JP4274476B2 - 流体動圧軸受及び該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ、記録ディスク駆動装置 - Google Patents

流体動圧軸受及び該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ、記録ディスク駆動装置 Download PDF

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Description

本願の発明は、磁気ディスクや光ディスク等の記録ディスクを利用した記憶装置の小型化、薄型化に対応し得る構造を備え、外部衝撃による封入潤滑油の外部への漏出を防止する機能に優れた流体動圧軸受及び該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ、記録ディスク駆動装置に関する。
近年、コンピュータ機器に使用される磁気ディスクや光ディスク等の記録ディスクを利用した記憶装置においては、特に、ノートパソコンを始めとする携帯型の普及が目覚しく、これに伴い、ディスク回転に使用されるスピンドルモータも、小型化、薄型化、軽量化に対する要求が大きくなり、これへの対応が強く迫られている。
一方、従来のデスクトップ等のように、机上に置いて使用する場合とは違って、安易に持ち運びできる携帯型の場合には、移動時や取り扱い時に、振動や外部からの衝撃が加わる機会が多くなり、これらの影響を特に受け易い軸受部については、その耐振動衝撃性の改善が強く求められている。
このように、形状寸法的には小型化、薄型化、軽量化が進行する中で、耐振動衝撃面からは、強度を保つための剛性を確保し、且つ、封入潤滑油の外部への飛散、漏洩を防止できる構造の確立が大きな課題となっている。
図6には、流体動圧軸受を使用したスピンドルモータの従来構造の一例が示されている。このスピンドルモータ010においては、軸部材01が、スリーブ02を主要構成要素とする軸受部材に回転自在に支承されている。軸部材01は、軸部01−1と、その下端に嵌着されたフランジ部01−2とからなる。軸部材01の上端には、ハブ012が嵌着されている。軸受部材は、ハウジング011の中央円筒部011−1の内面に嵌着されたスリーブ02と、このスリーブ02の下端第1拡径部に嵌入・溶着されたエンドキャップ05とからなっている。
このようにして、スリーブ02の下端第1拡径部にエンドキャップ05が嵌入・溶着されることにより、フランジ部01−2の両面と、これら両面に対向する相手側部材の2つの面、すなわち、スリーブ02の下端第2拡径部(下端第1拡径部よりも径が小さい)の端面とエンドキャップ05の上面間に、それぞれ微小隙間が形成され、フランジ部01−2は、これらの両面間にサンドイッチ状に挟まれて、回転可能に保持される。また、これにより、軸部材01の軸受部材に対する抜け止めがなされている。
スリーブ02の上端部の内周面には、潤滑油飛散防止用周溝02−4が形成されており、この潤滑油飛散防止用周溝02−4が臨む軸部01−1とスリーブ02との間の微小隙間部分は、潤滑油飛散防止用周溝02−4を含めて、キャピラリーシール部を構成している。このキャピラリーシール部は、ここに潤滑油06の液面を形成させて、その液面変動を吸収し、潤滑油が軸受外方開口部へと飛散漏出するのを防止する。
スリーブ02の内周面の潤滑油飛散防止用周溝02−4よりも下方の軸方向に隔てられた2個所には、ラジアル動圧発生溝02−1が、また、フランジ部01−2の上端面と対向するスリーブ02の下端第2拡径部の端面には、アキシャル動圧発生溝02−2が、それぞれ形成されている。さらに、フランジ部01−2の下端面と対向するエンドキャップ05の上面にも、アキシャル動圧発生溝05−1が形成されている。
スリーブ02とエンドキャップ05とからなる軸受部材と、フランジ部01−2付き軸部材01との間の微小隙間には、潤滑油06が連通状に封入されている。軸部材01は、この潤滑油06の膜を介して軸受部材に回転自在に支承されている。
しかしながら、この従来例にあっては、前記した小型化、薄型化、軽量化の要請に対応するのには、次のような問題がある。
スピンドルモータ010の薄型化を図る場合、ベースをなすハウジング011の軸方向寸法hを小さく(薄く)しなければならないが、エンドキャップ05及びフランジ部01−2がスリーブ02の下端部に組み付けられているために、これを小さくすることができない。また、ラジアル動圧発生部の軸方向長さは、必要とする動圧力で決定されるので、スリーブ02のアキシャル方向長さを小さくすることもできない。これらのために、結局、スピンドルモータ010を薄型化することが難しい。
また、スリーブ02の上端部に形成されている潤滑油飛散防止用周溝02−3を有するキャピラリーシール部は、何らかの原因で潤滑油06が軸受外方開口部へ漏出した場合、漏出した潤滑油の他部への移動を食い止める手段を持たない等の問題を有している。
図7には、他の従来例(本願の出願人の出願になる特願2004−031448号参照)が示されている。この従来例のスピンドルモータ010’にあっては、図7(a)に示されるように、軸部01−1の上部側に鍔状フランジ部01−2が一体に形成された軸部材01が、スリーブ02に回転自在に支承されている。スリーブ02は、ケーシング03に嵌着されている。スリーブ02の内周面と軸部01−1の外周面との間の微小隙間と、スリーブ02の上端面と鍔状フランジ部01−2の下端面との間の微小隙間とは連通していて、そこに潤滑油06が封入されている。軸部材01は、この潤滑油06の膜を介してスリーブ02に回転自在に支承されている。スリーブ02が嵌着されたケーシング03の下端内周面には、エンドキャップ05が嵌入・溶着されていて、これらスリーブ02、ケーシング03、エンドキャップ05により軸受部材が構成されている。
スリーブ02の内周面には、軸方向2個所にラジアル動圧発生溝02−1が形成され、鍔状フランジ部01−2の下端面に対向するスリーブ02の上端面には、アキシャル動圧発生溝02−2が形成されている。
また、図7(b)に拡大して示されるように、鍔状フランジ部01−2の外周部には、凸部01−6が形成され、また、ケーシング03の上端部には、内径方向にL字状に折曲されたL字状折曲部03−3が形成されている。そして、凸部01−6の上面とL字状折曲部03−3の下面との間の軸方向隙間部及びこの軸方向隙間部に連続する、鍔状フランジ部01−2の凸部01−6よりも上方の外周面とL字状折曲部03−3の内周面との間の径方向隙間部により、キャピラリーシール部08が形成されており、さらに、この軸方向隙間部を形成する対向する2面により、軸部材01の軸方向抜け止めの機能が発揮されるようになっている。
このキャピラリーシール部08は、軸部材01とスリーブ02との間の微小隙間(この微小隙間は、前記した、スリーブ02の内周面と軸部01−1の外周面との間の微小隙間と、スリーブ02の上端面と鍔状フランジ部01−2の下端面との間の微小隙間とからなり、これらは連通している。)に連通していて、そこの微小隙間に封入された潤滑油06をシールしている。
ハウジング011の底面に固定された吸引板017は、永久磁石014の直下にあって、軸部材01とハブ012とからなるロータ組立体(回転体)がスリーブ02により支承されて回転するとき、アキシャル動圧発生部で発生した動圧力で軸部材01が上方に持ち上げられた場合に、鍔状フランジ部01−2の凸部01−6の上面がケーシング03のL字状折曲部03−3の下面に突き当たらずに適正なラビリンス隙間tを保つように、動圧力方向と反対方向に永久磁石014を引き付けている。
この図7に示される従来例の構造は、図6に示された従来例において、薄型化を図る上での障害となっていた鍔状フランジ部01−2とエンドキャップ05とを流体動圧軸受の下端側から上端側に移動させることにより、薄型化が可能な構造へと改善されたものであるが、図6における従来例と同様に、キャピラリーシール部08の潤滑油漏出防止作用が破られて、潤滑油06が軸受の外方開口部に漏出した場合に、他部への移動を食い止める二重のシール機能、構造を備えていない。
また、この図7に示される従来例の構造は、鍔状フランジ部01−2の凸部01−6の加工やケーシング03のL字状折曲部03−3の加工に高精度の切削加工を必要とし、なお且つ、適正なt寸法を確保するための組付け精度の確保も難しく、生産性及びコスト面で問題を有している。
図8には、さらに他の従来例(本願の出願人の出願になる特願2004−031448号参照)が示されている。この従来例のスピンドルモータ010”は、図7の従来例における鍔状フランジ部01−2と軸部01−1とを別体としたものである。この場合、軸部01−1が外径の大きい鍔状フランジ部01−2を有していないために、軸部01−1の製作のために小径の材料を使用することができ、加工工数も少なく、材料と加工面でメリットを有しているが、鍔状フランジ部01−2の軸部01−1に対する位置決め精度を確保するために軸部01−1に段部を形成することとの関係上、軸部01−1の動圧発生部の外径寸法d1に対して、鍔状フランジ部01−2が嵌着される部分のその軸径d2を小さくしなければならず、曲げ応力や振動等の外部応力に対する強度の低下が問題となり、特にスピンドルモータの小型化、薄型化により軸部寸法が小さくなると、無視出来ない大きな問題を生ずることとなる。
その他、特開2003−247536号公報、特開2002−266878号公報等に示される先行事例もあるが、いずれも本願発明を示唆する開示はない。
特願2004−031448号 特開2003−247536号公報 特開2002−266878号公報
本願の発明は、従来の流体動圧軸受が有する前記のような問題点を解決して、スピンドルモータの小型化、薄型化を容易にする構造を備え、小型化、薄型化された場合の軸剛性の確保、潤滑油飛散漏出防止機構の信頼性の向上を可能とし、しかも、これらを生産性を損なうことなく、低コストで実現可能な流体動圧軸受及び該流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ、記録ディスク駆動装置を提供することを課題とする。
前記のような課題は、本願の各請求項に記載された次のような発明により解決される。 すなわち、その請求項1に記載された発明は、相対回転自在に支承された軸部材と軸受部材との間に形成された動圧溝を含む微小隙間内に、潤滑油が連続的に封入され、前記微小隙間内の潤滑油封入部分の上端側に、前記潤滑油の外方開口部への漏出を防止するためのシール機構を有する流体動圧軸受において、前記軸部材は、その上端側に円形状の鍔状フランジ部を一体に有し、前記鍔状フランジ部の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝が形成され、前記鍔状フランジ部の上端面の外周部には、外周突縁部が形成され、前記軸受部材の上部の環状の張り出し部には、断面略L字形の環状のラビリンス部材が嵌着され、前記ラビリンス部材の内側平坦面の内周部には、内周突縁部が形成され、前記鍔状フランジ部の外周面と前記軸受部材の張り出し部の内周面との間には、キャピラリーシール部が形成され、前記潤滑油飛散防止用周溝は、前記キャピラリーシール部の一部をなしており、前記外周突縁部の凸面と前記ラビリンス部材の内側平坦面とは、微小隙間を介して対向し、前記内周突縁部の凸面と前記鍔状フランジ部の上端面とは、微小隙間を介して対向して、これにより、前記軸部材の抜け止めを兼ねたラビリンスシール部が形成されており、前記軸部材の軸部の外周面と前記軸受部材の内周面とのいずれかの面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成され、前記鍔状フランジ部の下端面に対向する前記軸受部材の上端面には、アキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成されたことを特徴とする流体動圧軸受である。
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されており、潤滑油の飛散漏出防止の機能が、キャピラリーシール部とラビリンスシール部との2つの部位により発揮されるので、これら2つの部位による二重のシール機能により、潤滑油飛散漏出防止の高い信頼度が得られる。しかも、これら2つの部位が、鍔状フランジ部の外周面及び上端面がそれぞれ直接臨む個所に形成されているので、流体動圧軸受の軸方向寸法が短縮されて、スピンドルモータの小型化、薄型化が容易になる。
特に、ラビリンスシール部は、鍔状フランジ部に形成された外周突縁部の凸面とラビリンス部材の内側平坦面とが微小隙間を介して対向し、ラビリンス部材に形成された内周突縁部の凸面と鍔状フランジ部の上端面とが微小隙間を介して対向することにより形成されているので、2段のラビリンスシールとなり、潤滑油飛散漏出防止の効果を高めることができる。また、この場合、外周突縁部と内周突縁部との間に袋状空間部が形成され、この袋状空間部が油溜まりとなるので、潤滑油飛散漏出防止の効果をさらに高めることができる。同時に、このラビリンスシール部は、軸部材が軸方向外方開口側へ抜けようとするのを止める抜け止めも兼ねており、軸部材の抜け止め効果をも奏することができる。
また、鍔状フランジ部は、スリーブの上端側に移動させられ、エンドキャップには、アキシャル動圧発生溝を形成する必要がないので、エンドキャップの厚みを薄くすることができ、この面からも、流体動圧軸受の軸方向寸法を小さくすることができる。加えて、ラジアル動圧軸受部がハウジングの軸方向中心に近づくので、スピンドルモータにおけるハブがオーバハングとなる問題も解決される。さらには、これによりスピンドルモータが薄型化し、この薄型化されたスピンドルモータの採用により、より薄型化された記録ディスク駆動装置の製作も可能になる。
また、軸部材は、その軸部(軸部材本体部)と鍔状フランジ部とが一体で形成されているので、これらが別体で形成される場合の鍔状フランジ部の位置決め段差を軸部に形成する必要がなくなり、軸部の上端側(鍔状フランジ部よりも軸方向外側)外径寸法をスリーブとの嵌合側(鍔状フランジ部よりも軸方向内側)外径寸法よりも大きくすることが可能になる。これにより、軸剛性を大きくすることができ、また、ハブ等の回転要素を軸部の上端部に組み付ける場合の組付け強度を高めることができるので、小型化に伴い、軸部材が小寸法のものになっても、耐振動衝撃性を確保することが容易になる。
さらに、ケーシングは、ストレートな円筒形状とすることができるので、プレス加工や伸管加工が可能であり、生産性が改善されて、低コスト化を図ることができる。
また、その請求項2に記載された発明は、相対回転自在に支承された軸部材と軸受部材との間に形成された動圧溝を含む微小隙間内に、潤滑油が連続的に封入され、前記微小隙間内の潤滑油封入部分の上端側に、前記潤滑油の外方開口部への漏出を防止するためのシール機構を有する流体動圧軸受において、前記軸部材は、その上端側に円形状の鍔状フランジ部を一体に有し、前記鍔状フランジ部の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝が形成され、前記鍔状フランジ部の上端面の外周部には、外周突縁部が形成され、前記軸受部材の上部の環状の張り出し部には、断面略L字形の環状のラビリンス部材が嵌着され、前記鍔状フランジ部の外周面と前記軸受部材の張り出し部の内周面との間には、キャピラリーシール部が形成され、前記潤滑油飛散防止用周溝は、前記キャピラリーシール部の一部をなしており、前記外周突縁部の凸面と前記ラビリンス部材の内側平坦面とは、微小隙間を介して対向して、これにより、前記軸部材の抜け止めを兼ねたラビリンスシール部が形成されており、前記軸部材の軸部の外周面と前記軸受部材の内周面とのいずれかの面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成され、前記鍔状フランジ部の下端面に対向する前記軸受部材の上端面には、アキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成されたことを特徴とする流体動圧軸受である。
請求項2に記載された発明は、前記のように構成されているので、請求項1に記載された発明が有していた、ラビリンス部材に形成された内周突縁部が削除されており、これがために、ラビリンスシール機能は、二重のシール機能が期待できず、しかも、2段のラビリンスシールの段間の袋状空間部も形成されないので、ラビリンスシールによる潤滑油飛散漏出防止の効果は、請求項1に記載された発明よりも若干劣ることとなるが、その他の点では、請求項1に記載された発明と同様の効果を奏することができる。特に、内周突縁部が削除されることにより、ラビリンス部材の加工がプレス加工などにより平易に行なえるようになり、振動や外部衝撃がさほど大きくなく、潤滑油飛散漏出の可能性が低い場合、あるいは安全増しを狙う簡易なラビリンス機能の追加を行なう場合等に使用されて好適であり、コスト的にも有利になる。
また、その請求項3に記載された発明は、相対回転自在に支承された軸部材と軸受部材との間に形成された動圧溝を含む微小隙間内に、潤滑油が連続的に封入され、前記微小隙間内の潤滑油封入部分の上端側に、前記潤滑油の外方開口部への漏出を防止するためのシール機構を有する流体動圧軸受において、前記軸部材は、その上端側に円形状の鍔状フランジ部を一体に有し、前記鍔状フランジ部の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝が形成され、前記軸受部材の上部の環状の張り出し部には、断面略L字形の環状のラビリンス部材が嵌着され、前記ラビリンス部材の内側平坦面の内周部には、内周突縁部が形成され、前記鍔状フランジ部の外周面と前記軸受部材の張り出し部の内周面との間には、キャピラリーシール部が形成され、前記潤滑油飛散防止用周溝は、前記キャピラリーシール部の一部をなしており、前記内周突縁部の凸面と前記鍔状フランジ部の上端面とは、微小隙間を介して対向して、これにより、前記軸部材の抜け止めを兼ねたラビリンスシール部が形成されており、前記軸部材の軸部の外周面と前記軸受部材の内周面とのいずれかの面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成され、前記鍔状フランジ部の下端面に対向する前記軸受部材の上端面には、アキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成されたことを特徴とする流体動圧軸受である。
請求項3に記載された発明は、前記のように構成されているので、請求項1に記載された発明が有していた、鍔状フランジ部に形成された外周突縁部が削除されており、これがために、ラビリンスシール機能は、二重のシール機能が期待できず、しかも、2段のラビリンスシールの段間の袋状空間部も形成されないので、ラビリンスシールによる潤滑油飛散漏出防止の効果は、請求項1に記載された発明よりも若干劣ることとなるが、その他の点では、請求項1に記載された発明と同様の効果を奏することができる。特に、振動や外部衝撃がさほど大きくなく、潤滑油飛散漏出の可能性が低い場合等に使用されて好適であるとともに、環状ラビリンス部材を初期に装着せず、後付け追加扱いにすることができる利便性をも備えており、コスト的にも有利になる。
さらに、その請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流体動圧軸受において、その軸部の鍔状フランジ部よりも軸方向外側の外径寸法が、その軸部の鍔状フランジ部よりも軸方向内側の外径寸法よりも大きいか、若しくはこれと同一に形成されていることを特徴としている。
これにより、軸部材の軸剛性を大きくすることができ、また、ハブ等の回転要素を軸部の上端部に組み付ける場合の組付け強度を高めることができるので、小型化に伴い、軸部材が小寸法のものになっても、耐振動衝撃性を確保することができる。
また、その請求項5に記載された発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の流体動圧軸受において、その軸受部材は、軸部材を嵌合支承するスリーブと、スリーブを固定・保持するケーシングと、ケーシングの上部の外周面に嵌着されたラビリンス部材と、ケーシングの下端部の内周面に嵌着されたエンドキャップとからなり、スリーブの外周面には、その軸方向に沿って1個ないし複数個の潤滑油用連通溝が形成されたことを特徴としている。
これにより、スリーブの外周面に、その軸方向に沿って形成される1個ないし複数個の潤滑油用連通溝とケーシングの内周面とにより、1個ないし複数個の潤滑油用連通孔を形成することができ、スリーブが小径化した場合に、そのスリーブ内部への1個ないし複数個の連通孔加工がきわめて困難となる問題を解決でき、且つ、その加工は容易であるので、この面からも、生産性が改善されて、低コスト化を図ることができる。
また、その請求項6に記載された発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流体動圧軸受において、そのラビリンス部材の内周部と軸部との間には、環状の空間部が形成され、その軸部の上端部に嵌着される回転要素のボス部の下方部分が、該空間部に挿通されて、その下端が、鍔状フランジ部の上端面に当接できるようにされていることを特徴としている。
これにより、軸部材の鍔状フランジ部の上端面は、回転要素のボス部の下端の突き当て面として使用されることができるので、ハブ等回転要素の軸部材への組付け精度の確保が容易になる。
さらに、その請求項7に記載された発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の流体動圧軸受を備えたスピンドルモータであって、ハウジングに固定されたステータと、前記軸部の上端部に嵌着される回転要素をなすロータハブと、該ロータハブに嵌着され、前記ステータと協働して回転磁界を発生するロータマグネットとからなり、前記ハウジングに対して回転自在に設けられたロータとを備え、前記流体動圧軸受は、前記ロータの回転を支持しており、前記ロータは、前記流体動圧軸受内のアキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝で発生する動圧が作用する方向とは反対方向に磁気力で吸引され、これらの動圧と磁気力とがバランスすることによって、その荷重が支持されていることを特徴とするスピンドルモータである。
請求項7に記載された発明は、前記のように構成されているので、流体動圧軸受からの潤滑油の外方漏出や飛散が防止され、潤滑油の飛散によるモータ内汚染の心配がなく、信頼性の高いスピンドルモータを、生産性を損なうことなく、低コストで提供することができる。
さらに、また、その請求項8に記載された発明は、請求項7に記載のスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置であって、記録ディスクに情報を書き込み及び/又は読み出しするための記録ヘッドを備え、前記スピンドルモータが、前記記録ディスクを回転駆動することを特徴とする記録ディスク駆動装置である。
請求項8に記載された発明は、前記のように構成されているので、流体動圧軸受からの潤滑油の外方漏出や飛散が防止され、潤滑油の飛散による装置内汚染の心配がなく、信頼性の高い記録ディスク駆動装置を、生産性を損なうことなく、低コストで提供することができる。
前記のとおり、本願の発明の流体動圧軸受によれば、潤滑油の飛散漏出防止の機能が、キャピラリーシール部とラビリンスシール部との2つの部位により発揮されるので、これら2つの部位による二重のシール機能により、潤滑油飛散漏出防止の高い信頼度が得られる。しかも、これら2つの部位が、鍔状フランジ部の外周面及び上端面がそれぞれ直接臨む個所に形成されているので、流体動圧軸受の軸方向寸法が短縮されて、スピンドルモータの小型化、薄型化が容易になる。
同時に、このラビリンスシール部の構成要素であるラビリンス部材は、軸部材が軸方向外方開口側へ抜けようとするのを防止する抜け止めも兼ねて、軸部材の抜け止め効果をも奏することができる。
また、鍔状フランジ部は、スリーブの上端側に移動させられ、エンドキャップにはアキシャル動圧発生溝を形成する必要がないので、エンドキャップの厚みを薄くすることができ、この面からも、流体動圧軸受の軸方向寸法を小さくすることができる。加えて、ラジアル動圧軸受部がハウジングの軸方向中心に近づくので、スピンドルモータにおけるハブがオーバハングとなる問題も解決される。さらには、これによりスピンドルモータが薄型化し、この薄型化されたスピンドルモータの採用により、より薄型化された記録ディスク駆動装置の製作も可能になる。
また、軸部材は、その軸部(軸部材本体部)と鍔状フランジ部とが一体で形成されているので、これらが別体で形成される場合の鍔状フランジ部の位置決め段差を軸部に形成する必要がなくなり、軸部の上端側(鍔状フランジ部よりも軸方向外側)外径寸法をスリーブとの嵌合側(鍔状フランジ部よりも軸方向内側)外径寸法よりも大きくすることが可能になる。これにより、軸剛性を大きくすることができ、また、ハブ等の回転要素を軸部の上端部に組み付ける場合の組付け強度を高めることができるので、小型化に伴い、軸部材が小寸法のものになっても、耐振動衝撃性を確保することが容易になる。
さらに、ケーシングは、ストレートな円筒形状とすることができるので、プレス加工や伸管加工が可能であり、生産性が改善されて、低コスト化を図ることができる。
また、スリーブの外周面に、その軸方向に沿って1個ないし複数個の潤滑油用連通溝が形成される場合には、スリーブの外周面に、その軸方向に沿って形成される1個ないし複数個の潤滑油用連通溝とケーシングの内周面とにより、1個ないし複数個の潤滑油用連通孔を構成することができ、スリーブが小径化した場合に、そのスリーブ内部への1個ないし複数個の連通孔加工がきわめて困難となる問題も解決でき、且つ、その加工は容易であるので、この面からも、生産性が改善されて、低コスト化を図ることができる。
さらに、ラビリンス部材の内周部と軸部との間に、環状の空間部が形成され、軸部の上端部に嵌着される回転要素のボス部の下方部分が、該空間部に挿通されて、その下端が、鍔状フランジ部の上端面に当接するようにされる場合には、軸部材の鍔状フランジ部の上端面は、回転要素のボス部の下端の突き当て面として使用されることができるので、ハブ等回転要素の軸部材への組付け精度の確保が容易になる。
また、2段のラビリンスシールからなるラビリンスシール部は、外部衝撃の大きさによって、これを1段にすることも、あるいは、2段以上にすることもでき、2段以上にする場合には、潤滑油飛散漏出防止の効果をさらに高めることができる。
さらに、また、本願の発明の流体動圧軸受を備えたスピンドルモータ、該スピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置においては、流体動圧軸受からの潤滑油の外方漏出や飛散が防止され、潤滑油の飛散によるモータ内及び装置内汚染の心配がなく、信頼性の高いスピンドルモータ及び記録ディスク駆動装置を、生産性を損なうことなく、低コストで提供することができる。
相対回転自在に支承された軸部材と軸受部材との間に形成された動圧溝を含む微小隙間内に、潤滑油が連続的に封入され、該微小隙間内の潤滑油封入部分の上端側に、潤滑油の外方開口部への漏出を防止するためのシール機構を有する流体動圧軸受において、軸部材は、その上端側に円形状の鍔状フランジ部を一体に有するものとし、該鍔状フランジ部の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝を形成し、該鍔状フランジ部の上端面の外周部には、外周突縁部を形成し、軸受部材の上部の環状の張り出し部には、断面略L字形の環状のラビリンス部材を嵌着させ、該ラビリンス部材の内側平坦面の内周部には、内周突縁部を形成する。また、鍔状フランジ部の外周面と軸受部材の張り出し部の内周面との間には、キャピラリーシール部を形成し、潤滑油飛散防止用周溝は、該キャピラリーシール部の一部をなすものとする。外周突縁部の凸面とラビリンス部材の内側平坦面とは、微小隙間を介して対向し、内周突縁部の凸面と鍔状フランジ部の上端面とは、微小隙間を介して対向するようにして、軸部材の抜け止めを兼ねたラビリンスシール部を形成する。軸部材の軸部の外周面と軸受部材の内周面とのいずれかの面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝を形成し、鍔状フランジ部の下端面に対向する軸受部材の上端面には、アキシャル方向の動圧を発生させるための動圧溝を形成する。
軸部材の軸部の鍔状フランジ部よりも軸方向外側の外径寸法は、軸部の鍔状フランジ部よりも軸方向内側の外径寸法よりも大きいか、若しくはこれと同一に形成する。軸受部材は、軸部材を嵌合支承するスリーブと、スリーブを固定・保持するケーシングと、ケーシングの上部の外周面に嵌着されたラビリンス部材と、ケーシングの下端部の内周面に嵌着されたエンドプレートとから構成し、スリーブの外周面には、その軸方向に沿って1個ないし数個の潤滑油用連通溝を形成する。ラビリンス部材の内周部と軸部との間には、環状の空間部を形成し、軸部の上端部に嵌着される回転要素(スピンドルモータのロータハブ等)のボス部の下方部分が、該空間部に挿通されて、その下端が、鍔状フランジ部の上端面に当接するようにする。
次に、本願の発明の第1の実施例(実施例1)について説明する。
図1は、本実施例1の流体動圧軸受の断面図である。同流体動圧軸受0において、軸部材1は、ケーシング3の内周面に嵌着されたスリーブ2に嵌合されて、これにより相対回転自在に支承されている。この軸部材1は、軸部1−1と、該軸部1−1の上端側に、これと一体に形成された鍔状のフランジ部1−2とからなる。ケーシング3の下端部の内周面には、エンドキャップ5の外周部が嵌入・溶着されていて、これらスリーブ2、ケーシング3、エンドキャップ5及び後述するラビリンス部材4により、カップ状の軸受部材が構成されている。エンドキャップ5の上面には、複数個の突起部5−1が形成されており、これらの突起部5−1は、スリーブ2の下端面に当接していて、これにより、スリーブ2の下端面とエンドキャップ5の上面との間には、微小隙間が形成されている。
スリーブ2の内周面には、軸方向に隔てられた2個所にラジアル動圧発生溝2−1が形成され、鍔状フランジ部1−2の下端面と対向するスリーブ2の上端面には、アキシャル動圧発生溝2−2が形成されている。これらの動圧発生溝は、軸部材1とスリーブ2とが相対回転するとき、これらの動圧発生溝が臨む軸部材1とスリーブ2との間の微小隙間に充填された潤滑油内にラジアル方向及びアキシャル方向の荷重を受けるための動圧をそれぞれ発生させる。したがって、これらの動圧発生溝及びこれらの動圧発生溝が臨む前記微小隙間部により、ラジアル動圧発生部及びアキシャル動圧発生部がそれぞれ形成されている。なお、これらの動圧発生溝は、対向する軸部1−1の外周面、鍔状フランジ部1−2の下端面にそれぞれ設けられてもよい。
鍔状フランジ部1−2の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝1−3が形成され、ケーシング3のスリーブ2上端面より上方への環状の張り出し部3−1の内周面と鍔状フランジ部1−2の外周面との間の隙間部には、キャピラリーシール部8が形成されている。潤滑油飛散防止用周溝1−3は、キャピラリーシール部8の一部をなしていて、ここが潤滑油の溜まり部となって潤滑油の液面変動を抑え、その飛沫が軸受外方開口部へと飛散漏出するのを防止する。また、鍔状フランジ部1−2の上端面の外周部には、外周突縁部1−4が上方に向けて突出形成されている。
ケーシング3の上部の張り出し部3−2の外周面には、断面略L字形の環状のラビリンス部材4が嵌合されており、このラビリンス部材4は、ケーシング3の上部の外周面に形成された周溝3−2に注入された接着剤により、そこに接着されて固定されている。このラビリンス部材4のうち、断面L字に折り曲げられて平坦な壁部をなしている折曲平坦部4−1は、鍔状フランジ部1−2に対向しており、その内側平坦面の内周部には、内周突縁部4−2が下方に向けて突出形成されている。
外周突縁部1−4の突面と折曲平坦部4―1の内側平坦面とは、軸部材1の回転時の浮上量に微小隙間量を加えた隙間を介して対向しており、同様に、内周突縁部4−2の凸面と鍔状フランジ部1−2の上端面とは、軸部材1の回転時の浮上量に微小隙間量を加えた隙間を介して対向している。これらの面が、それぞれの対向個所において、このように対向配置されることにより、2段のラビリンスシールからなるラビリンスシール部9が形成される。このラビリンスシール部9は、キャピラリーシール部8から軸受外方開口部側へ飛散漏出しようとする潤滑油のエネルギーを奪い、その漏出を防止する。同時に、軸部材1の軸受部材に対する抜け止めの役割をも果たしている。
ラビリンス部材4の内周部と軸部材1の軸部1−1との間には、環状の空間部Sが形成されている。この空間部Sには、軸部1−1の上端部に嵌着される後述するロータハブ12のボス部12−1の下方部分が挿通される。そして、このボス部12−1の下端は、鍔状フランジ部1−2の上端面の内周部に当接するようになっている(図4参照)。このようにすることにより、ロータハブ12を軸部1−1に嵌着する場合に、その組付け精度を確保することが容易になる。
スリーブ2の外周面には、1個所ないし複数個所に連通溝2−3が軸方向に形成されており、この連通溝2−3がケーシング3の内周面により覆われることにより、連通孔が形成される。軸部材1とスリーブ2との間の微小隙間、エンドキャップ5の突起部5−1がスリーブ2の下端面に当接することにより形成されるスリーブ2とエンドキャップ5との間の微小隙間、軸部材1の下端面とエンドキャップ5との間の微小隙間、前記連通孔及びキャピラリーシール部8は、互いに連通していて、そこに潤滑油6が封入されている。
軸部材1の軸部1−1は、鍔状フランジ部1−2よりも軸方向外側の外径寸法の方が、鍔状フランジ部1−2よりも軸方向内側(スリーブ2との嵌合側)の外径寸法よりも大きくされている。これにより、軸部1−1の特に鍔状フランジ部1−2よりも軸方向外側にある部分(軸部1−1の上端部)の軸剛性を大きくすることができ、また、後述するロータハブ12等の回転要素を軸部1−1の上端部に組み付ける場合の組付け強度を高めることができる
図4は、本実施例1の流体動圧軸受が適用されたスピンドルモータの縦断面図である。同図において、スピンドルモータ10は、そのハウジング11のボス部16に貫通形成された中央円孔に、流体動圧軸受0のケーシング3が嵌着されており、軸回転型のスピンドルモータを構成している。ボス部16は、ハウジング11の底部の図4において略中央の位置に、底部から上方に突出するようにして形成されている。流体動圧軸受0の軸部材1の軸部1−1の上端部には、このモータの回転要素をなすロータハブ12のボス部12−1が嵌着されていて、このロータハブ12は、軸部材1と一体に回転する。ロータハブ12の外周面には、図示されない磁気ディスクや光ディスク等の情報記録媒体(記録ディスク)が複数段に装着される。軸部1−1の上端部の内部に形成されたタップ孔1−5は、これらの情報記録媒体を上方から押し付け固定するクランプ部材を軸部1−1に固着するために使用される。
ハウジング11のボス部16の外周面には、ステータコアにコイルが捲回されてなるステータ13が嵌着されており、これとわずかの径方向隙間を置いて、シールドヨークに嵌着された永久磁石14が、ステータ13を囲むように円周方向に配置されて、ロータハブ12の周壁の内周面に取り付けられている。ハウジング11の下面には、フレキシブル配線基板15が固着されており、この配線基板15の出力端より制御電流がステータ13に供給されることにより、永久磁石14、ロータハブ12、軸部材1等からなるロータ組立体がステータ13に対して回転を始める。
永久磁石14の直下のハウジング11の底面に固定された環状の吸引板17は、永久磁石14を引き付けるためのものであり、ロータ組立体の回転により、アキシャル動圧発生部で発生した動圧力で軸部材1が上方に持ち上げられた場合に、鍔状フランジ部1−2の外周突縁部1−4の突面がラビリンス部材4の内側平坦面に突き当たらずに適正なラビリンス隙間を保つように、動圧力方向と反対方向に永久磁石14を引き付けている。
図5は、本実施例1の流体動圧軸受が適用されたスピンドルモータを備えたハードディスク駆動装置の縦断面図である。
本ハードディスク駆動装置20は、図5に図示されるように、スピンドルモータ10と、ハウジング11と、このハウジング11内を密閉して塵埃等が極度に少ないクリーンな空間を形成するカバー部材21と、ハードディスク22と、ハードディスク22のクランプ部材23と、ハードディスク22に対して情報を書き込み及び/又は読み出しするための記録ヘッド24と、記録ヘッド24を支持するアーム25と、記録ヘッド24及びアーム25を所要の位置に移動させるボイスコイルモータ26とにより構成されている。ハードディスク22は、ロータハブ12に2枚装着されているが、その枚数は、これに限定されるものではない。ハードディスク22は、ロータハブ12の回転とともに回転する。
記録ヘッド24は、ハウジング11の底部の適宜個所に旋回自在に支持されたアーム25に固定されたヘッド・スタック・アッセンブリの先端部に、上下一対で取り付けられている。この上下一対の記録ヘッド24は、1枚のハードディスク22を挟むように配置され、ハードディスク22の両面に対して情報の書き込み及び/又は読み出しを行なうようになっている。本ハードディスク駆動装置20では、ハードディスク22が2枚の構成となっているために、このように、上下一対の記録ヘッド24が2対設けられている。
このように、ハードディスク駆動装置20のスピンドルモータとして、本実施例1の流体動圧軸受0を備えたスピンドルモータ10を使用することにより、流体動圧軸受0からの潤滑油の外方漏出や飛散が防止され、潤滑油の飛散によるモータ内及び装置内汚染の心配がなく、信頼性の高いスピンドルモータ10及びハードディスク駆動装置20を、生産性を損なうことなく、低コストで提供することが可能になる。
なお、本例では、本実施例1の流体動圧軸受0を備えたスピンドルモータ10がハードディスク駆動装置20に適用されたが、ハードディスク22に代えて、CDやDVD等の記録ディスクとされてもよく、これらの記録ディスクを駆動する記録ディスク駆動装置に適用されてもよいものである。
本実施例1は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
潤滑油の飛散漏出防止の機能が、キャピラリーシール部8とラビリンスシール部9との2つの部位により発揮されるので、これら2つの部位による二重のシール機能により、潤滑油飛散漏出防止の高い信頼度が得られる。しかも、これら2つの部位が、鍔状フランジ部1−2の外周面及び上端面がそれぞれ直接臨む個所に形成されているので、流体動圧軸受0の軸方向寸法が短縮されて、スピンドルモータ20の小型化、薄型化が容易になる。
特に、ラビリンスシール部9は、鍔状フランジ部1−2に形成された外周突縁部1−4の凸面とラビリンス部材4の内側平坦面とが微小隙間を介して対向し、ラビリンス部材4に形成された内周突縁部4−2の凸面と鍔状フランジ部1−2の上端面とが微小隙間を介して対向することにより形成されているので、2段のラビリンスシールとなり、潤滑油飛散漏出防止の効果を高めることができる。また、この場合、外周突縁部1−4と内周突縁部4−2との間に袋状空間部が形成され、この袋状空間部が油溜まりとなるので、潤滑油飛散漏出防止の効果をさらに高めることができる。
同時に、このラビリンスシール部9は、軸部材1が軸方向外方開口側へ抜けようとするのを止める抜け止めも兼ねており、軸部材1の抜け止め効果をも奏することができる。
また、鍔状フランジ部1−2は、スリーブ2の上端側に移動させられ、エンドキャップ5には、アキシャル動圧発生溝を形成する必要がないので、エンドキャップ5の厚みを薄くすることができ、この面からも、流体動圧軸受0の軸方向寸法を小さくすることができる。加えて、ラジアル動圧軸受部がハウジング11の軸方向中心に近づくので、スピンドルモータ10のロータハブ12がオーバハングとなる問題も解決される。さらには、これによりスピンドルモータ10が薄型化し、この薄型化されたスピンドルモータ10の採用により、より薄型化された記録ディスク駆動装置の製作も可能になる。
また、軸部材1は、その軸部(軸部材本体部)1−1と鍔状フランジ部1−2とが一体で形成されているので、これらが別体で形成される場合の鍔状フランジ部の位置決め段差を軸部に形成する必要がなくなり、軸部1−1の上端側(鍔状フランジ部1−2よりも軸方向外側)外径寸法をスリーブ2との嵌合側(鍔状フランジ部1−2よりも軸方向内側)外径寸法よりも大きくすることが可能になる。これにより、軸剛性を大きくすることができ、また、ロータハブ12を軸部1−1の上端部に組み付ける場合の組付け強度を高めることができるので、小型化に伴い、軸部材1が小寸法のものになっても、耐振動衝撃性を確保することが容易になる。
さらに、ケーシング3は、ストレートな円筒形状とすることができるので、プレス加工や伸管加工が可能であり、生産性が改善されて、低コスト化を図ることができる。
また、スリーブ2の外周面に、その軸方向に沿って1個ないし複数個の潤滑油用連通溝6が形成されているので、それらの連通溝とケーシングの内周面とにより、1個ないし複数個の潤滑油用連通孔を形成することができ、スリーブ2が小径化した場合に、そのスリーブ2内部への1個ないし複数個の連通孔加工がきわめて困難となる問題も解決でき、且つ、その加工は容易であるので、この面からも、生産性が改善されて、低コスト化を図ることができる。
また、ラビリンス部材4の内周部と軸部材1の軸部1−1との間に、環状の空間部Sが形成され、軸部1−1の上端部に嵌着されるロータハブ12のボス部12−1の下方部分が、該空間部Sに挿通されて、その下端が、鍔状フランジ部1−2の上端面に当接するようにされているので、鍔状フランジ部1−2の上端面は、ボス部12−1の下端の突き当て面として使用されることができるので、ロータハブ12の軸部材1への組付け精度の確保が容易になる。
さらに、また、本実施例1の流体動圧軸受0を備えたスピンドルモータ10、該スピンドルモータ10を備えた記録ディスク駆動装置20においては、流体動圧軸受0からの潤滑油の外方漏出や飛散が防止され、潤滑油の飛散によるモータ内及び装置内汚染の心配がなく、信頼性の高いスピンドルモータ10及び記録ディスク駆動装置20を、生産性を損なうことなく、低コストで提供することができる。
次に、本願の発明の第2の実施例(実施例2)について説明する。
図2は、本実施例2の流体動圧軸受の断面図である。本実施例2の流体動圧軸受0’を実施例1の流体動圧軸受0と比較すると、本実施例2の流体動圧軸受0’においては、実施例1の流体動圧軸受0が有していた、ラビリンス部材4に形成された内周突縁部4−2が削除されている点においてのみ異なっている。
本実施例2の流体動圧軸受0’は、前記のように構成されているので、そのラビリンスシール機能は、二重のシール機能が期待できず、しかも、2段のラビリンスシールの段間の袋状空間部も形成されないので、ラビリンスシールによる潤滑油飛散漏出防止の効果は、実施例1の流体動圧軸受0よりも若干劣ることとなるが、その他の点では、これと同様の効果を奏することができる。特に、内周突縁部4−2が削除されることにより、ラビリンス部材4の加工がプレス加工などにより平易に行なえるようになり、振動や外部衝撃がさほど大きくなく、潤滑油飛散漏出の可能性が低い場合、あるいは安全増しを狙う簡易なラビリンス機能の追加を行なう場合等に使用されて好適であり、コスト的にも有利になる。
次に、本願の発明の第3の実施例(実施例3)について説明する。
図3は、本実施例3の流体動圧軸受の断面図である。本実施例3の流体動圧軸受0”を実施例1の流体動圧軸受0と比較すると、本実施例3の流体動圧軸受0”においては、実施例1の流体動圧軸受0が有していた、鍔状フランジ部1−2に形成された外周突縁部1−4が削除されている点においてのみ異なっている。
本実施例3の流体動圧軸受0”は、前記のように構成されているので、そのラビリンスシール機能は、二重のシール機能が期待できず、しかも、2段のラビリンスシールの段間の袋状空間部も形成されないので、ラビリンスシールによる潤滑油飛散漏出防止の効果は、実施例1の流体動圧軸受0よりも若干劣ることとなるが、その他の点では、これと同様の効果を奏することができる。特に、振動や外部衝撃がさほど大きくなく、潤滑油飛散漏出の可能性が低い場合等に使用されて好適であるとともに、ラビリンス部材4を初期に装着せず、後付け追加扱いにすることができる利便性をも備えており、コスト的にも有利になる。
なお、本願の発明は、以上の実施例1〜3に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
例えば、以上の実施例1〜3においては、ラビリンスシールの段数は、1段又は2段とされたが、振動や外部衝撃の大きさによっては、さらに段数を増やして、潤滑油飛散漏出防止の信頼度をさらに改善することも可能である。
本願の発明の第1の実施例(実施例1)の流体動圧軸受の断面図である。 本願の発明の第2の実施例(実施例2)の流体動圧軸受の断面図である。 本願の発明の第3の実施例(実施例3)の流体動圧軸受の断面図である。 実施例1の流体動圧軸受が適用されたスピンドルモータの縦断面図である。 実施例1の流体動圧軸受が適用されたスピンドルモータを備えたハードディスク駆動装置の縦断面図である。 従来の流体動圧軸受の縦断面図である。 他の従来の流体動圧軸受の縦断面図である。 さらに他の従来の流体動圧軸受の縦断面図である。
符号の説明
1…軸部材、1−1…軸部、1−2…鍔状フランジ部、1−3…潤滑油飛散防止用周溝、1−4…外周突縁部、1−5…タップ孔、2…スリーブ、2−1…ラジアル動圧発生溝、2−2…アキシャル動圧発生溝、2−3…連通溝、3…ケーシング、3−1…環状張り出し部、3−2…外周溝、4…ラビリンス部材、4−1…折曲平坦部、4−2…内周突縁部、5…エンドキャップ、5−1…突起部、6…潤滑油、8…キャピラリーシール部、9…ラビリンスシール部、10…スピンドルモータ、11…ハウジング、12…ロータハブ、12−1…ボス部、13…ステータ、14…永久磁石、15…配線基板、16…中央ボス部、17…吸引板、20…ハードディスク駆動装置、21…カバー部材、22…ハードディスク、23…クランプ部材、24…記録ヘッド、25…アーム、26…ボイスコイルモータ、S…空間部。





Claims (8)

  1. 相対回転自在に支承された軸部材と軸受部材との間に形成された動圧溝を含む微小隙間内に、潤滑油が連続的に封入され、
    前記微小隙間内の潤滑油封入部分の上端側に、前記潤滑油の外方開口部への漏出を防止するためのシール機構を有する流体動圧軸受において、
    前記軸部材は、その上端側に円形状の鍔状フランジ部を一体に有し、
    前記鍔状フランジ部の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝が形成され、
    前記鍔状フランジ部の上端面の外周部には、外周突縁部が形成され、
    前記軸受部材の上部の環状の張り出し部には、断面略L字形の環状のラビリンス部材が嵌着され、
    前記ラビリンス部材の内側平坦面の内周部には、内周突縁部が形成され、
    前記鍔状フランジ部の外周面と前記軸受部材の張り出し部の内周面との間には、キャピラリーシール部が形成され、前記潤滑油飛散防止用周溝は、前記キャピラリーシール部の一部をなしており、
    前記外周突縁部の凸面と前記ラビリンス部材の内側平坦面とは、微小隙間を介して対向し、前記内周突縁部の凸面と前記鍔状フランジ部の上端面とは、微小隙間を介して対向して、これにより、前記軸部材の抜け止めを兼ねたラビリンスシール部が形成されており、 前記軸部材の軸部の外周面と前記軸受部材の内周面とのいずれかの面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成され、
    前記鍔状フランジ部の下端面に対向する前記軸受部材の上端面には、アキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成された
    ことを特徴とする流体動圧軸受。
  2. 相対回転自在に支承された軸部材と軸受部材との間に形成された動圧溝を含む微小隙間内に、潤滑油が連続的に封入され、
    前記微小隙間内の潤滑油封入部分の上端側に、前記潤滑油の外方開口部への漏出を防止するためのシール機構を有する流体動圧軸受において、
    前記軸部材は、その上端側に円形状の鍔状フランジ部を一体に有し、
    前記鍔状フランジ部の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝が形成され、
    前記鍔状フランジ部の上端面の外周部には、外周突縁部が形成され、
    前記軸受部材の上部の環状の張り出し部には、断面略L字形の環状のラビリンス部材が嵌着され、
    前記鍔状フランジ部の外周面と前記軸受部材の張り出し部の内周面との間には、キャピラリーシール部が形成され、前記潤滑油飛散防止用周溝は、前記キャピラリーシール部の一部をなしており、
    前記外周突縁部の凸面と前記ラビリンス部材の内側平坦面とは、微小隙間を介して対向して、これにより、前記軸部材の抜け止めを兼ねたラビリンスシール部が形成されており、
    前記軸部材の軸部の外周面と前記軸受部材の内周面とのいずれかの面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成され、
    前記鍔状フランジ部の下端面に対向する前記軸受部材の上端面には、アキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成された
    ことを特徴とする流体動圧軸受。
  3. 相対回転自在に支承された軸部材と軸受部材との間に形成された動圧溝を含む微小隙間内に、潤滑油が連続的に封入され、
    前記微小隙間内の潤滑油封入部分の上端側に、前記潤滑油の外方開口部への漏出を防止するためのシール機構を有する流体動圧軸受において、
    前記軸部材は、その上端側に円形状の鍔状フランジ部を一体に有し、
    前記鍔状フランジ部の外周面には、潤滑油飛散防止用周溝が形成され、
    前記軸受部材の上部の環状の張り出し部には、断面略L字形の環状のラビリンス部材が嵌着され、
    前記ラビリンス部材の内側平坦面の内周部には、内周突縁部が形成され、
    前記鍔状フランジ部の外周面と前記軸受部材の張り出し部の内周面との間には、キャピラリーシール部が形成され、前記潤滑油飛散防止用周溝は、前記キャピラリーシール部の一部をなしており、
    前記内周突縁部の凸面と前記鍔状フランジ部の上端面とは、微小隙間を介して対向して、これにより、前記軸部材の抜け止めを兼ねたラビリンスシール部が形成されており、
    前記軸部材の軸部の外周面と前記軸受部材の内周面とのいずれかの面には、ラジアル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成され、
    前記鍔状フランジ部の下端面に対向する前記軸受部材の上端面には、アキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝が形成された
    ことを特徴とする流体動圧軸受。
  4. 前記軸部の前記鍔状フランジ部よりも軸方向外側の外径寸法は、前記軸部の前記鍔状フランジ部よりも軸方向内側の外径寸法よりも大きいか、若しくはこれと同一に形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流体動圧軸受。
  5. 前記軸受部材は、前記軸部材を嵌合支承するスリーブと、前記スリーブを固定・保持するケーシングと、前記ケーシングの上部の外周面に嵌着された前記ラビリンス部材と、前記ケーシングの下端部の内周面に嵌着されたエンドキャップとからなり、
    前記スリーブの外周面には、その軸方向に沿って1個ないし数個の潤滑油用連通溝が形成された
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の流体動圧軸受。
  6. 前記ラビリンス部材の内周部と前記軸部との間には、環状の空間部が形成され、
    前記軸部の上端部に嵌着される回転要素のボス部の下方部分が、前記空間部に挿通されて、その下端が、前記鍔状フランジ部の上端面に当接できるようにされている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流体動圧軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の流体動圧軸受を備えたスピンドルモータであって、
    ハウジングに固定されたステータと、
    前記軸部の上端部に嵌着される回転要素をなすロータハブと、該ロータハブに嵌着され、前記ステータと協働して回転磁界を発生するロータマグネットとからなり、前記ハウジングに対して回転自在に設けられたロータと
    を備え、
    前記流体動圧軸受は、前記ロータの回転を支持しており、
    前記ロータは、前記流体動圧軸受内のアキシャル方向の荷重を受ける動圧を発生させるための動圧溝で発生する動圧が作用する方向とは反対方向に磁気力で吸引され、これらの動圧と磁気力とがバランスすることによって、その荷重が支持されている
    ことを特徴とするスピンドルモータ。
  8. 請求項7に記載のスピンドルモータを備えた記録ディスク駆動装置であって、
    記録ディスクに情報を書き込み及び/又は読み出しするための記録ヘッドを備え、
    前記スピンドルモータが、前記記録ディスクを回転駆動する
    ことを特徴とする記録ディスク駆動装置。

















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