JPH0829304B2 - 青果物選別方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、青果物の選別方法に係るもので、更に詳し
くは、特に転動させて排出することが好ましくない傷み
易いトマト，メロン等の青果物を、一条の選別コンベア
ラインで複数等級混在搬送し、その搬送途中において青
果物の大きさによる階級を判定し、各階級別に複数等級
の青果物を混在排出し、該混在排出した複数等級の中か
ら等級別に青果物を取り上げて階級別，等級別に仕分け
る青果物選別方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、青果物は、一条または二条の選別コンベアを青
果物の等級（秀，優，良等）に対応させて所要条数並設
した構成の選別装置を用いて、階級別，等級別に仕分け
る方法が一般的に用いられ知られている。上記従来の選
別方法によると、各生産者から持ち込まれた青果物は、
選果人により一個一個等級格付けして所要条数並設した
選別コンベアのうち該当する等級の選別コンベアの受皿
に供給され、各条ごとに設けられた重量または形状等の
大きさを測定する測定装置により階級付けされて該当す
る階級の仕分け排出位置で仕分け排出されている。

即ち、上記従来の技術は、一条の選別コンベアに対
し、一等級の青果物を供給して階級選別し排出する如く
なし、等級数に対応して所要条数選別コンベアを並設さ
せた選別方法であるから、青果物の仕分け排出段階が階
級別，等級別に多数に区分けされている。

〔発明が解決しようとする課題〕

青果物の等級は、青果物の種類，産地，収穫時期等に
よって等級比率が異なるため、上記従来の一条の選別コ
ンベアに一等級の青果物を供給する方式の選別方法は、
各条の選別コンベアに供給する青果物の量がそれぞれ均
等ではなく、最も等級比率の高い等級の青果物を、その
等級の条の受皿すべてに供給した場合においてのみ、そ
の条だけが高い稼動率となるが、他の条のコンベアには
少なく供給されるため、全体としてはその施設の機械の
選別能力を十分に発揮できない欠点があった。

また、上記従来の選別方法は、シーズン初期等のとき
の処理量が少ない時期においても全条の選別コンベアを
稼動させるとともに作業者も同様に配置する必要がある
ので、稼動効率および作業効率が低い欠点があった。

更に、上記従来の選別方法によれば、階級付けされた
青果物は、階級別，等級別の該当する仕分け排出位置で
排出される如くなしているため、階級別，等級別仕分け
段階に対応して排出される青果物を受ける受箱やターン
テーブル等の溜めておく手段を各仕分け階段ごとに配置
しており、集中して排出される仕分け階段においては、
該溜めておく手段が効率的に使用されるが、しかし、ま
ばらにしか排出されない仕分け段階では、その溜めてお
く手段の機能を十分に発揮できないとともに、各仕分け
段階に対応して各仕分け段階ごとに溜めておく手段を配
置するので、選別施設全体としてのスペースを広く必要
とする欠点があった。

また更には、近年、市場，消費者の多様化する要求に
対応するために、青果物の品質区分が細分化されて仕分
け段階数が増加傾向にあり、選別施設が大型化して広い
スペースと高い設備費を必要とし、これの改善が望まれ
ている。

従って、本発明の目的は、上記欠点を解消し、青果物
の等級比率に影響されることなく選別能力を十分に発揮
できるとともに、選別処理量の増減に応じて人員配置を
効率的に行うことができ、更には設置するスペースを少
なくして安価でシンプル且つ融通性のある人員配置をす
ることができる青果物の選別方法を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するために、仕分けする青
果物の等級数に対応して所定の区分表示をした多数の受
皿を、区分表示別に待機させるとともに、青果物が該当
する等級の区分表示の受皿に載せられた都度該青果物入
り受皿を送り出して混在搬送し、該搬送途中に受皿上の
青果物の大きさを測定し、該測定結果に基づき該青果物
入り受皿を該当する階級の仕分け排出位置から排出して
階級別に対応する貯溜手段上に各区分表示の受皿を混在
貯溜し、該混在貯溜される各区分表示の受皿上の青果物
を受皿の区分表示別に取り上げて階級別，等級別に仕分
けすることを特徴とする青果物選別方法である。

〔作用〕

以上の如く構成された本発明の青果物選別方法によれ
ば、各生産者から荷受けされた青果物は、選果人により
その等級が判定され、等級数に対応して所定の区分表示
をして該区分表示別に待機させた受皿の該当する等級の
区分表示の受皿に載せられる。そして、青果物が受皿に
載せられた都度該青果物入り受皿を混在搬送し、その搬
送途中において受皿上の青果物は、その大きさが測定さ
れて階級が判定され、該当する階級の仕分け排出位置か
ら排出して階級別に対応する貯溜手段上に青果物が受皿
ごと階級別に仕分け排出される。そして、階級別に仕分
け排出された各区分表示の受皿は各階級に対応する貯溜
手段上に混在貯溜され、該混在貯溜される各区分表示の
受皿上の青果物は、受皿の区分表示別に取り上げられて
階級別，等級別に区分され箱詰めされる。

即ち、本発明によれば、一条の選別コンベアで、空受
皿を搬送することなく、しかも複数の等級の青果物をそ
れぞれ該当する等級の区分表示の受皿に載せたものだけ
を100％供給して搬送できるとともに、階級選別された
受皿上の青果物は、各区分表示の受皿を混在して貯溜で
きて、一条の選別コンベアで複数等級の青果物を搬送し
各階級ごとに複数の等級を混在して排出できる。そし
て、混在貯溜される各区分表示の受皿上の青果物は、箱
詰め作業者または機械的箱詰め手段により受皿の区分表
示別に取り上げて階級別，等級別に仕分けすることがで
きる。

〔実施例〕

以下、本発明の好ましい一実施例について、図面（第
１図〜第15図）に基づき説明する。

第１図は本発明を実施するための選別装置の全体構成
を示す平面図。第２図は第１図の一部を省略した側面図
であり、図を用いて全体の概要を説明する。

１は青果物100を載せるための円形の受皿、２は供給
部としての等級別送り出し装置、３は供給コンベア、４
は青果物100入り受皿１を搬送する途中において受皿１
上の青果物100の大きさを測定し、該測定結果から青果
物100を受皿１ごと階級別に仕分け排出する選別コンベ
ア、５は前記選別コンベア４の各階級別に設けられた貯
溜装置である。

受皿１は第３図によく示されているように、青果物10
0を安定した状態で座らせるため上面中央部に擂鉢状の
載部11を形成している。この載部11の形状は、載せる青
果物100によって最適な形にすることが好ましい。例え
ば、第４図に示す如く擂鉢状の傾斜部に三つの支持面12
を突出させて載部11を形成することができる。上記載部
11は載せた青果物100が傷まないように柔らかなゴムや
軟質塩ビ等の弾性部材を用いて構成している。

また、この受皿１は、青果物100の測定にカメラ装置
を用いる場合、受皿１上面から反射光が上方のカメラ装
置のセンサーに向かないようにするため受皿１上面を黒
色に形成することが好ましい。

13は抜き穴であり、載部11の中央で受皿１の下部に貫
通している。この抜き穴13は、受皿１に青果物100を載
せたときに混入した異物を該抜き穴13から下方へ落下放
出させるためと、受皿１上に青果物100を載せたとき該
青果物100を受皿１の下方からセンサー（後述する）が
確認するために設けられている。

14は所定幅の溝であり、受皿１の下部周囲に下方に開
放して逆字状に形成している。また、この溝14の側壁
の一側（外周）を後述する仕分け装置43の係合部材4312
と係合する係合部141に形成している。

そして、この受皿１は、仕分けする青果物100の等級
数に対応して所定の区分表示をしている。即ち、実施例
では三等級（秀，優，良）に等級仕分けする如く設定さ
れており、受皿１の区分表示は等級数に対応して例えば
秀品を赤、優品を白、良品を黒の如く色分けして区分表
示をしている。また、この区分表示は色分けの他に例え
ば第５図に示す如く受皿１の一部（胴回り等）にライン
を入れて表示することもできる。即ち、秀品は一本のラ
インが入った受皿、優品は二本のラインが入った受皿、
良品はラインが入っていない（無印）受皿として表示し
てもよい。また、受皿１の一部に番号，記号等識別でき
る表示を入れてもよい。

尚、実施例の選別装置では色分けされた受皿１を用い
て以下説明をするが、特に限定するものではない。

供給部としての等級別送り出し装置２は、第６図，第
７図によく示されているように、前記色分けされた受皿
１を色別に待機させるとともに、青果物100が該当する
等級の受皿１に載せられた都度該青果物100入り受皿１
を送り出す如く設けられている。そして、この供給部と
しての等級別送り出し装置２は、選別処理能力に対して
必要な供給作業者の員数から複数設けることができる。

図において、21はローラであり、進行方向に多数横架
してローラコンベアを構成している。22は等級仕切りで
あり、仕分けする等級数に対応して受皿１を色別に待機
する如く丸棒または薄板部材等を用いて等級別搬送路22
1a,b,cを構成している。

23はローラ21上の受皿１を一個ずつ定間隔で先方へ送
り出す搬送装置であり、前記等級別搬送路221a,b,cに対
応してそれぞれ設けられている。そして、この搬出装置
23は、受皿１を送り出すときに受皿１の一部に噛み合う
爪231と、この爪231を所定ストロークで駆動させるシリ
ンダ等のアクチュエータ232とを組み合わせて該爪231を
定間隔にスライド可能に設けている。そして、爪231
は、一方方向（前進）のときのみ噛み合う如くラチェッ
ト式に構成されている。

また、受皿１を一個ずつ定間隔に送り出す機構の他の
方式として例えば、駆動式ローラコンベアやトッププレ
ート付コンベア等アキュームレート可能なコンベアと、
該コンベア上に出没するストッパー（いずれも図示せ
ず）とを組み合わせて一個ずつ送り出すこともできる。

24はセンサーであり、等級別搬送路221a,b,cに対応し
て最前列の受皿１の下方に設けられている。そして、こ
のセンサー24は、該等級別搬送路221の最前列に送られ
てきた受皿１の下方から該受皿１の抜き穴13を通して受
皿１上の青果物100を検出する如く構成している。ま
た、このセンサー24の取り付け位置は、図示した位置に
限定するものではなく等級別搬送路221の最前列上方に
設けて受皿１上の青果物100を確認することもできる。

そして、このセンサー24が受皿１上の青果物100を検
出して信号が出力されると、前記搬出装置23が作動して
青果物100入り受皿１を後述する供給コンベア３上へ送
り出す如く作用する。

図において25は各生産者から荷受けされた青果物100
入りコンテンナ251を等級別送り出し装置２へ搬送する
荷受けコンベア。26は上記荷受けコンベア25で搬送され
る青果物100入りのコンテナ251を一時載せておく供給
台。27は青果物100を取り出して空になったコンテナ251
を、機外へ搬送する空コンテナ搬送コンベアである。上
記荷受けコンベア25と空コンテナ搬送コンベア27との組
み合わせは公知であり、施設によって任意な位置に配置
される。

供給コンベア３は、前記等級別送り出し装置２に対応
して設けられ、該等級別送り出し装置２の等級別搬送路
221a,b,cから送り出される青果物100入りの色別受皿１
を合流して混在搬送するもので、受皿１が一個載る程度
の幅のトッププレート付コンベアやローラコンベア等を
用いて構成することができる。

第１図において31は進路変更装置であり、等級別送り
出し装置2a,b,cから送り出された青果物100入り受皿１
を後述する選別コンベア４へ一列に合流整列させて供給
するため、該供給コンベア３上で搬送される青果物100
入り受皿１の一部に接触して進路変更する如く設けられ
ている。この進路変更装置31は、摩擦の少ない丸棒，丸
パイプ等のガイドレールや適宜速度で走行回転する立て
軸のベルトコンベア（図示せず）等を用いて構成するこ
とができる。

選別コンベア４は、青果物100入り受皿１を搬送する
搬送コンベア41と、該搬送コンベア41の始端部411から
下流側所定位置に設けられた測定装置42と、該搬送コン
ベア41の搬送路の途中に所定間隔をおいて各階級別に設
けられた仕分け装置43とを組み合わせて構成している。

搬送コンベア41は、前記供給コンベア３の終端部32に
始端部411を接続し、該供給コンベア３から一列に整列
して送り出される青果物100入り受皿１を該供給コンベ
ア３より若干速い速度で搬送するもので、受皿１が一個
載る程度の幅で駆動式のトッププレート付コンベアやロ
ーラコンベア等各種コンベアを用いて構成することがで
きる。そして、前記供給コンベア３の終端部32と該搬送
コンベア41の始端部411との間には図示しない渡りロー
ラや渡り板等が設けられており、受皿１の乗り移りをス
ムースに行う如く作用する。

また、この搬送コンベア41は、図示しないロータリー
エンコーダやクロック発生装置等を該コンベア41と組み
合わせて設けられており、コンベア41の移動量に対して
所定のパルス信号が出力するようになっている。

412は定間隔供給装置であり、列化されて搬送される
ビン，缶等を所定間隔あけて先方へ送り込むときに一般
的に用いられる公知の技術としてのフィードスクリュー
を用いて構成している。また、異なる他の定間隔供給方
式として、受皿１の進行方向に対して両側から送り爪
（図示せず）により受皿１を一個ずつ定間隔に送り込む
こともできる。

測定装置42は、第２図によく示す如く、前記搬送コン
ベア41の上方所定位置にカメラ装置421と照明装置422と
を配置している。そして、この測定装置42は、受皿１に
載せられた青果物100が通過したとき、該青果物100の形
状寸法を測定して階級別仕分け信号を受皿１の進行と同
期して出力する如く演算処理装置（図示せず）を組み合
わせて構成している。

第８図は前記測定装置42の他の実施例を示す説明図で
ある。図において413は前記搬送コンベア41と同様の構
成の離隔コンベアであり、前記定間隔供給装置412と組
み合わせて設けられている。そして、前記供給コンベア
３から該離隔コンベア413上へ前後に不定間隔に供給さ
れた青果物100入り受皿１は、定間隔供給装置412により
所定の間隔で先方へ送り出されるのである。414は前記
離隔コンベア413から供給された青果物100入り受皿１を
搬送する搬入コンベアであり、この搬入コンベア414の
終端部には秤量コンベア415が隣接して設けられてい
る。そして、この秤量コンベア415にはロードセル等と
秤量装置416が組み合わせられている。417は搬出コンベ
アであり、上記秤量コンベア415の終端部に隣接して設
けられており、該秤量コンベア415上を通過して重量測
定された青果物100入り受皿１を前記搬送コンベア41上
へ搬出する如く動作する。

また、上記測定装置42の設置部には、受皿１の区分表
示を検出する等級区分検出装置（図示せず）が設けられ
ている。尚、実施例では色区分を読み取るカラーセンサ
ー（図示せず）を用いて構成している。そして、青果物
100入り受皿１が上記等級区分検出装置を通過すると、
受皿１の等級区分表示を検出して等級情報信号として演
算処理装置（図示せず）に出力する。

この図示しない演算処理装置は、前記測定装置42を通
過した青果物100の等級，階級データを一個一個記憶し
ておき、各荷口ごとにデータが集計される。

次に、前記搬送コンベア41の搬送路に沿って各階級別
に設けられた仕分け装置43の詳細を第９図，第10図を用
いて説明する。尚、第10図は第９図Ｂ−Ｂに沿った断面
図である。

図において、4301は回転テーブル、431a,b,c…は係合
装置であり、上記回転テーブル4301の回転軸4302を中心
として該回転テーブル4301の周縁部に所定数均等に配設
している。ここで符号431a,b,c…で示す係合装置は全て
同様の構成であり、一個の構成について以下詳細に説明
する。

4311は作動杆であり、一側に係合部材4312を突出させ
て設け、他側を支点ピン4313によって回転テーブル4301
の一部に軸支されている。4314はホルダー、4315はロッ
クロッドであり、該ロックロッド4315を上方に付勢する
スプリング4316を介して上記ホルダー4314に上下動自在
に嵌合している。そして、このロックロッド4315の下部
は連結ピン4317により前記作動杆4311の一部と連結され
ている。4318はラッチアームであり、前記ホルダー4314
の一部にネジリスプリング4319を介して支点ピン4319a
によって軸支されている。そして、この係合装置431の
非作動時は、前記ロックロッド4315の係止部4315aとラ
ッチアーム4318の係止部4138aとが噛み合っており、前
記作動杆4311の係合部材4312は図示想像線（二点鎖線）
の位置で待機する如くなしている。

4320は支持軸であり、前記回転テーブル4301の回転軸
4302にベアリング4321を介してブラケット4322に固定さ
れている。即ち、前記回転テーブル4301は支持軸4320を
固定軸としてボールベアリングやメタル等（いずれも図
示せず）により回動可能に嵌合しているのである。4320
aは受け台であり、前記支持軸4320の上部に固定されて
おり、該受け台4320a上にはソレノイド取付台4323aによ
りソレノイド4323が設置されている。このソレノイド43
23は例えば所定ストローク往復運動する直線ソレノイド
を用いることができる。4324はプッシャーであり、ソレ
ノイド4323の作動軸に取り付けられている。4325は作動
レバーであり、ソレノイド取付台4323aの一部に支点ピ
ン4325aにより軸支されている。4326は復元バネであ
り、上記作動レバー4325を上方に付勢する如く設けられ
ている。そして、この作動レバー4325の先端部4325bは
前記ラッチアーム4318の一部に接触する如くソレノイド
4323が配置されている。

4327はモーターであり、前記回転軸4302に取り付けた
プーリー4302aとモーター4327の出力軸に取り付けたプ
ーリー4327aとの間にベルト4328を張設して前記回転テ
ーブル4301を回転可能に構成している。そして、この回
転テーブル4301の回転速度は、前記搬送コンベア41の搬
送速度と該回転テーブル4301の周速とが略同速になるよ
うに設定する。

4329は復元レールであり、前記回転テーブル4301が回
転する途中に、前記ロックロッド4315の一部に接触して
前記係合部材4312を定位置（下降した位置）に復元する
如く作用するものである。この復元する位置は第９図に
示す如く搬送コンベア41上から仕分け排出された受皿１
が、後述する搬出コンベア44に載せられたときに該係合
部材4312と受皿１の係合部141との係合を解除する如く
設定されている。

図において44は搬出コンベアであり、前記仕分け装置
43により仕分け排出された青果物100入り受皿１を後述
する貯溜装置５へ搬送するためにトッププレート付コン
ベアやローラコンベア等を用いて構成している。

以上のように構成された仕分け装置43によれば、図示
しない演算処理装置から出力され、搬送コンベア41と同
期して送られてくる仕分け信号によりソレノイド4323が
通電されると、プッシャー4324により作動レバー4325が
下方へ押し下げてラッチアーム4318の一部を叩き、ロッ
クロッド4315の係止部4315aとラッチアーム4318の係止
部4318aとの係合を解放する。そして、係合が解放され
たロックロッド4315がスプリング4316により上方へ突出
すると、該ロックロッド4315に連結した作動杆4311の係
合部材4312が受皿１の溝14内に突出して溝14内の係合部
141と係合する。そして、係合されたまま回転テーブル4
301の回転力により搬送コンベア41上方から側方の搬出
コンベア44上へ排出することができる。そして、搬出コ
ンベア44上に受皿１が完全に載ったとき、受皿１の係合
部141と仕分け装置43の係合部材4312との係合が解除さ
れて受皿１は搬出コンベア44により先方へ搬送される。

次に、上記仕分け装置43により階級別に排出された各
色の受皿１を各階級別に混在貯溜する貯溜装置５につい
て第１図および第11図，第12図を用いて説明する。

即ち、51は小幅コンベアであり、搬送方向（矢印方
向）が隣り合う条ごとに異なるように複数条隣接させて
構成し、前記選別コンベア41と並行させて配置してい
る。実施例では小幅コンベア51を四条隣接して構成する
が、特に限定するものではない。この小幅コンベア51
は、受皿１を搬送するのに適合した幅のトッププレート
付コンベア，ローラコンベア等でアキュームレート式に
構成している。52は進路変更レールであり、上記小幅コ
ンベア51で搬送される受皿１の一部に接触して該受皿１
を隣の条の小幅コンベア51上へ進路変更させる如く小幅
コンベア51の上面に丸棒，丸パイプ等摩擦の少ない部材
を用いて構成している。上記進路変更レール52は、前記
仕分け装置43に対応して設けられており各階級別に受皿
１を混在貯溜することができる。図において53は受皿停
止装置であり、ストッパー531とエアシリンダー等のア
クチュエータ532とを組み合わせて出没式に構成してい
る。そして、この受皿停止装置53は、青果物100を取り
上げて空になった受皿１を検出するセンサー（図示せ
ず）と組み合わせて作動する如く設けられており、空の
受皿１がセンサー（図示せず）により検出されると、受
皿停止装置53のストッパー531が下降して空の受皿１を
後述する空受皿リターンシュート61へ排出する如く作用
する。

54は箱詰め作業部であり、前記貯溜装置５の側方に箱
詰め容器（ダンボール箱）を等級数に応じて配置して構
成している。そして、上記貯溜装置５で混在貯溜される
各区分表示の受皿１上の青果物100は、受皿１の区分表
示別に取り上げて同一容器に箱詰めされ、各階級ごとに
等級別に箱詰め包装されるのである。

また、前記貯溜装置５の他の実施例を第13図，第14図
を用いて説明する。この貯溜装置５は、前記仕分け装置
43にそれぞれ対応して設けられており、屈曲自在なチェ
ン55とクレセント形のトッププレート56とを組み合わせ
て平面上でエンドレスに走行回転する如く構成してい
る。57は受け台であり、上記貯溜装置５で貯溜される青
果物100入り受皿１を一時載せておくために受皿１が一
個載る程度の幅で箱詰め位置に対応して設けられてい
る。

図において61は空受皿リターンシュートであり、断面
字状に設け、円形の受皿１が先方へ自走する傾斜角度
に形成している。62はリターンコンベアであり、前記各
空受皿リターンシュート61から排出される空の受皿１を
合流して搬送する如くベルトコンベア等により構成して
いる。第２図において63は前記リターンコンベア62の終
端部621に接続して設けられ、該リターンコンベア62か
ら搬出される空の受皿１を上方所定位置へ搬送する受皿
繰り上げ装置であり、受皿１を挾持する隙間で搬送面を
対向させた二本のコンベア631,632を上方に向けて並設
して構成している。図において633は前記リターンコン
ベア62に接続する受入部であり、634は出口部である。

この受皿繰り上げ装置63は、図示した実施例の他に例
えば、受皿１を一個ずつ載せるアームを定間隔に取り付
けた垂直搬送コンベア（いずれも図示せず）を用いても
よい。

第15図は、第２図Ｚ方向から視た平面図であり、図を
用いて前記繰り上げ装置63で搬送された各色の受皿１を
色別に仕分ける手段について説明する。

図において64は現在搬送路であり、前記繰り上げ装置
63の出口部634に接続して設けられ、該繰り上げ装置63
から排出された空受皿１を、混在搬送するためにベルト
コンベアや先方下り傾斜のシュート等で構成することが
できる。65は上記混在搬送路64の途中に設けた分岐装置
であり、レバー651とソレノイドやシリンダー等のアク
チュエータ（図示せず）と組み合わせて該レバー651を
作動可能に構成している。66a,bは受皿１の色を検出す
るためのカラーセンサーを備えた色検出装置であり、色
別搬送路67a,bの分岐の手前に設けられ、各色別搬送路6
7a,bにそれぞれ分岐させる受皿１の色を検出するように
設定されている。即ち、色検出装置66aは赤の受皿１を
検出する如くなし、また色検出装置66bは色を検出する
ようになっている。そして、色検出装置66a,bで検出さ
れずに通過した黒の受皿１は色別搬送路67cまで送られ
るようになっている。

上記分岐装置65と該色検出装置66との動作について説
明すると、前記繰り上げ装置63の出口部634から排出さ
れる空の受皿１は、混在搬送路64で搬送される途中に色
検出装置66により分岐すべき色を検出されると対応して
設けた分岐装置65が作動して色別搬送路67へ分岐搬送さ
れるのである。

68a,b,cは色別搬送路67a,b,cの途中に設けた排出装置
であり、前記分岐装置65と同様の構成のものを用いる。
この排出装置68a,b,cは第６図に示すように、色分けさ
れた受皿１を下方の等級別送り出し装置２の等級別搬送
路221a,b,cへそれぞれ供給するために設けられている。
そして、排出装置68a,b,cによりそれぞれ排出された受
皿１は、該排出装置68a,b,cに対応して設けた落下シュ
ート69a,b,cにより下方へ運ばれる。70は受皿降下コン
ベアであり、上記落下シュート69a,b,cにそれぞれ対応
して設けられ、前記落下シュート69a,b,cにより運ばれ
た受皿１の一部に接触して定速で降下するように構成し
ている。図において701は受けローラであり、スプリン
グ702により搬送ベルト703に張力を与えている。

この受皿降下コンベア70は、前記等級別送り出し装置
２の等級別搬送路221a,b,c上の受皿１が所定数減少した
ときに所定個数降下する如く自動制御回路により駆動す
るようになっている。

以上説明した実施例では、受皿１の等級区分表示を色
別に構成したので、カラーセンターを用いて空の受皿１
を色別に区分けする如くなしたが、区分表示の手段が色
以外の場合は、その表示を読み取り判断できるセンサー
を用いて等級区分ごとに振り分けることもできる。

以上のように構成された選別装置の一連の動作につい
て以下説明する。

被選別物としての青果物100は、選果人によりその等
級が判定され、等級別送り出し装置２の等級別搬送路22
1a,b,c上で色別に待機する受皿１の該当する色の受皿１
に載せられる。そして、受皿１に載せられた青果物100
がセンサー24に検出される都度、搬出装置23が作動して
青果物100入りの受皿１を供給コンベア３上へ送り出
す。そして、供給コンベア３上へ送り出された青果物10
0入り受皿１は、混在搬送されて合流したあと、一列に
整列し、選別コンベア４へ供給される。そして、選別コ
ンベア４の搬送コンベア41上へ供給された青果物100入
り受皿１は、定間隔供給装置412により所定間隔に離隔
されて搬送される。該搬送される青果物100入りの受皿
１は、等級区分検出装置（図示せず）により等級区分表
示を読み取られるとともに測定装置42により受皿１上の
青果物100の大きさが測定されて階級判定され、該当す
る階級の仕分け装置43により該搬送コンベア41上から受
皿１ごと仕分け排出される。尚、上記等級区分検出装置
（図示せず）により読み取られた等級データと測定装置
42により測定されて階級判定された階級データは演算処
理装置（図示せず）へ送られて各荷口ごとのデータ集計
が行なわれる。

そして、上記階級別に仕分け排出された各色の受皿１
は、各階級に対応する貯溜装置５に混在貯溜される。該
混在貯溜される青果物100入りの受皿１は、予め等級数
に応じて複数用意された容器に箱詰め作業者により受皿
１の色別に取り上げて等級別の箱詰めが完了する。即
ち、階級ごとに等級別の箱詰めが行なわれる。

一方、青果物100を取り上げて空になった受皿１は、
空受皿１リターンシュート61によりリターンコンベア62
上に排出される。該リターンコンベア62により合流して
混在搬送される空の受皿１は、受皿繰り上げ装置63によ
り順次上方所定位置の混在搬送路64へ搬送される。そし
て、混在搬送路64で搬送される受皿１は、色検出装置66
により分岐すべき色を検出されると対応して設けた分岐
装置65が作動して色別搬送路67へ分岐搬送される。そし
て、排出装置65によりそれぞれ排出された受皿１は、落
下シュート69により下方へ運ばれて再び等級別送り出し
装置２の等級別搬送路221a,b,c上に色別に待機する。

上記の記述および添付する図面はいずれも実施の一例
を示すものであり、発明を制限するものではなく、特許
請求の範囲に記載した内容であれば他の形状，配置に適
用されることは勿論である。

〔発明の効果〕

本発明は、以上述べた如く、青果物の等級に対応して
区分表示した多数の受皿を区分表示別に待機させるとと
もに、青果物が該当する等級の区分表示の受皿に載せら
れた都度、該青果物入り受皿を混在搬送させて受皿上の
青果物を階級判定して階級別に受皿ごと排出し、各階級
ごとに青果物入りの各区分表示の受皿を混在貯溜し、該
混在貯溜される各区分表示の受皿上の青果物を受皿の区
分表示別に取り上げて階級別，等級別に仕分けする如く
なした選別方法であるから、一条の選別コンベアで青果
物の等級比率に関係なく受皿に100％供給して仕分けす
ることができて空受皿が選別コンベア上で搬送されるこ
とがないので、機械の選別能力を十分に発揮することが
できて一条当たりの選別能率を向上させることができる
効果があるとともに、青果物の選別処理量に応じて作業
者の人員配置に融通性をもたせ得て作業者の人員配置を
効率的に行うことができる効果がある。

また、本発明は、受皿を、単に色分けする等して極め
てシンプルな区分表示をした構造としたので、一個当た
りの単価が安く、しかも選別施設全体としては多数の受
皿を用いるので、大幅なコストダウンができる効果があ
る。

更に、本発明は、各階級ごとに複数の等級を混在貯溜
可能にしたので、従来、階級別，等級別に設けられてい
た溜めておく手段（貯溜手段）を大幅に減少することが
でき、選別施設の配置スペース，施設費ともに少なくで
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本発明の実施例を示す説明図である。 第１図，第２図は本発明を実施する選別装置の平面図お
よび側面図、第３図，第４図，第５図はいずれも受皿の
説明図、第６図は第１図Ａ−Ａに沿った断面図、第７図
は等級別送り出し装置を示す平面図、第８図は測定装置
の他の実施例を示す説明図、第９図は仕分け装置の平面
図、第10図は第９図Ｂ−Ｂに沿った断面図、第11図は貯
溜装置の部分詳細図、第12図は第11図Ｃ−Ｃに沿った断
面図、第13図は貯溜装置の他の実施例を示す平面図、第
14図は第13図Ｄ−Ｄに沿った断面図、第15図は第２図の
Ｚ方向から視た平面図である。 １……受皿、100……青果物 11……載部 12……支持面 13……抜き穴 14……溝、141……係合部 ２……等級別送り出し装置 21……ローラ 22……等級仕切り、221……等級別搬送路 23……搬出装置、231……爪 232……アクチュエータ 24……センサー 25……荷受けコンベア、251……コンテナ 26……供給台 27……空コンテナ搬送コンベア ３……供給コンベア 31……進路変更装置、32……終端部 ４……選別コンベア 41……搬送コンベア、411……始端部 412……定間隔供給装置、413……離隔コンベア 414……搬入コンベア、415……秤量コンベア 416……秤量装置、417……搬出コンベア 42……測定装置、421……カメラ装置 422……照明装置 43……仕分け装置、4301……回転テーブル 4302……回転軸、4302a……プーリー 431……係合装置 4311……作動杆、4312……係合部材 4313……支点ピン、4314……ホルダー 4315……ロックロッド、4315a……係止部 4316……スプリング、4317……連結ピン 4318……ラッチアーム、4318a……係止部 4319……ネジリスプリング 4319a……支点ピン 4320……支持軸、4320a……受け台 4321……ベアリング、4322……ブラケット 4323……ソレノイド、4323a……取付台 4324……プッシャー 4325……作動レバー 4325a……支点ピン、4325b……先端部 4326……復元バネ 4327……モーター、4327a……プーリー 4328……ベルト、4329……復元レール 44……搬出コンベア ５……貯溜装置 51……小幅コンベア 52……進路変更レール 53……受皿停止装置、531……ストッパー 532……アクチュエータ 54……箱詰め作業部 55……チェン 56……トッププレート 57……受け台 61……空受皿リターンシュート 62……リターンコンベア 621……終端部 63……受皿繰り上げ装置 631……コンベア、632……コンベア 633……受入部、634……出口部 64……混在搬送路 65……分岐装置、651……レバー 66……色検出装置 67……色別搬送路 68……排出装置 69……落下シュート 70……受皿降下コンベア 701……受けローラ、702……スプリング 703……搬送ベルト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】仕分けする青果物の等級数に対応して所定
   の区分表示をした多数の受皿を、区分表示別に待機させ
   るとともに、青果物が該当する等級の区分表示の受皿に
   載せられた都度該青果物入り受皿を送り出して混在搬送
   し、該搬送途中に受皿上の青果物の大きさを測定し、該
   測定結果に基づき該青果物入り受皿を該当する階級の仕
   分け排出位置から排出して階級別に対応する貯溜手段上
   に各区分表示の受皿を混在貯溜し、該混在貯溜される各
   区分表示の受皿上の青果物を受皿の区分表示別に取り上
   げて階級別，等級別に仕分けすることを特徴とする青果
   物選別方法。