JP3933692B2 - V字状オイルバリヤ溝を有する動力学的溝軸受 - Google Patents

V字状オイルバリヤ溝を有する動力学的溝軸受 Download PDF

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Description

本発明は、内側軸受部分及びこの内側軸受部分の周りに回転自在の外側軸受部分を有し、これらの軸受部分には互いに連携動作する軸受面を設け、これらの軸受面間には軸受ギャップを設け、この軸受ギャップには動作中潤滑液体が存在し、少なくとも一方の軸受部分の軸受面に溝パターンを設け、外側軸受部分の軸受面には軸受ギャップの境界をなす環状窪みを設けた動力学的溝軸受に関するものである。
また、本発明は、本発明による動力学的溝軸受に使用するのに好適な外側軸受部分に関するものである。
更に、本発明は、本発明による動力学的溝軸受に使用するのに好適な内側軸受部分に関するものである。
更に、本発明は、ステータと、このステータに対して動力学的溝軸受により回転自在に支承したロータとを有し、前記ステータを前記動力学的溝軸受の内側軸受部分に固定し、また前記ロータを前記動力学的溝軸受の外側軸受部分に固定した電動モータに関するものである。
更にまた、本発明は、情報ディスクと、この情報ディスクに連携動作する走査ユニットとを有し、前記情報ディスクを電動モータによってハウジング内で回転自在にしたデータ記憶ユニットに関するものである。
上述の動力学的溝軸受及び電動モータは特開平6−178492号に記載されている。この既知の動力学的溝軸受の内側軸受部分は、溝パターンを設けた円形断面の円筒形軸受面を設けた固定配置のシャフトにより構成している。更に、この既知の動力学的溝軸受の外側軸受部分は、軸線の周りに回転自在でありかつ内側軸受部分のシャフトの軸受面に連携動作する滑らかな円形断面の円筒形軸受面を設けたブッシュにより構成している。このような動力学的溝軸受の一般的な問題としては、動力学的溝軸受の臨界速度移動となると軸受ギャップから潤滑液体が漏洩するという問題がある。既知の動力学的溝軸受では、シャフトとブッシュの互いに連携動作する軸受面間の軸受ギャップを区切る即ち、境界をなす環状窪みをブッシュの軸受面に設けている。軸受ギャップからの潤滑液体の漏洩は動作中この環状窪みに捕捉される。軸受ギャップから漏洩した潤滑液体は、シャフトの周りのブッシュの回転によって潤滑液体に作用する遠心力の作用の下に環状窪み内に保持される。既知の動力学的溝軸受からの潤滑液体の動作中の漏洩は、このようにしてできるだけ防止される。
既知の動力学的溝軸受の欠点は、シャフトの周りにブッシュが比較的高速で回転するとき、環状窪みは動力学的溝軸受からの潤滑液体の漏洩を防止できない点である。例えば、動力学的溝軸受をコンピュータのハードディスクを駆動する電動モータに使用するときのようにシャフトの周りにブッシュが比較的高速で回転するとき、軸受ギャップから比較的多量に潤滑液体が漏洩する。この結果、上述の窪みは潤滑液体で完全に満たされ、窪みの端縁からあふれて動力学的溝軸受から漏洩してしまう。
本発明の目的は、内側軸受部分の周りに外側軸受部分が比較的高速で回転するとき動力学的溝軸受から潤滑液体が漏洩するのを防止する上述の種類の動力学的溝軸受を得るにある。
この目的を達成するため、本発明動力学的溝軸受は、前記環状窪みの前記軸受ギャップに面する側に外側軸受部分の軸受面に隣接しかつ外側軸受部分の軸受面に鈍角の角度β1をなす第1側面を設けるとともに、前記環状窪みの前記軸受ギャップから遠い方の側に前記外側軸受部分の軸受部分に隣接しかつ前記外側軸受部分の軸受面に鈍角の角度β2をなす第2側面を設けたことを特徴とする。動作中に互いに連携動作する軸受面間に軸受ギャップから漏洩する潤滑液体は環状窪み内に捕捉され、内側軸受部分の周りの外側軸受部分の回転によって潤滑液体に作用する遠心力の作用の下で環状窪みに保持される。環状窪みにおける潤滑液体はメニスカス(三日月形状)を形成し、環状窪みの第1側面及び第2側面に対して或る接触角で接する。この接触角度は潤滑液体の成分、環状窪みを形成する外側軸受部分の材料の成分、動力学的溝軸受の速度に左右される値を有する。環状窪みの第1及び第2の側面は同一の材料で形成する場合、潤滑液体と第1側面との間の接触角度は、潤滑液体と第2側面との間の接触角度に等しくなる。第1側面の鈍角の角度β1は第2側面の鈍角の角度β2よりも小さいため、即ち、第1側面は第2側面よりも急峻であるため、同一の接触角となるには、第1側面に隣接する環状窪みの底部の上方のメニスカスのレベルは、第2側面に隣接する環状窪みの底部の上方のメニスカスのレベルよりも大きくなる。この結果、メニスカスは、比較的高速では先ず第1側面に隣接する外側軸受部分の軸受面に達し、潤滑液体は第1側面に隣接する環状窪みから流出し、軸受ギャップの毛細管作用又は溝パターンのポンピング作用により軸受ギャップに還流する。メニスカスは、環状窪みの第2側面に隣接する外側軸受部分の軸受面には達せず、潤滑液体は環状窪みの軸受ギャップから遠い方の側からは流出しない。このようにして、比較的高速回転中でも動力学的溝軸受からの潤滑液体の漏洩は阻止される。
本発明による動力学的溝軸受の好適な実施例においては、前記鈍角の角度β1を135°以下とし、前記鈍角の角度β2を145°以上とする。この値の角度β1,β2を使用すると、環状窪みの第1側面に隣接するメニスカスと、環状窪みの第2側面に隣接するメニスカスとのレベルの差は、例えば、外部干渉力の作用の下にメニスカスレベルに生ずる変動により潤滑液体が漏洩するのを防止するのに十分なものとなる。
本発明による動力学的溝軸受の他の実施例においては、前記外側軸受部分の軸受面に溝パターンを設けるとともに、前記環状窪みの前記第1側面を前記溝パターンに隣接させる。本発明によるこの実施例の動力学的溝軸受においては、比較的高速での動作で、環状窪みの第1側面に隣接する側からの潤滑液体の流出は即座に溝パターンのポンピング作用を受け、潤滑液体は軸受ギャップに効率よく還流する。更に、メニスカスは環状窪みの第2側面に隣接する部分では比較的低いレベルに達する。これは即ち、環状窪みの第1側面に隣接する溝パターンの底部の位置に対応するレベルにのみ達するだけであるからである。
本発明による動力学的溝軸受の更に他の実施例においては、前記環状窪みの前記第2側面に、潤滑液体をはじくコーティングを設ける。この構成によれば、コーティングの結果、環状窪みの第2側面に対するメニスカスの接触角は比較的大きな値となり、環状窪み内で凸状のメニスカスを生じ、このメニスカスが環状窪みの第1側面全体をカバーする。第1側面に隣接するメニスカスと第2側面に
隣接するメニスカスとの間のレベルの差は、このようにして一層増大し、環状窪みの信頼性が一層向上する。
本発明による動力学的溝軸受の更に他の実施例においては、前記内側軸受部分に、前記環状窪みの第2側面に対向配置しかつ前記内側軸受部分の軸受面に対して鈍角の角度β3をなす円錐面を設け、鈍角の角度β3を前記鈍角の角度β2よりも小さくする。鈍角の角度β3の円錐面を使用することにより、環状窪みの第2側面と円錐面との間に、軸受ギャップから見て次第に拡開する環状室を生ずる。動力学的溝軸受が静止しているとき、潤滑液体の一部は軸受ギャップから流出する。この潤滑液体は、環状窪みの第2側面と内側軸受部分の円錐面との間のこの環状室内にメニスカスを形成し、この潤滑液体は、環状室の拡開形状により軸受ギャップに向かう方向の毛細管力を受ける。この毛細管力は、動力学的溝軸受が静止しているときにも動力学的溝軸受からの潤滑液体の漏洩を防止する。
本発明による動力学的溝軸受の更に他の実施例においては、前記円錐面の前記軸受ギャップから離れる方向に前記環状窪みの第2側面を越えて延長させる。この実施例においては、拡開する環状室が比較的大きくなり、動力学的溝軸受が静止している間に毛細管力の作用の下に比較的多量の潤滑液体を環状室内に保持することができる。
本発明による動力学的溝軸受の更に他の実施例においては、前記円錐面を、前記内側軸受部分の軸受面に設けた他の環状窪みの側面として形成する。この他の環状窪みは、内側軸受部分の軸受面の円錐面を製造するのに、内側軸受部分から比較的僅かな量の材料のみを除去するだけで済むことを意味する。
本発明によれば、上述の種類の電動モータにおいて、前記動力学的溝軸受を本発明による動力学的溝軸受により構成したことを特徴とする。本発明による動力学的溝軸受の好ましい特性は電動モータに特に有利に使用できる。即ち、電動モータの比較的高速回転により動力学的溝軸受から漏洩する潤滑液体により電動モータが汚れるのを防止できるからである。
上述の種類の本発明によるデータ記憶ユニットにおいては、電動モータを本発明による電動モータにより構成したことを特徴とする。本発明による電動モータ及びこの電動モータに使用する動力学的溝軸受の好ましい特性は、データ記憶ユニットに特に有利に使用することができる。即ち、電動モータの比較的高速回転により動力学的溝軸受から漏洩する潤滑液体によりデータ記憶ユニット及びこのユニットに使用する情報ディスクが汚れるのを防止できるからである。
以下に図面につき本発明を詳細に説明する。
図1aは、本発明による動力学的溝軸受の第1実施例を設けた電動モータの一部断面とする側面図、
図1bは、モータが回転しているときの図1aの動力学的溝軸受の環状窪みの詳細を示す説明図、
図2aは、本発明による動力学的溝軸受の第2実施例を設けた電動モータの一部断面とする側面図、
図2bは、モータが回転しているときの図2aの動力学的溝軸受の他の環状窪みの詳細を示す説明図、
図3aは、本発明による動力学的溝軸受の第3実施例を設けた電動モータの一部断面とする側面図、
図3bは、モータが回転しているときの図3aの動力学的溝軸受の環状窪み及び他の環状窪みの詳細を示す説明図、
図4は、電動モータ及び本発明による動力学的溝軸受を有するデータ記憶ユニットの線図的平面図、
図5は、図4のデータ記憶ユニットの側面図である。
図1a,図2a,及び図3aにおいて、それぞれ本発明による動力学的溝軸受の第1、第2、及び第3の実施例の電動モータの対応する部分には同一の参照符号を付して説明する。
図1aに示す電動モータ1は、ステータ3及びロータ5を有し、このロータ5はステータ3に対して回転軸線7の周りに、本発明による動力学的溝軸受9の第1の実施例によって回転自在に支承する。ステータ3は図1aには線図的にのみ示す電気コイル11を有し、ロータ5はこの電気コイル11に連携動作する永久磁石13を有し、この永久磁石13も図1aに線図的にのみ示す。
図1aに更に示すように、動力学的溝軸受9は、内側軸受部分15と、この内側軸受部分15に対して回転軸線7の周りに回転自在の外側軸受部分17とを有する。内側軸受部分15を電動モータ1のステータ3に固定するとともに、外側軸受部分17は電動モータ1のロータ5に固定する。内側軸受部分15は、ステータ3に対して固定したシャフト19により構成し、回転軸線7に一致する中心ライン21を有する。シャフト19には中心ライン21に同心状の滑らかな円形断面の円筒形軸受面23を設ける。更に、内側軸受部分15に、中心ライン21に直交する環状軸受面27,29を有する環状軸受プレート25を設ける。外側軸受部分17はロータ5に固着した軸受ブッシュ31により構成し、動作中にはシャフト19の中心ライン21にほぼ一致する中心ライン33を有する。軸受ブッシュ31は、中心ライン33に同心状の内面を設けた円形断面の円筒形軸受面35を有し、この軸受面35をシャフト19の軸受面23に連携動作させる。外側軸受部分17には環状の軸受室37を設け、この軸受室37内に内側軸受部分15の軸受プレート25を配置する。軸受室37は外側軸受部分17の環状閉鎖プレート39によって閉鎖する。軸受室37には、中心ライン33に直交しかつ軸受プレート25の環状軸受面29に連携動作する滑らかな軸受面41を設けるとともに、閉鎖プレート39には、中心ライン33に直交しかつ軸受プレート25の環状軸受面27に連携動作する滑らかな環状軸受面43を設ける。軸受ギャップ45を互いに連携動作する軸受面23,35間に設け、軸受ギャップ47を互いに連携動作する軸受面29,41間に設け、また軸受ギャップ49を互いに連携動作する軸受面27,43間に設け、このような軸受ギャップには、動作中例えば、潤滑オイル又はグリースのような潤滑液体を存在させる。
図1aに更に示すように、第1溝パターン51及び第2溝パターン53を軸受ブッシュ31の軸受面35に互いに軸線方向に或る距離離して設け、各溝パターン51,53はV字状形状で、等間隔毎に配列した多数の一連の溝55a,55bの対を設ける。これらの溝パターン51,53は、シャフト19の滑らかな軸受面23と組合わさって半径方向の動力学的溝軸受57を形成し、この動力学的溝軸受内で、軸受ブッシュ31のシャフト19の周りの回転中に生ずる溝55a,55bのポンピング作用の影響の下で溝55a,55bに存在する潤滑液体によって安定化圧力を発生し、外側軸受部分17は内側軸受部分15に対して回転軸線7に直交する方向に支持される。軸受プレート25の環状軸受面27,29にも、それぞれ対応の溝パターン59,61を設ける。図1aにのみ側面図として見える溝パターン59,61にも、V字状形状で、等間隔毎に配列した多数の一連の溝63を設ける。溝パターン59,61は、それぞれ外側軸受部分17の滑らかな軸受面43及び滑らかな軸受面41と組合わさって軸線方向の動力学的溝軸受65を形成し、外側軸受部分17の内側軸受部分15の周りの回転中に潤滑液体による安定化圧力を発生し、外側軸受部分17は内側軸受部分15に対して回転軸線7に平行な方向に支持される。
更に、図1aに示すように、電動モータ1の動力学的溝軸受9は外側軸受部分17の軸受面35に設けて互いに連携動作する軸受面23,35間のギャップ45を区切る軸受67を有する。以下に説明するように、環状窪み67は軸受ギャップ45に存在する潤滑液体が動力学的溝軸受9から漏洩するのを防止する。図1bに示すように、環状窪み67の軸受ギャップ45がワイヤに第1側面69を設け、この第1側面69を外側軸受部分17の軸受面35に隣接させ、第1側面69と軸受面35とが鈍角β1をなすようにする。軸受ギャップ45から遠い方の側の環状窪み67の部分に第2側面71を設け、この第2側面71を外側軸受部分17の軸受面35に隣接させ、外側軸受部分17の軸受面35に対してやはり鈍角β2をなすようにする。図1bに見えるように、鈍角β1を鈍角β2よりも小さくし、窪み67の第1側面69を第2側面71よりも急峻な角度にする。更に、図1bに示すように、窪み67の側面69,71を窪み67の丸みのある底部73に合流させる。窪み67の第1側面69を溝パターン53に隣接させ、このパターン53の溝55bを環状窪み67内に導入させる。
環状窪み67は潤滑液体が動力学的溝軸受9から漏洩するのを防止するため、以下のように動作する。動力学的溝軸受は既知のように、動力学的溝軸受9の臨界速度以上になる動作中に軸受ギャップ45に存在する潤滑液体の漏洩を生ずる。この臨界速度は特に、軸受ギャップ45の高さ及び潤滑液体の粘度及び表面張力によって決定される。動作中の軸受ギャップ45からの潤滑液体の漏洩は、外側軸受部分17の回転にともない、潤滑液体と外側軸受部分17との間の摩擦力の影響の下で発生する。このことは、潤滑液体が遠心力を受け、この遠心力の影響の下で潤滑液体が環状窪み67に捕捉され、環状窪み67内に保持されることを意味する。図1bに示すように、軸受ギャップ45から漏洩した潤滑液体75は環状窪み67内でメニスカス(三日月形状)77を形成し、このメニスカス77は環状窪み67の第1側面69及び第2側面71に対していゆるる接触角αをなす。この接触角αは、潤滑液体75の成分、軸受ブッシュ31を製造しかつ環状窪み67を形成する材料の成分、電動軸受1及び動力学的溝軸受9の速度によって決定される値を有する。図1a,図1bに示す動力学的溝軸受9の第1の実施例では、環状窪み67の側面69,71は同一材料により形成し、従って、メニスカス77と第2側面69との間の接触角αはメニスカス77と第2側面71との間の接触角αに等しくなる。第1側面69の鈍角β1は第2側面71の鈍角β2よりも小さいため、即ち、第1側面69は第2側面71よりも急峻であるため、メニスカス77は接触角αを得るのに第1側面69における窪み67の底部73の上方のレベルh1を有し、このレベルh1は接触を得るのに第2側面71におけるメニスカス77のレベルh2よりも高い。メニスカス77のレベルh1及びh2は、動力学的溝軸受9の高速回転中に軸受ギャップ45から漏洩し続ける結果として環状窪み67内の潤滑液体75の量が増加して図1bに示す状況に達するまで増加する。この状況において、メニスカス77は窪み67の第1側面69に隣接する溝パターン53の溝55bの底部79に達する。窪み67における潤滑液体75の量が更に増大すると、第1側面69に隣接する溝パターン53の溝55bに流入し、溝パターン53の溝55bに進入した潤滑液体は、溝55bのポンピング作用の下に軸受ギャップ45に還流する。このようにして、図1bに示す環状窪み67内の潤滑液体75のレベルを越えることはない。窪み67に存在する潤滑液体75は窪み67の軸受ギャップ45から遠い方の端縁81からオーバーフローすることはない。即ち、窪み67の第2側面71に隣接するメニスカス77の高さh2は、窪み67の第1側面69に隣接するメニスカス77の高さh1よりも小さく、従って、図1aに示す動力学的溝軸受9の端部83に沿う潤滑液体の漏洩は、動力学的溝軸受9の高速回転でも防止される。
メニスカス77の高さh1及びh2間の差は、鈍角β1と鈍角β2の値の差によって決定される。この高さh1及びh2は、例えば、動力学的溝軸受9に加わる外部干渉力により変動する。メニスカス77のレベルh1とh2の差は、鈍角β1が135°よりも小さく、鈍角β2が145°よりも大きいとき、レベルh1とh2の変動により生ずる動力学的溝軸受9からの潤滑液体の漏洩を防止するのに十分である。図1bに示す動力学的溝軸受9の第1実施例では、鈍角β1を約120°、鈍角β2を約160°とする。しかし、上述の窪み67の動作によれば、角度β1が角度β2よりも小さいとき、窪み67は全般的に潤滑液体の動力学的溝軸受9からの漏洩を防止する。
メニスカス77は、窪み67の第1側面69に隣接する溝55bの底部79の位置にほぼ対応するレベルにのみ達する。即ち、溝パターン53は環状窪み67に隣接し、溝パターン53の溝55bは窪み67に合流するためである。このため、窪み67の第2側面71に隣接するメニスカス77のレベルh2は比較的低く、窪み67の動作は極めて信頼性が高い。しかし、溝パターン53と環状窪み67との間が軸線方向に離れているときにも本発明は適用することができる。この他の実施例においては、メニスカス77は窪み67の第1側面69に隣接するレベルに達し、このレベルは軸受ギャップ45に対向する窪み67の端縁85の位置に対応する。メニスカス77がこの端縁85を越えると、窪み67からオーバーフローする潤滑液体は軸受ギャップ45の毛細管力の作用によって軸受ギャップ45に還流する。しかし、鈍角β1と鈍角β2との差が十分大きいときは、メニスカス77は第2側面71に隣接する軸受ギャップ45から遠い方の窪みの端縁81から十分大きな距離を保持することになる。
図2aに示す電動モータ87においては、ロータ5は回転軸線7の周りにステータ3に対して本発明による動力学的溝軸受89の第2の実施例によって支承する。電動モータ87の動力学的溝軸受89は、はやり外側軸受部分17の軸受面35に設けた環状窪み91を有し、この環状窪み91により互いに連携動作する軸受面23,35間の軸受ギャップ45を区切る。環状窪み91の詳細を図2bに詳細に示す。動力学的溝軸受9の環状窪み67と同様に、動力力的溝軸受89の環状窪み91も、軸受ギャップ45に対向する側に、外側軸受部分17の軸受面35に隣接する第1側面69を設け、この第1側面69を外側軸受部分17の軸受面35に対して鈍角の角度β1をなすようにし、また軸受ギャップ35から遠い方の側に、外側軸受部分17の軸受面35に隣接する第2側面71を設け、この第2側面71を外側軸受部分17の軸受面35に対して鈍角の角度β2をなすようにし、角度β1を角度β2よりも小さくする。図2bに示すように、窪み91の側面69,71を窪み91の平坦な円形断面の円筒形底部93に合流させる。
図2bに示すように、動力学的溝軸受89の内側軸受部分15は、滑らかな円形断面の円筒形軸受面23を設けたシャフト95を有する。シャフト95の軸受面23に円錐面97を設け、シャフト95の軸受面23における他の環状窪み101の側面99を形成する。図2bに示すように、側面99を軸受ギャップ45に対向する他の環状窪み101の側に設ける。円錐面97は外側軸受部分17の環状窪み91の第2側面71に対向させて配置し、内側軸受部分15の軸受面23に対して鈍角の角度β3をなすように形成する。円錐面97の鈍角β3を環状窪み91の第2側面71の鈍角β2よりも小さくし、環状窪み91の第2側面と円錐面97との間に環状室103を生ずるようにし、この環状室103は軸受ギャップ45から離れる方向に拡開する。図2bに示すように、円錐面97は、軸受ギャップ45から見て環状窪み91の第2側面71を越えて軸線方向に延長させる。
電動モータ87及びこのモータに使用した動力学的溝軸受89の回転中に動力学的溝軸受89から潤滑液体が漏洩するのを防止する外側軸受部分17の環状窪み91の動作は、動力学的溝軸受9の環状窪み67の動作に対応し、電動モータ87が高速回転するとき動力学的溝軸受89から潤滑液体が漏洩するのを防止する。図2bは、電動モータ87並びに動力学的溝軸受89が静止しているときの外側軸受部分17の環状窪み91及び内側軸受部分15の環状窪み101を示し、毛細管作用により潤滑液体105の一部が軸受ギャップ45から滲み出ている状態を示す。図2bに示すように、静止状態で軸受ギャップ45から滲み出た潤滑液体105は、外側軸受部分17の環状窪み91の第2側面71と内側軸受部分15の円錐面97との間の環状室103においてメニスカス107を形成する。軸受ギャップ45から見て環状室103は拡開しているため、環状室103におてる潤滑液体105は軸受ギャップ45の方向に毛細管力を受ける。電動モータ87及び動力学的溝軸受89が静止している間には、この毛細管力が潤滑液体105を環状室103に保持し、従って、電動モータ87が静止している間に動力学的溝軸受89から潤滑液体が漏洩するのを防止する。円錐面97が軸受ギャップ45から離れる方向に軸線方向に外側軸受部分17の環状窪み91の第2側面71を越えて延長しているため、環状室103はできるだけ大きな容積を有し、電動モータ87が静止している間に毛細管作用によって比較的多量の潤滑液体を環状室103に保持することができる。円錐面97は内側軸受部分15の他の環状窪み101の側面99であるため、内側軸受部分15の軸受面23の円錐面97を製造する間に内側軸受部分15から比較的僅かな量の材料を除去するだけである。円錐面97はシャフト95の縮径部分として構成することもでき、この場合、軸受ギャップ45から遠い方の円錐面97の側でシャフト95の直径を内側軸受部分15の軸受面23の外径よりも小さくする。しかし、この場合、このような縮径部分を形成するため内側軸受部分15のシャフト95から比較的多量の材料を除去しなければならない。更に、この他の環状窪み101は軸受ブッシュ31の端部を越えて軸線方向に延長して形成することもできる。軸受ブッシュ31の端部とシャフト95との間の環状ギャップの高さは増大し、これにより、この環状ギャップの毛細管作用によってこの環状ギャップが潤滑液体を保持しないようにする。
図3aに示す電動モータ109において、ロータ5を回転軸線7の周りにステータ3に対して、本発明による動力学的溝軸受111の第3の実施例によって回転自在に支承する。動力学的溝軸受111の外側軸受部分17の軸受面35には、動力学的溝軸受89の外側軸受部分17の環状窪み91の形状に対応する形状の環状窪み113を設ける。動力学的溝軸受111の内側軸受部分15の軸受面23には、動力学的溝軸受89の内側軸受部分15の他の環状窪み101に対応するたの環状窪み101を設ける。この第3の実施例の動力学的溝軸受111は、第2の実施例の動力学的溝軸受89とは、外側軸受部分17の環状窪み113の第2側面71に、例えば、炭化フッ素ポリマーのような潤滑剤をはじくコーティング115を設けた点が異なる。この第3実施例の動力学的溝軸受111においては、動作中に軸受ギャップ45から漏洩する潤滑液体は再び環状窪み113に捕捉され、潤滑液体に作用する遠心力の作用で保持される。環状窪み113の第2側面71にはこのようなコーティング115が被覆されているため、環状窪み113における第2側面71に対して比較的大きな接触角αを有し、図3bに示すように、環状窪み113において、潤滑液体は凸状のメニスカス117を形成する。第2側面71に隣接するメニスカス117の接触角αは比較的大きく、また第2側面71の鈍角β2は第1側面69の鈍角β1よりも大きく、この結果、第2側面71に隣接するメニスカス117は、この比較的大きい接触角αを得るため窪み113の底部93の上方るレベルh2が、第1側面69に隣接するメニスカス117のレベルh1に比較して小さくなる。このメニスカス117のレベルh1及びh2は、動力学的溝軸受111が比較的高速で動作する結果環状窪み113における潤滑液体の量が増加するとき、図3bに示す状況に達するまで増加する。この状況において、メニスカス117は窪み113の第1側面69に隣接する溝パターン53の溝55bの底部79のレベルに達し、潤滑液体は窪み113から溝55bに流入し、溝55bのポンピング作用によって軸受ギャップ45に還流する。窪み113における第2側面71に隣接する潤滑液体は、凸状メニスカス117のレベルh1及びh2間の差が比較的大きいため、窪み113の軸受ギャップ45から遠い方の端縁119から比較的遠い距離に保持される。このコーティング115を使用することによって環状窪み113の信頼性が向上する。
外側軸受部分17の環状窪み67,91,113における凸状メニスカスは、窪み67,91,113の第2側面71に潤滑剤をはじくコーティング115を設けなくとも得ることができる。第2側面71の鈍角β2が、180°の角度とコーティングしない第2側面71に隣接する窪み67,91,113におけるメニスカスの接触角αとの差よりも大きいとき、凸状のメニスカスが窪み67,91,113に生じ、これにより、メニスカスのレベルレベルh1及びh2間の差が増大する。しかし、コーティングしない第2側面71に対するメニスカスの接触角αは比較的小さいため、鈍角β2はほぼ180°に近似する値を有し、従って、窪み67,91,113の第2側面71は比較的大きな軸線方向長さにしなければならない。
更に、コーティング115の材料を適正に選択することにより、図3bに示すメニスカス117よりも一層大きい凸状のメニスカスを環状窪み113に形成することができる。環状窪み113における潤滑液体の量が増大するにつれて、比較的大きい凸状のメニスカスは内側軸受部分15の軸受面23に接触する。この結果、窪み113内に存在する潤滑液体は軸受ギャップ45の毛細管作用及び溝55bのポンピング作用の双方によって軸受ギャップ45に還流する。
図4及び図5には、本発明による動力学的溝軸受8,89,111を有する電動モータ1,87,109を設けたデータ記憶ユニット121を線図的に示す。このデータ記憶ユニット121は多数の平行に配列した情報ディスク123を有し、これらの情報ディスク123を電動モータ1,87,109によってハウジング125内でこの電動モータ1,87,109の回転軸線7の周りに回転自在にする。これらの情報ディスク123は例えば、コンピュータに使用するいわゆるハードディスクとする。図5に示すように、情報ディスク123はこの目的のため、軸線方向に等間隔に電動モータ1,87,109のロータ5に固定するとともに、電動モータ1,87,109のステータ3をハウジング125の底部プレート127に固定する。データ記憶ユニット121には、更に、情報ディスク123に連携動作する多数の磁気ヘッド131を有する走査ユニット129を設ける。磁気ヘッド131は、ハウジング125及び情報ディスク123に対して回動自在のアーム133に固着し、各情報ディスク123に対して個別の磁気ヘッド131を設ける。図4ではこれらの磁気ヘッド131のうちの1個のみが見えており、アーム133及び磁気ヘッド131は図5では図面を分かりやすくするため図示しない。ロータ5が情報ディスク123とともに回転軸線7の周りに電動モータ1,87,109によって回転し、また磁気ヘッド131がアーム133により回転する情報ディスク123に対して位置決めされるとき、情報ディスク123は磁気ヘッド131によって読み取り又は書き込みされる。
情報ディスク123に対する読み取り及び書き込みに必要な時間を制限するため、電動モータ1,87,109と比較的高速で回転しなければならない。動力学的溝軸受8,89,111を有する電動モータ1,87,109は、データ記憶ユニット121に使用するのに特に好適である。即ち、電動モータ1,87,109に使用した動力学的溝軸受8,89,111においてこのような高速回転での潤滑液体の漏洩が防止されるためである。特に、情報ディスク123及び磁気ヘッド131が潤滑液体の漏洩によって汚れるのを防止することができる。ディスク123及び磁気ヘッド131のこのような汚れは、データ記憶ユニット121及びこれを組み合わせて使用するコンピュータの動作を乱すことになる。動力学的溝軸受8,89,111のリークプルーフは更に、電動モータ1,87,109の比較的長寿命の故障のない動作が得られる。
上述の動力学的溝軸受8,89,111は、それぞれ互いに連携動作する円形断面の円筒形軸受面23,35を有する半径方向動力学的溝軸受57と、互いに連携動作する環状軸受面27,43及び29,41を有する軸線方向動力学的溝軸受65とを有する。本発明は、互いに連携動作する軸受面が異なる形状の動力学的溝軸受にも適用でき、例えば、半径方向並びに軸線方向に軸受機能を有する円錐形又は球形の軸受面を有する動力学的溝軸受にも適用できる。
上述の動力学的溝軸受8,89,111の内側軸受部分15の軸受面23及び外側軸受部分17の軸受面35は、溝パターン51,53に隣接する内側軸受部分15の軸受面23の直径に対応する関連の環状窪み67,91,113に隣接する直径と、溝パターン51,53に隣接する外側軸受部分17の軸受面35の直径とを有する。本発明によれば、内側軸受部分及び外側軸受部分の軸受面は、溝パターンに隣接する軸受面の直径とは異なる環状窪みに隣接する直径を有するものとすることができる。例えば、図1aに示す動力学的溝軸受9の内側軸受部分15のシャフト19を、軸受プレート25の上方での直径を、溝パターン51,53に隣接する部分における直径よりも大きくすることができ、この場合、閉鎖プレート39に本発明による環状窪みを設け、閉鎖プレート39に沿う潤滑液体の漏洩を防止することができる。
上述の動力学的溝軸受8,89,111においては、外側軸受部分17の軸受面35は環状窪み67,91,113の両側で同一直径とした。代案として、軸受面35は、本発明による環状窪み67,91,113の両側で異なる直径にすることができる。例えば、軸受面35の環状窪み67,91,113の軸受ギャップ45から遠い方の側の直径を、軸受ギャップ45に対向する側の直径よりも大きくする。角度β1と角度β2との間の差が十分大きい場合、本発明による動力学的溝軸受のこのような実施例では窪み67,91,113に存在するメニスカス77,117は軸受ギャップ45から遠い方の窪み67,91,113の端縁81,119よりも上方に上昇することはない。
上述したように、環状窪み67,91,113は軸受ブッシュ31の端部に隣接して又は閉鎖プレート39に設け、これにより、環状窪み67,91,113は、互いに連携動作する軸受面23,25間の軸受ギャップ45を区切る即ち、境界を形成する。しかし、本発明によれば、環状窪みを、半径方向動力学的溝軸受と軸線方向動力学的溝軸受との間の外側軸受部分17の軸受面35の上方例えば、図1a,図2a,図3aに示す溝パターン51のすぐ上方で、動力学的溝軸受9,89,111に設けることができる。半径方向動力学的溝軸受57と軸線方向動力学的溝軸受65との間のこれらの環状窪みによれば、半径方向動力学的溝軸受57から軸線方向動力学的溝軸受65にまたその逆に潤滑液体が漏洩するのを防止し、半径方向動力学的溝軸受57と軸線方向動力学的溝軸受65との間に得られた潤滑液体の分布をできるだけ維持することができる。
本発明による環状窪み67,91,113は、外側軸受部分17の軸受面35に隣接する窪み67,91,113の側面69,71の鈍角β1,β2に特徴がある。環状窪み67,91,113の動作は、窪み67,91,113の側面69,71間に位置する底部73,93の形状によって決定されない。本発明によれば、外側軸受部分17の環状窪み67,91,113は、丸みのある底部73又は平坦底部93以外の形状、例えば、側面69,71が合流するV字状の底部にすることができる。
更に、動力学的溝軸受8,89,111は、上述のデータ記憶ユニット121以外の装置にも使用することができ、例えば、磁気テープの用途の回転自在の走査ユニットの電動モータにも使用することができる。更に、動力学的溝軸受8,89,111は、電動モータ以外の異なるタイプのモータ例えば、空気モータにも使用することができる。
最後に、本発明は、1個のみの回転自在の情報ディスクを有するデータ記憶ユニットの電動モータにも適用できる。本発明による動力学的溝軸受は小形化に極めて有効であり、従って、データ記憶ユニット及びこのユニットに組み込む情報ディスクを比較的コンパクトにすることができる。

Claims (11)

  1. 内側軸受部分及びこの内側軸受部分の周りに回転自在の外側軸受部分を有し、これらの軸受部分には互いに連携動作する軸受面を設け、これらの軸受面間には軸受ギャップを設け、この軸受ギャップには動作中潤滑液体が存在し、少なくとも一方の軸受部分の軸受面に溝パターンを設け、外側軸受部分の軸受面には軸受ギャップの境界をなす環状窪みを設けた動力学的溝軸受において、前記環状窪みの前記軸受ギャップに面する側に外側軸受部分の軸受面に隣接しかつ外側軸受部分の軸受面に鈍角の角度β1をなす第1側面を設けるとともに、前記環状窪みの前記軸受ギャップから遠い方の側に前記外側軸受部分の軸受部分に隣接しかつ前記外側軸受部分の軸受面に鈍角の角度β2をなす第2側面を設け、前記鈍角の角度β 1 を前記鈍角の角度β 2 よりも小さいものとしたことを特徴とする動力学的溝軸受。
  2. 前記鈍角の角度β1を135°以下とし、前記鈍角の角度β2を145°以上とした請求項1記載の動力学的溝軸受。
  3. 前記外側軸受部分の軸受面に溝パターンを設けるとともに、前記環状窪みの前記第1側面を前記溝パターンに隣接させた請求項1又は2記載の動力学的溝軸受。
  4. 前記環状窪みの前記第2側面に、潤滑液体をはじくコーティングを設けた請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の動力学的溝軸受。
  5. 前記内側軸受部分に、前記環状窪みの第2側面に対向配置しかつ前記内側軸受部分の軸受面に対して鈍角の角度β3をなす円錐面を設け、鈍角の角度β3を前記鈍角の角度β2よりも小さくした請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の動力学的溝軸受。
  6. 前記内側軸受部分における前記円錐面を、前記軸受ギャップから離れる方向に前記環状窪みの第2側面を越えて延長させた請求項5記載の動力学的溝軸受。
  7. 前記円錐面を、前記内側軸受部分の軸受面に設けた他の環状窪みの側面として形成した請求項5又は6記載の動力学的溝軸受。
  8. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の動力学的溝軸受に使用するに好適な外側軸受部分。
  9. 請求項5乃至7のうちのいずれか一項に記載の動力学的溝軸受に使用するに好適な内側軸受部分。
  10. ステータと、このステータに対して動力学的溝軸受により回転自在に支承したロータとを有し、前記ステータを前記動力学的溝軸受の内側軸受部分に固定し、また前記ロータを前記動力学的溝軸受の外側軸受部分に固定した電動モータにおいて、前記動力学的溝軸受を請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の動力学的溝軸受により構成したことを特徴とする電動モータ。
  11. 情報ディスクと、この情報ディスクに連携動作する走査ユニットとを有し、前記情報ディスクを電動モータによってハウジング内で回転自在にしたデータ記憶ユニットにおいて、電動モータを請求項10記載の電動モータにより構成したことを特徴とするデータ記憶ユニット。
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