JPH08316123A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH08316123A
JPH08316123A JP7120950A JP12095095A JPH08316123A JP H08316123 A JPH08316123 A JP H08316123A JP 7120950 A JP7120950 A JP 7120950A JP 12095095 A JP12095095 A JP 12095095A JP H08316123 A JPH08316123 A JP H08316123A
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JP
Japan
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optical system
projection optical
projection
reticle
image
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JP7120950A
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English (en)
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Takechika Nishi
健爾 西
Shigeo Murakami
成郎 村上
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems
    • GPHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レチクルパターンの描画誤差や投影光学系の
ディストーションを高精度で補正する。 【構成】 光源系22、リレーレンズ16,18、レチ
クルブラインド17、及びコンデンサーレンズ14等か
らなる照明光学系とレチクルステージ等を一体化した照
明機構13を照明機構駆動装置30により走査方向(X
方向)に駆動可能とする。リレーレンズ16,18及び
コンデンサーレンズ14を光軸AX方向に駆動し且つ偏
心させる光学部材駆動装置28と照明機構駆動装置30
とを駆動して露光用の照明光のテレセントリック性を変
化させると共に、ウエハ2をフォーカス方向及びチルト
方向に駆動してウエハ2上の投影像を横方向にシフトさ
せて、レチクルパターンの描画誤差及び投影光学系4の
ディストーションを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体集積回路
や液晶デバイス等をフォトリソグラフィー工程で製造す
る際に使用される投影露光装置に関し、ステッパ等の一
括露光型の投影露光装置にも適用できるが、特にマスク
及び感光基板を投影光学系に対して同期走査して露光を
行う走査露光型の投影露光装置に適用して好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、又は液晶表示素
子等を製造するためのリソグラフィ工程において、マス
クとしてのレチクルのパターンをフォトレジストが塗布
されたウエハ(又はガラスプレート等)の各ショット領
域に一括露光方式で露光転写する露光装置(ステッパ
等)が使用されている。また、最近は、投影光学系を大
型化することなく、より広いレチクルのパターンをウエ
ハ上に露光するために、レチクルを投影光学系の光軸に
垂直な方向に走査するのと同期して、それに対応する方
向にウエハを投影光学系の倍率と同じ速度比で走査する
ことにより、レチクルのパターンをウエハ上に逐次露光
するステップ・アンド・スキャン方式等の走査露光型の
露光装置も注目されている。
【0003】この種の投影露光装置では、レチクルの微
細なパターンを高い解像度でフォトレジストが塗布され
たウエハ上に投影するため、更には既にウエハ上に形成
されているパターン上に高い重ね合わせ精度でレチクル
のパターンを投影するために、ウエハ上の投影像の結像
特性を常に高精度に維持することが求められている。そ
こで、例えば走査露光型では次のような結像特性の補正
機構が使用されていた。
【0004】図7(a)は、従来の走査露光型の投影露
光装置の一例の概略構成を示し、この図7(a)におい
て、レチクル100とウエハ101とを互いに相対走査
して、レチクル100上のパターンを投影光学系102
を介してウエハ101上に投影露光する。この場合、レ
チクル100とウエハ101との間に配置された投影光
学系102の光軸AX1にほぼ垂直な透明ガラス板等か
らなる平行平板103を、走査位置に応じて微小回転す
ることでウエハ101上の投影像を横シフトさせること
により、走査時のステージ制御誤差による結像特性の劣
化の補正を行っていた。
【0005】図7(b)は平行平板103を回転させた
ときの光束のシフト効果(ハービング効果)を示し、平
行平板103を時計回りに回転させることにより、光線
IL1の光路は平行平板103を通過後Δxだけ左横方
向にシフトする。このような投影像の横シフトによって
走査時ステージ位置の制御誤差の補正が行われていた。
また、図7(c)に示すように、従来はレチクル上のス
リット状の照明領域104の位置は、投影光学系によっ
て結像される最大の領域である有効照野105の中央部
の位置に固定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来技術におい
ては、平行平板103を駆動しているが、これによって
露光フィールド全体が同時にシフトする。従って、露光
フィールド内の一部の投影像に関係する投影光学系のデ
ィストーションや、レチクルパターンの描画誤差を補正
することができなかった。また、図7(c)に示すよう
に、照明領域104が有効照野105のほぼ中央部の一
定の部分に固定されていたので、投影像のディストーシ
ョンの誤差が投影光学系の製造誤差に大きく左右される
といった不都合があった。
【0007】本発明は斯かる点に鑑み、投影光学系のデ
ィストーションやレチクルパターンの描画誤差を補正
し、良好な露光パターンが得られる投影露光装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の投影
露光装置は、マスク(1)に形成されたパターンを投影
光学系(4)を介して基板(2)上に投影する投影露光
装置において、転写対象とするマスク(1)のパターン
情報を入力する入力手段(7,23,31)と、この入
力手段により入力されたパターン情報に応じてその投影
光学系(4)による空間像の位置を部分的に補正する空
間像補正手段(5,9,10,14,16〜18,26
〜28,30,31)と、を有するものである。
【0009】この場合、その空間像補正手段の一例は、
その投影光学系(4)のテレセントリック性を変化させ
る第1制御手段(14,16〜18,26〜28,3
0,31)と、露光対象とする基板(2)のその投影光
学系(4)の光軸(AX)方向(Z方向)の位置、及び
傾斜角を制御する第2制御手段(5,9,10,26,
31)と、を有するものである。
【0010】また、その空間像補正手段は、その入力手
段(7,23,31)により入力されたパターン情報に
基づいて求められる描画誤差のゆるやかに変化する成分
を補正するように、その投影光学系(4)による空間像
の位置の補正を行うものであってもよい。また、本発明
による第2の投影露光装置は、マスク(1)に形成され
たパターンの一部の像を基板(2)上に投影する投影光
学系(4)を備え、この投影光学系に対してそのマスク
(1)及びその基板(2)を同期して走査することによ
りそのマスク(1)に形成されたパターンを逐次その基
板(2)上に投影する走査露光型の投影露光装置におい
て、その投影光学系(4)の有効露光フィールド(11
6)内における投影像の結像特性を計測する計測手段
(7,8,23,25)と、この計測手段の計測結果に
応じてその有効露光フィールド(116)内で実際にそ
のマスク(1)に形成されたパターンの一部の像が露光
される露光領域(113)を変更する露光領域変更手段
(17,27,30,31)と、を有するものである。
【0011】
【作用】斯かる本発明の第1の投影露光装置によれば、
一括露光型、又は走査露光型の投影露光装置において、
転写対象とするマスク(1)のパターン情報を入力する
入力手段(7,23,31)と、この入力手段により入
力されたパターン情報に応じて投影光学系(4)による
空間像の位置を部分的に補正する空間像補正手段(5,
9,10,14,16〜18,26〜28,30,3
1)とを備えているために、マスクパターンのずれや歪
みに応じてその空間像補正手段により基板(2)上の投
影像を補正することにより、良好な露光パターンが得ら
れる。
【0012】また、空間像補正手段が、投影光学系
(4)のテレセントリック性を変化させる第1制御手段
(14,16〜18,26〜28,30,31)と、露
光対象とする基板(2)の投影光学系(4)の光軸(A
X)方向(Z方向)の位置、及び傾斜角を制御する第2
制御手段(5,9,10,26,31)と、を有する場
合には、第1制御手段により投影光学系(4)のテレセ
ントリック性を変化させ、それに対応して第2制御手段
により基板(2)の光軸方向の位置及び傾斜角を制御す
ることにより、基板(2)上での投影像の位置を部分的
に適正な位置にシフトさせることができる。
【0013】また、空間像補正手段が、入力手段(7,
23,31)により入力されたパターン情報に基づいて
求められる描画誤差のゆるやかに変化する成分を補正す
るように、投影光学系(4)による空間像の位置の補正
を行う場合には、比較的簡単な補正機構で大まかに描画
誤差を補正できる。また、本発明による第2の投影露光
装置によれば、走査露光型の投影露光装置において、そ
の投影光学系(4)の有効露光フィールド(116)内
における投影像の結像特性を計測手段(7,8,23,
25)により計測し、有効露光フィールド(116)内
において、例えばディストーションが最も小さくなる露
光領域(113)を選択することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明による投影露光装置の一実施例
について図1〜図6を参照して説明する。本実施例はレ
チクルとウエハとを同期して走査しながらレチクルのパ
ターンを逐次そのウエハ上の各ショット領域に投影露光
する、所謂ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光
装置に本発明を適用したものである。
【0015】図1は、本例の投影露光装置の概略構成を
示し、この図1において、照明用光源、光量調整部材、
ビームエクスパンダ等で構成された光源系22から射出
された照明光ILはインプットレンズ21を経てミラー
20でほぼ直角に折り曲げられてフライアイ・インテグ
レータ19に水平に入射し、照度分布が均一化される。
フライアイ・インテグレータ19から射出された照明光
ILは、第1リレーレンズ18を経てレチクルブライン
ド(視野絞り)17によりレチクル1上の照明領域を規
定するように制限された後、第2リレーレンズ16を経
てほぼ平行光束となりミラー15に入射する。ミラー1
5によりほぼ垂直下方に折り曲げられた照明光ILは、
コンデンサーレンズ14を経てレチクル1上のパターン
を照明する。レチクル1を透過した照明光ILは投影光
学系4を介してウエハ2上に投影され、ウエハ2上にレ
チクル1上のパターンの像が露光される構成となってい
る。ここで、図1において、投影光学系4の光軸AXに
平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に
垂直にY軸を、図1の紙面に平行にX軸を取る。
【0016】光源系22の照明用光源としてはKrFエ
キシマレーザ(波長248nm)又はArFエキシマレ
ーザ(波長193nm)等のエキシマレーザ光源が使用
される。そして、このエキシマレーザ光源の露光時にお
けるパルス発光の制御は露光量制御装置29によって行
われる。また、レチクルブラインド17は、レチクルブ
ラインド駆動装置27を介して中央制御系31により目
的に応じて視野(レチクル上の照明領域)形状を任意に
変えられるよう制御されている。更に、フライアイ・イ
ンテグレータ19とレチクル1との間に配置されたリレ
ーレンズ16,18及びコンデンサーレンズ14等の光
学部材は、光学部材駆動装置28により光軸中心からの
偏心及び光軸方向への駆動がそれぞれ独立して行えるよ
うになっている。中央制御系31は光学部材駆動装置2
8を介して上記光学部材を制御し、レチクル1上の照明
光学系のテレセントリック性を任意の方向に偏向するこ
ができるようになっている。
【0017】回路パターンの描かれたレチクル1は、レ
チクル支持台12上に載置されたレチクルステージ11
上に真空吸着され、このレチクルステージ11は、投影
光学系4の光軸AXに垂直な2次元平面(XY平面)内
で、X方向、Y方向及び回転方向(θ方向)にレチクル
1を位置決めする。レチクルステージ11の2次元平面
内の位置座標は、不図示のレチクルステージ11上の移
動鏡及び周辺に配置されたレーザ干渉計により、例えば
0.01μm程度の分解能で常時検出されている。な
お、以下の説明においてレチクル1、レチクルステージ
11、レチクル支持台12、及びレチクルステージ11
の不図示の駆動装置等のレチクル周辺の機構を総称して
レチクルステージ系と呼ぶ。
【0018】図1の点線で示すように、光源系22から
コンデンサーレンズ14迄の照明光学系及びレチクルス
テージ系(以下、合わせて「照明機構13」という)は
不図示の一つの架台に一体的に固定されており、照明機
構13は照明機構駆動装置30によって投影光学系4に
対し矢印IDで示す方向に相対的に移動可能なシステム
となっている。
【0019】また、照明機構13内で、レチクルステー
ジ11は独立に移動できるようになっている。そして、
投影光学系4の投影倍率をβ(βは例えば1/4、又は
1/5)とすると、上記のレチクル1のパターンがウエ
ハ2の表面に走査露光方式で露光される際に、照明光I
Lによるスリット状の照明領域に対して、レチクルステ
ージ11を介してレチクル1が−X方向(又は+X方
向)に速度VR で走査されるのと同期して、ウエハ2は
+X方向(又は−X方向)に速度VW (=βVR)で走
査される。
【0020】ウエハ2は、ウエハホルダ3上に真空吸着
により保持され、ウエハホルダ3はXYステージ6を介
してZチルトステージ5上に載置されている。Zチルト
ステージ5は不図示の駆動部により投影光学系4の結像
面に対して任意の方向に傾斜可能で、且つ光軸AX方向
(Z方向)に微動できる。また、Zチルトステージ5は
光軸AXの回りの回転動作も可能である。XYステージ
6は、不図示の駆動系により走査方向(X方向)の移動
のみならず、走査方向に垂直な方向(Y方向)にも移動
可能に構成されており、ウエハ2上の各ショット領域へ
走査露光する走査と、次のショット領域の露光開始位置
まで移動する動作とを繰り返すステップ・アンド・スキ
ャン動作を行う。
【0021】また、Zチルトステージ5上の上面端部に
は外部に設けられたレーザ干渉計25からのレーザビー
ムを反射する移動鏡8が固定され、Zチルトステージ5
のXY平面内での位置はレーザ干渉計25によって、例
えば0.01μm程度の分解能で常時検出されている。
Zチルトステージ5のXY平面上の位置情報(又は速度
情報は)ステージ制御系24に送られ、ステージ制御系
24はこの位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハ
ステージの駆動系を制御する。また、Zチルトステージ
5の位置情報(又は速度情報)は中央制御系31にも供
給されており、中央制御系31はこの情報に基づいてス
テージ制御系24を制御する。
【0022】なお、上述のように、ウエハ2は投影光学
系4を介してレチクル1と相対走査するような同期制御
が行われるが、レチクルステージ11の位置をモニタす
るレーザ干渉計の出力を投影倍率βで補正した値と、Z
チルトステージ5の走査方向の位置をモニタするレーザ
干渉計25の出力との差を求め、その出力差が一定の値
になるようレチクルステージ11及びXYステージ6の
駆動系を制御することにより前述の相対速度(VR /V
W )で走査される。
【0023】更に、投影光学系4の結像面付近のウエハ
2の露光面に向けて、光軸AXに対して斜めにピンホー
ル、あるいはスリットパターン等の像を投影する照射光
学系9と、その投影された像からの反射光束よりその像
を再結像する受光光学系10とからなる斜入射方式の焦
点位置検出系9,10が設けられている。ウエハ2の表
面のZ方向の位置は、この焦点位置検出系9,10によ
って検出され、Zチルト制御系26に送られる。Zチル
ト制御系26はこの情報に基づいてZチルトステージ5
の駆動系(不図示)を制御する。また、焦点位置検出系
9,10からの情報はZチルト制御系26を介して中央
制御系31にも供給されており、中央制御系31はこの
情報に基づいてZチルト制御系26を制御する。
【0024】また、Zチルトステージ5上に投影像の位
置を計測するための光電センサ7が配置されている。光
電センサは、一例として直線状のスリットが形成された
スリット板と、そのスリットを通過した光束を受光する
光電変換素子とから構成され、光電センサからの出力信
号のピーク位置より投影像の位置を検出するものであ
る。それ以外に、光電センサとして2次元CCD等の撮
像素子を使用して、画像処理により投影像の位置を検出
してもよい。計測時には検出対象のレチクルパターンの
投影光学系4を介した投影像の位置付近に光電センサ7
を移動し、例えば光電センサ7を所定量走査してアライ
メント処理装置23により光電センサ7の出力のピーク
位置を検出し、そのときのZチルトステージ5の位置座
標をレーザ干渉計25により計測し、中央制御系31に
供給する。中央制御系31には予めレチクルパターンの
設計位置に関する情報が入力されており、中央制御系3
1はその情報に基づいて投影像の設計位置からのずれを
検出することにより、レチクルパターンの描画誤差や投
影光学系4のディストーション量を測定する。
【0025】次に、本例の投影露光装置の動作につき説
明する。先ず露光フィールドにつき説明する。本例で
は、図1に示すように、照明光学系及びレチクルステー
ジ系からなる照明機構13全体は、照明機構駆動装置3
0により投影光学系4に対して走査方向(X方向)に相
対的に移動することが可能であり、レチクルブラインド
17の開口形状はレチクルブラインド駆動装置27によ
り任意の形状に変化できるように構成されている。この
場合、レチクルブラインド17の開口形状によって、レ
チクル1上でのスリット状の照明領域の形状が規定さ
れ、照明機構13と投影光学系4との相対位置関係によ
って、その照明領域を投影光学系4を介して投影して得
られるスリット状の露光フィールドの、投影光学系4の
有効露光フィールド内での相対位置が定まる。従って、
照明機構13を移動することによって、投影光学系4の
有効露光フィールドにおいて最もディストーションが小
さくなる露光フィールドを選択することができる。
【0026】図4は、本例におけるスリット状の露光フ
ィールドを説明するための図を示し、図4(a)は矩形
の露光フィールド113が投影光学系の有効露光フィー
ルド116のほぼ中央部にある状態、図4(b)は露光
フィールド113が投影光学系の有効露光フィールドの
中心部から走査方向に最もシフトした状態、図4(c)
は円弧状に変化した露光フィールド113Aを示してい
る。この図4(a)において、非走査方向に長い矩形の
露光フィールド113は従来例と同様に投影光学系4の
有効露光フィールド116のほぼ中央部に位置してい
る。図4(b)は、照明機構13を照明機構駆動装置3
0により−X方向に駆動し、露光フィールド113を投
影光学系4の有効露光フィールド116の最も+X方向
の位置にシフトした状態を示している。また、図4
(c)はレチクルブラインド17の開口部の形状をレチ
クルブラインド駆動装置27により円弧状に変化させた
ものであり、投影光学系4の有効露光フィールド116
のほぼ中心部を囲むような円弧状の露光フィールド11
3Aが形成されている。
【0027】本例においては、以上のように投影光学系
4の有効露光フィールド116内での露光フィールド1
13の位置及び形状を変化させて、投影光学系4の有効
露光フィールド116内の全ての領域におけるディスト
ーション値を測定し、走査露光後に全体として投影像の
最もディストーションが少なくなる最適な露光フィール
ドを検出する。そして、実露光時にはその最適な露光フ
ィールドを使用して露光する。なお、走査露光後の投影
像のディストーションが最も小さくなる露光フィールド
を検出する具体的な方法としては、一例として、予め描
画誤差の小さい(又は別の測定機で描画誤差が正確に求
められている)テストレチクルを用いる。そして、光電
センサ7によって検査対象の露光フィールド内のマーク
像の位置を検出し、検出結果よりディストーションを求
め、求められたディストーションを走査方向に積分(平
均化)すればよい。
【0028】次に、照明光学系のテレセントリック性を
変化させる動作につき説明する。本例では、図1に示す
ように、リレーレンズ16,18及びコンデンサーレン
ズ14等の光学部材は、光学部材駆動装置28により光
軸中心からの偏心及び光軸方向への駆動がそれぞれ独立
して行えるようになっており、中央制御系31により光
学部材駆動装置28を介して上記光学部材を制御し、レ
チクル1に対する照明系のテレセントリック性を任意の
方向に偏向することができるようになっている。また、
照明機構13の移動時にもテレセントリック性を変化さ
せることができる。即ち、光学部材駆動装置28及び照
明機構駆動装置30を介して上記光学部材及び照明機構
13全体を駆動した場合、照明光学系のテレセントリッ
ク性を変化させることで投影光学系4のテレセントリッ
ク特性に合わせることができる。なお、以下の説明にお
いてテレセントリック性が崩れ主光線がレチクル1上
(又はウエハ2上)で光軸AXに対して傾斜した場合、
その状態を「テレセントリック性の傾き」として表現す
る。
【0029】図2(a)〜(e)は、照明光学系のテレ
セントリック性を変化させた例におけるウエハ2上のス
リット状の露光フィールドのテレセントリック性の傾き
を説明するための図を示し、実線の矢印はそれぞれウエ
ハ上の非走査方向に配列された基準点P1 〜P8 におい
て、露光フィールドの走査方向に平均したテレセントリ
ック性の傾きを示すもので、各矢印の方向及び大きさ
は、それぞれテレセントリック性の傾きの方向及び傾斜
量を示している。基準点P1 〜P8 は、光軸AXを通
り、走査方向(X方向)に平行な直線112に垂直な直
線上で等間隔に配列されたものであるが、走査露光方式
での結像特性は積分効果により走査方向に共通であるた
め、平均化されたテレセントリック性の傾きも露光フィ
ールド内では走査方向(X方向)の位置によらず一定と
することができる。
【0030】図2(a)は、標準の状態を示し、この図
2(a)において、各基準点P1 〜P8 におけるテレセ
ントリック性の傾きはそれぞれ0である。図2(b)
は、上記の光学部材を光学部材駆動装置28により駆動
して光軸AXに平行な方向に移動させて光束を発散気味
にした場合であり、この図2(b)において、露光フィ
ールド内の基準点P1 〜P8 のテレセントリック性は矢
印Q1 〜Q8 に示すように、非走査方向で且つ直線11
2から外側に向かう方向に傾斜している。この場合、露
光フィールド内の+X方向及び−X方向の周辺部の主光
線は走査方向にも傾斜するが、平均化効果によって走査
方向の傾きは相殺される。そして、その傾斜量は直線1
12からの間隔(像高)に対応して拡大し、非走査方向
の像高に応じてテレセントリック性が大きく傾いてい
る。この場合、直線112の左右において対称的な変化
を示している。
【0031】図2(c)は、図2(b)の状態から照明
機構13を走査方向にシフトしたときのテレセントリッ
ク性の傾きを示し、この図2(c)において、基準点P
1 〜P8 のテレセントリック性は矢印Q11〜Q18に示す
ように、非走査方向だけでなく走査方向にも傾斜し、そ
の傾斜量は直線112からの間隔(像高)に対応して大
きくなっている。この場合も図2(b)の場合と同様に
直線112の左右において対称的な変化を示している。
【0032】図2(d)は、光学部材駆動装置28によ
り光学部材を偏心させたときのテレセントリック性の傾
きを示し、この図2(d)において、基準点P1 〜P8
のテレセントリック性は矢印Q21〜Q28に示すように、
図2(c)の場合と同様な変化を示しているが、直線1
12の右側の基準点P5 〜P8 での傾斜量は直線112
の左側の基準点P1 〜P4 での傾斜量より大きく、直線
112の左右において非対称的な変化を示している。
【0033】以上、図2(b)〜図2(d)に示すのと
同様の変化は、後述するように、ウエハステージのフォ
ーカス位置(Z方向の位置)及びチルト(傾斜角)の設
定値を変えることによって発生する。但し、ウエハステ
ージのフォーカス位置及びチルトを変化させる場合には
焦点深度による制約があるので、以上の光学部材を偏心
させる量を大きくし、傾き角度を大きくした方が制御し
やすい。
【0034】図2(e)は、以上図2(a)〜図2
(d)の方法を組み合わせたり照明光学系の一部のレン
ズを非球面レンズ等に切り換えることにより照明光学系
のテレセントリック性を変化させた場合のテレセントリ
ック性の傾きを示し、この図2(e)において、基準点
1 〜P8 のテレセントリック性は矢印Q31〜Q38に示
すように、直線112からの間隔(像高)に対して1次
的な変化でなく2次又は3次的に変化しており、本例の
方法によりテレセントリック性を像高に対して2次、3
次曲線等で示す特性で変化させることができる。この場
合、図2(a)〜図2(e)に示す方法によりテレセン
トリック性を変えても、ウエハ2上のフォーカス位置及
びチルトが合焦条件にあればウエハ2上での像シフトは
発生しない。即ち、同じテレセントリック性のもとで
も、ウエハ2のフォーカス位置及びチルトの条件を変え
るとウエハ2上での像シフトの状態を変化させることが
できる。従って、光電センサ7の上面を投影光学系4の
像面に合焦させた状態で、レチクルパターンの描画誤差
及び投影光学系4のディストーションを光電センサ7に
て計測後、上記の図2(a)〜図2(e)等に示す内の
いずれの条件でテレセントリック性を調整すればよいか
を中央制御系31で判断し、光学部材駆動装置28又は
照明機構駆動装置30を介してテレセントリック性の条
件を設定後、Zチルト制御系26を介してウエハのフォ
ーカス及びチルト制御を行う。
【0035】図3は、テレセントリック性の条件を設定
後、フォーカス及びチルト制御によりウエハ2上の投影
像を補正する動作例を説明するための図を示し、テレセ
ントリック性は図2(c)の状態を使用している。な
お、図3(a)はテレセントリック性の状態、図3
(d)はウエハ2上の1つのショット領域内の走査露光
後の投影像の変形状態、図3(b)及び(c)はそれぞ
れそのショット領域の非走査方向(Y方向)の両端にお
けるフォーカス方向の変位を示している。図3(b)〜
図3(d)の走査方向(X方向)の座標は同一である。
なお、図3(b)及び図3(c)において、縦軸は走査
方向の位置X、横軸は位置Xにおけるフォーカス方向
(Z方向)の変位T(X)を表す。
【0036】図3(a)に示すように、非走査方向にも
傾斜したテレセントリック性を有する露光フィールドに
対して図3(d)の点線で示すショット領域117をX
方向に走査する。その場合、ウエハステージのフォーカ
ス位置及びチルトの制御により、ショット領域117の
非走査方向の左右の端部を図3(b)の曲線119R及
び図3(c)の曲線119Lに示すようにフォーカス方
向(Z方向)に駆動する。この左右の両端の駆動により
ショット領域117はフォーカス方向及びチルト方向に
変位する。照明光のテレセントリック性が傾いているた
め、ショット領域117内に投影される像がこのショッ
ト領域117のフォーカス方向及びチルト方向の変位に
対応してシフトする。
【0037】図3(d)はショット内の配列を格子座標
により示しているが、ショット領域117の上端のX座
標値を0とする。また、点線で示す格子パターンをショ
ット領域117の全面が投影光学系の結像面に合焦して
いる状態で露光されるパターンであるとする。そして、
点線で示す格子座標の交点におけるシフトの状況を矢印
で示し、矢印の方向及び大きさはそれぞれ投影像のシフ
トする方向及びシフト量を示している。図3(b)及び
図3(c)の曲線119R,119Lに示す走査方向の
位置Xにおけるフォーカス方向及びチルト方向の変化す
る変位に対応して格子座標が多様にシフトする。
【0038】例えば、X座標値0の地点における格子座
標の左端の位置P11のフォーカス方向の変位は、図3
(b)のX座標値0におけるT(X)の値Z1 であり、
同様に右端の位置P12におけるフォーカス方向の変位量
は、図3(c)のX座標値0におけるT(X)の値Z2
である。この両端の位置P11,P12におけるフォーカス
方向の変位により、投影像の位置はP11,P12からそれ
ぞれ矢印で示すように位置P15,P16までシフトする。
この場合、位置P11,P12におけるフォーカス方向の変
位量Z1 ,Z2 がほぼ同じであり、チルト方向における
変位は殆どない。従って、X座標値0における投影像の
シフトは図3(a)のテレセントリック性の傾斜方向に
相似な形でシフトする。
【0039】また、例えば、X座標値X1 の地点におけ
る格子座標の左端の位置P13のフォーカス方向の変位
は、図3(b)のX座標値X1 におけるT(X)の値Z
3 であり、同様に右端の位置P14におけるフォーカス方
向の変位量は、図3(c)のX座標値X1 におけるT
(X)の値Z4 である。この両端の位置P13,P14にお
けるフォーカス方向の変位により、投影像の位置は
13,P14からそれぞれ矢印で示すように位置P17,P
18までシフトする。この場合はX座標値0における場合
と異なり、位置P13におけるフォーカス方向の変位量Z
3 はプラスであり、一方位置P14における変位量Z4
マイナスとなっている。即ち、左端を上げ右端を下げて
チルト方向に変位させている。このため、X座標値X1
における格子座標の交点では多様な方向に投影像のシフ
トが生じている。
【0040】以上のように、ウエハ2上のショット領域
117を露光フィールドに対して走査すると共にフォー
カス方向及びチルト方向に連続的に変位させ、ショット
領域117の格子座標の交点における投影像のシフトし
た地点同士を曲線近似して結ぶと、実線で示すような歪
んだ投影像118となる。従って、このフォーカス及び
チルト制御と前記照明光学系によるテレセントリック性
の制御方法を組み合わせて使用すれば更に複雑な制御も
可能となる。
【0041】次に、レチクルパターンの描画誤差を補正
する動作について説明する。本例では、レチクルパター
ンの描画誤差をレチクルを搭載後に自動計測し、その結
果に基づいて補正手段により描画誤差を補正する。その
場合、補正手段が容易に応答(追従)できるように描画
誤差を曲線近似し、それに基づいて補正する。その結
果、レチクルパターンの描画誤差の中でレチクル全体に
緩やかに発生している低周波誤差を完全に除去すること
が可能となる。
【0042】図5(a)は、レチクルパターンの描画誤
差を曲線近似した状態を示し、図5(b)は、レチクル
上のパターンの投影像の座標を計測することにより得ら
れる実際のパターンの位置と、予め記憶された設計デー
タとのずれである描画誤差の計測結果を示す図を示して
いる。この図5(b)において、実線で示す複数の矢印
は、それぞれレチクル1上に設定した外側の格子パター
ン110A、及び格子パターン110Aの内部に設定し
た内側の格子パターン110Bの所定の地点の設計値か
らのずれ量を測定した結果を示し、各矢印の方向及び大
きさはそれぞれ対応する所定の地点からのずれの方向及
びずれ量を示している。
【0043】例えば、外側の格子パターン110Aの4
隅の設計座標値(x1 ,y1 ),(x1 ,y2 ),(x
2 ,y1 ),(x2 ,y2 )は、それぞれ測定座標値
(x3,y3 ),(x4 ,y4 ),(x5 ,y5 ),
(x6 ,y6 )までずれている。また、内側の格子パタ
ーン110Bの4隅の設計座標値(x7 ,y7 ),(x
7,y8 ),(x8 ,y7 ),(x8 ,y8 )も、それ
ぞれ測定座標値(x9 ,y 9 ),(x10,y10),(x
11,y11),(x12,y12)までずれている。同様に、
格子パターン110A,110B上の他の測定箇所もそ
れぞれ矢印で示す方向にずれている。
【0044】そこで、外側の格子パターン110Aに関
する測定座標値(x3 ,y3 ),(x4 ,y4 ),(x
5 ,y5 ),(x6 ,y6 )及び他の測定座標値をそれ
ぞれ曲線近似して結ぶと図5(a)の外側の曲線111
Aが得られ、同様に内側の格子パターン110Bに関す
る測定座標値(x9 ,y9 ),(x10,y10),
(x 11,y11),(x12,y12)及び他の測定座標値を
それぞれ曲線近似して結ぶと図5(a)の内側の曲線1
11Bが得られる。従って、図5(a)に示すように照
明領域113Rがレチクル1に対して矢印方向に向かっ
て相対的に走査される際(実際にはレチクル1が逆方向
に走査される)、照明領域113Rに対応する露光フィ
ールド内の投影露光像を補正手段で逐次補正することで
理想格子に近い状態で露光が可能となる。
【0045】次に、レチクルパターンの描画誤差の補正
動作につき説明する。レチクルパターンの描画誤差は、
図1の中央制御系31により光学部材駆動装置28を制
御して、照明光学系のテレセントリック性を適当に調整
すること等により、ウエハ2上のテレセントリック性を
微小角度傾けること、及びウエハ2のフォーカス位置と
チルトとを制御することで補正する。
【0046】この場合、描画誤差として像高に対し2
次、又は3次の曲線分布を与えることと、それに合わせ
てZチルトステージ5を駆動して焦点深度内で露光時の
フォーカスオフセットや傾斜(チルト)を与えること
で、図6に示すような多種の投影露光像のX方向及びY
方向(横方向)のシフトを発生させることが可能とな
る。図6は、フォーカス及びチルト制御により投影像の
X方向及びY方向のシフトを発生させる動作の一例を説
明するための図を示し、この例ではウエハ2上のテレセ
ントリック性が走査方向(X方向)に傾いている場合に
ついて説明する。この場合、ウエハ2上の露光フィール
ド113は、図4(a)に示すように、非走査方向(Y
方向)の幅2L、且つ走査方向の幅Dの大きさを持つも
のとする。また、投影光学系4の円形の有効露光フィー
ルド116の中心を通り走査方向に平行な直線から投影
光学系4の外周方向への像高をR(Y)とし、そのとき
の像高R(Y)に依存した走査方向(X方向)へのテレ
セントリック性の傾き角をΔθとする。
【0047】図6(a)は、テレセントリック性の傾き
が像高R(Y)に対して一定の線形誤差(ここではオフ
セット)を持つ場合を示し、図6(b)はテレセントリ
ック性の傾きが像高R(Y)に対して曲線誤差(2次以
上の関係で示される誤差)を持つ場合を示している。横
軸は傾き角Δθ、縦軸は像高R(Y)を表している。ま
た、図6(c)〜図6(e)は、テレセントリック性が
図6(a)の関係にあるときに、それぞれウエハ2をフ
ォーカス方向(+Z方向及び−Z方向)及びチルト方向
へ移動させた場合の像高R(Y)と走査方向への投影像
のシフト量(横シフト量)との関係を示す図である。同
様に、図6(f)〜図6(h)は、テレセントリック性
が図6(b)の状態にあるときの図6(c)〜図6
(e)に対応する図である。なお、図6(c)〜
(e)、及び(f)〜(h)において横軸は像高R
(Y)、縦軸は走査方向(X方向)へのシフト量W
(X)を示している。
【0048】図6(a)において、像高R(Y)と傾き
角Δθとの関係を示す直線121は、像高R(Y)の0
〜+L(0〜−Lも同様)の範囲に渡って一定の傾き角
Δθ a をもっている。このようにテレセントリック性の
傾きが像高R(Y)に対して一定の線形誤差をもつ場合
に対して+ΔZだけフォーカス方向に移動させると、図
6(c)の直線123に示すように、+L〜−Lの間の
像高全体に渡って投影像は走査方向に一定のシフト量−
a だけシフトする。また、−ΔZだけフォーカス方向
に移動させると、図6(d)の直線124に示すよう
に、+L〜−Lの間の像高全体に渡って投影像は走査方
向に一定のシフト量Wa だけシフトする。また、チルト
方向に移動させる(傾斜させる)と、図6(e)の直線
125に示すように、像高−Lにおいてシフト量Wb
像高+Lにおいてシフト量−Wb となり、像高0を境と
して像高の左右において互いに逆方向に対称的にシフト
する。
【0049】以上のように、テレセントリック性の傾き
が像高R(Y)に対して一定の線形誤差をもつ場合、フ
ォーカス方向及びチルト方向への駆動によりシフト量W
(X)が像高R(Y)に対して線形関係をもってシフト
する。これに対して、テレセントリック性の傾きが像高
R(Y)に対して曲線誤差を持つ場合、フォーカス方向
及びチルト方向への駆動によりシフト量W(X)が像高
R(Y)に対して非線形的な関係をもってシフトする。
【0050】図6(f)は図6(b)のテレセントリッ
ク性の傾きに対して、+ΔZだけフォーカス方向に移動
させた場合を示し、この図6(f)に示すように、シフ
ト量W(X)が像高+L及び−Lにおいて−Wc とな
り、像高0で0となる曲線126で示すように、像高R
(Y)に対して非線形的に−X方向にシフトする。一
方、−ΔZだけフォーカス方向に移動させた場合は、図
6(g)に示すように、シフト量W(X)が像高+L及
び−LにおいてWc となり、像高0で0となる曲線12
7で示すように、図6(f)と対称な関係をもって+X
方向にシフトする。また、チルト方向に移動させると、
図6(h)の曲線128に示すように、像高−Lにおい
てシフト量Wd 、像高+Lにおいてシフト量−Wd とな
り、像高0を境として像高の左右において互いに逆方向
に対称的なシフト量W(X)をもつ3次曲線的な関係で
示されるシフトを行う。
【0051】以上のように、ウエハ2をZチルトステー
ジ5によりフォーカス方向及びチルト方向へ駆動するこ
とにより、走査方向に対して直線的及び曲線的な複数の
ディストーションを発生させることができる。従って、
先に測定したレチクルパターンの描画誤差や投影光学系
4のディストーションをキャンセルするようにフォーカ
ス及びチルト方向の駆動を制御すれば、高速で上記誤差
を補正することができる。なお、以上の説明ではテレセ
ントリック性の傾きを走査方向としたが、非走査方向で
も同様の結果が得られる。
【0052】以上、本例によれば、レチクルパターンの
描画誤差や投影光学系のディストーションを補正できる
ので、理想格子に近いショットパターンを形成でき、ト
ータルオーバレイ精度(工程間の重ね合わせ精度)を向
上させることができる。また、近年、露光波長の短波長
化に対応して焦点深度が浅くなることから、照明光学系
のテレセントリック性の傾き精度を厳しく要求する状況
傾向があり、本例の方向はその傾向とは逆行するもので
ある。しかしながら、一方で最近は、ウエハの平坦化技
術やウエハホルダーの改良による積極的なウエハ表面の
平面度の補正等により焦点深度に余裕(マージン)が出
てくる傾向もあり、且つ、レチクルパターンの描画誤差
に対しては何ら改善策が現れていない。従って、本例の
方法は特にレチクルパターンの描画誤差の補正において
かなりの効果がある。
【0053】また、レチクルパターンの描画誤差が線形
的誤差のみである場合には、図7のような従来技術によ
り誤差の補正を行っても同様の効果が得られる。更に、
従来から大気圧変化や投影光学系の熱変形等による影響
でディストーションが発生し、それに対する適切な対策
が求められている。このディストーションは2次、3次
の倍率誤差であり、これを逐次補正する手段としても本
例の方法を効果的に利用することができる。
【0054】なお、本例では照明光学系のリレーレンズ
16,18及びコンデンサーレンズ14を駆動してテレ
セントリック性を変化させているが、更にミラー15の
角度を変える機構を設け、その機構によりミラー15の
回転角を変化させるようにしてもよい。また、投影光学
系4を含めたウエハステージ側全体の傾斜角を変化させ
るようにしてもよい。
【0055】なお、本発明は走査型の投影露光装置に限
らず、ウエハ上のショット領域に一括露光するステッパ
型の投影露光装置等にも同様に適用できる。このように
本発明は上述実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱
しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0056】
【発明の効果】本発明の第1の投影露光装置によれば、
一括露光方式又は走査露光方式の投影露光装置におい
て、マスク(レチクル)上のパターンのずれや歪みに応
じて空間像補正手段により基板(ウエハ)上の投影像を
補正することにより、歪み等のない良好なパターンの露
光を行うことができる。例えば、マスクパターンの描画
誤差や投影光学系のディストーションを補正できるの
で、理想格子に近いショットパターンを形成でき、トー
タルオーバレイ精度(工程間の重ね合わせ精度)を向上
させることができる利点がある。
【0057】また、空間像補正手段が、投影光学系のテ
レセントリック性を変化させる第1制御手段と、露光対
象とする基板の投影光学系の光軸方向の位置、及び傾斜
角を制御する第2制御手段と、を有する場合には、第1
及び第2制御手段により投影像の横シフトを発生させ、
空間像の位置を部分的に適正な位置にシフトさせること
ができる。特に、これを走査露光方式に適用して、走査
位置に応じて例えば第2制御手段の補正量を調整するこ
とにより、かなり複雑な描画誤差等も補正できる。
【0058】また、空間像補正手段が、入力手段により
入力されたパターン情報に基づいて求められる描画誤差
のゆるやかに変化する成分を補正するように、投影光学
系による空間像の位置の補正を行う場合には、例えば走
査露光方式に適用した場合、補正手段の応答速度が遅く
できるため実用的である。また、従来から大気圧変化や
投影光学系の照明による影響でディストーションが発生
し、それに対する適切な対策が求められているが、この
ディストーションは2次、3次の倍率誤差であり、これ
を逐次補正する手段として本発明の方法を効果的に利用
することができる。
【0059】また、本発明による第2の投影露光装置に
よれば、走査露光型の投影露光装置において、投影光学
系の有効露光フィールド内において、その結像特性に最
も適した露光領域を選択して、高精度の露光を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の一実施例を示す概
略構成図である。
【図2】図1の照明光学系のテレセントリック性を変化
させた場合のウエハ2上の露光フィールドでの照明光の
テレセントリック性の傾きの種々の例を示す図である。
【図3】図1のウエハ2の1つのショット領域における
投影像のシフトの状態を説明するための図である。
【図4】図1の投影光学系の有効露光フィールド内で露
光フィールドの位置及び形状を変化させる場合の説明図
である。
【図5】レチクルパターンの描画誤差の低周波数成分
と、光電センサ7によるパターン位置の計測結果の一例
を示す図である。
【図6】照明光のテレセントリック性を変えたときのウ
エハステージのフォーカス、チルト駆動によるウエハ上
での投影像の横シフトの変化を示す図である。
【図7】従来の投影像の位置補正技術等の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 レチクル 2 ウエハ 3 ウエハホルダー 4 投影光学系 5 Zチルトステージ 7 光電センサ 9 照射光学系(斜入射方式光学系) 10 受光光学系(斜入射方式光学系) 11 レチクルステージ 13 照明機構 14 コンデンサーレンズ 16,18 リレーレンズ 17 レチクルブラインド(視野絞り) 19 フライアイ・インテグレータ 22 光源系 23 アライメント処理装置 24 ステージ制御系 25 レーザ干渉計 26 Zチルト制御系 27 レチクルブラインド駆動装置 28 光学部材駆動装置 30 照明機構駆動装置 31 中央制御系 113,113A 露光フィールド 116 有効露光フィールド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクに形成されたパターンを投影光学
    系を介して基板上に投影する投影露光装置において、 転写対象とするマスクのパターン情報を入力する入力手
    段と、 該入力手段により入力されたパターン情報に応じて前記
    投影光学系による空間像の位置を部分的に補正する空間
    像補正手段と、を有することを特徴とする投影露光装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の投影露光装置であって、 前記空間像補正手段は、前記投影光学系のテレセントリ
    ック性を変化させる第1制御手段と、露光対象とする基
    板の前記投影光学系の光軸方向の位置、及び傾斜角を制
    御する第2制御手段と、を有することを特徴とする投影
    露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の投影露光装置であ
    って、 前記空間像補正手段は、前記入力手段により入力された
    パターン情報に基づいて求められる描画誤差のゆるやか
    に変化する成分を補正するように、前記投影光学系によ
    る空間像の位置の補正を行うことを特徴とする投影露光
    装置。
  4. 【請求項4】 マスクに形成されたパターンの一部の像
    を基板上に投影する投影光学系を備え、該投影光学系に
    対して前記マスク及び前記基板を同期して走査すること
    により前記マスクに形成されたパターンを逐次前記基板
    上に投影する走査露光型の投影露光装置において、 前記投影光学系の有効露光フィールド内における投影像
    の結像特性を計測する計測手段と、 該計測手段の計測結果に応じて前記有効露光フィールド
    内で実際に前記マスクに形成されたパターンの一部の像
    が露光される露光領域を変更する露光領域変更手段と、
    を有することを特徴とする投影露光装置。
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