JP2003207903A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の発する光束を所定のパターンが形成さ
れたマスクに透過させたうえで感光剤が塗布されたプリ
ント配線基板に投射し、前記所定のパターンを前記プリ
ント配線基板に転写する、投影露光装置であって、マス
クの像の伸縮率の変更が可能な投影露光装置を提供する
ことである。 【解決手段】 光源より発せられた光束を偏向させる第
1の平面鏡と、第1の平面鏡によって偏向した光束が入
射されるレンズユニットと、レンズユニットから射出さ
れた光束を反射させてレンズユニットに再度入射させる
反射手段と、レンズユニットから再度射出された光束を
偏向させる第2の平面鏡と、プリント配線基板上で結像
したマスクの像を伸縮する像伸縮機構とを有し、像伸縮
機構は反射手段をレンズユニットの光軸方向に進退させ
ると共にマスクとプリント配線基板が共にレンズユニッ
トの焦点位置からずれる状態に設定することにより、上
記問題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源の発する光束
を所定のパターンが形成されたマスクに透過させたうえ
で感光剤が塗布されたプリント配線基板に投射し、前記
所定のパターンを前記プリント配線基板に転写する、投
影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板の配線パターンや液晶
パネルの透明薄膜電極などを描画する方法として、従来
より投影露光装置等が利用されている。投影露光装置は
超高圧水銀灯などの高出力の光源から発せられる光束を
所定のパターンがかかれたマスクに投射し、さらにこの
光束を感光剤の塗布されたプリント配線基板や集積回
路、液晶パネルなどの被露光体上で結像させてマスクの
パターンを被露光体に転写するものである。
【0003】一般にプリント配線基板は、スルーホール
を穿孔した後、銅メッキし、次いで整面処理を行って銅
表面の酸化膜を除去し、最後に感光剤が塗布される。こ
の整面処理、温度変化、積層工程によりプリント配線基
板は最大0.2%程度伸縮する。プリント配線基板が伸縮す
ることによってスルーホールの位置も変動するため、こ
のような投影露光装置はプリント配線基板上に結像する
マスクのパターンの像の伸縮率を変更可能とすることが
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
鑑み、マスクの像の伸縮率の変更を可能とした投影露光
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の投影露光装置は、光学系が、光源より発せ
られマスクを通過した光束を偏向させる第1の平面鏡
と、第1の平面鏡によって偏向した光束が入射されるレ
ンズユニットと、レンズユニットから射出された光束を
反射させてレンズユニットに再度入射させ、その反射面
が前記マスクに対して垂直に配置されている反射手段
と、反射手段によって反射されたのち、レンズユニット
から射出された光束を偏向させ、マスクと平行に配置さ
れたプリント配線基板上で結像させる第2の平面鏡と、
プリント配線基板上で結像したマスクの像のマスクに対
する伸縮率を変更可能な像伸縮機構と、を有し、像伸縮
機構は、反射手段をレンズユニットの光軸方向に進退さ
せる反射手段駆動機構と、マスクとプリント配線基板と
が、レンズユニットに対して互いに共役となる状態を保
持しつつ、マスクとプリント配線基板が共にレンズユニ
ットの焦点位置からずれる状態に設定する位置設定手段
と、を有する。
【0006】すなわち、光源からの光束が入射する反射
手段をレンズユニットの光軸方向に移動させて投影露光
装置のレンズユニットから所定距離だけ移動させること
により、レンズユニットから反射手段に向かう光束の瞳
位置がレンズユニットの光軸方向にずれてテレセン性が
扇状に崩れる。さらにマスクとプリント配線基板が互い
に共役状態を保ちつつ共にレンズユニットの焦点位置か
らずれるようにすることにより、マスクのパターンの像
の伸縮率を変更することができる。
【0007】また、第1および第2の平面鏡をマスクに
対して近接または離間させることによって、マスクとプ
リント配線基板とが、レンズユニットに対して互いに共
役となる状態を保持しつつ、マスクとプリント配線基板
が共にレンズユニットの焦点位置からずれる状態に設定
する構成としてもよい。
【0008】また、マスクの像のマスクに対する伸縮率
をMgn、レンズユニットの焦点距離をfとすると、
第1および第2の平面鏡のマスクに対して近接または離
間させる方向への移動量ΔDおよび反射手段の前記レ
ンズユニットから離間又はする方向の移動量ΔLは、
式 |Mgn−1| = 2 × ΔD × ΔL
/ f を満たし、反射手段が前記レンズユニットから離間する
場合においてはマスクの像の前記マスクに対する伸縮率
が1倍以上の時は第1および第2の平面鏡は前記マスク
から離間するように移動し、伸縮率が1倍未満の時は第
1および第2の平面鏡はマスクに近づくよう移動する構
成としてもよい。また、反射手段が前記レンズユニット
に接近する場合においては、前式を満たした状態で、マ
スクの像の前記マスクに対する伸縮率が1倍以上の時は
第1および第2の平面鏡は前記マスクに近づくように移
動し、伸縮率が1倍未満の時は第1および第2の平面鏡
はマスクから離間するよう移動する構成としてもよい。
【0009】また、像伸縮機構がプリント配線基板の伸
縮率を計測可能な伸縮率計測手段を有する構成としても
良い。伸縮率計測手段がプリント配線基板の伸縮率を計
測する方法としては、例えばマスクおよびプリント配線
基板上の長手方向と短手方向にそれぞれ少なくとも2つ
形成されたマーク間の距離をそれぞれ計測し、プリント
配線基板のマーク間距離計測結果とマスクのマーク間距
離計測結果を比較する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態による
投影露光装置を模式的に示したものである。なお、以下
の説明においては、主走査方向(マスクおよびプリント
基板が駆動される方向)をX軸、副走査方向をY軸、光
束がプリント基板に入射する方向をZ軸と定義してい
る。また、X軸については図1中左下から右上に向かう
方向、Y軸については図1中右下から左上に向かう方
向、Z軸については図1中下から上に向かう方向をそれ
ぞれ正としている。図1には光源2は1つしか記載され
ていないが、実際の投影露光装置はY軸方向に複数個の
光源および投影光学系が配置されており、マスクおよび
プリント基板を往復させること無くプリント基板全面を
露光することができる。
【0011】本実施形態の投影露光装置1は、光源2、
コリメータレンズ3、マスク4、折り返しミラー5、レ
ンズユニット6、ダハミラー7、基板ホルダ8を有す
る。
【0012】光源2は例えば超高圧水銀灯のような、プ
リント基板に塗布された感光剤を感光させるのに充分な
波長と出力を有する光源である。光源2から放射される
Z軸負の方向向きの光束はコリメータレンズ3によって
マスク4上で矩形状に照明され、次いで折り返しミラー
5に入射する。
【0013】折り返しミラー5は、直角二等辺三角形断
面の三角柱形状の部材であり、その高さ方向はY軸に平
行である。また、折り返しミラー5の二等辺部側面は反
射面であり、その反射面の法線は共に、X軸と45度の
角度をなしている。折り返しミラー5はマスク4を通過
した光束を反射してX軸正の方向に向かうよう屈曲させ
てレンズユニット6に入射させるとともに、レンズユニ
ット6からX軸負の方向に折り返しミラー5に投射され
る光束を反射してZ軸負の方向に向かうよう屈曲させて
基板ホルダ8に固定されたプリント基板Bに入射させ
る。プリント基板Bに入射した光束はプリント基板B上
で結像する。すなわち、マスク4の像がプリント基板B
上で結像し、プリント基板B上に塗布された感光剤によ
ってこの像はプリント基板B上に転写される。
【0014】レンズユニット6は複数の光学部材をX軸
方向に並べたユニットであり、全体としては凸レンズと
同様の働きをする。
【0015】ダハミラー7は、2つの反射面がXY面上
において90度の角度で内側を向くように構成されたミ
ラーであり、レンズユニット6からダハミラー7に投射
される光束をXY平面上で入射方向と同じ方向に反射し
てレンズユニット6に戻す。ダハミラー7は、レンズユ
ニット6の焦点位置付近に配置されている。この構成に
よりマスク4のパターンは基板B上でXY方向共反転す
ることなく同じ向きに転写される。
【0016】マスク4および基板ホルダ8はそれぞれマ
スク駆動機構14、基板ホルダ駆動機構18によって駆
動され、X軸方向に移動可能である。同様に、折り返し
ミラー5は折り返しミラー駆動機構15によって駆動さ
れ、X軸方向およびZ軸方向に移動可能である。また、
ダハミラー7はダハミラー駆動機構17によってX軸方
向およびY軸方向に移動可能である。
【0017】また、投影露光装置1の各投影光学系には
マスク位置検出手段24および基板位置検出手段28が
備えられている。マスク位置検出手段24および基板位
置検出手段28はそれぞれプリント基板Bに塗布された
感光剤と反応しない波長域および強度のランプと、CC
Dカメラとを備えている。マスク位置検出手段24はラ
ンプによってマスク4を照射すると共に、CCDカメラ
によってマスク4の全体画像を取得する。同様に、基板
位置検出手段28はランプによってプリント基板Bを照
射すると共に、CCDカメラによってプリント基板Bの
全体画像を取得する。マスク4、プリント基板Bのそれ
ぞれ4隅には位置合わせ用のマークがあり、コントロー
ラ10はマスク位置検出手段24と基板位置検出手段2
8のそれぞれのCCDカメラによって取得されたマスク
4およびプリント基板Bの全体画像を画像処理すること
により、マスク4およびプリント基板Bのそれぞれにつ
いて、位置合わせ用のマークのそれぞれと光源2から発
せられた光束の入射位置との距離を算出することができ
る。また、コントローラ10はマスク4およびプリント
基板Bのそれぞれについて位置合わせ用のマーク間の距
離を算出可能であり、マスク4上のマーク間の距離とプ
リント基板B上のマーク間の距離とを比較することによ
り、マスク4の像をプリント基板B上に転写するときの
倍率を決定する。
【0018】また高精度な位置合わせと倍率補正が要求
される場合はマスク4、プリント基板Bの4隅のマーク
位置それぞれにCCDカメラ24,28を配置して倍率
を上げて検出する方法がある。この場合、光束の入射位
置に対する各々のCCDカメラ位置は認識でき、このC
CDカメラ位置からCCDカメラ同士の間隔を算出する
事が可能である。したがって、CCDカメラ同士の間隔
と各CCDカメラの撮影画像におけるマークの座標とか
ら、位置合わせ用のマークのそれぞれと光源2から発せ
られた光束の入射位置との距離をより厳密に計測するこ
とが可能である。
【0019】また、投影露光装置1は基板高さ検出機構
38を有する。コントローラ10は基板高さ検出機構3
8を制御して、プリント基板Bの露光面のZ軸方向の位
置を検出することができる。基板高さ検出機構38の具
体的な構成については後述する。
【0020】以上のように構成された投影露光装置1に
よって、マスク4の像をプリント基板Bに露光させる方
法を図面を用いて以下に説明する。
【0021】最初に、プリント基板Bの露光面の位置
(Z軸方向)、およびプリント基板B上に結像されるマ
スク4の像の伸縮比が求められる。
【0022】図2は、マスク4をZ軸正の方向から見た
概略図である。マスク4は4辺のそれぞれがX軸または
Y軸と平行である長方形板状の部材である。マスク4の
中央部には、プリント配線パターンがかかれているマス
ク部4aが形成されており、またマスク4の周縁部4b
には配線パターンはかかれていない。
【0023】マスク4の周縁部4bの4隅には位置検出
用のマークM1a,M1b,M1c,M1dがパターニ
ングされている。マークM1a,M1b,M1c,M1
dは4辺のそれぞれがX軸またはY軸と平行である長方
形の4頂点にあり、この長方形の中にマスク部4aがす
べて含まれるようになっている。コントローラ10はマ
スク位置検出手段24を制御して、マークM1aとM1
bとの距離l11xと、マークM1cとM1dとの距離
12xと、マークM1bとM1cとの距離l
11yと、マークM1aとM1dとの距離l12yとを
算出する。次いで、l 1xとl12xの平均値l1x
と、l11yとl12yの平均値l1yとを求める。l
1xおよびl1yは投影光学系のそれぞれが備えるマス
ク位置検出手段24毎に求められ、コントローラ10は
その平均値l1xmおよびl1ymを演算する。
【0024】図3は、プリント基板BをZ軸正の方向か
ら見た概略図である。マスク4と同様、プリント基板B
の中央部にはプリント配線パターンが転写されるパター
ン部B1がある。プリント基板Bの周縁部B2の4隅に
は位置検出用マークまたは穴がありM2a,M2b,M
2c,M2dとする。コントローラ10は基板位置検出
手段28を制御して、マークM2aとM2bとの距離l
21xと、マークM2cとM2dとの距離l22xと、
マークM2bとM2cとの距離l21yと、マークM2
aとM2dとの距離l22yとを算出する。次いで、l
21xとl22 の平均値l2xと、l21yとl
22yの平均値l2yとを求める。
【0025】以上のように、l1x,l2x,l1y
2yを算出することにより、X軸方向およびY軸方向
のそれぞれについて、プリント基板Bがマスク4に比べ
てどの程度伸縮しているのかを演算することができる。
プリント基板Bは整面処理、温度変化、積層工程により
伸縮するため伸縮率がX,Y方向で異なる。本実施形態
の投影露光装置1は、マスク4の像がプリント基板B上
に結像するときの倍率を設定可能となっているが、X軸
方向の倍率とY軸方向の倍率とを別個に設定することは
できないので、適切な倍率Mgnを演算する。
【0026】本実施形態においては、各投影光学系のそ
れぞれが備えるマスク位置検出手段24および基板位置
検出手段28毎にl1x,l2x,l1y,l2yを算
出し、l1x,l2x,l1y,l2yそれぞれの平均
値l1xm,l2xm,l ym,l2ymを求める。
次いで、適切な倍率Mgnを式Mgn=(l2x
+l2ym)/(l1xm+l1ym)を用いて算出す
る。
【0027】倍率Mgnを前述の式によって演算する
構成とすると、X軸方向とY軸方向とでは異なる伸縮率
で引き伸ばされたプリント基板にマスク4の像が適切な
倍率Mgnで投影されたとき、マスク4の像の投影位
置とプリント基板とのずれ量の最大値を最小に保つこと
が可能となる。
【0028】なお、本実施形態においては適切な倍率M
gnを上記の式によって演算しているが、本発明は上
記の式に限定されるものではなく、他の方法を用いて倍
率Mgnを演算しても構わない。例えば、Mgn
(l2xm/l1xm+l ym/l1ym)/2とす
る、l2xm/l1xmとl2ym/l1ymのうちい
ずれかをMgnとする、或いは適切な定数m,nを用
いてMgn=(ml 2xm/l1xm+nl2ym
1ym)/(m+n)としてもよい。
【0029】また、本実施の形態においては、投影光学
系毎にl1x,l2x,l1y,l 2yを算出し、それ
ぞれの平均値l1xm,l2xm,l1ym,l2ym
からMgnを演算しているが、演算時間の短縮化のた
め、ある投影光学系のマスク位置検出手段24および基
板位置検出手段28によって求められたl1x
,l1y,l2yのみを用いて適切な倍率Mgn
を演算する構成としても良い。
【0030】図4は、基板ホルダ8およびプリント基板
BをY軸負の方向から見た概略図である。基板高さ検出
機構38はプリント基板B上に塗布された感光剤と反応
しない波長および強度のレーザ光LBをプリント基板B
に向けてXZ平面上斜め方向に入射させるレーザ光源3
8aと、38aより出射した光をプリント基板B上に集
光させる凸レンズ38dと、プリント基板B上で反射し
たレーザ光LBを受光する受光部38bと、凸レンズ3
8cを有する。凸レンズ38cは受光部38bの受光面
の手前に、その光軸が反射したレーザ光LBの光軸と平
行になるよう配置されており、プリント基板B上で反射
したレーザ光LBを屈折させて受光部38bの受光面内
に収める。プリント基板B上の反射位置と受光部38b
は凸レンズ38cの共役位置にあり、倍率μの関係にな
っている。尚、倍率μとはおよそ凸レンズ38cと受光
部38b間の光軸方向の長さΛ2と、プリント基板B上
反射面と凸レンズ38c間の光軸方向の長さΛ1の比Λ
2/Λ1である。プリント基板B上で反射した時点での
レーザ光LBが凸レンズ38cの光軸よりもZ軸負の方
向寄り(すなわち、プリント基板B寄り)のときは、レ
ーザ光LBは凸レンズ38cの光軸よりもZ軸正の方向
寄りの位置に入射する。
【0031】受光部38bは受光部38bの受光面のど
の位置にレーザ光LBが入射したのかを検出可能であ
り、この入射位置からプリント基板Bの高さを検出可能
である。
【0032】基板高さ検出機構38を用いたプリント基
板Bの高さの検出方法を以下に詳説する。なお、受光部
38bの受光面の中心(受光面と凸レンズ38cの光軸
とが交差する点)にレーザ光LBが入射したときの基板
高さBHをあらかじめ実験によって算出する。
【0033】ここで、レーザ光LBの入射位置が凸レン
ズ38cの光軸と受光部38bの受光面との交点からΔ
だけずれている場合、その時の基板高さBHは数1
によって演算される。なお、レーザ光LBの入射位置が
プリント基板Bから遠ざかる方向に移動している場合は
ΔL>0、プリント基板Bに近づく方向に移動してい
る場合はΔL<0としている。また、θはレーザ光L
Bの入射角である。
【0034】
【数1】
【0035】ここでBHをより精度良く検出する為には
あらかじめ実験等によりBHの変化に対するΔLを計
測しておく方法もある。
【0036】以上の方法にて算出したプリント基板Bの
高さBH、および折り返しミラー5の位置から、マスク
4からレンズユニット6に至る光路長とレンズユニット
6からプリント基板Bの露光面に至る光路長との和D
を演算可能となっている。
【0037】マスク4上に形成されたパターンがプリン
ト基板B上にピントが合った状態で結像するようにする
ためにはレンズユニット6に対してマスク4とプリント
基板Bの露光面とが共役の関係となるように配置されて
いなければならない。本実施形態においてはレンズユニ
ット6は固定されており、またマスク4および基板ホル
ダ8はZ軸方向には移動しない。
【0038】上記のような構成の露光装置1において
は、折り返しミラー5をX軸方向に移動させることによ
り、マスク4とプリント基板Bの露光面とが共役の関係
となるようにしてピント合わせが行われる。距離D
レンズユニット6の焦点距離の2倍であるとき、マスク
4とプリント基板Bの露光面とが共役の関係となる。以
下、折り返しミラー5の移動によってマスク4上に形成
されたパターンがプリント基板B上に結像するようにす
る手順を図5を用いて説明する。
【0039】図5は、図1の投影露光装置1をY軸方向
に投影した側面図である。図5においては、図面の簡略
化のためレンズユニット6は一枚の凸レンズとして、ま
たダハミラー7は1枚の平面鏡として記載されている。
コントローラ10は距離Dとレンズユニット6の焦点
距離fを比較し、プリント基板Bの露光面とマスクのレ
ンズユニット6による結像面との距離の差ΔD=D
−2fを求める。次いで、ΔD>0ならばX軸正の方
向に、またΔD<0ならばX軸負の方向に折り返しミ
ラー5を距離|ΔD|/2だけ移動させる。ここで、図
5においてはΔD>0であり、レンズユニット6によ
る結像面の位置はプリント基板Bの露光面よりもZ軸正
の方向に|ΔD|だけ移動した位置(図5中2点鎖線で
図示された位置)となる。折り返しミラー5をX軸正の
方向に距離|ΔD|/2だけ移動させたときの折り返し
ミラー5を破線で、またその時の光路を一点鎖線で示
す。このときのマスク4からレンズユニット6に至る光
路長とレンズユニット6からプリント基板Bの露光面に
至る光路長との和D’は折り返しミラー5を動かす前
の距離Dよりも|ΔD|だけ短くなっており、D
=2fとなる。従ってマスク4とプリント基板Bの露光
面とが共役の関係となり、マスク4上に形成されたパタ
ーンはプリント基板B上に結像するようになる。従っ
て、上記のように前工程でプリント基板Bの高さを計測
し、結像位置を調整することで、投影露光装置1は厚さ
の異なるプリント基板に対応可能となっている。
【0040】次いで、マスク4の像がプリント基板B上
に結像するときの倍率を上記の演算によって求めた倍率
Mgnに設定する。倍率の設定は、コントローラ10が
ダハミラー駆動機構17を制御してダハミラー7をX軸
方向に駆動し、さらにコントローラ10が折り返しミラ
ー駆動機構15を制御して折り返しミラー5をZ軸方向
に駆動することによって行われる。
【0041】図9および図10を用いて倍率の設定の原
理について説明する。図9は、レンズユニット6および
ダハミラー7をZ軸正の方向から見た概略図である。図
示の簡略のため、レンズユニット6およびダハミラー7
はそれぞれ一枚の面として描写されている。また、ダハ
ミラー7に向かう光束を2点鎖線で、ダハミラー7で反
射した光束を破線で示す。
【0042】倍率を設定するためには、最初にダハミラ
ー7をレンズユニット6の焦点位置7aからX軸正の方
向にΔL移動させる。ダハミラー7をこのように移動
させると、レンズユニット6出射時の瞳位置をX軸正の
方向に2ΔLずらす事になる。この結果、平行光束で
ある入射光に対して反射光はテレセン性が扇状に崩れた
光束となる。
【0043】しかしながら、基板側焦点位置での像の大
きさはテレセン性を崩しただけでは変化しない。そこ
で、レンズユニット6に対するマスク4およびプリント
基板Bの露光面の相対位置を、マスク4とプリント基板
Bの露光面とがレンズユニット6に対して共役状態を保
つように光学的に移動させる。すなわち、プリント基板
Bの露光面がレンズユニット6に対して近づけば、プリ
ント基板Bの露光面状に結像されるマスクの像は拡大さ
れる。反対にプリント基板Bの露光面がレンズユニット
6に対して遠ざかれば、プリント基板Bの露光面状に結
像されるマスクの像は縮小される。
【0044】レンズユニット6に対するマスク4および
プリント基板Bの露光面の相対位置を、マスク4とプリ
ント基板Bの露光面とがレンズユニット6に対して共役
状態を保つように光学的に移動させるために、折り返し
ミラー5をZ軸の方向にΔD 移動させる。なお、ダハ
ミラー7をX軸正の方向に移動させた場合に、像を拡大
するときは折り返しミラー5をZ軸負の方向に移動さ
せ、像を縮小するときは折り返しミラー5をZ軸正の方
向に移動させる。また、ダハミラー7をX軸負の方向に
移動させた場合に、像を拡大するときは折り返しミラー
5をZ軸正の方向に移動させ、像を縮小するときは折り
返しミラー5をZ軸負の方向に移動させる。
【0045】図10は、マスク4、折り返しミラー5、
レンズユニット6、ダハミラー7、およびプリント基板
BをY軸負の方向から見たものである。図10において
は、倍率を設定する前の光束を2点鎖線で、またダハミ
ラー7および折り返しミラー5を移動して倍率を設定し
た後の光束を破線で示している。なお、図10に示した
例においては倍率Mgn<1とし、折り返しミラー5
はZ軸正の方向に移動する。
【0046】図9、10に示すように、ダハミラー7を
位置7aから7bへX軸正の方向にΔL移動させ、さ
らに折り返しミラー5をZ軸正の方向にΔD移動させ
ることにより、マスク4を通過した光束が収縮してプリ
ント基板B上で結像する。このとき、ΔLおよびΔD
は数2を満たす値に設定される。なお、この倍率補正
においては、光軸の中心位置は変化しない。
【0047】
【数2】
【0048】図6は、上記倍率の設定原理によって像の
拡大処理が行われた後の光源2、マスク4およびプリン
ト基板BをX軸正の方向から見たものである。なお、実
際の投影露光装置においては、コリメータレンズ3、折
り返しミラー5、レンズユニット6およびダハミラー7
を介してマスク4のパターンがプリント基板B上に結像
する構成であるが、図6においては結像状態を明確に示
すため光源2、マスク4およびプリント基板Bのみ記載
するものとする。図6に示すように、像の拡大処理が行
われると、個々の光源2による像のそれぞれは拡大され
るものの、それぞれの像のY軸方向の結像位置は変化し
ない。このため、各光源による像がプリント基板B上で
重なり合って、正確にマスク4のパターンがプリント基
板B上に転写されない。従って、各像のY軸方向の結像
位置を、像同士が重ならないようにそれぞれY軸方向に
シフトさせるYシフト処理が行われる。
【0049】図11および図12は、マスク4、プリン
ト基板B、レンズユニット6およびダハミラー7をZ軸
正の方向から見た概略図である。図示の簡略のため、レ
ンズユニット6はそれぞれ一枚の面として描写され、さ
らに折り返しミラー5を省略して基板面およびマスク面
の位置はXY平面上に投影されている。
【0050】図11は、Yシフト処理を行う前のマスク
4、プリント基板B、レンズユニット6およびダハミラ
ー7の状態を示したものである。この時、マスク4およ
びプリント基板Bは共にレンズユニット6の焦点距離f
だけレンズユニット6から離れている。また、ダハミラ
ー7はレンズユニット6の焦点位置Oに配置されてい
る。なお、光束を2点鎖線で示す。
【0051】この時の光束は、図11のようなマスク4
とプリント基板BをXY平面上に投影した図において
は、入射光と反射光との光路が等しくなる。
【0052】Yシフト処理は、コントローラ10がダハ
ミラー駆動機構17を制御してダハミラー7をY軸方向
に駆動し、さらにコントローラ10が折り返しミラー駆
動機構15を制御して折り返しミラー5をZ軸方向に駆
動することによって行われる。
【0053】図12は、Yシフト処理を行ってプリント
基板B上の結像位置をY軸負の方向にΔY移動させたと
きのマスク4、プリント基板B、レンズユニット6およ
びダハミラー7の状態を示したものである。なお、図1
2においては、ダハミラー7によって反射する前の光束
を2点鎖線で、また反射後の光束を破線で示す。図11
に示すように、ダハミラー7をOの位置にあるとき
は、レンズユニット6からダハミラー7に向かう光束の
瞳位置はOである。一方、ダハミラー7をOからY
軸正の方向に距離ΔLだけ移動させると、図12に示
すように上記瞳位置はOからY軸正の方向に距離2Δ
だけ移動する。なお、ダハミラー7をOからY軸
負の方向に移動させると、上記瞳位置もOからY軸負
の方向にダハミラー7の移動距離の2倍だけ移動する。
【0054】この結果、テレセン性が斜めに崩れるが、
マスク4およびプリント基板Bは共にレンズユニット6
の焦点距離fだけレンズユニット6から離れている状態
では、プリント基板B上の結像位置はシフトしない。そ
こで、折り返しミラー5をZ軸負の方向にΔD移動さ
せてマスク4とプリント基板Bとが共役状態を保つよう
に両者のレンズユニット6からの光路長を変化させる。
折り返しミラー5をZ軸負の方向にΔD移動させるこ
とにより、マスク4からレンズユニット6の光路長はΔ
増加し、レンズユニット6からプリント基板Bへの
光路長はΔD減少する。このとき、ΔLおよびΔD
は数3を満たす値に設定される。
【0055】
【数3】
【0056】ここで、数2のΔD、数3のΔDは共
に折り返しミラー5のZ軸方向の移動量を示し、「ΔD
=ΔD」を満足する状態で数2および数3の他の軸
の移動量を求める。
【0057】なお、投影露光装置1に用いられている光
源および投影光学系の数をnとすると、ΔYの値は数
4を用いて求められる。
【0058】
【数4】
【0059】ここで、aは自然数であり、最もY軸負側
の光源の場合はa=1であり、この隣の光源の場合はa
=2、さらにその隣の光源の場合はa=3・・、という
ようにa=aである光源にY軸正側に隣接する光源の
aの値はa=a+1となるように設定される。
【0060】また、定数Wは倍率補正を行なわない時の
1つの投影光学系の露光幅である。
【0061】図7はYシフト処理が行われた後の光源
2、マスク4およびプリント基板BをX軸正の方向から
見たものである。図7に示すように、上記の手順によっ
てYシフトが行われると、中央の光源2および投影光学
系による像はシフトせず、その隣の光源2および投影光
学系による像はそれぞれW(Mgn−1)だけ外側にシ
フトし、さらにその外側に隣接する光源2による像はそ
れぞれ2W(Mgn−1)だけ外側にシフトする。従っ
て、各像のY軸方向の結像位置は、像同士が重ならない
ように配置され、マスク4のパターンが正確にプリント
基板B上に転写される。
【0062】次いで、基板ホルダ8の駆動速度が設定さ
れる。本実施形態においてはマスク4の駆動速度は所定
値Vに固定されている。マスク4のパターンをX軸方
向に倍率Mgnだけ拡大された状態でプリント基板B上
に転写するためには、基板ホルダ8の駆動速度Vを、
=Mgn×Vとなるように設定する。
【0063】次いで、マスク4とプリント基板BとのX
軸方向の位置合わせが行われる。図8は、図1の投影露
光装置1をY軸方向に投影した側面図である。図8にお
いては、図面の簡略化のためレンズユニット6は一枚の
凸レンズとして、またダハミラー7は1枚の平面鏡とし
て記載されている。なお、位置合わせを行うに当たっ
て、マスク4のマスク部4a(図2参照)のX軸正方向
の先頭が光源2の直下に来るよう、マスク4は配置され
ている。
【0064】コントローラ10はマスク位置検出手段2
4から得られる画像を処理して、光源2から発せられる
光束Lがマスク4に入射する位置Iとマスク4上の4
隅に配置された位置合わせ用マークのうち、X軸正方向
先頭(図8中右)のマークM1bおよびM1cとの距離
のX軸成分d11xおよびd12xを計測可能である。
次いで、d11xとd12xの平均値d1xを演算す
る。この時、距離d1xはマスク4のマスク部4aのX
軸正方向の先頭と、マークM1bとM1cを結ぶ線分と
の距離のX軸成分を示す。同様に、コントローラ10は
基板位置検出手段28から得られる画像を処理して、光
束Lがプリント基板Bに入射する位置Iとプリント基
板B上の4隅に配置された位置合わせ用マークのうち、
X軸正方向先頭(図8中右)のマークM2bおよびM2
cとの距離のX軸成分d21xおよびd22xを計測可
能である。次いで、d21xとd22xの平均値d2x
を演算する。
【0065】また、d1xおよびd2xは投影光学系の
それぞれが備えるマスク位置検出手段24および基板位
置検出手段28毎に求められ、コントローラ10はそれ
ぞれの平均値d1xmおよびd2xmを演算する。
【0066】基板ホルダ8の駆動速度Vは、V=M
gn×Vとなるように設定されているので、数5を
満たすように基板ホルダ8を移動させる。
【0067】
【数5】
【0068】この位置関係でM1bからM1aまでマス
ク4を速度Vで、また基板ホルダ8を速度VでX軸
正の方向に駆動することにより、マスク位置合わせ用マ
ークが基板位置合わせ用マークに対して均等にずれるよ
うに転写され、マスク4のマスク部4aのパターンは、
正確にプリント基板Bのパターン部B1上に転写される
ので、プリント基板Bに形成されたスルーホールと転写
された配線パターンがずれることはない。
【0069】本実施形態における基板ホルダ8の移動手
順を以下に示す。最初に、コントローラ10は数6を用
いて基板ホルダ8の移動距離Δdを演算する。
【0070】
【数6】
【0071】次いで、コントローラ10は基板ホルダ駆
動機構18を制御して、基板ホルダ8をX軸方向にΔd
だけ移動させる。なお、Δd>0であればX軸正の方向
に駆動し、Δd<0であればX軸負の方向に駆動する。
【0072】本例においては、Δd>0であるので、基
板ホルダ8はX軸正の方向にΔdだけ移動し、位置合わ
せ用マークM1Bは破線の位置に移動する。プリント基
板プリント基板プリント基板この結果、マスク4とプリ
ント基板Bとの位置関係は数5を満たすようになる。
【0073】このようにマスク4とプリント基板Bとの
位置合わせを行った後、光源2を点灯し、マスク4とプ
リント基板BとをX軸方向に移動することにより、正確
に位置決めされた状態でマスク4にかかれたパターンが
プリント基板Bに転写される。
【0074】なお、マスク4とプリント基板Bとの移動
が開始された後も、基板高さ検出機構38を用いてマス
ク4からレンズユニット6に至る光路長とレンズユニッ
ト6からプリント基板Bの露光面に至る光路長との和D
は算出されている。D=2fが常に成立するように
折り返しミラー5をX方向に駆動することにより、厚さ
が部位によって異なるようなプリント基板であっても、
マスク4上に形成されたパターンをプリント基板B上に
結像させることができる。
【0075】
【発明の効果】以上のように、本発明の投影露光装置に
よれば、プリント配線基板上に結像するマスクのパター
ンの像の拡大率を変更可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による投影露光装置を模式
的に示した概略図である。
【図2】本発明の実施の形態のマスクの概略図である。
【図3】本発明の実施の形態のプリント基板の概略図で
ある。
【図4】本発明の実施の形態のプリント基板基板高さ検
出機構の概略図である。
【図5】本発明の実施の形態の投影露光装置のピント合
わせ機構を模式的に示した概略図である。
【図6】Yシフト操作を行う前の結像状態を模式的に示
したものである。
【図7】Yシフト操作を行った後の結像状態を模式的に
示したものである。
【図8】本発明の実施の形態の投影露光装置の位置合わ
せ機構を模式的に示した概略図である。
【図9】本発明の実施の形態の投影露光装置の、レンズ
ユニットおよびダハミラーをZ軸正の方向から見た概略
図である。
【図10】本発明の実施の形態の投影露光装置の、マス
ク、折り返しミラー、レンズユニット、ダハミラー、お
よびプリント基板をY軸負の方向から見たものである。
【図11】本発明の実施の形態の投影露光装置の、マス
ク、折り返しミラー、レンズユニット、ダハミラー、お
よびプリント基板をZ軸正の方向から見たものである。
【図12】Yシフト操作を行った後の投影露光装置の、
マスク、折り返しミラー、レンズユニット、ダハミラ
ー、およびプリント基板をZ軸正の方向から見たもので
ある。
【符号の説明】
1 投影露光装置 2 光源 3 コリメータレンズ 4 マスク 5 折り返しミラー 6 レンズユニット 7 ダハミラー 8 基板ホルダ 10 コントローラ 14 マスク駆動機構 15 折り返しミラー駆動機構 17 ダハミラー駆動機構 18 基板ホルダ駆動機構 24 マスク位置検出手段 28 基板位置検出手段 38 基板高さ検出機構 B プリント基板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年1月21日(2003.1.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】本例においては、Δd>0であるので、基
板ホルダ8はX軸正の方向にΔdだけ移動し、位置合わ
せ用マークM1Bは破線の位置に移動する。この結果、
マスク4とプリント基板Bとの位置関係は数5を満たす
ようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 正人 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H097 AA03 BA02 GB00 KA01 LA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のパターンが形成されたマスクの像
    をプリント配線基板に転写して、前記プリント配線基板
    に前記所定のパターンを形成する、投影露光装置であっ
    て、 前記投影露光装置が、 前記マスクを照射する光源手段と、 前記光源手段より発せられ、前記マスクを通過した光束
    を偏向させる第1の平面鏡と、 前記第1の平面鏡によって偏向した前記光束が入射され
    るレンズユニットと、 前記レンズユニットから射出された前記光束を反射させ
    て前記レンズユニットに再度入射させ、その反射面が前
    記マスクに対して垂直に配置されている反射手段と、 前記反射手段によって反射されたのち、前記レンズユニ
    ットから射出された前記光束を偏向させ、前記マスクと
    平行に配置された前記プリント配線基板上で結像させる
    第2の平面鏡と、 前記プリント配線基板上で結像した前記マスクの像の前
    記マスクに対する伸縮率を変更可能な像伸縮機構と、を
    有し、 前記像伸縮機構は、 前記反射手段を前記レンズユニットの光軸方向に進退さ
    せる反射手段駆動機構と、 前記マスクと前記プリント配線基板とが、前記レンズユ
    ニットに対して互いに共役となる状態を保持しつつ、前
    記マスクと前記プリント配線基板が共に前記レンズユニ
    ットの焦点位置からずれる状態に設定する位置設定手段
    と、を有することを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記位置設定手段は、前記第1の平面鏡
    と前記第2の平面鏡とを前記マスクに対して近接または
    離間させることによって、前記マスクと前記プリント配
    線基板とが、前記レンズユニットに対して互いに共役と
    なる状態を保持しつつ、前記マスクと前記プリント配線
    基板が共に前記レンズユニットの焦点位置からずれる状
    態に設定すること、を特徴とする請求項1に記載の投影
    露光装置。
  3. 【請求項3】 前記レンズユニットが正のパワーを持つ
    ことを特徴とする、請求項2に記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記伸縮率をMgn、前記レンズユニ
    ットの焦点距離をfとすると、前記第1および第2の平
    面鏡の前記マスクに対して近接または離間させる方向へ
    の移動量ΔDおよび前記反射手段の前記レンズユニッ
    トから近接または離間する方向の移動量ΔLは、式 |Mgn−1| = 2 × ΔD × ΔL
    / f を満たし、 前記反射手段が前記レンズユニットから離間する方向に
    移動する場合において、前記伸縮率が1倍以上の時は、
    前記第1および第2の平面鏡は前記マスクから離間する
    ように移動し、前記伸縮率が1倍未満の時は前記第1お
    よび第2の平面鏡は前記マスクに近づくよう移動し、 前記反射手段が前記レンズユニットに近接する方向に移
    動する場合において、前記伸縮率が1倍以上の時は、前
    記第1および第2の平面鏡は前記マスクに近づくように
    移動し、前記伸縮率が1倍未満の時は第1および第2の
    平面鏡はマスクから離間するよう移動することを特徴と
    する、請求項3に記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の平面鏡と前記第2の平面鏡は
    折り返しミラーの一部分を構成することを特徴とする、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の投影露光装
    置。
  6. 【請求項6】 前記折り返しミラーは直角二等辺三角形
    断面の3角柱形状であり、前記第1の平面鏡と前記第2
    の平面鏡はそれぞれ前記折り返しミラーの二等辺部側面
    に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の
    投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記像伸縮機構は、前記プリント配線基
    板の伸縮率を計測可能な伸縮率計測手段を有することを
    特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記伸縮率計測手段が、前記プリント配
    線基板上の長手方向と短手方向にそれぞれ少なくとも2
    つ形成されたマーク間の距離をそれぞれ計測する基板観
    察手段と、前記マスク上の長手方向と短手方向にそれぞ
    れ少なくとも2つ形成されたマーク間の距離をそれぞれ
    計測するマスク観察手段とを有し、前記伸縮率計測手段
    は、前記基板観察手段の計測結果と前記マスク観察手段
    の計測結果を比較することによって前記プリント配線基
    板の伸縮率を計測することを特徴とする、請求項7に記
    載の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記反射手段がダハミラーであり、前記
    ダハミラーの反射面が前記マスクに対して垂直に配置さ
    れていることを特徴とする、請求項1から請求項8のい
    ずれかに記載の投影露光装置。
  10. 【請求項10】 前記反射手段が直角プリズムであり、
    前記直角プリズムの直角面の内側の面で前記光束は反射
    し、前記直角プリズムの直角面は前記マスクに対して垂
    直に配置されていることを特徴とする、請求項1から請
    求項8のいずれかに記載の投影露光装置。
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