JPH082716B2 - 硬化性保護層を有する転写シ−トおよび転写方法 - Google Patents

硬化性保護層を有する転写シ−トおよび転写方法

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JPH082716B2
JPH082716B2 JP61273782A JP27378286A JPH082716B2 JP H082716 B2 JPH082716 B2 JP H082716B2 JP 61273782 A JP61273782 A JP 61273782A JP 27378286 A JP27378286 A JP 27378286A JP H082716 B2 JPH082716 B2 JP H082716B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、表面強度の優れた保護層を転写で形勢で
きる転写シートと、その転写シートを用いて行なう転写
方法とに関するものである。
〔従来の技術〕
転写シートの、転写後に最も表面側に来る側の層を硬
化性の樹脂を素材として作り、転写後の絵柄を摩耗や化
学薬品による劣化から守ることは今までにも試みられて
いる。特に、保護層を紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性
樹脂を素材として作ると、硬化の際に熱を必要とせず、
硬化が瞬時に行なえる利点がある。
しかし、通常の紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂
は、未硬化の状態では粘着性を帯びているので、塗布や
印刷後に次の層を設けることが難しいが、硬化させてか
ら次の層を設けようとすると、密着性の点で問題があっ
た。
また、得られた転写シートは保護層が硬化していて転
写シート全体の剛性が高いため、平らな板状の表面に転
写するには差し支えないが、保護層が変形しにくいため
に凹凸のある表面に転写することは難しかった。
そこで、未硬化状態において常温で固体であり、且
つ、熱可塑性である紫外線硬化性または電子線硬化性の
樹脂を使用して、保護層を設けることが試みられた。こ
のような樹脂は溶剤に溶解して塗布・印刷により保護層
を設けることが可能で、また、保護層を設けた後に紫外
線や電子線を照射しなくても、次の層の塗布・印刷が可
能で密着性もある上、熱可塑性樹脂と同様に変形し得る
から、凹凸がある表面にも転写可能で、得られた転写シ
ートを用いて転写した後に、紫外線や電子線を照射して
保護層を硬化させ、表面の物理的・化学的強度を向上さ
ることができる。
ところが、上記のような保護層は、転写シート上では
未硬化で、耐熱性は熱可塑性樹脂並みかそれよりも劣る
から、転写の際の熱が多すぎると保護層が溶融して流動
し、絵柄層が変形するなどの影響がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この発明では、「未硬化状態において常温で固体であ
り、且つ、熱可塑性である紫外線硬化性または電子線硬
化性の樹脂」を使用して、保護層を設ける際の上記の欠
点を解消することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明では、「未硬化状態において常温で固体であ
り、且つ、熱可塑性である紫外線硬化性または電子線硬
化性の樹脂」を使用して保護層を設けた後、保護層に紫
外線もしくは電子線を照射して保護層の樹脂をハーフキ
ュアすることにより、上記の問題点を解決することがで
きた。
即ち、この発明は、 『離型性シートの離型性面に、未硬化状態において常温
で固体であり、且つ、熱可塑性である紫外線硬化性また
は電子線硬化性の樹脂がハーフキュアした硬化性層から
なる、転写後に下層を保護する保護層と、少なくとも絵
柄層とを有する転写シート』を要旨とし、また、『その
転写シートを用いて被転写体の表面に保護層および、少
なくとも絵柄層とを転写し、その後、電子線もしくは紫
外線を照射して、転写された保護層を架橋硬化させるこ
とを特徴とする転写方法』をも含むものである。
〔作用〕
この発明によれば、転写シートの保護層は予めハーフ
キュアしてあるので耐熱性が高く、しかしながら完全に
は硬化してないので転写に必要な変形性を有し、転写時
の熱により保護層が溶融して流動し、そのために絵柄が
変形することが防止される。
〔構成の具体的説明〕
この発明の転写シートは、最も単純には、離型性シー
ト、保護層、および絵柄層の3つの層からできている。
転写シートの他の構造については、後の説明する。
離型性シート 離型性シートの素材は、原則として、この種の転写シ
ートに使用されているものであればよく、その厚みとし
ては通常5〜200μmが好ましく、更に好ましくは12〜5
0μmである。
具体的に例を示すと、ポリエチレンテレフタレート
(いわゆるポリエステル)、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリアミドなど、の合成樹脂のフィルム、紙、合
成紙などである。これらは必要によりラミネートして使
用できる。
離型性シートの表面の凹凸は、転写したときに保護層
の表面の凹凸を決めるものである。転写された後の表面
をミラー(鏡)面としたいときには、これらの離型性シ
ートの表面はミラー面としなければならない。また、装
飾用途においては、しばしば、マットな表面が要望され
るので、そのときは、離型性シートとしてマット剤練り
込み、サンドブラスト法、もしくはケミカルエッチング
などにより艶の状態を調整したマットフィルムを使用す
るのがよい。
離型性シートは上記のような素材からなるもの以外で
も、離型性層を別に設けて表面を離型性にしたものでも
よい。
この離型性層は転写の際に転写シートの基体シートか
ら保護層の剥離を可能にする成分を有し、具体的には適
宜なベヒクル(ベヒクルの例は通常のインキ組成物のベ
ヒクルとして後記するものと同じ)単純もしくは必要に
応じてさらにワックス、シリコーンなどの離型性物質を
添加してつくれば良い。
保護層 保護層は、未硬化の状態では常温で固体であり、か
つ、熱可塑性、溶剤溶解性を有していながら、塗装及び
乾燥によって見かけ上、あるいは、手で触ったときにも
非流動性であり、かつ非粘着性である塗膜を与える紫外
線硬化樹脂または電子線硬化樹脂を材料として形成さ
れ、かつ、ハーフキュアしているものである。
このような樹脂としてはラジカル重合性不飽和基を有
する熱可塑性の次の2種類の樹脂がある。
(1) ガラス転写温度が0〜250℃のポリマー中にラ
ジカル重合性不飽和基を有するもの。さらに具体的には
以下の化合物〜の重合、もしくは共重合させたもの
に対し後述する方法(a)〜(d)によりラジカル重合
性不飽和基を導入したものを用いることができる。
水酸基を有する単量体;N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
等。
カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
ト等。
エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)アク
リレート等。
アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチ
ル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピオン
酸アリル等。
アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、
ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等。
スルフォン基を有する単量体:2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等。
イソシアネート基を有する単量:2,4−トルエンジイソ
シアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トの1モル対1モル付加等のジイソシアネートと活性水
素を有するラジカル重合性単量体の付加物等。
更に、上記の共重合体のガラス転移点を調節したり、
硬化膜の物性を調節したりするために、上記の化合物
と、この化合物と共重合可能な以下のような単量体とを
共重合させることができる。このような共重合可能な単
量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
次に上述のようにして得られた重合体を以下に述べる
方法(a)〜(d)により反応させ、ラジカル重合性不
飽和基を導入することによって、紫外線もしくは電子線
硬化性樹脂が得られる。
(a)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の
場合には(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有す
る単量体等を縮合反応させる。
(b)カルボキシル基、スルフォン基を有する単量体の
重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
る単量体を縮合反応させる。
(c)エポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジ
ニル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル
基を有する単量体を付加させる。
(d)水酸基あるいはカルボキシル基を有する単量体の
重合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する
単量体あるいはアジリジニル基を有する単量体あるいは
ジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステ
ル単量体の1対1モルの付加物を付加反応させる。
上記反応を行なうには、微量のハイドロキノンなどの
重合禁止剤を加え乾燥空気を送りながら行うことが望ま
しい。
(2) 融点が常温(20℃)〜250℃であり、ラジカル
重合性不飽和基を有する化合物。具体的にはステアリル
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリ
アクリルイソシアヌレート、シクロヘキサンジオールジ
アクリレート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、スピログリコールジアクリレート、スピログ
リコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ま
た、この発明においては前記(1)および(2)を混合
して用いることもでき、さらにそれらに対してラジカル
重合性不飽和単量体を加えることもできる。このラジカ
ル重合性不飽和単量体は電離性放射線照射の際、架橋密
度を向上させ、耐熱性を向上させるものであって、前述
の単量体の他にエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテル
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ソルビト
ールテトラグリシジルエーテルテトラ(メタ)アクリレ
ートなどを用いることができ前記した共重合体混合物の
固形分100重量部に対して、0.1〜100重量部で用いるこ
とが好ましい、また、上記のものは電子線により充分に
硬化可能であるが、紫外線照射で硬化させる場合には、
増感剤としてベンゾキノン、ベンゾイン、ベンゾインメ
チルエーテル、などのベンゾインエーテル類、ハロゲン
化アセトフェノン類、ビアセチル類などの紫外線照射に
よりラジカルを発生するものも用いることができる。
ハーフキュア 上記のような材料からなる保護層は、この出願の発明
においては、ハーフキュアしたものである。
ここで、ハーフキュアとは、硬化性層が反応を完了し
ていない状態を言い、紫外線硬化性樹脂の場合は、一部
の光開始剤が開裂して既に反応しているけれども未開裂
状態の開始剤が残存している状態を示す。
ハーフキュアの程度は、その後、紫外線や電子線を照
射すると、性能が飛躍的に向上し得る程度を言い、比較
的低い硬化度合いでよく、一例として、80W/cmの高圧水
銀灯の下を、搬送速度5m/minの条件で10回通過させるこ
とにより完全硬化し、メチルエチルケトンで200回ラビ
ングして異常のないものが得られるときに、同じ高圧水
銀灯下を30m/minで1回通過させたときに得られる硬化
の度合いであり、このときは、メチルエチルケトンで10
回ラビングすると皮膜が溶解し始める程度である。
或いは、ハーフキュアの程度は、必要とされる性能を
考慮して決められる。
例えば、未硬化状態でガラス転位点が50℃の塗料を用
いた場合、転写の際に与えられる熱が70℃であるとする
と、転写時の熱で保護層が溶融して流動するから、ガラ
ス転位点が80℃になる程度に硬化させて、流動を防止す
ることができる。このように、転写シート上の保護層の
硬化状態は、未硬化と完全硬化の中間で、使用時の転写
シートにかかる温度では充分な耐熱性が維持できるよう
に決めることができる。
このハーフキュアに要する照射線量は転写シートの使
用温度に応じて任意に設定でき、好ましくは完全硬化に
必要な照射線量の1〜80%、より好ましくは1〜50%で
ある。
ハーフキュア、および転写後に保護層を完全硬化させ
るために用いる紫外線や電子線には、特に限定すべきも
のはなく、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノ
ンランプ、もしくは低圧水銀灯などから得られる紫外
線、または、タングステンフィラメントなどを用いた加
速機のカーテン型のものや走査型のものが使用できる。
なお、ハーフキュアを行なう際の紫外線もしくは電子
線の照射は、離型性シート側からでも反対側からでもい
ずれでもよいが、離型性シートが着色されているか若し
くは不透明である場合であって紫外線を用いるときは、
離型性シートとは反対側から照射するのがよい。
また、完全硬化を行なう際の紫外線もしくは電子線の
照射は、エネルギーの有効利用の点から離型性シートと
は反対の側から行なうのが好ましい。
絵柄層 絵柄層は転写により、被転写体に絵柄を与えるための
ものであるから、絵柄を転写することを目的とする絵柄
転写シートにおいては、必ず必要である、絵柄層の必要
でない転写シートの例としては、実質的に保護層のみを
転写する保護層転写シートがあり、このものの使用は塗
装の代用となる。具体的な保護層転写シートは、離型性
シートとの密着もしくは剥離性、保護層の被転写体との
接着性、接着剤層の必要性の可否などを用途に合わせて
考慮し、作ればよい。
絵柄層は通常、保護層の上に直接に、あるいは他の層
を介して間接に設け、インキの種類も用途、転写シート
の構造を考慮して決めればよい。通常のインキは、ベヒ
クルに顔料もしくは染料の着色剤、可塑剤、安定剤、そ
のほかの添加剤、または、溶剤もしくは希釈剤などを用
いて、混練したものである。
インキの成分のうち、接着性に関連のあるバインダー
としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル
などのアクリルもしくはメタクリルモノマーの単独共重
合体もしくはこれらモノマーを含む共重合体、ポリスチ
レン、ポリα−スチレンなどのスチレン樹脂及びスチレ
ン共重合樹脂、酢酸セルロース、塩化ビニル、ポリエス
テル樹脂などの、好ましくはアルコール不溶性樹脂の一
種もしくは2種以上を選択して使用する。
これらの樹脂は、必要により希釈して塗布に適した粘
度とした後、公知のコーティング方法例えば、リバース
ロールコーティング、ロールコーティング、グラビアコ
ーティング、キスコーティング、ブレードコーティン
グ、スムーズコーティンなどにより、コーティングす
る。
この発明の転写シートにおいて、他の層を設ける方法
も概ね同じであり、ただし、層を模様状に設けるときに
は印刷手法を用いる。
転写シートの構造は、基本的には以上の通りである
が、さらに必要により、以下のような各層を設けること
ができる。
溶剤揮散型の樹脂の層 なお、保護層に直接に接する層、例えば絵柄層を設け
るのに先立って、硬化性層との間に、熱可塑性樹脂など
の溶剤揮散型の樹脂の層を設けてもよく、このようにす
ると、絵柄層を設ける際には介在する樹脂層との接着の
みを考慮すればよく、絵柄層を設ける際のインキのバイ
ンダーの選択範囲が拡がる利点がある。
接着剤層 接着剤層は、絵柄層(絵柄層がない部分があれば、そ
のときは保護層)と被転写体との接着性を向上させると
きに用い、一般的には、感熱接着剤を用いるとよく、材
料としては公知のものが使用できる。
金属薄膜層 被転写体の表面に、金属調の外観を与えるため、金属
薄膜層を設けることもできる。金属薄膜層を作る素材と
しては、アルミニウム、クロム、錫、銀、銅、金などで
あり、厚みは通常、400〜600Å程度である。金属薄膜層
は必要に応じ、模様状とすることができ、水溶性のパタ
ーンを設けた後に金属薄膜を設け、その後に水を作用さ
せる方法や、金属薄膜を先に設けた後にレジストパター
ンを設け、その後に酸やアルカリを作用させる方法があ
る。
転写方法 この発明の転写シートは、被転写体に適宜な方法で転
写した後、紫外線もしくは電子線を照射して、転写され
た保護層を完全に硬化させることにより、被転写体の表
面に完全硬化した皮膜を作ることができる。このとき、
離型性シートを剥がしてから照射する場合と、照射後に
剥がす場合とがある。
転写方法としては、例えば、加熱により被転写体に
絵柄層(場合によっては絵柄層上に更に重ねて設けられ
ている他の層)を熱圧着させて、保護層と共に転写を行
なう熱転写法、転写シートと被転写体との間に、溶剤
もしくは樹脂の溶剤溶液からなる活性化液を介在させて
行なう溶剤活性転写法が例示できる。
被転写体 この発明の硬化性保護層を有する転写シートを使用し
て転写を行なう際の被転写体としては種々のものが使用
でき、例えば次のようなものである。
化粧材基材などに使用される、紙、例えば晒クラフ
ト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙な
ど、プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィ
ルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコ
ールフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィルム、ポリス
チレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィル
ム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、アイ
オノマーなど、木質基材、例えば、木、合板、パーチ
クルボードなど、石膏系基材、例えば、石膏ボード、
石膏スラグボードなど、繊維セメント板、例えば、パ
ルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板な
ど、その他、GRC及びコンクリート、鉄、アルミニウ
ム、銅などの金属箔もしくはシート、並びに、以上の
〜の各素材の複合体など。
或いは、各種の成型品も被転写体として使用でき、成
型品の素材としては上記の化粧材基材と重複するがつぎ
のようなものか例示できる。
AAS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、アミノ樹脂、酢酸セル
ロース・酪酢酸セルロース・エチルセルロースなどのセ
ルロース樹脂、アリル樹脂、エチレン−α−オレフィン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
塩化ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、MBS樹脂、メ
タクリル−スチレン共重合体、ニトリル樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリ
スチレン樹脂、AS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、アクリル変性ポリ塩化ビニル樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂などのプラスチック成型品。
鉄、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属の押し
出し成型品。
これら被転写体の被転写面には必要により、被転写体
表面の素材に合わせた前処理を施してもよく、例えば、
プライマー処理、コロナ処理などの接着性向上のための
前処理、塗装その他による下地色の調整処理、目止め処
理、セメントなどのアルカリ性基材におけるアルカリ滲
出防止処理などである。
〔発明の効果〕
この発明によれば、転写シート上の保護層はハーフキ
ュアしてあるので、未硬化の状態に比べて耐熱性が高
く、転写の際に加えられる熱により保護層や絵柄層の流
動や不必要な変形を防止することができ、しかも、転写
後の紫外線や電子線の照射により完全硬化した保護層と
することができる。
〔実施例〕
離型性フィルムとしてポリエステルフィルム(東レ
(株)製、厚み38μm)を用い、その片面にメラミンア
クリレート系紫外線硬化樹脂(三菱油化ファイン(株)
製、商品名ユピマーLZ−075)をメチルエチルケトンで
希釈したものをグラビアコーティングによりコーティン
グし、100℃の熱風で乾燥し、皮膜を固化させ(塗布厚
み6μm)、続いて、溶剤揮散過樹脂層として、アクリ
ル樹脂塗料(昭和インク製、GG)を皮膜を厚みが1μm
になるよう、グラビアコーティング法によりコーティン
グした。
2層のコーティングを済ませたポリエステルフィルム
を、30m/minの速度で、高圧水銀灯(80W/cm、オゾン有
りタイプ)の下をコーティングの施してない側から紫外
線が照射されるようにして通過させ、上記紫外線硬化樹
脂の皮膜をハーフキュアさせた。
次に、アクリル樹脂の皮膜の上に、やはりアクリル系
樹脂をベヒクルとするインキ(昭和インク(株)製、TA
CS)を用いて絵柄をシルクスクリーン印刷法により印刷
し、印刷後、絵柄の上にアクリル系感熱接着剤(昭和イ
ンク(株)製、R−5)をシルクスクリーン印刷法によ
り塗布量が3g/m2になるよう塗布した。
得られた転写シートを、金型内にセットし、AS樹脂を
射出して成型を行ない、成型と同時に絵柄を転写した。
転写後の成型品のうちの1個の表面をメチルエチルケ
トンをしみ込ませた綿布で15回ラビングしたところ、絵
柄層が露出して一部溶出した。
ラビングしなかった別の転写済み成型品の保護層側か
ら、紫外線をハーフキュアのときと同様な高圧水銀灯を
使用し、5m/minの速度で、10回照射し、保護層を硬化さ
せた。
硬化後の保護層を、メチルエチルケトンをしみ込ませ
た綿布で200回ラビングしても、何の変化も生じること
がなく、完全硬化していることが確かめられた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】離型性シートの離型性面に、未硬化状態に
    おいて常温で固体であり、且つ、熱可塑性である紫外線
    硬化性または電子線硬化性の樹脂がハーフキュアした硬
    化性層からなる、転写後に下層を保護する保護層と、少
    なくとも絵柄層とを有する転写シート。
  2. 【請求項2】硬化性層と絵柄層との間に、熱可塑性樹脂
    からなる層を有することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の転写シート。
  3. 【請求項3】離型性シートの離型性面に、未硬化状態に
    おいて常温で固体であり、且つ、熱可塑性である紫外線
    硬化性または電子線硬化性の樹脂がハーフキュアした硬
    化性層からなる、転写後に下層を保護する保護層と、少
    なくとも絵柄層とを有する転写シートを用いて被転写体
    の表面に保護層および、少なくとも絵柄層とを転写し、
    その後、電子線もしくは紫外線を照射して、転写された
    保護層を架橋硬化させることを特徴とする転写方法。
  4. 【請求項4】硬化性層と絵柄層との間に、熱可塑性樹脂
    からなる層を有する転写シートを用いることを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項記載の転写方法。
JP61273782A 1986-11-17 1986-11-17 硬化性保護層を有する転写シ−トおよび転写方法 Expired - Lifetime JPH082716B2 (ja)

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