JP2968926B2 - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2968926B2
JP2968926B2 JP6230796A JP23079694A JP2968926B2 JP 2968926 B2 JP2968926 B2 JP 2968926B2 JP 6230796 A JP6230796 A JP 6230796A JP 23079694 A JP23079694 A JP 23079694A JP 2968926 B2 JP2968926 B2 JP 2968926B2
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magnetic
magnetic fluid
magnet
bearing device
bearing
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俊彦 宮越
有博 米沢
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軸受装置、さらに詳しく
は磁性流体を潤滑油として用いた軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性流体を潤滑油として用いた軸受装置
の提案が、例えば特開昭62−155327号公報や実
開昭62−202526号公報等になされている。この
軸受装置を適用した、例えばHDD用のスピンドルモー
タの一例を示したのが図13である。このスピンドルモ
ータは所謂中心軸回転型であって、図が煩雑になるのを
避けるために、中心線より右半分のみが示されている。
【0003】同図において、符号1は固定部材たるモー
タハウジングとしてのフレームを示しており、このフレ
ーム1には筒状の軸受ホルダー部1aが立設するように
して一体成形されている。すなわち、軸受ホルダー部1
aを含むフレーム1は、一端が閉塞され他方が開放され
た凹形状をなしている。該軸受ホルダー部1aの外周面
にはステ−タコア6が固定されており、このステ−タコ
ア6にはコイル5が巻回されている。
【0004】上記軸受ホルダー部1aの内周にはラジア
ル滑り軸受2,2がそれぞれ嵌合固定されており、これ
らラジアル滑り軸受2,2の内周には回転軸としての中
心軸3が挿入配置されている。該中心軸3の外周面及び
ラジアル滑り軸受2,2の内周面の少なくとも一方に
は、例えばへリングボーン状等の動圧発生溝が形成され
ており、摺動部(中心軸3とラジアル滑り軸受2,2と
の間の空隙)には磁性流体14が充填されている。すな
わち、中心軸3は、ラジアル滑り軸受2,2の内周面と
の間に発生するラジアル動圧力によりラジアル方向の振
れが抑えられて、ラジアル滑り軸受2,2内を回転する
ようになっている。
【0005】中心軸3のフレーム閉塞側(図における下
方)の端面3aに対向する位置には、フレーム1の凹所
底部を形成するスラスト板1bが設けられている。この
スラスト板1b及び中心軸3のフレーム閉塞側端面3a
の少なくとも一方には、動圧発生溝が形成されており、
摺動部(中心軸3のフレーム閉塞側端面3aとこれに対
向するスラスト板1bの図における上端面との間の空
隙)には磁性流体14が充填されている。すなわち、中
心軸3のフレーム閉塞側端面3aとスラスト板1bの上
端面との間に、中心軸3に対してフレーム開放側に向う
スラスト動圧力が発生するようになっている。
【0006】また、中心軸3には、ステ−タコア6と駆
動マグネット7の磁気中心をずらす公知の手法等によ
り、中心軸3に対してフレーム閉塞側に向う磁気吸引力
が発生するようになっている。従って、この磁気吸引力
と上記スラスト動圧力とにより、スラスト方向のバラン
ス及び振れが抑えられて、スラスト板1b上を回転する
ようになっている。
【0007】中心軸3のフレーム開放側(図における上
方)の端部には、上記コア6、コイル5等を覆うような
形状のハブ4が嵌合固定されている。このハブ4の外周
面には図示されないディスクが装着されており、ハブ4
内周の上記コア6に対向する位置には駆動マグネット7
が固定されている。
【0008】上記軸受ホルダー部1aの内外を連通する
通路10の途中、すなわち軸受ホルダー1aの図におけ
る上端部(フレーム開放側のラジアル滑り軸受2より上
方の位置)には磁性流体シール8が配設されている。こ
の磁性流体シール8は、磁石8bと、この磁石8bを軸
線方向に挟むようにして設けられ磁路を形成するポール
ピース8a,8aとから構成されており、このポールピ
ース8a,8a内周面と中心軸3の外周面との間に磁性
流体9,9が保持され得るようになっている。従って、
この磁性流体シール8により、上記摺動面に充填されて
いる磁性流体を含むホルダー部1a内部に満たされてい
る磁性流体14の軸受部から外方への漏れが防止されて
いると共に、外部から軸受部内への塵芥等の侵入の防止
が図られている。
【0009】また、該磁性流体14のフレーム開放側へ
の漏れ防止を図るものとしては、図14に示されるよう
に、磁性流体シール8に代えて、フレーム開放側のラジ
アル滑り軸受2のフレーム開放側端面に、軸方向に着磁
が施されたマグネット16を配設し、このマグネット1
6の開放磁界により磁性流体14を保持させるという構
造のものもある。
【0010】そして、図示されないモータ外部の電源供
給手段からフレキシブル基板12を介してコイル5に所
定の駆動電圧が印加されると、ディスクを装着したハブ
4が回転するようになっている。なお、符号11は滑り
軸受2,2間に当接して配置される軸受カラーを、13
は中心軸3の抜け止めをそれぞれ示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記HDD用
のスピンドルモータ等にあっては、清浄な雰囲気が要求
されているために、軸受ホルダー部1a内に満たされて
いる磁性流体14の漏れ防止は重要な点となっており、
例えば振動・衝撃・遠心力が加わったり、姿勢が変化し
ても、漏れないことが必要とされる。
【0012】しかしながら、軸受ホルダー部1a内に満
たされている磁性流体14の液面位置は、気圧・温度変
化による磁性流体(実際には内部に混在する空気)の体
積変化や、部品寸法・注入する磁性流体の量のばらつき
等により変化し、このように磁性流体の液面位置が変化
すると、図13、図14に示した磁性流体の漏れ防止構
造では、磁性流体に対する磁気的保持力が大幅に低下し
てしまい、磁性流体の漏れを防止できないといった問題
があった。特に、当該装置を航空機輸送する場合には、
気圧、温度の急激な変化を伴うので、磁性流体14が漏
れ出す危険性が高くなる。
【0013】また、例えば図14を用いて説明するなら
ば、磁性流体14が漏れ出そうとした場合に、当該漏れ
出そうとした磁性流体14が接触する通路10内の部材
(例えば、中心軸3、軸受ホルダー部1a等)の磁性流
体14に対する濡れ性が高い(濡れ易い)と、この漏れ
出そうとした磁性流体14がマグネット16により良好
に吸引されず、当該磁性流体14が部材表面に残ってし
まい、結果的にアウトガスの増加や軸受内部の磁性流体
不足が起こり、信頼性が低下するといった問題もある。
【0014】このような問題は、上記一端が閉塞され他
方が開放された中心軸回転型のモータに限らず、両端が
開放された形状の中心軸固定型のモータにあっても、同
様に発生する。
【0015】そこで本発明は、磁性流体の外部への漏れ
が確実に防止され、外部の汚染及びダストの発生並びに
アウトガスが低減されると共に、内部の磁性流体不足が
解消される軸受装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1手段の軸受装置は上
記目的を達成するために、固定部材または回転部材の何
れか一方に固定され該回転部材を回転自在に支承するラ
ジアル軸受と、このラジアル軸受の摺動部に充填された
磁性流体と、を備えた軸受装置において、前記ラジアル
軸受より開放側における固定部材または回転部材の何れ
か一方にマグネットを設け、このマグネットのラジアル
方向に対向する他方の回転部材または固定部材を磁性体
とし、この磁性体及び前記マグネットによって形成され
る磁気回路により、該磁性体と前記マグネットとの間の
スペースの軸方向の磁束密度勾配を、前記開放側の逆方
向に向かって増大する一方向磁束密度勾配とすると共
に、前記マグネットより開放側に、非磁性材よりなりそ
の周面が前記磁性体に接近する磁性流体漏れ防止板を設
けてなる。
【0017】第2手段の軸受装置は上記目的を達成する
ために、上記第1手段に加えて、磁性流体漏れ防止板及
び磁性体の少なくとも一方表面の材質を、該表面と磁
性流体との接触角がマグネットの表面と磁性流体との接
触角より大となる材質としたことを特徴としている。
【0018】第3手段の軸受装置は上記目的を達成する
ために、上記第1手段に加えて、磁性流体漏れ防止板と
磁性体とが対向する位置から開放側における該磁性流
体漏れ防止板の少なくとも一方表面磁性流体に対
する接触角がマグネットの表面と磁性流体との接触角よ
り大となる材質の被膜を形成したことを特徴としてい
る。
【0019】第4手段の軸受装置は上記目的を達成する
ために、上記第1または第2または第3手段に加えて、
軸受部と外部とを連通する通路におけるマグネットより
開放側に、油吸収材を設けてなる。
【0020】
【作用】このような第1手段における軸受装置によれ
ば、例えば気圧・温度変化による磁性流体の体積変化
や、部品寸法・注入する磁性流体の量のばらつき等によ
り、磁性流体の液面位置が変化しても、開放側の逆方向
に向かって増大する一方向磁束密度勾配による磁気力に
より、磁性流体は良好に保持される。また、例えば振動
・衝撃・遠心力が加わったり、姿勢が変化しても、該一
方向磁束密度勾配による磁気力により、漏れ出そうとす
る磁性流体は引き戻される。また、このような一方向磁
束密度勾配による吸引力に抗して、万が一磁性流体が漏
れ出そうとしても、磁性流体漏れ防止板によりその漏れ
出しが防止される。
【0021】このような第2、第3手段における軸受装
置によれば、マグネットと磁性流体との接触角より磁性
流体との接触角が大となる材質は、磁性流体に対して濡
れ難く、万が一磁性流体が漏れ出そうとしても、磁性流
体は当該材質に対して弾かれて、一方向磁束密度勾配の
吸引力により、元に戻される。
【0022】このような第4手段における軸受装置によ
れば、一方向磁束密度勾配による吸引力に抗して、万が
一磁性流体が漏れ出しても、当該漏れ出した磁性流体は
油吸収材により速やかに吸収され、外部に漏れ出すこと
はない。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例を示す軸受装置を適用
した、例えば中心軸回転型のHDD用のスピンドルモー
タの横断面図、図2は図1の要部の拡大図であり、従来
技術で説明したのと同一なもの及び同一機能を果たすも
のについては同一符号が付してあり、これらについては
重複を避けるために、ここでの説明は省略する。
【0024】この第1実施例にあっては、中心軸3及び
フレーム開放側のラジアル滑り軸受2は磁性材料よりな
り、このフレーム開放側のラジアル滑り軸受2より開放
側、すなわちフレーム開放側のラジアル滑り軸受2のフ
レーム開放側端面に、ラジアル方向に着磁がなされた環
状のマグネット30が配設されている。このマグネット
30は、フレーム開放側のラジアル滑り軸受2及びマグ
ネット30の外周に固定配置された磁性材よりなる保持
部材40により保持された状態となっており、従って、
マグネット30、中心軸3、フレーム開放側のラジアル
滑り軸受2、保持部材40により磁気回路が形成された
状態となっている。
【0025】マグネット30の中心軸3に対する対向面
(内周面)30aは、中心軸3の外周面に対して開放側
の逆方向(図における下方)に向かって接近するような
傾斜面となっている。
【0026】このように、マグネット30に上述のよう
な傾斜面30aを形成して中心軸3との間に磁気回路を
形成すると、マグネット30と中心軸3との間のスペー
ス及びマグネット30のフレーム開放側端面近傍のスペ
ースの各磁束A,B(図11参照)の軸方向における磁
束密度分布は、図12に示されるようになる。
【0027】ここで、本実施例においては、マグネット
30と中心軸3との間のスペースの軸方向の磁束密度勾
配は、図12に示される区間Xの範囲を採るようになっ
ている。すなわち、マグネット30と中心軸3との間の
スペースにおける軸方向の磁束密度勾配は、開放側の逆
方向に向かって増大する一方向磁束密度勾配となってい
る。
【0028】このように、第1実施例においては、マグ
ネット30、中心軸3、フレーム開放側のラジアル滑り
軸受2、保持部材40によって形成される磁気回路によ
り、該中心軸3とマグネット30との間のスペースの軸
方向の磁束密度勾配を、開放側の逆方向に向かって増大
する一方向磁束密度勾配としたので、例えば気圧・温度
変化による磁性流体14の体積変化や、部品寸法・注入
する磁性流体14の量のばらつき等により、磁性流体1
4の液面位置が変化しても、開放側の逆方向に向かって
増大する一方向磁束密度勾配(図12の符号A’で示さ
れる急勾配なる一方向磁束密度勾配に凡そ対応)による
磁気力により、磁性流体14は良好に保持されるように
なっている。また、例えば振動・衝撃・遠心力が加わっ
たり、姿勢が変化し、磁性流体14が漏れる方向に移動
した場合でも、該一方向磁束密度勾配(図12の符号A
A’で示される緩やかなる一方向磁束密度勾配に凡そ対
応)による磁気力により、マグネット30より離れた位
置でも比較的大きな一方向の磁束密度勾配が継続するた
めに、漏れようとする磁性流体は引き戻されるようにな
っている。
【0029】すなわち、磁性流体14の外部への漏れを
確実に防止することができるようになっており、外部の
汚染及びダストの発生並びにアウトガスを低減できると
共に、内部の磁性流体不足を解消することが可能となっ
ている。
【0030】このような構成は、例えば気圧、温度の急
激な変化を伴う当該装置の航空機輸送等の場合に、特に
有効な手段となる。
【0031】また、マグネット30を保持する部材とし
てのフレーム開放側のラジアル滑り軸受2及び保持部材
40を磁性材料より構成し、これらと上記中心軸3及び
マグネット30により磁気回路を構成しているので、中
心軸3及びマグネット30だけにより磁気回路を構成し
たものに比して、その効果をさらに高めることができる
ようになっている。
【0032】因に、上記一方向磁束密度勾配は軸方向に
長く急勾配となるのが望ましく、また磁性流体が保持さ
れる保持部容積も大きいことが望ましい。このような所
望の一方向磁束密度勾配や磁性流体の保持部容積は、マ
グネット30の傾斜等を変えることにより、簡単に得る
ことができるようになっている。
【0033】ところで、第1実施例にあっては、図2に
示されるように、マグネット30の開放側端面に磁性流
体漏れ防止板41が配設されている。この磁性流体漏れ
防止板41は非磁性材よりなり、その内周面は中心軸3
の外周面近傍まで追り出してる。
【0034】従って、上記一方向磁束密度勾配による吸
引力に抗して、万が一磁性流体14が漏れ出そうとして
も、該磁性流体漏れ防止板41により漏れ出し通路が狭
められているので、上記漏れ出し防止の効果をさらに高
めることができるようになっている。
【0035】また、第1実施例にあっては、図2に示さ
れるように、磁性流体漏れ防止板41と中心軸3とが対
向する位置から開放側における該磁性流体漏れ防止板4
1及び中心軸3の両方の表面に、上記磁性流体14に対
する接触角が前記マグネット30の表面と磁性流体14
との接触角より大となる材質の被膜42,42が形成さ
れている。この被膜42,42としては、例えばポリマ
ー材が用いられており、臨界表面張力が30ダイン/c
m(20°C)以下の、例えばテフロン、ポリトリフル
オルエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニ
ールフルオライド等が用いられている。
【0036】このように構成すると、万が一磁性流体1
4が磁性流体漏れ防止板41と中心軸3との間の隙間か
ら漏れ出してきても、マグネット30と磁性流体14と
の接触角より磁性流体14との接触角が大となる材質と
しての例えばポリマー材42は磁性流体14に対して濡
れ難いので、漏れ出てきた磁性流体14は当該ポリマー
材42に対して弾かれて、一方向磁束密度勾配の吸引力
によって、元に戻されることになる。従って、磁性流体
漏れ防止板41を設けたものより、さらに効果的とする
ことが可能となっている。
【0037】なお、ポリマー材42に代えて、例えばフ
ルオロカーボンや炭化水素の低エネルギー面を表面に配
向させた被膜としても良い。また、ポリマー材42に代
えて、溌油被膜を施すようにしても良い。この溌油被膜
としては、例えばテフロン系樹脂や、磁性流体をエステ
ル系とした場合には、例えばイソステアリン酸を用いる
ことができる。また、溌油被膜そのものを磁性流体14
に対して濡れ難いものとしても上記と同様な効果を得る
ことができる。
【0038】図3は本発明の第2実施例を示す軸受装置
を適用した、例えば中心軸固定型のHDD用のスピンド
ルモータの横断面図であり、第1実施例で説明したのと
同一なもの及び同一機能を果たすものについては同一符
号が付してあり、これらについては重複を避けるため
に、ここでの説明は省略する。
【0039】この第2実施例のモータは、中心軸21a
が磁性材よりなるフレーム21と共に固定された中心軸
固定型のモータであるので、両開放端からの磁性流体1
4の漏れを防止すべく、マグネット30は、各ラジアル
滑り軸受2,2より開放側にそれぞれ配設されている。
また、第1実施例と同様な磁気回路を形成するために、
図における上側のマグネット30に対向する中心軸21
a及び図における下側のマグネット30に対向する部材
44(この部材44を設けない場合にはハブ54)は、
それぞれ磁性材料より構成されている。さらに、マグネ
ット30の開放側端面には第1実施例と同様な磁性流体
漏れ防止板41がそれぞれ配設されており、磁性流体漏
れ防止板41と中心軸21a(ハブ54)とが対向する
位置から開放側における該磁性流体漏れ防止板41及び
中心軸21a(ハブ54)の両方の表面に、マグネット
30と磁性流体14との接触角より磁性流体14との接
触角が大となる材質の第1実施例と同様な被膜42,4
2が形成されている。
【0040】このように構成しても、第1実施例と同様
な効果を得ることができるというのはいうまでもない。
【0041】図4は本発明の第3実施例を示す軸受装置
の要部の横断面図である。この第3実施例にあっては、
マグネット31の中心軸3に対する対向面31aを傾斜
面とせずに、このマグネット31に対向する位置の中心
軸3外周に、環状の磁性体35が固定されている。この
磁性体35のマグネット31に対する対向面(外周面)
35aは、マグネット31の対向面31aに対して開放
側の逆方向(図における下方)に向かって接近するよう
な傾斜面となっている。
【0042】そして、磁性流体漏れ防止板41及び被膜
42に関しては、先の第1実施例と同様にして設けられ
ている。なお、符号60は磁性流体漏れ防止板41をマ
グネット31に対して軸方向に離間させるためのスペー
サを示している。
【0043】このように構成しても、マグネット31、
磁性体35、中心軸3、フレーム開放側のラジアル滑り
軸受2、保持部材40によって形成される磁気回路によ
り、該磁性体35とマグネット31との間のスペースの
軸方向の磁束密度勾配を、第1実施例と同様な開放側の
逆方向に向かって増大する一方向磁束密度勾配とするこ
とができるので、この一方向磁束密度勾配を形成するこ
とによって生じる効果を第1実施例と同様に得ることが
できる。また、磁性流体漏れ防止板41及び被膜42を
設けることにより生じる効果も同様に得ることができ
る。
【0044】図5は本発明の第4実施例を示す軸受装置
の要部の横断面図である。この第4実施例の軸受装置が
第1実施例のそれと違う点は、マグネット32の中心軸
3に対する対向面32aを傾斜面とせずに、該マグネッ
ト32の対向面32aの反対側の面(裏面)32bを、
該マグネット32のラジアル方向の厚さが開放側の逆方
向に向かって厚くなるように、傾斜させた点である。
【0045】このように構成しても、マグネット32、
中心軸3、フレーム開放側のラジアル滑り軸受2、保持
部材40によって形成される磁気回路により、該中心軸
3とマグネット32との間のスペースの軸方向の磁束密
度勾配を、第1実施例と同様な開放側の逆方向に向かっ
て増大する一方向磁束密度勾配とすることができるの
で、この一方向磁束密度勾配を形成することによって生
じる効果を第1実施例と同様に得ることができる。ま
た、磁性流体漏れ防止板41及び被膜42を設けること
により生じる効果も同様に得ることができる。
【0046】図6は本発明の第5実施例を示すものであ
り、(a)は軸受装置の要部の横断面図、(b)は
(a)中に示されるマグネットの着磁分布図である。
【0047】この第5実施例の軸受装置が第1実施例の
それと違う点は、マグネット33の中心軸3に対する対
向面33aを傾斜面とせずに、マグネット33の着磁強
さが、開放側の逆方向に向かって増大するように、該マ
グネット33に着磁を施した点である。
【0048】このように構成しても、一方向磁束密度勾
配を形成することによって生じる効果を第1実施例と同
様に得ることができる。また、磁性流体漏れ防止板41
及び被膜42を設けることにより生じる効果も同様に得
ることができる。
【0049】図7は本発明の第6実施例を示す軸受装置
の要部の横断面図である。
【0050】この第6実施例にあっては、第1実施例の
磁性流体漏れ防止板41及び被膜42に加えて、軸受部
と外部とを連通する通路10におけるマグネット30よ
り開放側の位置に、油吸収材43,43が設けられてい
る。この油吸収材43,43の配設位置は、本実施例に
おいては、磁性流体漏れ防止板41の開放側端面及び中
心軸3の被膜42より開放側の面(詳しくはハブ4にお
ける被膜42に対して隣接する壁面)となっている。
【0051】油吸収材43としては、例えばポリプロピ
レンやポリエステルよりなる不織布が用いられており、
図8に示されるように、表面の油吸収層43aと裏面の
接着層43bとから構成されている。
【0052】このように、本実施例においては、軸受部
と外部とを連通する通路10におけるマグネット30よ
り開放側に、油吸収材43,43を設けているので、一
方向磁束密度勾配による吸引力に抗して、万が一磁性流
体14が漏れ出しても、当該漏れ出した磁性流体14は
上記油吸収材43,43により速やかに吸収されるよう
になっており、外部に漏れ出すことがなくなっている。
従って、上記第1乃至第5実施例をさらに効果的とする
ことが可能となっている。
【0053】なお、図8に示される油吸収材43に代え
て、例えば長鎖ポリアクリレートやゲル化剤からなる固
化材を用いても良く、また、図8に示される油吸収材4
3に代えて、図9に示されるように、表面の油吸収層5
0aと裏面の接着層50bとの間に、例えば長鎖ポリア
クリレートやゲル化剤からなる固化層50cを有する油
吸収材50を用いても良く、さらにまた、図10に示さ
れるように、上記固化材を含有させた油吸収層51aと
接着層51bとからなる油吸収材51を用いても良い。
【0054】因に、上記油吸収材43,50,51は、
一方向磁束密度勾配による吸引力及び磁性流体漏れ防止
板41のみを有し、被膜42の形成されていない軸受装
置に対しても同様に適用できる。
【0055】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、マグネット30〜33を、該マグネット30〜33
に対向する部材としての中心軸3に固定し(第2実施例
の図における上側のマグネット30にあっては中心軸2
1aに、図における下側のマグネット30にあってはハ
ブ54に固定し)、マグネット30〜33のあった位置
に磁性体を対向するように設けても良い。
【0056】また、上記実施例においては、被膜42の
形成位置を、最も効果的だとして、磁性流体漏れ防止板
41と中心軸3とが対向する位置から開放側における該
磁性流体漏れ防止板41及び中心軸3の位置としている
が、他の位置に被膜されていても構わない。また、磁性
流体漏れ防止板41及び中心軸3の両方に被膜42を形
成しているが、少なくとも一方に形成してあれば本発明
効果が妨げられるものではない。さらにまた、この被膜
42を形成せずに、磁性流体漏れ防止板41及び中心軸
3の少なくとも一方の材質を、該一方の部材と磁性流体
14との接触角が前記マグネット30〜33の表面と磁
性流体14との接触角より大となる材質で形成するよう
にしても良い。
【0057】また、上記実施例においては、動圧軸受に
対する適用例が述べられているが、、他の軸受に対して
も同様に適用できる。
【0058】また、上記実施例においては、軸受装置を
HDD用のスピンドルモータに対して適用した例が述べ
られているが、レーザビームプリンタ用のモータに対し
ても適用可能であり、さらに他のモータに対しても同様
に適用可能である。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、第1発明の軸受装置
によれば、例えば気圧・温度変化による磁性流体の体積
変化や、部品寸法・注入する磁性流体の量のばらつき等
により、磁性流体の液面位置が変化しても、開放側の逆
方向に向かって増大する一方向磁束密度勾配による磁気
力により、磁性流体は良好に保持される。また、例えば
振動・衝撃・遠心力が加わったり、姿勢が変化しても、
該一方向磁束密度勾配による磁気力により、漏れようと
する磁性流体は引き戻される。また、このような一方向
磁束密度勾配による吸引力に抗して、万が一磁性流体が
漏れ出そうとしても、磁性流体漏れ防止板によりその漏
れ出しが防止される。すなわち、磁性流体の外部への漏
れを確実に防止することができ、外部の汚染及びダスト
の発生並びにアウトガスを低減できると共に、内部の磁
性流体不足を解消することが可能となる。
【0060】特に、第2、第3発明の軸受装置によれ
ば、第1発明に加えて、万が一磁性流体が漏れ出そうと
しても、マグネットと磁性流体との接触角より磁性流体
との接触角が大となる材質は磁性流体に対して濡れ難い
ので、漏れ出そうとした磁性流体は当該材質に対して弾
かれて、一方向磁束密度勾配の吸引力により、元に戻さ
れる。従って、第1発明をさらに効果的とすることが可
能となる。
【0061】また、第4発明の軸受装置によれば、第1
または第2または第3発明に加えて、一方向磁束密度勾
配による吸引力に抗して、万が一磁性流体が漏れ出して
も、当該漏れ出した磁性流体は油吸収材により速やかに
吸収され、外部に漏れ出すことはない。従って、第1ま
たは第2または第3発明をさらに効果的とすることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す軸受装置を適用した
中心軸回転型のHDD用モータの横断面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す軸受装置を適用した
中心軸固定型のHDD用モータの横断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す軸受装置の要部の横
断面図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す軸受装置の要部の横
断面図である。
【図6】本発明の第5実施例を示すものであり、(a)
は軸受装置の要部の横断面図、(b)は(a)中に示さ
れるマグネットの着磁分布図である。
【図7】本発明の第6実施例を示す軸受装置の要部の横
断面図である。
【図8】図7中の油吸収材の一例を表した油吸収材の横
断面図である。
【図9】同上油吸収材の他の例を表した油吸収材の横断
面図である。
【図10】同上油吸収材のさらに他の例を表した油吸収
材の横断面図である。
【図11】第1乃至第6実施例のマグネット及び磁性体
周辺の磁束を表した解析図である。
【図12】図11中に符号A,Bで表した磁束の密度分
布図である。
【図13】従来技術を示す軸受装置を適用した中心軸回
転型のHDD用モータの横断面図である
【図14】図13中の磁性流体保持構造の他の例を表し
た横断面図である。
【符号の説明】
1,1a,21,21a 固定部材 2 ラジアル軸受 3,54 回転部材 14 磁性流体 30〜33 マグネット 35,44 磁性体 41 磁性流体漏れ防止板 42 材質 43,50,51 油吸収材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 33/74 F16J 15/43

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材または回転部材の何れか一方に
    固定され該回転部材を回転自在に支承するラジアル軸受
    と、このラジアル軸受の摺動部に充填された磁性流体
    と、を備えた軸受装置において、 前記ラジアル軸受より開放側における固定部材または回
    転部材の何れか一方にマグネットを設け、 このマグネットのラジアル方向に対向する他方の回転部
    材または固定部材を磁性体とし、 この磁性体及び前記マグネットによって形成される磁気
    回路により、該磁性体と前記マグネットとの間のスペー
    スの軸方向の磁束密度勾配を、前記開放側の逆方向に向
    かって増大する一方向磁束密度勾配とすると共に、 前記マグネットより開放側に、非磁性材よりなりその周
    面が前記磁性体に接近する磁性流体漏れ防止板を設けて
    なる軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軸受装置において、 磁性流体漏れ防止板及び磁性体の少なくとも一方表面
    の材質を、該表面と磁性流体との接触角がマグネット
    表面と磁性流体との接触角より大となる材質としたこと
    を特徴とする軸受装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軸受装置において、 磁性流体漏れ防止板と磁性体とが対向する位置から開放
    側における該磁性流体漏れ防止板の少なくとも一方
    表面磁性流体に対する接触角がマグネットの表面
    磁性流体との接触角より大となる材質の被膜を形成した
    ことを特徴とする軸受装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3記載の軸受装
    置において、軸受部と外部とを連通する通路におけるマ
    グネットより開放側に、油吸収材を設けてなる軸受装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112431925A (zh) * 2020-11-23 2021-03-02 清华大学 磁性液体复合密封装置
US11261972B1 (en) 2020-11-23 2022-03-01 Tsinghua University Combined sealing device with magnetic fluid

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