JP4588368B2 - 露光計測方法及び装置、並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
転写パターンの寸法の測定値は、フォーカスエラーに対して一般的に偶数次の関数で近似される。従って、フォーカスエラーが生じた場合、そのズレが正側であるのか負側であるのかを判定することは困難である。これは即ち、フォーカスエラーに対して一般的に奇数次の単調増加関数又は単調減少関数で近似される値であれば、ズレ量の正負を判定することができることを意味する。本発明者は、この事実に着目して本発明に想到した。即ち、単一露光条件において最適なフォーカス位置の相異なる一対(2つ)の転写パターンを用いて、両者の寸法をそれぞれ測定し、一方の転写パターンの寸法と他方の転写パターンの寸法との差分値を算出する。この差分値は、フォーカスエラーに対して一般的に奇数次の関数で近似される値であるため、例えば当該差分値とフォーカスエラー量との関係を示すデータを有するデータベースを用いて、フォーカスエラー量を正確にすることができる。このフォーカスエラー量に基づき、例えば転写パターンの寸法及び上記の手法で得られたフォーカスエラー量と露光エラー量との関係とを示すデータを有するデータベースを用いて、露光エラー量を正確に決定することができる。
以下、本発明を適用した具体的な諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、本発明の露光計測装置及び方法、並びに半導体装置の製造方法について述べる。
図1は、本実施形態による露光計測装置の概略構成を示すブロック図である。
この露光計測装置は、被転写体である例えばシリコンウェーハ上に転写形成された複数の転写パターンのうち、最適な焦点位置の相異なる少なくとも一対の転写パターンについて、これらの各寸法を測定する寸法測定手段1と、一方の転写パターンの寸法と他方の転写パターンの寸法との差分値を求める差分値算出手段2と、この差分値を用いてパターン転写時のシリコンウェーハのフォーカスエラー量を算出する焦点変動量算出手段3と、各転写パターンの寸法及びフォーカスエラー量を用いて、シリコンウェーハの露光エラー量を算出する露光変動量算出手段4とを有して構成されている。
図2は、上述の露光計測装置を用いた露光計測方法をステップ順に示すフロー図である。
先ず、シリコンウェーハの表面に所定のパターンを形成する(ステップS1)。ここで、図3に本実施形態で用いるパターンの一例を示す。(a)は露光時のショットイメージを、(b)は転写されたパターンイメージをそれぞれ表しており、NA=0.85の輪帯照明系を使用して転写されたテストパターンを用いたときに、設計デザイン(マスクデータ)上でピッチ=180nm、寸法=70nmのライン・アンド・スペース(L&S)パターンの形成されたフォトマスクを用いて、シリコンウェーハ上に幅寸法が70nmのレジストパターンとして転写パターンを形成した結果である。
このデータベースは、一対の転写パターンA,Bに対して、フォーカス量と露光量が変動したときの当該変動量と幅寸法及び差分値との関係を示すものである。例えば、転写パターン12の幅寸法Aが0.054μm、転写パターン13の幅寸法Bが0.067μmであったと仮定する。転写パターン12,13の差分値(A−B)が−0.013μmであるため、シリコンウェーハにパターンを転写したときのフォーカス位置は0.09μmであったと決定される。また、フォーカス位置が0.09μmのときの転写パターン12,13の幅寸法A,Bを参照することにより、露光変動量の抽出が可能となる。この場合、幅寸法Aが0.054μmであることから、露光エネルギーが最適露光量に対して2.5%だけオーバーであることが判る。即ち、このデータベースを用いることにより、フォーカスエラー量及び露光エラー量を検出することができる。
以下、上述した露光計測装置及び方法でフォーカスエラーの決定に用いられる転写パターンについて、上記した孤立パターン以外の諸例について説明する。
図6は、本実施形態の例1のパターンを示す平面図であり、(a)は露光時のショットイメージを、(b)は転写されたパターンイメージをそれぞれ表す。
本例では、図6(a)に示すような1つの露光領域(1ショット)21の4隅に像高20a〜20dを挿入する。各像高に対応するレジストパターンが折れ線形状、ここでは図6(b)に示すような略L字状とされてなるL字状パターン22とされており、各L字状パターン22の互いに直交する直線パターンから一対の転写パターン23,24が構成されている。
図7は、本実施形態の例2のパターンを示す平面図であり、(a)は露光時のショットイメージを、(b)は転写されたパターンイメージをそれぞれ表す。
本例では、図7(a)に示すような1つの露光領域(1ショット)31の4隅に像高30a〜30dを挿入する。各像高に対応するレジストパターンが折れ線形状、ここでは図7(b)に示すような略V字状とされてなるV字状パターン32とされており、各V字状パターン32の互いに直交する直線パターンから一対の転写パターン33,34が構成されている。即ち本例のV字状パターン32は、上述した例1のL字状パターン22を紙面内で45°回転させたものである。
図8は、本実施形態の例3のパターンを示す平面図であり、(a)は露光時のショットイメージを、(b)は転写されたパターンイメージをそれぞれ表す。
本例では、図8(a)に示すような1つの露光領域(1ショット)41の4隅に像高40a〜40dを挿入する。各像高に対応するレジストパターンは、図8(b)に示すように、言わばL字状パターン22とV字状パターン32とを組み合わせたパターンであり、中心から8本の直線パターン51〜58を有する放射状パターン42とされており、各放射状パターン42の直線パターン51〜58において互いに直交する2本(直線パターン51,53、直線パターン52,54等)からそれぞれ一対の転写パターンが構成されている。
図9は、本実施形態の例3のパターンを示す平面図であり、(a)は露光時のショットイメージを、(b)は転写されたパターンイメージをそれぞれ表す。
本例では、図9(a)に示すような1つの露光領域(1ショット)61の4隅に像高60a〜60dを挿入する。各像高に対応するレジストパターンは、図9(b)に示すように、それぞれ、近接して並列する複数の直線パターンからなるライン・アンド・スペース(L&S)パターン62,63とされており、各L&Sパターンのうちの1本(直線パターン64,65)から一対の転写パターンが構成されている。ここで、各L&Sパターン62,63は、直線パターンのピッチが相異なるように形成されている。
本実施形態では、上述のようにフォーカスエラー量及び露光エラー量を知見し、この情報を用いてフォーカスエラー及び露光エラーを補正する。
この補正方法では、先ずロットAについて標準的なフォーカス条件、露光条件及びフォーカス傾斜条件により露光し、パターン転写を行う。続いて、このロットAについて上記の露光計測方法(図2のステップS1〜S6)により、フォーカスエラー量及び露光エラー量、並びにフォーカス傾斜量を算出する。ここで、フォーカス傾斜量は、1ショットの4隅のパターンを対象とすることにより計測が可能となるものである。
本実施形態では、リソグラフィー工程において、上述したようにフォーカスエラー量、露光エラー量及びフォーカス傾斜量(以下、記載の便宜上、これらをまとめて変動量と呼ぶ。)の知見を得て、これを用いて所期のパターン形成を高精度に実行する。
先ず、前工程(フォトマスク作製工程、ウェーハ作製工程など)であるステップS11より受け入れたロットを露光処理する(ステップS12)。
その結果、変動量が規格内であると判定された場合には次工程(ダイシングを含む組み立て工程等)へ進み(ステップS14)、規格外であると判定された場合にはレジストを剥離して再度露光処理を実行する(ステップS15)。この再処理時には、規格外となった変動量をフィードバックして露光処理することにより、精度の高いパターン形成を行うことができる。その結果に問題がなければ次工程へ進むことができる。このような手順を踏むことにより、製品の歩留まりに大きな向上が見込まれる。
本実施形態では、本発明で用いる転写パターンの形成方法の一例を示す。
通常、フォーカスエラー測定の対象となる転写パターンとしては、リソグラフィーにより形成されたレジストパターンが用いられる。しかしながら、レジストパターンよりも、当該レジストパターンをマスクとして、その下部に形成された所定の薄膜がエッチング加工されてなる薄膜パターンの方が、幅寸法を測定する際に用いられる電子線等に対するコントラストが高くなり、計測再現性に優れる場合がある。
例えば、図14(a)に示すように、Si基板111上にCVD法等により多結晶シリコン膜112を堆積し、更にこの上にSiO膜113及び反射防止膜114を順次形成する。ここで、多結晶シリコン膜112及びSiO膜113から薄膜120が構成される。続いて、反射防止膜114上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりこのレジストを加工して、レジストパターン115を形成する。
上述した実施形態による露光計測装置を構成する各手段(寸法測定手段を除く。)、並びに露光計測方法や補正方法、半導体装置の製造方法の各ステップ(図2のステップS1〜S5、図13のステップS11〜S15等)は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
一方の前記転写パターンの前記寸法と他方の前記転写パターンの前記寸法との差分値を求めるステップと、
前記差分値を用いて前記被転写体の焦点変動量を算出するステップと
を含むことを特徴とする露光計測方法。
一方の前記転写パターンの前記寸法と他方の前記転写パターンの前記寸法との差分値を求める差分値算出手段と、
前記差分値を用いて前記被転写体の焦点変動量を算出する焦点変動量算出手段と
を含むことを特徴とする露光計測装置。
前記複数の転写パターンのうち、最適な焦点位置の相異なる少なくとも一対の前記転写パターンについて、これらの各寸法を測定する第2のステップと、
一方の前記転写パターンの前記寸法と他方の前記転写パターンの前記寸法との差分値を求める第3のステップと、
前記差分値を用いて前記被転写体の焦点変動量を算出する第4のステップと、
算出された前記焦点変動量が規格内であるか否かを判定する第5のステップと
を含み、
前記焦点変動量が規格内であると判定された場合には次ステップへ進み、規格外であると判定された場合には、前記複数の転写パターンを除去した後、前記第1のステップ乃至前記第5のステップを再度実行することを特徴とする半導体装置の製造方法。
2 差分値算出手段
3 焦点変動量算出手段
4 露光変動量算出手段
10a,10b,20a〜20d,30a〜30d,40a〜40d,60a〜60d 像高
11,21,31,41,61 露光領域(1ショット)
12,13,23,24,33,34,51〜58,64,65 転写パターン
22 L字状パターン
32 V字状パターン
42 放射状パターン
62,63 L&Sパターン
111 Si基板
112 多結晶シリコン膜
113 SiO膜
114 反射防止膜
115 レジストパターン
120 薄膜
121 薄膜パターン
Claims (7)
- 被転写体上に転写形成された複数の転写パターンのうち、最適な焦点位置の相異なる少なくとも一対の前記転写パターンについて、これらの各寸法を測定するステップと、
一方の前記転写パターンの前記寸法と他方の前記転写パターンの前記寸法との差分値を求めるステップと、
前記差分値を用いて前記被転写体の焦点変動量を算出するステップと
を含み、
前記少なくとも一対の前記転写パターンを、1つの露光領域における前記被転写体の4つの隅部にそれぞれ形成し、前記各隅部について前記焦点変動量を算出した後、得られた前記各隅部の前記焦点変動量を用いて、前記露光領域におけるX方向及びY方向の前記焦点変動量の傾斜成分を見積もって、焦点傾斜量を算出することを特徴とする露光計測方法。 - 前記焦点変動量を算出するステップにおいて、前記差分値と前記焦点変動量との関係を示すデータを有するデータベースを用いて、前記焦点変動量を決定することを特徴とする請求項1に記載の露光計測方法。
- 前記転写パターンの前記寸法及び前記焦点変動量を用いて、前記被転写体の露光変動量を算出するステップを更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光計測方法。
- 前記焦点変動量及び前記露光変動量を算出する各ステップにおいて、前記転写パターンの前記寸法及び前記焦点変動量と前記露光変動量との関係とを示すデータを有するデータベースを用いて、前記露光変動量を決定することを特徴とする請求項3に記載の露光計測方法。
- 前記転写パターンは、前記被転写体上に薄膜が形成され、前記薄膜上にリソグラフィーにより形成されたレジストパターンをマスクとして、前記薄膜が加工されてなる薄膜パターンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の露光計測方法。
- 被転写体上に転写形成された複数の転写パターンのうち、最適な焦点位置の相異なる少なくとも一対の前記転写パターンについて、これらの各寸法を測定する寸法測定手段と、
一方の前記転写パターンの前記寸法と他方の前記転写パターンの前記寸法との差分値を求める差分値算出手段と、
前記差分値を用いて前記被転写体の焦点変動量を算出する焦点変動量算出手段と
を含み、
前記少なくとも一対の前記転写パターンを、1つの露光領域における前記被転写体の4つの隅部にそれぞれ形成し、前記焦点変動量算出手段は、前記各隅部について前記焦点変動量を算出した後、得られた前記各隅部の前記焦点変動量を用いて、前記露光領域におけるX方向及びY方向の前記焦点変動量の傾斜成分を見積もって、焦点傾斜量を算出することを特徴とする露光計測装置。 - 被転写体上に複数の転写パターンを形成する第1のステップと、
前記複数の転写パターンのうち、最適な焦点位置の相異なる少なくとも一対の前記転写パターンについて、これらの各寸法を測定する第2のステップと、
一方の前記転写パターンの前記寸法と他方の前記転写パターンの前記寸法との差分値を求める第3のステップと、
前記差分値を用いて前記被転写体の焦点変動量を算出する第4のステップと、
算出された前記焦点変動量が規格内であるか否かを判定する第5のステップと
を含み、
前記少なくとも一対の前記転写パターンを、1つの露光領域における前記被転写体の4つの隅部にそれぞれ形成し、前記各隅部について前記焦点変動量を算出した後、得られた前記各隅部の前記焦点変動量を用いて、前記露光領域におけるX方向及びY方向の前記焦点変動量の傾斜成分を見積もって、焦点傾斜量を算出し、
前記焦点変動量が規格内であると判定された場合には次ステップへ進み、規格外であると判定された場合には、前記複数の転写パターンを除去した後、前記第1のステップ乃至前記第5のステップを再度実行することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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