JP4619691B2 - 動圧軸受装置及びこれを用いたモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用によって軸部材を非接触支持する動圧軸受装置(流体動圧軸受装置)に関するものである。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、その他の小型モータ用として好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化等が求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の1つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する動圧軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
例えば、HDD等のディスク駆動装置のスピンドルモータには、軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備えた動圧軸受装置が用いられる。このとき、ラジアル軸受部を形成する軸受スリーブの内周面または軸部材の外周面に動圧発生手段としての動圧溝が設けられ、また、スラスト軸受部を形成する軸部材のフランジ部の両端面、あるいは、これに対向する面(軸受スリーブの端面や、ハウジングに固定されるスラストプレートの端面等)に動圧溝が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−291648号公報
上述のスピンドルモータは、このような動圧軸受装置の他、ステータコイル、ロータマグネット、ディスクハブといった多くの部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い回転性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立て精度を高める努力がなされている。その一方で、この種のモータに対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
そこで、本発明は、モータにおける組立て精度の向上を図るとともに、さらなる低コスト化を図ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る動圧軸受装置は、固定側部材と、ラジアル軸受隙間に面する軸部材を備えた回転側部材とを具備し、固定側部材と回転側部材の間の環状のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用によって回転側部材をラジアル方向に非接触に支持するものにおいて、回転側部材が、ロータマグネットの取付け部を有するもので、かつ軸部材および軸部材に嵌合した芯金をインサート部品とする樹脂の射出成形品であることを特徴とする。「ロータマグネットの取付け部を有する部材」としては、例えば磁気ディスク等のディスクを支持するディスクハブやターンテーブル、あるいはポリゴンミラーを取り付けるためのロータ部材等を挙げることができる。
回転側部材を、樹脂材料で成形することにより、機械加工等により成形された金属製の回転側部材と比べて軽量化が可能となり、かつ、低コストで製造することができる。特に回転側部材が軽量化されることで、モータの迅速な起動・停止が可能となる。また、回転側部材を、金属部品をインサート部品として射出成形すれば、後作業でディスクハブ等の部材と金属部品とを別途組付ける手間を省くことができ、モータの組立てコストを軽減することができる。さらには、ディスクハブ等の部材と金属部品との組付け精度を向上させるとともに、両者間で十分な固定力を確保することもできる。一般に回転側部材の精度不良は、軸振れ等の発生原因となるなど軸受性能に大きな影響を与え得るものであるが、本発明によれば組み付け精度不良に起因した軸受性能の低下を回避することができる。
また、軸部材をインサート部品にしているので、元々モータの構成部品であったディスクハブ、ターンテーブル、あるいはロータ等の部材を軸部材と共に動圧軸受装置に組込んで動圧軸受装置の構成部品としてアセンブリ化することができる。従って、モータの組立工程において、これらの部材の軸部材への組付け作業を省略でき、モータの組立てコストを軽減することができる。金属部品としての軸部材は、その全てが金属で形成される必要は必ずしもなく、少なくともラジアル軸受隙間に面する外周面が金属製であれば足りる。従って、例えばインサート成形時に円筒状金属材の内空部に樹脂を充填することにより、軸部材を金属と樹脂の複合品とすることもできる。
前述のように、回転側部材を樹脂材料で成形した場合、その厚さが大きくなるにつれて、成形時の収縮量や、使用時の温度変化に伴う寸法変化が大きくなる。本発明は、回転側部材を、金属製の芯金をインサート部品として樹脂材料で射出成形し、樹脂部の一部を芯金で置換したので、回転側部材の軽量化と製造コストの低減を達成しつつ、成形時および使用時の寸法変化を小さくして、回転側部材の寸法精度を高めることができる。芯金は、回転側部材の全体に亘って配設する他、樹脂の寸法変化量が大きい領域に限定して部分的に配設することもできる。寸法変化量を抑制する観点から見れば、芯金を回転側部材の内部に埋め込むことが望ましいが、特に問題がなければその一部を回転側部材外に露出させても構わない。
芯金は、ロータマグネットの背後まで延びた磁性体で形成することができ、これによれば、ステータコイルとロータマグネットの間に発生する磁束の回転側部材を介した漏れを防ぐことができる。
芯金は、他にも例えば焼結金属などの多孔質体で形成することができ、これによれば、多孔質体の表面開孔部で生じるアンカー効果により、芯金を覆う樹脂部の芯金への食い付きを良くして、樹脂部と芯金の固着強度をより一層高めることができる。
以上に述べた動圧軸受装置には、軸部材をスラスト方向で回転自在に支持するスラスト軸受部を設けることができる。スラスト軸受部としては種々の構造が考えられ、例えば固定側部材が、軸部材を内周に挿入した軸受スリーブと、内部に軸受スリーブを固定し、一端側に開口部、他端側に一体又は別体の底部を備えたハウジングとを有するときには、ハウジングの開口部と回転側部材との間にスラスト軸受隙間を備え、このスラスト軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持するものが考えられる(図1および図2参照)。
スラスト軸受部の他例として、ハウジングの底部と軸部材との間にスラスト軸受隙間を備え、このスラスト軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持するものも考えられる(図7参照)。
さらには、スラスト軸受部として、軸部材をハウジングで接触支持するものも考えられる。この場合、軸部材はハウジングの底部、あるいはハウジングの底部に配設した他部材(スラストワッシャ等)と接触する(図8参照)。
これら一連の効果を奏する動圧軸受装置は、この動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ロータマグネットとの間で励磁力を生じるステータコイルとで構成されるモータとして、上記情報機器用に提供することが好ましい。
以上のように、本発明に係る動圧軸受装置によれば、回転側部材を樹脂成形品としているので、回転側部材の軽量化および低コスト化を図ることができる。さらに回転側部材が金属部品と共にインサート成形されるので、回転側部材の成形と組立てを一工程で行うことができ、モータの製造コストを軽減すると共に、回転側部材の成形精度および組立精度を高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る動圧軸受装置1を組込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、固定側部材2および固定側部材2に対して回転自在の回転側部材3を有する動圧軸受装置1と、例えば、半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の内側面6aに取り付けられ、ロータマグネット5は、回転側部材3の外周、より詳しくは外周に磁気ディスク等のディスク状情報記録媒体を一枚または複数枚保持し得るディスクハブ10の外周に取り付けられている。ブラケット6の内周には動圧軸受装置1のハウジング7が装着されている。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する励磁力でロータマグネット5が回転し、それに伴って、回転側部材3が回転する。
動圧軸受装置1は、固定側部材2と回転側部材3とを備えている。固定側部材2は、例えば図2に示すように、ハウジング7と軸受スリーブ8とを主な構成要素として構成され、回転側部材3は、軸部材9とディスクハブ10とを主な構成要素として構成される。
軸部材9は、例えばステンレス鋼等の金属材料を切削加工もしくは鍛造加工することにより形成されるものであり、軸受スリーブ8の内周に挿入される。この軸部材9を軸受スリーブ8の内周に挿入し、かつ回転させた状態では、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材9の外周面9aとの間に、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して形成される。また、ハウジング7の開口部端面7aとディスクハブ10の下側端面10a1との間には、スラスト軸受部T1が形成される。なお、説明の便宜上、ハウジング7の開口部端面7aの側を上側、開口部端面7aと反対の側を下側として以下説明を行う。
ハウジング7は、円筒状の側部7bと、側部7bの下端に位置し、ハウジング7と一体又は別体構造を成す底部7cとを備えている。底部7cは、この実施形態では、側部7bと一体に形成され、例えば液晶ポリマーやPPS等の樹脂材料で有底筒状に射出成形される。スラスト軸受部T1のスラスト軸受面となる開口部端面7aには、例えば、図3に示すように、スパイラル形状の動圧溝7a1が形成されている。この動圧溝7a1は、ハウジング7の成形時に成形されたものである。すなわち、ハウジング7を成形する成形型の、開口部端面7aを成形する部位に、動圧溝7a1を成形する溝型を加工しておき、ハウジング7の成形時に上記溝型の形状をハウジング7の開口部端面7aに転写することにより、動圧溝7a1をハウジング7の成形と同時に成形することができる。また、ハウジング7は、側部7bの上方部外周に、上方に向かって漸次拡径するテーパ状の外壁7dを備えている。なお、この実施形態では、底部7cは例えば上記樹脂材料の射出成形で側部7bと一体に成形されるが、底部7cを、側部7bとは別体に形成し、後付けで側部7bに取り付けてもよい。この場合には、例えば図6に示すように、軸部材9の下端にフランジ部9bを設けて、該フランジ部9bの上側端面9b1と、軸受スリーブ8の下側端面8cとの間に、軸部材9をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部T2を形成することができる。
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング7の内周面7eの所定位置に固定されるようになっている。
軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、この2つの領域には、例えば、図4に示すようなへリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成されている。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。また、軸受スリーブ8の外周面8bには、1本又は複数本の軸方向溝8b1が軸方向全長に亘って形成されている。この実施形態では、3本の軸方向溝8b1を円周方向等間隔に形成している。
ディスクハブ10は、略円板形状を成す基部10aと、基部10aの外周部10a2から軸方向下方に延在した周壁部10bと、周壁部10bの外周に設けられた鍔部10cおよびディスク搭載面10dを備えている。ロータマグネット5を取り付けるための取付け部3cは、この実施形態では、ディスクハブ10の周壁部10bの外周面10b1および鍔部10cの下側端面10c1で構成される。外周面10b1および下側端面10c1には、ロータマグネット5が例えば接着等の手段で固定され、これによりロータマグネット5が、ブラケット6の内側面6aに取り付けたステータコイル4(図1参照)と半径方向に対向するようになっている。また、周壁部10bの内周面10b2は、ハウジング7のテーパ状の外壁7dとの間に、ハウジング7の底部7c側から上方に向けて半径方向寸法が漸次縮小した環状のシール空間Sを形成する。このシール空間Sは、軸部材9およびディスクハブ10の回転時、スラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間の外径側と連通している。周壁部10bの内周面10b2には、抜止め部材11が固定されており、この抜け止め部材11がハウジング7の外周に形成された段部7fと軸方向で係合することにより、軸部材9およびディスクハブ10の上方への抜けを規制している。
上記構成のディスクハブ10は、先に切削加工や鍛造加工等で成形した金属製の軸部材9をインサート部品として、樹脂材料を射出成形することによって成形される。このインサート成形によって、ディスクハブ10の基部10a中央に、軸部材9の上端を埋め込んだ状態で、ディスクハブ10と軸部材9とが一体化される。
このように、ディスクハブ10をインサート成形によって軸部材9と一体に成形することにより、ディスクハブ10の成形と、ディスクハブ10の軸部材9への組付け作業を同時に行うことができるので、上記組付け作業を省略でき、モータの組立てコストを低減することができる。また、ディスクハブ10と軸部材9との一体成形の際、高精度の金型を用い、軸部材の位置決め精度を高めることで、ディスクハブ10と軸部材9との間で容易に高い組付け精度を得ることができ、さらには、成形品の振れ精度あるいは同軸度を高レベルに確保することができる。また、ディスクハブ10は、軸部材9をディスクハブ10に一部埋め込んだ状態で軸部材9と一体化されるので、接着や圧入などにより固定させる場合と同等もしくはそれ以上の固定力を得ることができる。
そのほか、軸部材9に加えて、ロータマグネット5もインサート部品として、ディスクハブ10をインサート成形することができる。これにより、ロータマグネット5のディスクハブ10への組付け作業を省略することができ、さらなるコストダウンが図られる。また、この実施形態では、ハウジング7の開口部端面7aに動圧溝7a1を形成したが、例えば、ディスクハブ10の成形金型のスラスト軸受面に対応する部位に、動圧溝7a1に対応する溝型を加工することにより、ディスクハブ10の型成形と同時に、ディスクハブ10に動圧溝を成形することもできる。この場合、別途スラスト軸受面の動圧溝を成形する必要がないので、より一層のコスト軽減が可能となる。
軸受スリーブ8を、例えば超音波溶着などの固定手段により、ハウジング7の内周面7eの所定位置に固定する。そして、ハウジング7に固定した軸受スリーブ8の内周に軸部材9を挿入して、軸部材9と上述の如く一体に成形したディスクハブ10を固定側部材2に組み込んだ後、軸受スリーブ8に取り付けたディスクハブ10の周壁部10bの内周面10b2に抜止め部材11を圧入、接着等の手段で固定する。
上述のようにして完成させた動圧軸受装置1の軸部材9を回転させると、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる上下2つの領域は、それぞれ軸部材9の外周面9aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材9の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材9がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、ラジアル軸受隙間には、軸部材9をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同様に、ハウジング7の開口部端面7aと、軸部材9と一体に成形されたディスクハブ10の下側端面10a1との間にはスラスト軸受隙間が形成されており、軸部材9の回転に伴い、上記スラスト軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材9がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、スラスト軸受隙間には、軸部材9をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部T1が構成される。
以上、本発明の第1の実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。
図5は、第1の実施形態の変形例を示している。ディスクハブ10は、第1の実施形態では、インサート成形によって軸部材9と一体に成形された樹脂成形品であったが、この実施形態では、さらに金属製の芯金12と一体に成形された樹脂成形品となっている。芯金12は、詳しくは、ディスクハブ13と同様に、略円板形状を成す基部12aの外径側端部12a1から軸方向下側にリング状の周壁部12bを延在した形状を成し、その全体がほぼ均一な厚さを有する。この芯金12の表裏両面および周壁部12bの先端は樹脂部14で覆われている。ディスクハブ13は、例えば先に成形した軸部材15および芯金12をインサート部品として、樹脂材料の射出成形によってインサート成形される。このインサート成形によって、基部12a中央に軸部材15の上端部15aを埋め込んだ状態で、かつディスクハブ13全体に亘って芯金12が埋め込まれた状態でディスクハブ13と軸部材15とが一体化される。
このように、ディスクハブ13全体に亘って芯金12が埋め込まれたディスクハブ13を樹脂材料で成形することにより、ディスクハブ13の軽量化と製造コストの低減を図りつつも、成形時および使用時の寸法変化を小さくして、ディスクハブ13、ひいては回転側部材3の成形寸法精度を高めることができる。ディスクハブ13のうち、特に精度が要求される部位、図示例でいえばロータマグネット5の取付け部では、芯金12の表裏両側の樹脂部14の厚さを等しくするのが望ましい。
また、この実施形態では、軸部材15のディスクハブ13に埋め込む軸部材15の上端部15aに段部15a1を形成して、ディスクハブ13の内径部に露出させた芯金12と軸部材15を段部15a1にて軸方向に係合させているので、軸部材15に対する芯金12の位置決め精度を高めることができ、ひいてはディスクハブ13の軸部材15への組み付け精度をより一層高めることができる。
芯金12は、例えばステンレス鋼などの磁性体で形成することができ、これによれば、ロータマグネット5からディスクハブ13を介して内径側へ抜けようとする磁束が芯金12によって遮断されるので、ステータコイル4とロータマグネット5の間に発生する磁束の漏れを防ぐことができる。なお、芯金12を、例えばプレス加工等の塑性加工により型成形することにより、より低コストでの製造が可能となる。
この他にも、芯金12を、例えば焼結金属などの多孔質体で形成することができ、これによれば、芯金12の周りの樹脂部14は多孔質体の表面開孔部に入り込んだ状態で硬化するので、芯金12に対して一種のアンカー効果を発揮し、樹脂部14と芯金12の固着強度がより一層高められる。
図5では、芯金12と軸部材15の双方をインサート部品とする場合を例示したが、芯金12のみをインサート部品としてディスクハブ13をインサート成形することもできる。この場合、軸部材15は、成形後のディスクハブ13と接着や圧入などの適宜の手段で固定される。
図7は、第2の実施形態に係る動圧軸受装置21を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの拡大断面図である。この実施形態は、第1の実施形態が、ハウジング7とディスクハブ10との間にスラスト軸受隙間を形成したのに対し、ハウジング27および軸受スリーブ28と軸部材29との間にそれぞれスラスト軸受隙間を形成した点で第1の実施形態と異なる。具体的には、軸部材29は、その下端に一体または別体に設けられたフランジ部29bを備えている。また、ハウジング27の下端部に位置する底部27bは、ハウジング27の側部27aとは別体に形成され、後付けで側部27aに取り付けられる。この底部27bの内底面27b1には、図示は省略するが、例えば、スパイラル形状の動圧溝が形成されるとともに、軸受スリーブ28の下側端面28cにも、同様の形状の動圧溝が形成される。上記軸部材29を軸受スリーブ28の内周に挿入し、かつ回転させた状態では、軸受スリーブ28の下側端面28cと軸部材29のフランジ部29bの上側端面29b1との間にスラスト軸受隙間が形成され、このスラスト軸受隙間に潤滑油の動圧作用が生じて軸部材29をスラスト方向に非接触支持する第1スラスト軸受部T11が形成される。同時に、ハウジング27の下端部に取り付けた底部27bの内底面27b1とフランジ部29bの下側端面29b2との間にもスラスト軸受隙間が形成され、このスラスト軸受隙間に潤滑油の動圧作用が生じて軸部材29をスラスト方向に非接触支持する第2スラスト軸受部T12が形成される。
この実施形態において、磁気ディスク等のディスクを支持するディスクハブ30は、先に鍛造等で成形した軸部材29をインサート部品として、例えば樹脂材料の射出成形によってインサート成形される。このインサート成形によって、軸部材29がディスクハブ30の中央を貫通した状態で、ディスクハブ30と軸部材29とが一体化される。
このように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ディスクハブ30をインサート成形によって軸部材29と一体に成形することにより、ディスクハブ30の軸部材29への組付け作業を省略でき、モータの組立てコストを低減することができる。さらには、ディスクハブ30と軸部材29との間の高い組付け精度を得ることができ、両者間での十分な固定力を確保することができる。さらには、この実施形態においても、図5に示す変形例と同様に、ディスクハブ30を芯金12と共にインサート成形することができ、これによりディスクハブ30の成形寸法精度を高めることができる。
図8は、第3の実施形態に係る動圧軸受装置31を組み込んだポリゴンスキャナモータの拡大断面図である。この実施形態は、スラスト軸受部T21を非接触タイプの動圧軸受ではなく、接触タイプのピボット軸受とした点で第1および第2の実施形態と異なる。具体的には、軸部材39は、フランジ部のない軸状を成し、その下端39bは凸球形状に形成されている。軸部材39は、その下端39bをハウジング37に固定したスラストワッシャ37cの内底面37c1にピボット接触させた状態でスラスト方向に接触支持される。
このとき、例えば、ポリゴンミラーを装着した回転部材としてのロータ部材40は、先に成形した軸部材39をインサート部品として、例えば、樹脂材料の射出成形などによってインサート成形される。このインサート成形によって、軸部材39がロータ部材40の中央を貫通した状態で、ロータ部材40と軸部材39とが一体化される。
このように、第3の実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様に、ロータ部材40をインサート成形によって軸部材39と一体に成形することにより、ロータ部材40の軸部材39への組付け作業を省略でき、モータの組立てコストを低減することができる。さらには、ロータ部材40と軸部材39との間の高い組付け精度を得ることができ、両者間での十分な固定力を確保することができる。もちろん、この実施形態においても、ロータ部材40を芯金12と共にインサート成形することができ、上記第1、第2の実施形態と同様にロータ部材40の成形寸法精度を高めることができる。
本発明の第1の実施形態に係る動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図である。 第1の実施形態に係る動圧軸受装置の断面図である。 ハウジングを図2のA方向から見た図である。 軸受スリーブの断面図である。 第1の実施形態に係る動圧軸受装置の一変形例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る動圧軸受装置の一変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る動圧軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る動圧軸受装置を組み込んだポリゴンスキャナモータの拡大断面図である。
符号の説明
1、21、31 動圧軸受装置
2 固定側部材
3 回転側部材
4 ステータコイル
5 ロータマグネット
6 ブラケット
7、27、37 ハウジング
7a1 動圧溝
8、28 軸受スリーブ
8a1 動圧溝
9、29、39 軸部材
10、30 ディスクハブ
10a1 下側端面
10b 周壁部
10b1 外周面
10b2 内周面
10c 鍔部
10c1 下側端面
11 シール部材
12 芯金
13 ディスクハブ
14 樹脂部
15 軸部材
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2、T11、T12、T21 スラスト軸受部

Claims (8)

  1. 固定側部材と、ラジアル軸受隙間に面する軸部材を備えた回転側部材とを具備し、固定側部材と回転側部材の間の環状のラジアル軸受隙間に生じる流体の動圧作用によって回転側部材をラジアル方向に非接触に支持するものにおいて、
    回転側部材が、ロータマグネットの取付け部を有するもので、かつ軸部材および軸部材に嵌合した芯金をインサート部品とする樹脂の射出成形品であることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 芯金が、ロータマグネットの背後まで延びた磁性体で形成されている請求項記載の動圧軸受装置。
  3. 芯金が多孔質体で形成されている請求項または記載の動圧軸受装置。
  4. 固定側部材が、軸部材を内周に挿入可能な軸受スリーブと、内部に軸受スリーブを固定し、一端側に開口部、他端側に一体又は別体の底部を備えたハウジングとを有する請求項1〜3何れか1項に記載の動圧軸受装置。
  5. ハウジングの開口部と回転側部材との間にスラスト軸受隙間を備え、このスラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持する請求項記載の動圧軸受装置。
  6. ハウジングの底部と回転側部材との間にスラスト軸受隙間を備え、このスラスト軸受隙間に生じる流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持する請求項記載の動圧軸受装置。
  7. ハウジングで軸部材を接触支持する請求項記載の動圧軸受装置。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載した動圧軸受装置と、ロータマグネットと、ロータマグネットとの間で励磁力を生じるステータコイルとを有することを特徴とするモータ。
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