JP2002033272A - 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法

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JP2002033272A
JP2002033272A JP2001140766A JP2001140766A JP2002033272A JP 2002033272 A JP2002033272 A JP 2002033272A JP 2001140766 A JP2001140766 A JP 2001140766A JP 2001140766 A JP2001140766 A JP 2001140766A JP 2002033272 A JP2002033272 A JP 2002033272A
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light
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shielding
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Takechika Nishi
健爾 西
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    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査露光方式で露光を行う場合に、ウエハ上
での積算露光量の均一性、又はテレセントリシティを高
める。 【解決手段】 パルス発光する露光光源1からの露光光
ILが、フライアイレンズ6,9、可動ブラインド1
3、主コンデンサレンズ系16、及び固定ブラインド1
7等を介してレチクルRを照明した状態で、レチクルR
とウエハWとを投影光学系PLに対して同期走査するこ
とで、レチクルRのパターンの像がウエハW上に転写さ
れる。レチクルRのパターン面との共役面からデフォー
カスした位置に、凸及び凹の照度むらを補正するための
遮光ライン群が描画された照度むら補正板23A,23
Bを配置し、これらから更にデフォーカスした位置に、
照度むらを大まかに補正するための複数の遮光ラインが
描画されたラフ照度むら補正板24を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、液晶表示素子、プラズマディスプレイ素子、マイク
ロマシーン又は薄膜磁気ヘッド等のデバイスを製造する
ためのリソグラフィ工程でマスクパターンを基板上に転
写するために使用される走査露光型の露光方法及び露光
装置に関し、特に露光ビームとしてパルス光を使用する
場合に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体デバイスの集積度及び微
細度の向上に対応するため、半導体デバイスを製造する
ためのリソグラフィ工程(代表的にはレジスト塗布工
程、露光工程、及びレジスト現像工程からなる)中の露
光工程で使用される露光装置においては、解像力、及び
転写忠実度等をより高めることが要求されている。この
ため、投影光学系の開口数が次第に大きくされると共
に、露光ビームとしての露光光の波長はKrFエキシマ
レーザ(波長248nm)、更にはArFエキシマレー
ザ(波長193nm)へと短波長化されて来ている。こ
のような短波長の露光光の光源は、現状ではエキシマレ
ーザのようなパルス光源のみである。また、解像力等を
高めるためには、基板としてのウエハ上に塗布されたフ
ォトレジストを適正露光量で露光するための露光量制御
精度も高める必要がある。
【0003】また、最近は投影光学系を大型化すること
なく、露光フィールド(ウエハ上の各ショット領域)を
大きくして、露光工程のスループットを高めるために、
投影光学系に対してマスクとしてのレチクルとウエハと
を同期走査するステップ・アンド・スキャン方式等の走
査露光型の投影露光装置(以下、「走査型露光装置」と
言う。)が開発されている。この種の走査型露光装置に
おいては、ウエハ上の各点の積算露光量は、走査方向に
対しては積分効果によって平均化されるが、走査方向に
直交する非走査方向に対しては、例えばスリット状の照
明領域内の非走査方向への照度むらの影響がそのまま現
れてしまう。この対策として、例えば特開平7−142
313号公報及び対応するEP0,633,506A1
において、実際の積算露光量に応じて照明領域の形状を
規定する視野絞りの開口の形状を機械的に変化させる
か、又はその視野絞りを機械的に切り換える方法が提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、走査型露
光装置において露光量制御を行うために、視野絞りの開
口の形状を機械的に切り換える方法は、露光光が水銀ラ
ンプの輝線(i線等)のような連続光の場合には有効で
あると考えられる。しかしながら、走査型露光装置にお
いても、現状では露光光として短波長の比較的低い発振
周波数のパルス光が使用されつつあり、このようなパル
ス光を使用する場合に、積算露光量を均一化するために
は、ウエハ上での露光領域の走査方向の幅を、実質的に
ウエハ上の各点で整数パルス分の露光が行われるように
定める必要がある。この場合に視野絞りの開口の形状を
機械的に切り換えると、ウエハ上で部分的にその整数パ
ルス分の露光の条件を満たさない領域が生じる恐れがあ
るため、その視野絞りの開口の形状を機械的に切り換え
る方法は、あまり実用的ではない。なお、ウエハ上の各
点に照射されるパルス光の数を整数とすることは、例え
ば米国特許第6,078,381号に開示されている。
【0005】また、露光光が紫外光の場合には、雰囲気
中の有機物と露光光との反応等によって、照明光学系や
投影光学系を構成する光学部材の表面に次第に曇りが生
じ、それらの光学系の透過率が長期的に低下することが
ある。更に、露光光が波長200nm程度以下の真空紫
外域のパルス光になって来ると、いわゆるコンパクショ
ン等によって照明光学系や投影光学系中の屈折部材が次
第に劣化して、その透過率が次第に変動する現象も知ら
れている。このような透過率の変動は露光光の光路にも
依存するため、例えばいわゆる変形照明法を用いる場合
のように瞳面での露光光の分布が非軸対称の状態が続い
たようなときには、屈折部材の透過率変動も非軸対称と
なって、照明領域(又は露光領域)での照度分布が非走
査方向に不均一になり、積算露光量のむらが大きくなる
恐れがある。更に、その透過率変動が光軸外の点を中心
に生じたような場合には、レチクル又はウエハに対する
露光光のテレセントリシティ(テレセントリック性)の
崩れ量が許容範囲を超える恐れもある。
【0006】このように例えば光学部材の曇りや劣化に
よって透過率分布の経時的な変動が生じて、照明領域
(又は露光領域)での照度分布が非走査方向に不均一に
なった場合は、当該光学部材を交換することによってそ
の不均一性を改善できるが、交換にはかなりの時間を要
する。また、光学部材の交換機構を設けておくことも考
えられるが、これでは露光装置が大型化し、かつ製造コ
ストも上昇する。
【0007】本発明は斯かる点に鑑み、走査露光方式で
露光を行う場合に、ウエハ上での積算露光量の均一性、
又は露光光のテレセントリシティを高めることができる
露光技術を提供することを第1の目的とする。本発明
は、更に露光ビームとしてパルス光を使用して走査露光
を行う場合に、ウエハ上での積算露光量の均一性を高め
ることができる露光技術を提供することを第2の目的と
する。
【0008】また、本発明は、走査露光方式で露光を行
う場合、ウエハまでの露光光の光路上で光学部材又は光
学系の光学特性の変動、例えば透過率変動(反射率変動
も含む)が生じても、容易にウエハ上での積算露光量の
均一性、又は露光光のテレセントリシティを高めること
ができる露光技術を提供することを第3の目的とする。
また、本発明はその露光技術を用いた高精度なデバイス
製造方法を提供することをも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の露光
方法は、露光ビームでマスク(R)を照明し、そのマス
クと基板(W)とを同期走査して、そのマスクのパター
ンを介してその基板を露光する露光方法において、その
基板までのその露光ビームの光路上で、その基板の走査
方向(Y方向)に交差する非走査方向(X方向)に対し
て所定の分布でその露光ビームに対する透過率を制御す
るものである。
【0010】斯かる本発明によれば、露光ビームの照射
系(例えば照明系又は投影系等)中の透過部材の透過率
又は反射部材の反射率が変動して、一例として露光ビー
ムのエネルギーのモニター位置からその基板までの全体
の透過率が次第に変動した場合には、その内の非走査方
向に対する変動量を相殺するような分布でその露光ビー
ムに対する透過率を制御する。これによって、その基板
上の非走査方向の照度むらが減少し、ひいてはその基板
上の走査露光後の積算露光量の均一性が向上する。ま
た、その露光ビームに対する透過率が例えば光軸から外
れた点を中心として変動したような場合には、そのマス
ク又は基板上での露光ビームのテレセントリシティが変
化するため、その透過率変動を相殺するようにその露光
ビームに対する透過率を制御する。これによってそのマ
スク又は基板の高さが変化しても、投影像の位置ずれ等
が生じない。
【0011】本発明において、その露光ビームはパルス
光である場合、その露光ビームのその基板上での露光領
域(35P)のその基板の走査方向の幅は、その基板上
の露光対象の点がその露光領域を通過する間にその露光
対象の点に対してその露光ビームが実質的に整数パルス
で照射されるように定められることが望ましい。例え
ば、露光ビームとしてエキシマレーザ光を使用する場合
のように、そのパルス光の周波数があまり高く無い条件
で、スループットを高めるためにその基板の走査速度を
高めて走査露光を行う場合には、その基板上の各点に対
して同一の整数パルス分だけ露光を行うようにしない
と、その基板上で最大で1パルス分程度の積算露光量の
むらが生じる恐れがある。これに関して、本発明におい
てはその露光領域の走査方向の幅は固定として、露光ビ
ームに対する透過率自体を制御しているため、その整数
パルスで露光する条件と、非走査方向の照度むらの制御
とを両立することができる。
【0012】また、1段又は複数段のオプティカル・イ
ンテグレータ(ユニフォマイザ、又はホモジナイザ)
(6,9)を介してその露光ビームの照度分布の均一性
を高めた後で、その露光ビームに対する透過率を制御す
ることが望ましい。このようにオプティカル・インテグ
レータを通した後で透過率を制御することにより、照射
系の経時的な透過率分布の変動等を容易に、かつ高精度
に補正することができる。
【0013】また、その露光ビームに対する透過率のそ
の非走査方向への分布を可変として、その露光ビームに
対する透過率の制御によって、その基板に対するその露
光ビームのその非走査方向に対する照度むらを補正する
ことが望ましい。その基板上で走査方向にその露光ビー
ムの照度むらが生じても、走査露光による積分効果によ
って積算露光量のむらは実質的に生じない。これに対し
てその基板の非走査方向に対しては積分効果が働かない
ため、その非走査方向への照度むらが生じないようにし
ておくことで、その非走査方向への積算露光量の均一性
が向上する。
【0014】更に、その露光ビームに対する透過率をそ
の基板の走査方向に対しても所定の可変の分布を持つよ
うにしておき、その露光ビームに対する透過率の制御に
よって、その露光ビームのそのマスク又はその基板に対
するテレセントリシティの崩れ量を補正するようにして
もよい。走査方向に対して透過率分布を持たせても積算
露光量には殆ど影響が無いが、走査方向へのテレセント
リシティの崩れ量は補正できる。
【0015】また、上記のように露光ビームに対する透
過率を制御するためには、一例としてそのマスクのパタ
ーン面、又はこの面の共役面に対してそれぞれ所定間隔
だけデフォーカスした領域において、その露光ビーム
を、その基板の非走査方向に対して可変の透過率分布を
有する透過率分布制御部材(23A,23B,24)で
部分的に遮光することが望ましい。このようにマスクの
パターン面(又はこの共役面)からデフォーカスした領
域で露光ビームを部分的に遮光することによって、その
透過率分布制御部材の遮光パターンの像はそのマスク上
でぼけるため、その基板上の全部の点にほぼ均一に順次
露光ビームが照射され、積算露光量分布の均一性が向上
する。
【0016】また、その透過率分布制御部材は、一例と
してその基板の非走査方向に沿って所定の分布で遮光面
積が変化する第1組の複数の遮光ライン(28A,29
A)と、この第1組の遮光ラインと実質的に同一形状の
第2組の複数の遮光ライン(28B,29B)とを備
え、その第1組の遮光ラインとその第2組の遮光ライン
とをその露光ビームの光路に対してその基板の走査方向
に沿って実質的に対称に挿脱する動作と、その第1組及
び第2組の複数の遮光ラインをそれぞれその基板の非走
査方向に沿って移動する動作とを使い分けることが望ま
しい。その遮光ラインは、例えば微少なドットパターン
の集合体であってもよく、或る程度露光ビームを透過す
る半透明のパターンであってもよい。
【0017】その2組の遮光ラインをその走査方向に沿
って実質的に対称に挿脱することによって、テレセント
リシティに影響を与えることなく、軸対称な凸の照度む
ら、又は凹の照度むらを補正することができる。一方、
その2組の遮光ラインをそれぞれ非走査方向に沿って移
動することによって、光軸から外れた凸若しくは凹の照
度むら、又は非走査方向に傾斜している照度むらを補正
することができる。
【0018】また、その第1組の複数の遮光ライン(2
8A,29A)は、その基板の走査方向に沿って次第に
変化するピッチで配列されることが望ましい。これによ
って、その複数の遮光ラインによって露光ビームの回折
パターン(即ち、照度むら)が生じることが防止され
る。同様の効果は、ほぼ一定ピッチで配列された複数の
遮光ラインを互いに僅かに傾斜させても得られる。
【0019】また、その露光ビームがパルス光であると
きに、その露光ビームのパルス発光の各周期の間にその
基板が移動する間隔をその第1組の複数の遮光ラインの
位置での間隔に換算した長さに対して、その第1組の複
数の遮光ライン間のピッチがそれぞれ異なることが望ま
しい。これによって、或る1つの遮光ラインのデフォー
カスした像がその基板上に転写されることが防止され
る。
【0020】また、その透過率分布制御部材は、その第
1組及び第2組の複数の遮光ラインよりもその基板の非
走査方向に沿った遮光面積の変化量が大きい第3組の複
数の遮光ライン(26A〜26C,27A〜27C)を
更に備え、その露光ビームのその非走査方向に対する照
度むらを大まかに補正するために、その第3組の複数の
遮光ラインをその露光ビームの光路に対してその基板の
走査方向及び非走査方向の少なくとも一方に沿って移動
させることが望ましい。
【0021】次に、本発明の第2の露光方法は、露光ビ
ームでマスクを照明して基板をマスクを介した露光ビー
ムで走査することにより基板を露光する露光方法であっ
て、その基板面またはその近傍で露光ビームの照度むら
を計測すること、その基板までのその露光ビームの光路
上で、その基板の走査方向に交差する非走査方向におけ
るその露光ビームの照度分布を制御して該計測した照度
むらを補正すること、及びそのマスクと基板とを露光ビ
ームに対して同期移動して、基板を、その照度むらが補
正された露光ビームで走査することを含むものである。
この露光方法によれば、非走査方向における計測された
照度むらが、露光ビームの照度分布を制御することによ
り有効に補正される。
【0022】次に、本発明の第1の露光装置は、露光光
源(1)からの露光ビームでマスク(R)を照明し、そ
のマスクと基板(W)とを同期走査して、そのマスクの
パターンを介してその基板を露光する露光装置におい
て、そのマスクのパターン面、又はこの面の共役面に対
してそれぞれ所定間隔だけデフォーカスした領域に配置
されて、その露光ビームを、その基板の走査方向に交差
する非走査方向に対して可変の透過率分布で部分的に遮
光する透過率分布制御部材(23A,23B,24)
と、その露光ビームに対する透過率のその非走査方向へ
の分布を制御するために、その透過率分布制御部材を駆
動する駆動装置(20)とを有するものである。斯かる
露光装置によって本発明の露光方法が実施できる。
【0023】この場合、その露光光源をパルス光源とし
て、そのマスクのパターン面、又はこの面の共役面に対
してそれぞれその透過率分布制御部材のデフォーカス量
よりも少ない間隔だけデフォーカスした面に配置された
固定の視野絞り(17)を備え、この視野絞りのその基
板の走査方向に対応する方向の幅は、その基板上の露光
対象の点がその視野絞りの像を通過する間にその露光対
象の点に対してその露光ビームが実質的に整数パルスで
照射されるように定められることが望ましい。
【0024】また、その露光光源とその透過率分布制御
部材との間に1段又は複数段のオプティカル・インテグ
レータ(6,9)が配置されることが望ましい。また、
その透過率分布補正部材は、その基板の非走査方向に沿
って次第に遮光面積が変化する第1組の複数の遮光ライ
ン(28A,29A)と、この第1組の遮光ラインと実
質的に同一形状の第2組の複数の遮光ライン(28B,
29B)とを備えることが望ましい。また、その透過率
分布制御部材は、その第1組及び第2組の複数の遮光ラ
インよりもその基板の非走査方向に沿った遮光面積の変
化量が大きい第3組の複数の遮光ライン(26A〜26
C,27A〜27C)を更に備えることが望ましい。
【0025】次に、本発明の第2の露光装置は、露光ビ
ームでマスクを照明し、そのマスクと基板とを同期走査
して、そのマスクのパターンを介してその基板を露光す
る露光装置であって、その基板の走査方向に交差する非
走査方向におけるその露光ビームの照度むらを計測する
計測器と、非走査方向における露光ビームの照度分布を
調整する遮光パターンを有する遮光プレートと、その遮
光プレートを駆動する駆動装置と、その照度むらが補正
されるように駆動装置を制御して遮光プレートを露光ビ
ームのパス内で変位させる制御装置とを含むものであ
る。この露光装置によれば、非走査方向における計測さ
れた照度むらが、露光ビームの照度分布を調整する遮光
プレートにより有効に補正される。
【0026】その第2の露光装置は、さらに、露光光源
を備えてもよく、この露光光源は一例として10kHz
未満の発振周波数のパルスビームを発生する。また、そ
の遮光プレートには、非走査方向に延在し且つ非走査方
向に沿って異なる遮光面積を有する遮光パターンを形成
してもよい。さらに、その露光装置は、予め求めた照度
むらとその遮光プレートの駆動量による照度むら補正量
との関係を記憶したメモリと、テレセントリシティ計測
器とを備えることが望ましい。
【0027】また、一例としてその遮光プレートは、そ
の遮光プレートに形成されたパターンの像がマスクのパ
ターン面の共役面上でデフォーカスされる位置に配置さ
れ、そのデフオーカス量δZは、その遮光プレート上で
の露光光の開口数NA及びその遮光パターンの走査方向
の最大線幅FDに対して次の関係を満足することが望ま
しい。
【0028】δZ>FD/(2・NA) その露光装置は、さらに、タイマと、予め求めておいた
露光装置の稼動時間と照度むらとの関係を記憶したメモ
リとを備え、その制御装置は、そのタイマで計測された
露光時間に応じてその駆動装置を自動制御して照度むら
を補正するようにしてもよい。また、その露光装置のそ
の駆動装置は、第1、第2及び第3補正プレートを保持
して移動するスライダ、このスライダが係合するガイ
ド、及びそのスライダを移動させるモータを備えてもよ
い。
【0029】次に、本発明の第3の露光方法は、パルス
発光される露光ビームでマスク(R)を照明し、そのマ
スクと基板(W)とを同期走査して、そのマスクのパタ
ーンを介してその基板を露光する露光方法において、そ
の基板上でのその露光ビームの照度分布をその基板の走
査方向に対して台形状に設定し、その台形状の照度分布
の傾斜部(67Ba,67Bb)の幅(DE)を、その
露光ビームのパルス発光の1周期の間にその基板が走査
方向に移動する距離の実質的に整数倍に設定したもので
ある。この結果、走査露光時にその基板上の各点がその
照度分布の傾斜部を移動している間に、その露光ビーム
がその各点に共通の整数パルス分だけ露光される。従っ
て、積算露光量が均一化される。
【0030】この場合、その基板上の露光ビームによる
露光領域の形状を、その基板上での積算露光量分布に応
じてその基板の走査方向に交差する非走査方向に対して
幅(D(X))が次第に変化するように設定することが
望ましい。その露光領域の走査方向の幅を、その積算露
光量の非走査方向の分布が一定になるように変化させて
おくことによって、積算露光量の均一性が向上する。
【0031】次に、本発明の第3の露光装置は、露光ビ
ームでマスクを照明するとともに、そのマスクを介して
その露光ビームで基板を露光する装置であって、その基
板との共役面に対してデフォーカスした領域に配置さ
れ、その露光ビームを可変の透過率分布で部分的に遮光
する照度補正部材と、そのマスク又はその基板に対する
その露光ビームのテレセントリシティの崩れ量と照度む
らとの少なくとも一方を補正するように、その露光ビー
ムの透過率分布を設定する制御装置とを備えるものであ
る。
【0032】また、本発明の第4の露光方法は、パルス
発振される露光ビームに対してマスクと基板とをそれぞ
れ相対移動して、そのマスクを介してその露光ビームで
その基板を露光する方法であって、その基板の走査方向
におけるその露光ビームの照度分布をほぼ台形状に設定
すること、その露光ビームのその走査方向の幅を部分的
に異ならせること、及びその台形状の照度分布の傾斜部
をその基板上の露光対象の点が通過する間にその露光対
象の点に整数個の露光ビームが照射されるようにその基
板の走査露光条件を設定することを含むものである。
【0033】また、本発明のデバイス製造方法は、本発
明の露光方法を用いてデバイスパターン(R)をワーク
ピース(W)上に転写する工程を含むものである。本発
明によって積算露光量の均一性が向上するため、集積度
の高いデバイスを高精度に量産することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図面を参照して説明する。本例は、ステップ・ア
ンド・スキャン方式よりなる走査露光型の投影露光装置
(走査型露光装置)で露光を行う場合に本発明を適用し
たものである。図1は、本例の投影露光装置の概略構成
を示し、この図1において、露光光源1としてはパルス
光源としてのArFエキシマレーザ光源(波長193n
m)が使用されている。但し、露光光源1としては、K
rFエキシマレーザ(波長248nm)、F2 レーザ
(波長157nm)、Kr2 レーザ(波長146n
m)、YAGレーザの高調波発生装置、半導体レーザか
らの光を光ファイバー増幅器を用いて増幅してから非線
形光学結晶等を用いて波長200nm程度以下の真空紫
外域まで波長変換する光源装置等を使用することができ
る。これらの光源は何れもパルス光源であるが、例えば
エキシマレーザ光源の発振周波数は数kHz程度と比較
的低いのに対して、半導体レーザからの光を波長変換す
る光源装置の発振周波数は例えば100kHz程度と実
質的に連続光とみなせる程度に高くすることが可能であ
る。
【0035】露光光源1からの波長193nmの紫外パ
ルス光よりなる露光光IL(露光ビーム)は、露光装置
本体との間で光路を位置的にマッチングさせるためのビ
ームマッチングユニット(BMU)2を通り、光アッテ
ネータとしての可変減光器3に入射する。ウエハ上のフ
ォトレジストに対する露光量を制御するための露光制御
ユニット21が、露光光源1の発光の開始及び停止、並
びに出力(発振周波数、パルスエネルギー)を制御する
と共に、可変減光器3における減光率を段階的、又は連
続的に調整する。
【0036】可変減光器3を通った露光光ILは、所定
の光軸に沿って配置される第1レンズ系4A及び第2レ
ンズ系4Bよりなるビーム成形系5を経て第1段のオプ
ティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ、又はホモ
ジナイザ)としての第1フライアイレンズ6に入射す
る。この第1フライアイレンズ6から射出された露光光
ILは、第1レンズ系7A、光路折り曲げ用のミラー
8、及び第2レンズ系7Bを介して第2段のオプティカ
ル・インテグレータとしての第2フライアイレンズ9に
入射する。
【0037】第2フライアイレンズ9の射出面、即ち露
光対象のレチクルRのパターン面(レチクル面)に対す
る光学的なフーリエ変換面(照明系の瞳面)には開口絞
り板10が、駆動モータ10eによって回転自在に配置
されている。開口絞り板10には、通常照明用の円形の
開口絞り10a、変形照明の一例としての輪帯照明用の
開口絞り10b、変形照明の別の例としての4個の偏心
した小開口よりなる4極照明用の開口絞り(不図示)、
及び小さいコヒーレンスファクタ(σ値)用の小円形の
開口絞り(不図示)が切り換え自在に配置されている。
開口絞り板10及び駆動モータ10eより照明条件を複
数の照明条件(通常照明、変形照明、及び小σ値照明)
の何れかに切り換える「照明条件切り換え系」が構成さ
れており、装置全体の動作を統轄制御する主制御系22
が駆動モータ10eを介して照明条件を設定する。
【0038】なお、変形照明(輪帯照明、4極照明等)
を行うときには、露光光ILの利用効率を高めて高い照
度(パルスエネルギー)を得るためには、第2フライア
イレンズ9に入射する段階で、露光光ILの断面形状を
ほぼ輪帯状の領域に整形しておくことが望ましい。その
ためには、第1フライアイレンズ6を例えば多数の位相
型の回折格子の集合体よりなる回折光学素子(Diffract
ive Optical Element:DOE)で置き換えればよい。ま
た、照明条件切り換え系は、上記構成に限られるもので
はなく、開口絞り板10に組み合わせて、或いは単独で
円錐プリズム(アキシコン)及び/又はズーム光学系
と、回折光学素子とを用いるようにしてもよい。なお、
第2段のオプティカル・インテグレータとして内面反射
型インテグレータ(ロッドインテグレータなど)を用い
る場合、例えばDOE、円錐プリズム、又は多面体プリ
ズムなどを用いて、照明系の光軸IAXに関して露光光
ILを傾けて内面反射型インテグレータに入射させると
ともに、照明条件に応じてその入射面での露光光ILの
入射角度範囲を変更することが望ましい。
【0039】図1において、第2フライアイレンズ9の
射出面に通常照明用の開口絞り10aが設置されてお
り、第2フライアイレンズ9から射出されて開口絞り1
0aを通過した露光光ILは、透過率が高く反射率が低
いビームスプリッタ11に入射する。露光ビームのエネ
ルギーのモニタ点としてのビームスプリッタ11で反射
された露光光は、集光用のレンズ18を介して光電検出
器よりなるインテグレータセンサ19に入射し、インテ
グレータセンサ19の検出信号S1は露光制御ユニット
21に供給されている。露光光ILはパルス光であるた
め、検出信号S1は、露光制御ユニット21内でピーク
ホールド回路、及びアナログ/デジタル(A/D)変換
器を介してデジタルデータに変換される。インテグレー
タセンサ20の検出信号と被露光基板としてのウエハW
上での露光光ILの照度との関係は、例えば定期的に又
は必要に応じて高精度に計測されて、露光制御ユニット
21内のメモリに記憶されている。露光制御ユニット2
1は、インテグレータセンサ20の検出信号より間接的
にウエハWに対する露光光ILの照度(平均値)、及び
その積分値をモニタできるように構成されている。
【0040】ビームスプリッタ11を透過した露光光I
Lは、光軸IAXに沿って第1レンズ系12A及び第2
レンズ系12Bを経て順次、本発明の透過率分布制御部
材としてのラフ照度むら補正板24、第1照度むら補正
板23A、及び第2照度むら補正板23Bを通過して、
可動ブラインド(可動照明視野絞り)13に入射する。
後述のようにラフ照度むら補正板24の射出面に所定の
複数の遮光ラインが描画され、照度むら補正板23A及
び23Bの対向する内面にそれぞれ複数の遮光ラインが
描画され、ラフ照度むら補正板24及び照度むら補正板
23A,23Bの光軸IAXに垂直な面内での位置は、
それぞれ駆動機構20によって制御される。駆動機構2
0の動作は、主制御系22が駆動系25を介して制御す
る。この場合、後者の可動ブラインド13はレチクル面
に対する共役面に設置され、照度むら補正板23A及び
23Bの遮光ラインの形成面は、その共役面から光軸方
向に所定間隔(詳細後述)だけデフォーカスしている。
【0041】この際に、照度むら補正板23A,23B
の各遮光ラインのデフォーカス量が互いにほぼ対称に同
程度となるように、照度むら補正板23A,23Bの遮
光ラインの形成面は対向すると共に、その間隔は例えば
1mm程度に狭く設定されている。これによって、それ
らの遮光ラインの形成面に微少な塵等の異物が付着しに
くい利点もある。また、ラフ照度むら補正板24の遮光
ラインの形成面は、その共役面に対して照度むら補正板
23A,23Bよりも更にデフォーカスしている。
【0042】露光時に可動ブラインド13を通過した露
光光ILは、光路折り曲げ用のミラー14、結像用のレ
ンズ系15A、副コンデンサレンズ系15B、主コンデ
ンサレンズ系16、及び固定ブラインド17を介して、
マスクとしてのレチクルRのパターン面(レチクル面)
の照明領域(照明視野領域)35を照明する。固定ブラ
インド17は、レチクル面から僅かにデフォーカスした
面に配置されている。即ち、固定ブラインド17のデフ
ォーカス量は、照度むら補正板23A,23Bのデフォ
ーカス量よりも少なく設定されている。固定ブラインド
17は、例えば特開平4−196513号公報及び対応
する米国特許第5,473,410号に開示されている
ように、後述の投影光学系PLの円形視野内の中央で走
査露光方向と直交した方向に直線スリット状、又は矩形
状(以下、まとめて「スリット状」と言う)に伸びるよ
うに配置された開口17a(図2(b)参照)を有す
る。
【0043】この場合、可動ブラインド13は、ウエハ
W上の各ショット領域への走査露光の開始時及び終了時
に不要な露光を防止するために、照明視野領域の走査方
向の幅を可変とするために使用される。可動ブラインド
13は、更に走査方向と直交した方向(非走査方向)に
関してレチクルRのパターン領域のサイズに応じてその
幅を可変とするためにも使用される。可動ブラインド1
3の開口率の情報は露光制御ユニット21にも供給さ
れ、インテグレータセンサ19の検出信号から求められ
る照度にその開口率を乗じた値が、ウエハW上の実際の
照度となる。
【0044】図1において、露光光源1、ビームマッチ
ングユニット2、可変減光器3、ビーム成形系5、フラ
イアイレンズ6,9、レンズ系7A,7B、レンズ系1
2A,12B、可動ブラインド13、結像レンズ系15
A、副コンデンサレンズ系15B、主コンデンサレンズ
系16、固定ブラインド17、照度むら補正板23A,
23B、及びラフ照度むら補正板24等より照明光学系
ILS(照明系)が構成されている。なお、固定ブライ
ンド17は、例えば可動ブラインド13と照度むら補正
板23A,23Bとの間の面、又は可動ブラインド13
の射出側の近傍(本例では可動ブラインド13とミラー
14との間)の面に配置してもよい。
【0045】それ以外の構成例として、本例のレチクル
面はレチクルRの下面であるため、固定ブラインド17
をレチクルRの下面の近傍の面に配置してもよいし、あ
るいはウエハWの表面近傍に配置してもよい。なお、固
定ブラインド17をウエハWの表面(レチクルRのパタ
ーン面)の共役面に配置してもよいが、ウエハW上でそ
の走査方向SD(本例ではY方向)に関する露光光IL
の照度分布F(Y)が台形状となるように、例えば固定
ブラインド17に減光部を形成する必要がある。また、
照度むら補正板23A,23B及びラフ照度むら補正板
24の少なくとも一方を可動ブラインド13と結像レン
ズ系15Aとの間、レチクルRと主コンデンサレンズ系
16との間、又はレチクルRと投影光学系PLとの間に
配置してもよい。
【0046】露光光ILのもとで、レチクルRの照明領
域内の回路パターンの像が両側テレセントリックな投影
光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば1/
4,1/5等)で、投影光学系PLの結像面に配置され
た基板(被露光基板)としてのウエハW上のフォトレジ
スト層のスリット状の露光領域35Pに転写される。レ
チクルR及びウエハWはそれぞれ第1物体及び第2物体
ともみなすことができる。ウエハ(wafer)Wは例えば半
導体(シリコン等)又はSOI(silicon on insulator)
等の円板状の基板である。本例の投影系としての投影光
学系PLは、ジオプトリック系(屈折系)であるが、カ
タジオプトリック系(反射屈折系)や反射系も使用でき
ることは言うまでもない。
【0047】この場合、本例の露光光IL(ArFエキ
シマレーザ光)は、真空紫外光であるため、通常の空気
中の酸素、二酸化炭素、水蒸気等によって大きく吸収さ
れてしまう。これを避けるために、本例の露光光源1か
らウエハWまでの露光光ILの光路には、真空紫外光に
対しても高透過率の高純度のパージガス(ヘリウム、ネ
オン等の希ガス、又は窒素ガス等のいわゆる不活性ガ
ス)が供給されている。更に、真空紫外光に対して高透
過率の屈折部材の硝材は、合成石英、蛍石(Ca
2 )、及びフッ化マグネシウム(MgF2 )等に限ら
れるが、蛍石、フッ化マグネシウムは高価である。そこ
で、本例の投影光学系PLの複数の屈折部材は、大部分
が合成石英より形成され、残りの色収差補正用の部材が
蛍石より形成されている。また、照明光学系ILS中の
屈折部材も合成石英より形成されている。以下、投影光
学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な
平面内で露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向S
D(ここでは図1の紙面に平行な方向)に沿ってY軸を
取り、走査方向に直交する方向、即ち本例の非走査方向
(ここでは図1の紙面に垂直な方向)に沿ってX軸を取
って説明する。なお、レチクルR上で、照明光学系IL
Sの光軸IAXは、投影光学系PLの光軸AXと合致し
ている。
【0048】この場合、レチクルRは、レチクルステー
ジ31上に吸着保持され、レチクルステージ31は、レ
チクルベース32上にY方向に等速移動できると共に、
X方向、Y方向、回転方向に微動できるように載置され
ている。レチクルステージ31(レチクルR)の2次元
的な位置、及び回転角は駆動制御ユニット34内のレー
ザ干渉計によってリアルタイムに計測されている。この
計測結果、及び主制御系22からの制御情報に基づい
て、駆動制御ユニット34内の駆動モータ(リニアモー
タやボイスコイルモータ等)は、レチクルステージ31
の走査速度、及び位置の制御を行う。
【0049】一方、ウエハWは、ウエハホルダ38を介
してウエハステージ39上に吸着保持され、ウエハステ
ージ39は、ウエハベース40上で投影光学系PLの像
面と平行なXY平面に沿って2次元移動する。即ち、ウ
エハステージ39は、走査露光時にウエハベース40上
でY方向に一定速度で移動すると共に、ショット露光間
ではX方向、Y方向にステップ移動する。更に、ウエハ
ステージ39には、ウエハWのZ方向の位置(フォーカ
ス位置)、及びX軸及びY軸の回りの傾斜角を制御する
Zレベリング機構も組み込まれており、ウエハWの表面
(ウエハ面)の複数の計測点でフォーカス位置を計測す
るための多点のオートフォーカスセンサ(不図示)も設
けられている。露光時には、そのオートフォーカスセン
サの計測値に基づいてオートフォーカス方式でZレベリ
ング機構を駆動することで、ウエハ面が投影光学系PL
の像面に合焦される。
【0050】ウエハステージ39のX方向、Y方向の位
置、及びX軸、Y軸、Z軸の回りの回転角は駆動制御ユ
ニット41内のレーザ干渉計によってリアルタイムに計
測されている。この計測結果及び主制御系22からの制
御情報に基づいて、駆動制御ユニット41内の駆動モー
タ(リニアモータ等)は、ウエハステージ39の走査速
度、及び位置の制御を行う。
【0051】主制御系22は、レチクルステージ31、
及びウエハステージ39のそれぞれの移動位置、移動速
度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報を駆動制
御ユニット34及び41に送る。そして、走査露光時に
は、レチクルステージ31を介して露光光ILの照明領
域35に対してレチクルRが+Y方向(又は−Y方向)
に速度Vrで走査されるのに同期して、ウエハステージ
39を介してレチクルRのパターン像の露光領域35P
に対してウエハWが−Y方向(又は+Y方向)に速度β
・Vr(βはレチクルRからウエハWへの投影倍率)で
走査される。この際の走査露光の開始時及び終了時に不
要な部分への露光を防止するために、駆動制御ユニット
34によって可動ブラインド13の開閉動作が制御され
る。
【0052】更に主制御系22は、ウエハW上の各ショ
ット領域のフォトレジストを適正露光量で走査露光する
ための各種露光条件を露光データファイルより読み出し
て、露光制御ユニット21とも連携して最適な露光シー
ケンスを実行する。即ち、ウエハW上の1つのショット
領域への走査露光開始の指令が主制御系22から露光制
御ユニット21に発せられると、露光制御ユニット21
は露光光源1の発光を開始すると共に、インテグレータ
センサ19を介してウエハWに対する露光光ILの照度
(単位時間当たりのパルスエネルギーの和)の積分値を
算出する。その積分値は走査露光開始時に0にリセット
されている。そして、露光制御ユニット21では、その
照度の積分値を逐次算出し、この結果に応じて、走査露
光後のウエハW上のフォトレジストの各点で適正露光量
が得られるように、露光光源1の出力(発振周波数、及
びパルスエネルギー)及び可変減光器3の減光率を制御
する。そして、当該ショット領域への走査露光の終了時
に、露光光源1の発光が停止される。
【0053】また、本例では露光光ILとして比較的低
い発振周波数(10kHz未満、例えば、ほぼ数kHz
程度)のパルス光が使用されているため、ウエハW上の
各点に対して整数パルスで露光を行う条件が課されてい
る。これは、ウエハW上の各点に照射されるパルス数が
整数になるという意味である。更に、パルスエネルギー
は発光毎に或る程度のばらつきを有するため、積算露光
量の制御精度を所定レベル以上に維持するために、本例
ではウエハW上の各点に対する露光パルス数Nを所定の
最小露光パルス数Nmin 以上の整数にするという条件も
課されている。図1において、露光光ILがパルス発光
されると、固定ブラインド17がデフォーカスしている
ため、ウエハW上の露光領域35Pの走査方向SD(Y
方向)の照度分布F(Y)は、図15(c)に示すよう
にほぼ台形状となる。
【0054】図15(c)において、その照度分布F
(Y)の上辺での値(最大値)をF0とすると、本例で
は照度がF0 /2となる位置での照度分布F(Y)の走
査方向の幅Dを、露光領域35Pの走査方向の幅(スリ
ット幅)とみなす。ウエハ上でのスリット幅Dは、一例
として8mm程度であり、露光領域35Pの非走査方向
の幅はスリット幅Dの2.5倍(20mm)〜4倍(3
2mm)程度である。この場合、図1の露光光源1のパ
ルス発光の周波数をfIL、周期をTIL(=1/f IL)、
ウエハステージ39の走査露光時の走査速度をVw、フ
ォトレジストの適正露光量(感度)をPH、ウエハ上の
各点に対する露光パルス数をN(Nは整数)、露光光I
Lのウエハ上でのパルスエネルギー(照度換算値)の平
均値をpとすると、最小露光パルス数Nmin 以上のパル
ス数Nで露光を行う条件は次のようになる。
【0055】 N(整数)=PH/p≧Nmin …(1) このために、一例として予め露光前に図1において、イ
ンテグレータセンサ19を介して間接的にウエハ上での
平均パルスエネルギーpを計測した後、主制御系22
は、露光制御ユニット21を介して(1)式が満たされ
るように、可変減光器3での減光率、及び露光光源1の
出力を制御する。また、スリット幅D及び走査速度Vw
等は以下の条件を満たしている。
【0056】 D/Vw=N・TIL …(2) この式に、(TIL=1/fIL)を代入すると、走査速度
Vwは次のようになる。 Vw=D・fIL・(p/PH) …(3) このとき、露光装置のスループットが最大となる、即ち
ウエハW上の各ショット領域の走査露光時間が最短とな
るように、走査速度Vw(レチクルRの走査速度はVw
/β)、スリット幅D、周波数fIL、及びパルスエネル
ギーの平均値pの少なくとも1つを調整して(3)式を
満たす走査露光条件を決定するとよい。また、走査速度
Vw、発振周波数fIL、及びパルスエネルギーpなどの
少なくとも1つにおける可変範囲(最大値など)を考慮
して走査露光条件を決定することが好ましい。ここで、
走査露光条件、例えば走査速度Vwや発振周波数fIL
最大値は装置構成上の限界値としてもよいが、走査速度
ではレチクルR及びウエハWの移動制御(位置制御、速
度精度などを含む)などが要求精度を満たす実用上の上
限値とし、発振周波数ではパルス光の中心波長や波長幅
の安定性、強度ばらつきなどが要求精度を満たす実用上
の上限値とすることが望ましい。
【0057】さて、本例の照明光学系ILS、及び投影
光学系PL中の複数の屈折部材としては、主に合成石英
が使用されているが、合成石英に強いパルス光を継続し
て照射すると、材料の劣化によってその透過率が次第に
変動することが知られている。また、他の屈折部材及び
反射部材においても、その劣化によって全体としての透
過率が次第に変動する可能性もある。更に、本例では露
光光ILの光路中に有機物等の不純物を高度に除去した
パージガスが供給されているが、それでも僅かに残存す
る不純物によって屈折部材や反射部材の表面に、化学反
応によって生じた曇り物質が付着して、次第に透過率
(反射部材では反射率)が低下することも考えられる。
これらの場合に、その透過率の変動がX方向、Y方向に
一様に生じたときには、ウエハW上での照度むら、ひい
ては積算露光量のむらは生じない。また、本例では照明
光学系ILS中のビームスプリッタ11(エネルギーの
モニタ点)で分離した露光光ILをインテグレータセン
サ19で受光し、この検出結果に所定の係数を乗じてウ
エハW上の露光領域35Pの全面での照度を間接的に求
めている。従って、光学系の透過率が全体として一様に
次第に変動した場合には、例えば定期的にその係数のキ
ャリブレーションを行うことによって、ウエハWに対す
る積算露光量の平均値は、フォトレジストによって規定
される目標感度に許容範囲内で合致させることができ
る。
【0058】しかしながら、例えば変形照明を行う場合
には、照明光学系ILS、及び投影光学系PL中で露光
光ILが通過する光路が光軸を中心としたほぼ一様な光
路ではなくなるため、それらの光学系の劣化及び曇りに
起因する透過率の変動が例えばX方向(非走査方向)に
対して一様ではなくなる恐れがある。この場合には、照
明領域35及び露光領域35Pにおいて非走査方向に照
度(単位面積当たり、単位時間当たりのパルスエネルギ
ー)のばらつき、即ち照度むらが生じ、ウエハW上の各
ショット領域での走査露光後の積算露光量にもばらつき
(露光量むら)が生じる。これが許容範囲を超えると、
解像度の劣化、又は転写忠実度の低下等が生じて、最終
的に製造される半導体デバイスの歩留りが低下すること
になる。具体的に、照度むらの補正動作を行わない場合
には、長期的にその照度むらは平均照度に対して±5〜
±10%(幅で10〜20%)程度を超えることも予想
される。なお、その透過率変動がY方向(走査方向)に
生じても、走査露光による積分効果によって露光量むら
は殆ど生じない。
【0059】但し、例えばその透過率変動が、レチクル
面との共役面からデフォーカスした位置(瞳面に近い位
置)で、光軸とは異なる点を中心として生じると、露光
量むらと共に、テレセントリシティの崩れ(以下、「テ
レセンずれ」と呼ぶ)が生じ、この崩れ量が許容範囲を
超えると、例えばレチクル面が僅かに下方に撓んでいる
領域や、ウエハWの表面に僅かな凹凸がある領域で投影
像の横ずれが生じる恐れがある。その横ずれは、解像度
の劣化、又は重ね合わせ露光時には重ね合わせ誤差とな
る。そこで、本例の投影露光装置には、そのような透過
率変動による照度むら、及びテレセンずれを補正するた
めの機構(以下、「照度むら補正機構」と呼ぶ)が組み
込まれている。この照度むら補正機構は、照度むら計測
機構、テレセントリシティ計測機構、透過率分布制御機
構、並びにこれらの制御系としての主制御系22、及び
露光制御ユニット21を備えている。
【0060】先ず照度むら計測機構として、図1のウエ
ハステージ39上のウエハホルダ38の近傍には照度計
測部42が固定され、この照度計測部42の上面に走査
方向(Y方向)に細長いスリット状の受光部を持つCC
D型のラインセンサ42a(図15(a)参照)が固定
され、ラインセンサ42aの検出信号S2は露光制御ユ
ニット21に供給されている。また、照度計測部42の
上面には、ピンホール状の受光部を有する光電センサよ
りなる通常の照度むらセンサ(不図示)も設置されてい
る。また、不図示であるが、ウエハステージ39上に
は、露光領域35Pの全体を覆う受光部を有する照射量
モニタも設置され、この照射量モニタの検出信号とイン
テグレータセンサ19の検出信号S1とに基づいて、イ
ンテグレータセンサ19の検出信号からウエハW上の照
度を間接的に求めるための係数が算出される。
【0061】ここで、図15を参照してラインセンサ4
2aを用いてスリット状の露光領域35Pの非走査方向
(X方向)に対する照度むらを計測する方法につき説明
する。なお、この照度むらの計測は、例えば定期的に実
行される。その際に、図1の開口絞り板10を駆動して
照明方式を通常照明、変形照明、小σ値照明等に切り換
えて、各照明方式毎にその照度むらの計測が実行され
る。そして、本例の投影露光装置の稼働時間の経過に伴
う照度むらの状態が、照明方式毎にテーブルとして主制
御系22内の記憶部に記憶される。
【0062】図15(a)は、図1のウエハステージ3
9を駆動して、投影光学系PLの露光領域35Pの非走
査方向の側面に照度計測部42上のラインセンサ42a
を移動した状態を示し、その露光領域35Pの走査方向
SD(Y方向)の照度分布F(Y)はほぼ台形状であ
る。図15(c)に示すように、その照度分布F(Y)
の底辺の走査方向の幅をDLとすると、ラインセンサ4
2aの受光部の走査方向の幅はDLよりも十分に広く設
定されている。
【0063】その後、ウエハステージ39を駆動して、
図15(a)に示すように、露光領域35Pを走査方向
に完全に覆う形で、ラインセンサ42aを非走査方向
(X方向)に所定間隔で順次一連の計測点に移動させ
る。そして、各計測点で図1の露光光源1をパルス発光
させて、インテグレータセンサ19の検出信号S1とラ
インセンサ42aの検出信号S2とを露光制御ユニット
21に並列に取り込み、ラインセンサ42aの検出信号
S2のデジタルデータを全部の画素について積分したデ
ータを検出信号S1のデジタルデータで除算することに
よって、図15(b)に示すように、露光領域35Pの
非走査方向(X)への照度分布E(X)を算出する。イ
ンテグレータセンサ19の検出信号S1で除算するの
は、パルスエネルギーのばらつきの影響を除くためであ
る。このように、ラインセンサ42aをX方向に走査す
ることによって、容易、かつ短時間に露光領域35Pの
非走査方向の照度分布E(X)を計測することができ
る。なお、ここでの照度分布E(X)は、例えば非走査
方向の端部の1番目の計測点での照度を基準とした相対
値で表されている。
【0064】この結果、照度分布E(X)は、非走査方
向の各位置Xにおいて、露光領域35P上の照度を走査
方向(Y方向)に積分した照度を表している。走査露光
時に、ウエハW上の各点は、図15(c)の台形状の照
度分布F(Y)の領域を走査方向に横切るため、本例の
非走査方向の照度分布E(X)は、ウエハW上の各ショ
ット領域における非走査方向の積算露光量の分布とほぼ
等価である。本例ではその照度分布E(X)を非走査方
向の位置Xの関数として、次のように表す。なお、位置
Xの原点は、投影光学系PLの光軸AXを通りY軸に平
行な直線とする。
【0065】 E(X)=a・(X−b)2 +c・X+d …(4) (4)式において、2次係数aは位置Xに関して凸(a
>0)、又は凹(a<0)の照度むらを、シフト係数b
は、照度むらの対称軸の光軸AXからのX方向へのシフ
ト量を、1次係数cはいわゆる傾斜むらを、係数dは位
置Xに依らない一定の照度(オフセット)をそれぞれ表
している。これらの係数a〜dの値は、例えば実測デー
タより最小自乗法によって求められ、求められた値が非
走査方向の照度むら(即ち、非走査方向の積算露光量分
布)の状態として記憶される。具体的に、図15(b)
の照度分布E(X)では、係数aが正の値(凸の照度む
ら)となり、係数b,cの値は0であり、係数dも正の
値となる。なお、本例では照度分布E(X)を位置Xの
2次関数で近似しているが、E(X)を位置Xの3次以
上の関数で近似してもよく、更には指数関数等で近似し
てもよい。
【0066】図1に戻り、更に、ウエハステージ39上
のウエハホルダ38の近傍には、ガラス基板よりなる走
査板43が設置され、走査板43上の遮光膜中にほぼ正
方形の開口パターン43aが形成されている。そして、
ウエハステージ39中の走査板43の底面側に集光レン
ズ44、及び光電検出器45が配置され、走査板43、
集光レンズ44、及び光電検出器45よりテレセントリ
シティ計測機構としての空間像計測系46が構成され、
光電検出器45の検出信号S3は露光制御ユニット21
内の演算部に供給されている。露光光ILのウエハWに
対するテレセントリシティを計測する場合には、レチク
ルRとして所定の複数の評価用マークが形成されたテス
トレチクルを載置する。そして、露光光ILを発光させ
て、空間像計測系46でそれらの評価用マークの像のX
方向、Y方向の位置を計測する。その後、ウエハステー
ジ39でフォーカス位置(投影光学系PLの光軸AX方
向の位置)を所定間隔だけ変えてから、再びそれらの評
価用マークの像のX方向、Y方向の位置を計測する。こ
の結果、2つのフォーカス位置での評価用マークの像の
位置の横ずれ量から、X方向、Y方向へのテレセンずれ
量を計測することができる。なお、テストレチクルを用
いる代わりに、レチクルステージ31に形成された基準
マーク(不図示)の像を空間像計測系46で検出して、
テレセンずれ量などを計測してもよい。
【0067】次に、本例の照度むら補正機構の一部であ
る透過率分布制御機構につき詳細に説明する。図1にお
いて、照度むら補正板23A及び23B、ラフ照度むら
補正板24、駆動機構20、及び駆動系25より透過率
分布制御機構が構成されている。図2(a),図2
(c)は、それぞれ図1中の照度むら補正板23A及び
23Bの遮光パターンを示す平面図、図2(b)は図1
中の固定ブラインド17を示す平面図であり、この図2
において、固定ブラインド17は、可動ブラインド13
の設置面、即ちレチクル面との共役面に投影された状態
を示している。図2において、レチクル面上の非走査方
向(X方向)及び走査方向(Y方向)に対応する方向を
それぞれX方向及びY方向としている。以下の説明で
は、可動ブラインド13の設置面(レチクル面との共役
面)からレチクル面への投影倍率をMaとする。一例と
して、投影倍率Maを3/2倍(拡大)、レチクル面か
らウエハ面への投影倍率βを1/4倍として、ウエハW
上の露光領域35Pのスリット幅Dを8mmとすると、
図2(b)の固定ブラインド17のスリット状の開口1
7aのY方向の幅DY1は、次のようになる。
【0068】 DY1=8・(1/β)・(1/Ma) =8・4・(2/3)≒21.3(mm) …(5) また、図2(a)に示すように、第1照度むら補正板2
3Aのパターン面には、幅DY2(>DY1)の透過部
23AaをY方向に挟むように、遮光ライン群28A及
び29Aが形成されている。第1の遮光ライン群28A
は、両端部に比べて中央部の線幅が非走査方向に対応す
る位置Xについて2次関数的に太くなる複数の遮光ライ
ン26を、Y方向にほぼピッチP2で配列したものであ
る。なお、図2では簡単のために(これ以降の図でも同
様)、遮光ライン群28Aは4本の遮光ライン26より
構成されているが、実際には遮光ライン群28Aは例え
ば50本程度の遮光ライン26より構成されている。ま
た、より正確には、露光光ILによる回折パターンの発
生を防止するために、複数の遮光ライン26は、ピッチ
P2から次第にP2/10〜P2/100程度ずつ変化
するピッチでY方向に配列されている。この結果、図1
のレチクルRの照明領域35中に1本の遮光ライン26
の像を投影することによって、露光光ILに対する中央
部の透過率が小さくなるために、(4)式に対応させて
e・X2 (e>0)の凸の照度むらを補正でき、n本の
(n=1,2,3,…)遮光ライン26の像を投影する
ことによって、n・e・X2 の凸の照度むらを補正でき
る。係数eの値は、遮光ライン26の形状に依存し、そ
の値は予め主制御系22中の記憶部に記憶されている。
そこで、遮光ライン26は「凸の照度むら補正用の2次
の遮光ライン」と呼ぶことができる。
【0069】一方、図2(a)の第2の遮光ライン群2
9Aは、中央部に比べて両端部の線幅が位置Xについて
2次関数的に太くなる複数(図2では4本であるが、実
際には50本程度)の遮光ライン27を、ピッチP2か
ら次第にP2/10〜P2/100程度ずつ変化するピ
ッチでY方向に配列したものである。この結果、図1の
照明領域35中に1本の遮光ライン27の像を投影する
ことによって、露光光ILに対する中央部の透過率が高
くなるために、−e・X2 の凹の照度むらを補正でき、
n本の遮光ライン27の像を投影することによって、−
n・e・X2 の凹の照度むらを補正できる。そこで、遮
光ライン27は「凹の照度むら補正用の2次の遮光ライ
ン」と呼ぶことができる。なお、遮光ライン26,27
は、例えば露光光を透過する基板にクロム等の遮光膜を
被着(蒸着等)することで形成することができる。ま
た、その遮光膜の代わりに、所定透過率で露光光を透過
させる半透明膜を使用してもよい。
【0070】更に、本例ではパルス光が照射されるた
め、パルス発光の1周期TILの間にウエハWが移動する
距離をdW とすると、距離dW を上記のレチクル面との
共役面での距離に換算した距離dW・(1/β)・(1/
Ma)が、そのピッチP2とは例えば10%以上異なる
ように設定されている。更に、その距離dW・(1/β)
・(1/Ma)は、そのピッチP2と互いに整数倍の関
係から10%程度以上異なるようにも設定されている。
これによって、ウエハW上に遮光ライン群28A,29
A中の例えば1本の遮光ライン26,27のデフォーカ
スした像が転写されることが防止される。
【0071】また、図2(c)に示すように、第2照度
むら補正板23Bのパターン面には、幅DY2の透過部
23BaをY方向に挟むように、凹の照度むら補正用の
遮光ライン群29B、及び凸の照度むら補正用の遮光ラ
イン群28Bが形成されている。遮光ライン群28B及
び29Bは、それぞれ第1照度むら補正板23Aの遮光
ライン群28A及び29Aと同じ形状であり、照度むら
補正板23A及び23Bの遮光パターンは、互いにX軸
に平行な軸に関して反転した(軸対称な)形状である。
上記のように第1照度むら補正板23Aだけでも、凸又
は凹の照度むらを補正することができるが、2枚の互い
に反転した照度むら補正板23A,23Bを用いること
によって、走査方向に対するテレセンずれの発生を抑制
できると共に、傾斜むら((4)式の係数c)を補正す
ることができる(詳細後述)。
【0072】上記のように照明領域35内に遮光ライン
26,27の像を投影することによって、透過的に露光
光ILに対する透過率を制御することができる。しかし
ながら、遮光ライン26,27の像があまりも鮮明であ
ると、走査露光による積分効果を考慮しても、ウエハW
上で(1)式の露光パルス数Nで露光するという条件を
満たさない部分が生じる恐れがある。これを防止するた
めに、図1の照度むら補正板23A,23Bの遮光パタ
ーンは、互いに対向する面に形成されると共に、その遮
光パターンの形成面はレチクル面との共役面に対して固
定ブラインド17よりも大きくデフォーカスした位置に
設置されている。更に、遮光ライン26,27はできる
だけ微細なパターンとされている。一例として、遮光ラ
イン26及び27は、それぞれ平均値に対して±0.0
5%(幅で0.1%)程度の凸及び凹の非走査方向の照
度むらを補正できる形状である。また、遮光ライン群2
8A,28B及び29A,29Bはそれぞれ50本程度
の遮光ライン26及び27より構成されているため、全
体として幅で0〜10%程度までの凸及び凹の非走査方
向の照度むらを、幅で0.1%程度の分解能で補正でき
ることになる。
【0073】また、その照度むら補正板23A,23B
の遮光ラインの形成面のそのレチクル面との共役面に対
するデフォーカス量をδZ1として、照度むら補正板2
3A,23B上での露光光の開口数をNAIL、遮光ライ
ン26,27の最も太い部分での走査方向の線幅をFD
1とすると、デフォーカス量δZ1は次式を満たすよう
に設定されることが望ましい。
【0074】 δZ1>FD1/(2・NAIL) …(6) なお、遮光ライン26,27の代わりに、後述のように
微少な多数のドットパターンを用いる場合には、その線
幅FD1の代わりに、それらのドットパターンの内で最
も大きいドットパターンの走査方向の幅を使用すればよ
い。(6)式の条件を満たすことによって、レチクルR
の照明領域35中に遮光ライン26,27のそれぞれの
両端からの影、即ち光が完全に遮光される点が無くな
り、静止状態における照度むらも小さくなる。従って、
走査露光時の積算露光量のむらは更に低減される。この
ように本例の照度むら補正板23A,23Bはデフォー
カス量δZ1を大きくできるため、照度むら補正板23
A,23Bを可動ブラインド13の射出側のデフォーカ
スした位置に配置してもよい。
【0075】具体的に図2(a)において、凸の遮光ラ
イン26の両端部の幅は0で、中央部の幅は20μm程
度であり、同様に凹の遮光ライン27の中央部の幅は0
で、両端部の幅は20μm程度である。更に、ピッチP
2は200μm程度、ピッチP2のずれ量は5μm程度
である。また、レチクル面との共役面に対する照度むら
補正板23A,23Bのデフォーカス量δZ1は一例と
して30mm程度であり、固定ブラインド17のデフォ
ーカス量はその1/10程度に設定されている。
【0076】図3(a)は、照度むら補正板23A(2
3Bも同様)及び固定ブラインド17のデフォーカスの
状態を示す概念図であり、この図3(a)において、レ
チクル面との共役面RCに対して固定ブラインド17
(正確にはこの共役像)は僅かに光軸方向(Z方向)に
デフォーカスしており、照度むら補正板23Aは大きく
デフォーカスしている。この結果、固定ブラインド17
上のエッジ部17a(正確にはエッジ部17aの共役
像)を通過した露光光IL3は、共役面RC(及びウエ
ハ面)上で僅かに広がるために、図1の露光領域35P
の照度分布は走査方向SDに台形状となる。図3(a)
において、固定ブラインド17を通過した露光光IL3
の共役面RC上の照度分布を概念的に台形に近似した形
17bで表してある。図3(a)において、照度むら補
正板23A上の遮光ライン26のエッジ部を通過した露
光光IL2は、共役面RC上でほぼ固定ブラインド17
の開口の走査方向SDの幅の1/2倍〜1倍程度の直径
の円形領域に広がるため、共役面RC、ひいてはウエハ
W上の露光領域35Pには遮光ライン26は大きくデフ
ォーカスした状態で投影される。
【0077】この状態で走査露光を行うと、ウエハ上の
各点には図3(b)に示すように、ほぼ図3(a)の共
役面RC上での照明領域の照度を走査方向SDに積分し
た積算露光量Eが得られる。遮光ライン26が無い状態
で、位置Xに対してほぼ平坦な積算露光量分布が得られ
るものとすると、遮光ライン26を配置することによっ
て、積算露光量Eは曲線52で示すように位置Xに関し
てほぼ凹の分布となる。これは、遮光ライン26をデフ
ォーカスさせて投影することによって、ウエハ上での積
算露光量の非走査方向の分布を制御できることを意味し
ている。この理由については後述する。なお、図3
(a)の照度むら補正板23Aよりも更に大きくデフォ
ーカスしている点からの露光光IL1は、図1のラフ照
度むら補正板24からの露光光を表している。
【0078】次に、照度むら補正機構中のラフ照度むら
補正板24の遮光パターンの構成につき図5を参照して
説明する。図5は、ラフ照度むら補正板24を図1のレ
チクル面に投影した状態を示し、この図5において、ラ
フ照度むら補正板24には走査方向SD(Y方向)に対
してピッチDY4で、次第に中央部の幅が細くなる凸の
遮光ライン26A,26B,26C、及び次第に両端部
の幅が広くなる凹の遮光ライン27C,27B,27A
が形成されている。ピッチDY4は、照明領域35の走
査方向の幅DRよりも広くなるように設定されており、
図1の駆動機構20は、ラフ照度むら補正板24をY方
向に駆動することによって、照明領域35内に遮光ライ
ン26A〜26C,27A〜27Cの何れの像も投影し
ない状態、及び遮光ライン26A〜26C,27A〜2
7C内の任意の1つのデフォーカスした像を投影する状
態を選択できるように構成されている。
【0079】この場合、最も細い遮光ライン26C,2
7Cは、それぞれ図2の遮光ライン26,27の100
本分程度の照度むらの補正効果を持つ2次曲線よりなる
遮光パターンであり、遮光ライン26B,27B及び2
6A,27Aはそれぞれ遮光ライン26C,27Cの2
倍程度及び3倍程度の照度むらの補正効果を持つ2次曲
線よりなる遮光パターンである。従って、駆動機構20
で遮光ライン26A,26B,26Cを選択することに
よって、それぞれ非走査方向に対して幅で30%程度の
凸の照度むら、20%程度の凸の照度むら、及び10%
程度の凸の照度むらを補正でき、駆動機構20で遮光ラ
イン27A,27B,27Cを選択することによって、
それぞれ非走査方向に対して幅で30%程度の凹の照度
むら、20%程度の凹の照度むら、及び10%程度の凹
の照度むらを補正できる。また、遮光ライン26A〜2
7Cの最大の線幅は図2の遮光ライン26,27に比べ
てかなり広くなっているため、(1)式の整数パルス数
で露光を行う条件がウエハ上の全面で満たされるよう
に、ラフ照度むら補正板24のデフォーカス量は、照度
むら補正板23A,23Bに比べて1.5倍〜2倍程度
に設定されている。
【0080】なお、このような大きい照度むらの補正
は、図2の照度むら補正板23A,23Bの遮光ライン
26,27の本数をそれぞれ200本〜300本程度に
多くすることによっても実現できる。しかしながら、こ
の場合には、ウエハ上の露光領域35Pにおいて遮光ラ
イン26,27のデフォーカスした像の数が多くなり過
ぎて、(1)式の整数パルス数で露光を行う条件が部分
的に満たされなくなる恐れがある。言い換えると、本例
のラフ照度むら補正板24を用いることによって、整数
パルス数で露光を行う条件を満たしながら、非走査方向
への凸又は凹の照度むらをほぼ10%幅単位で大まかに
補正することができる。
【0081】また、投影露光装置の使用条件等によっ
て、非走査方向への照度むらが幅で10%程度より小さ
いことが分かっている場合には、ラフ照度むら補正板2
4は省くことができる。次に、図1の駆動機構20中
の、照度むら補正板23A,23Bの駆動機構の構成例
につき図6を参照して説明する。
【0082】図6(a)は、照度むら補正板23A,2
3Bの駆動機構を示す平面図、図6(b)はその正面
図、図6(c)はその側面図であり、図6(a)〜図6
(c)において、図1の非走査方向(X方向)及び走査
方向(Y方向)に対応する方向をそれぞれX方向及びY
方向とすると共に、図1のレチクルRの照明領域35と
共役な領域を照明領域35Cで表している。図6(a)
〜図6(c)において、不図示の支持部材にX方向に平
行に1対のガイド部材54A,54Bが固定され、ガイ
ド部材54A,54Bに沿ってX方向に摺動自在に中央
部に露光光を通過させる開口が形成された枠状のX軸ス
ライダ53が配置され、X軸スライダ53は、例えば送
りねじ方式の駆動モータ55によってX方向に駆動され
る。
【0083】そして、X軸スライダ53上に、Y軸に平
行な1対のガイド部材58Aを介して枠状の第1Y軸ス
ライダ56Aが配置され、このY軸スライダ56Aの中
央部の開口に図6(d)に示すように第1照度むら補正
板23Aが保持され、Y軸スライダ56Aは、X軸スラ
イダ53に固定された送りねじ方式の駆動モータ57A
によってY方向に駆動される。更に、第1Y軸スライダ
56Aを覆うように、X軸スライダ53上に、Y軸に平
行な1対のガイド部材58Bを介して枠状の第2Y軸ス
ライダ56Bが配置され、このY軸スライダ56Bの中
央部の開口に図6(e)に示すように第2照度むら補正
板23Bが保持され、Y軸スライダ56Bは、X軸スラ
イダ53に固定された送りねじ方式の駆動モータ57B
によってY方向に駆動される。
【0084】この際に、不図示であるが、X軸スライダ
53及びY軸スライダ56A,56Bにはそれぞれ分解
能が1μm程度の光学式、静電容量式、又は磁気式等の
X軸及びY軸のリニアエンコーダが設置されており、X
軸の駆動モータ55及びY軸の駆動モータ57A,57
Bはそれぞれ対応するX軸及びY軸のリニアモータの計
測値をフィードバックして駆動される。これによって、
照度むら補正板23A及び23Bを照明領域35Cに対
して互いに独立に走査方向(Y方向)に位置決めできる
と共に、照度むら補正板23A及び23Bを一体的に照
明領域35Cに対して非走査方向(X方向)に位置決め
することができる。このように本例では、非走査方向に
関しては照度むら補正板23A,23Bは一体的に駆動
されるが、例えば照度むらの内の傾斜むらを補正するた
めには、非走査方向に関しても照度むら補正板23A,
23Bを互いに独立に駆動できるように構成することが
望ましい。
【0085】次に、本例の照度むら補正機構を用いて照
度むらを補正する動作の一例につき図4、及び図7〜図
9を参照して説明する。以下では、照度むら補正板23
A,23B及び固定ブラインド17を、図1のレチクル
面との共役面(可動ブラインド13の配置面)に投影し
た状態で表すものとする。この際に、照度むら補正板2
3A,23B及び固定ブラインド17はそれぞれその共
役面から所定量デフォーカスしているため、それらの投
影像には所定のぼけが生じる。そこで、それらの投影像
のデフォーカスの状態を表すために、図7に示すよう
に、照度むら補正板23A,23Bの遮光ライン及び固
定ブラインド17の開口のエッジ部上の1点から射出さ
れて、その共役面に投影される円形のデフォーカスした
像も重ねて表すこととする。
【0086】図4(a)は、第2照度むら補正板23B
を示す平面図、図4(b)は図4(a)中の凹の遮光ラ
イン27をY方向に拡大した図、図4(c)は図4
(a)中の凸の遮光ライン26をY方向に拡大した図で
あり、図4(a)において、遮光ライン群28Bの両端
の2つの遮光ライン26の中心線に沿った一列の多数の
仮想的な点、及び遮光ライン群29Bの両端の2つの遮
光ライン27の中心線に沿った一列の多数の仮想的な点
を通過した露光光によってレチクル面との共役面に形成
されるデフォーカスした像51が、それぞれ円形の領域
で表わされている。これは、遮光ライン26,27の像
は殆ど原型をとどめない形でデフォーカスした状態でウ
エハ上に投影されることを意味している。
【0087】先ず、図7(a)は、1対の照度むら補正
板23A,23Bのそれぞれの遮光ライン群28A,2
8B,29A,29Bのデフォーカスした像51B(こ
こでも遮光ライン群の中心線に沿った仮想的な点の像)
が、固定ブラインド17の開口17aのX方向の縁部の
デフォーカスした像51Sの中に入らないように、照度
むら補正板23A,23Bが走査方向SDの外側に移動
した状態、即ち図1の照明領域35中で照度むら補正板
23A,23Bによる照度むらの補正を全く行わない状
態を示している。この際に、ラフ照度むら補正板24に
よる照度むらの補正も行なっていないものとする。
【0088】この状態で、図1の照度計測部42を用い
て図15(a)を参照して説明したように、投影光学系
PLの像面の露光領域35Pでの非走査方向(X方向)
に対する照度分布E(X)、即ちウエハW上での非走査
方向に対する積算露光量分布を計測する。図7(b)は
その照度分布E(X)の計測結果の種々の例を示し、こ
の図7(b)において、横軸は露光領域35P内でのX
方向の位置、縦軸は各位置Xで走査方向に積分した照度
の値E(X)を示している。これは、以下の図8
(b)、図9(b)でも同様である。そして、図7
(b)において、照度分布E(X)の計測結果が実線の
直線62で示すように平坦である場合には、照度むら補
正板23A,23B及びラフ照度むら補正板24を用い
た照度むらの補正は行う必要がない。これに対して、非
走査方向の照度分布E(X)の計測結果が、点線の曲線
63Aで示す凸の照度むら、点線の曲線63Bで示す凹
の照度むら、点線の傾斜した直線63Cで示す傾斜む
ら、又は他の照度むらを示しており、かつその照度むら
が平均値に対して±0.1%(幅で0.2%)程度を超
える場合に、図1の主制御系22の制御のもとで照度む
らの補正を行う。
【0089】また、その照度むらが例えば幅で10%程
度以上である場合には、最初に図5に示すように走査方
向SDにラフ照度むら補正板24を位置決めして、遮光
ライン26A〜27A中の適当な遮光ラインの投影像を
照明領域35内に投影することによって、非走査方向の
照度むらが幅で10%程度内に収まるようにしておく。
そして、残存する照度むらを照度むら補正板23A,2
3Bによって補正する。
【0090】具体的に、図8(b)の実線の曲線61A
で示すように、照度分布E(X)に凸の照度むらが残存
している場合には、図8(a)に示すように、照度むら
補正板23A,23Bを照明光学系の光軸IAXに対し
てY方向に対称に駆動して、照明領域(開口17aの投
影像)内に、照度むら補正板23Aの凸の照度むら補正
用の遮光ライン群28Aの一部、及び照度むら補正板2
3Bの凸の照度むら補正用の遮光ライン群28Bの一部
のデフォーカスした像を対称に投影する。この際の照度
むら補正板23A,23Bの駆動量は、照度の補正量が
図8(b)の実線の曲線61Bで示すように、凸の照度
むらを相殺するように設定される。この結果、補正後の
非走査方向への照度分布E(X)は点線の直線61Cで
示すように平坦となる。この場合、予め照度むら補正板
23A,23Bの駆動量と照度むらの補正量との関係を
実測して、その関係を主制御系22内の記憶部に記憶し
ておき、その記憶してある関係に基づいて主制御系22
が照度むら補正板23A,23Bの駆動量を設定する。
また、照度むらの補正によって、図8(b)から分かる
ように平均的な照度が低下するため、図1のインテグレ
ータセンサ19の計測値からウエハW上での照度を計算
するための係数の補正も行われる。この結果、走査露光
後のウエハW上の各ショット領域での積算露光量はほぼ
均一で、かつ目標値にほぼ合致する。
【0091】この場合、本例では照明領域内にY方向に
対称に遮光ライン群28A,28Bのデフォーカスした
像が投影されるため、テレセントリシティは変化するこ
とが無い。なお、照度むらを更に小さくするために、照
度むら補正板23A,23Bを駆動した後で、図1の照
度計測部42を用いて露光領域35Pの照度分布E
(X)を実測し、この実測値に照度むらが残存している
ときに、その残存値を相殺するように照度むら補正板2
3A,23Bの位置を微調整するようにしてもよい。更
に、この補正動作の後で、ウエハステージ39上の不図
示の照射量モニタを用いて、露光領域35Pの平均的な
照度を再計測して、インテグレータセンサ19の計測値
からウエハ上での照度を算出するための係数を更新する
ことが望ましい。これによって積算露光量の均一性、及
び目標値に対する精度が向上する。
【0092】また、図8(b)で曲線61Aの代わりに
凹の照度むらが計測された場合には、それを補正するた
めに、図8(a)で照度むら補正板23A,23Bを更
に対称にY方向に駆動することによって、凹の照度むら
補正用の遮光ライン群29A及び29Bの像を照明領域
(開口17aの投影像)内に投影すればよい。また、図
1の空間像計測系46を用いて計測したテレセントリシ
ティに、例えばY方向への崩れ量が計測された場合に
は、図8(a)において、そのテレセンずれ量を相殺す
るように、照度むら補正板23A及び23B(遮光ライ
ン群28A及び28B)のY方向への駆動量を互いに異
ならせるようにしてもよい。これによって、照度むら及
びテレセンずれを同時に補正することができる。
【0093】次に、図9(b)の実線の曲線60Aで示
すように照度分布E(X)に、投影光学系PLの光軸A
XからX方向にシフトした位置を中心とした凹の照度む
らが残存している場合には、図9(a)に示すように、
照度むら補正板23A,23BをY方向に駆動して、照
明領域内に、凹の照度むら補正用の遮光ライン群29
A,29Bの一部のデフォーカスした像を対称に投影す
る。更に、照度むら補正板23A,23Bを一体的に、
その凹の照度むらのX方向のシフト量に対応する量(Δ
/4とする)だけ非走査方向に(図9では、−X方向
に)駆動する。これによって、照度むら補正板23A,
23Bによる照度の補正量は、図9(b)の実線の曲線
60Bで示すように、シフトした凹の照度むらを相殺す
るように設定される。この結果、補正後の非走査方向へ
の照度分布E(X)は点線の直線60Cで示すように平
坦となり、走査露光後のウエハW上の積算露光量は均一
で、かつ目標値にほぼ合致する。
【0094】また、残存する照度むらが図7(b)の直
線63Cで示すような傾斜むらである場合には、図9
(a)において、例えば第1照度むら補正板23Aを−
Y方向、及び+X方向に駆動して、遮光ライン群29A
の代わりに凸の照度むら補正用の遮光ライン群28Aを
+X方向にΔ/4だけシフトさせて配置すればよい。こ
の際に、照度むら補正板23A,23BのY方向への駆
動量、及びX方向へのシフト量Δ/4を調整することに
よって、傾斜むらの補正量を制御することができる。
【0095】ここで、遮光ライン群28A,28B及び
29A,29Bの形状、及び駆動量と照度むらの補正量
との関係につき説明する。先ず、既に説明したように、
可動ブラインド13の配置面(レチクル面との共役面)
からレチクル面への投影倍率はMa、レチクルRからウ
エハWへの投影倍率はβである。更に、ウエハW上での
露光光の開口数をNAPL、レチクルR上での露光光のコ
ヒーレンスファクタ(σ値)をσ、照度むら補正板23
A,23Bの遮光ラインの形成面のデフォーカス量の平
均値をδZ1、その遮光ラインの走査方向の幅をFD1
とすると、レチクル面との共役面におけるその遮光ライ
ンの像のぼけ幅δY1は、次のようになる。
【0096】 δY1=2・δZ1・NAPL・σ・β・Ma+FD1 …(7) ここで、倍率βを1/4倍、倍率Maを3/2倍、開口
数NAPLを0.6〜0.85、σ(コヒーレンスファク
タ)を0.3〜0.9、デフォーカス量δZ1を30m
m、ライン幅FD1を0.02mmとすると、その共役
面上での遮光ラインの像のぼけ幅δY1は、次の範囲で
変化する。
【0097】 約4.1(mm)<δY1<約17.5(mm) …(8) また、ウエハW上の露光領域35Pの走査方向の幅(ス
リット幅)を8mmとすると、(5)式よりレチクル面
との共役面上でのスリット幅は約21.3mmとなる。
そこで、ぼけ幅が最も小さくなる条件、即ち開口数NA
PLが0.6、かつσが0.3となる条件で、(7)式の
ぼけ幅δY1を用いて露光領域35P内の静止状態での
照度むらFx1を概算すると、次のようになる。
【0098】 Fx1={FD1・δY1/(π・δY12 )}・100(%) =[0.02・4.1/(π・4.12)]・100=0.6(%) …(9) 従って、遮光ライン群28A,29Aのデフォーカスし
た投影像は、照度むらには殆ど悪影響を与えないことが
分かる。また、その照度むらFx1は、走査露光による
積分効果で実際には更に大きく低減する。
【0099】これらの結果に基づいて、遮光ライン群2
8A,29Aの形状、及び駆動量と非走査方向への照度
むら(積算露光量の非走査方向へのばらつき)の補正量
との関係をコンピュータのシミュレーションによって求
めた結果を表1に示す。この際にデフォーカス量δZ1
は30mmとした。また、表1において、ライン数と
は、遮光ライン群28A,29A中の遮光ライン26,
27の本数であり、ライン幅(FD1)(mm)は遮光
ライン26,27の最大幅、ライン間隔は遮光ライン2
6,27の走査方向のピッチである。但し、既に説明し
たように、ライン間隔は回折光の発生を防止するために
0.005mmずつ次第に狭く設定されており、表1の
ライン間隔は、直前に照明領域内に入った遮光ラインの
ピッチを近似値で表している。また、表1において、遮
光幅(mm)は、露光光を遮光する全部の遮光ライン2
6,27の最大幅の合計値、即ちライン数とライン幅と
の積であり、駆動量(mm)は、図7における照度むら
補正板23A,23BのY方向への対称な移動量であ
り、照度むら補正量(%)は非走査方向に対する照度の
平均値に対する照度むらの補正量の幅である。
【0100】 《表1》 ライン数 ライン幅 ライン間隔 遮光幅 駆動量 照度むら補正量 (mm) (mm) (mm) (mm) (%) 2 0.02 0.200 0.04 0.20 0.19 4 0.02 0.199 0.08 0.40 0.38 6 0.02 0.198 0.12 0.60 0.56 8 0.02 0.197 0.16 0.79 0.75 10 0.02 0.196 0.20 0.99 0.94 20 0.02 0.191 0.40 1.96 1.88 30 0.02 0.186 0.60 2.90 2.81 40 0.02 0.181 0.80 3.81 3.75 50 0.02 0.176 1.00 4.70 4.69 60 0.02 0.171 1.20 5.57 5.63 70 0.02 0.166 1.40 6.41 6.56 80 0.02 0.161 1.60 7.22 7.50 90 0.02 0.156 1.80 8.01 8.44 100 0.02 0.151 2.00 8.78 9.38 110 0.02 0.146 2.20 9.52 10.31 120 0.02 0.141 2.40 10.23 11.25 130 0.02 0.136 2.60 10.92 12.19
【0101】実際には、露光領域の台形状の照度分布
(例えば図15(c)の照度分布F(Y))の傾斜部に
も遮光ライン26,27の投影像のぼけ部が入るため
に、照度むらの補正量の最大値は数%程度は小さくな
る。しかしながら、照度むら補正板23A,23Bの駆
動量は0.01mm程度の精度で連続的に制御でき、そ
の駆動量にほぼ比例して照度むらを補正できるため、照
度むらは、ほぼ0.01%程度の精度で補正できること
になる。また、ライン数が130の場合には、遮光ライ
ン群28A,29A中の遮光ライン26,27の本数は
65となり、遮光ライン群28A,29Aの走査方向の
幅は10.8mmとなる。
【0102】以上の結果より、表1の結果に対応させて
照度むら補正板23A,23Bの大きさ、及び走査方向
の駆動ストロークを求めると次のようになる。なお、倍
率βを1/4倍、倍率Maを3/2倍、遮光ラインの像
のぼけ幅δY1を(8)式の最大値(17.5mm)と
して、大きさのマージンを12mm、非走査方向の傾斜
むらの補正量(図9のX方向への移動量Δ/4)を4m
m、走査方向の駆動量のマージンを1.7mmとしてい
る。
【0103】 走査方向の幅=8・4/1.5+10.8・2+17.5・2+12(マージン) =90(mm) …(10) 非走査方向の幅=25・4/1.5+17.5+4(傾斜補正量)+12(マージン) =100(mm) …(11) 走査方向の駆動ストローク=±(17.5+10.8+1.7(マージン)) =±30(mm)(±は凹凸分) …(12) なお、上記の実施の形態では、例えば定期的に図1の照
度計測部42を用いて非走査方向の照度むらを計測し、
この計測結果を補正するように照度むら補正板23A,
23B及びラフ照度むら補正板24を駆動していた。こ
の他の動作として、例えば同じ種類の別の投影露光装置
において、タイマにより計測した稼働時間と照度むらの
変化量との関係を計測しておき、その関係を本例の投影
露光装置の主制御系22の記憶部にテーブルとして記憶
しておいてもよい。この場合には、稼働時間に応じてそ
のテーブルを用いて照度むらの状態を予測し、この予測
される照度むらを補正するように照度むら補正板23
A,23B及びラフ照度むら補正板24を駆動すること
によって、照度計測部42を用いる照度分布の計測動作
を省略することができ、露光工程のスループットが向上
する。
【0104】次に、上記の実施の形態の照度むら補正板
23A,23Bの種々の変形例につき説明する。図10
は、第1の変形例の照度むら補正板23C,23Dを図
8(a)の照度むら補正板23A,23Bに対応させて
示し、この図10において、第1照度むら補正板23C
には、2組の凸の照度むら補正用の遮光ライン群28A
及び2組の凹の照度むら補正用の遮光ライン群29Aが
並列に形成され、第2照度むら補正板23Dには、2組
の遮光ライン群28B及び2組の遮光ライン群29Bが
並列に形成されている。即ち、照度むら補正板23C,
23Dには図8の照度むら補正板23A,23Bに対し
て倍の面積で遮光ライン群が形成されている。この場合
には、1枚の照度むら補正板23C(又は23D)の遮
光ライン群28A,29A(又は28B,29B)で、
固定ブラインド17の開口17aの像(照明領域35)
の全域を覆うことができる。
【0105】この変形例では、図10に示すように、例
えば照度むら補正板23Cの遮光ライン群28Aと、照
度むら補正板23Dの遮光ライン群28Bとが開口17
aの像の中に走査方向に交互に配列されるように、照度
むら補正板23C,23Dを駆動する。この結果、図8
の場合に比べて遮光面積を2倍にすることができ、凸及
び凹の照度むら、並びに傾斜むらを図8の例の2倍の広
いレンジで補正することができる。但し、図10の例で
は照度むら補正板23C,23Dの走査方向の駆動量が
約2倍になるため、投影露光装置の小型化を優先したい
場合には、図8の例を使用すればよい。
【0106】なお、図10のように遮光ライン群28
A,29Aの面積を広くする代わりに、遮光ライン群2
8A,29A中の遮光ライン26,27の間隔を徐々に
狭くしたり、又は遮光ライン26,27の最大の線幅を
徐々に太くしたりすることによって、照度むらの補正レ
ンジを広くしてもよい。また、本例の遮光ライン26,
27は非走査方向の位置に関して2次関数の形で線幅が
変化する形状であるが、位置に関して3次以上の関数、
又は指数関数等の形で線幅が変化する形状であってもよ
い。更には、図15(a),図15(b)に示すよう
に、照度計測部42を用いて実際に計測された照度分布
E(X)のばらつきを補正するように遮光ライン26,
27の形状を決定してもよい。また、本例の投影露光装
置の稼働の途中で、照度むら補正板23A,23Bと、
そのように実測された照度むらを補正するような特別な
遮光ラインの形成された照度むら補正板とを交換できる
ように構成してもよい。これによって、予測できないよ
うな不規則な照度むらの発生に対しても対応することが
できる。
【0107】特にこの手法は、レチクルパターンの非走
査方向の透過率の違いにより生ずる短期の照度むら変動
の補正に効果的であり、実際の運用に際しては、各投影
光学系に特有の変動特性に応じて、その照度むら補正板
を交換、又は切り換えて使用すればよい。更に、照度む
ら補正板23A,23Bを交換する代わりに、積算露光
量分布を制御するために非走査方向の幅が異なる特性で
次第に変化する開口を有する複数の固定ブラインド(変
形した開口を持つ固定ブラインド)を用意しておき、こ
れらの固定ブラインドで固定ブラインド17を交換する
ようにしてもよい。或いは、レチクル面との共役面、又
はその面からデフォーカスした面でその変形した開口を
持つ固定ブラインドに相当する専用のむら補正板の挿脱
又は交換によって、不規則な照度むらを補正するように
してもよい。
【0108】また、今回は主に非走査方向の照度むらの
補正を目的として、遮光ライン群28A,29Aを、非
走査方向に回折光や散乱光が発生しない様な遮光ライン
より構成したため、静止露光を行う場合には走査方向に
対して照度むらが残存する恐れがある。そこで、上記の
実施の形態の照度むらの補正方法を静止露光型(一括露
光型)の投影露光装置(ステッパー等)に適用する場合
には、照度むら補正板23A,23Bの代わりに、多数
の遮光性のドットパターンがX方向及びY方向に独立な
密度分布で形成された照度むら補正板を使用し、露光領
域の全面で照度むらを相殺するようにその多数の遮光ド
ットパターンの密度分布を制御すればよい。但し、ドッ
トパターンの大きさ、間隔等によっては2方向にスペッ
クル等が発生する恐れもあるため、スペックル等を抑制
するような設計が必要である。このように多数の遮光性
のドットパターンがX方向及びY方向に独立の密度分布
で形成された照度むら補正板は、走査露光型の露光装置
にも適用できることは言うまでもない。
【0109】図11(a)は、第2の変形例の照度むら
補正板を示し、この図11(a)において、不図示の2
枚の透過性の基板に非走査方向(X方向)に次第に線幅
が変化する凹の照度むら補正用の遮光ライン64A及び
64Bが描画され、遮光ライン64A,64B(不図示
の基板)はレチクル上の照明領域35に対して独立にX
方向に連続的に駆動できるように構成されている。本変
形例では、非走査方向の凹の照度むらを補正するため
に、照度むらの程度が高くなるのに応じて図11
(b)、図11(c)に示すように、次第に遮光ライン
64A,64BをX方向の内側に移動する。このように
照明領域35に対して2つの遮光ライン64A,64B
を中心非対称に配置することによって、凹の照度むらと
共にテレセンずれをも連続的に補正することができる。
【0110】更に、図11(d)に示すように凸の照度
むら補正用の遮光ライン65をX方向に移動自在に配置
し、この遮光ライン65を上記の凹の照度むら補正用の
遮光ライン64A,64Bと組み合わせることによっ
て、種々の特性の照度むら、及びテレセンずれを補正す
ることができる。図12は、第3の変形例の遮光ライン
を示し、図12(a)は図8の実施の形態で使用されて
いる遮光ライン26であり、図12(b)はその遮光ラ
イン26と実質的に同じ遮光特性を有するように、微少
な多数の遮光膜よりなる同一のドットパターンを非走査
方向に対して例えばほぼ2次関数的に変化する密度分布
で描画した遮光パターン66である。この遮光パターン
66は、遮光ライン26の代わりに使用することができ
る。これによって、静止露光時の照度むらを更に低減す
ることができる。
【0111】また、遮光パターン66は、レチクル上の
照明領域内でスペックルパターンの発生による照度むら
が生じないように、隣接する各ドットパターンの間隔は
できるだけランダムになるように設定されている。な
お、同一の多数のドットパターンの密度分布を制御する
代わりに、大きさや形状の異なる多数のドットパターン
をほぼ同じ数の密度で配置してもよく、濃度(透過率)
の異なる多数のドットパターンをほぼ同じ数の密度で配
置してもよい。濃度(透過率)を変えるためには、例え
ば遮光膜としてのクロム膜の厚さを変えればよい。
【0112】次に、本発明の実施の形態の他の例につき
図13、及び図14を参照して説明する。上記の実施の
形態では、ウエハW上の各点に対して整数パルスで露光
するという(1)式の条件を満たすために、図2の固定
ブラインド17の開口17aの形状は走査方向の幅が一
定の矩形領域である。それに対して本例の固定ブライン
ド17には、図13(a)に示すように、予め計測され
る非走査方向の照度むらを相殺するように走査方向SD
の幅が変化する開口17bが形成されている。
【0113】図13(b)の台形状の折れ線67は、図
13(a)の開口17bのウエハ上への投影像である露
光領域の、非走査方向の或る位置Xでの走査方向(Y方
向)の照度分布F(Y)を示し、この図13(b)にお
いて、本例でも最大の照度F1に対して照度がF1/2
となる位置の走査方向の幅(スリット幅)D(X)が、
位置Xでの露光領域の幅である。固定ブラインド17の
開口が点線で示す矩形の開口17aである場合には、ス
リット幅は位置Xに依らずに一定であるが、本例のスリ
ット幅D(X)は位置Xによって変化する。この条件下
で、ウエハ上の各点で(1)式の整数パルスで露光する
条件を実質的に満たすために、本例では図13(b)の
台形状の照度分布F(Y)の傾斜部の走査方向の幅DE
が、位置Xに依らずに実質的に一定であることに着目す
る。そして、その幅DEに対して、整数パルスで露光す
るという条件を課すこととする。即ち、ウエハW上の各
点が走査方向に幅DEだけ移動する間に、その各点に対
して共通の整数パルスで露光が行われるようにする。
【0114】図14は、本例の走査露光時のパルス発光
のタイミングの一例及び比較例を示し、先ず図14
(a)の折れ線67Aは、図2の実施の形態のようにス
リット幅が非走査方向に一定の場合の露光領域の走査方
向の照度分布を示し、図14(a)の照度分布で走査露
光を行う場合には、例えばウエハ上の所定の1点がほぼ
等間隔でY方向の位置68に達する毎に露光光のパルス
発光が行われる。
【0115】これに対して、図14(b)の折れ線67
Bは、本例の図13(b)のようにスリット幅が非走査
方向に変化する場合の或る位置Xでの露光領域の走査方
向の照度分布を示す。この図14(b)の照度分布で走
査露光を行う場合には、折れ線67Bの台形状の照度分
布の傾斜部67Ba及び67Bbをウエハ上の各点が通
過する間にそれぞれ整数パルスで露光が行われるように
する。具体的に、ウエハ上の所定の1点がほぼ等間隔で
Y方向の位置69に達する毎に露光光のパルス発光が行
われる。これによって、台形状の照度分布の立ち上がり
の傾斜部67Baと立ち下がりの傾斜部67Bbとで同
じパルス数(図14(b)では5個)の露光が行われる
ようになり、積算露光量分布が均一化される。
【0116】このように台形状の照度分布の幅DEの傾
斜部で露光パルス数を整数にする方法としては、(A)
図1のウエハステージ39の走査速度を変える方法、
(B)露光光源1のパルス発光周波数を変える方法、
(C)図14(b)の台形状の照度分布の傾斜部の幅D
Eを変える方法等が考えられる。これらの方法の内で、
(A)のように走査速度を変える方法はスループットが
低下する場合があり、(C)の方法は、変形照明等を行
う際には照度分布の傾斜部の幅が変化するために、使用
が困難になる場合があることから、(B)のパルス発光
周波数を変える方法が最も実用的であると考えられる。
【0117】なお、上記の実施の形態では、照度むらと
テレセンずれ量との両方を補正するものとしたが、どち
らか一方を補正するのみでもよい。更に、テレセンずれ
量ではその成分をX方向とY方向とに分けて、どちらか
一方のみを補正するようにしてもよいことがある。ま
た、上記の実施の形態では、オプティカル・インテグレ
ータとしてフライアイレンズ6,9が使用されている
が、オプティカル・インテグレータとして内面反射型イ
ンテグレータ(ロッドインテグレータ)を使用する場合
も本発明が適用できることは明きらかである。更に、上
記の実施の形態では2段のフライアイレンズ6,9を用
いるいわゆるダブル・フライアイ方式の照明光学系IL
Sが使用されているが、1段のオプティカル・インテグ
レータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ等)
のみを用いる照明光学系を用いる場合にも本発明を適用
することができる。更に、変形照明だけでなく、通常照
明や小σ値の照明などでも、前述の回折光学素子(DO
E)をオプティカル・インテグレータとして用いてもよ
い。勿論この場合、複数の回折光学素子を用意して照明
条件に応じてその交換を行うことが望ましい。
【0118】また、上記の実施の形態において投影光学
系PLは、物体面(レチクル面)と像面(ウエハ面)と
の間で少なくとも1回レチクルパターンの中間像を形成
するものであってもよい。この場合には、その中間像面
から所定間隔だけデフォーカスさせてラフ照度むら補正
板24と、照度むら補正板23A,23Bとの少なくと
も一方を配置してもよい。更にこれに加えて、或いは単
独で可動ブラインド13と固定ブラインド17との少な
くとも一方をその中間像面、又はこれから所定間隔だけ
デフォーカスさせた面に配置してもよい。
【0119】また、上記の実施の形態は、本発明を走査
露光方式の投影露光装置に適用したものであるが、本発
明は投影系を用いないプロキシミティ方式等の露光装置
にも適用することができる。また、露光光(露光ビー
ム)は上記の紫外光に限られるものではなく、例えばレ
ーザプラズマ光源又はSOR(Synchrotron Orbital Ra
diation)リングから発生する軟X線領域(波長5〜50
nm)のEUV光を用いてもよい。EUV露光装置で
は、照明光学系及び投影光学系はそれぞれ複数の反射光
学素子のみから構成され、前述したラフ照度むら補正板
や照度むら補正板等も反射型となる。
【0120】そして、図1のウエハWより半導体デバイ
スが製造できる。その半導体デバイスは、デバイスの機
能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいた
レチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハ
を制作するステップ、前述した実施の形態の投影露光装
置によりレチクルのパターンをウエハに露光するステッ
プ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボン
ディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ
等を経て製造される。
【0121】なお、露光装置の用途としては半導体素子
製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型
のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくは
プラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装
置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン、又は薄
膜磁気ヘッド等の各種デバイスを製造するための露光装
置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイス
のマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、
レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する
際の、露光工程(露光装置)にも適用することができ
る。
【0122】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。例えば、特開平7−1423
13号公報及び対応するEP0,633,506A1に
開示された固定ブラインドの開口形状を、本発明と併せ
て利用してもよい。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、走査露光方式で露光を
行う場合に、露光ビームに対する非走査方向への透過率
分布を制御できるため、走査露光後の基板(ウエハ)上
での積算露光量分布の均一性、又は露光ビーム(露光
光)のテレセントリシティを高めることができる。従っ
て、高機能のデバイスを高い歩留りで量産することがで
きる。
【0124】また、更に露光ビームの露光領域の走査方
向の幅を、その基板上の点がその露光領域を通過する間
にその露光ビームが実質的に整数パルスで照射されるよ
うに定めた場合には、露光ビームとしてパルス光を使用
して走査露光を行う場合に、基板上での積算露光量の均
一性を高めることができる。また、本発明によれば、露
光ビームの光路上で光学部材の透過率変動(反射率変動
も含む)が生じても、その変動量を相殺するように透過
率を制御することによって容易に、基板上での走査露光
後の積算露光量の均一性、又は露光ビームのテレセント
リシティを高めることができる。
【0125】また、本発明の第2の露光方法によれば、
例えば基板上の露光領域の幅を非走査方向に次第に変化
させて積算露光量の分布を制御する場合に、その基板上
の各点に実質的に整数パルス分の露光を行うという条件
を満たすことができ、積算露光量分布の均一性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の投影露光装置を
示す一部を切り欠いた正面図である。
【図2】 図1中の照度むら補正板23A,23B及び
固定ブラインド17を示す平面図である。
【図3】 (a)は図1中の照度むら補正板23A,2
3B及び固定ブラインド17のデフォーカスの状態を示
す図、(b)は積算露光量分布の一例を示す図である。
【図4】 (a)は図2の照度むら補正板23Bを示す
平面図、(b)は図4(a)中の遮光ライン27を幅方
向に拡大した図、(c)は図4(a)中の遮光ライン2
6を幅方向に拡大した図である。
【図5】 図1中のラフ照度むら補正板24を示す図で
ある。
【図6】 図1中の駆動機構20の一部の構成例を示す
図である。
【図7】 (a)は図2の照度むら補正板23A,23
Bを固定ブラインド17の開口17aに対して遮光ライ
ン群が投影されないように位置決めした状態を示す図、
(b)は図7(a)に対応するウエハ上での照度むらの
例を示す図である。
【図8】 (a)は図2の照度むら補正板23A,23
Bを固定ブラインド17の開口17aに対して走査方向
に駆動した状態を示す図、(b)は図8(a)に対応す
るウエハ上での照度むらの例を示す図である。
【図9】 (a)は図2の照度むら補正板23A,23
Bを固定ブラインド17の開口17aに対して走査方向
及び非走査方向に駆動した状態を示す図、(b)は図9
(a)に対応するウエハ上での照度むらの例を示す図で
ある。
【図10】 第1の変形例の照度むら補正板23C,2
3Dを固定ブラインド17に対して位置決めした状態を
示す図である。
【図11】 第2の変形例の遮光ライン及びその動作を
示す図である。
【図12】 (a)は図2の実施の形態の遮光ライン2
6を示す拡大図、(b)は第3の変形例の多数のドット
パターンよりなる遮光パターン66を示す拡大図であ
る。
【図13】 (a)は本発明の実施の形態の他の例の固
定ブラインド17の開口17bを示す図、(b)はそれ
に対応するウエハ上の露光領域の照度分布を示す図であ
る。
【図14】 (a)は図2の実施の形態におけるパルス
発光のタイミングの一例を示す図、(b)は図13の実
施の形態におけるパルス発光のタイミングの一例を示す
図である。
【図15】 本発明の実施の形態における、露光領域の
非走査方向の照度分布の計測方法の一例の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…露光光源、5…ビーム成形系、6…第1フライアイ
レンズ、9…第2フライアイレンズ、10…開口絞り
板、13…可動ブラインド、17…固定ブラインド、R
…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、19…イ
ンテグレータセンサ、20…駆動機構、21…露光制御
ユニット、22…主制御系、23A,23B…照度むら
補正板、24…ラフ照度むら補正板、26…凸の遮光ラ
イン、27…凹の遮光ライン、28A,28B…凸の照
度むら補正用の遮光ライン群、29A,29B…凹の照
度むら補正用の遮光ライン群、31…レチクルステー
ジ、39…ウエハステージ、42…照度計測部、46…
空間像計測系

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光ビームでマスクを照明して基板をマ
    スクを介した露光ビームで走査することにより基板を露
    光する露光方法であって、 前記基板までの前記露光ビームの光路上で、前記基板の
    走査方向に交差する非走査方向における前記露光ビーム
    に対する透過率分布を制御すること;及び前記マスクと
    基板とを露光ビームに対して同期移動して、基板を、前
    記制御された透過率分布を有する露光ビームで走査する
    こと;を含む露光方法。
  2. 【請求項2】 前記露光ビームはパルス光であり、 前記露光ビームの前記基板上での露光領域の前記基板の
    走査方向の幅は、前記基板上の露光対象の点が前記露光
    領域を通過する間に前記露光対象の点に対して前記露光
    ビームが実質的に整数個のパルスで照射されるように定
    められている請求項1に記載の露光方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのオプティカル・インテ
    グレータを介して前記露光ビームの照度分布の均一性を
    高めた後に、前記露光ビームに対する透過率分布を制御
    する請求項1に記載の露光方法。
  4. 【請求項4】 前記露光ビームに対する前記非走査方向
    における透過率分布を制御して、前記基板に対する前記
    露光ビームの前記非走査方向における照度むらを補正す
    る請求項1に記載の露光方法。
  5. 【請求項5】 更に、前記露光ビームに対する前記走査
    方向における透過率分布を制御することによって、前記
    露光ビームの前記マスク又は前記基板に対するテレセン
    トリシティの崩れ量を補正することを含む請求項1に記
    載の露光方法。
  6. 【請求項6】 前記マスクのパターン面、又はこの面の
    共役面に対してそれぞれ所定間隔だけデフォーカスした
    領域において、前記露光ビームを、前記基板の非走査方
    向に対して可変の透過率分布を有する透過率分布制御部
    材で部分的に遮光する請求項1に記載の露光方法。
  7. 【請求項7】 前記透過率分布制御部材は、少なくとも
    1本の遮光ライン、又は前記非走査方向に対して密度若
    しくは大きさの変化する微細なドットパターンの集合体
    を有する請求項6に記載の露光方法。
  8. 【請求項8】 前記透過率分布制御部材は、前記基板の
    非走査方向に沿って所定の分布で遮光面積が変化する第
    1組の複数の遮光ラインと、該第1組の遮光ラインと実
    質的に同一形状の第2組の複数の遮光ラインとを備え、 前記第1組の遮光ラインと前記第2組の遮光ラインとを
    前記露光ビームの光路に対して前記基板の走査方向に沿
    って実質的に対称に挿入することにより、露光ビームに
    対する前記非走査方向における透過率分布を制御する請
    求項6に記載の露光方法。
  9. 【請求項9】 更に、前記第1組及び第2組の複数の遮
    光ラインをそれぞれ前記基板の非走査方向に沿って移動
    することにより、露光ビームに対する前記非走査方向に
    おける透過率分布を制御する請求項8に記載の露光方
    法。
  10. 【請求項10】 前記第1組の複数の遮光ラインは、前
    記基板の走査方向に沿って次第に変化するピッチで配列
    されている請求項8に記載の露光方法。
  11. 【請求項11】 前記露光ビームはパルス光であり、 前記露光ビームのパルス発光の各周期の間に前記基板が
    移動する間隔を前記第1組の複数の遮光ラインの位置で
    の間隔に換算した長さに対して、前記第1組の複数の遮
    光ライン間のピッチがそれぞれ異なる請求項8に記載の
    露光方法。
  12. 【請求項12】 前記透過率分布制御部材は、前記第1
    組及び第2組の複数の遮光ラインよりも前記基板の非走
    査方向に沿った遮光面積の変化量が大きい第3組の複数
    の遮光ラインを更に備え、 前記露光ビームの前記非走査方向に対する照度むらを大
    まかに補正するために、前記第3組の複数の遮光ライン
    を前記露光ビームの光路に対して前記基板の走査方向及
    び非走査方向の少なくとも一方に沿って挿入する請求項
    8に記載の露光方法。
  13. 【請求項13】 前記露光ビームによる前記マスクの照
    明条件の変更に応じて、前記透過率分布を調整すること
    を特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  14. 【請求項14】 露光ビームでマスクを照明して基板を
    マスクを介した露光ビームで走査することにより基板を
    露光する露光方法であって、 前記基板面又はその近傍で露光ビームの照度むらを計測
    すること;前記基板までの前記露光ビームの光路上で、
    前記基板の走査方向に交差する非走査方向における前記
    露光ビームの照度分布を制御して該計測した照度むらを
    補正すること;及び前記マスクと基板とを露光ビームに
    対して同期移動して、基板を、前記照度むらが補正され
    た露光ビームで走査すること;を含む露光方法。
  15. 【請求項15】 露光ビームがパルス状のビームであ
    り、前記マスクのパターン面、又はこの面の共役面に対
    してそれぞれ所定間隔だけデフォーカスした領域におい
    て、前記基板の非走査方向において所定の透過率分布を
    有するプレートを露光ビームの光路に挿入することで照
    度分布を制御する請求項14に記載の露光方法。
  16. 【請求項16】 前記プレートには、非走査方向に延在
    し且つ非走査方向に沿って異なる遮光面積を有する遮光
    パターンが形成されており、前記プレートを露光ビーム
    の光路中で変位させることにより、照度分布を制御する
    請求項15に記載の露光方法。
  17. 【請求項17】 更に、照度むらと前記プレートの移動
    量による照度むら補正量との関係を予め求めておくこと
    を含む請求項16に記載の露光方法。
  18. 【請求項18】 照度むらが露光ビームに対して非走査
    方向において非対称である場合に、前記プレートを露光
    ビームの光路内で非走査方向に変位させることで傾斜む
    らを補正する請求項16に記載の露光方法。
  19. 【請求項19】 更に、テレセントリシティのずれを求
    め、テレセントリシティのずれを露光ビームの光路内で
    前記プレートを変位させることにより補正することを含
    む請求項16に記載の露光方法。
  20. 【請求項20】 前記プレートが、同一の遮光パターン
    を有し且つそれらの遮光パターンが逆向きになるように
    互いに対向して配置された第1及び第2補正プレートを
    有し、第1及び第2補正プレートを露光ビームの光路内
    で互いに異なる量だけ変位させることによりテレセント
    リシティのずれを補正することを含む請求項19に記載
    の露光方法。
  21. 【請求項21】 前記プレートは、前記プレートに形成
    されたパターンの像がマスクのパターン面の共役面上で
    デフォーカスされる位置に配置され、そのデフォーカス
    量δZは、前記プレート上での露光光の開口数NA及び
    前記遮光パターンの走査方向の最大線幅FDに対して δZ>FD/(2・NA) の関係を満足する請求項16に記載の露光方法。
  22. 【請求項22】 露光ビームでマスクを照明し、前記マ
    スクと基板とを同期走査して、前記マスクのパターンを
    介して前記基板を露光する露光装置であって、 前記露光ビームを発生する露光光源と;前記マスクのパ
    ターン面、又はこの面の共役面に対してそれぞれ所定間
    隔だけデフォーカスした領域に配置されて、前記露光ビ
    ームを、前記基板の走査方向に交差する非走査方向に対
    して可変の透過率分布で部分的に遮光する透過率分布制
    御部材と;前記露光ビームに対する前記非走査方向にお
    ける透過率分布を制御するために、前記透過率分布制御
    部材を駆動する駆動装置と;を含む露光装置。
  23. 【請求項23】 前記露光光源はパルス光源であり、 前記マスクのパターン面、又はこの面の共役面に対して
    それぞれ前記透過率分布制御部材のデフォーカス量より
    も少ない量だけデフォーカスした面に配置された固定の
    視野絞りを備え、 該視野絞りの前記基板の走査方向に対応する方向の幅
    は、前記基板上の露光対象の点が前記視野絞りの像を通
    過する間に前記露光対象の点に対して前記露光ビームが
    実質的に整数パルスで照射されるように定められている
    請求項22に記載の露光装置。
  24. 【請求項24】 更に、前記露光光源と前記透過率分布
    制御部材との間に少なくともつのオプティカル・インテ
    グレータを備える請求項22に記載の露光装置。
  25. 【請求項25】 前記透過率分布制御部材は、前記基板
    の非走査方向に沿って次第に遮光面積が変化する少なく
    とも1本の遮光ライン、又は前記非走査方向に対して密
    度若しくは大きさの変化する微細なドットパターンの集
    合体を有することを特徴とする請求項22に記載の露光
    装置。
  26. 【請求項26】 前記透過率分布制御部材は、前記基板
    の非走査方向に沿って次第に遮光面積が変化する第1組
    の複数の遮光ラインと、該第1組の遮光ラインと実質的
    に同一の形状の第2組の複数の遮光ラインとを備え、 前記駆動装置は、前記第1組の遮光ラインと前記第2組
    の遮光ラインとを前記露光ビームの光路に対して前記基
    板の走査方向に沿って実質的に対称に挿入することによ
    り、露光ビームに対する透過率の前記非走査方向への分
    布を変更する請求項22に記載の露光装置。
  27. 【請求項27】 前記駆動装置は、前記第1組及び前記
    第2組の遮光ラインを前記露光ビームの光路に対して前
    記基板の非走査方向に沿って一体的に、又は互いに独立
    に移動させることにより、露光ビームに対する透過率の
    前記非走査方向への分布を変更する請求項26に記載の
    露光装置。
  28. 【請求項28】 前記駆動装置は、更に前記露光ビーム
    の前記マスク又は前記基板に対するテレセントリシティ
    のずれ量を補正するために、前記透過率分布制御部材を
    走査方向に駆動する請求項22に記載の露光装置。
  29. 【請求項29】 前記透過率分布制御部材は、前記第1
    組及び第2組の複数の遮光ラインよりも前記基板の非走
    査方向に沿った遮光面積の変化量が大きい第3組の複数
    の遮光ラインを更に備える請求項27に記載の露光装
    置。
  30. 【請求項30】 露光ビームでマスクを照明し、前記マ
    スクと基板とを同期走査して、前記マスクのパターンを
    介して前記基板を露光する露光装置であって、 前記基板の走査方向に交差する非走査方向における前記
    露光ビームの照度むらを計測する計測器と;非走査方向
    における露光ビームの照度分布を調整する遮光パターン
    を有する遮光プレートと;前記遮光プレートを駆動する
    駆動装置と;前記照度むらが補正されるように駆動装置
    を制御して遮光プレートを露光ビームの光路内で変位さ
    せる制御装置と;を含む露光装置。
  31. 【請求項31】 更に、露光光源を備え、該露光光源は
    10kHz未満の発振周波数のパルスビームを発生する
    請求項30に記載の露光装置。
  32. 【請求項32】 前記遮光プレートには、非走査方向に
    延在し且つ非走査方向に沿って異なる遮光面積を有する
    遮光パターンが形成されている請求項30に記載の露光
    装置。
  33. 【請求項33】 更に、予め求めた照度むらと前記遮光
    プレートの駆動量による照度むら補正量との関係を記憶
    したメモリを備える請求項30に記載の露光装置。
  34. 【請求項34】 照度むらが露光ビームに対して非走査
    方向において非対称である場合に、前記駆動装置は前記
    遮光プレートを露光ビームの光路内で非走査方向に変位
    させる請求項32に記載の露光装置。
  35. 【請求項35】 更に、テレセントリシティ計測器を備
    える請求項30に記載の露光装置。
  36. 【請求項36】 前記遮光プレートが、同一の遮光パタ
    ーンを有し且つそれらの遮光パターンが逆向きになるよ
    うに互いに対向して配置された第1及び第2補正プレー
    トを有し、 前記駆動装置は前記第1及び第2補正プレートを露光ビ
    ームの光路内で互いに異なる量だけ変位させることによ
    りテレセントリシティのずれを補正することを含む請求
    項30に記載の露光装置。
  37. 【請求項37】 前記遮光プレートは、該遮光プレート
    に形成されたパターンの像がマスクのパターン面の共役
    面上でデフォーカスされる位置に配置され、そのデフォ
    ーカス量δZは、前記遮光プレート上での露光光の開口
    数NA及び前記遮光パターンの走査方向の最大線幅FD
    に対して δZ>FD/(2・NA) の関係を満足する請求項32に記載の露光装置。
  38. 【請求項38】 更に、タイマと、予め求めておいた露
    光装置の稼働時間と照度むらとの関係を記憶したメモリ
    とを備え、 前記制御装置は、前記タイマで計測された露光時間に応
    じて前記駆動装置を制御して照度むらを補正する請求項
    30に記載の露光装置。
  39. 【請求項39】 前記遮光プレートは、同一の遮光パタ
    ーンを有し且つそれらのパターンが逆向きになるように
    互いに対向して配置された第1及び第2補正プレート
    と、マスク共役面から前記第1及び第2補正プレートよ
    りも一層デフォーカスされる位置に配置され且つ前記第
    1及び第2補正プレートの遮光パターンよりも大きな遮
    光面積を有する遮光パターンが形成された第3補正プレ
    ートとを有する請求項30に記載の露光装置。
  40. 【請求項40】 前記駆動装置は、前記第1、第2及び
    第3補正プレートを保持して移動するスライダと、該ス
    ライダが係合するガイドと、前記スライダを移動させる
    モータとを備える請求項39に記載の露光装置。
  41. 【請求項41】 マスクに形成されたパターンを基板上
    に転写することによって基板を該パターンで露光する露
    光方法であって、 前記基板上での露光ビームの照度分布が前記基板の走査
    方向に対して台形状になるように、パルス状の露光ビー
    ムでマスクを照明すること;及び前記マスクと基板とを
    同期移動しながら基板を露光ビームで走査すること;を
    含み、 前記台形状の照度分布の傾斜部の幅が、前記露光ビーム
    のパルス発光の1周期の間に前記基板が走査方向に移動
    する距離の実質的に整数倍に設定されている露光方法。
  42. 【請求項42】 前記基板上の前記露光ビームによる露
    光領域の形状が、前記基板上での積算露光量分布に応じ
    て前記基板の走査方向に交差する非走査方向に対して幅
    が次第に変化するように設定されている請求項41に記
    載の露光方法。
  43. 【請求項43】 請求項1、14、又は41に記載の露
    光方法を用いてデバイスパターンをワークピース上に転
    写する工程を含むデバイス製造方法。
  44. 【請求項44】 露光ビームでマスクを照明すると共
    に、前記マスクを介して前記露光ビームで基板を露光す
    る露光装置であって、 前記基板との共役面に対してデフォーカスした領域に配
    置され、前記露光ビームを可変の透過率分布で部分的に
    遮光する照度補正部材と、 前記マスク又は前記基板に対する前記露光ビームのテレ
    セントリシティの崩れ量と照度むらとの少なくとも一方
    を補正するように、前記露光ビームの透過率分布を設定
    する制御装置とを備えた露光装置。
  45. 【請求項45】 パルス発振される露光ビームに対して
    マスクと基板とをそれぞれ相対移動して、前記マスクを
    介して前記露光ビームで前記基板を露光する露光方法で
    あって、 前記基板の走査方向における前記露光ビームの照度分布
    をほぼ台形状に設定すること;前記露光ビームの前記走
    査方向の幅を部分的に異ならせること;及び前記台形状
    の照度分布の傾斜部を前記基板上の露光対象の点が通過
    する間に前記露光対象の点に整数個の露光ビームが照射
    されるように前記基板の走査露光条件を設定することを
    含む露光方法。
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