JPH0977852A - 架橋重合体コンクリート型枠 - Google Patents

架橋重合体コンクリート型枠

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JPH0977852A
JPH0977852A JP7262000A JP26200095A JPH0977852A JP H0977852 A JPH0977852 A JP H0977852A JP 7262000 A JP7262000 A JP 7262000A JP 26200095 A JP26200095 A JP 26200095A JP H0977852 A JPH0977852 A JP H0977852A
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concrete
mold
solution
paint
formwork
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JP7262000A
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English (en)
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Tadao Komoriya
尹男 小森谷
Kenko Yamada
建孔 山田
Eiji Yoshida
英次 吉田
Zenichiro Endo
善一郎 遠藤
Nobuo Yoshikiyo
暢男 吉清
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Teijin Metton KK
Original Assignee
Teijin Metton KK
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G9/00Forming or shuttering elements for general use
    • E04G9/02Forming boards or similar elements
    • E04G2009/028Forming boards or similar elements with reinforcing ribs on the underside

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  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然資源の保護、熟練作業者不足への対応、
市場が要求する種々の形状と大きさへの対応、品質の均
一性と軽量化、等のニーズに応えるとともに、繰り返し
使用回数が大きいコンクリート型枠を提供する。 【解決手段】 環状オレフィンを金型内において重合お
よび架橋反応せしめることによって得られた、一体化さ
れた架橋重合体からつくられたコンクリート型枠であっ
て、該型枠の表面の一部または全部が塗料で被覆されて
いるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状オレフィンの架橋
重合体より形成され且つ一体成形されたコンクリート型
枠(以下単に型枠と略称することがある)に関するもの
である。さらに詳しくは、従来の建設用の木製型枠と同
等もしくはそれ以上の性能を有し、一体成形化により組
み立ての容易化並びに簡素化を計った型枠に関するのも
である。さらに放っても落下させたりしても破損せず、
耐久性があり軽量で且つコンクリートとの離型性に優れ
た型枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート型枠としては従来から最も
一般的に使われているものは木製の型枠であり、近年プ
ラスチック製の型枠が徐々に普及し始めている。
【0003】木製の型枠については使用により損傷しや
すいため2〜3回の使用で使い捨てられているのが通例
であるが、その型枠材料は、熱帯雨林保護の動きから最
近は入手について困難が生じ始めている。また、使用に
ついても政府もしくは自治体が制限する動きが出てい
る。さらに、このような資源問題の外、木材を型枠の材
料として使用するには熟練作業者による桟木打ち作業な
どが必要であり、人手不足問題から一体製作された型枠
が望まれている。近年、プラスチック製の型枠が使われ
始めているが、この中でハンドレイアップ工法のFRP
は生産性および品質の均一性などの問題を抱えている。
また射出成形法による熱可塑性樹脂の成形の場合には、
大型の型枠を作るためには日本でも数少ない大型の射出
成形機が必要なこと、さらに種々の形状の型枠作りに対
応するには多種類の高価な金型を必要とすること等の問
題がある。
【0004】このように、型枠として古くから一般に広
く使われている木材も、徐々に使われ始めてきたプラス
チックもそれぞれの課題があって、種々の条件をすべて
満足する型枠は未だ提供されていないのが現状である。
【0005】このような問題の解決として、本発明者ら
は先に複分解触媒系を使用して環状オレフィンを金型内
で重合および架橋反応せしめることによって得られた、
一体成形化された架橋重合体よりなるコンクリート型枠
を提案した。(例えば特願平5−256047号参
照)。
【0006】従来、メタセシス重合触媒系(複分解触媒
系ともいう)の触媒成分を含有するメタセシス重合性環
状オレフィンからなるモノマー液と活性化剤成分を含有
するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー
液とを混合し、金型内へ注入し、金型内で重合・架橋し
て架橋重合体成形物を製造する方法は知られている(例
えば特公平3−28451号公報参照)。この方法は、
入手容易な原料モノマーを使用しうること、モノマーの
粘度が低く射出成形の圧力が低いこと、重合・架橋反応
が速く成形サイクルが短いこと、大型の成形物を比較的
容易に得ることができることおよび成形物は剛性と耐衝
撃性のバランスがよいことなどの優れた利点を有してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の、複分解触媒系
を使用して環状オレフィンを金型内で重合および架橋反
応せしめることによって得られた、一体成形化された架
橋重合体よりなるコンクリート型枠は、打設されるコン
クリートの重量に耐える剛性、作業者が容易に持ち運ぶ
ことができる軽量性、一体品であることによる現場組立
て時の容易性、繰返し使用できる強度的耐久性、廃棄焼
却処分時有害ガスを発生しない無公害性などを有してお
り、コンクリートとの離型性の点でも優れている。しか
しながら、実際にこのようなコンクリート型枠を使用し
たところ、強度的な耐久性は全く問題ないものの、繰返
し使用したコンクリート型枠の表面上にコンクリート付
着物(以後このようなコンクリート付着物をノロと呼
ぶ)が増大し、数回以上の使用においては、良好なコン
クリート表面を得ることができなくなること、また、型
枠を並べて使用する場合にその側面の隙間にノロが侵入
し、その付着によって更に該隙間が拡大され、それによ
ってノロの付着が増大するサイクルが繰り返される結
果、型枠を並べて使用する際の寸法が建築設計の許容範
囲を超えてしまう場合があることが見出された。これに
対処するにはノロを削り落とす等の作業が必要である
が、このような作業は、通常、建設現場である建物の内
部では狭すぎるために外部に持ち出して実施せざるを得
ず、一般的に望ましくはなく、特に、高層ビルの建設に
おいては、型枠を1階から順次上階に向けて使用してい
くため、繰り返し使用の途中にノロの除去のために型枠
を建物の外に運び出すことは時間的、費用的観点から問
題が大きい。このため、ノロができるだけ付着しない型
枠の要求が強くなった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、複分解触
媒系を使用して環状オレフィンを金型内で重合および架
橋反応せしめることにより得られた一体成形化された架
橋重合体(以下架橋重合体という)よりなるコンクリー
ト型枠を、そのまま多数回繰り返して使用できるように
すべく鋭意検討した結果、ノロの付着の程度はコンクリ
ートと接触する面の性質に関連するが必ずしも離型性と
関連するものではなく、架橋重合体よりなるコンクリー
ト型枠は離型性に優れているにも拘わらず、ノロの付着
の点では、塗料、特にある種の塗料、の表面が遥かに優
れていることを見出し、架橋重合体表面がコンクリート
と直接的あるいは間接的に接触する面を塗料で被覆する
ことで、該架橋重合体型枠の扱い易さと耐久性の高さに
加えて、ノロの付着が少なく繰り返し使用できることを
明らかにし本発明に到達したものである。
【0009】すなわち、本発明は 1. メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有するメタ
セシス重合性環状オレフィンからなるモノマー液A(溶
液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分を含有す
るメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー液
B(溶液B)とを混合し、その原料液を金型内に注入し
その金型内において重合および架橋反応せしめることに
よって得られた、一体化された架橋重合体からつくられ
たコンクリート型枠であって、該型枠の表面の一部また
は全部が塗料で被覆されていることを特徴とするコンク
リート型枠、 2. 1において、該塗料が、ウレタン系塗料、アクリ
ル系塗料、アクリルウレタン系塗料から選択される塗料
のいずれかあるいはそのいずれかを含む塗料であること
を特徴とするコンクリート型枠、および 3. 上記1または2において、該塗料が、離型剤を含
んだ塗料であることを特徴とするコンクリート型枠、で
ある。
【0010】以下、本発明についてさらに具体的に説明
する。本発明のコンクリート型枠を構成する架橋重合体
を形成するためのメタセシス重合性環状オレフィンとし
ては、メタセシス重合性シクロアルケン基を分子中に1
〜2個含有するものが使用される。好ましくはノルボル
ネン骨格を分子中に少なくとも1つ有する化合物であ
る。これらの具体例としては、ジシクロペンタジエン、
トリシクロペンタジエン、シクロペンタジエン−メチル
シクロペンタジエン共二量体、5−エチリデンノルボル
ネン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−シクロヘ
キセニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデ
ン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチ
リデン−1,4−メタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a,−オクタヒドロナフタレン、1,4,5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒド
ロナフタレン、エチレンビス(5−ノルボルネン)など
を挙げることができ、これらの混合物も使用することが
できる。特にジシクロペンタジエンまたはそれを50モ
ル%以上、好ましくは70モル%以上含む混合物が好適
に用いられる。
【0011】また、必要に応じて、酸素、窒素などの異
種元素を含有する極性基を有するメタセシス重合性環状
オレフィンを共重合モノマーとして用いることができ
る。かかる共重合モノマーも、ノルボルネン構造単位を
有するものが好ましく且つ極性基としてはエステル基、
エーテル基、シアノ基、N−置換イミド基、ハロゲン基
などが好ましい。かかる共重合モノマーの具体例として
は、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−(2−
エチルヘキシロキシ)カルボニル−5−メチルノルボル
ネン、5−フェニロキシメチルノルボルネン、5−シア
ノノルボルネン、6−シアノ−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン,N−ブチルナディック酸イミド、5−ク
ロルノルボルネンなどを挙げることができる。
【0012】本発明におけるモノマー液A(溶液A)中
には、メタセシス重合触媒系の触媒成分が含有されてい
る。かかる触媒成分としては、タングステン、レニウ
ム、タンタル、モリブデンなどの金属のハライドなどの
塩類が用いられるが、特にタングステン化合物が好まし
い。かかるタングステン化合物としては、タングステン
ヘキサハライド、タングステンオキシハライドなどが好
ましく、より具体的にはタングステンヘキサクロライ
ド、タングステンオキシクロライドなどが好ましい。ま
た、有機アンモニウムタングステン酸塩なども用いるこ
とができる。かかるタングステン化合物は、直接モノマ
ーに添加すると、直ちにカチオン重合を開始することが
分かっており好ましくない。従って、かかるタングステ
ン化合物は不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン、ク
ロロベンゼンなどに予め懸濁し、少量のアルコール系化
合物および/またはフェノール系化合物を添加すること
によって可溶化させて使用するのが好ましい。さらに上
述した如き、好ましくない重合を予防するためにタング
ステン化合物1モルに対し、約1〜5モルのルイス塩基
またはキレート化剤を添加することが好ましい。かかる
添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢酸アルキル
エステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリルなど
を挙げることができる。極性モノマーを用いる場合に
は、前述の如く、そのものがルイス塩基である場合があ
り、上記の如き化合物を特に加えなくてもその作用を有
している場合もある。前述の如くして、触媒成分を含む
モノマー液A(溶液A)は、実質上充分な安定性を有す
ることになる。
【0013】一方、本発明におけるモノマー液B(溶液
B)中には、メタセシス重合触媒系の活性化剤成分が含
有されている。この活性化剤成分は、周期律表第I〜第
III族の金属のアルキル化物を中心とする有機金属化
合物、特にテトラアルキル錫、アルキルアルミニウム化
合物、アルキルアルミニウムハライド化合物が好まし
く、具体的には塩化ジエチルアルミニウム、ジ塩化エチ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジオクチ
ルアルミニウムアイオダイド、テトラブチル錫などを挙
げることができる。これら活性化剤成分としての有機金
属化合物を、モノマーに溶解することにより、モノマー
液B(溶液B)が形成される。
【0014】基本的には前記溶液Aおよび溶液Bを混合
し、金型内に注入することによって、目的とする架橋重
合体の成形物を得ることができるが、上記組成のままで
は、重合反応が非常に速く開始されるので、成形金型に
十分流れ込まない間に硬化が起こることもあり、問題と
なる場合が多い。従って、活性調節剤を用いることが好
ましい。かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一般に
用いられ、なかんずく、エーテル類、エステル類、ニト
リル類などが用いられる。具体例としては安息香酸エチ
ル、ブチルエーテル、ジグライムなどを挙げることがで
きる。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合物の活性
化剤の成分の溶液(溶液B)の側に添加して用いられ
る。前述と同様にルイス塩基を有するモノマーを使用す
る場合には、それに調節剤の役目を兼ねさせることがで
きる。
【0015】メタセシス重合触媒系の使用量は、例えば
触媒成分としてタングステン化合物を用いる場合は、上
記原料モノマーに対するタングステン化合物の比率は、
モル基準で約1,000対1〜1,500対1、好ましく
は2,000対1の付近であり、また、活性化剤成分は
アルキルアルミニウム類を用いる場合には、上記原料モ
ノマーに対するアルミニウム化合物の比率は、モル基準
で約100対1〜10、000対1、好ましくは200
対1〜1000対1の付近が用いられる。さらに上述し
た如き、キレート化剤や調節剤については、実験によっ
て上記触媒系の使用量に応じて、適宜、調節して用いる
ことができる。
【0016】本発明によって得られる架橋重合体の成形
物には、実用に当って、その特性を改良または維持する
ためにさらにその目的に応じた各種添加剤を配合するこ
とができる。かかる添加剤としては、充填剤、顔料、酸
化防止剤、光安定化剤、難燃剤、高分子改良剤などがあ
る。このような添加剤は、本発明の架橋重合体が成形さ
れた後は添加することが不可能であるから添加する場合
には予め前述した原料溶液に添加しておく必要がある。
【0017】その最も容易な方法としては、前記溶液A
および溶液Bのいずれかまたは両方に前もって添加して
おく方法を挙げることができるが、その場合、その液中
の反応性の強い触媒成分、活性化剤成分と実用上差し支
えある程度には反応せず、且つ重合を阻害しないもので
なくてはならない。どうしても、その反応が避け得ない
ものが共存しても、重合を実質的に阻害しないものある
いは阻害にある程度の時間を要するものの場合は、モノ
マーと混合して、第三液を調製し、重合直前に混合使用
することもできる。また、重合触媒または活性化剤を第
三液とし、これらを含まない溶液Aまたは溶液Bに上記
添加物を添加する方法も考えられる。さらに、固体の充
填剤の場合であって、両成分が混合されて、重合反応を
開始する直前あるいは重合しながら、その空隙を充分に
埋め得る形状の物については、成形金型内に予め充填し
ておくことも可能である。添加剤としての補強材または
充填剤は、曲げモジュラスを向上するのに効果がある。
かかるものとしては、ガラス繊維、雲母、カーボンブラ
ック、ウオラストナイトなどを挙げることができる。こ
れらを、いわゆるシランカップラーなどによって表面処
理したものを好適に使用できる。
【0018】また、本発明による成形物は、酸化防止剤
を添加しておくことが好ましく、そのため、フェノール
系またはアミノ系の酸化防止剤を予め溶液中に加えてお
くことが望ましい。これら酸化防止剤の具体例として
は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、N,N'
−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
シンナメート)]メタンなどが挙げられる。
【0019】また、本発明の成形物は、他の重合体を成
形時にモノマー溶液状態の時に添加しておいて得ること
ができる。かかる重合体添加剤としてはエラストマーの
添加が、成形物の耐衝撃性を高めることおよび溶液の粘
度を調節する上で効果がある。かかる目的に用いられる
エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレ
ントリブロックゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
トリブロックゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン−ターポリ
マー、ニトリルゴムなど広範なエラストマーを挙げるこ
とができる。
【0020】また本発明には、コンクリートとの離型性
を向上するための添加剤を重合体中に添加させておくこ
ともできる。かかる添加剤としては、鉱油、低融点固形
ポリオレフィン、脂肪族、脂環族あるいは芳香族エステ
ル類、脂肪族、脂環族あるいは芳香族エーテル類などを
挙げることができる。添加剤の添加方法は、予め原料液
に加えておくか、第3液として重合直前に加えることが
できる。この場合、塗料で被覆された部分では離型性の
効果は期待できないが、被覆されていない部分について
はノロの付着が少なく、また付着したノロが除去しやす
いという利点がある。
【0021】コンクリート型枠の構造および形状は、工
事施工上および取扱性などから、特定の大きさおよび構
造の矩形の板状体であることが多い。すなわち、本発明
において前記一体成形化された架橋重合体よりなるコン
クリート型枠の例としては、縦方向の長さが1000〜
3000mmであり、横方向の長さが縦方向の長さの1
/2〜1/6であり且つ厚さが3〜10mmの矩形の板
状体であり、その板状体の片面にはその周囲に沿って枠
を有し且つ縦方向に複数のリブを有しているコンクリー
ト型枠が好適に用いられる。ただし、本発明に係る型枠
には、それ以外の、例えば、リブのない型枠、矩形以外
の形状の型枠、曲面を有する型枠も対象として含められ
る。
【0022】本発明のコンクリート型枠を成形するため
に使用される金型の材質としては、スチール、鋳造ある
いは鍛造のアルミニウム、亜鉛合金などの鋳造や溶射、
ニッケルや銅などの電鋳または樹脂などが挙げられる。
また、成形時に金型内に発生する圧力が数kg/cm2
と他の成形方法に比べて極めて低いので、金型の構造は
簡単なもので十分であり、従って他の成形方法の金型に
比べて安く作ることができる。
【0023】本発明の型枠の表面の被覆に使用される塗
料としては、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、アクリ
ルウレタン系塗料、エポキシ系塗料、アミノアルキッド
系塗料、フェノール系塗料、アルキッド系塗料、ウレア
系塗料、シリコーン系塗料等の架橋型塗料や、ラッカー
やビニル系の非架橋型塗料などが使われる。これらの中
で、ウレタン系塗料、アクリル系塗料、アクリルウレタ
ン系塗料は、特にノロの付着が少なく、耐久性があり、
且つ本発明の架橋重合体との密着性が良好なため好まし
い。またかかる塗料中には、さらにコンクリートとの離
型性を向上させ、ノロの付着を更に減少させる目的で添
加剤を加えることができる。かかる添加剤としては、鉱
油、低融点固形ポリオレフィン、脂肪族、脂環族あるい
は芳香族エステル類、脂肪族、脂環族あるいは芳香族エ
ーテル類などが挙げられる。なお、塗料成分が離型剤の
役割を果たす場合もあり得る。また着色のため顔料など
を更に添加することも行われる。
【0024】本発明においては、かかる塗料を型枠の表
面の一部あるいは全部に塗布し被覆を形成せしめる。塗
布方法は使用する塗料の通常の塗布方法によればよく、
一般にはローラーや刷毛塗りあるいはスプレー塗布であ
り、場合によっては塗料液中に浸漬し塗布することもで
きる。また塗布前には架橋重合体との密着性を向上させ
るため、塗布面を水やアルコール類などで清浄にしてお
くこと、さらに密着性をあげるために塗布面をサンディ
ングすることもできる。またサーフェサーやプライマー
で前処理をしてもよい。また使用する塗料によっては加
熱硬化させる場合もあるが、その場合の加熱温度は型枠
素材の耐熱性から通常は130℃以下で行われる。場合
によっては複数回の塗布により多層化された被覆とする
こともできる。
【0025】塗料による被覆を施す箇所は、コンクリー
トと直接接触し、あるいは、コンクリートの侵入飛散等
によって接触する可能性のある型枠の表面であり、先述
の周囲に枠の付いた矩形の板状体でいえば、矩形でリブ
のない板面(コンクリートと直接接触する面、以下コン
クリート直接接触面という)上と枠の側面(以下型枠側
面という)上である。枠枠側面は、型枠同士を並べて使
用する際の合わせ面であるが、隙間ができるのでコンク
リートの侵入によるノロ付着があり、そのまま放置して
使用を繰り返すと、付着したノロによって更に該隙間が
拡大され、それによってノロの付着が増大するサイクル
が繰り返される結果、型枠を並べて使用する際の寸法が
建築設計の許容範囲を超えてしまう場合があるため、こ
こにも塗料による被覆が施される。なお、希望により、
コンクリート直接接触面上にのみあるいは型枠側面にの
み被覆を施すことも本発明の範疇に含まれる。
【0026】図1に本発明のコンクリート型枠の好適な
一例を示す。は平面図,は縦方向の側面図、は横
方向の側面図、のXX方向における横断面図を示
すものである。図1において、コンクリート型枠は、平
面図に示されるような矩形(長方形)の板状体1であ
り、その片面には図示されているように、その周囲にそ
って枠3が形成され、縦方向には複数(図1では4本)
のリブ2を有している。この複数のリブ2が形成されて
いる面と反対の面(図1の裏面)は平滑な面(平滑面
4)である。該コンクリート型枠は、補強リブと枠を持
ち、このままコンクリート型枠として現場で使用できる
ものである。
【0027】本発明における被覆を施す箇所は、たとえ
ばコンクリート直接接触面および/または型枠側面であ
り、図1で説明すると、平滑面4および/または
の型枠側面(各2面ある)である。なお、の型枠
側面については場合によってはの型枠側面のみあるい
の型枠側面のみが被覆される場合も含まれる。
【0028】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明する。な
お実施例は説明のためのものであって、本発明はこれに
限定されるわけではない。
【0029】[参考例1] (溶液Aの調製)六塩化タングステン28重量部を窒素
気流中下で乾燥トルエン80重量部に添加し、次いでt
−ブタノール1.3重量部をトルエン1重量部に溶解し
た溶液を加え1時間攪拌し、次いでノニルフェノール1
8重量部およびトルエン14重量部よりなる溶液を添加
し5時間窒素パージ下攪拌した。さらにアセチルアセト
ン14重量部を加えた。副生する塩化水素ガスを追い出
しながら窒素パージ下に一晩攪拌を継続し、重合用触媒
溶液を調製した。
【0030】次いで精製ジシクロペンタジエン(純度9
9.7重量%、以下同様)95重量部、精製エチリデン
ノルボルネン(純度99.5重量%、以下同様)5重量
部よりなるモノマー混合物に対し、エチレン含有70モ
ル%のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン
共重合ゴム3重量部、酸化安定剤としてエタノックス7
02を2重量部を加えた溶液に上記重合用触媒溶液をタ
ングステン含量が0.01M/Lになるように加えて触
媒成分を含有するモノマー液A(溶液A)を調製した。
【0031】[参考例2] (溶液Bの調製)精製ジシクロペンタジエン95重量
部、精製エチリデンノルボルネン5重量部よりなるモノ
マー混合物に対し、エチレン含有70モル%のエチレン
−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合ゴム3重
量部を溶解した溶液に、トリオクチルアルミニウム8
5、ジオクチルアルミニウムアイオダイド15、ジグラ
イム100のモル割合で混合調製した重合用活性化剤混
合液をアルミニウム含量が0.03M/Lになる割合で
添加し、活性化剤成分を含有するモノマー液B(溶液
B)を調製した。
【0032】[参考例3] (成形用金型と型枠の成形)図1に示す型枠形状の架橋
重合体が得られるキャビティを有する鍛造アルミニウム
製の金型を成形用に使用した。なお図1の各寸法は次の
通りであった。
【0033】平板の形状 縦方向の長さ(a)= 2026mm 横方向の長さ(b)= 600mm 厚さ(c) = 6mm 平板の周囲の枠 厚さ(d) = 7mm 高さ(e) = 56mm 縦方向のリブ 厚さ(f) = 12mm 高さ(e) = 56mm この成型用アルミニウム金型をキャビティ型90℃、コ
ア型60℃に加熱し、金型を閉じた後、この中へRIM
機を利用して等量の溶液Aと溶液Bをミキシングヘッド
中で衝突混合して注入した。液注入充填後2分で金型を
開き架橋重合体成形物(型枠)を取り出した。
【0034】[実施例1] (ウレタン系塗料による塗布)エチレンジアミンの酸化
プロピレン付加物50部とポリエチレングリコール50
部、ジブチルフタレート10部、ジブチル錫フタレート
0.05部からなるA液の100部とポリメチレンポリ
フェニレンポリイソシアネートからなるB液70部を混
合しシンナーで希釈し塗料を調製し、この塗料を、前記
の参考例3の方法によって成形された架橋重合体型枠
の、図1における平滑面4との型枠側面(2面)にス
プレー塗布し、風乾の後、70℃で5時間乾燥した。
【0035】(型枠としての評価)上記によって得られ
たコンクリート型枠2枚の、図1のにおける型枠側面
の一方同士を、そこにある小孔を利用しクリップで固定
することにより二枚の型板の連結された構造とした(以
後型枠組と呼ぶ)。この型枠組を二組、型枠の長手方向
を上下とし、型枠組の平滑面(図1における平滑面4を
二つ並べたもの)同士が間隔150mmで互いに向かい
合わせにかつ平行に位置するように並べ、この型枠組の
平滑面同士の間隙にコンクリートを流し込んだ場合にコ
ンクリートが流出しないように、型枠組の左右の両端部
を木製合板でふさいだ。こののち、該間隙の中へ上方か
らコンクリートを注ぎ込んだ。コンクリート硬化後、型
枠を外し、型枠表面およびコンクリート壁の表面の状態
を観察した。この作業を15回繰り返し、型枠の耐久
性、特に型枠表面のコンクリート付着状況を調べた。結
果を表−1に示す。
【0036】[実施例2] (アクリルウレタン系塗料による塗布および型枠として
の評価)2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、
ポリプロピレングリコール75部、メチルメタクリレー
ト5部、ジブチルフタレート10部、ジブチル錫ジラウ
レート0.05部、t−ブチル−パーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート0.1部からなるA液の100部とポ
リメチレンポリフェニレンポリイソシアネートからなる
B液65部を混合しシンナーで希釈し、これを、参考例
3の方法によって成形された架橋重合体型枠の、図1に
おける平滑面4との型枠側面(2面)に塗布し、予備
乾燥の後80℃で2時間焼き付けた。このようにして塗
布した型枠4枚を使用して実施例1と同様に組み立て、
実施例1と同様の方法でコンクリートの流し込み、型枠
としての使用テストを実施した。結果を表−1に示す。
【0037】[実施例3] (側面だけの塗布および型枠としての評価)実施例1と
同様参考例3の方法で成形した架橋重合体型枠の図1の
における型枠側面だけを、実施例1の塗料と同じ塗料
を使用し、実施例1の方法で塗布した。このようにして
塗布した型枠4枚を使用して実施例1と同様に組み立
て、実施例1と同様の方法でコンクリートの流し込み、
型枠としての使用テストを実施した。結果を表−1に示
す。
【0038】[比較例1]実施例1と同様参考例3の方
法によって成形した型枠を使用し、塗布無しで実施例1
と同様に組み立て、実施例1と同様の方法でコンクリー
トとしての使用テストを行った。結果を表−1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1、2では、塗料で被覆すること
で、型枠表面へのノロの付着は少なく、付着しても容易
に剥離することができ、連続使用してもなんの問題もな
かった。また実施例3の場合、図1における平滑面4に
は全面的にノロが付着したが、そのまま使用を続けた結
果、付着量が増大する様子はなく、コンクリート壁の表
面が実施例1に較べ明らかに粗くなったのみであった。
この表面の荒れは、石膏ボードを張り付けその上に壁紙
を張り付ける工法では問題なかったが、壁紙の直接張り
付け(直貼りという)には向かない程度であった。な
お、型枠側面については実施例1、2の場合と同様であ
った。
【0041】これに対し、比較例1では、特に、型枠側
面へのノロ付着のために、そのままでは型枠同士を組み
立てて型枠組とした場合に、横の長さが設計の許容値を
越えるようになってしまい、ノロの除去作業が実施例に
較べ大幅に多くなった。また、コンクリート壁の表面は
実施例3と同様に粗くなったが、それに加え、型枠側面
へのコンクリート漏洩に伴い、その位置に対応するコン
クリート壁の表面に突起(バリ)が生じ、この除去のた
めの作業が必要となった。
【0042】
【発明の効果】本発明のコンクリート型枠は、天然資源
の保護、熟練作業者不足への対応、市場が要求する種々
の形状と大きさへの対応、品質の均一性と軽量化、等の
ニーズに応えるとともに、繰り返し使用回数が大きいと
いう特徴を備えており、市場からの強い要求に応えるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート型枠の形状の1例を示す
ものである。は平面図、は縦方向の側面図、Cは
方向の側面図、のXX方向の横断面図を示す。
【符号の説明】
1 板状体 2 リブ 3 枠 4 平面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 善一郎 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人メト ン株式会社テクニカルセンター内 (72)発明者 吉清 暢男 東京都千代田区内幸町2丁目1番1号 帝 人メトン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有
    するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー
    液A(溶液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分
    を含有するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモ
    ノマー液B(溶液B)とを混合し、その原料液を金型内
    に注入しその金型内において重合および架橋反応せしめ
    ることによって得られた、一体化された架橋重合体から
    つくられたコンクリート型枠であって、該型枠の表面の
    一部または全部が塗料で被覆されていることを特徴とす
    るコンクリート型枠。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該塗料が、ウレタン
    系塗料、アクリル系塗料、アクリルウレタン系塗料から
    選択される塗料のいずれかあるいはそのいずれかを含む
    塗料であることを特徴とするコンクリート型枠。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、該塗料が、
    離型剤を含んだ塗料であることを特徴とするコンクリー
    ト型枠。
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