JPH0730167B2 - 架橋重合体成形物の製造方法および反応性溶液 - Google Patents

架橋重合体成形物の製造方法および反応性溶液

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JPH0730167B2
JPH0730167B2 JP7551886A JP7551886A JPH0730167B2 JP H0730167 B2 JPH0730167 B2 JP H0730167B2 JP 7551886 A JP7551886 A JP 7551886A JP 7551886 A JP7551886 A JP 7551886A JP H0730167 B2 JPH0730167 B2 JP H0730167B2
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重義 原
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シクロペンタジエン系重合体の改良された新
規架橋重合体成形物の製造方法およびそのための反応性
溶液に関する。更に詳しくは、ジシクロペンタジエンを
主とするモノマーをメタセシス重合触媒系を用いてバル
ク重合せしめて得られる架橋重合体成形物の製造方法お
よびそのために使用される反応性溶液に関する。
[従来の技術] ジシクロペンタジエン(以下“DCPD"と略称する)は、
ナフサクラッキングによってエチレン等を製造する際の
C5留分の主成分の1つであるシクロペンタジエンが熱力
学的により安定な二量体の形で得られるものであって、
豊富な石油化学原料と云える。
従来よりDCPDは熱ラジカル重合やカチオン重合させて石
油樹脂等を得る原料として用いられてきた。しかし最近
DCPDの環中の2つの二重結合をオレフインメタセシス重
合触媒系によって開環重合せしめ、DCPDから一挙に架橋
重合体の成形物を得る技術が開発された(例えば特開昭
58−129013号公報参照)。この技術は、反応成形法によ
って前記豊富な石油化学原料から一段で大形の成形物が
容易に得られることおよびその成形物は剛性と耐衝撃性
のバランスのよい優れた物性を有している点で工業的に
価値がある。
ところで、上記反応成形法において用いられるメタセシ
ス触媒系は、一般にタングステン、レニウム、タンタル
などの遷移金属塩触媒とそれを活性化するためのアルミ
ニウム、錫などの有機金属化合物(活性化剤)の組合せ
によって触媒系として活性が発現される。上記方法はこ
の点を利用して、前記触媒と活性化剤の両成分を、別々
に分けてDCPD中に混合した反応性溶液の状態では重合は
開始されないが、両反応性溶液を急激に混合することに
よってメタセシス重合が開始され、反応成形が進行し成
形物が一挙に得られるように工夫されている。
かかるメタセシス触媒系は、上記の両成分とも非常に反
応性に富んでおり、酸素や水と容易に反応するのみなら
ずモノマー中の他の極性物質とも容易に反応して触媒系
としての能力を失活することが知られている。従って、
かかる反応成形法のモノマーとして用いるDCPDはそうい
ったメタセシス触媒系を阻害する不純物を除いたもので
あることが必要であり、かかる触媒毒のみを選択的に除
くことが極めて困難であることから、一般に、精製度を
挙げたDCPDが用いられる。ところで、DCPDは精製度をあ
げていくと、凝固点が33℃を超す程に高くなる。反応成
形用の反応性溶液として触媒系の各成分を溶解すること
によって凝固点はある程度低下するが、それでも一般に
は液として20℃以上の凝固点を示すことがしばしばであ
り、室温が少し低くなると反応性溶液が凍結し、液状反
応性溶液としてそのまま使えなくなるという問題点を有
することが判明した。
一方、触媒系の各成分は反応性溶液中でも非常に活性で
あり、30℃以上の温度では比較的短時間のうちに活性が
低下するため、直ちに使用できるように重合用反応性溶
液を常に加温し液状に保っておくことが難しいことも判
ってきた。すなわち、反応成形用の反応性溶液としては
液の調製の場合にも、また使用直前にもわざわざ加温溶
解して用いてはならないという、実際使用上非常にやっ
かいな問題点があることが判明した。
[発明が解決しようとする課題] その対策として、DCPDに凝固点降下を起こさせるため
に、触媒系の各成分の活性を阻害しない物質を加えるこ
とが考えられるが、その物質が重合しないで低分子物質
として架橋重合体成形物中に残留すると、架橋重合体成
形物の性質を損なったり、引火し易くなったり、また種
々の不都合の原因となる。
そこで本発明者は、DCPDと類似の構造を有しかつメタセ
シス重合性を有しており、しかもDCPDと類似の手段で調
製というよりDCPD中に混入してくる如き化合物で顕著に
凝固点降下作用を呈する化合物を見出すべく鋭意研究を
進めた。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明はシクロペンタジエンと類似の構造を
有し、且つ比較的豊富に産するメチルシクロペンタジエ
ンに着目し、メチルシクロペンタジエンとシクロペンタ
ジエンの共二量体およびメチルシクロペンタジエンの二
量体を検討した。その結果両者とも同じ程度の顕著な融
点降下を示すが、後者は単独ではメタセシス重合はせず
またDCPDに少量混入してもかなりその重合を妨げる作用
があることが判明した。一方前者の共二量体の方は単独
でも重合性が認められ且つ少量の混入ではDCPDへの重合
性には影響がなく且つ得られた共重合架橋成形物にも、
その有用な性質には変化が認められないことが判明し本
発明に到達した。
本発明はかかる究明事実に基いて到達されたものであ
り、DCPDを主体とするモノマーをメタセシス重合触媒系
の存在下重合せしめて架橋重合体成形物を得る方法にお
いて、原料モノマーとしてDCPD99〜90重量%およびメチ
ルシクロペンタジエン−シクロペンタジエン共二量体1
〜10重量%より実質的に成るモノマー混合物を使用する
ことを特徴とする架橋重合体成形物の製造法であり、他
の発明は、 a)メタセシス重合触媒系の触媒を含みDCPDを主体とす
る反応性溶液(溶液A) b)メタセシス重合触媒系の活性化剤を含みDCPDを主体
とする反応性溶液(溶液B) より少なくとも成る反応性溶液がDCPD99〜90重量%およ
びメチルシクロペンタジエン−シクロペンタジエン共二
量体1〜10重量%より実質的に成るモノマー混合物の溶
液であることを特徴とする、前記製造法に使用するため
の反応性溶液の組合せである。
本発明で用いられるDCPDは前述の如く高度に精製された
ものが好ましい。DCPDは一般にナフサクラッキングによ
って副生したC5留分中から分離精製して得られる。さら
に詳しくは分離されたC5留分を熱処理してシクロペンタ
ジエンを二量化させ、他のC5留分とは沸点差を生じせし
めて蒸留精製する方法が一般的である。しかし、この方
法のみではシクロペンタジエン以外の炭素数が4〜6の
ジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、ピペリレン
等とシクロペンタジエンとのディールス・アルダー(Di
els−Alder)反応アダクト、例えばイソプロペニルノル
ボルネンなどが副生し、DCPDとの沸点差があまりないた
めにこれらが混入することが避けられない。そこで得ら
れたDCPDを加熱によってモノマーに解離せしめその時の
アダクト類の解離反応速度との差を利用してシクロペン
タジエンを優先的に回収しさらに再二量化して精製する
という段階を経ることもおこなわれる。
本発明で用いられるDCPDは、一般にDCPD純度95%以上さ
らに好ましくは97%以上であり、その不純物は、メタセ
シス触媒系の活性を阻害しないものであることは当然で
あるが、メタセシス重合性を有するものであることが好
ましい。メタセシス重合を阻害するアルコール類、カル
ボン酸類、カルボニル化合物類などの極性化合物の含有
量は一般に官能基当量で700ミリモル以下、好ましくは5
00ミリモル以下であることが望ましい。
本発明で用いられるメチルシクロペンタジエン−シクロ
ペンタジエン共二量体(以下単に“共二量体”と略称す
ることがある)も同様に精製されたものが好ましいが、
少量成分であるのでその程度はその添加量に応じて考慮
すればよいことになる。
さらに、DCPDの製造の過程において混入するメチルシク
ロペンタジエンをコントロールしてDCPD中の共二量体の
混入量を本発明の範囲に調節する方法を実施することも
可能である。
本発明の架橋重合体成形物の製造法においてモノマーと
してDCPD99〜90重量%およびメチルシクロペンタジエン
−シクロペンタジエン共二量体1〜10重量%の混合物が
用いられる。好ましくは後者が2〜9重量%特に好まし
くは3〜8重量%の範囲が用いられる。
かくして本発明によれば、 a)メタセシス重合触媒系の触媒を含みDCPDを主体とす
る反応性溶液(溶液A) b)メタセシス重合触媒系の活性化剤を含みDPDを主体
とする反応性溶液(溶液B) より少なくとも成る反応性溶液がDCPD99〜90重量%およ
びメチルシクロペンタジエン−シクロペンタジエン共二
量体1〜10重量%より実質的に成るモノマー混合物を使
用することを特徴とする反応性溶液が提供される。
前記反応溶液の組合せにおいては、溶液Aおよび溶液B
の両方共前記モノマー混合物を含有しているのが好まし
いが、一方の反応性溶液のみが前記モノマー混合物を含
有している場合もあり得る。その場合には、当該一方の
反応性溶液のみが本発明に該当することになる。
本発明において、共二量体の混合割合の上限を10重量%
とした理由は、10重量%を越えて混合するとモノマー混
合物の凝固点が5℃以下となり、一般にはこれより凝固
点を下げる必要がないことと、得られた共重合体は二次
転移点の低下の度合いが大きくなり始めることによる。
このことは次のように理解される。すなわち、該共二量
体を単独でメタセシス重合をせしめた場合はDCPDの場合
と異なり、柔らかいゴム状の重合体を与えることおよび
ジメチルシクロペンタジエンの場合にはメタセシス重合
がおこらないことの二つから、Diels−Alder型のアダク
トになった場合メチル置換のシクロペンタジエン側の二
重結合はメチル基の立体障害のため、メタセシス重合は
おこらないと考えられる。つまり該共二量体はメタセシ
ス重合モノマーとしては一官能モノマーとしてのみ作用
し架橋に関与しえないと推測される。従って共重合によ
って耐衝撃性などの性質は改良されるが、二次転移点は
低下の傾向になり得ることになるわけである。しかし上
記の如く10重量%以内ではその低下は予想外に小さく、
実用上差支えない範囲に止っている。
本発明における架橋重合体成形物の製造に当っては、前
述した如くメタセシス重合触媒系の触媒を含む溶液(溶
液A)と活性化剤を含む溶液(溶液B)との2つの溶液
を調製しておき、これら反応性溶液を混合して成形用鋳
型へ供給すればよい。
この場合、両溶液共同じ組成のモノマー組成とすること
もできるが、2種のモノマー分の混合比を任意に変更で
きる場合には、一方の溶液に他方よりも共二量体を多く
混合しておくことも可能である。一般には同一組成のモ
ノマーを用いた場合、活性化剤の溶液(溶液B)の方が
凝固点が高くなる場合が多いので、この溶液の共二量体
混合割合を高めておくことが有利な場合が多い。
前記モノマー混合物をメタセシス重合によって架橋重合
体成形物に転化する方法としては、常温において充分な
誘導期間を有するようにメタセシス重合触媒系の活性を
調節して一旦モノマー混合物とメタセシス重合触媒系各
成分との混合液を作り、それを成形用鋳型へ注入した
後、加熱などによって重合を開始する方法を取ることも
できるが、このように活性を調節した触媒系では、架橋
重合体成形物を生成せしめた後、成形物中にモノマーが
可成りの量残留していることが多い。
従って好ましくは前述したようにメタセシス重合触媒系
の触媒と活性化剤とをそれぞれ別個に含有する反応性溶
液を調製し、重合直前に一定割合で急速に混合して成形
用鋳型中で硬化させる、いわゆる反応射出成形法(RI
M)を取るのが好ましい。このようなDCPDを主体とする
モノマーの二液混合方式による成形物の製造法について
は、基本的には例えば特開昭58−129013号公報に開示さ
れている。
前述した成形法式におけるメタセシス重合触媒系におけ
る触媒としてはタングステンレニウム、タンタル等のハ
ライドなどの塩類が用いられるが、特にタングステン化
合物が好ましい。かかるタングステン化合物としては、
タングステンハライド、タングステンオキシハライドな
どが好ましく、より具体的にはタングステンヘキサクロ
ライド、タングステンオキシクロライドなどが好まし
い。かかるタングステン化合物は、直接DCPDに添加する
と直ちにカチオン重合を開始することが判っており好ま
しくない。従ってかかるタングステン化合物は不活性溶
媒例えばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等に予め
懸濁し、少量のアルコール系化合物またはフェノール系
化合物を添加することによって可溶化させて使用するの
が好ましい。
さらに、上述した如き好ましくない重合を予防するた
め、タングステン化合物1モルに対し約1〜5モルのル
イス塩基またはキレート化剤を添加することが好まし
い。かかる添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢
酸アルキルエステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニ
トリルなどをあげることができる。かくすることによっ
てタングステン化合物を含む反応性溶液(溶液A)は実
用に供する場合充分に安定性を有することになる。
一方メタセシス重合触媒系における活性化剤は、周期律
表第I〜第III族の金属のアルキル化物を中心とする有
機金属化合物、特にテトラアルキル錫、アルキルアルミ
ニウム化合物、アルキルアルミニウムハライド化合物が
好ましく、具体的には、塩化ジエチルアルミニウム、ジ
塩化エチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、
テトラブチル錫などをあげることができる。これら活性
化剤としての有機金属化合物をモノマー混合物に溶解す
ることにより、もう一方の反応性溶液(溶液B)が形成
される。
本発明においては、基本的に前記溶液Aおよび溶液Bを
混合することによって架橋重合体成形物を得ることがで
きるが、上記組成のままでは重合反応が非常に速く開始
されるので、成形用鋳型に充分流れ込まない間に硬化が
起こることがあり、度々問題となる場合が多く、そのた
めに活性調節剤を用いることが好ましい。
かかる調節剤としてはルイス塩基類が一般に用いられ、
就中エーテル類、エステル類、ニトリル類などが用いら
れる。具体例としては安息香酸エチル、イソプロピルエ
ーテル、ブチルエーテル、ジグライムなどをあげること
ができる.かかる調節剤は一般的に有機金属化合物の活
性化剤の溶液の側に添加して用いられる。
メタセシス重合触媒系の使用量は例えば触媒としてタン
グステン化合物を用いる場合は、上記DCPDモノマー混合
物に対するタングステン化合物の比率はモル基準で約10
00対1〜約15000対1、好ましくは2000対1の付近であ
り、また活性化剤としてアルキルアルミニウム類を用い
る場合上記DCPDモノマー混合物に対するアルミニウム化
合物の比率は、モル基準で約100対1〜約2000対1、好
ましくは約200対1〜約500対1の付近が用いられる。更
に上述の如き調節剤については、実験によって上記触媒
系の使用量に応じて適宜調節して用いることができる。
本発明による架橋重合体成形物には、実用に当ってその
特性を改良または維持するために各種添加剤を配合する
ことができる。かかる添加剤としては、充填剤、顔料、
酸化防止剤、光安定剤、高分子改良剤などがある。この
ような添加剤は本発明の架橋重合体が成形されて後は添
加することが不可能であるから、添加する場合には予め
前記した原料溶液に添加しておく必要がある。
その最も容易な方法としては、前記溶液Aおよび溶液B
のいずれか一方または両方に前もって添加しておく方法
をあげることができるが、その場合その液中の反応性の
強い触媒や活性化剤と実用上さしつかえある程度には反
応せず、かつ重合を阻害しないものでなくてはならな
い。どうしてもその反応が避け得ないが共存しても重合
は実質的に阻害しないものの場合は、モノマーと混合し
て第三液を調製し重合直前に混合使用することもでき
る。また固体の充填剤の場合であって両成分が混合され
て重合反応を開始する直前あるいは重合をしながらその
空隙を充分にうずめ得る形状のものについては成形用鋳
型中に充填しておくことも可能である。この方式はいわ
ゆるR−RIM方式に該当する。
添加剤としての補強材または充填剤は曲げモジュラスを
向上するのに効果がある。かかるものとしてはガラス繊
維、雲母、カーボンブラック、ウオラストナイト等をあ
げることができる。これらをいわゆるシランカップラー
などによって表面処理したものも好適に使用できる。
また本発明の架橋重合体成形物は酸化防止剤を添加して
おくことが好ましく、そのためフェノール系またはアミ
ン系の酸化防止剤を予め溶液中に加えておくことが望ま
しい。これら酸化防止剤の具体例としては、2,6−t−
ブチル−P−クレゾール、N,N′−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)]メタンな
どがあげられる。
また本発明による架橋重合体成形物は、他の重合体をモ
ノマー溶液状態の時に添加しておくことができる。かか
る重合体添加剤としてはエラストマーの添加が成形物の
耐衝撃性を強めることおよび溶液の粘度を調節する上で
効果がある。かかる目的に用いられるエラストマーとし
ては、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックゴ
ム、スチレン−イソプレン−スチレントリブロックゴ
ム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、エ
チレンプロピレン−ジエンタ−ポリマー、ニトリルゴム
など広範なエラストマーをあげることができる。
本発明の架橋重合体成形物は前記した如く重合と成形と
を同時におこなうことによって製造される。従っていわ
ゆるRIM方式によって製造するのが好ましい。RIM方式の
成形においては、前述した通り触媒と活性化剤とを別々
に溶解した反応性溶液(つまり溶液Aと溶液B)をRIM
機のミキシングヘッド部分で急速に混合し、成形用鋳型
中に注入し重合および成形をおこなって成形物を得る方
法が一般的である。
成形用鋳型への注入圧力は比較的低圧で使用可能であ
り、従って安価な成形用鋳型の使用が可能である。ま
た、成形用鋳型で重合反応が開始されると反応熱によっ
て型内の温度は急速に上昇し、短時間に重合反応が終了
する。ポリウレタン−RIMの場合と異なり、成形用鋳型
からの離脱は容易であり特別の離型剤を必要としない場
合が多い。
成形物は表面な酸化層ができるためか表面に極性を有
し、エポキシやポリウレタン等の一般に使用される塗料
への付着性は良好である。
本発明による架橋重合体成形物の場合は、DCPDの単独架
橋重合体成形物の場合に比して、前述の如く作業性が改
良されており、極めて有利に各種成形物を製造すること
ができる。
かくして得られた成形物は、自動車等を含めた各種運搬
機器の部材、電気、電子機器のハウジングなど、大形の
成形物を中心に広範な用途に使用できる。
以下に実施例を掲げて本発明を詳述する。なお実施例は
説明のためであってそれに限定されるものではない。
[実施例] (1)モノマー混合物の凝固点評価 市販のDCPDを減圧下窒素気流中で蒸留精製し、凝固点3
3.4℃を示す精製DCPDを得た。ガスクロマトグラフによ
る純度測定では99%以上の純度を示した。一方、メチル
シクロペンタジエン−シクロペンタジエン共二量体を合
成し、同様に蒸留精製した。該共二量体は、ガスクロマ
トグラフ分析ではいくつかの異性体を検出できたが該共
二量体としての純度は約90%であった。
該共二量体の融点降下効果をみるために、精製DCPDに対
し該共二量体を各1.25、2.5、5.0、および10.0重量%置
き換えたモノマー混合物をつくり各々の凝固点を測定す
ると表1の如くになった。表中、実験番号1、2、3、
4はそれぞれ精製DCPDに対し該共二量体を各1.25、2.
5、5.0、および10.0重量%置き換えたモノマー混合物の
場合を示し、実験番号0は比較のための精製DCPDのみの
場合を示す。この表から、共二量体が10重量%までの範
囲では該共二量体の添加重量に大体比例して凝固点降下
が起こることが判る。また、10重量%では凝固点が4.6
℃となり通常の室温において使用するのにこれ以下に凝
固点を下げる必要のないことが判る。
(2)溶液Aの調製 六塩化タングステン20gを乾燥トルエン460mlに窒素気流
下で添加し、次いでP−t−ブチルフェノール8.2gおよ
びトルエン30mlより成る溶液を添加して0.1Mのタングス
テン含有触媒溶液を調製し、この溶液に対し窒素ガスを
一晩パージして六塩化タングステンとP−t−ブチルフ
ェノールとの反応によって生成した塩化水素ガスを除去
して重合用触媒溶液とした。
かかる溶液5ml、ベンゾニトリル0.07mlおよび上記実験
番号1〜4のモノマー混合物または精製DCPD10mlを混合
し、タングステン含量0.033Mの溶液Aを調製した。
(3)溶液Bの調製 ジエチルアルミニウムクロライド0.18g、イソプロピル
エーテル0.375mlおよび上記実験番号1〜4のモノマー
混合物または精製DCPD14.6mlを混合して、アルミニウム
分として0.10Mの溶液Bを調製した。
(4)溶液AおよびBの凝固性 上記(2)および(3)によって調製した溶液を25℃に
保持したところ、共二量体を入れなかった精製DCPDから
調製した溶液は溶液A、溶液Bともに凍結したが、上記
実験番号1〜4のモノマー混合物からのものはいずれも
溶液状態を保った。
また実施番号4のモノマー混合物から調製された溶液A
と溶液Bとを庫内温度7℃の冷蔵庫中に貯蔵したが両方
の溶液ともに凍結することはなかった。凝固点降下の効
果が現れており、実際的な使用において、非常に使い易
くなっていることが判る。
(5)反応溶液の反応性 上記(2)および(3)によって調製した溶液Aと溶液
Bそれぞれ10mlを充分窒素でおきかえたシリンジ内にと
り出した。かかるシリンジを一定速度で押し出し、液を
注入しそれをノズル内で混合して型内に流し込める超小
型RIM機にかけて、板状の極めて丈夫な架橋重合体成形
物を得た。なお、成形に使用した溶液Aと溶液Bの組合
わせはモノマー混合物中の共二量体混入量が同一のもの
を用いた。
溶液を混合してから急激に系内の発熱が開始される時間
および系内の最高到達温度は、重合が阻害されることな
くおこなわれたかどうか判断する指標であるが、上記の
混合割合のものは、精製DCPDを用いたものと殆ど差な
く、共二量体の添加にもかかわらず重合が精製DCPDの場
合と同様におこなわれたことを示した。
(6)成形物の物性 上記(5)によって得られた架橋重合体成形物の熱的性
質が悪くなっていないかどうかを調べるべく、それを最
もよく表わしうるDMAによる二次転移点を測定した。表
2にその結果を示す。なお表中、実験番号6、7、8、
9はそれぞれ精製DCPDに対し該共二量体を各1.25、2.
5、5.0および10.0重量%置き換えたモノマー混合物を原
料モノマーとして調製した反応溶液を使用した場合を示
し、実験番号5は比較のための精製DCPDのみを原料モノ
マーとして調製した反応溶液を使用した場合を示す。こ
の表から、特定の割合においては二次転移点はむしろ精
製DCPDのみを用いた場合よりも高く出る場合もあり、多
少低下ぎみの値を示す場合でも、実用上殆ど差違のない
範囲に止まっていることが判る。
[比較例] 前記実施例で用いたメチルシクロペンタジエン−シクロ
ペンタジエン共二量体の代りにメチルシクロペンタジエ
ンダイマーを用いる他は上記実験番号3および8と全く
同様にして溶融Aと溶液Bを調製し、超小型RIM機使用
による架橋重合体成形物の作成をおこなった。メチルシ
クロペンタジエンダイマーを5重量%おきかえたモノマ
ー混合物の凝固点は21℃と、共二量体の場合と殆ど変ら
ない効果を有するが、重合開始に到る時間が同じ条件で
の共二量体に比して倍近くかかっており、重合を阻害し
ていることが判った。また成形物の二次転移点を測定す
ると88℃であり、これは共二量体の場合に比して、大巾
に低く問題があることが判った。
[発明の効果] 本発明により、わざわざ加温しなくとも液の調製や使用
が可能で、かつ反応性溶液の反応性にも成形物の物性に
も影響を与えない成形方法とその成形のための反応溶液
が利用できるようになった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジシクロペンタジエンを主体とするモノマ
    ーをメタセシス重合触媒系の存在下重合せしめて架橋重
    合体成形物を得る方法において、原料モノマーとして、
    ジシクロペンタジエン99〜90重量%およびメチルシクロ
    ペンタジエン−シクロペンタジエン共二量体1〜10重量
    %より実質的に成るモノマー混合物を使用することを特
    徴とする架橋重合体成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】a)メタセシス重合触媒系の触媒を含みジ
    シクロペンタジエンを主体とする反応性溶液(溶液A) b)メタセシス重合触媒系の活性化剤を含みジシクロペ
    ンタジエンを主体とする反応性溶液(溶液B) より少なくとも成る反応性溶液において該反応性溶液が
    ジシクロペンタジエン99〜90重量%およびメチルシクロ
    ペンタジエン−シクロペンタジエン共二量体1〜10重量
    %より実質的に成るモノマー混合物の溶液であることを
    特徴とする、架橋重合体成形物の製造に使用するための
    反応性溶液。
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