JPH08300390A - 大型浄化槽の成形方法 - Google Patents

大型浄化槽の成形方法

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JPH08300390A
JPH08300390A JP10723695A JP10723695A JPH08300390A JP H08300390 A JPH08300390 A JP H08300390A JP 10723695 A JP10723695 A JP 10723695A JP 10723695 A JP10723695 A JP 10723695A JP H08300390 A JPH08300390 A JP H08300390A
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JP
Japan
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mold
manhole
opening
film
solution
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JP10723695A
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Inventor
Norio Iguchi
紀夫 井口
Kenko Yamada
建孔 山田
Katsuichi Henmi
勝一 逸見
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Teijin Metton KK
Original Assignee
Teijin Metton KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メタセシス重合性環状オレフィンの架橋重合
によって大型浄化槽の上槽部を成形するに当って、
(1)金型はマンホールの開口部にその開口部を塞ぐ重
合体の膜が形成されるような形状を有し、且つマンホー
ルの開口部に相当するコア金型に突出し機構が設置され
ており、(2)金型内において前記重合および架橋反応
が実質的に終了して後、金型を開き、前記突出し機構を
作動させてマンホールの開口部の膜を押し出して、その
際所望により気体を噴き出しながら成形物を離型させ、
次いで(3)得られた成形物のマンホールの開口部に形
成された膜を除去することを特徴とする大型浄化槽の成
形方法。 【効果】 金型からの離型が容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状オレフィンの架橋
重合体からなる大型浄化槽の上槽部を成形するのに際
し、金型から容易に該重合体成形品を脱型するための該
成形品の形状と金型の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、メタセシス重合触媒系(複分解触
媒ともいう)の触媒成分を含有するメタセシス重合性環
状オレフィンからなるモノマー液と活性化剤成分を含有
するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー
液とを混合し、金型内へ注入し、金型内で重合・架橋さ
せて架橋重合体成形品を製造する方法は知られている
(例えば特公平3−28451号公報参照)。
【0003】この反応射出形成法は、入手容易な原料モ
ノマーを使用しうること、モノマーの粘度が低く射出成
形の圧力が低いこと、重合・架橋反応が速く成形サイク
ルが短いこと、大型の成形品を比較的容易に得ることが
できることおよび成形品は剛性と耐衝撃性のバランスが
よいこと等の優れた利点を有している。ごく最近、該重
合体の成形品の優れた性能と成形性に着目し、大型浄化
槽に使用され始めた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】比較的平らな形状の該
重合体成形品の場合には、後述する溶液Aと溶液Bを混
合し、その混合液を金型内に注入し金型で重合および架
橋反応させて固化した該重合体成形品は、極めて容易に
金型から離型し、これを取り出すことができる。しか
し、大型浄化槽のごとく大きく、複雑な形状の上に深絞
りの形状を有する成形品の場合には、重合および架橋反
応が起った際に発生する収縮が原因の1つとなり、該重
合体成形品がコア金型に抱きついて離型せず、これを金
型から取り出すことが困難になる現象が発生する。
【0005】一方大型浄化槽は、通常水処理用の装置を
内部に置き、これを上槽部と下槽部で覆った形で作られ
る。この上槽部には、人が出入りして清浄や管理を行う
ためのマンホールが複数個設置されている。該重合体の
成形の観点からは、マンホール構造を有する上槽部の方
が離型が数段難しく、これを容易に離型させる優れた方
法の開発が望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意研究した結果、離型に際しマンホー
ル構造部分のコア金型への抱きつきが最も悪影響を及ぼ
すことが明らかになり、この部分の成形品の形状の工夫
とコア金型の突出し機構を組み合わせれば極めて容易に
離型できることを見出し、本発明に到達したものであ
る。
【0007】すなわち本発明は、メタセシス重合触媒系
の触媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィン
からなるモノマー液A(溶液A)とメタセシス重合触媒
系の活性化剤成分を含有するメタセシス重合性環状オレ
フィンからなるモノマー液B(溶液B)を混合し、その
原料混合液を金型内に注入し、その金型内において重合
および架橋反応せしめて大型浄化槽のマンホールを有す
る上槽部を成形するに際し、(1)金型はマンホールの
開口部にその開口部を塞ぐ重合体の膜が形成されるよう
な形状を有し、且つマンホールの開口部に相当するコア
金型に突出し機構が設置されており、(2)金型内にお
いて前記重合および架橋反応が実質的に終了して後、金
型を開き、前記突出し機構を作動させてマンホールの開
口部の膜を押し出して成形物を離型させ、次いで(3)
得られた成形物のマンホールの開口部に形成された膜を
除去することを特徴とする大型浄化槽の成形方法であ
る。
【0008】更に本発明によれば前記突出し機構の作動
と同時にその突出し機構の先端部近傍より気体を噴き出
しながらマンホールの開口部の膜を押し出して成形物を
離型させる成形方法も提供される。
【0009】以下、本発明について更に具体的に説明す
る。本発明の大型浄化槽の上槽部を構成する架橋重合体
を形成するためのメタセシス重合性環状オレフィンとし
ては、メタセシス重合性シクロアルケン基を分子中に1
〜2個含有するものが使用される。好ましくはノルボル
ネン骨格を分子中に少なくとも1つ有する化合物であ
る。これらの具体例としては、ジシクロペンタジエン、
トリシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メチル
シクロペンタジエン共二量体、5−エチリデンノルボル
ネン、ノルボルネナン、ノルボルナジエン、5−シクロ
ヘキセニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、6−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−ヘプタヒドロナフタ
レン、1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−ヘキサヒドロナフタレン、エチレンビス(5
−ノルボルネン)等を挙げることができ、これらの混合
物も使用することができる。特にジシクロペンタジエン
またはそれを50モル%以上、好ましくは70モル%以
上含む混合物が好適に用いられる。
【0010】また、必要に応じて、酸素、窒素等の異種
元素を含有する極性基を有するメタセシス重合性環状オ
レフィンを共重合モノマーとして用いることができる。
かかる共重合モノマーも、ノルボルネン構造単位を有す
るものが好ましく且つ極性基としてはエステル基、エー
テル基、シアノ基、N−置換イミド基、ハロゲン基等が
好ましい。かかる共重合モノマーの具体例としては、5
−メトキシカルボニルノルボルネン、5−(2−エチル
ヘキシロキシ)カルボニル−5−メチルノルボルネン、
5−フェニロキシメチルノルボルネン、5−シアノノル
ボルネン、6−シアノ−1,4,5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
N−ブチルナデック酸イミド、5−クロルノルボルネン
等を挙げることができる。
【0011】本発明におけるモノマー液A(溶液A)中
には、メタセシス重合触媒系の触媒成分が含有されてい
る。かかる触媒成分としては、タングステン、レニウ
ム、タンタル、モリブデン等の金属のハライド等の塩類
が用いられるが、特にタングステン化合物が好ましい。
かかるタングステン化合物としては、タングステンヘキ
サハライド、タングステンオキシハライド等が好まし
く、より具体的にはタングステンヘキサクロライド、タ
ングステンオキシクロライド等が好ましい。また、有機
アンモニウムタングステン酸塩等も用いることができ
る。かかるタングステン化合物は、直接モノマーに添加
すると、直ちにカチオン重合を開始することが分かって
おり好ましくない。従って、かかるタングステン化合物
は不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン、クロロベン
ゼン等に予め懸濁し、少量のアルコール系化合物および
/またはフェノール系化合物を添加することによって可
溶化させて使用するのが好ましい。更に上述した如き、
好ましくない重合を予防するためにタングステン化合物
1モルに対し、約1〜5モルのルイス塩基またはキレー
ト化剤を添加することが好ましい。かるか添加剤として
はアセチルアセトン、アセト酢酸アルキルエステル類、
テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル等を挙げることが
できる。極性モノマーを用いる場合には、前述の如く、
そのものがルイス塩基である場合があり、上記の如き化
合物を特に加えなくてもその作用を有している場合もあ
る。前述の如くして、触媒成分を含むモノマー液A(溶
液A)は、実質上充分な安定性を有することになる。
【0012】一方、本発明におけるモノマー液B(溶液
B)中には、メタセシス重合触媒系の活性化剤成分が含
有されている。この活性化剤成分は、周期律表第I〜第
III族の金属のアルキル化物を中心とする有機金属化
合物、特にテトラアルキル錫、アルキルアルミニウム化
合物、アルキルアルミニウムハライド化合物が好まし
く、具体的には塩化ジエチルアルミニウム、ジ塩化エチ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジオクチ
ルアルミニウムアイオダイド、テトラブチル錫等を挙げ
ることができる。これら活性化剤成分としての有機金属
化合物をモノマーに溶解することにより、モノマー液B
(溶液B)が形成される。
【0013】基本的には前記溶液Aおよび溶液Bを混合
し、金型内に注入することによって、目的とする架橋重
合体の成形品を得ることができるが、上記組成のままで
は、重合反応が非常に速く開始されるので、成形金型に
十分流れ込まない間に硬化が起こることもあり、度々問
題となる場合が多い。従って、活性調節剤を用いること
が好ましい。かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一
般に用いられ、なかんずく、エーテル類、エステル類、
ニトリル類等が用いられる。具体例としては安息香酸エ
チル、ブチルエーテル、ジグライム等を挙げることがで
きる。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合物の活性
化剤の成分の溶液(溶液B)の側に添加して用いられ
る。前述と同様にルイス塩基を有するモノマーを使用す
る場合には、それを調節剤の役目を兼ねさせることがで
きる。
【0014】メタセシス重合触媒系の使用量は、例えば
触媒成分としてタングステン化合物を用いる場合は、上
記原料モノマーに対するタングステン化合物の比率は、
モル基準で約1,000対1〜15,000対1、好まし
くは2,000対1の付近であり、また、活性化剤成分
はアルキルアルミニウム類を用いる場合には、上記原料
モノマーに対するアルミニウム化合物の比率は、モル基
準で約100対1〜10,000対1、好ましくは20
0対1〜500対1の付近が用いられる。更に上述した
如き、キレート剤や調節剤については、実験によって上
記触媒系の使用量に応じて、適宜調節して用いることが
できる。
【0015】以下、本発明の成形方法を図面により説明
する。図1は大型浄化槽の上槽部の一例を示し、図1の
(I)は上槽部の上面図、(II)は正面図、(II
I)は側面図を示す。図1の(I)は浄化槽の設置した
場合の上槽部を上部から見た図であり、図1の(I)に
はマンホールの開口部11、12および13の3個のマ
ンホール開口部が示されている。大型浄化槽には一般に
その上槽部にはマンホール開口部は3個設けられ、例え
ば浄化槽設置後、内部点検や内部清掃の目的で使用され
る。
【0016】本発明の成形方法では、離型性向上の目的
で、浄化槽の使用時には不要である重合体の膜をマンホ
ールの開口部にふたをするように塞いだ状態で成形時に
形成させる。この膜を形成するためには、通常コア金型
を必要な膜の厚みの分だけ削り、溶液Aと溶液Bの原料
混合液が目的の浄化槽を成形する際に、この部分に流れ
込むようにすればよい。その際、膜の厚みは0.3〜5.
0mm、好ましくは0.5〜3.0mmがよい。膜の厚み
が、この範囲よりも薄過ぎる場合には、突出し機構を作
動した時に弱過ぎて破れてしまい役に立たない。一方、
膜の厚みが厚過ぎる場合には、離型性の向上の目的には
特に問題はないが、成形後に不要部分として切りとる作
業が面倒であり、原料コストの面から好ましくない。
【0017】マンホールの開口部に前記膜を成形させる
場合、通常マンホールの全てに膜を形成させることが望
ましいが、その内のいくつかであってもよい。マンホー
ルの開口部の大きさは、大型浄化槽の場合人間がその中
に入って作業できる大きさであればよく、通常径が45
0〜700mmであるのが望ましい。また各マンホール
の開口部の大きさは必ずしも同じである必要はなく、1
個または2個は覗きながら作業できるような比較的小さ
な径(例えば100mm)のものであってもよい。開口
部の大きさは膜の大きさとほぼ一致している。
【0018】次に本発明の金型のコア金型における突出
し機構の一例について、図2により説明する。図2の
(I)は突出し機構が作動していない状態、つまり閉じ
た状態を示している。また図2の(II)は重合が実質
的に終了して後、成形品を離型させるために突出し機構
を作動させた状態を示す。図2の(I)および(II)
はいずれもマンホールの開口部に相当するコア金型の部
分における突出し機構の直角断面図である。
【0019】図2の(I)において、21は突出し棒で
ありその先端部は台形状に拡がった構造を有している。
その先端は面状であり、その面状部に膜25の形成面が
存在している。コア金型は23であり、22は突出し棒
21に設けられた溝である。また24はコア金型23と
突出し棒21との間の隙間である。26は突出し棒の先
端部の形状であり、円形であるが、他の形状であっても
よい。dはこの円形の直径を示す。27は突出し棒の本
体の断面形状であり、円形であるが、他の形状であって
もよい。
【0020】本発明において大型浄化槽の上槽部を成形
する場合、金型中に供給される溶液Aと溶液Bが比較的
低粘度であるので、この原料混合液の侵入を防止できる
程度に21と23の間の隙間24を十分小さくする必要
がある。この状態で原料混合液が金型内に注入された
後、重合および架橋反応が起り該重合体が固化してから
型開きを開始する。それと同時に突出し機構を作動させ
て図2のIIの状態にする。すなわち、突出し棒21を
押し出してマンホールの開口部に形成された膜をコア金
型面から離れるようにする。この時予め突出し棒21の
溝22に充満していた気体が開いた隙間24を通して金
型内に噴き込まれるようにするのが一層好ましい。
【0021】突出し機構を作動させるタイミングは、該
重合体成形品が突出し棒21によって押されて変形しな
い程度に固くなっており、また成形収縮によって該重合
体成形品がコア金型から抜けなくなる時点よりは早く動
かす。一般に大型浄化槽のマンホール部分の形状が複雑
であるため、突出し棒21のみを作動させた場合には形
成品とコア金型の間に気体(例えば空気)が入り込ま
ず、この間が減圧状態になり離型が困難であることがあ
る。しかしその場合、この減圧状態を破る手段として突
出し棒21に設けられた溝22を通して気体を噴きだし
ながら作動すると突出し機構は極めて有効である。この
際使用する気体の例として、空気、窒素ガス等が挙げら
れる。
【0022】その際気体の初期圧としては、0.3〜8
kg/cm2の範囲が適当である。あまりに低い圧力は
その効果が少ないので好ましくない。通常は空気を吹き
込み、最も入手容易な加圧空気はエアコンプレッサーで
作られるので、前記範囲が好ましい。また加圧窒素等を
吹き込むこともできる。圧力が高い方が効果が大きいが
配管や圧力調節弁等高度なものが必要となり実用性で問
題がある。
【0023】突出し機構は、マンホールの開口部の大き
さにもよるが、通常は各マンホール当り1個、必要なら
2個以上設けることができる。また突出し棒の先端部
は、前述したように面状であり、その面積は円形として
表した場合その直径(図2においてdに相当する)が3
0〜150mmの範囲が適当である。面状部の形状は、
円形、楕円形または矩形等どのような形状でもよい。面
状部の面積が前記範囲よりも小さ過ぎると、突出しの効
果が不充分となり、目的の成形品の脱型力を得るには、
多数個の突出し棒を取り付ける必要があり、そのために
金型工作が複雑となりまた部品の数も多くなり不経済で
ある。一方面積が大き過ぎると突出し効果は大きくなる
が装置と工作費用も高くなるので得策とは云えない。従
って、前記範囲の面積を先端部の面状部に有する突出し
棒を必要数金型に取り付けるのが有利である。
【0024】金型から取り出された成形品は、マンホー
ルの開口部の膜を除去する。この除去は切り取ることに
より容易に実施できる。なお、本発明の突出し機構は比
較的平面形状の多い浄化槽の下槽部のようなマンホール
を有さない形成品の成形および離型に対しても有効に適
用できる。本発明によって得られる該重合体成形品中に
は、実用に当ってその特性を改良または維持するために
更にその目的に応じた各種添加剤を配合することができ
る。かかる添加剤としては、充填剤、顔料、酸化防止
剤、光安定剤、難燃剤、高分子改良剤等がある。このよ
うな添加剤は、本発明の該重合体が成形されて後は添加
することが不可能であるから添加する場合には予め前述
した原料溶液に添加しておく必要がある。
【0025】その最も容易な方法としては、前記溶液A
および溶液Bのいずれかまたは両方に前もって添加して
おく方法を挙げることができるが、その場合、その液中
の反応性の強い触媒成分、活性化剤成分と実用上差支え
ある程度には反応せず、且つ重合を阻害しないものでな
くてはならない。どうしても、その反応が避け得ないも
のが共存しても、重合は実質的に阻害しないものの場合
は、モノマーと混合して、第三液を調製し、重合直前に
混合使用することもできる。また、重合触媒または活性
化剤を第三液とし、これを含まない溶液Aまたは溶液B
に上記添加物を添加する方法も考えられる。更に、固体
の充填剤の場合であって、両成分が混合されて、重合反
応を開始する直前あるいは重合しながら、その空隙を充
分に埋め得る形状の物については、成形型内に、充填し
ておくことも可能である。添加剤としての補強材または
充填剤は、曲げモジュラスを向上するのに効果がある。
かかるものとしては、ガラス繊維、雲母、カーボンブラ
ック、ウオラストナイト等を挙げることができる。これ
らを、いわゆるシランカップラー等によって表面処理し
たものを好適に使用できる。
【0026】また、本発明による成形物は、酸化防止剤
を添加しておくことが好ましく、そのため、フェノール
系またはアミン系の酸化防止剤を予め溶液中に加えてお
くことが望ましい。これら酸化防止剤の具体例として
は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、N,N'
−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
シンナメート)]メタン等が挙げられる。
【0027】また、本発明の成形物は、他の重合体を成
形時にモノマー溶液状態の時に添加しておいて得ること
ができる。かかる重合体添加剤としてはエラストマーの
添加が、成形物の耐衝撃性を高めることおよび溶液の粘
度を調節する上で効果がある。かかる目的に用いられる
エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレ
ントリブロックゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
トリブロックゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ブチルゴム、エチレンプロピレン−ジエンターポリマ
ー、ニトリルゴム等広範なエラストマーを挙げることが
できる。
【0028】本発明の架橋重合体を成形するために使用
される鋳型の材質としては、スチール、鋳造あるいは鍛
造のアルミニウム、亜鉛合金等の鋳造や溶射、ニッケル
や銅等の電鋳および樹脂等が挙げられる。また型の構造
は、成形時に型内に発生する圧力が数kg/cm2と他
の成形方法に比べて極めて低いので、簡単なもので十分
であり、従って他の成形方法の型に比べて安く作ること
ができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、実施例は説明のためのものであって、本発明はこれ
らに限定されるわけではない。実施例において使用され
た金型およびモノマー液は下記のとおりであった。(1)金型 図1に示す製品形状を盛り込んだアルミニウム型を使用
した。実施例における大型浄化槽の寸法は図1において
次のとおりであった。 a=2,420mm c=950mm b=1,250mm 製品の平均肉厚は4mmであった。マンホール開口部に
2mmの厚みで膜ができるようにコア金型を削り、膜を
作らない場合には2mmの厚みの鉄製スペーサーをセッ
トできるようにした。また、3個のマンホールの開口部
に相当する中央部に図2(I)において直径が80mm
の先端部を有する突出し機構をそれぞれ1個ずつ設け
た。
【0030】(2)モノマー液 [溶液Aの調製]六塩化タングステン28重量部を窒素
気流中下で乾燥トルエン80重量部に添加し、次いでt
−ブタノール1.3重量部7重量部に溶解した溶液を加
え1時間攪拌し、次いでノニルフェノール17重量部お
よびトルエン14重量部よりなる溶液を添加し5時間窒
素パージ下攪拌する。更にアセチルアセトン14重量部
を加える。副生する塩化水素ガスを追い出しながら窒素
パージ下に一晩攪拌を継続し、重合用触媒溶液を調製し
た。
【0031】次いで、精製ジシクロペンタジエン(純度
99.7重量%、以下同様)95重量部、精製エチリデ
ンノルボルネン(純度99.5重量%、以下同様)5重
量部よりなるモノマー混合物に対し、エチレン含有70
モル%のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ン共重合ゴム3重量部、酸化安定剤としてエタノックス
702を2重量部を加えた溶液に上記重合用触媒溶液を
タングステン含量が0.01M/1000重量部になる
ように加えて触媒成分を含有するモノマー液A(溶液
A)を調製した。
【0032】[溶液Bの調製]トリオクチルアルミニウ
ム85、ジオクチルアルミニウムアイオダイド15、ジ
グライム100のモル割合で混合調製した重合用活性化
剤混合溶液を、精製ジシクロペンタジエン95重量部、
精製エチリデンノルボルネン5重量部よりなるモノマー
混合物に対し、エチレン含有70モル%のエチレン−プ
ロピレン−エチリデンノルボルネン共重合ゴム3重量部
を溶解した溶液に、上記重合用活性化剤混合溶液をアル
ミニウム含量が0.03M/1000重量部になる割合
で添加し、活性化剤成分を含有するモノマー液B(溶液
B)を調製した。
【0033】実施例1〜2および比較例1〜2 (成形)前記図1のアルミニウム金型をキャビティ型9
0℃、コア型60℃に加熱し型を閉じた後、この中へR
IM成形機を利用してミキシングヘッド中で等量の溶液
Aと溶液Bを衝突混合し注入した。液注入充填後2.5
分で型を開き3.5分後に架橋重合体成形品を取り出し
た。このようにして図1に示した形状の成形品を作成し
た。
【0034】(3)成形時の離型性の結果 表1にマンホールの開口部に膜を作った場合と作らない
場合、突出し機構を作動させた場合と作動させなかった
場合、更に空気を噴き出した場合としない場合の色々の
組合せについて成形品の取り出し状況を示した。空気を
噴き出した場合その初期圧は5kg/cm2であった。
比較例1および2の場合、成形品を型の内側から手動に
より離型させることはできなかった。本発明の方法によ
る形成方法によれば、成形品が満足に離型し容易に取り
出せたことがわかる。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】大型浄化槽を成形し、金型から容易に離
型させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】大型浄化槽の上槽部を示すものであり図1の
(I)は上槽部の上面図、(II)は正面図、(II
I)は側面図を示す。
【図2】コア金型の突出し機構の直角断面図を示すもの
であり、図2の(I)は突出し機構が作動していない状
態を示し、図2の(II)は突出し機構を作動させた状
態を示す。
【符号の説明】
11 マンホールの開口部 12 マンホールの開口部 13 マンホールの開口部 14 リブ 21 突出し棒 22 溝 23 コア金型 24 隙間 25 膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有
    するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー
    液A(溶液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分
    を含有するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモ
    ノマー液B(溶液B)を混合し、その原料混合液を金型
    内に注入し、その金型内において重合および架橋反応せ
    しめて、大型浄化槽のマンホールを有する上槽部を成形
    するのに際し、(1)金型はマンホールの開口部にその
    開口部を塞ぐ重合体の膜が形成されるような形状を有
    し、且つマンホールの開口部に相当するコア金型に突出
    し機構が設置されており、(2)金型内において前記重
    合および架橋反応が実質的に終了して後、金型を開き、
    前記突出し機構を作動させてマンホールの開口部の膜を
    押し出して成形物を離型させ、次いで(3)得られた成
    形物のマンホールの開口部に形成された膜を除去するこ
    とを特徴とする大型浄化槽の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記突出し機構の作動と同様にその突出
    し機構の先端部近傍より気体を噴き出しながらマンホー
    ルの開口部の膜を押し出して成形物を離型させる請求項
    1記載の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006255608A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Fuji Clean Kogyo Kk 水処理装置
JP4494260B2 (ja) * 2005-03-17 2010-06-30 フジクリーン工業株式会社 水処理装置

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