JP3364293B2 - ポリオレフィン系基材フィルム、及び粘着フィルムまたはシート - Google Patents

ポリオレフィン系基材フィルム、及び粘着フィルムまたはシート

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JP3364293B2 JP27183793A JP27183793A JP3364293B2 JP 3364293 B2 JP3364293 B2 JP 3364293B2 JP 27183793 A JP27183793 A JP 27183793A JP 27183793 A JP27183793 A JP 27183793A JP 3364293 B2 JP3364293 B2 JP 3364293B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレンを主成
分に少なくとも二種のゴム成分を含有した少なくとも三
成分のブレンド物からなる基材フィルムに関するもので
ある。 その目的は、従来の基材フィルムの機械的物性
を低下させることなく、タテおよびヨコの両方向の耐引
裂性に優れたフィルムを提供するものであり、特に、表
面保護フィルムの基材として好ましく、剥離作業性に優
れた粘着フィルムまたはシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属板の加工時や運搬時の表面の
傷を防止するために、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどを基材フィルムとし、アクリル系、
ゴム系などを主成分とする粘着剤層を有する表面保護フ
ィルムが多用されている。しかしながら、ポリ塩化ビニ
ルを基材とする粘着フィルムは表面保護特性に優れてい
るが、スクラップの焼却処理の際、塩化水素ガスを発生
し、焼却炉を著しく損傷させるという欠点を有する。
またポリエチレンを基材とする粘着フィルムは、強度が
小さいので被保護体の加工時に切れやすく、またフィル
ムに腰がないために手貼り作業で被保護体に貼り合わせ
る場合にしわが入ったり、ずれたりして貼り合わせ作業
性が極めて悪いという問題がある。 また、ポリプロピ
レン基材の場合は、手貼り作業性は極めて良好である
が、剥離する際にポリプロピレンの高い結晶性により特
定方向に裂け易いという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決する方法として、ポリプロピレンなどの強度の高いフ
ィルムにゴムなどの樹脂を配合するなどして、フィルム
自体を改善して耐引裂性を改善する方法が提案されてい
る。しかしながら、この方法では耐引裂性は改善できる
が、フィルムの弾性率が低下するためフィルムの腰がな
くなってしまう。 そのため、これらの特性のバランス
をとるには、フィルムを厚くする手段を取らざるをえ
ず、経済性に劣るという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、フ
ィルムの複数の物性に注目して検討し、ポリプロピレン
に若干量のスチレン系エラストマーとエチレン−αオレ
フィン共重合体もしくはプロピレン−αオレフィン共重
合体を配合することにより、従来の基材フィルムの諸特
性を低下させることなく、タテおよびヨコの両方向につ
いて耐引裂性を改善できることを知見し、本発明に至っ
たものである。
【0005】即ち本発明は、ポリプロピレン60〜90
重量%、スチレン系エラストマー40〜2重量%、エチ
レン−αオレフィン共重合体もしくはプロピレン−αオ
レフィン共重合体40〜2重量%を含有してなるポリオ
レフィン系基材フィルム、及びそれを基材とする粘着フ
ィルムもしくはシートを提供する。
【0006】本発明において用いられるポリプロピレ
ン、スチレン系エラストマー、エチレン−αオレフィン
共重合体もしくはプロピレン−αオレフィン共重合体
は、従来より知られているものを適宜用いることができ
る。
【0007】上記樹脂のうち本発明において好適に用い
られるものとして、ポリプロピレンとしては、MFR
(JIS K7210 に基づくメルト・フロー・レート、以下同
様)が2〜30(g/10min. 230 ℃)で、密度が0.89
〜0.90g/cm3 のものが好ましい。
【0008】また、スチレン系エラストマーとしては、
スチレン部分が10〜50重量%で、MFRが1.0〜
30(g/10min. 230 ℃)で、密度が0.90〜0.96
g/cm 3 のものが好ましい。 かかるスチレン系エラスト
マーの具体例としては、例えばスチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレ
ン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
【0009】また、エチレン−αオレフィン共重合体も
しくはプロピレン−αオレフィン共重合体としては、M
FRが0.4〜15(g/10min. 230 ℃)で、密度が0.
85〜0.90g/cm3 のものが好ましい。
【0010】本発明の基材フィルムにおいて上記各成分
の配合量は、ポリプロピレン60〜90重量%、好まし
くは70〜85重量%、スチレン系エラストマー40〜
2重量%、好ましくは30〜5重量%、エチレン−αオ
レフィン共重合体もしくはプロピレン−αオレフィン共
重合体40〜2重量%、好ましくは30〜5重量%とす
ることが効果的である。 ここで、ポリプロピレンが6
0重量%未満の場合、基材フィルムの弾性率が低下する
と共に強度不足となり、一方90重量%を越えると耐引
裂性の効果が低い。 また、スチレン系エラストマー、
及びエチレン−αオレフィン共重合体もしくはプロピレ
ン−αオレフィン共重合体の両者のどちらか一方が欠け
た場合、耐引裂性についてタテとヨコのバランスが崩れ
る、すなわちタテとヨコの引裂強度が大幅に異なり、タ
テ方向のみに裂けやすくなるため好ましくない。
【0011】本発明の基材フィルムにおいては、上記の
各成分以外に必要に応じて、スリップ剤、帯電防止剤、
酸化防止剤等を添加することもできる。
【0012】上記基材フィルムの製法は特に限定されな
いが、例えば各成分をドライブレンドした後、T型ダイ
スによる押出し成形機によってフィルム化することがで
きる。 得られるフィルムの厚さは特に限定されない
が、好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは3
0〜70μmである。
【0013】また本発明は、上記の基材フィルムの片面
に、粘着剤層を設けてなる粘着フィルムまたはシートも
提供する。 この粘着剤は特に限定されず、例えばアク
リル系、ゴム系粘着剤が挙げられ、その厚さは通常1〜
20μm程度が好ましい。
【0014】本発明の粘着フィルムは、その用途に何ら
限定されるものではないが、耐引裂性に極めて優れてい
るため、特に表面保護用粘着フィルムとして好適に用い
ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例にてさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例1 MFR9.0、密度0.90g/cm3のポリプロピレン
(商品名:ノバテックPPFX3、日本ポリケム社製)
80重量%、MFR12.0、密度0.89g/cm3のス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合
体(SEBS)(商品名:タフテックH1052、旭化
成社製)10重量%、およびMFR6.0、密度0.8
9g/cm3のプロピレン−αオレフィン共重合体(タフマ
ーXR110T、三井化学社製)10重量%を、ドライ
ブレンドしT型ダイス押出成形機(40mmΦ)にて樹
脂温度220℃で押し出して、厚さ40μmのフィルム
を成形した。成形性は良好で、成形フィルムの外観も良
好であった。 得られたフィルムの物性試験した結果を
表1に示す。
【0016】 実施例2 MFR9.0、密度0.90g/cm3のポリプロピレン
(商品名:ノバテックPPFX3、日本ポリケム社製)
80重量%、MFR8.0、密度0.92g/cm3のスチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)(クインタック3422、日本ゼオン社製)10重
量%、およびMFR6.0、密度0.89g/cm3 のプロ
ピレン−αオレフィン共重合体(商品名:タフマーXR
110T、三井化学社製)10重量%を用い、実施例1
と同様の方法で、厚さ40μmのフィルムを得た。成形
性は良好で、成形フィルムの外観も良好であった。 得
られたフィルムの物性試験した結果を表1に示す。
【0017】 実施例3 MFR9.0、密度0.90g/cm3 のポリプロピレン
(商品名:ノバテックPPFX3、日本ポリケム社製)
80重量%、MFR12.0、密度0.89g/cm3 のス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合
体(SEBS)(商品名:タフテックH1052、旭化
成社製)10重量%、およびMFR6.7、密度0.8
9g/cm3 のエチレン−αオレフィン共重合体(商品名:
タフマーA−4090、三井化学社製)10重量%を用
い、実施例1と同様の方法で、厚さ40μmのフィルム
を得た。成形性は良好で、成形フィルムの外観も良好で
あった。 得られたフィルムの物性試験した結果を表1
に示す。
【0018】 実施例4 MFR9.0、密度0.90g/cm3 のポリプロピレン
(商品名:ノバテックPPFX3、日本ポリケム社製)
80重量%、MFR12.0、密度0.89g/cm3 のス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合
体(SEBS)(商品名:タフテックH1052、旭化
成社製)15重量%、およびMFR6.0、密度0.8
9g/cm3 のプロピレン−αオレフィン共重合体(商品
名:タフマーXR 110T、三井化学社製)5重量%
を用い、実施例1と同様の方法で、厚さ40μmのフィ
ルムを得た。成形性は良好で、成形フィルムの外観も良
好であった。 得られたフィルムの物性試験した結果を
表1に示す。
【0019】比較例1〜4 実施例1〜4の配合量を表1に示す配合にて行う以外
は、全て実施例1〜4と同様にしてフィルムを得た。
得られたフィルムの物性試験した結果を表1に併せて示
す。
【0020】なお、各物性試験は、以下の方法にて行っ
た。 〔エレメンドルフ引裂強度〕JIS P−8116に準
ずる。 〔弾性率および破断強度〕 つかみ間距離 20mm フィルム測定幅 5mm 引張速度 200mm/min
【0021】〔剥離作業性〕実施例1〜4で得た各基材
フィルムの片面に、アクリル系粘着剤をトルエンに溶解
し、固形分で糊厚5μmになるように塗布し、80℃で
2分間乾燥することにより、本発明の表面保護フィルム
を得た。
【0022】得られた表面保護フィルムを、10cm×
10cmのステンレス板に貼り合わせ、コーナー部より
そのフィルムを素早く剥がす際の耐引裂性から、剥離作
業性を以下の基準にて判定した。 ○ 良好 × 悪い △ 方向性有り
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の基材フィルムは、従来の基材フ
ィルムの機械的物性を低下させることなく、タテおよび
ヨコの耐引裂性に優れるという効果を有し、かかるフィ
ルムは特に表面保護用粘着フィルムの基材として好適に
用いることができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン60〜90重量%、スチ
    レン系エラストマー40〜2重量%、エチレン−αオレ
    フィン共重合体もしくはプロピレン−αオレフィン共重
    合体40〜2重量%を含有してなるポリオレフィン系基
    材フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基材フィルムの片面に、
    粘着剤層を設けてなる粘着フィルムまたはシート。
JP27183793A 1993-10-29 1993-10-29 ポリオレフィン系基材フィルム、及び粘着フィルムまたはシート Expired - Lifetime JP3364293B2 (ja)

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