JPH0641509B2 - 架橋重合体成形物の製造方法及び成形材料原料 - Google Patents

架橋重合体成形物の製造方法及び成形材料原料

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JPH0641509B2
JPH0641509B2 JP15629386A JP15629386A JPH0641509B2 JP H0641509 B2 JPH0641509 B2 JP H0641509B2 JP 15629386 A JP15629386 A JP 15629386A JP 15629386 A JP15629386 A JP 15629386A JP H0641509 B2 JPH0641509 B2 JP H0641509B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シクロペンタジエン系重合体の改良された架
橋重合体成形物の製造方法及びそのための成形材料原料
に関する。更に詳しくは、ジシクロペンタジエンを含有
する単量体をメタセシス重合触媒を用いてバルク重合せ
しめて、架橋重合体成形物を製造する方法及びそのため
に使用される成形材料原料に関する。
[従来技術] ジシクロペンタジエン(以下“DCP”と略称すること
がある)は、ナフサクラッキングによってエチレン等を
製造する際のC留分の主成分の1つであるシクロペン
タジエンが熱力学的により安定な二量体の形で得られる
ものであって、豊富な石油化学原料と云える。
従来よりDCPは熱ラジカル重合やカチオン重合させて
石油樹脂等を得る原料として用いられてきた。しかし最
近DCPの環中の2つの二重合結合をオレフィンメタセ
シス重合触媒系によって開環重合せしめ、DCPから一
挙に架橋重合委の成形体を得る技術が開示された(例え
ば特開昭58−129013号公報参照)。この技術は、反応成
形法によって、前記豊富な石油化学原料から一段で大型
の成形品が容易に得られること、及びその成形品は剛性
と耐衝撃性のバランスのよい優れた物性を有している点
で工業的に価値がある。
ところで、上記反応成形法において用いられるメタセシ
ス触媒系は、一般にタングステン、レニウム、タンタル
などの遷移金属塩触媒とそれを活性化するためのアルミ
ニウム、スズなどの有機金属化合物の組合せによって触
媒系として活性が発現される。上記方法はこの点を利用
して、前記触媒成分と活性剤成分の両成分を、別々に分
けられたDCP中に混合した状態では重合は開始されな
いが、両者を急激に混合することによって、メタセシス
重合が開示され、反応成形が進行し成形物が一挙に得ら
れるように工夫されている。
かかるメタセシス触媒系は、上記の両成分とも、非常に
反応性に富んでおり、酸素や水と容易に反応するのみな
らずモノマー中の他の極性成分とも容易に反応して、触
媒としての能力を失活することが知られている。従っ
て、かかる反応成形法のモノマーとして用いるDCP
は、そういったメタセシス触媒系を阻害する不純物を除
いたものであることが必要であり、かかる触媒等のみを
選択的に除くことが極めて困難であることから、一般
に、精製度をあげたDCPが用いられる。ところで、D
CPは精製度をあげていくと、凝固点が33℃を超す程に
高くなる。反応成形用の重合用反応液として触媒系成分
を溶解することによって凝固点はある程度、低下する
が、それでも一般には液として20℃以上の凝固点をしめ
すことがしばしばであり、室温が少し低くなると反応液
が凍結し、液状反応液としてそのまま使えなくなるとい
う問題点を有することが判明した。
一方、重合用反応液は、触媒系成分を2液に分けている
状態でも各成分が非常に活性であり30℃以上の温度で
は、比較的短時間のうちに、活性が低下することが判っ
ており、直ちに使用出来るように、重合用反応液を常に
加温し、液状に保っておくことが難しいことも判ってき
た。即ち、反応成形用の反応液としては液の調製の場合
にも、また使用直前にもわざわざ加温溶解して用いなく
てはならないという、実際上、非常にやっかいな問題点
があることが判明した。
その対策として、DCPに凝固点降下を起させるため
に、触媒系の活性を阻害しない成分を加えることが考え
られるが、その成分が重合しないで低分子成分として、
架橋重合体成形物中に残留すると、重合体成形物の性質
を損ったり、引火しやすくなったり、また種々の不都合
の原因となる。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明者は、常温で液体であってDCPと混合す
ることにより、凝固点降下を起しうるものであり、か
つ、メタセシス重合性を有し、DCPと共重合出来る化
合物を見出すべく鋭意研究を進めた。
さらに、前述したDCPのメタセシス重合の場合、重合
性は実用上使用出来る程度にはあるが、条件によっては
モノマーが残留しそれが特有の臭を持つことがあり、よ
り完全に重合を行なうためには、上記の共重合用化合物
がより強い重合性を有するものであることが望まれる。
本発明者は上記の要件に加えて、この要件をも満足しう
る、DCPに対する共重合用化合物を見出すべく、鋭意
研究を行った。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明者は、下記一般式[I]で表わされる
5−アルケニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン
(以下“ABH”と略称することがある)に着目した。
[但し式中RおよびRは同一もしくは異なり水素原
子またはメチル基を示す。] 前記一般式[I]で表わされる化合物(ABH)は、強
いメタセシス重合性を有するノルボルネン環を有してお
りDCPとの共重合が期待される。しかし一方非環状の
オレフィン基を有しておりこれがメタセシス反応に加わ
ると末端停止剤として作用する一方低沸点の揮発性の副
性物が生じる恐れがあり、良好な重合体成形物が得られ
ない恐れがあった。事実典型的なABHである5−ビニ
ルノルボルネン(VNB)をメタセシス触媒系を用いて
単独重合すると、不規則な発泡をした柔かい樹脂が得ら
れるに過ぎなかった。しかしDCPに少量成分としてA
BHを混合して共重合した場合には、予想に反して殆ん
どそのような不都合は生ぜず、良好な架橋重合体が得ら
れることを見出し本発明に到達した。しかもかかるAB
H類は、シクロペンタジエンと共役鎖状ジエン、例えば
ブタジエンとのディールス・アルダー(Diels Alder)
反応によって製造することが出来る。
このうちあるものは、工業的に生産されており入手が容
易である。
さらに、得られる共重合体は、DCPの単独重合体に比
して遜色のない性能を有するばかりか、ABH鎖の部分
は、ほぼ架橋のない鎖状であり、かつ、後反応性を有す
る非環状オレフィンを有しているため使用法によっては
より優れた性能を発揮しうる可能性を有していることを
も見出したものである。
本発明は、かかる究明事実に基いて到達されたものであ
り、 (1)シクロアルケン類をメタセシス重合触媒系の存在
下、重合せしめて架橋重合体成形物を得る方法において
原料単量体として、ジシクロペンタジエン99〜50モル%
及び5−アルケニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エ
ン1〜50モル%より実質的になる単量体混合物を使用す
ることを特徴とする架橋重合体成形物の製造方法であ
り、他の発明は (2)a.メタセシス重合触媒系の触媒を含む環状オレフィ
ン基を1分子中に2個有する化合物を少なくとも1種含
有する環状オレフィン化合物の反応性溶液(溶液A)、 b.メタセシス重合触媒系の活性化剤を含む環状オレフィ
ン基を1分子中に2個有する化合物を少なくとも1種含
有する環状オレフィン化合物の反応性溶液(溶液B)、 より少なくともなる反応性溶液の組合せであって前記溶
液A及び溶液B中の環状オレフィン化合物は、両方あわ
せた組成がジシクロペンタジエン99〜50モル%及び5−
アルケニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン1〜50
モル%より実質的になる単量体混合物であることを特徴
とする成形材料原料である。
本発明で用いられるDCPは前述の如く高度に精製され
たものが好ましい。DCPは一般に、ナフサ・クラッキ
ングによって副性したC留分中から分離精製して得ら
れる。更に詳しくは分離されたC留分を熱処理してシ
クロペンタジエンを2量化させ他のC留分とは沸点さ
を生じせしめて、蒸留精製する方法が一般的である。
本発明で用いられるDCPは、一般にDCP純度95%以
上さらに好ましくは97%以上であってしかも不純物は、
メタセシス触媒系の活性を阻害しないものであることは
当然であるが、メタセシス重合性を有するものであるこ
とが好ましい。メタセシス重合を阻害するアルコール
類、カルボン酸類、カルボニル化合物類などの極性化合
物の含有量は、出来るだけ少ないことが好ましい。
しかしブタジエン、イソプレン、ピペリンなどの炭素数
4〜6の共役ジエンとシクロペンタジエンとのディール
ズ・アルダー付加体は、本発明において使用される5−
アルケニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンそのも
のであり、これら付加体は前記本発明の範囲内で多量に
含まれていても差支えはない。一方これら付加体を1モ
ル%以上含有するDCPを用いることは、本発明の単量
体混合物の範囲に包含されることになる。
本発明において用いられるABH類も同様に、それ自体
精製されたものであることが好ましい。ABH類として
は、例えば、5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2
−エン(VNB)、5−イソプロピルビシクロ[2,2,
1]ヘプト−2−エン(PNB)が好ましく、特にVN
Bが好ましい。
本発明の架橋重合体の製造に用いる単量体混合物として
は、前述の如くDCPとABHの混合物を主体とするも
のが用いられるが第3成分としてそれ以外のメタセシス
重合性の単量体を添加して用いることも出来る。かかる
第3成分単量体は、DCPやABH中の混入物として少
量入ってくる場合も一般にありうるが、本発明の架橋重
合体に本発明の特徴を損わない範囲で、一般にはDCP
とABH混合物に対し好ましくは20モル%を超えない範
囲で、共重合させて用いることが出来、かかる第3成分
単量体を共重合して製造した架橋重合体成形物も、本発
明の範囲に当然包含されるものである。
かかる第3成分としてはシクロペンタジエン−メチシク
ロペンタジエン・共二量体、ノルボルネン、ジヒドロジ
シクロペンタジエン、5−フェニルノルボルネン、5−
イソブチルノルボネン、5−アルキリデンノルボルネン
等の炭化水素系シクロアルケン、5−シアノノルボネ
ン、5−メチル−メトキシカルボニルノルボルネン、N
−ヘキシルナディク酸イミド、ジブロモフェニルノルボ
ルネン等の異種元素を含むシクロアルケン類等をあげる
ことが出来る。
DCPとABHとの使用割合は本発明においては99:1
〜50:50(モル%)の範囲が用いられるが、DCPの融
点降下を主眼とした目的にはABH3〜10モル%が好ま
しく、後反応性などのABHの特性を生かして用いよう
とすると、ABH20〜40モル%の範囲が好ましい。AB
Hをかなり共重合しても、熱的性質、例えば二次転移点
等は大きく損われず、かつ後反応性等を利用すれば処理
法によってはむしろ向上させることも可能になるという
大きな特徴がある。
メタセシス重合触媒系は、一般に周知の如く、主触媒成
分と活性化剤成分の2成分系よりなる。従って、モノマ
ー混合物に、活性化剤成分をまず加え、次いで主触媒成
分を加え、重合が開始され、流動性を失うまでに賦型
し、その架橋重合体成形物を得る方法や、モノマー混合
物に主触媒成分と活性化剤成分を同時に加え、同様に架
橋重合体成形物を得る方法もとることが出来る。しかし
ながらメタセシス重合反応は、一般に発熱反応であり一
旦、重合が開始されると系がさらに加熱され反応が早く
なり非常に高速で反応が完了するため、触媒の調製に工
夫をこらさない場合には上記の如き方法では流動性を失
うまでの賦型が難しいことが多い。
そこで、前述の如く、モノマー混合物とともに、メタセ
シス触媒系の主触媒成分を含む溶液(溶液A)と活性化
剤成分を含む溶液(溶液B)との二つの溶液を予め調製
しておき、衝突混合(RIM方式)やスタティックミキ
サー等によって、急速混合し、直ちに鋳型に注入し、賦
型した後、型内で硬化させて成形物を得る方法が好適に
適用出来る。その場合、モノマー混合物の組成は、両液
で同じであることは必ずしも必要でなく、任意に変更す
ることも出来る。特に、融点降下を利用しようとする場
合には一般に活性化剤の溶液(溶液A)の方が同一組成
の単量体を用いた場合、触媒溶液(溶液B)よりも凝固
点が高くなる場合が多いので、この溶液の方にABHの
混合割合を高めておく方法をとることも出来る。
このようなDCPを主体とする単量体の二液混合方式に
よる成形物の製造方法については、基本的には例えば特
開昭58−129013号公報に開示されている。
前述した成形方式におけるメタセシス重合触媒系におけ
る触媒成分としてはタングステン,レニウム,タルタル
等のハライドなどの塩類が用いられるが、特にタングス
テン化合物が好ましい。かかるタングステン化合物とし
ては、タングステンハライド,タングステンオキシハラ
イドなどが好ましくより具体的には、タングステンヘキ
サクロライド,タングステンオキシクロライドなどが好
ましい。かかるタングステン化合物は、直接単量体に添
加すると、直ちにカチオン重合を開始することが判って
おり好ましくない。従ってかかるタングステン化合物は
不活性溶媒例えばベンゼン,トルエン,クロロベンゼン
等に予め懸濁し、少量のアルコール系化合物またはフェ
ノール系化合物を添加することによって可溶化させて使
用するのが好ましい。
さらに、上述した如き、好ましくない重合を予防するた
めにタングステン化合物1モルに対し、約1〜5モルの
ルイス塩基又はキレート化剤を添加することが好まし
い。かかる添加剤としてはアセチルアセトン,アセト酢
酸アルキルエステル類、 ,テトラヒドロフラン,ベ
ンゾニトリルなどをあげることができる。かくすること
によってタングステン化合物を含むDCP溶液(溶液A
に相当する)は実用に供する場合充分に安定性を有する
ことになる。
一方メタセシス重合触媒系における活性化剤成分は、周
期律表第I〜第III族の金属のアルキル化物を中心とす
る有機金属化合物、特にテトラアルキルスズ,アルキル
アルミニウム化合物,アルキルアルミニウムハライド化
合物が好ましく、具体的には、塩化ジエチルアルミニウ
ム,ジ塩化エチルアルミニウム,トリオクチルアルミニ
ウム,テトラブチル錫などをあげることができる。これ
ら活性化剤成分としての有機金属化合物を、DCPまた
はDCP含有混合単量体に溶解することにより、もう一
方の溶液(溶液Bに相当する)が形成される。
本発明においては、基本的に前記溶液A及び溶液Bを混
合することによって、架橋重合体成形物を得ることがで
きるが、型の温度等によっては、重合反応が非常に速く
開始される場合があり、そのため成形用鋳型に充分流れ
込まない間に硬化が起ることがあり、そのために活性調
節剤を用いることが出来る。
かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一般に用いら
れ、就中エーテル類、エステル類、ニトリル類などが用
いられる。具体例としては安息香酸エチル、イソプロピ
ルエーテル、ブチルエーテル、ジグライムなどをあげる
ことが出来る。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合
物の活性化剤の成分の溶液の側に添加して用いられる。
メタセシス重合触媒系の使用量は例えば触媒成分として
タングステン化合物を用いる場合は、上記DCPD混合
単量体に対するタングステン化合物の比率は、モル基準
で、約1000対1〜約15000対し、好ましくは2000対1の
付近でありまた、活性化剤成分はアルキルアルミニウム
類を用いる場合には、上記DCP混合単量体に対するア
ルミニウム化合物の比率は、モル基準で約100対1〜約2
000対1好ましくは約200対1〜約500対1の付近が用い
られる。更に上述した如き、マスク剤や調節剤について
は、実験によって上記触媒系の使用量に応じて、適宜、
調節して用いることが出来る。
本発明による架橋重合体成形物には、実用に当って、そ
の特性を改良または維持するために、各種添加剤を配合
することができる。かかる添加剤としては、充填剤、顔
料、酸化防止剤、光安定剤、高分子改良剤などがある。
このような添加剤は、本発明の架橋重合体が成形されて
後は添加することが不可能であるから、添加する場合に
は予め前記した原料溶液に添加しておく必要がある。
その最も容易な方法としては、前記溶液Aおよび溶液B
のいずれか又は両方に前もって添加しておく方法をあげ
る事が出来るが、その場合、その液中の反応性の強い触
媒成分や、活性化剤成分と実用上さしつかえある程度に
は反応せず、かつ重合を阻害しないものでなくてはなら
ない。どうしても、その反応がさけえないが共存して
も、重合は実質的に阻害しないものの場合は、単量体と
混合して、第三液を調製し、重合直前に、混合使用する
ことも出来る。また、固体の充填剤の場合であって、両
成分が混合されて、重合反応を開始する直前あるいは重
合をしながら、その空隙を充分にうずめ得る形状のもの
については、成形用モールド中に、充填しておくこと
も、可能である。
添加剤としての補強材又は充填剤は、曲げモジュラスを
向上するのに効果がある。かかるものとしてはガラス繊
維、雲母、カーボンブラック、ウオラストナイト等をあ
げることが出来る。これらを、いわゆるシランガプラー
などによって表面処理したものも好適に使用できる。
また、本発明の架橋重合体成形物は、酸化防止剤を添加
しておくことが好ましく、そのためフェノール系又はア
ミン系の酸化防止剤を予め溶液中に加えておくことが望
ましい。これら酸化防止剤の具体例としては、2,6−t
−ブチル−P−クレゾール、N,N′−ジフェニル−P
−フェニレンジアミン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)]メタ
ン、メチレン−4,4′−ビス(3,5−ジ−t−ブチルフェ
ノール)などがあげられる。
また、本発明に重合体成形物は、他の重合体を単量体溶
液状態の時に添加しておくことが出来る。かかる重合体
添加剤としてはエラストマーの添加が成形物の耐衝撃性
を強める事、及び溶液の粘度を調節する上で効果があ
る。かかる目的に用いられるエラストマーとしては、ス
チレン−ブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、エ
チレンプロピレン−ジエンタ−ポリマーなど広範なエラ
ストマーをあげることが出来る。
本発明の重合体成形物は、前記した如く、重合と成形と
を同時に行うことによって製造される。従って、いわゆ
るRIM方式によって製造するのが好ましい。RIM方
式の成形においては、前述した通り、触媒成分と活性化
剤成分とを別々に溶解した単量体溶液(つまり溶液Aと
溶液B)をRIM機のミキシングヘッド部分で急速に混
合し、鋳型中に注入し重合及び成型を行って成形物を得
る方法が一般的である。
モールドへの注入圧力は、比較的低圧で使用可能であ
り、従って、安価なモールドの使用が可能である。ま
た、型内の重合反応が開始されると反応熱によって型内
の温度は急速に上昇し、短時間に重合反応が終了する。
ポリウレタン−RIMの場合と異なり、モールドから離
脱は容易であり、特別の離形剤を必要としない場合が多
い。
[発明の効果] 成形物は、表面に酸化層ができるためか、表面は極性を
有し、エポキシやポリウレタン等の一般に使用される塗
料への付着性は、良好である。
本発明による架橋重合体成形物はDCPの単独重合体の
場合に比して前述の如く、液の融点,重合性等の面で作
業性が改良されており、有利に各種成形物を製造するこ
とができる。また更に、系内に残っている鎖状の不飽和
結合の反応性を利用して、後処理等によって軟化点をあ
げることも可能である。従って、極めて工業的に有利な
改良された架橋重合体成形物の製造方法及び成形材料原
料ということが出来る。
かくして得られた成形物は、自動車等を含めた各種運搬
機器の部材、電気、電子機器のハウジングなど、大型の
成形物を中心に広範な用途に使用出来る。
[実施例] 以下に実施例を掲げて本発明を詳述する。なお実施例は
説明のためであって、それに限定されるものではない。
[実施例1〜7、比較例1] 市販のジシクロペンタジエンを減圧下、窒素気流中で蒸
留精製し、凝固点33.4℃をしめす精製ジシクロペンタジ
エンを得た。ガスクロマトグラフによる純度測定では99
%以上の純度をしめした。一方、市販の5−ビニルビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−2−エンを同様に蒸留し、ガス
クロマトグラフによる純度測定では98.5%以上の純度の
ものを得た。
5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(VN
B)による融点降下効果をみるために、DCPに対しV
NBを各2.5モル%,5モル%,10モル%おきかえた混
合単量体液体をつくり各々の凝固点を測定すると下表の
如くになり添加量に比例して凝固点降下が起こることが
判った。
[触媒成分溶液の調製] 六塩化タングステン20gを乾燥トルエン70mlに窒素気流
中下で添加し、次いでノニルフェノール21g及びトルエ
ン16mlよりなる溶液を添加して0.5Mのタングステン含
有触媒溶液を調製し、この溶液に対し、窒素ガスを一晩
パージして、六塩化タングステンとノニルフェノールと
の反応によって生成された塩化水素ガスを除去して、重
合用触媒溶液とした。
かかる溶液10ml,アセチルアセトン1.0ml混合単量体500
mlを混合し、タングステン含量0.001M溶液Aを調製し
た。
[活性化剤成分溶液の調製] ジエチルアルミニウムクロライド1.8g,イソプロピル
エーテル3.75ml混合単量体500mlを混合してアルミニウ
ム分として、0.03Mの溶液Bを調製した。
かかる調製した溶液を25℃に保持した所、純ジシクロペ
ンタジエンのみから調製した溶液は活性化剤成分溶液、
触媒成分溶液ともに凍結したが、混合単量体からのもの
はいずれも溶液状態を保った。
また実施例3にあたる混合単量体溶液庫内温度7℃の冷
蔵庫中に貯蔵したが両方の溶液ともに、凍結することは
なかった。凝固点降下の降下が表われており、実際的な
使用において、非常に使いやすくなっていることが判
る。
さらにVNB含量20モル%(実施例4),30モル%(実
施例5),40モル%(実施例6),48モル%(実施例
7)の混合単量体を用いて溶液A及び溶液Bを調製し
た。
かかる上記の溶液を、触媒成分溶液(溶液A)10ml活性
化剤成分溶液(溶液B)10mlを内温25℃に保っておいて
充分窒素でおきかえたシリンジ内にとり出した。かかる
シリンジを一定速度で、押し出し、液を注入しそれを、
ノズル内で混合して型内に流し込める超小型RIM機に
かけて、板状の極めて丈夫な三次元化重合体成形物を得
た。
溶液を混合してから、急激に系内の発熱が開始される時
間及び、系内の最高到達温度は、重合が、阻害されるこ
となく、行われたかどうか判断する指標であるが、これ
らはDCP単独の場合、大きく変らずVNBの重合性の
良さを示している。
かかる重合性の良さに助けられたものと考えるが、成形
物からの残留モノマーによると思われる臭が少なくなる
傾向もしめされ本発明による架橋共重合体の優れた特性
が判る。
さらに、耐熱性,耐薬品性の指標であるTMA方による
軟化点及びトルエンを用いた膨潤率の測定をおこなっ
て、その結果を表2及び表3にまとめて示した。膨潤率
は純DCPを用いた場合に比しVNBの共重合割合が多
くなるに従って大きくなる傾向があるが、それ程大きく
なっておらず、実用上、差支えない範囲である。一方、
TMAによる軟化点においても純DCPを用いた場合に
比し、ほぼ同等(大きい場合と小さい場合とがある)
で、かつ280℃まで昇温したサンプルをもう一度軟化点
を計るといずれも若干高くなるが、特に実施例5の如く
見かけの軟化点が観測されなくなっており、VNB成分
を利用した後処理による軟化点向上の可能性をしめして
いる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロアルケン類をメタセシス重合触媒系
    の存在下、重合せしめて架橋重合体成形物を得る方法に
    おいて原料単量体として、ジシクロペンタジエン99〜50
    モル%及び5−アルケニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−
    2−エン1〜50モル%より実質的になる単量体混合物を
    使用することを特徴とする架橋重合体成形物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】a.メタセシス重合触媒系の触媒を含む環状
    オレフィン基を1分子中に2個有する化合物を少なくと
    も1種含有する環状オレフィン化合物の反応性溶液(溶
    液A)、 b.メタセシス重合触媒系の活性化剤を含む環状オレフィ
    ン基を1分子中に2個有する化合物を少なくとも1種含
    有する環状オレフィン化合物の反応性溶液(溶液B)、 より少なくともなる反応性溶液の組合せであって前記溶
    液A及び溶液B中の環状オレフィン化合物は、両方あわ
    せた組成がジシクロペンタジン99〜50モル%及び5−ア
    ルケニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン1〜50モ
    ル%より実質的になる単量体混合物であることを特徴と
    する成形材料原料。
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