JPH08269007A - ε−カプロラクタム及びε−カプロラクタム前駆体の製法 - Google Patents

ε−カプロラクタム及びε−カプロラクタム前駆体の製法

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JPH08269007A
JPH08269007A JP8041344A JP4134496A JPH08269007A JP H08269007 A JPH08269007 A JP H08269007A JP 8041344 A JP8041344 A JP 8041344A JP 4134496 A JP4134496 A JP 4134496A JP H08269007 A JPH08269007 A JP H08269007A
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caprolactam
ammonia
methyl
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reactor
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Henricus F W Wolters
フランシスクス ウィルヘルムス ウォルタース ヘンリクス
Samuel L Lane
リヴィングストーン レイン サミュエル
Wim Buijs
ブイース ウィム
Frank Edward Herkes
エドワード ハークス フランク
Nicolaas F Haasen
フランシスクス ハーセン ニコラース
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DSM NV
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D201/00Preparation, separation, purification or stabilisation of unsubstituted lactams
    • C07D201/02Preparation of lactams
    • C07D201/08Preparation of lactams from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. hydroxy carboxylic acids, lactones or nitriles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D223/00Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D223/02Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D223/06Heterocyclic compounds containing seven-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ε−カプロラクタム及びε−カプロラクタム
前駆体の製法の提供。 【解決手段】第1工程で、5−ホルミル吉草酸エステル
とアンモニアとを非水素化条件下で反応させ、かつ第2
工程で、第1工程で得られた反応生成物を、水素化条件
下で、アンモニアの存在下で、ε−カプロラクタム及び
ε−カプロラクタム前駆体へ変換する、水素化触媒の存
在下で、相当する5−ホルミル吉草酸エステル、アンモ
ニア及び水素から出発して、ε−カプロラクタム及びε
−カプロラクタム前駆体を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化触媒の存在
下で、5−ホルミル吉草酸エステル、アンモニア及び水
素から出発して、ε−カプロラクタム及びε−カプロラ
クタム前駆体を製造する方法に関する。
【0002】ε−カプロラクタム前駆体とは、ここで
は、6−アミノカプロン酸エステル、6−アミノカプロ
ン酸及び6−アミノカプロアミドとして定義される。
【0003】
【従来の技術】このような方法は、米国特許(US−
A)第4730040号明細書から公知である。米国特
許(US−A)第4730040号明細書によれば、ε
−カプロラクタムと6−アミノカプロン酸エステルとの
混合物は、5−ホルミル吉草酸エステルと、アンモニ
ア、水素化触媒としての水素及び溶剤としてのメタノー
ルとの接触により製造される。
【0004】この公知の方法の欠点は、6−アミノカプ
ロン酸エステル及びε−カプロラクタムの収率が低下す
る、比較的多い量の副産物が形成されることである。
【0005】副産物は、例えば6−ヒドロキシカプロン
酸エステル、2級アミン、3級アミン及びシッフ塩基で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの副産物の形成がより少なく、かつ高い収率のε−カ
プロラクタム及びε−カプロラクタム前駆体が得られる
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、第1工
程で、5−ホルミル吉草酸エステルとアンモニアとを非
水素化条件(non-hydrogenating conditions)下で反応さ
せ、かつ第2工程で、第1工程で得られた反応生成物
を、水素化条件下で、アンモニアの存在下で、ε−カプ
ロラクタム及びε−カプロラクタム前駆体へ変換するこ
とにより解決される。
【0008】方法を本発明により行う場合に、より少な
い副産物、特に6−ヒドロキシカプロン酸エステル及び
2級アミンが形成されることが分かった。付加的な利点
は、方法を連続的に実施する場合に、長時間にわたって
収率が一定になることである。このことは、米国特許
(US−A)第4730040号明細書の方法を長時間
にわたって連続的に行う場合とは対照的である。数時間
内の操作で、この方法の収率は、著しく減少することが
分かった。
【0009】5−ホルミル吉草酸エステルは、次の一般
式:
【0010】
【化2】
【0011】[式中、Rは、炭素原子1〜20個を有す
る(シクロ)アルキル、アリール又はアラルキルを表
す]により表すことができる。このような基の例は、次
のものである;メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、シクロヘキ
シル、ベンジル及びフェニル。有利には、メチル又はエ
チルを使用する。
【0012】第1工程は、非水素化条件下で実施され
る。「非水素化条件」とは、本発明において、反応条件
が、水素が存在しないか、又は水素が存在する場合に
は、5−ホルミル吉草酸エステル又はその反応生成物が
水素によって還元されないか又は実質的に還元されない
条件であることを意味する。一般的に、非水素化条件
は、第1工程を、水素化触媒の不存在下で実施すること
により達成される。
【0013】方法のこのような1態様において、水素は
既に第1工程で存在していてもよい。水素化触媒が既に
第1工程で存在している場合、非水素化条件の状態は、
第1工程の完了後まで反応混合物へ水素を付加しないこ
とによっても実現されうる。
【0014】6−アミノカプロン酸エステルの収率に関
する最良の結果が、第1工程での5−ホルミル吉草酸エ
ステルの変換率が90%より多い、有利には99%より
多い場合に達成されることが分かった。低すぎる変換率
は、例えば、6−ヒドロキシカプロン酸エステル及び/
又は2級アミン形成の増加を生じる。更に、第1工程で
の滞留時間又は接触時間が、5−ホルミル吉草酸エステ
ルの実質的に完全な変換のために必要な滞留時間又は接
触時間より長い場合に、この収率に、不利な影響を及ぼ
すことが分かった。過度に長い滞留時間又は接触時間
は、6−ヒドロキシカプロン酸エステル以外の副産物の
増大された形成の原因となる。従って、第1工程での
「過剰反応」を避けることは有利である。
【0015】第1工程における温度は120℃までであ
り、0〜100℃が有利である。温度は、この範囲内で
あまり厳密ではない。大規模操作において、温度は、有
利には10℃より上、更に有利には20℃より上であ
る。それというのも、そうすれば、過度の冷却が必要な
いからである。第1工程を連続的に操作される管状反応
器中で実施する場合、供給温度は、例えば約10℃であ
ってよい。発熱反応の熱故に、反応混合物の温度が上昇
するので、反応器の末端において、より高い出口温度が
達成される。
【0016】前記したように、第1工程における短かす
ぎる接触又は滞留時間及び長すぎる接触又は滞留時間
は、副産物形成を生じる。5−ホルミル吉草酸エステル
の変換が実質的に完全になる最適な接触又は滞留時間
は、反応条件、例えば、温度、反応成分の濃度及び混合
の方法に依存する。最適な滞留時間又は接触時間は、当
業者によって容易に決定することができる。ここに記載
された温度及び濃度範囲から出発して、滞留時間又は接
触時間は、通常の混合条件下で、通常、数秒〜2分の間
である。有利には、接触又は滞留時間は5秒より長い。
【0017】第1工程を、アンモニア、有利にはモル過
剰アンモニアの存在下で、5−ホルミル吉草酸エステル
の出発量から計算してアンモニア対5−ホルミル吉草酸
エステルのモル比が約500:1〜約1:1であるよう
に選択して実施する。
【0018】第1工程における圧力は、厳密ではない。
【0019】第1工程を水素の存在下で実施する場合
に、圧力は、一般的に、選択された温度及び反応混合物
の組成に依存して、大気圧〜12MPaである。連続法
において、第1工程及び第2工程における圧力は、ほぼ
同じである。
【0020】第1工程を、触媒、例えば酸イオン交換体
又は酸性金属オキシド触媒、例えばアルミナ又はTiO
2の存在下で実施することができる。第1工程での5−
ホルミル吉草酸エステルの変換は、触媒の不存在下でも
有利に行われる。6−アミノカプロン酸エステルの全体
の収率は第1工程における触媒の存在によってあまり影
響されないので、このような触媒を、一般的には使用し
ない。
【0021】第1工程で得られた反応生成物は、第2工
程で、アンモニアの存在下で、水素化条件下で、完全に
又は部分的に、ε−カプロラクタム及びε−カプロラク
タム前駆体に変換される。有利には、第2工程を、5−
ホルミル吉草酸エステル(第1工程で使用した)の出発
量から計算して、アンモニア対5−ホルミル吉草酸エス
テルのモル比が約500:1〜1:1であるような過剰
のアンモニアの存在下で実施する。
【0022】「水素化条件」なる用語は、反応条件が、
第1工程で得られた反応生成物を水素により還元するこ
とができるような条件を意味する。一般的な水素化条件
は、水素及び水素化触媒が存在する場合に達成される。
【0023】第2工程のために必要とされる水素のモル
量は、第1工程において出発された5−ホルミル吉草酸
エステルのモル量と少なくとも等しい。しかしながら、
有利には、1.01から100倍モル過剰の水素を、第
2工程で適用する。
【0024】第2工程で使用した全圧は、有利には0.
5〜20MPaである。第2工程における効果のある圧
力も、使用される場合による溶剤に依存する。当業者
は、この最適条件を、一連の限定された実験を用いて容
易に確かめることができる。
【0025】本発明による方法において、少なくとも一
工程は、付加的溶剤の存在下で実施される。アンモニア
を、方法の溶剤として供給してもよい。付加的溶剤を使
用する場合に、有利には、第2工程及び更に有利には双
方の工程を、付加的溶剤の存在下で行う。適当な溶剤
は、水、3級アミン、エーテル、炭素原子1〜6個を有
するアルコール、炭素原子2〜10個を有するエーテ
ル、例えばメチル−3級ブチルエーテル及び3級アミル
メチルエーテル又は高沸点有機溶剤、例えば高沸点パラ
フィン溶剤である。有利には、アルコール、エーテル又
は水を、付加的溶剤として使用する。アルコールから
は、5−ホルミル吉草酸エステルのR基(式(1)に相
当するものが有利である。水及び相当するアルコール
は、有利な溶剤である。それというのも、これらの化合
物は、本発明方法において反応生成物としても形成され
るからである。これらの例は、メタノール、エタノー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチ
ルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジルア
ルコール及びフェノール又はそれらの混合物である。メ
タノール及びエタノールは最も有利なものに挙げられ
る。付加的溶剤の混合物も、本発明による方法で使用さ
れうる。このような混合物の例は、水−メタノール、水
−エタノール又はメチルエタノールである。
【0026】最も有利には、水又は水−対応アルコール
混合物(water-corresponding alcohl mixture)が双方の
工程で溶剤として使用される。これらの水−対応アルコ
ール混合物は有利である。それというのも、5−ホルミ
ル吉草酸エステルは、純粋な水と比較して、これらの混
合物中で増大する溶解性を有するからである。水は、こ
れを、本発明による方法に続く環化工程で溶剤として使
用することもできるので有利である。このような環化工
程で、ε−カプロラクタム前駆体を、例えば米国特許
(US−A)第3485821号明細書中に記載された
ような上昇温度で、ε−カプロラクタムへ変換する。本
発明方法において溶剤として水を用いる場合、得られた
反応混合物を、このような環化で直接使用することがで
きる。
【0027】第2工程を、一般的に40〜200℃、更
に有利には70〜180℃、最も有利には80〜160
℃である温度で実施する。
【0028】第2工程における滞留時間又は接触時間
は、第1工程で形成された実質的に全ての中間生成物を
還元するのに十分長いべきである。長い滞留時間又は長
い接触時間は、多くのε−カプロラクタムを形成するこ
とになる。滞留時間又は接触時間は、有利には、約30
秒〜2時間である。方法をバッチ法で又は連続操作スラ
リー反応器中で実施する場合に、接触時間又は滞留時間
は、それぞれ、一般的に、連続的に操作される管状反応
器を使用する場合の滞留時間よりも長い。
【0029】水素化触媒は、元素の周期系8〜10族の
金属から選択される少なくとも1種の金属を含有する
(Handbook of Chemistry and Physics,70th edition,C
RC Press,1989-1990)。Ru−、Ni−又はCo−含有
触媒は有利なものとして挙げられる。Ru、Co及び/
又はNiに付加して、触媒は、他の金属、例えばCu、
Fe及び/又はCrを含有していてもよい。触媒的に活
性な金属は、触媒上に施与されていてもいなくてもよ
い。適当な触媒は、例えば、酸化アルミニウム、シリ
カ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム
及びカーボンである。非担持金属は、例えば、微細に分
散された懸濁液、例えば微細に分散されたルテニウムの
形で使用することができる。有利なNi−及びCo−含
有触媒は、場合により少量の他の金属、例えばCu、F
e及び/又はCrと組合わさったラネーニッケル及びラ
ネーコバルトである。
【0030】ε−カプロラクタム及びε−カプロラクタ
ム前駆体の収率が、第2工程の反応条件にも依存する最
適値を有することが分かった。これらの反応条件は、例
えば、温度、圧力、アンモニア/5−ホルミルバレレー
ト(formylvalerate)比及び付加的溶剤の存在又は不存在
である。最適な収率を得るための条件は、前記したよう
な条件内で当業者により容易に見つけられうる。
【0031】本発明による第2工程方法は、バッチ法又
は連続的に実施することができる。大規模工業的方法
は、有利には、連続的に実施される。第1工程のため
に、反応成分を、一定の温度で、前記したような固有の
期間の間、十分に接触させる。任意の接触法は、通常、
十分である。例えば内部バッフル(baffling)又は充填物
(packing)又は固定ミキサーを有する又は有しない管状
反応器は、第1工程のための可能な接触ユニットであ
る。第1工程における温度を調節するために、冷却装
置、例えば接触ユニット中に配置された冷却壁又は冷却
スパイラル(cooling spiral)を使用することは有利であ
る。
【0032】第2工程を、例えば不均一水素化触媒が存
在する固定層反応器中で行ってもよい。この反応器の利
点は、反応成分が水素化触媒から簡単に分離されること
である。第2工程を操作するもう一つの方法は、連続的
に十分に混合した1個以上の接触装置により、水素化触
媒がスラリーとして存在する系(スラリー反応器)中で
行われる。この操作法は、反応熱が、容易に、例えば冷
却供給装置を用いて又は内部に配置された冷却装置によ
り調節されうるといる利点を有する。固有の及び適当な
スラリー反応器の例は、単段又は多段泡鐘塔又はガスリ
フト−ループ反応器(gas lift-loop reactor)である。
【0033】双方の工程での反応混合物中の5−ホルミ
ル吉草酸エステル及び方法の生成物(ε−カプロラクタ
ム及びε−カプロラクタム前駆体)の濃度は、有利に
は、1〜50重量%、更に有利には10〜35重量%で
ある。
【0034】
【実施例】本発明を、次の非限定例を用いて更に詳述す
る。例I〜V中の収量は、出発5−ホルミルバレレート
のモルに対する生成物のモルとして計算した。5−ホル
ミルバレレートの実質的に100%の変換率が全ての例
で達成された。
【0035】例I 付加的溶剤を用いないメチル5−ホルミルバレレート
(M5FV)からのメチル6−アミノカプロエート及び
ε−カプロラクタムの製造 2つの管状反応器を、系に配置した。第1の反応器は、
直径3.2mmを有する150mmの長さの管からなっ
た。アンモニア及びM5FVを室温で供給した。アンモ
ニア/M5FVモル比は、28:1であった。M5FV
を、40l/h(アンモニア:132g/h)の速度で
供給した。この反応器中での滞留時間は、17秒(se
c.)であった。第1反応器の供給流は、20℃の温度を
有した。第1反応器中の温度を調節するための測定は行
わなかった。出口温度は77℃であった。
【0036】第2の反応器は、直径8mmを有する43
0mmの長さの垂直管からなった。反応成分を、反応器
を介して上へポンプ送りした。この反応器をその全長に
わたって加熱した。第2反応器に、酸化アルミニウム上
の1重量%Ruを含有する活性化された触媒10gを充
填した。触媒層上の空容量にガラスビーズを充填した。
全圧は、9.6MPaであった。水素流は35標準(nor
mal)l/hであった。第2反応器の入口温度は77℃で
あり、第2反応器の出口温度は127℃であった。液体
滞留時間は、3分であった。実験を2時間操作し、収率
は、この間一定であった。
【0037】ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC
−MS)により測定されたモル収率は、メチル6−アミ
ノカプロネート85%及びε−カプロラクタム4%であ
った。
【0038】例II 例Iを繰り返すが、ここで、M5FV溶液(メタノール
中M5FV20重量%)の流れを210ml/hで、か
つアンモニア96gr/hを、20標準(standard)l/
hの速度の水素流と一緒に、2つの反応器にポンプ導入
した。全圧は9.2MPaであった。
【0039】第1の反応器を冷却コイルを用いることに
より20℃で保持した。第2反応器の温度を129℃に
保持した。
【0040】第1反応器中の滞留時間は12秒であり、
第2反応器中の滞留時間は130秒であった。
【0041】M5FVを基礎とするモル収率は、メチル
6−アミノカプロエート96.5重量%及びε−カプロ
ラクタム3.4重量%であることが分かった。実験は、
4時間操作し、前記の結果は、この間、一定であった。
【0042】例III 例IIを繰り返すが、ここで、メタノール中のM5FV
の溶液18重量%を使用した。
【0043】メタノール中のM5FVの溶液を210m
l/hの速度で2つの反応器の第1の反応器中に65g
r/hの速度のアンモニアと共に供給した。双方の液体
を室温で供給した。
【0044】M5FVを基礎とする収率は、メチル6−
アミノカプロエート97.5%及びε−カプロラクタム
2.5%であることが分かった。
【0045】比較実験A 溶剤としてメタノールを用いる第1の反応器を有しない
M5FVからのメチル6−アミノカプロエートの製造 アンモニア、メタノール中のM5FVの16.8重量%
混合物及び水素を、直接、酸化アルミニウム上の1%R
u(Johnson Matthey)を充填した第2反応器の底へ供
給した。
【0046】アンモニア/M5FVモル比は、13.
5:1であった。水素を、反応器へ、20l/hrの速
度でポンプ導入した。全圧は、10MPaであった。温
度を129℃にセットした。変換されたM5FVを基礎
とする収率は、メチル−6−アミノカプロエート83
%、6−アミノカプロン酸アミド2%及びε−カプロラ
クタム2%であることが分かった。1時間後の全変換率
は92%であった。2時間後の変換率は70%であり、
3時間後は僅か48%であった。選択率、変換されたM
5FVの全量に対する6−アミノカプロン酸アミド、ε
−カプロラクタム及びメチル6−アミノカプロエートの
全量は、1時間後の87%から、3時間後には35%に
降下した。
【0047】例IV 電気的に加熱した、垂直配置した固定層反応器(直径=
8mm、全長=43cm及び充填高さ=30cm)にア
ルミナ担体上のルテニウム(3重量%ルテニウム;触媒
粒子の直径は1mmであった)からなる活性化された触
媒10.3gを充填した。水素20Nl(0.8モ
ル)、メチルt−ブチルエーテル中のメチル5−ホルミ
ルバレレートの9重量%溶液140ml及び液体アンモ
ニア116ml(4モル)の時間供給を、この反応器に
供給した。反応成分を固定層反応器に供給する前に、反
応成分を、第1工程で、20℃及び9.6MPaで、約
7mlの容量で連続的に混合した(約100秒の滞留時
間)。得られる混合物を、触媒上に、底から頭部へ、1
30℃の温度及び9.6MPaの圧力で通した(滞留時
間 約1.5分)。反応混合物を、固定層反応器の頭部
から排出し、かつ冷却後に超過圧力を弛めた。定量的高
圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析から、全て
のメチル5−ホルミルバレレートが変換され、かつ出発
メチル5−ホルミルバレレートの量に対して、メチル6
−アミノカプロエートのモル収率が88%であり、一
方、ε−カプロラクタムの収率が10%であることが分
かった。従って、メチル6−アミノカプロエート及びε
−カプロラクタムの合わせた収率は、98%であった。
【0048】例V 例IVを繰り返したが、ここで、メチルt−ブチルエー
テルの代わりに、同じ容量の液体アンモニアを使用し
た。メチル6−アミノカプロエート及びε−カプロラク
タムの収率は94%であった。メチル5−ホルミルバレ
レートの全てが変換された。
【0049】例VI 5.0MPaの圧力で、メチル−5−ホルミルバレレー
ト45g/hr、水495g/hr及びアンモニア36
0g/hrを管を介してポンプ導入し、これを水浴によ
って冷却して、35℃の一定温度を管中で保持した。バ
ックミキシング(back mixing)はほぼ起きず、かつ(液
体)滞留時間は15秒であった。管に残っている得られ
る混合物(第1工程)を、連続的に撹拌したタンク反応
器(CSTR)、1リットル液体容量のハステロイCオ
ートクレーブに供給した。反応器を1250rpmで撹
拌した。滞留時間は60分であり、かつ温度を100℃
で保持した。反応器に水素10g/hrを供給した。反
応器を助触媒不含(unpromoted)ラネーニッケル触媒50
g(ニッケル93重量%及びアルミニウム7重量%、平
均粒径:30μm Activated Metals Companyから(A
5000))を充填した。
【0050】流出液をHPLCにより、操作の3及び6
時間後に分析した。結果を第1表にまとめる。操作の3
及び6時間後の収率が比較可能であり、かつそれぞれの
誤差範囲内にあった。メチル5−ホルミルバレレートの
変換率は100%であった。
【0051】 第1表 3時間 6時間 6−アミノカプロアミド 58.7(1) 59.8 6−アミノカプロン酸 23.9 25.3 メチル−6−アミノカプロエート 0.4 0.0 ε−カプロラクタム 17.0 14.9 (1)重量%での結果 第1表から明らかであるように、合計100%までの高
収率がε−カプロラクタム及びε−カプロラクタム前駆
体に関して得られた。
【0052】例VII 例VIを3MPaの圧力で50時間繰り返したが、ここ
で、メチル−5−ホルミルバレレート(M5FV)8
1.7g/hr、アンモニア203g/hr及び水52
6g/hrを、管へ35℃の温度でポンプ導入した。管
中でバックミキシングはほぼ起きず、かつ管内での液体
滞留時間は15秒であった。管に残留する反応混合物は
M5FVを含有しなかった。
【0053】管に残留する混合物を、連続的に撹拌タン
ク反応器(CSTR)に供給し、その中で液体1リット
ルの液体ホールドアップ(hold-up)が保持された。CS
TR中の触媒は、Al23上の5重量%ルテニウム(En
gelhard:ESCAT44)であり、触媒濃度を103g/l
で保持した。CSTRを1260rpmで撹拌した。C
STR中の圧力を3MPa及び温度を120℃で一定に
保持した。滞留時間は60分であった。反応器に、水素
5.0g/hrの正味量を供給した。
【0054】CSTRの流出液を高圧液体クロマトグラ
フィー(HPLC)により、4時間ごとに分析した。流
出液の組成は、操作の50時間の間、著しく変化しなか
った。最後の28時間の流出液の平均的組成は、6−ア
ミノカプロン酸(6ACA)28モル%、6−アミノカ
プロン酸アミド(6ACAM)47.2モル%、ε−カ
プロラクタム(CAP)24.2モル%、メチル6−ア
ミノカプロエート(M6AC)0.6モル%であった。
従って、ε−カプロラクタム及びε−カプロラクタム前
駆体に関する100モル%の収率が得られる。
【0055】例VIII 例VIIを22時間繰り返したが、ここで、水を水及び
メタノール(メタノール15重量%)の混合物に置き換
えた。この混合物の供給速度は511g/hrであっ
た。管中でほぼバックミキシングは起こらず、管内液体
滞留時間は15秒であった。管に残留する反応混合物
は、実質的にメチル5−ホルミルバレレートを含有しな
かった。
【0056】CSTR中での触媒濃度は、96.0g/
lであった。
【0057】流出液の組成は、操作の22時間に著しく
変化しなかった。最後の12時間に形成された全ての生
成物の平均組成は、6ACA22.5モル%、6ACA
M48.0モル%、ε−カプロラクタム27.4モル
%、メチル6−アミノカプロエート2.1モル%であっ
た。従って、ε−カプロラクタム及びε−カプロラクタ
ム前駆体に関する100モル%の収率が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 ヘンリクス フランシスクス ウィルヘル ムス ウォルタース オランダ国 エヒト オルムストラート 4 (72)発明者 サミュエル リヴィングストーン レイン アメリカ合衆国 テクサス ボウモント ドゥランゴ ドライヴ 6435 (72)発明者 ウィム ブイース オランダ国 シネン ウォルフハーゲン 145 (72)発明者 フランク エドワード ハークス アメリカ合衆国 デラウェア ウィルミン トン チャールストン ドライヴ 223 (72)発明者 ニコラース フランシスクス ハーセン オランダ国 シッタート リントイェスハ ーグ 20

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化触媒の存在下で、相当する5−ホ
    ルミル吉草酸エステル、アンモニア及び水素から出発し
    て、ε−カプロラクタム及びε−カプロラクタム前駆体
    を製造する方法において、第1工程で、5−ホルミル吉
    草酸エステルとアンモニアとを非水素化条件下で反応さ
    せ、かつ第2工程で、第1工程で得られた反応生成物
    を、水素化条件下で、アンモニアの存在下で、ε−カプ
    ロラクタム及びε−カプロラクタム前駆体へ変換するこ
    とを特徴とする、ε−カプロラクタム及びε−カプロラ
    クタム前駆体の製法。
  2. 【請求項2】 5−ホルミル吉草酸エステルは、次の一
    般式: 【化1】 [式中、Rは、炭素原子1〜20個を有する(シクロ)
    アルキル、アリール又はアラルキルを表す]により表さ
    れる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 方法を、炭素原子2〜10個を有するエ
    ーテルの存在下で実施する、請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 メチル−3級ブチルエーテルを使用す
    る、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 Rはメチル又はエチルを表す、請求項2
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 第1及び第2工程を、付加的溶剤の存在
    下で行い、その際、溶剤は、水とROHによるアルコー
    ルとの混合物である、請求項2又は5記載の方法。
  7. 【請求項7】 第1工程で、水素化触媒の不存在下で実
    施する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 90%より多い5−ホルミル吉草酸エス
    テルが第1工程で変換される、請求項1から7までのい
    ずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 第1工程における温度は0〜100℃で
    ある、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 モル過剰のアンモニアが第1及び第2
    工程において存在している、請求項1から9までのいず
    れか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 第2工程を70〜180℃の温度で実
    施する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 第2工程を、元素の周期系の8〜10
    族から選択される金属少なくとも1個を含有する水素化
    触媒の存在下で実施する、請求項1〜11までのいずれ
    か1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 触媒は、Ni、Co又はRuの金属少
    なくとも1個を含有する、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 第1及び第2工程を連続的に行う、請
    求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
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