JP5175616B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
分光エリプソメトリー法は、堆積膜、加工膜の膜厚等のウエハ表面に対して垂直方向の形状寸法測定に用いられ、測長SEM法は、加工線幅や限界寸法(Critical Dimension ; CD)等のウエハ表面に対して水平方向の形状寸法測定に用いられる。
このような3次元形状の測定には、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope ; AFM)法、断面SEM(Cross Section Secondary Electron Microscope ; X-SEM) 法などが用いられている。
しかしながら、これらの方法はいずれも、スループットが低く、接触もしくは破壊検査であるため、製造工程の管理に必要なコストが増大する問題があった。
この方法によれば、ウエハを非破壊および非接触で、かつ大気圧下で高いスループットをもって測定することが可能である。
スキャッタロメトリー法を用いて3次元形状を測定する場合、図8に示すような単一の線幅と単一のスペース幅を有する繰り返しパターンを有する検査領域941を半導体ウエハ上にレイアウトし、検査領域941に測定光951を入射角度θで照射し、その反射回折光952の分光スペクトルを複数のα角に対して取得する。そして、得られた測定結果とモデルパターンの3次元形状とをフィッティングすることにより、前述のパラメータ911、912、921〜923、931を同時に決定し、これらを3次元形状の測定値とする。
さらに、特許文献5には、AFM法とスキャッタロメトリー法を併用して3次元形状を計測する方法が示され、特許文献6には、スキャッタロメトリー法でパターンの高さの情報を取得し、その情報を用いて測長SEMにて3次元形状を測定する方法が示されている。
また、特許文献5および特許文献6に記載の方法は、パラメータ数の削減が可能であるが、AFMもしくは測長SEMによる計測が必要であるため、スループットが小さくなり、量産品の製造過程にて全数サンプルの測定は困難である。したがって、各ロットそれぞれ少数枚数による代表測定値を用いることとなり、ロット単位の管理には適しているものの、ウエハ単位に形状を管理するには、ウエハ毎の3次元形状の高精度な計測値を短時間で得ることが難しいという課題があった。つまり、スキャッタロメトリー法による3次元形状の測定に係る複数のパラメータのうち少なくとも1つを、AFMもしくは測長SEMにて測定するため、スキャッタロメトリー法でのフィッティングパラメータ数を低減でき、測定精度は高くなるが、AFMもしくは測長SEMを併用するため処理能力が小さい。
前記検査用パターンが、前記複数の検査領域のうちの第1検査領域に形成された単一のラインと単一のスペースとを有してなる繰り返しパターンと、複数の検査領域のうちの第2検査領域に形成されたスペースを有さない一様なパターンとを有し、
前記検査工程が、3次元のパターン形状を測定可能な光学的測定法による測定光を用いて、前記第1検査領域における繰り返しパターンのラインとスペースが繰り返された繰り返し方向のパラメータを測定する第1検査と、膜の膜厚を測定可能な光学的測定法による測定光を用いて、前記第2検査領域における一様なパターンの膜厚を測定する第2検査とを含むパターン検査工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法が提供される。
前記デバイス形成領域にデバイス構成用パターンが形成されると共に、前記複数の検査領域に検査用パターンが形成され、
前記検査用パターンが、前記複数の検査領域のうちの第1検査領域に形成された単一のラインと単一のスペースとを有してなる繰り返しパターンと、複数の検査領域のうちの第2検査領域に形成されたスペースを有さない一様なパターンとを有してなる半導体装置が提供される。
したがって、第2検査にて測定した一様なパターンの膜厚の測定値を、第1検査における繰り返しパターンの膜厚として参照することができるため、繰り返しパターンのフィッティングパラメータを低減することができる。この結果、繰り返しパターンの3次元形状を大気圧下にて非破壊、非接触、高いスループットをもって高精度かつ短時間に測定することができ、高精度な形状寸法管理がなされた半導体装置を得ることができる。
また、繰り返しパターンと一様なパターンのレイアウトの仕方を、製造しようとする半導体製造の各製造工程のもつ特性に応じたものにすることが可能であり、それによってより一層高精度な形状寸法管理がなされた半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の各種実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の半導体装置の製造方法の実施形態1の流れを示す工程図である。
レイアウトデータ作成工程100では、半導体ウエハ101に形成すべき複数のチップ形成領域102のレイアウトと、同一のチップ形成領域102内に形成すべきデバイス形成領域104のレイアウトと、同一のチップ形成領域102内に形成すべき複数の検査領域103a、103b、103c、103d・・・のレイアウトと、デバイス形成領域104内に形成すべきデバイス構成用パターンのレイアウトと、各検査領域103a、103b・・・内に形成すべき検査パターンのレイアウト等を含むレイアウトデータ109が作成される。
2で構成されると共に、少なくとも1つの検査領域103bの検査パターンは、スペースを有さない一様なパターン113で構成される。なお、複数の検査領域103a、103b・・・のサイズ、および繰り返しパターン112における線幅120とスペース幅121は、後述するパターン検査工程に応じて設定される。
また、実施形態1では、四角形のチップ形成領域102内に1つの四角形のデバイス形成領域104がレイアウトされ、チップ形成領域102における四角形のデバイス形成領域104以外の(デバイス形式領域104を除く)、チップ形成領域102の一辺寄りのスペース105に、複数の検査領域103a、103b、103c、103d・・・がレイアウトされる。なお、1つのチップ形成領域102内に複数の同一のデバイス形成領域104をレイアウトするようにしてもよい。
加工工程181では、上述のレイアウトデータ109に基いて、半導体ウエハ101の表面におけるチップ形成領域102内のデバイス形成領域104にデバイス構成用パターン(図示省略)が形成され、かつチップ形成領域102内の複数の検査領域のうちの第1検査領域103aに単一のライン110と単一のスペース111とを有してなる繰り返しパターン112と、複数の検査領域のうちの第2検査領域103bにスペースを有さない一様なパターン113とが形成される。なお、図1において、符号149は上述の各種パターンが表面に形成される膜であり、この膜149は半導体ウエハ101の表層であってもよいし、半導体ウエハ101の表面に堆積した半導体膜または絶縁膜であってもよい。
検査工程185では、パターン検査工程が行われる。このパターン検査工程では、測定光用いて、第1検査領域103aにおける繰り返しパターン112の繰り返し方向のパラメータを測定する第1検査(測定プロセス185a)と、第2検査領域103bにおける一様なパターン113の膜厚方向のパラメータを測定する第2検査(測定プロセス185b)が行われ、その後、演算プロセスが行われる。なお、本発明において、第1検査および第2検査における「第1」、「第2」の語句は単なる区別のためのものであり、第1、第2の順に検査が行われることを意味しているのではない。
測定プロセス185bにおいては、第2検査領域103bは一様なパターン113であるため、一般的な光学的膜厚測定法、例えば、分光エリプソメトリー法等を用いることにより、膜厚163を容易に測定することができる。このような光学的手法を用いることにより、非接触、非破壊にて、かつ多くは大気圧下で測定を行なえることから、より高いスループットを実現できる利点がある。
繰り返しパターン112のパラメータとしては、例えば、線幅150、スペース幅151、テーパ角度152、膜厚153が挙げられるが、この測定プロセス185aでは、膜厚方向のパラメータである膜厚153を除くパラメータである線幅150、スペース幅およびテーパ角度152について計測を行なう。
第1検査では、先の第2検査で測定した一様なパターン113の第2検査領域103bと同一のチップ形成領域102に存在する第1検査領域103aについて検査する。
この際、膜厚方向の1次元のパラメータ(膜厚173)については、膜厚163の測定値を、その他のパラメータ(線幅170、スペース幅171、テーパ角度172)については、線幅150、スペース幅151、テーパ角度152の測定値を用いる。
このように、同一チップ形成領域内の測定値を用いることにより、演算プロセス188において、第1検査領域103aにおける膜143の膜厚測定出力値173として、第2検査で測定した第2検査領域103bの膜143の膜厚163の測定値を用いることによる精度の確保が可能である。さらに、線幅測定出力値170、スペース幅測定出力値171、テーパ角度測定出力値172および膜厚測定出力値173を、そのチップ形成領域が存在する位置での代表的な値、つまり固有の位置情報を持った値として出力することが可能である。
この際、繰り返しパターン112の線幅150、スペース幅およびテーパ角度152をパラメータとしてフィッティングを行なう。膜厚153は、例えば、当該工程にて期待される狙いの膜厚の固定値とするか、一様なパターン113の膜を堆積する際に予め堆積装置にて堆積したモニタリングウエハの面内の同一箇所の膜厚値を固定値として用いて、フィッティングを行なえばよい。
第1検査では、このようにしてフィッティングが必要なパラメータ数を低減できるため、高精度な測定値を得ることが可能である。
このようにすれば、スキャッタロメトリー法において、半導体ウエハ101の検査領域103に斜めから入射したときの反射回折光の分光スペクトルが、半導体ウエハ101の表面を含む面内の回転方向であるα角について複数の角度から測定光を投射した場合に、半導体ウエハ101の表面の3次元的なパターン形状に応じて十分変化するため、フィッティングの精度を向上させることができる(図2参照)。
分光エリプソメトリー法やスキャッタロメトリー法では、測定光の標準的なビーム径Lのウエハ上における長径は約30μmであるため、各検査領域の一辺を30μm以上にすれば、パターン検査工程においてこれらの光学的手法を適用することにより、十分な反射光強度をもって測定することができる。
(e)複数の検査領域103a、103b・・・の相互間隔は特に限定されないが、例えば、1〜10000μm程度とすることができる。
例えば、同一のチップ形成領域102上の一様なパターン113の膜厚163の膜厚データを、チップ形成領域102の位置を示す識別情報とともにデータベース上に格納する。そして、測定プロセス185aのフィッティングの際に、同一チップ形成領域102上の前記膜厚163の膜厚データを参照して繰り返しパターン112の膜厚153に対する固定値として採用すると共に、他のパラメータ(線幅150、スペース幅151およびテーパ角度152)についてフィッティングを行なう。
この場合には、測定プロセス185aにより線幅150、スペース幅151、テーパ角度152および膜厚153の各測定値を出力することは、即ち、演算プロセス188において線幅170、スペース幅171、テーパ角度172および膜厚173の各測定を出力することに等しい。したがって、測定プロセス185aは演算プロセス188を兼ね行なっていることになる。
図3は本発明の半導体装置の製造方法の実施形態2の流れを示す工程図である。なお、図3において、図1と同様の要素には同一の符号を付している。
この実施形態2の半導体装置の製造方法は、上述の実施形態1と概ね同様のレイアウト作成工程100、加工工程181および検査工程285を含むことに加え、加工工程181後に、半導体ウエハ101の少なくともチップ形成領域102上に絶縁膜245を形成する成膜工程282と、チップ形成領域102上の絶縁膜245を平坦化する研磨工程283とを含み、さらに、検査工程285が、前記研磨工程283後の平坦化された絶縁膜245の膜厚を測定する絶縁膜検査工程を含む。
つまり、実施形態2では、レイアウト作成工程100および加工工程181がこの順で実施形態1と同様に行われた後、絶縁膜245の成膜工程282、絶縁膜245の研磨工程283、およびパターン検査工程および絶縁膜検査工程を含む検査工程285がこの順に行われる。
以下、実施形態2における実施形態1と異なる点を主に説明する。
実施形態2におけるレイアウト作成工程100では、実施形態1で説明した(a)〜(e)のように設定することに加え、絶縁膜245の成膜工程282以降を考慮して、次の(f)〜(h)ように設定することが好ましい。
(f)複数の検査領域103a、103b、・・・は、一辺132a、133a、132b、133bが100μm以上であるように設定されることが好ましい。
(g)また、複数の検査領域103a、103b、・・・の相互間隔をXμmとし、第1検査で用いられるフィッティングパラメータの面内位置による誤差の許容値をAnmとし、第2検査で得られた一様なパターンの膜厚をYnmとすると、前記相互間隔Xは、式(1)
X<1000×A/(Y×0.0014) (1)
を満たすように設定されることが好ましい。
(h)また、複数の検査領域103a、103b、・・・の相互間隔が3000μm以下に設定されることが好ましく、1000μm以下がさらに好ましく、100〜300μmが特に好ましい。
その後の加工工程181では、上述のように設定したレイアウトデータ109に基くサイズおよび相互間隔で複数の検査領域が形成される。
成膜工程282では、半導体ウエハ101の少なくともチップ形成領域102上に、例えば、酸化シリコン、SiOF、SiOC、多孔質シリカ等からなる無機系の絶縁膜245をCVD、蒸着、スパッタ等の公知技術により、例えば300〜2000nm程度堆積することができる。この絶縁膜245は、半導体素子と下層配線の間もしくは多層配線のための配線層間絶縁膜として機能する。
研磨工程283では、下層配線の上に上層の配線構造を形成するために、絶縁膜245を平坦化する。この研磨工程283は、例えば、CMP法により酸化シリコン粒子、酸化アルミニウム粒子あるいは酸化セリウム粒子を砥粒として含む研磨剤を用いて、チップ形成領域102内の絶縁膜245の表面の凹凸が100nm以下、好ましくは30nm以下になるまで平坦化するように研磨する。この際、半導体ウエハ101の面内において、絶縁膜245の膜厚を均一にすることが重要である。
実施形態2の検査工程285では、実施形態1で説明したパターン検査工程と、絶縁膜245の膜厚を測定する絶縁膜検査工程を並行して行うことができる。
具体的には、まず、第2検査領域103bにおける第2検査(測定プロセス285b)が行われ、この際、第2検査領域103bにおける平坦化された絶縁膜245のパラメータである膜厚265と、絶縁膜245の下の一様なパターン113の膜厚方向のパラメータである膜厚163の測定が同時に行われる。ただしこの場合、測定光に対して、絶縁膜245と一様なパターン113の両方が透光性を有していることが必要である。
なお、一様なパターン113の膜143が測定プロセス285bの測定光に対し透光性を有さない場合は、膜厚163と膜厚153は同じ値であるとしてフィッティングを行なう。これは、絶縁膜245の上面の相対的高さの違いが重要であり、膜143の変化量はこれに比して十分小さい場合がほとんどであるためである。
この際、膜厚方向の1次元のパラメータ(膜厚173)については、膜厚163の測定値を、その他のパラメータ(線幅170、スペース幅171、テーパ角度172)については、線幅150、スペース幅151、テーパ角度152の測定値を用いる。
このため、測定プロセス285aにおいて、繰り返しパターン112上の絶縁膜245の膜厚255は、単純な固定値としてではなく、研磨工程の影響を受ける可変パラメータとしてフィッティングを行なう。
即ち、このグラフは、ウエハ面内位置rが変化するときに、どの程度の割合(%)で絶縁膜245の堆積膜厚が変化し得るかを示したものであり、基本的にこの値は堆積膜厚に依存しない。
一般的に、成膜工程での面内ばらつきσは3%未満であるため、図4はそのばらつきが十分大きな場合を示している。
このことから、第2検査領域103bと第1検査領域103aとを、チップ形成領域102内において3000μm(3mm)以内の近傍に配置することが好ましい。このようにすれば、面内位置による膜厚のバラツキ成分の影響をフィッティングにおける誤差として10%未満に小さくすることができるため、計測の精度を向上することが可能となる。
また、上述と同様に、第2検査領域103bと第1検査領域103aとを、チップ形成領域102内において1000μm(1mm)以内の近傍に配置すれば、絶縁膜245の堆積膜厚の平均が、通常プロセスでは十分厚いと考えられる2000nmまで増した場合においても、面内位置による膜厚のバラツキ成分は3nm以下となり、計測の精度を向上することが可能となるためより好ましい。
X<1000×A/(Y×0.0014) (μm)
を満たすようXを設定して第1・第2検査領域103a、103bをレイアウトすればより好ましい。
なお、上式の定数0.0014については、前記膜厚tに対する割合(Δt/Δr)/tの概ね最大値を適宜用いてもよい。
X<1000×3/(700×0.0014)=3061μm
であり、2つの検査領域の間の相互間隔Xは約3.061mm未満となるよう設置する必要があるため、例えば、X=3mmは適正だが、X=4mmは不適正となる。
もし、比較的厚膜の堆積が必要にもかかわらず、精密な測定が必要である場合、例えば、堆積膜厚Yが1200nmであるのに対し、誤差許容値Aが1nmしかない場合は、
X<1000×1/(1200×0.0014)=595μm
であるため、X=1mmでも不適正であり、X=0.5mm程度で適正となる。
図5は本発明の半導体装置の製造方法の実施形態3の流れを示す工程図である。なお、図5において、図1と同様の要素には同一の符号を付している。
この実施形態3の半導体装置の製造方法は、上述の実施形態1と概ね同様のレイアウト作成工程100、加工工程181および検査工程385を含むことに加え、加工工程181後に、半導体ウエハ101の少なくともチップ形成領域102上に絶縁膜245を形成する成膜工程282と、チップ形成領域102上の絶縁膜245を平坦化する研磨工程283とを含む。
さらに、加工工程181が、複数の検査領域103a、103b、103c・・・のうちの第3検査領域103cにスペースパターンを形成する工程を含み、パターン検査工程が、スペースパターンの膜厚方向のパラメータを測定する第3検査をさらに含む。
さらに、検査工程385が、前記研磨工程283後の平坦化された絶縁膜245の膜厚を測定する絶縁膜検査工程を含む。
以下、実施形態3における実施形態1および実施形態2と異なる点を主に説明する。
実施形態3におけるレイアウト作成工程100では、半導体ウエハ101の複数の検査領域のうちの第1検査領域103aおよび第2検査領域103bに繰り返しパターン112および一様なパターン113のレイアウトデータ109が作成されることに加え、第3検査領域103cにスペースパターンを形成するためのレイアウトデータ109も作成される。
なお、実施形態3のレイアウト作成工程100においても、実施形態1で説明した(a)〜(e)および実施形態2で説明した(f)〜(h)のように設定することが好ましい。
その後、加工工程181において、上述のように設定したレイアウトデータ109に基くサイズおよび相互間隔で複数の検査領域103a、103b、103c・・・が形成され、次の成膜工程282において、実施形態2と同様にして絶縁膜245がチップ形成領域102上に堆積され、次の研磨工程283において、実施形態2と同様にして絶縁膜245が研磨され平坦化される。
検査工程385では、まず、第2検査(測定プロセス385b)として、実施形態2と同様に、研磨工程283後の一様なパターン113上の絶縁膜245の膜厚265の測定を行なう。加えて、本実施形態3では、第3検査(測定プロセス385c)として、実施形態2での測定プロセス285bと同様の方法により、同一チップ形成領域102における第3検査領域103cのスペースパターン上の絶縁膜245の膜厚395の測定を行なう。
本実施形態3においても、第1〜第3検査領域103a、103b、103cのそれぞれにおける絶縁膜245の膜厚255、265、395は、レイアウト形状の違いに起因した、研磨工程のパターン平坦化特性の影響を受けた値をとる。研磨工程での条件が一定の場合には、パターン平坦化特性は一定のため、レイアウトによってこれら3つの膜厚255、265、395は固有の関係を持ち、一般的に膜厚255と膜厚153の和は、膜厚395から膜厚265と膜厚163の和までの範囲の値をとる。
このようにすることによって、第1検査領域103aのフィッティングパラメータである膜厚255の可変範囲を限定できるため、フィッティングが容易にかつ高速に行なうことができ、計測の精度を向上することが可能となる。
この際、膜厚方向の1次元のパラメータ(膜厚173)については、膜厚163の測定値を、その他のパラメータ(線幅170、スペース幅171、テーパ角度172)については、線幅150、スペース幅151、テーパ角度152の測定値を用いる。
すなわち、予め、加工工程、成膜工程、研磨工程および検査工程と同様にテストを行って、繰り返しテストパターン、一様なテストパターンおよびスペーステストパターンを有するテストサンプルを作製するサンプル作製工程を行う。このサンプル作製工程における検査工程は、繰り返しテストパターン、一様なテストパターンおよびスペーステストパターンの膜厚をそれぞれ測定する膜厚検査テストを含む。
そして、実際の第1検査は、前記膜厚検査テスト時の繰り返しテストパターンの膜厚、一様なテストパターンの膜厚およびスペーステストパターンの膜厚に基く膜厚関係データと、前記膜厚データとから、第1検査領域103aの繰り返しパターン112の膜厚を算出し、算出した繰り返しパターン112の膜厚をパラメータとして利用する。
そして、測定プロセス385aのフィッティングの際に、同一チップ形成領域102上の膜厚265、395の膜厚データに加えて、テストサンプルから得た膜厚関係データを参照する。こうすることによって、これらの値から膜厚255の値が予測できるため、フィッティングはさらに容易にかつ高速に行なうことができ、計測の精度を向上することが可能となる。
このようにして製造された実施形態3の半導体装置は、第3検査領域103cに形成されたスペースパターンをさらに有してなること以外は、実施形態2の半導体装置と同様に構成されている。
図6は本発明の半導体装置の製造方法の実施形態4の流れを示す工程図である。なお、図6において、図1と同様の要素には同一の符号を付している。
この実施形態4の半導体装置の製造方法は、上述の実施形態1と概ね同様のレイアウト作成工程100、加工工程181および検査工程485を含むことに加え、加工工程181後に、半導体ウエハ101の少なくともチップ形成領域102上に絶縁膜445を形成する成膜工程482と、チップ形成領域102上の絶縁膜445を平坦化する研磨工程483とを含む。
さらに、加工工程181において、半導体ウエハ101の一面側におけるデバイス形成領域にストッパ膜143を表面に有するデバイス構成用パターンを形成しかつ複数の検査領域103a、103b・・・にストッパ膜143を表面に有する検査用パターンを形成し、研磨工程483において、チップ形成領域102におけるデバイス形成領域と検査領域の上のストッパ膜143が露出するまで絶縁膜445を平坦化する。
さらに、検査工程485は、研磨工程483後のストッパ膜143の膜厚を測定するストッパ膜検査工程を含む。
以下、実施形態4における実施形態1〜3と異なる点を主に説明する。
実施形態4におけるレイアウト作成工程100では、実施形態2と同様に、半導体ウエハ101の複数の検査領域のうちの第1検査領域103aおよび第2検査領域103bに繰り返しパターン1120および一様なパターン1130のレイアウトデータ109が作成される。
なお、実施形態4のレイアウト作成工程100においても、実施形態1で説明した(a)〜(e)および実施形態2、3で説明した(f)、(g)のように設定することが好ましい。なお、実施形態4の場合、複数の検査領域の相互間隔は、実施形態2、3の(f)で説明した3000μm以下でなくてもよい。その理由は、研磨ストッパ膜143を有することにより、成膜工程482の面内位置による膜厚のバラツキの影響は通常小さいためである。
その後、加工工程181において、上述のように設定したレイアウトデータ109に基いて、第1検査領域103aに繰り返しパターン1120が形成され、第2検査領域103bに一様なパターン1130が形成される。この際、半導体ウエハ101の表面側の膜149上にストッパ膜143をパターン形成し、ストッパ膜143をマスクとして膜149をドライエッチングすることにより膜149をパターニングして、第1検査領域103aに繰り返しパターン1120を形成し、第2検査領域103bに一様なパターン1130を形成することができる。
次の成膜工程482において、実施形態2および3と同様にして絶縁膜445がチップ形成領域102上に堆積される。
次の研磨工程483においては、例えばCMP法にて絶縁膜445をストッパ膜143が露出するまで平坦化される。したがって、繰り返しパターン1120のライン110上および一様なパターン1130上には絶縁膜445は存在しない。
次の検査工程485では、測定光(図2参照)を用いて、研磨工程前の第2検査領域103bにおける一様なパターン1130上のストッパ膜143の膜厚を測定する第1膜厚検査と、研磨工程後の第2検査領域103bにおける一様なパターン1130上のストッパ膜143の膜厚を測定する第2膜厚検査とが行われ、第1膜厚検査と第2膜厚検査でそれぞれ得られた膜厚データを参照することにより、研磨工程483の精度を検査する。
次に、第1膜厚検査(測定プロセス485a)として、実施形態1と同様に、繰り返しパターン1120を有する第1検査領域103aの測定を行なう。第1検査領域103aの加工形状を記述するパラメータとして、例えば、線幅450、スペース幅451、テーパ角度452、分離領域底のスペース幅456、ストッパ膜143の膜厚453、絶縁膜445の膜厚455を設定し、フィッティングを行なう。この際、ストッパ膜143の膜厚453は、測定プロセス485bで得た、同一チップ形成領域102上の第2検査領域103bのストッパ膜143の膜厚463を参照することにより、測定の精度向上が可能である。
この際、膜厚方向の1次元のパラメータ(膜厚測定出力値453)については、膜厚463の測定値を、その他のパラメータ(線幅測定出力値470、スペース幅測定出力値471、テーパ角度測定出力値472)については、線幅450、スペース幅451、テーパ角度452の測定値を用いる。
すなわち、予め、前記加工工程、成膜工程、研磨工程および検査工程と同様にテストを行って、繰り返しテストパターンおよび一様なテストパターンを有するテストサンプルを作製するサンプル作製工程をさらに行う。このサンプル作製工程における検査工程は、研磨工程前の第1検査領域および第2検査領域におけるストッパ膜の膜厚をそれぞれ測定する第1膜厚検査テストと、研磨工程後の第1検査領域および第2検査領域におけるストッパ膜の膜厚をそれぞれ測定する第2膜厚検査テストとを含む。
そして、測定プロセス485aのフィッティングの際に、前記膜厚変化量データに加えて、テストサンプルから得た膜厚変化関係データを参照する。こうすることによって、これらの値から膜厚455の値が予測できるため、フィッティングはさらに容易にかつ高速に行なうことができ、計測の精度を向上することが可能となる。
さらに、本実施形態4においては、複数の第1検査領域103aのうちの少なくとも1つの第1検査領域103aの繰り返しパターン1120は、レイアウトルールとして許される最小のパターン密度と等しい線幅470およびスペース幅451を有することが好ましい。このようにすることによって、有効エリアの全ての領域のストッパ膜143の研磨量が、第1検査領域103aの研磨量から第2検査領域103bの研磨量の範囲内になるため、有効チップ全域のプロセス精度の保証が可能となる。
101 半導体ウエハ
102 チップ形成領域
103a 第1検査領域
103b 第2検査領域
103c 第3検査領域
104 デバイス形成領域
109 レイアウトデータ
110 ライン
111 スペース
120、150 線幅
121、151 スペース幅
143 絶縁膜
149 膜
152 テーパ角度
153、163 膜厚
170 線幅測定出力値
171 スペース幅測定出力値
172 テーパ角測定出力値
173 膜厚測定出力値
181 加工工程(転写、加工プロセス)
185、285、385、485 検査工程
185a、185b、285a、285b、385a、385b、385c、
485a、485b 測定プロセス
188、288、388、488 演算プロセス
282、482 成膜工程
283、483 研磨工程
L 測定光入射ビーム径
α 測定光入射面のウエハ上の回転角
θ 測定光入射角
Claims (31)
- レイアウトデータに基いて、半導体ウエハの一面側におけるチップ形成領域内のデバイス形成領域にデバイス構成用パターンを形成しかつ前記チップ形成領域内の複数の検査領域に検査用パターンを形成する加工工程と、検査工程とを含み、
前記検査用パターンが、前記複数の検査領域のうちの第1検査領域に形成された単一のラインと単一のスペースとを有してなる繰り返しパターンと、複数の検査領域のうちの第2検査領域に形成されたスペースを有さない一様なパターンとを有し、
前記検査工程が、3次元のパターン形状を測定可能な光学的測定法による測定光を用いて、前記第1検査領域における繰り返しパターンのラインとスペースが繰り返された繰り返し方向のパラメータを測定する第1検査と、膜の膜厚を測定可能な光学的測定法による測定光を用いて、前記第2検査領域における一様なパターンの膜厚を測定する第2検査とを含むパターン検査工程を少なくとも有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記加工工程後に、半導体ウエハの少なくともチップ形成領域上に絶縁膜を形成する成膜工程と、前記チップ形成領域上の前記絶縁膜を平坦化する研磨工程とをさらに含み、
前記検査工程が、前記研磨工程後の平坦化された絶縁膜の膜厚を測定する絶縁膜検査工程を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記加工工程が、前記複数の検査領域のうちの第3検査領域にスペースパターンを形成する工程を含み、
前記加工工程後に、半導体ウエハの少なくともチップ形成領域上に絶縁膜を形成する成膜工程と、前記チップ形成領域上の前記絶縁膜を平坦化する研磨工程とをさらに含み、
前記パターン検査工程が、前記スペースパターンの膜厚方向のパラメータを測定する第3検査をさらに含み、
前記検査工程が、前記研磨工程後の平坦化された絶縁膜の膜厚を測定する絶縁膜検査工程を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記加工工程において、半導体ウエハの一面側における前記デバイス形成領域にストッパ膜を表面に有するデバイス構成用パターンを形成しかつ前記複数の検査領域にストッパ膜を表面に有する検査用パターンを形成し、
前記加工工程後に、半導体ウエハの少なくともチップ形成領域上に絶縁膜を形成する成膜工程と、前記チップ形成領域における前記デバイス形成領域と前記検査領域の上の前記ストッパ膜が露出するまで前記絶縁膜を平坦化する研磨工程とをさらに含み、
前記検査工程が、前記ストッパ膜の膜厚を測定するストッパ膜検査工程を含む請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記繰り返し方向のパラメータが、繰り返しパターンの線幅、スペース幅および繰り返しパターンの側壁がテーパ状であるときのテーパ角度である請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1検査で用いられる光学的測定法が、スキャッタロメトリー法である請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記スキャッタロメトリー法において、波長が200〜800nmの測定光を用いる請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記繰り返しパターンは、1つのラインと1つのスペースからなる1パターンの繰り返し方向の幅が、前記スキャッタロメトリー法で用いる測定光の波長の0.1〜10倍である請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記検査領域は、1辺が30μm以上の正方形の領域である請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記検査領域は、検査領域へ入射する前記測定光の入射角をθとし、測定光のビーム径をLとした場合、L/cosθよりも大きい1辺を有する正方形の領域である請求項1〜9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1検査は、前記第2検査で得られた同一チップ形成領域内の一様なパターンの膜厚データを参照して行われる請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1検査は、前記第2検査で得られた一様なパターンの膜厚データおよび前記第3加工検査で得られたスペースパターンの膜厚データを参照して行われる請求項3、5〜10のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記研磨工程は、化学的機械研磨法により行われる請求項2〜12のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記複数の検査領域は、一辺が100μm以上である請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記複数の検査領域の相互間隔をXμmとし、第1検査で用いられるフィッティングパラメータの面内位置による誤差の許容値をAnmとし、第2検査で得られた一様なパターンの膜厚をYnmとすると、前記相互間隔Xは、式(1)
X<1000×A/(Y×0.0014) (1)
を満たす請求項11〜14のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。 - 前記複数の検査領域の相互間隔が3000μm以下である請求項11〜13のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記相互間隔が1000μm以下である請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
- 予め、前記加工工程、成膜工程、研磨工程および検査工程と同様にテストを行って、繰り返しテストパターン、一様なテストパターンおよびスペーステストパターンを有するテストサンプルを作製するサンプル作製工程をさらに備え、
前記サンプル作製工程における検査工程が、繰り返しテストパターン、一様なテストパターンおよびスペーステストパターンの膜厚をそれぞれ測定する膜厚検査テストを含み、
前記第1検査は、前記膜厚検査テスト時の繰り返しテストパターンの膜厚、一様なテストパターンの膜厚およびスペーステストパターンの膜厚に基く膜厚関係データと、前記膜厚データとから、第1検査領域の繰り返しパターンの膜厚を算出し、算出した繰り返しパターンの膜厚をパラメータとして利用する請求項11または12に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記膜厚関係データは、前記レイアウトデータに含まれる各検査領域についてのパターン密度の関数として定義される請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ストッパ膜検査工程が、測定光を用いて、前記研磨工程前の第2検査領域における一様なパターン上のストッパ膜の膜厚を測定する第1膜厚検査と、研磨工程後の第2検査領域における一様なパターン上のストッパ膜の膜厚を測定する第2膜厚検査とを含み、前記第1膜厚検査と第2膜厚検査でそれぞれ得られた膜厚データを参照することにより、研磨工程の精度を検査する請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
- 予め、前記加工工程、成膜工程、研磨工程および検査工程と同様にテストを行って、繰り返しテストパターンおよび一様なテストパターンを有するテストサンプルを作製するサンプル作製工程をさらに備え、
前記サンプル作製工程における検査工程が、研磨工程前の第1検査領域および第2検査領域における前記ストッパ膜の膜厚をそれぞれ測定する第1膜厚検査テストと、研磨工程後の第1検査領域および第2検査領域における前記ストッパ膜の膜厚をそれぞれ測定する第2膜厚検査テストとを含み、
前記第1検査は、前記研磨工程の後に行なわれ、この際、前記繰り返しテストパターン上のストッパ膜の第1膜厚検査テスト時の膜厚と第2膜厚検査テスト時の膜厚の差および前記一様なテストパターン上のストッパ膜の第1膜厚検査テスト時の膜厚と第2膜厚検査テスト時の膜厚の差に基く膜厚変化関係データと、前記一様なパターンの第1膜厚検査時の膜厚と第2膜厚検査時の膜厚の差である膜厚変化量データとから、第1検査領域の繰り返しパターンの膜厚を算出し、算出した繰り返しパターンの膜厚をパラメータとして利用する請求項20に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記膜厚変化関係データは、前記レイアウトデータに含まれる各検査領域についてのパターン密度の関数として定義される請求項21に記載の半導体装置の製造方法。
- 複数の第1検査領域のうちの少なくとも1つの第1検査領域の繰り返しパターンは、レイアウトルールとして許される最小のパターン密度と等しい線幅およびスペース幅を有する請求項4〜11、13〜15、20〜22のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
- 四角形のチップ形成領域内に配置された四角いデバイス形成領域と、前記チップ形成領域における前記デバイス形成領域を除くチップ形成領域の一辺寄りのスペースに配置された複数の検査領域とを半導体チップの表面に有し、
前記デバイス形成領域にデバイス構成用パターンが形成されると共に、前記複数の検査領域に検査用パターンが形成され、
前記検査用パターンが、前記複数の検査領域のうちの第1検査領域に形成された単一のラインと単一のスペースとを有してなる繰り返しパターンと、複数の検査領域のうちの第2検査領域に形成されたスペースを有さない一様なパターンとを有してなることを特徴とする半導体装置。 - 前記検査用パターンが、前記複数の検査領域のうちの第3検査領域に形成されたスペースパターンをさらに有する請求項24に記載の半導体装置。
- 前記検査領域は、1辺が30μm以上の正方形の領域である請求項24または25に記載の半導体装置。
- 前記正方形の領域の1辺が100μm以上である請求項26に記載の半導体装置。
- 前記第1検査領域と前記第2検査領域との相互間隔が1000μm以下である請求項24〜27のいずれか1つに記載の半導体装置。
- 前記第2検査領域と前記第3検査領域との相互間隔が2000μm以下である請求項25に記載の半導体装置。
- 前記繰り返しパターンは、1つのラインと1つのスペースからなる1パターンの繰り返し方向の幅が、スキャッタロメトリー法で用いる測定光の波長の0.1〜10倍である請求項24〜29のいずれか1つに記載の半導体装置。
- 複数の第1検査領域のうちの少なくとも1つの第1検査領域の繰り返しパターンは、レイアウトルールとして許される最小のパターン密度と等しい線幅およびスペース幅を有する請求項24〜30のいずれか1つに記載の半導体装置。
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