JP3401087B2 - 表面保護粘着シート - Google Patents

表面保護粘着シート

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は表面保護粘着シート用の
基材として有用なポリオレフィン系軟質フィルム、およ
びそれを用いた表面保護粘着シートに関する。上記表面
保護粘着シートは、ステンレス板、アルミニウム板、銅
板、表面に塗装を施した金属板などの絞り成形加工時に
汚れや傷の防止に用いられる。 【0002】 【従来の技術】金属板の表面保護粘着シートとしては、
塩化オルガノゾルからなる塗料を塗布し、乾燥後にこれ
を剥離して得られるシート、エチレン−酢酸ビニル共重
合体層と低密度ポリエチレン層との2層でなる積層体
(特開昭54−133577号公報)、ポリオレフィン
基材の片面に接着剤層を設けて得られるフィルム(特公
昭59−49953号公報)などが挙げられる。このよ
うな表面保護粘着シートの中でも、特に軟質塩化ビニル
フィルムを使用したシートは、ネッキングが起こらず、
絞り加工時に均質に伸びるので、絞り加工に好適に使用
されている。しかし、近年の環境問題より、脱塩化ビニ
ル材料への要望が非常に強く、ポリオレフィン系フィル
ムの利用が盛んに研究されている。 【0003】上記以外に最近では、特開平3−1488
5号公報に記載のようにプロピレン−エチレン共重合体
からなるポリオレフィン系フィルムの片面に粘着剤層を
設けてなる表面保護粘着シート、および特開平4−10
6175号公報に記載のようにポリプロピレンとポリエ
チレンとエチレン−プロピレン系共重合体とを混合して
なる基材フィルムの片面に粘着剤層が設けられた表面保
護粘着シートが提案されている。 【0004】しかし、上記従来のポリオレフィン系フィ
ルムを用いて形成される表面保護粘着シートの引っ張り
操作を行った場合にネッキングが生じる。そのため、例
えば、絞り加工を行うと、フィルムが均一に伸びず、く
びれを生じる結果、変形される金属板にくびれ部分の模
様がついたり、フィルムのうすい部分から破れて金属板
に傷が生じたりする問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、可塑
化PVC(ポリ塩化ビニル)を使用せず、特定のポリオ
レフィン系樹脂を用いることによって、引っ張り操作時
に上述したようなネッキングが生じないポリオレフィン
系フィルムを提供し、さらにこのフィルムの片面に粘着
剤層を設けることによって得られる、絞り加工時に均一
に伸び、破れることのない優れたポリオレフィン系表面
保護粘着シートを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、表面保護
フィルム用基材として有用なフィルムを鋭意研究した結
果、特定の重量平均分子量を有し、特定温度における樹
脂溶出量が一定の範囲にあるポリオレフィン系フィルム
を用いることにより、上記目的を達成できることを見い
だし、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。 【0007】本発明のポリオレフィン系軟質フィルム
は、重量平均分子量が100,000〜450,000
の範囲にあり、クロス分別法による0℃以上20℃以下
での樹脂溶出量が全ポリオレフィン系樹脂量の20〜5
0重量%であり、20℃超75℃以下での樹脂溶出量が
全ポリオレフィン系樹脂量の5〜25重量%であり、そ
して75℃超125℃以下での樹脂溶出量が全ポリオレ
フィン系樹脂量の35〜70重量%であるポリオレフィ
ン系樹脂を用いて形成される。 【0008】その引っ張り変形後の変形回復率は、好ま
しくは70%以下である。 【0009】ポリオレフィン系表面保護粘着シートは、
上記ポリオレフィン系軟質フィルムの片面に粘着剤層を
設けることにより得られる。 【0010】以下、本発明について詳細に説明する。 【0011】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
は、上記のように重量平均分子量100,000〜45
0,000のポリオレフィン系樹脂である。ポリプロピ
レン系樹脂が最も好ましく、他のオレフィン系樹脂で
は、耐熱性または強度が不充分である場合もある。この
重量平均分子量は、例えば、WATERS社製高温GP
C(150CV)で測定され得る。この樹脂の重量平均
分子量は好ましくは150,000〜400,000で
ある。重量平均分子量が100,000未満ではフィル
ムの延性または強度が不充分であり、450,000を
超えると絞り加工時に充分な成形性が得られない。 【0012】このクロス分別法による樹脂の溶出量の測
定は以下のように行われる。ポリオレフィン系樹脂をま
ず140℃あるいはポリオレフィン系樹脂が完全に溶解
する温度のο−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で
冷却し、予め用意した不活性担体表面に薄いポリマー層
を結晶性の高い順および分子量の大きい順に生成させ
る。次に温度を連続または段階的に昇温し、順次溶出し
た成分の濃度を検出し、組成分布(結晶性分布)を測定
する<温度上昇溶離分別>と共にその成分について高温
型GPCにより分子量および分子量分布を測定する。例
えば、上記の温度上昇溶離分別(TREF=Temperatur
e Rising Elution Fractionation)部分と高温GPC
(SEC=Size Exclution Chromatograph)部分とをシ
ステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ装置
<CFC−T150A型:三菱油化(株)製>が使用さ
れ得る。 【0013】本発明で用いるポリオレフィン系樹脂は、
上記クロス分別法による0℃以上20℃以下での樹脂溶
出量が全ポリオレフィン系樹脂量の20〜50重量%で
あることが好ましく、さらに好ましくは25〜45重量
%である。この溶出量が、20重量%未満ではフィルム
の柔軟性に欠け、50重量%を超えると強度的に不充分
となる。 【0014】この樹脂は、上記クロス分別法による20
℃超75℃以下での樹脂溶出量が全ポリオレフィン系樹
脂量の5〜25重量%であることが好ましく、さらに好
ましくは5〜20重量%である。5重量%未満では粘着
シートの絞り加工時の成形性に劣り、25重量%を超え
るとフィルムの変形回復率が過度に低くなり、ネッキン
グなどの問題を生じる。 【0015】さらに、上記クロス分別法による75℃超
125℃以下での樹脂溶出量は全ポリオレフィン系樹脂
量の35〜70重量%であることが好ましく、さらに好
ましくは35〜68重量%である。35重量%未満では
フィルムの変形回復率が高くなってしまい、製品から剥
離したり、成形時にフィルムが追従しないなどの問題が
生じる。70重量%を超えるとフィルムの柔軟性が不充
分となる。 【0016】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
は、上記クロス分別法による0℃以上20℃以下、20
℃超75℃以下、75℃超125℃以下でのそれぞれの
溶出樹脂の重量平均分子量が50,000〜500,0
00、50,000〜900,000、50,000〜
750,000の範囲内にあることが好ましい。 【0017】本発明のポリオレフィン系樹脂において、
各温度域での溶出量および重量平均分子量が上記範囲内
にあることは、フィルムの弾性率、強度、延性などの物
性を制御する上で非常に重要である。上記要件を満たす
ポリオレフィン系樹脂を用いて形成される表面保護フィ
ルムはネッキングを生じないため、そのフィルムの片面
に粘着剤層を設けることによって得られる表面保護粘着
シートは、絞り加工性に優れ、かつ貼付け性、引き剥し
性などのバランスがよい。 【0018】ここでのネッキングとは、「高分子と複合
材料の力学的性質」(pp.183〜188:L.L.NIEL
SEN著、小野木重春訳、(株)化学同人発行)に記載さ
れているように、試料が延伸される際に試料フィルムの
ある極限された点でくびれが発生し、延伸と共にそのく
びれ部分が長く成長していくことである。くびれ部分の
断面は残りの部分の断面よりはるかに小さくなる。絞り
加工の場合、このくびれが発生すると粘着シートの厚み
差が生じ、シートが切れたり、シートにより表面保護が
施されている金属板に筋などの傷ができたりすると考え
られる。 【0019】上記性質を有するポリオレフィン系樹脂と
しては、例えば、プロピレン−エチレンあるいはプロピ
レン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。具体的に
は、次の方法により調製される。まず第1段階におい
て、チタン化合物触媒およびアルミニウム化合物触媒の
存在下でプロピレンモノマー、および必要に応じてプロ
ピレン以外のα−オレフィンモノマーを用いて重合を行
い、第1のプロピレン系ポリオレフィンを得る。このポ
リオレフィンはプロピレン重合体、プロピレン−エチレ
ン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体など
であり得る。第2段階として、前記のチタン化合物触媒
およびアルミニウム化合物触媒を含有したままで、上記
化合物存在下でチタン含有プロピレン系ポリオレフィン
と、オレフィンモノマー(例えば、プロピレンまたはα
−オレフィン)とを共重合させて、第2のポリオレフィ
ンを得る。この2段階反応により得られる第2のポリオ
レフィンは、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレ
ン−α−オレフィン共重合体、またはエチレン−α−オ
レフィン共重合体であり得る。以下同様に目的に応じて
多段階の共重合反応を行い得る。 【0020】このようなポリオレフィン系樹脂の製造方
法としては、例えば、特開平4−224809号公報に
記載された方法がある。ここでは、上記チタン化合物と
しては、例えば三塩化チタンと塩化マグネシウムとを共
粉砕し、オルトチタン酸n−ブチル、2−エチル−1−
ヘキサノール、p−トルイル酸エチル、四塩化珪素、フ
タル酸ジイソブチルなどで処理した球状の平均粒子径1
5μmの固体Ti触媒が用いられ、アルミニウム化合物
としては、トリエチルアルミニウムなどのアルキルアル
ミニウムが用いられる。さらに重合槽において電子供与
体として、珪素化合物、好ましくはジフェニルジメトキ
シシランが添加される。それに加えて、ヨウ化エチルも
添加される。上記製造方法においては、2段階以上にわ
たって重合反応が行われている。第2段階以降では、前
段階で生成されたポリマーに対してさらにモノマーが共
重合する。そのため、複数の種類のポリマーが形成さ
れ、通常のポリマーブレンドとは全く異なる分子レベル
でのブレンドタイプの共重合体が生成される。さらにこ
のようなポリマーブレンドを利用すれば、通常の押出機
などでの混練において樹脂粘度的に微分散が不可能であ
る化合物でも、その場合、作ることが可能になる。上記
の他に、特開平4−96912号公報、特開平4−96
907号公報、特開平3−174410号公報、特開平
2−170803号公報、特開平2−170802号公
報、特開昭61−42553号公報、特開平3−205
439号公報に同様の方法が記載されており、これらに
よってポリオレフィン樹脂が調製され得る。特開平3−
97747号公報に記載の、塩化マグネシウムとアルコ
ールの付加物を最初に形成し、その後四塩化チタンおよ
び電子供与体で処理したチタン化合物によっても調製さ
れ得る。このように、本発明に用いるポリオレフィン系
樹脂は、これらのいずれの方法でも製造できる。以上の
ような製造方法により得られる、実際に市販されている
樹脂の例としては徳山曹達社の「PER」およびハイモ
ント社の「キャタロイ」が挙げられる。 【0021】本発明のポリオレフィン系軟質フィルムの
引っ張り変形後の変形回復率は、好ましくは70%以下
である。この変形回復率が70%以下であれば、得られ
る表面保護シートが、絞り加工において経時的に金属板
などの保護される材料上から浮いてくるという現象がな
くなる。70%を超えると絞り加工時に浮いた部分のシ
ートが重なり、表面保護を施しているはずの金属板にへ
こみなどの傷がつく。ここで変形回復率とは、試験すべ
きフィルム(横(幅)10mm×縦100mm)を23
℃で100%伸張して、5分後に荷重を解放したときの
フィルム長さをL5minとすると、 変形回復率(%)=〔1−{(L5min−L0)/L0}〕
×100 (但し、L0:初期(伸張前)フィルム長さ)で与えら
れる。 【0022】上記ポリオレフィン系樹脂を用いて、フィ
ルムが形成される。このフィルムは、通常のインフレー
ション法、押出法などにより形成され得る。このフィル
ムは表面保護粘着シートの基材として好適に用いられ、
厚みは通常30〜70μmである。このフィルムを基材
とし、その表面に粘着剤層を設けることにより、本発明
の表面保護粘着シートが得られる。 【0023】本発明における表面保護粘着シートに用い
る粘着剤は、一般に用いられている粘着剤であれば特に
限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘
着剤が挙げられる。粘着剤層を基材フィルム表面に設け
ることは、粘着剤溶液を本発明のポリオレフィン系フィ
ルムへ塗布して乾燥することにより、または粘着剤と本
発明のポリオレフィン系フィルム基材成分とを共押出す
ることにより行われ、基材/粘着剤2層タイプの表面保
護粘着シートが得られる。粘着剤層の厚みは、3〜20
μm程度が適当であり、基材層の厚みは、30〜70μ
m程度が適当である。 【0024】このようにして得られた表面保護粘着シー
トは、保護されるべき所望の材料、例えば金属板などに
貼られる。 【0025】このポリオレフィン系表面保護粘着シート
は柔軟性に富むため、延伸時にネッキングが起こらず、
絞り加工性に非常に優れる。このような結果をもたらす
理由は明確ではないが、次のことが考えられる。 【0026】本発明で用いるポリオレフィン系樹脂は、
一般に、低結晶性ポリオレフィンポリマーがプロピレン
系ポリオレフィン中に重合に際して均一に分散された、
ポリマーアロイ材料である。この結果、本発明における
ポリオレフィン系表面保護フィルムおよびそれを用いた
表面保護粘着シートにおいては、上記エチレンなどの共
重合成分がポリマー鎖中に均一に存在するため、ポリプ
ロピレンまたはEPR系ゴム(エチレン−プロピレンゴ
ム)がブレンドされたポリプロピレンなどで形成される
フィルムに比べて、引っ張り試験時にネッキングが起こ
らない。このフィルムの性能は、可塑化PVCに匹敵す
る性能を有する。 【0027】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0028】(実施例1)分子量が288,000であ
り、クロス分別法による各温度での溶出量が0℃以上2
0℃以下において39.1重量%、20℃超75℃以下
において6.9重量%、75℃超125℃以下において
54.0重量%であり、さらにそれぞれの温度域での溶
出樹脂の重量平均分子量が420,000、654,0
00、224,000であるポリプロピレン系樹脂を用
い、インフレーション法により40μmのフィルムを作
成した。このフィルムは引っ張り試験時においてネッキ
ングを起こさず、均一な伸びを示した。この引っ張り試
験は、試験すべきフィルム(縦100mm×横10m
m)を23℃で100%伸張して、5分後に荷重を解放
することで測定した。ここで用いる引っ張り変形回復率
は、上記に準じて表される。そのフィルムの引っ張り変
形回復率は縦方向23%、横方向25.3%であった。
このフィルムの片面にまずプライマー処理し、次いでア
クリル系粘着剤を乾燥後の厚みが5μmになるように塗
布し、100℃で5分間乾燥して表面保護粘着シートを
得た。 【0029】(実施例2)分子量が203,000であ
り、クロス分別法による各温度での溶出量が0℃以上2
0℃以下において29.0重量%、20℃超75℃以下
において6.3重量%、75℃超125℃以下において
64.7重量%であり、さらにそれぞれの温度域での溶
出樹脂の重量平均分子量が191,000、117,0
00、199,000であるポリプロピレン系樹脂を用
い、実施例1と同様の方法により40μmのフィルムを
作成した。このフィルムは引っ張り試験時においてネッ
キングを起こさず、均一な伸びを示した。また、そのフ
ィルム引っ張り変形回復率は縦方向29%、横方向31
%であった。このフィルムの片面にまずプライマー処理
し、次いでアクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが5μmに
なるように塗布し、100℃で5分間乾燥して表面保護
粘着シートを得た。 【0030】(実施例3)分子量が370,000であ
り、クロス分別法による各温度での溶出量が0℃以上2
0℃以下において42.2重量%、20℃超75℃以下
において15.7重量%、75℃超125℃以下におい
て42.1重量%であり、さらにそれぞれの温度域での
重量平均分子量が403,000、445,000、3
07,000であるポリプロピレン系樹脂と、SEBS
(スチレン系トリブロックコポリマー、商品名タフテッ
ク1052、旭化成社製)と粘着付与樹脂(商品名アル
コンP−125、荒川化学社製)とを100/30の比
率で混合した粘着剤とを、2層共押出Tダイスにて基材
層60μmおよび粘着剤層7μmの厚みで共押出し、表
面保護粘着シートを得た。基材フィルムの、引っ張り変
形回復率は縦方向51%、横方向54%であった。その
フィルムは引っ張り試験時においてネッキングを起こさ
ず、均一な伸びを示した。 【0031】(比較例1)分子量が253,000であ
り、クロス分別法による各温度での溶出量が0℃以上2
0℃以下において70.2重量%、20℃超75℃以下
において9.8重量%、75℃超125℃以下において
20.0重量%であり、さらにそれぞれの温度域での重
量平均分子量が178,000、266,000、40
6,000であるポリプロピレン系樹脂を用い、基材層
60μmのフィルムを得た。この時の基材フィルムの、
引っ張り変形回復率は縦方向78%、横方向80.3%
であった。そのフィルムは引っ張り試験時において、ネ
ッキングを起こさず、均一な伸びを示した。さらに、基
材フィルムに実施例3と同様にして粘着剤層7μmの厚
みの表面保護粘着剤シートを得た。 【0032】(比較例2)分子量が530,000であ
り、クロス分別法による各温度での溶出量が0℃以上2
0℃以下において2.7重量%、20℃超75℃以下に
おいて3.7重量%、75℃超125℃以下において9
3.6重量%であり、さらにそれぞれの温度域での重量
平均分子量が136,000、148,000、40
7,000であるポリプロピレン系樹脂を用い、実施例
1と同様の方法により40μmのフィルムを作成した。
このフィルムは引っ張り試験時においてネッキングを起
こし、均一な伸びを示さなかった。また、そのフィルム
引っ張り変形回復率は縦方向3%、横方向5.1%であ
った。このフィルムの片面にまずプライマー処理し、次
いでアクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが5μmになるよ
うに塗布し、100℃で5分間乾燥して表面保護粘着シ
ートを得た。 【0033】各実施例および比較例で得られた粘着シー
ト1を、縦150mm×横150mm×厚さ0.5mm
でなるステンレス板(SUS304BA)2に貼り付
け、図1に示すように、深さ50mm(L1 )、底面直
径85mm(L2 )の筒状になように絞り加工し、その
後、シートを引き剥して、SUS板の表面状態を観察し
た。 【0034】各実施例および比較例の樹脂の重量平均分
子量およびクロス分別結果と、得られるフィルムの変形
回復率とを、以下の表1に示す。 【0035】 【表1】 【0036】各実施例および比較例で得られたフィルム
および粘着シートの評価結果を、以下の表2に示す。こ
こでの絞り加工性において、その結果が良好であれば、
○で表示した。 【0037】 【表2】 【0038】表2より、実施例で得られるポリオレフィ
ン系表面保護フィルムは、引っ張り試験時においてネッ
キングを起こさず、かつこのフィルムにより得られる表
面保護粘着シートは、比較例で得られる粘着シートに比
べ、絞り加工性およびSUS表面状態に優れていること
がわかる。 【0039】 【発明の効果】本発明のポリオレフィン系表面保護フィ
ルムおよびそのフィルムの片面に粘着剤層が設けられた
ポリオレフィン系表面保護粘着シートは、ポリオレフィ
ン系樹脂の重量平均分子量、およびこのポリオレフィン
系樹脂のクロス分別法による樹脂の溶出量および分子量
を特定することで、優れた絞り加工性を示すポリオレフ
ィン系表面保護粘着シートとなる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本実施例および比較例で得られる表面保護粘着
シートの絞り加工テストにおける絞り加工試料の断面図
である。 【符号の説明】 1 表面保護粘着シート 2 ステンレス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C09J 7/00 - 7/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】量平均分子量が100,000〜45
    0,000の範囲にあり、クロス分別法による0℃以上
    20℃以下での樹脂溶出量が全樹脂量の20〜50重量
    %であり、20℃超75℃以下での樹脂溶出量が全樹
    量の5〜25重量%であり、そして75℃超125℃以
    下での樹脂溶出量が全樹脂量の35〜70重量%である
    ポリオレフィン系樹脂からなる軟質フィルムの片面に粘
    着剤層が設けられた、表面保護粘着シート。
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