JPH0825460A - 表面保護用フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

表面保護用フィルムおよびその製造方法

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JPH0825460A
JPH0825460A JP6186855A JP18685594A JPH0825460A JP H0825460 A JPH0825460 A JP H0825460A JP 6186855 A JP6186855 A JP 6186855A JP 18685594 A JP18685594 A JP 18685594A JP H0825460 A JPH0825460 A JP H0825460A
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公弥 三好
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智行 岡村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 格段に優れた平滑性、透明性、光沢性を有
し、しかもフイッシュアイの非常に少ない表面保護用フ
ィルムおよびその製造方法を提供する。 【構成】 ポリオレフィン樹脂を用いて、少なくとも
(A)Tダイから膜状の溶融樹脂を押出し、(B)該膜
状の溶融樹脂をキャストロールと該ロールに沿って円弧
状に形成された無端ベルトとの間で挟圧して得られるフ
イルムであって、(イ)厚み20〜150μm、(ロ)
グロス90〜170%、であることを特徴とする表面保
護用フィルムおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面が極めて平滑で、フ
ィッシュアイ(ゲル)が従来の表面保護(マスキング)
用フィルムに比べて非常に少なく、さらに透明性の良好
なポリオレフィン樹脂製の表面保護(マスキング)用フ
ィルムおよびその製造方法に関する。詳しくは、樹脂
板、金属板、化粧合板等の被着体の表面に仮着し、その
表面を保護するために使用するフィルムであって、フイ
ルム表面が平滑で、かつフィッシュアイが非常に少ない
表面保護用フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマスキングフィルムの製造方法
は、Tダイによるエアーナイフ法、ポリシングロール法
やインフレーション成形法等がある。例えばTダイによ
るエアーナイフ法で低密度ポリエチレンを主成分とした
特定の表面粗さ(平滑)のフイルム(特開平5−229
082号公報)、またはインフレーション成形法により
フィシュアイ、シャークスキンが発生しない多層フイル
ムの製造方法が提案されている(特開平5−30979
9号公報)。これら表面保護用フィルムは、フィッシュ
アイが実質的にないことが要求され、フィルムにフィッ
シュアイがあると被着体の表面に傷を付けてしまう虞が
あるので好まれていない。しかるに、上記Tダイエアー
ナイフ法、Tダイポリッシング法、インフレーション成
形法等ではフィシュアイが比較的多く、また表面保護用
フィルムには透明性、光沢等の外観性も重要な要求物性
であるが、従来のこれらの方法では充分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術では得られなかった格段に優れた平滑性、透明性、
光沢性を有し、しかもフイッシュアイの非常に少ない表
面保護用フィルムおよびその製造方法を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。本発明の第1発明は、ポリオレフィン樹脂を
用いて、少なくとも(A)Tダイから膜状の溶融樹脂を
押出し、(B)該膜状の溶融樹脂をキャストロールと該
ロールに沿って円弧状に形成された無端ベルトとの間で
挟圧して得られるフイルムであって、(イ)厚み20〜
150μm、(ロ)グロス90〜170%、であること
を特徴とする表面保護用フィルムである。本発明の第2
発明は、ポリオレフィン樹脂を用いて、少なくとも
(A)Tダイから膜状の溶融樹脂を押出す工程、(B)
該膜状の溶融樹脂をキャストロールと該ロールに沿って
円弧状に形成された無端ベルトとの間で挟圧する工程を
含む表面保護用フィルムの製造方法である。
【0005】以下に本発明を詳述する。本発明における
ポリオレフィン樹脂とは、密度0.86〜0.95g/
cm3のエチレン単独重合体またはエチレン−α−オレ
フイン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸またはそのアルキルエス
テル共重合体、プロピレンの単独重合体またはプロピレ
ンと他のα−オレフイン共重合体から選択された少なく
とも1種である。
【0006】本発明の密度0.86〜0.95g/cm
3のエチレン単独重合体またはエチレン−α−オレフイ
ン共重合体としては、高圧ラジカル重合法による低密度
ポリエチレン(LDPE)、イオン重合法による線状中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げら
れる。
【0007】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFR(メルトフロレート)は0.1〜20g/10
分、好ましくは0.5〜15g/10分、さらに好まし
くは1.0〜10g/10分である。この範囲内であれ
ば組成物の溶融張力が適切な範囲となりフィルム成形が
し易い。また密度は0.91〜0.94g/cm3、好
ましくは0.912〜0.935g/cm3、さらに好
ましくは0.912〜0.930g/cm3であり、溶
融張力は1.5〜25g、好ましくは3〜20g、さら
に好ましくは3〜15gである。また、Mw/Mnは
3.0〜10、好ましくは4.0〜8.0である。溶融
張力、Mw/Mnは樹脂の弾性項目であり、上記の範囲
であればフィルム成形がし易い。なお、ここでいうMw
/MnはGPC分析による重量平均分子量/数平均分子
量である。
【0008】本発明で用いられる線状中・低密度ポリエ
チレン(LLDPE)とは、密度が0.91〜0.95
g/cm3、好ましくは0.912〜0.94g/cm3
の範囲、MFRが0.1〜20g/10分、好ましくは
0.5〜15g/10分、さらに好ましくは0.7〜1
0g/10分の範囲で選択される。溶融張力は0.3〜
5.0g、好ましくは0.4〜4.0g、さらに好まし
くは0.5〜3.5gである。Mw/Mnは2.5〜
5、好ましくは3〜4.5である。
【0009】本発明の超低密度ポリエチレン(VLDP
E)とは、密度が0.86〜0.91g/cm3未満、
好ましくは0.88〜0.905g/cm3、MFRは
0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/
10分の範囲で選択される。該超低密度ポリエチレン
(VLDPE)は、直鎖状低密度ポリエチレンとエチレ
ン−α−オレフィン共重合体ゴムとの中間の性状を示す
ポリエチレンを指す。例えば密度0.86〜0.91g
/cm3未満、示差走査熱量測定法(DSC)による最
大ピーク温度(Tm)60℃以上、かつ好ましくは沸騰
n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状を有する特定
のエチレン−α−オレフィン共重合体であり、少なくと
もチタンおよび/またはバナジウムを含有する固体触媒
成分と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて
重合され、直鎖状低密度ポリエチレンが示す高結晶部分
とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムが示す非晶部
分とを併せ持つ樹脂であって、前者の特徴である機械的
強度、耐熱性等と、後者の特徴であるゴム状弾性、耐低
温衝撃性等がバランスよく共存している。
【0010】本発明のエチレン−α−オレフィン共重合
体のα−オレフィンとしては、炭素数3〜12、好まし
くは3〜10の範囲、具体的にはプロピレン、ブテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げることができ
る。これらα−オレフィンの含有量は3〜40モル%の
範囲で選択されることが好ましい。
【0011】本発明のエチレンービニルエステル共重合
体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主
成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン
酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニル等のビニルエ
ステル単量体との共重合体である。これらの中でも特に
好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることができ
る。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、ビニル
エステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和
単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好まし
い。該ビニルエステル含有量は3〜20重量%、好まし
くは5〜15重量%の範囲である。これら共重合体のM
FRは、0.1〜20g/10分、好ましくは0.3〜
10gであり、溶融張力は2.0〜25g、好ましくは
3〜20gである。
【0012】本発明のエチレン−(メタ)アクリル酸ま
たはそのアルキルエステル共重合体とは、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−
ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジル等との共重合体を挙げることが
できる。この中でも特に好ましいものとして(メタ)ア
クリル酸のメチル、エチル等のアルキルエステルを挙げ
ることができる。該(メタ)アクリル酸エステル含有量
は3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲で
ある。これら共重合体のMFRは、0.1〜20g/1
0分、好ましくは0.3〜10gであり、溶融張力は
2.0〜25g、好ましくは3〜20gである。
【0013】プロピレンの単独重合体またはプロピレン
と他のα−オレフイン共重合体とは、プロピレン単独重
合体、プロピレンとエチレン、ブテン−1等のα−オレ
フィンとのランダム重合体、ブロック重合体等が例示さ
れるが、柔軟性、透明性等の点からランダム重合体が好
ましい。
【0014】本発明におけるポリオレフィン樹脂の特に
好ましい態様は、LLDPE99〜50重量%とLDP
E1〜50重量%、好ましくはLLDPE99〜70重
量%とLDPE1〜30重量%の組成からなる組成物で
あり、該組成物の密度は0.91〜0.94g/c
3、好ましくは0.912〜0.935g/cm3、M
FR0.1〜20g/10分、好ましくは0.3〜15
g/10分、さらに好ましくは0.5〜10g/10分
である。また、溶融張力は1.0〜15g、好ましくは
1.2〜13g、さらに好ましくは1.5〜12g、M
w/Mnは3.0〜7.0、好ましくは3.3〜6.0
である。溶融張力、Mw/Mnは樹脂の弾性性状の指標
であり、上記の範囲であればフィルムの成形加工性が良
好である。上記組成物の組成比において、LDPEが1
重量%未満では樹脂の改質効果が発揮されず、50重量
%を超えると、機械的強度や耐熱性等を要求される被保
護物によっては支障をきたす場合が生じる。
【0015】本発明の表面保護フィルムは、(イ)厚み
20〜150μm、(ロ)グロス90〜170%である
ことが肝要である。該表面保護フイルムの厚みは20〜
150μm、好ましくは30〜120μm、さらに好ま
しくは30〜100μmであり、この範囲で表面保護用
フィルムとして要求される特性(機械的特性、光学特性
等)が満足される。該厚みが20μm未満では表面保護
フィルムの厚みが薄く、保護機能に支障がでる虞を生
じ、150μmを超える場合には、透明性、取扱い等に
支障をきたす虞が生じる。また、フィルムのグロスは9
0〜170%、好ましくは110〜160%、より好ま
しくは130〜160%である。フイルムの表面の平滑
性は従来、表面粗度で見ていたが、本発明の表面保護用
フィルムにおいてはこのグロスの値が上記の範囲内であ
れば表面保護用フィルムとしての平滑性が満足される。
本発明では上記の樹脂と特定の製造方法を組み合わせる
ことにより、上述の性状を満足する厚物(60〜150
μm)はもとより薄物(20〜60μm)まで製造する
ことができる。
【0016】特に、本発明の好ましい組成物の態様にお
いては、表面保護用フィルムの(ハ)フィッシュアイが
(大ゲル2/小ゲル30)ヶ/100cm2以下、
(ニ)霞度3.5%以下、(ホ)クラリテイー65〜9
5%の性状を容易に達成することができる。表面保護用
フィルムは被着体の表面がよく見えるように優れた透明
性(霞度、クラリテイー)が要求される場合が多くあ
る。本発明のフィルムは上記のように霞度が3.5%以
下、クラリテイーが65〜95%の範囲にあるため、優
れた透明性を有する。また、本発明のフィルムのフィッ
シュアイは、特定の製造方法を用いるため、フィッシュ
アイは(大ゲル2/小ゲル30)ヶ/100cm2
下、好ましくは(大ゲル1/小ゲル25)ヶ/100c
2以下であり、フィルムのフィッシュアイとしては、
非常に少ないため被着体への傷付きが少なく表面保護用
として好適である。
【0017】本発明の表面保護用フィルムの製造は、ポ
リオレフィン樹脂を用いて、少なくとも、(A)Tダイ
から膜状の溶融樹脂を押出し、(B)該膜状の溶融樹脂
をキャストロールと該ロールに沿って円弧状に形成され
た無端ベルトとの間で挟圧することにより得ることがで
きる。
【0018】以下、本発明の表面保護用フィルムの製造
方法を図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の表面
保護用フィルムの一実施例の製造工程概略図を示したも
ので、主に(A)押出機に具備したTダイから膜状の溶
融樹脂を押出す押出工程、(B)該膜状の溶融樹脂をキ
ャストロールと該ロールに沿って円弧状に形成された無
端ベルトとの間で挟圧する第1冷却工程、(C)水冷等
のように冷却媒体で急冷する第2冷却工程、(D)アニ
ール工程、(E)巻取り工程等から構成され、これらの
工程を経て製品化される。図2は、(B)該膜状の溶融
樹脂をキャストロールと該ロールに沿って円弧状に形成
された無端ベルトとの間で挟圧する第1冷却工程の拡大
図を示したものである。
【0019】この図2に示される第1冷却工程を以下に
説明する。図1の押出工程において、所定のポリオレフ
ィン樹脂を押出機原料投入口から供給し、押出機先端の
Tダイ1から押出された膜状の溶融樹脂2は、第1冷却
工程のキャストロール3と該ロールに沿って円弧状に形
成された無端ベルト4との間の円弧状挟圧部8で挟圧さ
れフィルム9が形成される。該無端ベルト4をキャスト
ロール3に円弧状に沿わせるために無端ベルト4はロー
ル5、ロール6およびロール7に掛合され、テンション
をコントロールすることができ、かつキャストロール3
とロール5との間隔距離で得られるフィルム9の厚みが
調整される。また、ロール6の位置を動かすことにより
円弧状に沿わせる距離が調整できる。前記キャストロー
ル3と該ロールに沿って円弧状に形成された無端ベルト
4の温度はポリオレフィン樹脂の軟化温度以下、ガラス
転移温度以上であり、好ましくは30〜110℃、より
好ましくは40〜80℃である。すなわち、キャストロ
ール3と無端ベルト4は加熱油等で内部から加熱され
た、もしくは必要により冷媒により冷却されたロール
5、ロール7とによってポリオレフィン樹脂の軟化温度
以下、ガラス転移温度以上に保たれている。軟化温度を
超える温度だとフィルムが軟らかすぎてキャストロール
3や無端ベルト4からの剥離性が低下し、フィルム表面
に微少な傷が多発したり、後の工程でしわが発生して良
好なフィルムができなくなる虞が生じる。
【0020】前記キャストロール3および/または無端
ベルト4の材質は、通例金属製ロールもしくは金属製無
端ベルトで構成されるが、場合によってはフッ素樹脂等
の樹脂コーテングしてもよい。該キャストロールもしく
は無端ベルトの表面粗度は0.5μm以下、好ましくは
0.3μm以下のものが好適である。表面粗度は0.5
μm以下にすることによりキャストロール3および/ま
たは無端ベルト4の表面は鏡面状態になり、フィルムの
表面平滑性が得られる。また、キャストロール3と共に
無端ベルト4を挟圧させるための金属製ロール5の表面
は耐熱性のシリコンゴムないし弾性を有するエラストマ
ーで被覆してもよい。使用するエラストマーの硬度は5
5〜85度が適当である。
【0021】前記円弧状挟圧部8で挟圧されたフィルム
9は必要に応じて(C)冷却媒体で急冷する第2次冷却
工程で直ちに冷却媒体で急冷される。該冷却媒体は特に
限定はないが、水を使用するのが簡便である。冷却媒体
の温度は水の場合50℃以下、好ましくは25℃以下で
ある。また、(C)冷却媒体で急冷する第2次冷却工程
の後、フィルムは必要に応じて(D)アニール工程へ導
かれる。アニール工程でフィルムのカールの矯正が可能
である。アニール工程は加熱オーブンもしくは加熱金属
ロールでよい。加熱温度は使用するポリオレフィン樹脂
の熱変形温度−40℃、好ましくは熱変形温度−30℃
から熱変形温度+15℃、さらに好ましくは熱変形温度
+5℃の温度範囲である。熱変形温度−40℃未満の温
度ではカールの修正効果が小さく、熱変形温度+15℃
を超える温度だとフィルムが軟化状態になり光沢性等の
外観を損ねるようになる。前記(D)アニール工程を経
たフィルムは(E)巻取り工程で巻取られて製品にされ
る。
【0022】本発明で使用するフィルム成形装置の成形
速度(フィルム引取速度)は特に制限はないが、ベルト
法成形法なので従来のTダイによるポリシッング法ある
いはエアーナイフ法の成形速度より大幅に高速化が可能
であるが、好ましくは1〜50m/分、より好ましくは
3〜30m/分である。
【0023】本発明の表面保護用フィルムの優れた特性
は、上述の本発明で規定するポリオレフィン樹脂と本発
明で規定するフィルム製造工程で初めて得られるもので
ある。本発明の表面保護用フィルムは、キャストロール
と無端ベルトとで面接触で挟圧するため表面平滑で透明
性が良好で、しかもフィッシュアイがほとんどないフィ
ルムが得られると推定している。本発明の表面保護用フ
ィルムは、他のフィルムとで積層して多層フィルムとし
ての使用も可能である。あるいは、粘着剤を塗布もしく
は粘着性フィルムとの積層しての使用も可能である。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例で説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例1〜14および比較例1〜3 図1に示す装置にてポリオレフィン樹脂製の表面保護用
フィルムをそれぞれ製造した。使用したポリオレフィン
樹脂およびフィルム製造条件は、各々表1〜3に示す通
りである。またフィルム成形装置の仕様は次の通りであ
る。 <ベルト法フィルム成形装置仕様> 押出機スクリュウー:直径=90mm、L/D=36 Tダイ:面長=1250mm、ダイリップ=1mm 無端ベルト:SUS製、厚み0.8mm、表面粗度0.
3μm キャストロール:表面粗度0.3μm 冷却媒体による急冷工程:水槽(長さ4m、温度15
℃) アニール工程:金属製ロール(70℃) 上記条件で得られたフィルムを評価した各特性を表1〜
3に示した。なお、特性値は以下の試験法および測定法
によった。 <試験法および測定法> メルトフローレート(MFR):JIS K 67
58に準拠 PE系:190℃、2.16Kg荷重 PP系:230℃、2.16Kg荷重 密度:JIS K 6760に準拠 溶融張力:東洋精機(株)製メルトテンションテス
ターにより測定(測定温度190℃) Mw/Mn:装置 Waters、150℃、溶媒
オルソシクロベンゼン、カラム 東ソー(株)製、測
定温度 135℃、検出器 RI グロス:JIS Z 8741に準拠 フィッシュアイ:170μm以上を大ゲル、170
μm未満を小ゲルとしてカウント 軟化温度:JIS K 6758に準拠 霞度:ASTM D 1003に準拠 クラリテイー:日本石油化学(株)試験法、装置
村上色彩技術研究所(株)製異方性測定装置(TM−1
D型)
【0025】比較例4〜5 図1に記載された金属製無端ベルト法を使用しないで、
通常のエアーナイフ法にてフィルム成形した。すなわ
ち、Tダイから溶融状態で押し出された膜状の樹脂をキ
ャストロールに円弧状に沿わせ、キャストロールの反対
測からエアーを吹き付けた。装置の仕様は以下のようで
ある。 <エアーナイフ法Tダイフイルム成形装置仕様> 押出機:50mmφ、L/D=26 ダイス:600mm幅、リップ:1mm 使用した樹脂、フィルム成形条件および得られたフィル
ムの特性を表4に示した。
【0026】比較例6〜7 図1に記載された金属製無端ベルト法を使用しないで、
通常のインフレーション法によるフイルム成形を行っ
た。使用した装置の概要は以下の通りである。 <インフレーション法フイルム成形装置仕様> 押出機:50mmφ ダイス:100mmφ、リップ:2mm スクリュー:圧縮比=1.5、L/D=26 使用した樹脂、フィルム成形条件および得られたフィル
ムの特性を表4に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】本発明では、特定のポリオレフィン樹脂
と特定のフィルム成形方法を使用することにより、平滑
で、かつ透明性に優れ、しかも実質的にフィッシュアイ
が存在しない表面保護用フィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィルムを製造するための製造工程
概略図。
【図2】 金属製無端ベルト法フィルム成形装置の第1
冷却工程の拡大図。
【符号の説明】
1:Tダイ、2:溶融樹脂、3:キャストロール、4:
無端ベルト、5,6,7:ロール、8:円弧状挾圧部、
9:フィルム。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂を用いて、少なくと
    も (A)Tダイから膜状の溶融樹脂を押出し、 (B)該膜状の溶融樹脂をキャストロールと該ロールに
    沿って円弧状に形成された無端ベルトとの間で挟圧して
    得られるフイルムであって、 (イ)厚み20〜150μm、 (ロ)グロス90〜170%、であることを特徴とする
    表面保護用フイルム。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン樹脂が、密度0.8
    6〜0.95g/cm3のエチレン単独重合体またはエ
    チレン−α−オレフイン共重合体、エチレン−ビニルエ
    ステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸または
    そのアルキルエステル共重合体、プロピレンの単独重合
    体またはプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体
    から選択された少なくとも1種、あるいはこれらの混合
    物であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護用
    フイルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン樹脂が、線状低密度
    ポリエチレン99〜50重量%と低密度ポリエチレン1
    〜50重量%の組成からなり、該組成からなる樹脂が、 (a)MFRが0.1〜15g/10分、 (b)密度が0.91〜0.94g/cm3、であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の表面保護用フィルム。
  4. 【請求項4】 前記表面保護フィルムが、 (ハ)フィッシュアイが(大ゲル2/小ゲル30)ヶ/
    100cm2以下、 (ニ)霞度3.5%以下、 (ホ)クラリテイー65〜95%、であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の表面保護用フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン樹脂を用いて、少なくと
    も (A)Tダイから膜状の溶融樹脂を押出す工程、 (B)該膜状の溶融樹脂をキャストロールと該ロールに
    沿って円弧状に形成された無端ベルトとの間で挟圧する
    工程を含むことを特徴とする表面保護用フィルムの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記表面保護用フィルムが、 (イ)厚みが20〜150μm、 (ロ)グロスが90〜170%、であることを特徴とす
    る請求項5に記載の表面保護用フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記表面保護フィルムが、 (ハ)フィッシュアイが(大ゲル2/小ゲル30)ヶ/
    100cm2以下、 (ニ)霞度3.5%以下、 (ホ)クラリテイー65〜95%、であることを特徴と
    する請求項5または6に記載の表面保護用フィルムの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記ポリオレフィン樹脂が、密度0.8
    6〜0.95g/cm3のエチレン単独重合体またはエ
    チレン−α−オレフイン共重合体、エチレン−ビニルエ
    ステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸または
    そのアルキルエステル共重合体、プロピレンの単独重合
    体またはプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体
    から選択された少なくとも1種、あるいはこれらの混合
    物であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記
    載の表面保護用フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリオレフィン樹脂が、線状低密度
    ポリエチレン99〜50重量%と低密度ポリエチレン1
    〜50重量%の組成からなり、該組成からなる樹脂が、 (a)MFRが0.1〜15g/10分、 (b)密度が0.91〜0.94g/cm3、であるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の表面保護用フィルム製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記キャストロールと該ロールに沿っ
    て円弧状に形成された金属無端ベルトの温度がポリオレ
    フィン樹脂の軟化温度以下、ガラス転移温度以上である
    ことを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の表面
    保護用フイルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記キャストロールおよび/または金
    属無端ベルトの表面粗度が0.5μm以下であることを
    特徴とする請求項5〜10のいずれかに記載の表面保護
    用フィルムの製造方法。
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