JPH09131739A - 架橋重合体コンクリート型枠 - Google Patents

架橋重合体コンクリート型枠

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JPH09131739A
JPH09131739A JP7314922A JP31492295A JPH09131739A JP H09131739 A JPH09131739 A JP H09131739A JP 7314922 A JP7314922 A JP 7314922A JP 31492295 A JP31492295 A JP 31492295A JP H09131739 A JPH09131739 A JP H09131739A
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JP
Japan
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concrete
mold
liquid
formwork
additive
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JP7314922A
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English (en)
Inventor
Tadao Komoriya
尹男 小森谷
Zenichiro Endo
善一郎 遠藤
Eiji Yoshida
英次 吉田
Kenko Yamada
建孔 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Metton KK
Original Assignee
Teijin Metton KK
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Publication date
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Priority to US08/590,420 priority patent/US6117521A/en
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G9/00Forming or shuttering elements for general use
    • E04G9/02Forming boards or similar elements
    • E04G2009/028Forming boards or similar elements with reinforcing ribs on the underside

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来使われたことがなかった材料を使い、一
体成形されて、取扱い易く、軽量で多数回の繰返し使用
に対する耐久性にも優れており、かつ、打設されたコン
クリートの表面が平滑性に優れており、天然資源の保
護、熟練作業者不足への対応、市場が要求する種々の形
状と大きさへの対応、品質の均一性と軽量化などと共に
コンクリート表面との離型性に優れたコンクリート型枠
を提供する。 【解決手段】 環状オレフィンを金型内において重合お
よび架橋反応せしめることによって得られた、一体化さ
れた架橋重合体からつくられたコンクリート型枠であっ
て、該コンクリート型枠が少なくとも2つの異なる架橋
重合体相より形成され、コンクリートと接触するコンク
リート型枠表面を形成する架橋重合体相に、コンクリー
トとの離型性を改善する添加剤が含有されているように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状オレフィンの架橋
重合体より形成されるコンクリート型枠(以下単に“型
枠”と略称することがある)に関するものである。さら
に詳しくは、従来の建設用の木製型枠と同等もしくはそ
れ以上の性能を有し、放っても落下させたりしても破損
せず、耐久性があり軽量で且つコンクリートとの離型性
に優れた型枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、メタセシス重合触媒系(複分解触
媒系ともいう)の触媒成分を含有するメタセシス重合性
環状オレフィンからなるモノマー液と活性化剤成分を含
有するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマ
ー液とを混合し、金型内へ注入し、金型内で重合・架橋
して架橋重合体成形物を製造する方法は知られている
(例えば特公平3−28451号公報参照)。
【0003】この反応射出成形法は、入手容易な原料モ
ノマーを使用しうること、モノマーの粘度が低く射出成
形の圧力が低いこと、重合・架橋反応が速く成形サイク
ルが短いこと、大型の成形物を比較的容易に得ることが
できることおよび成形物は剛性と耐衝撃性のバランスが
よいことなどの優れた利点を有している。
【0004】一方、コンクリート型枠としては従来から
最も一般的に使われているものは木製の型枠であり、近
年プラスチック製の型枠も徐々に普及し始めている。
【0005】しかし、木製の型枠の材料は、熱帯雨林保
護の動きから最近は入手について困難が生じ始めてい
る。また、使用についても政府もしくは自治体が制限す
る動きが出ている。さらに木製の型枠は2〜3回の使用
で使い捨てられているのが現状である。
【0006】また、近年使われ始めてきたプラスチック
製の型枠については、ハンドレイアップ工法のFRPは
生産性および品質の均一性などの問題を抱えているこ
と、また射出成形法による熱可塑性樹脂の成形の場合に
は、大型の型枠を作るためには日本でも数少ない大型の
射出成形機が必要なこと、さらに種々の形状の型枠作り
に対応するには多種類の高価な金型を必要とすることと
いった問題がある。
【0007】このように、型枠として古くから一般に広
く使われている木材は市場環境の変化から対応が必要で
あり、徐々に使われ始めてきたプラスチックもそれぞれ
の課題があって種々の条件を満足する型枠は未だ提供さ
れていないのが現状である。
【0008】このような問題の解決として、本発明者ら
は先に複分解触媒系を使用して環状オレフィンを金型内
で重合および架橋反応せしめることによって得られた、
一体成形化された架橋重合体よりなるコンクリート型枠
を提案した。(例えば特開平7−108520号公報、
特開平7−132533号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる架橋重合体から
作製された型枠は、打設されるコンクリートの重量に耐
える剛性、作業者が容易に持ち運ぶことができる軽量
性、現場組立ての容易性、繰返し使用できる耐久性、廃
棄焼却処分時有害ガスを発生しない無公害性などを有し
ている。しかしながら、実際にこのような一体成形化さ
れた架橋重合体よりなるコンクリート型枠を使用したと
ころ、強度的な耐久性は全く問題ないものの、繰返し使
用したコンクリート型枠の表面上にコンクリート付着物
(以後このようなコンクリート付着物をノロと呼ぶこと
がある)が増大し、ノロの付着をそのままにしておくと
数回以上の使用においては、平滑で凹凸のない良好なコ
ンクリート表面を得ることができなくなること、また、
型枠を並べて使用する場合にその側面の隙間にノロが侵
入し、その付着によって更に該隙間が拡大され、それに
よってノロの付着が増大するサイクルが繰り返される結
果、型枠を並べて使用する際の寸法が建築設計の許容範
囲を超えてしまう場合があることが見出された。これに
対処するにはノロを削り落とす等の作業が必要である
が、このような作業は、通常、建設現場である建物の内
部では狭すぎるために外部に持ち出して実施せざるを得
ず、一般的に望ましくはなく、特に、高層ビルの建設に
おいては、型枠を1階から順次上階に向けて使用してい
くため、繰り返し使用の途中にノロの除去のために型枠
を建物の外に運び出すことは時間的、費用的観点から問
題が大きい。このため、ノロができるだけ付着しない型
枠の要求が強くなった。
【0010】かかるコンクリートとの離型性を改善する
ために、型枠の素材に種々の添加剤を添加することは既
に提案されている(例えば特開平6−114816号公
報参照)。しかしこの場合、添加剤を型枠素材に均一に
添加させており、この方法では素材のもつ優れた機械的
特性を低下させる場合があり、特に常温で液状の添加剤
を添加する場合、曲げ特性、引っ張り特性を大きく低下
させ、添加剤の添加量に制限がでるか、強度を上げるた
め型枠の厚さを増すことが必要となり、その結果型枠の
重量を重くしてしまうなどの問題が生じる場合があっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、複分解触
媒系を使用して環状オレフィンを金型内で重合および架
橋反応せしめることにより得られる架橋重合体よりなる
コンクリート型枠で、さらに繰り返し使用できるように
すべく鋭意検討した結果、該コンクリート型枠を少なく
とも2つの架橋重合体相からなる構成にし、かつコンク
リートと接触するコンクリート型枠表面を形成する架橋
重合体相に、コンクリートとの離型性を改善する添加剤
を含有させることで、該架橋重合体型枠の軽量化と耐久
性の高さに加えて、ノロの付着がなく繰り返し使用でき
ることを見出し本発明に到達したものである。
【0012】すなわち、本発明は、 1. メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有するメタ
セシス重合性環状オレフィンからなるモノマー液A(溶
液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分を含有す
るメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー液
B(溶液B)とを混合し、この混合液を金型内に注入し
その金型内において重合および架橋反応せしめることに
よって得られた、架橋重合体からつくられたコンクリー
ト型枠であって、該コンクリート型枠が(1)少なくと
も2つの異なる架橋重合体相より形成され、(2)コン
クリートと接触するコンクリート型枠表面を形成する架
橋重合体相に、コンクリートとの離型性を改善する添加
剤が含有されていることを特徴とするコンクリート型枠
および
【0013】2. コンクリートとの離型性を改善する
添加剤が常温で液状の添加剤であり、鉱油、液状パラフ
ィン、フタール酸エステル、脂肪族ニ塩基酸エステル、
グリコールエステル、シリコーン油のなかから選択され
ることを特徴とする上記1に記載のコンクリート型枠で
ある。
【0014】ここで、「コンクリートと接触するコンク
リート型枠表面」とは、型枠で作られた空間中に投入さ
れ硬化成形されるコンクリートが接触する型枠面(後述
の図1における裏面、すなわち平滑面4に相当)や、コ
ンクリートの投入の際に飛散、漏出したコンクリートが
接触する型枠面、すなわち、周囲の枠の表面(型枠自体
から見れば側面)や型枠裏面(後述の図1におけるリブ
のある面に相当)を指すが、それらの一部のみである場
合も含まれる。
【0015】以下、本発明についてさらに具体的に説明
する。
【0016】本発明のコンクリート型枠を構成する架橋
重合体を形成するためのメタセシス重合性環状オレフィ
ンとしては、メタセシス重合性シクロアルケン基を分子
中に1〜2個含有するものが使用される。好ましくはノ
ルボルネン骨格を分子中に少なくとも1つ有する化合物
である。これらの具体例としては、ジシクロペンタジエ
ン、トリシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メ
チルシクロペンタジエン共二重体、5−エチリデンノル
ボルネン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−シク
ロヘキセニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4,5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、6−エチリデン−1,4−メタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a
−ヘキサヒドロナフタレン、エチレンビス(5−ノルボ
ルネン)などが挙げることができ、またこれらの混合物
も使用することができる。特にジシクロペンタジエンま
たはそれを50モル%以上、好ましくは70モル%以上
含む混合物が好適に用いられる。
【0017】また、必要に応じて、酸素、窒素などの異
種元素を含有する極性基を有するメタセシス重合性環状
オレフィンを共重合モノマーとして用いることができ
る。
【0018】本発明におけるモノマー液A(溶液A)中
には、メタセシス重合触媒系の触媒成分が含有されてい
る。かかる触媒成分としては、タングステン、レニウ
ム、タンタル、モリブデンなどの金属のハライドなどの
塩類が用いられるが、特にタングステン化合物が好まし
い。かかるタングステン化合物としては、タングステン
ヘキサハライド、タングステンオキシハライドなどが好
ましく、より具体的にはタングステンヘキサクロライ
ド、タングステンオキシクロライドなどが好ましい。ま
た、有機アンモニウムタングステン酸塩なども用いるこ
とができる。かかるタングステン化合物は、直接モノマ
ーに添加すると、直ちにカチオン重合を開始することが
分かっており好ましくない。従って、かかるタングステ
ン化合物は不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン、ク
ロロベンゼンなどに予め懸濁し、少量のアルコール系化
合物および/またはフェノール系化合物を添加すること
によって可溶化させて使用するのが好ましい。さらに上
述した如き、好ましくない重合を予防するためにタング
ステン化合物1モルに対し、約1〜5モルのルイス塩基
またはキレート化剤を添加することが好ましい。かかる
添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢酸アルキル
エステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリルなど
を挙げることができる。極性モノマーを用いる場合に
は、前述の如く、そのものがルイス塩基である場合があ
り、上記の如き化合物を特に加えなくてもその作用を有
している場合もある。前述の如くして、触媒成分を含む
モノマー液A(溶液A)は、実質上充分な安定性を有す
ることになる。
【0019】一方、本発明におけるモノマー液B(溶液
B)中には、メタセシス重合触媒系の活性化剤成分が含
有されている。この活性化剤成分は周期律表第I〜第II
I族の金属のアルキル化物を中心とする有機金属化合
物、特にテトラアルキル錫、アルキルアルミニウム化合
物、アルキルアルミニウムハライド化合物が好ましく、
具体的には塩化ジエチルアルミニウム、ジ塩化エチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジオクチルア
ルミニウムアイオダイド、テトラブチル錫などを挙げる
ことができる。これら活性化剤成分としての有機金属化
合物を、モノマーに溶解することにより、モノマー液B
(溶液B)が形成される。
【0020】基本的には前記溶液Aおよび溶液Bを混合
し、金型内に注入することによって、目的とする架橋重
合体の成形物を得ることができるが、上記組成のままで
は、重合反応が非常に速く開始されるので、成形金型に
十分流れ込まない間に硬化が起こることもあり、問題と
なる場合が多い。従って、活性調節剤を用いることが好
ましい。かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一般に
用いられ、なかんずく、エーテル類、エステル類、ニト
リル類などが用いられる。具体例としては安息香酸エチ
ル、ブチルエーテル、ジグライムなどを挙げることがで
きる。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合物の活性
化剤の成分の溶液(溶液B)の側に添加して用いられ
る。前述と同様にルイス塩基を有するモノマーを使用す
る場合には、それに調節剤の役目を兼ねさせることがで
きる。
【0021】メタセシス重合触媒系の使用量は、例えば
触媒成分としてタングステン化合物を用いる場合は、上
記原料モノマーに対するタングステン化合物の比率は、
モル基準で約1,000対1〜15,000対1、好ま
しくは2,000対1の付近であり、また、活性化剤成
分はアルキルアルミニウム類を用いる場合には、上記原
料モノマーに対するアルミニウム化合物の比率は、モル
基準で約100対1〜10,000対1、好ましくは2
00対1〜1,000対1の付近が用いられる。さらに
上述した如き、キレート化剤や調節剤については、実験
によって上記触媒系の使用量に応じて、適宜、調節して
用いることができる。
【0022】本発明によって得られる架橋重合体の成形
物には、実用に当って、その特性を改良または維持する
ためにさらにその目的に応じた各種添加剤を配合するこ
とができる。かかる添加剤としては、充填剤、顔料、酸
化防止剤、光安定化剤、難燃剤、高分子改良剤などがあ
る。
【0023】特に本発明の成形物は、他の重合体を成形
時にモノマー溶液状態の時に添加しておくことが効果的
で、重合体添加剤としてはエラストマーの添加が成形物
の耐衝撃性を高めることおよび溶液の粘度を調節する上
で効果大である。かかる目的に用いられるエラストマー
としては、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロッ
クゴム、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック
ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、
エチレン−プロピレン−ジエン−ポリマー、ニトリルゴ
ムなど広範なエラストマーを挙げることができる。
【0024】本発明の型枠は少なくとも2つの重合体相
から構成され、コンクリートと接触する重合体相はコン
クリートとの離型性を改善する添加剤を含有している。
かかる添加剤としては、液状体でも固体状体でもすでに
よく知られているものがいずれも適用できる。それらの
中で特に常温で液状のものがコンクリートとの離型性に
優れている。かかる添加剤としては、鉱油や液状パラフ
ィン、或いはフタール酸ジメチルエステルやフタール酸
ジブチルエステルやフタール酸ジオクチルエステルなど
のフタール酸エステル系化合物、ジオクチルアジペート
やジイソデシルアジペートなどの脂肪族二塩基酸エステ
ル系化合物、エチレングリコールジアセテートなどのグ
リコールエステル系化合物、ジメチルシリコーンやメチ
ルフェニルシリコーンなどのシリコーン油が好適に用い
られる。これらは単独でも或いはこれらの混合物でもよ
い。
【0025】本発明の少なくとも2つの架橋重合体相か
らなる型枠の製造法は、(1)モノマー液Aとモノマー
液Bとの混合液に上記のコンクリートとの離型性を改善
する添加剤を混合した混合物から架橋重合体成形物を成
形し、そしてそれとは別に、モノマー液Aとモノマー液
Bとの混合液に上記のコンクリートとの離型性を改善す
る添加剤を混合しない混合物から架橋重合体成形物を成
形し、両者を接着剤等で張り合わせる方法、(2)上記
のコンクリートとの離型性を改善する添加剤または該添
加剤を本発明のモノマーに溶解した液を第3液として準
備し、金型内に注入される原料混合物として、液注入当
初はモノマー液Aとモノマー液Bとこの第3液との混合
液を注入し、次いでモノマー液Aとモノマー液Bとの混
合物を注入する製造方法があり得る。
【0026】(1)の方法の場合は、モノマー液Aとモ
ノマー液Bとの混合液に上記のコンクリートとの離型性
を改善する添加剤を混合した混合物から成形した架橋重
合体成形物と、モノマー液Aとモノマー液Bとの混合液
に上記のコンクリートとの離型性を改善する添加剤を混
合しない混合物から成形した架橋重合体成形物とは別々
の金型を使用して成形することになり、両者を張り合わ
せる手間も必要となるが、コンクリート型枠のコンクリ
ートと接触する所望の表面を、モノマー液Aとモノマー
液Bとの混合液に上記のコンクリートとの離型性を改善
する添加剤を混合した混合物から成形された架橋重合体
成形物の相で形成することができる。たとえば、良好な
コンクリート表面は必要ないが、型枠を並べて使用する
際の寸法が建築設計の許容範囲にはいっていることが重
要な時には、コンクリート型枠の周囲の枠の部分のみ
を、モノマー液Aとモノマー液Bとの混合液に上記のコ
ンクリートとの離型性を改善する添加剤を混合した混合
物から成形した架橋重合体成形物とする場合には有用で
ある。
【0027】(2)の方法は、成形物の表層に上記のコ
ンクリートとの離型性を改善する添加剤が入った架橋重
合体相が、また、成形物の内層に上記のコンクリートと
の離型性を改善する添加剤が入っていない架橋重合体相
が、それぞれ形成されるため、(1)の方法とは異な
り、コンクリート型枠のほぼ全表面が該添加剤を含む相
となるが、接着剤等を使用することなく一度に本発明の
型枠が成形できるので本発明の製造法として好適であ
る。なお、(2)の方法の場合は、添加剤の異なる第4
液を用意し、注入途中でこの第4液を混合せしめ第3の
異なった重合体相を形成させることも可能であり、本発
明の範疇に属する。
【0028】本発明においてコンクリートとの離型性を
改善する添加剤を含有する架橋重合体相の厚さと該架橋
重合体相中の該添加剤の含有量とは、コンクリートとの
離型性を考えると、該架橋重合体相を厚く且つその中に
含有する添加剤の量が多いことが好ましいが、その相が
厚すぎ、その添加量が多すぎると機械的特性に負の影響
が出るため、型枠全体としての機械特性によってきめら
れるべきである。これは当業者なら容易に実施できるこ
とである。なお、一般にはコンクリートとの離型性を改
善する添加剤を含有する架橋重合体相は、全体の厚さの
半分以下、好ましくは1/3以下であり、該添加剤の含
有量も該重合体相中で30重量%以下、好ましくは15
重量%以下である(上記(2)の方法の場合は「全体の
厚さ」の中に必ず二つの「添加剤を含有する相」が存在
するが、その場合にはその二つの相の厚さの合計が全体
の厚さの半分以下、好ましくは1/3以下である)。
【0029】なお、本発明の型枠を上記(2)の方法で
作る場合、その製法の特性上該架橋重合体相の厚さは全
体で均一としにくいが、厚さの均一性は本発明の要件で
はない。
【0030】またコンクリートと接触するコンクリート
型枠表面を形成する架橋重合体相以外の架橋重合体相に
も本発明のコンクリートとの離型性を改善する添加剤を
含有することはできるが、その添加量は本発明の目的か
らコンクリートと接触するコンクリート型枠表面を形成
する架橋重合体相に含まれる添加剤量より少なくなけれ
ばならない。
【0031】本発明の型枠は、打設されるコンクリート
と直接接触する面(後述の図1における裏面)を平滑に
し、あるいは凹凸模様を付し、実際の使用に当たっては
アルミ二ウム、鉄、或いは木材等の補強材と組み合わせ
て使用することもできるが、本発明の型枠は金型内で一
気に硬化架橋重合せしめてつくることができるので、型
枠としての組立に必要な枠や補強リブなどは一体成形す
ることが好ましい。補強リブは適宜設置することで架橋
重合体成形物全体の厚さを薄くでき型枠全体の重量も軽
量化が可能となる。
【0032】本発明のコンクリート型枠の構造および形
状は、工事施工上および取扱性などから、特定の大きさ
および構造の短形の板状体が所望される場合が多い。特
に縦方向の長さが1000〜3000mmであり、横方
向の長さが縦方向の長さの1/2〜1/6であり且つ厚
さが3〜10mmの短形の板状体であり、その板状体の
片面にはその周囲に沿って枠を有し且つ縦方向に複数の
リブを有しているコンクリート型枠が好適に用いられ
る。
【0033】本発明のコンクリート型枠を成形するため
に使用される金型の材質としては、スチール、鋳造ある
いは鍛造のアルミニウム、亜鉛合金などの鋳造や溶射、
ニッケルや銅などの電鋳または樹脂などが挙げられる。
また、金型の構造は、成形時に金型内に発生する圧力が
数kg/cm2 と他の成形方法に比べて極めて低いの
で、簡単なもので十分であり、従って他の成形方法の金
型に比べて安く作ることができる。
【0034】図1に本発明のコンクリート型枠の好適な
一例を示す。は平面図,は縦方向の側面図、は横
方向の側面図、のXX方向における横断面図を示
すものである。図1において、コンクリート型枠は、平
面図に示されるような矩形(長方形)の板状体1であ
り、その片面には図示されているように、その周囲にそ
って枠3が形成され、縦方向には複数(図1では4本)
のリブを有している。この周囲の枠3および複数のリブ
2が形成されている面と反対の面(図1の裏面)は平滑
な面(平滑面4)である。該コンクリート型枠は、補強
リブと枠を持ち、このままコンクリート型枠として現場
で使用できるものであり、架橋重合体からの一体成形に
よる軽量化と耐久性に優れている。
【0035】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明する。な
お実施例は説明のためのものであって、本発明はこれに
限定されるわけではない。
【0036】実施例および比較例では、図1に示す形状
の架橋重合体が得られるキャビティを有する鍛造アルミ
ニウム製の金型を成形用に使用した。なお図1の寸法は
次の通りであった。
【0037】平板の形状 縦方向の長さ(a)= 2026mm 横方向の長さ(b)= 600mm 厚さ(c) = 6mm 平板の周囲の枠 厚さ(d) = 7mm 高さ(e) = 56mm 縦方向のリブ 厚さ(f) = 12mm 高さ(e) = 56mm
【0038】[参考例1] (溶液Aの調製)六塩化タングステン28重量部を窒素
気流中下で乾燥トルエン80重量部に添加し、次いでt
−ブタノール1.3重量部をトルエン1重量部に溶解し
た溶液を加え1時間攪拌し、次いでノニルフェノール1
8重量部およびトルエン14重量部よりなる溶液を添加
し5時間窒素パージ下攪拌した。さらにアセチルアセト
ン14重量部を加えた。副生する塩化水素ガスを追い出
しながら窒素パージ下に一晩攪拌を継続し、重合用触媒
溶液を調製した。
【0039】次いで精製ジシクロペンタジエン(純度9
9.7重量%、以下同様)95重量部、精製エチリデン
ノルボルネン(純度99.5重量%、以下同様)5重量
部よりなるモノマー混合物に対し、エチレン含有70モ
ル%のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン
共重合ゴム3重量部、酸化安定剤としてエタノックス7
02を2重量部を加えた溶液に上記重合用触媒溶液をタ
ングステン含量が0.01M/Lになるように加えて触
媒成分を含有するモノマー液A(溶液)を調製した。
【0040】[参考例2] (溶液Bの調製)精製ジシクロペンタジエン95重量
部、精製エチリデンノルボルネン5重量部よりなるモノ
マー混合物に対し、エチレン含有70モル%のエチレン
−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合ゴム3重
量部を溶解した溶液に、トリオクチルアルミニウム8
5、ジオクチルアルミニウムアイオダイド15、ジグラ
イム100のモル割合で混合調製した重合用活性化剤混
合液をアルミニウム含量が0.03M/Lになる割合で
添加し、活性化剤成分を含有するモノマー液B(溶液
B)を調製した。
【0041】[実施例1] (成形)図1に示す形状の架橋重合体製コンクリート型
枠が得られるキャビティを有する鍛造アルミニウム製の
金型を成形用に使用した。
【0042】3液混合型のRIM機を準備した。第1液
は参考例1に示した溶液Aであり、第2液は参考例1に
示した溶液Bである。第1液、第2液はそれぞれ0.5
5kg/秒で吐出するように調整した。第3液はジブチ
ルフタレート(以下DBPという)であり、70g/秒
で吐出するよう調整した。
【0043】成形用アルミニウム金型をキャビティ型9
0℃、コア型60℃に加熱し、金型を閉じた後、この中
へRIM機から、初めの3.0秒間は第1液、第2液お
よび第3液をミキシングヘッド中で衝突混合し注入し、
その後は第3液の吐出を止め、第1液と第2液を引き続
き10秒間吐出し金型内に注入した。液注入充填後2分
で金型を開き架橋重合体成形物を取り出した。
【0044】なお、DBPの分散状態を確認するため、
DBP中に活性炭を少量分散させ、上記と同じ条件で成
形した。型枠表面および裏面とも黒色になっており、ま
た切断し断面を観察すると、黒色部と架橋重合体単独の
褐色相は明確に分かれていた。断面の片側の黒色部の厚
さは0.5〜0.9mmであった。
【0045】かくして得られた成形物(活性炭を含まな
い成形物)の曲げモジュラスを測定した。比較のため架
橋重合体単独の成形物(比較例1)、および上記成形で
DBPを最初から最後まで吐出注入した成形物(DBP
均一混合品−比較例2)の曲げモジュラスも測定した。
結果は表1に示すごとく、実施例1に係る成形物は良好
な物性を示した。
【0046】
【表1】
【0047】(型枠としての評価)上記によって得られ
た(活性炭を含まない成形物である)コンクリート型枠
2枚の、図1のにおける型枠側面の一方同士を、そこ
にある小孔4を利用しクリップで固定することにより二
枚の型枠の連結された構造とした(以後型枠組と呼
ぶ)。この型枠組を二組、型枠の長手(縦)方向を上下
とし、二組の型枠組のコンクリートと直接接触する型枠
面(図1における平滑面4)同士が間隔150mmで互
いに向かい合わせにかつ平行に位置するように並べ、こ
の型枠組のコンクリートに直接接触する型枠面同士の間
隙にコンクリートを流し込んだ場合にコンクリートが流
出しないように、型枠組の左右の両端部を木製合板でふ
さいだ。こののち、該間隙の中へ上方からコンクリート
を注ぎ込んだ。コンクリート硬化後、型枠を外し、型枠
表面の状態を観察した。
【0048】この作業を何回も繰り返し、型枠の表面の
コンクリート付着状況を調べた。結果は表2に示すごと
く実施例1に係る成形物は表面コンクリートの付着がほ
とんどなく良好な結果を得た。
【0049】
【表2】
【0050】以上のごとく実施例1で使用した型枠は、
機械的特性を低下させることなく、かつコンクリートと
の離型性が改善されていた。
【0051】[実施例2〜6]実施例1の金型および成
形装置を用い、表3に示す各種の添加剤を、最初の所定
時間(表3における吐出時間)添加することにより架橋
重合体成形物を成形した。添加剤を添加した相と添加剤
を添加していない相とがはっきり分かれていることは、
添加剤に活性炭を少量分散させ成形することで確認し
た。各添加剤の添加条件および成形物の断面における片
側の黒色部の厚さの測定結果を表3にまとめた。なお表
3に示す以外の成形条件は実施例1と全く同様であっ
た。
【0052】またコンクリートとの離型性を、上記によ
って得られた(活性炭を含まない成形物である)コンク
リート型枠を用い、実施例1と同様に評価した。結果は
表4に示すごとく良好であった。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】[比較例1]実施例1の金型および成形装
置を用い、DBPを使用使用しない(つまり第3液の吐
出は無し)こと以外は実施例1と同様にして架橋重合体
成形物を成形し、このコンクリート型枠を用い、実施例
1と同様に評価した。結果を表1、表2示す。この型枠
は、曲げモジュラスは良好であったが、型枠表面へのコ
ンクリート付着は多かった。
【0056】[比較例2]実施例1の金型および成形装
置を用い、DBPを最初から最後まで(第1液、第2液
の吐出と同期間)第3液として吐出した以外は実施例1
と同様にして架橋重合体成形物を成形し、このコンクリ
ート型枠を用い、実施例1と同様に評価した。結果を表
1、表2示す。この型枠は、型枠表面へのコンクリート
付着はほとんどなかったが、曲げモジュラスは実施例1
に較べかなり低くなった。
【0057】
【発明の効果】本発明のコンクリート型枠は、天然資源
の保護、熟練作業者不足への対応、市場が要求する種々
の形状と大きさへの対応、品質の均一性と軽量化、繰り
返し使用回数の増大など多くの特徴の外、良好なコンク
リート離型性を備えており、市場からの強い要求に応え
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート型枠の形状の1例を示す
ものである。は平面図、は縦方向の側面図、Cは
方向の側面図、のXX方向の横断面図を示す。
【符号の説明】
1 板状体 2 リブ 3 枠 4 平滑面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 建孔 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人メト ン株式会社テクニカルセンター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有
    するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー
    液A(溶液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分
    を含有するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモ
    ノマー液B(溶液B)とを混合し、この混合液を金型内
    に注入しその金型内において重合および架橋反応せしめ
    ることによって得られた、架橋重合体からつくられたコ
    ンクリート型枠であって、該コンクリート型枠が(1)
    少なくとも2つの異なる架橋重合体相より形成され、
    (2)コンクリートと接触するコンクリート型枠表面を
    形成する架橋重合体相に、コンクリートとの離型性を改
    善する添加剤が含有されていることを特徴とするコンク
    リート型枠。
  2. 【請求項2】 コンクリートとの離型性を改善する添加
    剤が常温で液状の添加剤であり、鉱油、液状パラフィ
    ン、フタール酸エステル、脂肪族ニ塩基酸エステル、グ
    リコールエステル、シリコーン油のなかから選択される
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート型枠。
JP7314922A 1995-01-25 1995-11-09 架橋重合体コンクリート型枠 Pending JPH09131739A (ja)

Priority Applications (2)

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JP7314922A JPH09131739A (ja) 1995-11-09 1995-11-09 架橋重合体コンクリート型枠
US08/590,420 US6117521A (en) 1995-01-25 1996-01-24 Concrete formwork

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102409841A (zh) * 2011-08-11 2012-04-11 青岛理工大学 带有框架结构的建筑面模板系统及其应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102409841A (zh) * 2011-08-11 2012-04-11 青岛理工大学 带有框架结构的建筑面模板系统及其应用

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