JPH08300108A - 鋼ストリップ連続鋳造方法及び装置 - Google Patents

鋼ストリップ連続鋳造方法及び装置

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JPH08300108A
JPH08300108A JP8022464A JP2246496A JPH08300108A JP H08300108 A JPH08300108 A JP H08300108A JP 8022464 A JP8022464 A JP 8022464A JP 2246496 A JP2246496 A JP 2246496A JP H08300108 A JPH08300108 A JP H08300108A
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    • B21B1/463Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling metal immediately subsequent to continuous casting in a continuous process, i.e. the cast not being cut before rolling
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非酸化ガス又は還元ガスの供給を必要とする
ことなく、高温ストリップが酸素に晒されるのを比較的
安価に且つエネルギ的に有効に制限し得る鋼ストリップ
連続鋳造方法及び装置を提供する。 【解決手段】 一対の冷却可能な鋳造ロール22上で溶
鋼の鋳造溜め30を支持し、鋳造ロール22を相反方向
に回転させてロール間隙27から下方に送られる凝固し
たストリップ12を生み出し、該ストリップ12を鋳造
溜め30から離れる方向に持っていく移行路に沿ってガ
イドし、ストリップ12を移行路全体にわたってエンク
ロージャ37内に閉じこめ、ストリップ12の酸化によ
り酸素をエンクロージャ37から抜き取り、エンクロー
ジャ37は酸素含有雰囲気の漏入を制御するようシール
し、それにより移行路通過時におけるストリップ12上
のスケール形成を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼ストリップ連続
鋳造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造機においては、冷却され相
反方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融金属を
導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固させ、
ロール間隙にてそれら金属殻を合わせて凝固したストリ
ップ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。本明細書
では、「ロール間隙」という語はロール同士が最接近す
る領域全般を指す。溶融金属は取鍋から小容器へと注が
れ、更にはそこからロール間隙上方に位置した金属供給
ノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロー
ル間隙直上のロール鋳造表面に支持されロール間隙長さ
方向に延びる溶融金属鋳造溜めを形成することができ
る。通常この鋳造溜めの端を構成するのは、鋳造溜め両
端からの溢流をせき止めるようロール端面に摺動係合し
て保持される側部堰であるが、電磁バリヤ等の代替手段
も提案されている。
【0003】双ロール鋳造機で鋼ストリップを鋳造する
場合、ストリップは1400℃台の超高温でロール間隙
を出、斯かる高温での酸化により超急速なスケーリング
(scaling)を被る。そのようなスケーリングは鋼品の
大きなロスとなる。例えば、1.55mm厚のストリッ
プの3%(典型的なスケール厚は35ミクロン)がスト
リップ冷却時の何らかの酸化で失われてしまい得る。そ
のため、更なる処理をする前に、ロールインスケール
(rolled-in scale)等の表面品質の問題を避けるため
ストリップを脱スケールする必要が生じ、それがよけい
な複雑さや費用という大きな問題を引き起こす。例え
ば、高温ストリップをストリップ鋳造機と同ラインの圧
延機に直接通し、それからランアウトテーブルヘ移し、
そこで巻取り前に冷却温度へ冷却する。しかしながら、
ストリップ鋳造機から出てきた高温ストリップのスケー
リングは非常に急速に進むので、ストリップが同ライン
圧延機に入る直前に脱スケールする脱スケール装置を据
え付ける必要がある。ストリップを熱間圧延なしに巻取
り温度に冷却する場合でも、巻取り前に又は後処理段階
でストリップを脱スケールする必要が一般にある。
【0004】特開昭62−9753号公報は双ロール鋳
造機で製造される鋼ストリップの急速スケーリングの問
題を扱った案を開示しており、炉の燃料バーナからの排
ガスで造られる非酸化雰囲気を含む炉に鋼ストリップが
通される。ストリップ温度を調節するようバーナが操作
されて非酸化雰囲気を保持し、それを通ってストリップ
が同ライン圧延機に通される。
【0005】特開平6−335706号公報は双ロール
鋳造機で製造される鋼ストリップの急速スケーリングの
問題を扱った別の案を開示しており、酸素成分5%以下
に制御した組成の冷却雰囲気に鋼ストリップが通され
る。冷却雰囲気の正確な組成は説明されていないが、酸
素成分を制御した種々の雰囲気中で鋳造ストリップを冷
却する実験が記述されている。従って、この公報は組成
を制御した冷却ガスをストリップ冷却室に供給すること
を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
案では、必要な温度制御と非酸化雰囲気の発生とを維持
するために複雑な制御設備とかなりのエネルギ入力が必
要となるという不具合があり、また、後者の案では、酸
素成分を制御した冷却ガスをストリップ冷却室に供給す
るための設備が必要となるという不具合があり、何れの
場合も設備コストや運転コストの高騰を招いていた。
【0007】本発明は、上述の実情に鑑みて成したもの
で、非酸化ガス又は還元ガスの供給を必要とすることな
く、高温ストリップが酸素に晒されるのを比較的安価に
且つエネルギ的に有効に制限し得る鋼ストリップ連続鋳
造方法及び装置を提供することを目的としている。
【0008】即ち、本発明者らは、閉じられた空間を構
成するエンクロージャ(enclosure)に非酸化ガス又は
還元ガスを供給する必要なしに、スケール形成が超低レ
ベルな定常状態へと急速に到達可能であることを見出し
た。但し、鋳造工程の開始当初にエンクロージャを非酸
化ガスで浄化することは本発明の範囲内である。
【0009】尚、本発明は特に、ストリップ鋳造機から
の高温鋼ストリップがストリップ鋳造機と同ラインの熱
間圧延機に通される方法に適用可能であるが、これに限
定されるものではない。熱間圧延中の溶着を避けるため
にはストリップ上に薄膜スケールが必要であることがわ
かっているが、本発明による制御されたスケーリング
は、過剰スケーリングにより生ずる問題や不利益を避け
つつそのような薄膜の直接形成を可能とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、1つ又
は複数の冷却可能な鋳造表面上で溶鋼の鋳造溜めを支持
し、前記鋳造表面を動かして鋳造溜めから離れる方向に
移動する凝固したストリップを生み出し、該ストリップ
を、鋳造溜めから離れる方向に持っていく移行路に沿っ
てガイドし、ストリップを前記移行路全体にわたってエ
ンクロージャ内に閉じこめ、エンクロージャ内を通過す
るストリップの酸化によりエンクロージャから酸素を抜
き取り、エンクロージャは酸素含有雰囲気の漏入を制御
するようシールし、それにより、ストリップの前記移行
路通過時にストリップ上のスケール形成を制御する、鋼
ストリップ連続鋳造方法が提供される。
【0011】ストリップは前記移行路を出た後にコイラ
に通すことができる。ストリップは前記移行路を移動中
に、又は移行路を出た後での巻取りの前に、急速冷却を
受けることができる。いずれの場合も、コイラにおける
ストリップ上のスケール厚が20ミクロン以下、より好
ましくは10ミクロン以下であるよう、シールされたエ
ンクロージャへの酸素含有雰囲気の漏入を制御するのが
好ましい。
【0012】本発明による好適方法によれば、凝固鋼ス
トリップが前記移行路を経て熱間圧延機へと送給され、
そこでストリップ鋳造機と同ラインで熱間圧延される。
この場合、好ましくは、シールされたエンクロージャへ
の酸素含有雰囲気の漏入を制御することにより、圧延機
に入るストリップ上のスケール厚が10ミクロン以下と
なるようストリップ上のスケール形成を制限する。
【0013】圧延機に入るストリップ上のスケール厚は
好ましくは0.5〜8ミクロン、更に好ましくは1〜5
ミクロンである。
【0014】好ましくは、エンクロージャは前記ストリ
ップを鋳造溜めでの形成時から囲む。例えば、鋳造溜め
を完全に囲んでもよい。
【0015】ストリップはエンクロージャを出てから圧
延機に入ることができ、この場合、エンクロージャ出口
部を一対のピンチロールで構成することができ、それら
の間をストリップが通ってエンクロージャを出る。又
は、ストリップは圧延機に入るまでエンクロージャ内に
入ったままとすることができ、それは、エンクロージャ
内に圧延機を閉じこめることにより又は圧延機ロールに
対してエンクロージャをシールすることにより達成でき
る。
【0016】本発明によれば更に、間にロール間隙を形
成する一対の冷却可能な鋳造ロール上で溶鋼の鋳造溜め
を支持し、鋳造ロールを相反方向に回転させてロール間
隙から下方に送られる凝固したストリップを生み出し、
凝固したストリップを鋳造溜めから離れる方向に持って
いく移行路に沿ってガイドし、ストリップを前記移行路
全体にわたってエンクロージャ内に閉じこめ、エンクロ
ージャ内を通過するストリップの酸化により酸素をエン
クロージャから抜き取り、エンクロージャは酸素含有雰
囲気の漏入を制御するようシールし、それによりストリ
ップの前記移行路通過時にストリップ上のスケール形成
を制御する、鋼ストリップ連続鋳造方法が提供される。
【0017】好ましくは、エンクロージャは前記ストリ
ップを鋳造ロール間隙での形成時から囲むようにすると
良い。
【0018】更に、ストリップ製造前にエンクロージャ
を浄化してエンクロージャ内の初期酸素レベルを5〜l
0%の範囲に減らすようにしても良い。
【0019】本発明によれば更に又、間にロール間隙を
形成する一対のほぼ水平な鋳造ロールと、溶鋼を鋳造ロ
ール間隙へと送給してロールに支持された溶鋼の鋳造溜
めを形成する金属供給手段と、鋳造ロールを冷却する手
段と、鋳造ロールを相反方向に回転させてロール間隙か
ら下方に送給される鋳造ストリップを製造する手段と、
ロール間隙から下方に送給されるストリップを、それを
ロール間隙から離れる方向に持っていく移行路を介し
て、ガイドするストリップガイド手段と、前記移送路全
体にわたってストリップを囲むエンクロージャとから構
成し、当該鋳造装置の操作中に酸素含有雰囲気の漏入を
制御するためにエンクロージャをシールし、それによっ
て当該鋳造装置操作中のストリップ上のスケール形成を
制御する、鋼ストリップ連続鋳造装置が提供される。
【0020】エンクロージャは、鋳造ロール下方に配し
て鋳造工程のいずれかの段階で生じるスクラップを受け
る可動容器として働くよう形成される可動部を含む、エ
ンクロージャ壁で構成することができる。
【0021】可動部は、エンクロージャの一部となる作
動位置とスクラップ放出位置との間を動くようホイール
に取付けた、上部の開放した箱形状とすることができ、
エンクロージャが作動位置にある時に可動部と残りの壁
部との間をシールするシール手段を設けることができ
る。
【0022】更に、移行路からの鋳造ストリップを受け
てストリップ鋳造機と同ラインでストリップを圧延する
熱間圧延機を備えることができ、この圧延機はエンクロ
ージャ内に備えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しつつ説明する。
【0024】図1〜図6に示すように、鋼ストリップ鋳
造・圧延設備は、ガイドテーブル13を経てピンチロー
ルスタンド14へと至る鋳造鋼ストリップ12を製造す
る双ロール鋳造機11で構成される。ピンチロールスタ
ンド14を出た直後に、鋳造鋼ストリップ12は圧延機
スタンド16で構成された熱間圧延機15を通り、熱間
圧延されることにより幅圧下される。そのようにして圧
延されたストリップは熱間圧延機15を出て、ピンチロ
ールスタンド20を経てランアウトテーブル17に至
り、そこでは水噴流18により強制冷却されることがで
き、それからコイラ19へと送られる。
【0025】双ロール鋳造機11は一対の平行な鋳造ロ
ール22を支持する主機フレーム21で構成される。鋳
造作業中、溶融金属が取鍋23から耐火取鍋出口シュラ
ウド24を介してタンディッシュ25ヘ、更には金属供
給ノズル26を介して鋳造ロール22間のロール間隙2
7へと供給される。そのようにしてロール間隙27に送
給された高温金属はロール間隙27上方に鋳造溜め30
を形成し、ロール端でこの鋳造溜め30を閉じるのが一
対の側部堰28であり、側部堰28を鋳造ロール22の
段付き端に当接させるのが一対のスラスタ31であっ
て、スラスタ31は側部堰ホルダ28Aに接続される流
体圧シリンダ装置32で構成される。鋳造溜め30の上
面(一般に「メニスカス」レベルと呼ばれる)は金属供
給ノズル26下面よりも上方に上がることにより金属供
給ノズル26がこの鋳造溜め30に浸かることができ
る。
【0026】鋳造ロール22は水冷されるので、動いて
いるロール表面上に殻が凝固し、それらがロール間隙2
7にて合わされ、ロール間隙27から下方に送給される
凝固したストリップ12が生み出される。
【0027】鋳造作業開始時には、鋳造条件の安定化に
伴い短い不完全ストリップが製造される。連続鋳造が確
立されると、鋳造ロールを相互に少し離間させ、次いで
再び合わせることによりオーストラリア特許出願270
36/92に開示されているようにストリップ先端をブ
レークアウェイ(break away)して次の鋳造ストリップ
のクリーンな先端を形成する。不完全ストリップは双ロ
ール鋳造機11の下に位置したスクラップ箱33に落下
し、次いで、通常はピボット35から鋳造機出口の1側
へと下方に垂れている旋回エプロン34が鋳造機出口を
横切って旋回されてストリップ12のクリーンな先端を
ガイドテーブル13へとガイドする。ガイドテーブル1
3はそれをピンチロールスタンド14へと送給する。次
いで、旋回エプロン34は垂下位置へと戻されて、スト
リップ12が双ロール鋳造機11の下側でループ状に垂
れてからガイドテーブル13に至るようにし、ガイドテ
ーブル13では一連のガイドローラ36と係合する。
【0028】双ロール鋳造機は、許可されたオーストラ
リア特許631728と637548及びアメリカ特許
5,184,668と5,277,243で幾分詳細に
図示され開示された種類のものであってよく、本発明の
一部を構成していない適宜の構成詳細についてはこれら
の特許を参照することができる。
【0029】本発明によれば、鋼ストリップ鋳造・圧延
設備が製造され、組み立てられ、シール空間38を構成
する単一の非常に大型のエンクロージャ37を形成し、
エンクロージャ37内でストリップ12はロール間隙2
7からピンチロールスタンド14への入口間隙39に至
る移行路全体にわたって閉じこめられる。
【0030】エンクロージャ37はいくつかの別々の壁
部で形成され、それら壁部が種々のシール接続部にて接
合されて連続エンクロージャ壁を形成する。これらを構
成するのは、双ロール鋳造機11に形成されて鋳造ロー
ル22を囲む壁部41と、壁部41の下方に延びてスク
ラップ箱33が作動位置にあるときにスクラップ箱33
の上端に係合することによりスクラップ箱33がエンク
ロージャ37の一部となるようにした、壁部42であ
る。スクラップ箱33と壁部42との接続は、スクラッ
プ箱33上端の溝に嵌入されたセラミックファイバーロ
ープにより形成されるシール43と壁部42の下端に嵌
合されたシールガスケット44との係合により行うこと
ができる。スクラップ箱33はレール47上を走るホイ
ール46を備えた台車45に取付けることができるの
で、鋳造作業後は、スクラップ放出位置へと動かすこと
ができる。シリンダ装置40は作動位置にあるスクラッ
プ箱33を台車45から持上げるよう作動可能なので、
スクラップ箱33を上方に壁部42へと押しつけること
によりシール43が押圧される。鋳造作業後、シリンダ
装置40を解除してスクラップ箱33を台車45上に降
ろすことによりスクラップ箱33のスクラップ放出位置
への移動が可能となる。
【0031】エンクロージャ37を更に構成するのが、
ガイドテーブル13の周りに配されピンチロールスタン
ド14のフレーム49に接続された壁部48である。ピ
ンチロールスタンド14は一対のピンチロール50を含
み、これらに対してエンクロージャ37が摺動シール6
0によりシールされる。従って、ストリップ12はピン
チロール50間を通ることによりエンクロージャ37を
出て、直ちに熱間圧延機15に入る。熱間圧延機15に
入る前にスケール形成を制御するために、ピンチロール
50間の間隙と熱間圧延機15への入口の間隙はできる
だけ小さく、一般に1m台以下にすべきである。
【0032】エンクロージャ壁部の大抵は耐火煉瓦でラ
イニングしてよく、スクラップ箱33も耐火煉瓦又はキ
ャスタブル耐火ライニング(castable reflactory lini
ng)でライニングしてよい。
【0033】鋳造ロール22を囲む壁部41には側板5
1を形成する。側部堰28が流体圧シリンダ装置32に
より鋳造ロール22端部に対して押圧されるときに側部
堰ホルダ28Aをぴたりと受けることができるよう側板
51にはノッチ52が設けられる。エンクロージャ37
のシールを保持するため、側部堰ホルダ28Aと側板5
1は摺動シール53によりシールされる。摺動シール5
3はセラミックファイバロープで形成することができ
る。
【0034】流体圧シリンダ装置32は壁部41を通っ
て外方へと延び、これらの位置では、流体圧シリンダ装
置32が作動して側部堰28をロール端部に押圧すると
きに壁部41に係合するよう、エンクロージャ37は流
体圧シリンダ装置32に嵌込んだシール板54によりシ
ールされる。スラスタ31も耐火スライダ55を動か
す。耐火スライダ55は流体圧シリンダ装置32の作動
により動かされてエンクロージャ37頂部の長孔56を
閉じる。長孔56は、鋳造ロール22に当接させるため
にエンクロージャ37内と側部堰ホルダ28A内に側部
堰28を最初に挿入するためのものである。流体圧シリ
ンダ装置32が作動して側部堰28を鋳造ロール22に
当接させると、エンクロージャ37の頂部はタンディッ
シュ25、側部堰ホルダ28A及び耐火スライダ55に
よって閉じられる。このようにしてエンクロージャ37
全体が鋳造作業前にシールされてシール空間38を確立
し、それにより、鋳造ロール22からピンチロールスタ
ンド14へと通るストリップ12への酸素供給を制限す
る。初期には、ストリップ12がシール空間38から酸
素全部を吸収してストリップ12に分厚いスケールを形
成する。しかしながら、シール空間38をシールするこ
とにより、ストリップ12により吸収され得る酸素の量
以下に酸素含有雰囲気の漏入が制御される。即ち、開始
当初後はシール空間38内の酸素成分は使い尽くされた
ままになっており、ストリップ12酸化のための酸素の
入手可能性を制限している。このようにして、シール空
間38に還元ガス又は非酸化ガスを連続的に供給する必
要なしにスケール形成が制御される。開始当初に分厚い
スケールが生じるのを防ぐためには、鋳造開始直前にシ
ール空間38を浄化してエンクロージャ37内の初期酸
素レベルを下げればよく、そうすれば、エンクロージャ
37を通るストリップの酸化によりスケールが生じたエ
ンクロージャ37からの酸素の相互作用により酸素レベ
ルが安定化する時間を減らすことができる。エンクロー
ジャ37は窒素ガスにより都合よく浄化することができ
る。初期酸素レベルを5〜10%の範囲に減らすことに
より開始当初でもエンクロージャ37から出るストリッ
プ12のスケール厚が10〜17ミクロンに制限される
ことが判明している。
【0035】典型的な鋳造・圧延設備では、鋳造機から
出てくるストリップの温度は1400℃台、圧延機に入
るストリップの温度は約1200℃である。ストリップ
は幅を0.9〜1.8m、厚さを1.0〜2.0mmと
することができ、ストリップ速度は1.0m/秒台とす
ることができる。このような条件で造られるストリップ
では、ストリップ12上のスケール成長をシール空間3
8出口において5ミクロン以下に制限するようシール空
間38への空気の漏入を制御すること(シール空間38
内の平均酸素レベル2%と同等)が容易に可能であると
判明している。鋳造作業の開始初期に酸素全部が急速に
ストリップ12によって吸収され、後のスケール形成は
シール空間38への雰囲気の漏入率によってのみ決まる
のでシール空間38の容積は特に重大でない。圧延機入
口でのスケール厚を1〜5ミクロンにするよう雰囲気漏
入率を制御するのが好ましい。熱間圧延での溶着を防ぐ
ためストリップの表面には幾分スケールが必要であるこ
とが実験の結果判明している。より明細には、充分な圧
延とするためには0.5〜1ミクロン台の最小スケール
厚が必要であることが実験から出ている。圧延後のスト
リップ表面にロールインスケールという欠点が生じるの
を防ぐとともに最終品のスケール厚が従来の熱間圧延さ
れたストリップのそれ以上にならないようにするために
は、最大スケール厚を約8ミクロンに、より好ましくは
5ミクロンとするのが望ましい。
【0036】図7は本発明を実施する形態の別の例を示
すもので、エンクロージャ37を延ばして熱間圧延機1
5を囲むことによりストリップがシール空間38を出る
前に圧延する改変例を示している。この場合、ストリッ
プは圧延機スタンド16最終部を経てエンクロージャ3
7から出る。圧延機スタンド16最終部がエンクロージ
ャ37をシールする役目も果たすので別個のシール用ピ
ンチロールは必要ない。
【0037】図示した装置形は単に例示としてのみ開示
してあり、大幅に改変し得る。例えば、本発明は鋳造ス
トリップが鋳造機と同ラインで熱間圧延されるもののみ
に限定されるのではなく、鋳造後に単に温度を下げられ
て巻取られるストリップ上のスケール制御にも適用でき
る。ストリップは、例えば、鋳造後にランアウトテーブ
ル上を通して600℃台の巻取り温度に強制冷却するこ
とができ、この場合、エンクロージャがランアウトテー
ブルを囲んでもよいし、ストリップがエンクロージャを
出てからランアウトテーブルを通ってもよい。ストリッ
プをエンクロージャ内で熱間圧延すべき場合には、エン
クロージャを圧延機の周りに完全に延ばすか、エンクロ
ージャを摺動シールにより圧延機ロールに対してシール
するのがよい。いずれの場合にも、ストリップは、後で
スケールが急速形成するのを防ぐため、エンクロージャ
を出る前に約1250℃以下の温度に下げるのが望まし
い。
【0038】尚、本発明の鋼ストリップ連続鋳造方法及
び装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】上記した本発明の鋼ストリップ連続鋳造
方法及び装置によれば、非酸化ガス又は還元ガスの供給
を必要とすることなく、比較的安価でエネルギ的に有効
な手段を用いて高温ストリップが酸素に晒されるのを制
限し、高温ストリップのスケール形成を制御することが
できるので、設備コストや運転コストを大幅に削減する
ことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す概略図であ
る。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】図2に示された双ロール鋳造機の主要構成部を
示す縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV方向の矢視図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【図6】図4のVI−VI方向の矢視図である。
【図7】本発明を実施する形態の別の例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
11 双ロール鋳造機 12 ストリップ 13 ガイドテーブル 15 熱間圧延機 18 水噴流 19 コイラ 22 鋳造ロール 25 タンディッシュ 26 金属供給ノズル 27 ロール間隙 30 鋳造溜め 33 スクラップ箱 36 ガイドローラ 37 エンクロージャ 50 ピンチロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 11/12 B22D 11/12 Z A B (72)発明者 マソード アセフポア−デズフリー オーストラリア 2500 ニュー サウス ウェールズ ウォロンゴン マウント ケ イラ アンブルサイド アヴェニュ 6 (72)発明者 ケネス マイケル ブラウン オーストラリア 3150 ビクトリア ウィ ーラーズ ヒル ミリアム クロウズ 10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ又は複数の冷却可能な鋳造表面上で
    溶鋼の鋳造溜めを支持し、前記鋳造表面を動かして鋳造
    溜めから離れる方向に移動する凝固したストリップを生
    み出し、該ストリップを、鋳造溜めから離れる方向に持
    っていく移行路に沿ってガイドし、ストリップを前記移
    行路全体にわたってエンクロージャ内に閉じこめ、エン
    クロージャ内を通過するストリップの酸化によりエンク
    ロージャから酸素を抜き取り、エンクロージャは酸素含
    有雰囲気の漏入を制御するようシールし、それにより、
    ストリップの前記移行路通過時にストリップ上のスケー
    ル形成を制御することを特徴とする、鋼ストリップ連続
    鋳造方法。
  2. 【請求項2】 鋳造溜めを、間にロール間隙を形成し相
    反方向に回転する一対の冷却可能な鋳造ロール上に支持
    して、ロール間隙から下方に送給される凝固したストリ
    ップを生み出す、請求項1に記載の鋼ストリップ連続鋳
    造方法。
  3. 【請求項3】 ストリップを、移行路にある間に急速冷
    却して該移行路からコイラに通し、シールされたエンク
    ロージャへの酸素含有雰囲気の漏入を、コイラにおける
    ストリップ上のスケール厚が20ミクロン以下となるよ
    うに制御する、請求項1又は2に記載の鋼ストリップ連
    続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 ストリップを、移行路を出てから急速冷
    却してコイラに通し、シールされたエンクロージャへの
    酸素含有雰囲気の漏入を、コイラにおけるストリップ上
    のスケール厚が20ミクロン以下となるように制御す
    る、請求項1又は2に記載の鋼ストリップ連続鋳造方
    法。
  5. 【請求項5】 ストリップを移行路を介してストリップ
    鋳造機と同ラインの熱間圧延機へ送給して熱間圧延し、
    シールされたエンクロージャへの酸素含有雰囲気の漏入
    を制御することにより、圧延機に入るストリップ上のス
    ケール厚が10ミクロン以下となるようストリップ上の
    スケール形成を制限する、請求項1又は2に記載の鋼ス
    トリップ連続鋳造方法。
  6. 【請求項6】 圧延機に入るストリップ上のスケール厚
    が0.5〜8ミクロンである、請求項5に記載の鋼スト
    リップ連続鋳造方法。
  7. 【請求項7】 エンクロージャ出口部を一対のピンチロ
    ールで構成し、該ピンチロール間をストリップが通って
    エンクロージャを出てから圧延機に入る、請求項5又は
    6に記載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  8. 【請求項8】 ストリップがエンクロージャ内にあるま
    まで圧延機に入る、請求項5又は6に記載の鋼ストリッ
    プ連続鋳造方法。
  9. 【請求項9】 エンクロージャがストリップを鋳造溜め
    による形成時から囲む、請求項1乃至8のいずれかに記
    載の鋼ストリップ連続鋳造方法。
  10. 【請求項10】 ストリップ製造前にエンクロージャを
    浄化してエンクロージャ内の初期酸素レベルを5〜l0
    %の範囲に減らす、請求項1乃至9のいずれかに記載の
    鋼ストリップ連続鋳造方法。
  11. 【請求項11】 間にロール間隙を形成する一対のほぼ
    水平な鋳造ロールと、溶鋼を鋳造ロール間隙へと送給し
    てロールに支持された溶鋼の鋳造溜めを形成する金属供
    給手段と、鋳造ロールを冷却する手段と、鋳造ロールを
    相反方向に回転させてロール間隙から下方に送給される
    鋳造ストリップを生み出す手段と、ロール間隙から下方
    に送給されるストリップを、それをロール間隙から離れ
    る方向に持っていく移行路を介して、ガイドするストリ
    ップガイド手段と、前記移送路全体にわたってストリッ
    プを囲むエンクロージャとから構成し、当該鋳造装置作
    動中に酸素含有雰囲気の漏入を制御するためにエンクロ
    ージャをシールし、それによって当該鋳造装置作動中の
    ストリップ上のスケール形成を制御することを特徴とす
    る、鋼ストリップ連続鋳造装置。
  12. 【請求項12】 エンクロージャを、鋳造ロール下方に
    配して鋳造工程のいずれかの段階で生じるスクラップを
    受ける可動容器として働くよう形成される可動部を含
    む、エンクロージャ壁で構成する、請求項11に記載の
    鋼ストリップ連続鋳造装置。
  13. 【請求項13】 移行路からの鋳造ストリップを受けて
    ストリップ鋳造機と同ラインでストリップを圧延する熱
    間圧延機を備えた、請求項11又は12に記載の鋼スト
    リップ連続鋳造装置。
  14. 【請求項14】 圧延機がエンクロージャ内にある、請
    求項13に記載の鋼ストリップ連続鋳造装置。
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