JPH0676478B2 - 成形材料原料 - Google Patents

成形材料原料

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JPH0676478B2
JPH0676478B2 JP17888486A JP17888486A JPH0676478B2 JP H0676478 B2 JPH0676478 B2 JP H0676478B2 JP 17888486 A JP17888486 A JP 17888486A JP 17888486 A JP17888486 A JP 17888486A JP H0676478 B2 JPH0676478 B2 JP H0676478B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はメタセシス重合によって工業的に有利に製造さ
れる重合体成形物を得るための成形材料原料に関する。
更に詳しくは、6−アルキリデン−1,4,5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン(以下こ
れを“ADHN"と略すことがある)を必須成分とするメタ
セシス重合性単量体を、メタセシス重合触媒系を用いて
バルク重合によって重合と成形を同時に行なって重合体
成形物を得るための反応性溶液の組合せからなる成形材
料原料に関するものである。
[従来技術] 5−アルキリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
類、就中エチリデンビシクロ[2.2.1]へプト−2−エ
ン(ENB)はシクロ−ペンタジエンと、ブタジエンとのD
ies Alder付加体である5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エンの異性化によって得られる化合物であ
り、エチレン・プロピレンゴム用の第3成分として賞用
されており、工業的に利用可能である。
そこで、本発明者は、この化合物を利用して新しいポリ
マーを得るべく研究した結果、このものに更にシクロ−
ペンタジエンをDiels Alder付加させると、付加体とし
て前記ADHNが得られること、このADHNにメタセシス重合
触媒系を適用することに想到したものである。メタセシ
ス重合によって、環状オレフィンは二重結合部分で開環
し、主鎖にオレフィンを有する重合体を生じることが知
られている。例えば、ジシクロペンタジエンは二つの環
状オレフィン基を有しており、これによって架橋重合体
が得られることが知られている。
一方、非環状の、鎖状オレフィンを環状オレフィンのメ
タセシス重合系に添加すると、反応に関与して末端停止
剤として作用することも知られている。
[発明が解決しようとする課題] これらのことから、ADHNにメタセシス重合を適用する場
合に容易に予測される問題点は、この化合物が環状オレ
フィン以外にもう一つの鎖状のオレフィン基を有してい
ることである。
これが、重合の末端停止剤として作用したり短鎖のオレ
フィンを生じたり、好ましくない副反応を起すことが当
然予測される。事実、構造要求的には類似の構造を有
し、エチリデン基の代りにビニル基が結合した形の5−
ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンを単独でメ
タセシス重合に適用した場合には、かかる副反応のため
と考えられるが、もろい重合体が不規則なガス孔を多量
含んだ形でしか得られず、実用性が殆んどないことを本
発明者は確認している。
[課題を解決するための手段] ところが、ADHNの場合は、かかる鎖状二重結合が少くと
も三つの炭化水素基で置換されているための立体障害の
ためと考えられるが、この鎖状二重結合が殆んどメタセ
シス重合に関与せず、高い2次転移点を有し、非常に丈
夫な高重合体が容易に得られることを見出し得て本発明
に到達したものである。
即ち、本発明はADHNよりメタセシス重合によって重合体
成形物を得ようとするものである。
前述の如く、ADHNのメタセシス重合を溶液重合の如く極
く温和な条件で行えば、鎖状の二重結合が殆んど反応に
関与せず大部分が鎖状のポリマーとして得ることができ
る。
また一方、かかるポリマーを溶融成形等によって加熱成
形を行おうとすると、残っている二重結合が架橋反応等
を起して充分な成形性を発揮し得ないことが多い。
そこで、バルク状で重合を行い液状のモノマーをそのま
ま鋳型に流し込み、そのまま重合と成形とを同時に一段
で行ってしまうことにより、重合体成形物を一挙に得る
のが有利であることを見出した。
この場合、メタセシス重合反応は非常に高速で起るた
め、触媒成分を混和した後、鋳型に注入するまでの間に
重合が起ってしまい、型への注入が困難になる場合が多
いが、メタセシス触媒系の主触媒成分と活性化剤成分を
別々のモノマー溶液としておき、この二成分を注入時に
衝突混合やスタティックミキサー等により高速混合して
鋳型に流し込む方法をとることができることが判った。
バルク重合においては、激しい発熱反応によって重合系
が高温になるためどうしても鎖状の二重結合もその一部
が架橋反応に関与することになり、得られた重合体は架
橋重合体となってしまうが成形は完了しているため、耐
薬品性、耐熱性等の見地からはある程度、架橋が存在す
る方がむしろ有利であることも判った。
さらに前記ADHNの一部を他のメタセシス重合性のモノマ
ーをおきかえることによっても何等支障なく、重合体が
得られるばかりでなく、その共重合モノマーの選択によ
っては、得られたモノマーの特長に加えて、更に別の特
性も付与される。
すなわち、本発明は下記(1)の発明を包含する。
(1)a.メタセシス重合触媒系の触媒を含む環状オレフ
ィン化合物の反応性溶液(溶液A)及びb.メタセシス重
合触媒系の活性化剤を含む環状オレフィン化合物の反応
性溶液(溶液B)より少なくともなり、混合によって重
合反応し得る反応性溶液の組合せであって、前記溶液A
及び溶液B中の環状オレフィン化合物は、6−アルキリ
デン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘキサヒ
ドロナフタレン又は該化合物と、ジシクロペンタジエン
及びメタセシス重合性置換ノルボルネン類よりなる群か
ら選ばれた少くとも一種のモノマーとの混合物より実質
的になる単量体であることを特徴とする成形材料原料。
本発明によれば、6−アルキリデン−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン又は該
化合物と他のメタセシス重合性モノマーの少くとも一種
との混合物より実質的になる単量体を、メタセシス重合
触媒の存在下バルク重合せしめて、重合と同時に成形を
行なうことによって重合体成形物を得ることができる。
本発明で用いられるADHNは下記一般式(I)で表わされ
る。
就中、R1,R2がともにメチル基及び、R1,R2のいずれか
がメチル基で他の一方が水素原子である場合が好まし
い。
即ち、具体的には6−イソプロピリデン−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン
(以下“PDHN"と略称する)、6−エチリデン−1,4,5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレ
ン(以下、“EDHN"と略称する)が好ましく、特に後者
が好ましい。
本発明で用いられるADHNは、一般に95%以上の高純度で
あることが好ましく、しかも、不純物はメタセシス触媒
系の活性を阻害しないものであることは当然であるが、
メタセシス重合性を有するものであるのが好ましい。メ
タセシス重合を阻害するアルコール類、カルボン酸類、
カルボニル化合物類などの極性化合物の含有量はできる
だけ少ない方が好ましい。
本発明においては、ADHNに対し任意の割合で他のメタセ
シス重合性モノマーを少なくとも一種共重合して用いる
ことができる。かかる共重合モノマーとしては充分なメ
タセシス重合性さえあれば、一般にはいかなるものでも
差支えない。
メタセシス重合性の見地からは、シクロヘキサンを除い
たシクロアルケン、シクロブテン、シクロペンテン、シ
クロヘプテン、シクロオクテン、あるいはその置換誘導
体を用いることができるが、特に下式(II)で表わされ
るノルボルネン骨格を分子中に少なくとも1つ有する化
合物が好ましい。
かかる、共重合モノマーの好ましい例としては、ADHNの
製造工程で混入しやすく、それを無理に取除くことなく
そのまま用いてモノマー合成を有利にしうる例や本発明
の重合体成形物に新しい性質を付与しより特徴あらしめ
ることのできる例をあげることができる。
前者の例としては、例えば、EDHNの場合はその原料の 5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン ジシクロペンタジエン 更に、それ以前の原料の 5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン また副生する下式で表わされる化合物 等をあげることができる。
後者の例としては、メタセシス重合性の基を1分子中に
2個以上含有し、生成重合体の架橋度をあげる効果のあ
るもの(A)、有機ルイスベース性の極性基を有してお
りメタセシス重合の速度を調整したり分子鎖中の極性基
を導入して、耐薬品性や耐熱性を向上せしめうるもの
(B)、ハロゲン原子を有しており、難燃化に効果のあ
るもの(C)等が好適である。
前記(A)の具体例としては、ジシクロペンタジエン、
1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘキサヒドロ−
ナフタレン、トリ−シクロ−[2.2.1.0]トリデカ−5,1
1−ジエン,1,3−フェニレンビス(5−ノルボルネニ
ル)等をあげることができる。
(B)のルイスベースの例としては、シアノ基、カルボ
ン酸エステル基、エーテル基、N,N−ジ置換アミド基、
N−置換イミド基、ピリジル基のような3級アミド基を
あげることができる。
これらの典型例としては、5−シアノノルボルネン、5
−メトキシカルボニルノルボルネン、5−ブトキシノル
ボルネン、5−アセチロキシノルボルネン、5−メチル
−ブトキシカルボニルノルボルネン、N−ブチルナディ
ック酸イミド、5−ノルボルネニルカルボン酸−N,N−
ジチメルアミド、5−(4−ピリジル)ノルボルネン等
をあげることができる。(C)の例としては5−(4−
ブロモフェニル)ノルボルネン等をあげることができ
る。
さらに、メタセシス重合に対して一官能性の炭化水素系
のノルボルネン誘導体としては、5−ブチルノルボルネ
ン、5−イソプロペニルノルボルネン、5−フェニルノ
ルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、シクロペン
タジエン−メチルシクロペンタジエン共二量体、1,4,5,
8−ジメタノ−1,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン
などをあげることができる。
上記した共重合モノマー中、特に、ジシクロペンタジエ
ン、5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−シアノノルボルネン、5−アルコキシカルボニ
ルノルボルネン、5−メチル−アルコキシカルボニルノ
ルボルネン、N−アルキル・ナデイク酸イミド等が好ま
しい。
かかる共重合成分はADHNに対して0〜95モル%の範囲が
用いられる。
ADHNからのメタセシス重合ポリマーは後述の如く非常に
高Tgを有することが特徴で、EDHNの場合、単独重合体で
は160℃以上のTgを有しており、従ってADHNは他のメタ
セシス重合体のTg向上用の共重合成分として、極めて有
効であり、その場合は5モル%程度の使用割合から有効
となりうるもので、このため上記の如き広い範囲のADHN
に対する共重合成分の使用割合が有効となる訳である。
従って、ADHN重合体の性質を改質するための共重合成分
の共重合割合としては、5〜50モル%の範囲が好まし
く、逆にADHNをTg向上剤などの目的として用いようとす
る場合には50〜95モル%、特に40〜10モル%が好ましい
ことになる。
メタセシス重合触媒は、周知の如く一般に、主触媒成分
と活性化剤成分の二成分からなる。
従って、メタセシス重合に対して2官能として作用する
モノマーの組合せで行う時には、不活性溶媒の存在下で
マイルドな条件下で重合を行い、大部分が鎖状である重
合体を得ることも可能である。ADHN類の場合、それを更
に溶融成形しようとするとゲル化等を起す恐れがあり前
述の如く、むしろバルク重合を行い、重合と同時に成形
をも行ってしまう方法をとる方が有利なことが多い。こ
の場合、発生する重合熱によって加速的に重合が進行
し、成形物の温度がかなり上るためADHN単独の場合でも
多少架橋が起ってしまうこともさけられない。ただ、前
述の如くいきなり成形物を得ようとした場合は、むしろ
架橋がある程度起った方が、耐溶剤性や耐熱性の面で有
利なことが多い。
かかるバルク重合については、モノマーに活性化剤成分
をまず加え、次いで主触媒成分を加え重合が開始され、
流動性を失うまでに、賦型し、その架橋重合体成形物を
得る方法や、モノマー混合物に主触媒成分と活性化剤成
分を同時に加え、同様に架橋生成物を得る方法もとるこ
とはできる。しかしながら、メタセシス重合反応は一般
に発熱反応であり一旦重合が開始されると系がさらに加
熱され反応が早くなり非常に高速で反応が完了するた
め、触媒の調製に工夫をこらさない場合には上記の如き
方法では流動性を失う前の賦型が難しいことが多い。
そこで、前述の如く、モノマーとともに、メタセシス触
媒系の主触媒成分を含む溶液(溶液A)と活性化剤成分
を含む溶液(溶液B)との二つの溶液を予め調整してお
き、衝突混合(RIM方式)や、スタティックミキサー等
によって急速混合し、直ちに鋳型に注入し賦型した後、
型内で硬化させる方法が好適に適用できる。
その場合、モノマーの組成は両液で同じであることは必
ずしも必要でなく、全体としてのモノマー組成が前述の
範囲であれば任意に変更することもできる。
このようなメタセシス重合による二液混合方式による成
形物の製造法については、ジシクロペンタジエンをモノ
マーとして用いる場合についで特開昭58-129013号公報
に開示されている。
前述した成形方式におけるメタセシス重合触媒系におけ
る触媒成分としてはタングステン、レニウム、タンタル
等のハライドなどの塩類が用いられるが、特にタングス
テン化合物が好ましい。かかるタングステン化合物とし
ては、タングステンハライド、タングステンオキシハラ
イドなどが好ましく、より具体的には、タングステンヘ
キサクロライド、タングステンオキシクロハライドなど
が好ましい。有機アンモニウムタングステン酸塩なども
用いることができる。かかるタングステン化合物は直接
ADHNに添加すると、直ちにカチオン重合を開始すること
が判っており好ましくない。従ってかかるタングステン
化合物は不活性溶媒例えばベンゼン、トルエン、クロロ
ベンゼン等に予め懸濁し、少量のアルコール系化合物ま
たはフェノール系化合物を添加することによって可溶化
させて使用するのが好ましい。
さらに、上述した如き、好ましくない重合を予防するた
めにタングステン化合物1モルに対し、約1〜5モルの
ルイス塩基またはキレート化剤を添加することが好まし
い。かかる添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢
酸アルキルエステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニ
トリルなどをあげることができる。またルイスベース基
を有するモノマーを共重合成分に用いる場合は、それに
この役目を兼ねさせることもできる。かくすることによ
ってタングステン化合物を含むモノマー溶液(溶液Aに
相当する)は実用に供する場合に充分に安定性を有する
ことになる。
一方メタセシス重合触媒系における活性化剤成分は、周
期律表第I〜第III族の金属のアルキル化物を中心とす
る有機金属化合物、特にテトラアルキルスズ、アルキル
アルミニウム化合物、アルキルアルミニウムハライド化
合物が好ましく、具体的には、塩化ジエチルアルミニウ
ム、ジ塩化エチルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウム、テトラブチル錫などをあげることができる。これ
ら活性化剤成分としての有機金属化合物を、ADHNまたは
ADHN含有混合単量体に溶解することにより、もう一方の
溶液(溶液Bに相当する)が形成される。
本発明においては、基本的に前記溶液A及び溶液Bを混
合することによって、架橋重合体成形物を得ることがで
きるが、上記組成のままでは、重合反応が非常に早く開
始されるので、成形用鋳型に充分流れ込まない間に硬化
が起ることがあり、度々問題となる場合が多く、そのた
めに活性調節剤を用いることが好ましい。
かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一般に用いら
れ、就中エーテル類、エステル類、ニトリル類などが用
いられる。具体例としては安息香酸エチル、ブチルエー
テル、ジグライムなどをあげることができる。かかる調
節剤は一般的に、有機金属化合物の活性化剤の成分の溶
液の側に添加して用いられる。
前述と同様にルイスベース基を有する共重合モノマーを
使用する場合には、それに調節剤としての役目を持たす
ことができる。
メタセシス重合触媒系の使用量は例えば触媒成分として
タングステン化合物を用いる場合は、上記単量体に対す
るタングステン化合物の比率は、モル基準で、約1000対
1〜約15000対1、好ましくは2000対1の付近でありま
た、活性化剤成分はアルキルアルミニウム類を用いる場
合には、上記単量体に対するアルミニウム化合物の比率
は、モル基準で約100対1〜約2000対1、好ましくは約2
00対1〜約500対1の付近が用いられる。更に上述した
如き、マスク剤や調節剤については、実験によって上記
触媒系の使用量に応じて、適宜、調節して用いることが
できる。
本発明による架橋重合体成形物には、実用に当って、そ
の特性を改良または維持するために、各種添加剤を配合
することができる。かかる添加剤としては、充填剤、顔
料、酸化防止剤、光安定剤、高分子改良剤などがある。
このような添加剤は、本発明の架橋重合体が成形されて
後は添加することが不可能であるから、添加する場合に
は予め前記した原料溶液に添加しておく必要がある。
その最も容易な方法としては、前記溶液A及び溶液Bの
いずれかまたは両方に前もって添加しておく方法をあげ
ることができるが、その場合、その液中の反応性の強い
触媒成分や、活性化剤成分と実用上さしつかえある程度
には反応せず、かつ重合を阻害しないものでなくてはな
らない。どうしても、その反応がさけえないが共存して
も、重合は実質的に阻害しないものの場合は、単量体と
混合して、第三液を調製し、重合直前に混合使用するこ
ともできる。また、固体の充填剤の場合であって、両成
分が混合されて、重合反応を開始する直前あるいは重合
をしながら、その空隙を充分にうずめ得る形状のものに
ついては、成形用モールド中に、充填しておくことも可
能である。
添加剤としての補強材又は充填剤は、曲げモジュラスを
向上するのに効果がある。かかるものとしてはガラス繊
維、雲母、カーボンブラック、ウォラストナイト等をあ
げることができる。これらを、いわゆるシランガプラー
などによって表面処理したものも好適に使用できる。
また、本発明の重合体成形物は、酸化防止剤を添加して
おくことが好ましく、そのためフェノール系又はアミン
系の酸化防止剤を予め溶液中に加えておくことが望まし
い。これら酸化防止剤の具体例としては2,6−t−ブチ
ル−P−クレゾール、N,N′−ジフェニル−P−フェニ
レンジアミン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)]メタン、メチ
レン−4,4′−ビス(3,5−ジ−t−ブチルフェノール)
などがあげられる。
また、本発明による重合体成形物は、他の重合体を単量
体溶液状態の時に添加しておくことができる。かかる重
合体添加剤としてはエラストマーの添加が成形物の耐衝
撃性を強めること、及び溶液の粘度を調節する上で効果
がある。かかる目的に用いられるエラストマーとして
は、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックゴ
ム、スチレン−イソプレン−スチレントリブロックゴ
ム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、エ
チレンプロピレン−ジエンターポリマーなど広範なエマ
ストマーをあげることができる。
本発明の重合体成形物は、前記した如く、重合と成形と
を同時に行うことによって製造されるのが好ましい。従
って、いわゆるRIM方式によって製造するのが好まし
い。RIM方式の成形においては、前述した通り、触媒成
分と活性化剤成分とを別々に溶解した単量体溶液(つま
り溶液Aと溶液B)をRIM機のミキシングヘッド部分で
急速に混合し、鋳型中に注入した重合及び成形を行って
成形物を得る方法が一般的である。
鋳型(モールド)への注入圧力は比較的低圧であること
ができ、従って安価な鋳型を使用することが可能であ
る。
モールドへの注入圧力は、比較的低圧でて使用可能であ
り、従って、安価なモールドの使用が可能である。ま
た、型内の重合反応が開始されると反応熱によって型内
の温度は急速に上昇し、短時間に重合反応が終了する。
ポリウレタン−RIMの場合と異なり、モールドから脱離
は容易であり、特別の離形剤を必要としない場合が多
い。
成形物は、表面に酸化層ができるためか、表面極性を有
し、エポキシやポリウレタン等の一般に使用される塗料
への付着性は、良好である。
[発明の効果] 本発明の重合体成形物は主として下記の如き構造(II
I)よりなることが、メタセシス重合の反応特性及び生
成重合体の赤外吸収スペクトル等によって確認できる。
かかるポリマー中に存在している側鎖の鎖状アルケンの
反応性を利用して、後熱処理等によって更に軟化点をあ
げることも可能である。
従って本発明によれば極めて工業的に有利な重合体成形
物及び反応性溶液の組合せからなる成形材料原料が提供
される。
かくして得られた成形物は、自動車等を含めた各種運搬
機器の部材、電気、電子機器のハウジングなど、大型の
成形物を中心に広範な用途に使用できる。
[実施例] 以下に実施例を掲げて本発明を詳述する。なお実施例は
説明のためであって、それに限定されるものではない。
[実施例1〜10、比較例] 市販の5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン(ENB)とシクロペンタジエンをオートクレーブ中D
iels Alder反応させた後窒素気流下で蒸留精製し、ガス
クロマトグラフによる純度測定で99%以上の純度のEDHN
を得た。同様に市販のジシクロペンタジエン(DCP)を
蒸留し、凝固点33.4℃を示す精製品を得た。
[触媒成分溶液の調製] 六塩化タングステン20gを乾燥トルエン70mlに窒素気流
中下で添加し、次いでノニルフェノール21g及びトルエ
ン16mlよりなる溶液を添加して0.5Mのタングステン含有
触媒溶液を調製し、この溶液に対し、窒素ガスを一晩パ
ージして、六塩化タングステンとノニルフェノールとの
反応によって生成された塩化水素ガス除去して、重合用
触媒とした。
かかる溶液10ml、アセチルアセトン1.0ml混合量体500ml
を混合し、タングステン含量0.01M溶液Aを調製した。
[活性化剤成分溶液の調製] ジエチルアルミニウムクロライド1.8g、イソプロピルエ
ーテル3.75ml混合単量体500mlを混合しアルミニウム分
として、0.03Mの溶液Bを調製した。
A,B両液の調製に用いた単量体の組成は、次の通りであ
る。
かかる上記の溶液を、触媒成分溶液(溶液A)10ml活性
化剤成分溶液(溶液B)10mlを内温25℃に保っておいて
充分窒素でおきかえたシリンジ内にとり出した。かかる
シリンジを一定速度で、押出し、液を注入しそれを、ノ
ズル内で混合して型内に流し込める超小型RIM機にかけ
て、板状の極めて丈夫な三次元化重合体成形物を得た。
溶液を混合してから、急激に系内の発熱が開始される時
間及び、系内の最高到達温度は、重合が、阻害されるこ
となく、行われたかどうか判断する指標であるが、実施
例1〜10の範囲において、大体同じような値を示し、す
べてが高い重合性を示している。
さらに表には、耐熱性、耐薬品性の指標であるTMAによ
る軟化点及びトルエンを用いた膨潤率を測定した。
TMAによる軟化点の測定ではEDHNの含有率を増すにした
がい軟化温度が飛躍的に改善される。さらに280℃までN
2中で昇温したサンプルをもう一度軟化点を計るといず
れもかなり高くなり、特に実施例5、実施例8、実施例
9、実施例10では見かけの軟化点が観測されなくなって
おり、後処理による軟化点向上の可能性を示している。
膨潤率は、EDHNの単独重合体がDCPに較べ多少架橋度が
小さいためと考えられ、DCPの共重合割合を増すにした
がっていくらか小さくなる傾向を示す。
[実施例11] [触媒液成分液の調製] 六塩化タングステン20gを乾燥トルエン70mlに窒素気流
中下で添加し、次いでノニルフェノール21g及びトルエ
ン16mlよりなる溶液を添加して、0.5Mのタングステン含
有触媒溶液を調製し、この溶液に対し窒素ガスを一晩パ
ージして、六塩化タングステンとノニルフェノールとの
反応によって生成された塩化水素ガス除去して、重合触
媒とした。
かかる溶液1.0ml、アセチルアセトン0.10ml混合DHN9.0m
lを混合し、タングステン含有0.05M溶液を調製した。
[活性化剤成分溶液の調製] ジエチルアルミニウムクロライド0.18g、イソプロピル
エーテル0.375ml混合物EDHN9.5mlを混合してアルミニウ
ム分として、0.15Mの溶液を調製した。100mlのガラス容
器に乾燥トルエン(水分率5ppm)50mlを入れ窒素バブル
し、容器中及び溶液中の気体を充分置換し、内温を25℃
に保った。活性化剤成分溶液2ml、触媒成分溶液2mlの順
に加え激しく攪拌することによりゲル状物のごとき高粘
度の液状物を得た。このポリマー濃度100g/lのトルエン
溶液を35℃で粘度測定したところηsp/C=41(ml/g)の
値を示した。
このゲル状物をさらにトルエン50mlに溶解させ、粘度を
低下させ、ガラス板上キャスティング後乾燥させ、透明
かつ強いフイルムを得た。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、実施例11のEDHN単独重合体フイルムの赤外
吸収スペクトルを示すものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.メタセシス重合触媒系の触媒を含む環状
    オレフィン化合物の反応性溶液(溶液A)及び b.メタセシス重合触媒系の活性化剤を含む環状オレフィ
    ン化合物の反応性溶液(溶液B) より少なくともなり、混合によって重合反応し得る反応
    性溶液の組合せであって、前記溶液A及び溶液B中の環
    状オレフィン化合物は、6−アルキリデン−1,4,5,8−
    ジメタノ−1,4,4a,5,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン
    又は該化合物と、ジシクロペンタジエン及びメタセシス
    重合性置換ノルボルネン類よりなる群から選ばれた少く
    とも一種のモノマーとの混合物より実質的になる単量体
    であることを特徴とする成形材料原料。
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