材側における半径方向への延在表面とを、互いに軸方向に近接して対向配置することによって流体封止部を画成する一方、環状部材の軸方向他端側における半径方向への延在表面を、回転部材又は固定部材の一端面に当接させることにより、当該回転部材又は固定部材を軸方向に支持し、環状部材により画成される流体封止部を通して、微小隙間内に潤滑流体を注入し、その後に、軸部材に対して、回転部材又は固定部材を接合させるようにしている。
このような製造方法によれば、上述した動圧軸受装置の作用に加えて、環状部材により画成された流体封止部を通して潤滑流体を微小隙間内に注入した後に、軸部材に対して回転部材又は固定部材を接合するようにしていることから、潤滑流体を注入した直後には、軸部材に回転部材又は固定部材が取り付けられていないこととなり、そのときに、潤滑流体の注入量を容易に目視することが可能であり、また潤滑流体の注入量の調整も可能となっている。
本発明を適用した動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD(ハードディスク駆動装置)用モータの構造例の要部を拡大して表した縦断面説明図である。 本発明の他の実施形態における動圧軸受装置の要部を拡大して表した縦断面説明図である。 本発明の更に他の実施形態における動圧軸受装置の要部を拡大して表した縦断面説明図である。 本発明の更に他の実施形態における動圧軸受装置の要部を拡大して表した縦断面説明図である。 本発明の更に他の実施形態における動圧軸受装置を備えた軸固定型のHDD(ハードディスク駆動装置)用モータの構造例の要部を拡大して表した縦断面説明図である。 一般の動圧軸受装置を備えた軸回転型のHDD(ハードディスク駆動装置)用モータの全体構造例を表した縦断面説明図である。
符号の説明
30 ステータ組
31 軸受スリーブ
31b 窪み部
31b1 窪み部底面
31b2 窪み部内周面
40 ロータ組
41 回転軸(回転部材)
41a 小径軸部
41b 段差面
42 回転ハブ
43 環状部材
43a 一端面(支持面)
43b 他端面
43c 外周面
43d 段部
RB ラジアル動圧軸受部
F 潤滑流体
S 流体封止部
S1 横テーパ封止部
S2 縦テーパ封止部
31b1’窪み部底面
43’ 環状部材
43b’ 他端面
43” 環状部材
50 ステータ組
50a ベースフレーム(固定部材)
51 固定軸
53 環状部材
53a 一端面(支持面)
53b 他端面
53c 外周面
60 ロータ組
61 軸受スリーブ
61b 窪み部
61b1 窪み部底面
61b2 窪み部内周面
T 流体封止部
T1 横テーパ封止部
T2 縦テーパ封止部

Claims (11)

  1. 軸部材と、
    軸方向一端側に位置し前記軸部材に対し一体又は別体にて形成され、前記軸部材から半径方向外方に張り出した環状部材と、
    軸方向一端側の中心部分に凹設された窪み部を有し、軸方向他端が閉塞され一端側が開口し、前記軸部材が挿入されて相対的に回転する軸受部材と、
    前記軸部材と前記軸受部材との間の隙間を満たす潤滑流体と、
    前記軸部材の外周面と前記軸受部材の内周面との間の微隙間に形成され、前記相対回転時に該微隙間に保持された前記潤滑流体に動圧を生じさせるラジアル動圧発生用溝を有するラジアル動圧軸受部と、
    前記環状部材の周面と、該周面と径方向に対向する前記窪み部の内周面との隙間、および、前記環状部材の他端面と、該他端面と軸方向に対向する前記窪み部の底面との隙間により形成される流体封止部と、を備え、
    前記潤滑流体は、前記流体封止部の前記環状部材の外周面と、該外周面と径方向に対向する前記窪み部の内周面との隙間においてのみ外気との間に界面を有することを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 前記流体封止部の前記環状部材の前記外周面と、該外周面と径方向に対向する前記窪み部の前記内周面との隙間には、一端側に向かうに従って隙間が拡大する縦テーパ封止部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 前記環状部材の前記他端面と、該他端面と軸方向に対向する前記窪み部の前記底面との隙間には、半径方向外方に向かうに従って隙間が拡大する横テーパ封止部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の動圧軸受装置。
  4. 流体封止部の隙間寸法は、半径方向内方から外方を経て前記環状部材から軸方向に離れるに従って拡大することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の動圧軸受装置。
  5. 前記環状部材は、前記軸部材とは別部材から構成され、
    前記軸部材の一端側には、該軸部材のラジアル動圧軸受部を構成する外周面より小径な小径軸部と、該小径軸部と該外周面とを接続し前記軸部材が当接する段差面と、が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の動圧軸受装置。
  6. 前記環状部材より一端側において、前記小径軸部の外周部には固定部材又は回転部材が固定されていることを特徴とする請求項5記載の動圧軸受装置。
  7. 前記回転部材又は固定部材の他端面は、前記環状部材の一端面に当接することを特徴とする請求項6記載の動圧軸受装置。
  8. 前記環状部材より一端側には、固定部材又は回転部材が配置され、
    前記固定部材又は回転部材は、その他端面が前記環状部材の一端面に当接することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の動圧軸受装置。
  9. 前記固定部材又は回転部材は、その内周部が前記軸部材の外周部に固定されていること
    を特徴とする請求項8記載の動圧軸受装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の動圧軸受装置を備えたハードディスク駆動用モータ。
  11. 軸部材と、前記軸部材とともにロータ組を構成している回転ハブと、半径方向外方に張り出した環状部材と、軸方向一端側の中心部分に凹設された窪み部を有し、前記軸部材が挿入されて相対的に回転する軸受部材と、前記軸部材と前記軸受部材との間の隙間を満たす潤滑流体と、前記軸部材の外周面と前記軸受部材の内周面との間の微小隙間に形成され、前記相対回転時に該微小隙間に保持された前記潤滑流体に動圧を生じさせるラジアル動圧発生用溝を有するラジアル動圧軸受部と、前記環状部材の外周面と、該外周面と径方向に対向する前記窪み部の内周面との隙間、および、前記環状部材の他端面と、該他端面と軸方向に対向する前記窪み部の底面との隙間により形成される流体封止部と、を備えた流体動圧軸受装置の製造方法であって、
    (a)前記環状部材を前記軸部材の軸方向一端側に一体又は別体にて形成する工程と、
    (b)前記軸部材を前記軸受部材に挿入する工程と、
    (c)前記(a)および前記(b)工程後に、前記潤滑流体を、前記流体封止部を通して、前記ラジアル動圧軸受部を含む微小隙間内に注入する工程と、
    (d)前記(c)工程後に、前記回転ハブを前記環状部材よりも一端側で、前記軸部材の前記小径軸部に対して固定する工程と、
    を含む動圧軸受装置の製造方法。
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