JP3292757B2 - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

ストレッチ包装用フィルム

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JP3292757B2
JP3292757B2 JP4788093A JP4788093A JP3292757B2 JP 3292757 B2 JP3292757 B2 JP 3292757B2 JP 4788093 A JP4788093 A JP 4788093A JP 4788093 A JP4788093 A JP 4788093A JP 3292757 B2 JP3292757 B2 JP 3292757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明で均一な伸びを有
するストレッチ包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ストレッチ包装用フィルムは、種々のも
のを包装するのに使用され、特に、青果物や生鮮食品
(魚、肉、惣菜等)等の食品の包装に好適に使用され
る。このストレッチ包装用フィルムを用いて食品等を包
装する場合には、通常、発泡スチロール等からなるプラ
スチック容器に被包装品を入れ、その容器にストレッチ
包装用フィルムをかぶせてフィルム端を引っ張り、フィ
ルム自身を伸ばしながら容器を包み込むようにする。よ
って、ストレッチ包装用フィルムには、透明性、柔軟
性、伸展性に加えて、自己粘着性および変形回復率に優
れていることが要求される。
【0003】従来、上記包装用などに用いられるストレ
ッチフィルムとしては、価格や使い易さの点から可塑化
ポリ塩化ビニル(以下可塑化PVCと称する)を主成分
とするものが広く使用されてきた。しかし、食品の包装
用に使用されること、生鮮食品を包装する場合には食品
に直接接触することなどを考慮すると、可塑化PVCを
主成分とするストレッチ包装用フィルムの使用は望まし
いものではない。特に、近年においては環境汚染問題が
重用視されており、塩素を含む可塑化PVCの使用は、
あらゆる分野で問題視されている。
【0004】このため、最近では、上記可塑化PVCの
代替材料として、ポリオレフィン系樹脂を用いたストレ
ッチ包装用フィルムの開発が積極的に行われている。こ
のようなストレッチフィルムとして、例えば、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン
からなるものが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のポリオ
レフィン系樹脂を用いたストレッチフィルムでは、包装
時の自己粘着性や変形回復性など、ストレッチ包装用フ
ィルムとして必要な特性が得られない。このため、包装
されたフィルムがすぐに容器から外れたり、フィルムに
しわが生じて、実際の使用には適さない。
【0006】この問題を解決するために、特開昭61−
44635号公報には、種々のα−オレフィンとプロピ
レンとのランダム共重合体を中央層とした積層のストレ
ッチ包装用フィルムが提案され、特開昭62−5144
0号公報には、スチレンなどの芳香族炭化水素重合体と
共役ジエンエラストマーとのブロック共重合体を中央層
とした積層のストレッチ包装用フィルムが提案されてい
る。しかし、上記共重合体は、いずれも単層ではストレ
ッチ包装用フィルムとして使用できず、他の樹脂を積層
する必要がある。さらに、上記エラストマーを用いた場
合にはコストが高くなるという問題もある。従って、現
状では、可塑化PVCを主成分とするストレッチフィル
ムの代替品として、市場の要求を充分に満足させるスト
レッチ包装用フィルムは実現されていない。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は可塑化PVCを使用せず、
自己粘着性および変形回復率に優れ、且つ透明性、柔軟
性および伸展性を兼ね備えた、単層および複層のストレ
ッチ包装用フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、可塑化P
VCを使用せず、自己粘着性および変形回復率に優れ、
且つ透明性、柔軟性および伸展性を兼ね備えたストレッ
チ包装用フィルムを得るために鋭意研究を行った結果、
本発明の目的に適合する樹脂を見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0009】第1発明のストレッチ包装用フィルムは、
重量平均分子量が8万以上50万以下であり、クロス分
別法により測定した樹脂溶出量が、10℃で20重量%
以上80重量%以下であり、10℃〜65℃で5重量%
以上45重量%以下であり、65℃〜90℃で1重量%
以上18重量%以下であり、90℃〜125℃で10重
量%以上35重量%以下であるポリプロピレン系樹脂か
らなり、そのことにより上記目的が達成される。
【0010】第2発明のストレッチ包装用フィルムは、
ポリプロピレン系樹脂からなる中央層の両面に、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−α
−オレフィン共重合体樹脂およびエチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂からなる群から選択された少なくとも1種
からなる表面層が、それぞれ積層されてなるストレッチ
フィルムであって、該ポリプロピレン系樹脂の重量平均
分子量が8万以上50万以下であり、クロス分別法によ
り測定した該ポリプロピレン系樹脂の樹脂溶出量が、1
0℃で20重量%以上80重量%以下であり、10℃〜
65℃で5重量%以上45重量%以下であり、65℃〜
90℃で1重量%以上18重量%以下であり、90℃〜
125℃で10重量%以上35℃重量%以下であり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0011】尚、第1発明および第2発明において、ク
ロス分別法による樹脂溶出量の測定は、以下のように
度上昇溶離分別(TREF=Temperature Rising Eluti
on Fractionation)部分と、高温GPC(例えば、SE
C=Size Exclusion Chromatograph)部分とをシステム
として備えたクロス分別クロマトグラフ装置(CFC−
T150A型:三菱油化社製)を用いて行った。まず、
ポリプロピレン系樹脂を140℃または樹脂が完全に溶
解する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解する。次に、
この溶液を不活性担体が充填されたTREFカラムに導
入し、一定速度で10℃まで冷却して、不活性担体表面
に薄いポリマー層を生成させる。この時、樹脂成分は、
結晶性の高い順、および分子量の大きい順にポリマー層
として生成するが、一部(非晶性成分或いは低分子量成
分)は溶液中に溶存することとなる。なお、この溶存樹
脂成分は冷却終了温度における溶出成分として扱う。
の状態で所定時間静置した後、分析を開始する。まず、
10℃で溶存している成分についてTREFカラムから
SECカラムへ試料を導入し、赤外検出器により分子量
及び分子量分布の測定を行う。その後も同様に温度を連
続的にまたは段階的に昇温し、担体表面に生成したポリ
マー層を順次溶出させてTREFカラムよりSECカラ
ムへの試料導入を繰り返し、各温度における赤外検出器
のピーク面積より溶出樹脂量を積算して溶解前のポリプ
ロピレン系樹脂全量に対する比率を計算し、組成分布
(結晶性分布)を測定する。
【0012】第1発明のストレッチ包装用フィルムは、
ポリプロピレン系樹脂からなる。他のオレフィン系樹脂
を用いた場合には、耐熱性や強度の点で充分な特性が得
られない。
【0013】上記ポリプロピレン系樹脂は、重量平均分
子量が8万以上50万以下である。好ましくは8万以上
45万以下であり、さらに好ましくは10万以上40万
以下である。重量平均分子量が8万未満の場合には、得
られるストレッチ包装用フィルムの伸展性や強度が充分
ではなく、50万を超える場合には、得られるストレッ
チ包装用フィルムの柔軟性が不充分である。
【0014】上記ポリプロピレン系樹脂は、クロス分別
法により測定した樹脂溶出量が、溶解前の全ポリプロピ
レン系樹脂に対して、10℃で20重量%以上80重量
%以下(冷却終了時点で溶存しているものが含まれる)
であり、好ましくは25重量%以上75重量%以下であ
る。樹脂溶出量が20重量%未満の場合には、得られる
ストレッチ包装用フィルムに柔軟性がなく、80重量%
を超える場合には、得られるストレッチ包装用フィルム
の強度が不充分である。
【0015】上記ポリプロピレン系樹脂は、クロス分別
法により測定した樹脂溶出量が、溶解前の全ポリプロピ
レン系樹脂に対して10℃から65℃で5重量%以上4
5重量%以下であり、好ましくは6重量%以上40重量
%以下である。樹脂溶出量が5重量%未満の場合には、
得られるストレッチ包装用フィルムに柔軟性がなく、4
5重量%を超える場合には、得られるストレッチ包装用
フィルムの変形回復性が不充分である。
【0016】上記ポリプロピレン系樹脂は、クロス分別
法により測定した樹脂溶出量が、全ポリプロピレン系樹
脂に対して65℃から90℃で1重量%以上18重量%
以下であり、好ましくは1重量%以上16重量%以下で
ある。樹脂溶出量が1%未満の場合には、得られるスト
レッチ包装用フィルムの変形回復性が不充分であり、1
8%を超える場合には、得られるストレッチ包装用フィ
ルムの強度が不充分である。
【0017】上記ポリプロピレン系樹脂は、クロス分別
法により測定した樹脂溶出量が、全ポリプロピレン系樹
脂に対して90℃から125℃で10重量%以上35重
量%以下であり、好ましくは12重量%以上32重量%
以下である。樹脂溶出量が10重量%未満の場合には、
得られるストレッチ包装用フィルムの強度が不充分であ
り、35重量%を越える場合には、得られるストレッチ
包装用フィルムの柔軟性が不充分である。
【0018】上記ポリプロピレン系樹脂は、例えば、以
下のようにして製造することができる。
【0019】まず、第1段階の重合において、チタン化
合物およびアルミニウム化合物の存在下、チタン含有ポ
リオレフィンを生成する。ここで得られるチタン含有ポ
リオレフィンは、プロピレン単独重合体、プロピレン−
エチレン共重合体、あるいはプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体である。上記α−オレフィンとしては、1−
ブテンが好適に用いられる。
【0020】次に、第2段階以降の重合において、上記
チタン化合物およびアルミニウム化合物の存在下、プロ
ピレンとエチレンを上記チタン含有ポリオレフィンと共
重合させ、またはプロピレンとα−オレフィンを上記チ
タン含有ポリオレフィンと共重合させる。このことによ
り、プロピレン−エチレン共重合体、またはプロピレン
−α−オレフィン共重合体が得られる。これらの共重合
体は、上記ポリプロピレン系樹脂として用いることがで
きる。
【0021】上記製造方法としては、従来、いくつかの
方法が提案されている。例えば、特開平4−22480
9号公報では、上記チタン化合物として、三塩化チタン
と塩化マグネシウムとを共粉砕し、オルトチタン酸n−
ブチル、2−エチル−1−ヘキサノール、p−トルイル
酸エチル、四塩化ケイ素、フタル酸ジイソブチル等で処
理することにより得られる、球状で平均粒子径15μm
の固体Ti触媒を用い、上記アルミニウム化合物とし
て、トリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム
を用いて重合を行っている。この際、電子供与体として
ケイ素化合物、特にジフェニルジメトキシシランを添加
し、ヨウ素化合物としてヨウ素化エチルを添加して、得
られる重合体の特性を良好なものとしている。この製造
方法の最大の特徴は、重合が1段階で終了するのではな
く、2段階以上の多段階からなることである。重合を多
段階にすることにより、重合時に複数の種類のポリマー
を続けて調製することが可能となって、分子レベルでの
ブレンドを行うことができる。よって、通常のポリマー
ブレンドとは全く異なるブレンドタイプの共重合体を得
ることができる。さらに、このような多段階重合を利用
することにより、通常の押出機等によるブレンドでは樹
脂粘度の点から不可能なブレンド化合物を作ることも可
能になる。
【0022】上述のような製造方法として、例えば、特
開平4−96912号公報、4−96907号公報、3
−174410号公報、2−170803号公報、2−
170802号公報、特開61−42553号公報、特
開平3−205439号公報にも同様のものが挙げられ
ている。
【0023】また、特開平3−97747号公報には、
チタン化合物として、塩化マグネシウムおよびアルコー
ルの付加物を、四塩化チタンおよび電子供与体で処理し
たものが用いられている。
【0024】第1発明のストレッチ包装用フィルムに用
いられるポリオレフィン系樹脂は、上述のいずれの方法
を用いて製造しても得ることができる。以上のような製
造方法により得られる樹脂としては、例えば、徳山曹達
社により検討されている「PER」やハイモント社より
市販されている「キャタロイ」が挙げられる。
【0025】第1発明のストレッチ包装用フィルムの厚
みは、6μm以上50μm以下であるのが好ましく、さ
らに好ましくは8μm以上40μm以下である。厚みが
上記範囲を外れる場合には、得られるストレッチ包装用
フィルムの変形回復率が不充分になるおそれがある。
【0026】第2発明のストレッチ包装用フィルムは、
ポリプロピレン系樹脂からなる中央層の両面に、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン−α
−オレフィン共重合体樹脂およびエチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂の内少なくとも1種からなる表面層が積層
されてなる。
【0027】上記ポリプロピレン系樹脂としては、第1
発明のストレッチ包装用フィルムで記載したものを用い
ることができる。
【0028】上記プロピレン−エチレンランダム共重合
体樹脂、プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂およ
びエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、従来か
らストレッチ包装用フィルムに用いられているものを用
いることができる。
【0029】上記プロピレン−エチレンランダム共重合
体樹脂において、エチレン含有量は0.5重量%以上1
0重量%以下であるのが好ましい。エチレン含有量が上
記範囲を外れる場合には、得られるストレッチ包装用フ
ィルムの伸展性や柔軟性が不充分になるおそれがある。
また、メルトフローレートは0.1〜5g/10分であ
るのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜4g/10
分である。メルトフローレートが0.1g/10分未満
の場合には、得られるストレッチ包装用フィルムの伸度
が小さくなるおそれがあり、メルトフローレートが5g
/10分を超える場合には、得られるストレッチ包装用
フィルムの破断強度が伸度が小さくなるおそれがあり、
いずれの場合も伸展性が不充分になる。
【0030】上記プロピレン−α−オレフイン共重合体
樹脂において、α−オレフィンとしては、例えば、1−
ブテン等が好適に用いられる。この共重合体中のα−オ
レフィン含有量は0.5重量%以上35重量%以下であ
るのが好ましい。α−オレフィン含有量が上記範囲を外
れる場合には、得られるストレッチ包装用フィルムの伸
展性や柔軟性が不充分になるおそれがある。また、メル
トフローレートは0.1〜5g/10分であるのが好ま
しく、さらに好ましくは0.5〜4g/10分である。
メルトフローレートが0.1g/10分未満の場合に
は、得られるストレッチ包装用フィルムの伸度が小さく
なるおそれがあり、メルトフローレートが5g/10分
を超える場合には、得られるストレッチ包装用フィルム
の破断強度が伸度が小さくなるおそれがあり、いずれの
場合も伸展性が不充分になる。
【0031】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に
おいて、酢酸ビニル含有量は3重量%以上30重量%以
下であるのが好ましく、さらに好ましくは5重量%以上
25重量%以下である。酢酸ビニル含有量が上記範囲を
外れる場合には、得られるストレッチフィルムの柔軟性
や自己粘着性が不充分になるおそれがある。また、メル
トフローレートは0.1〜5g/10分であるのが好ま
しく、さらに好ましくは0.5〜4g/10分である。
メルトフローレートが0.1g/10分未満の場合に
は、得られるストレッチ包装用フィルムの伸度が小さく
なるおそれがあり、メルトフローレートが5g/10分
を超える場合には、得られるストレッチ包装用フィルム
の破断強度が伸度が小さくなるおそれがあり、いずれの
場合も伸展性が不充分になる。
【0032】ストレッチ包装用フィルムに自己粘着性、
防曇性、帯電防止性等を付与するために、上記エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂には、脂肪族アルコールや脂
肪族アルコール系脂肪酸エステルが配合されてもよい。
上記脂肪族アルコール系脂肪酸エステルとしては、例え
ば、モノグリセリンオレエート、ポリグリセリンオレエ
ート、グリセリントリリシノレート、グリセリンアセチ
ルリシノレート、メチルアセチルリシノレート、エチル
アセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、
プロピレングルコールオレエート、プロピレングルコー
ルラウレート、ペンタエリスリトールオレエート、ポリ
エチレングリコールオレエート、ポリプロピレングリコ
ールオレエート、ポリオキシエチレングリセリン、ポリ
オキシプロピレングリセリン、ポリオキシプロピレング
リセリン、ソルビタンオレエート、ソルビタンラウレー
ト、ポリエチレングリコールソルビタンオレエート、ポ
リエチレングリコールソルビタンラウレート等;ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリ
アルキレンエーテルポリオール等が挙げられる。
【0033】第2発明のストレッチ包装用フィルムの厚
みは6μm以上50μm以下であるのが好ましく、さら
に好ましくは8μm以上40μm以下である。上記ポリ
プロピレン系樹脂からなる中央層の厚みは2μm以上3
0μm以下であるのが好ましく、さらに好ましくは2μ
m以上20μm以下である。上記共重合体樹脂からなる
表面層の厚みは、各々2μm以上10μm以下であるの
が好ましく、さらに好ましくは3μm以上10μm以下
である。厚みがこの範囲を外れる場合には、得られるス
トレッチ包装用フィルムの変形回復率が不充分となるお
それがある。
【0034】本発明のストレッチ包装用フィルムおよび
ストレッチフィルムは、従来公知の技術により製造する
ことができる。例えば、単数あるいは複数の押出機を用
いて、インフレーション成形またはTダイ成形による単
独押出、共押出または押出ラミネート等により製造する
ことができる。インフレーション成形により製造する場
合には、ブロー比は2から6程度とするのが好ましい。
【0035】上記のようにして得られる単層および複層
のストレッチ包装用フィルムは、変形回復性および自己
粘着性に優れ、かつ透明性、柔軟性および伸展性を兼ね
備えたものとなり、可塑化PVCを主成分とするストレ
ッチフィルムの代替品として充分な特性を有する。単層
のストレッチ包装用フィルムは、耐熱性に優れているの
で、他の樹脂との積層も可能である。
【0036】このような効果をもたらした理由は明確で
はないが、次のように推定される。本発明で使用するポ
リプロピレン系樹脂は、その重合中に、ポリプロピレン
にエチレン−プロピレン共重合体等に代表される非晶性
ポリマーが多量に導入されて、アロイ状になっていると
考えられる。重合中に、非常に活性が高く、寿命が長い
チタン系触媒を使用することにより、この種の樹脂の製
造が可能となっている。このような重合により得られる
ポリマー中には、分子構造の異なる共重合体がいくつか
存在する。このため、ポリプロピレン等の通常樹脂部と
共重合体部とのアロイにおいて、特徴あるモルフォロジ
ーが発現していると考えられる。この結果、樹脂中に架
橋を含まないにもかかわらわず、可塑化PVCに非常に
近い物性を発揮すると考えられる。
【0037】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】(実施例1) 分子量20万、クロス分別法により測定した樹脂溶出量
が10℃で35.1重量%、10℃〜65℃で36.6
重量%、65℃〜90℃で12.4重量%、90℃〜1
25℃で15.9重量%であるポリプロピレン系樹脂
(徳山曹達社製「PER ST−7」)を、口径50m
mの押し出し機により180℃で溶融混練し、環状ダイ
スに供給してダイス温度190℃、ブロー比2.8でイ
ンフレーション成形することにより、厚み22μmのス
トレッチ包装用フィルムを作製した。
【0039】(実施例2)実施例1と同じポリプロピレ
ン系樹脂を、口径50mmの押し出し機により180℃
で溶融混練した。一方、酢酸ビニル含有量が18重量
%、メルトフロレートが2.5g/minであるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂(酢酸ビニル含量15重量
%)を、口径40mmの押し出し機により160℃で溶
融混練した。両者を一台の環状3層ダイスに供給して、
ポリプロピレン系樹脂からなる厚み19μmの中央層
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる厚み各
3μmの両表面層とを積層し、ストレッチフィルムを作
製した。
【0040】(実施例3) 分子量19万、クロス分別法により測定した樹脂溶出量
が、10℃で67.1重量%、10℃〜65℃で8.3
重量%、65℃〜90℃で2.9重量%、90℃〜12
5℃で21.7重量%であるポリプロピレン系樹脂(徳
山曹達社製「PER SL」)を用いた以外は、実施例
1と同様にしてストレッチ包装用フィルムを作製した。
【0041】(実施例4) 分子量35万、クロス分別法により測定した樹脂溶出量
が、10℃で53.6重量%、10℃〜65℃で13.
9重量%、65℃〜90℃で9.9重量%、90℃〜1
25℃で22.6重量%であるポリプロピレン系樹脂
(商品名ハイモント社製「キャタロイ KS−052
P」)を用い、口径50mmの押出機にて180℃で混
練した。一方、エチレン含量が6重量%、メルトフロレ
ートが2.0g/10minであるプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体樹脂を、口径40mmの押出機で1
85℃にて混練した。両者を一台の環状3層ダイスに供
給して、ポリプロピレン系樹脂からなる厚み19μmの
中央層と、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂
からなる厚み各3μmの両表面層とを積層し、ストレッ
チフィルムを作製した。
【0042】(比較例1) 分子量26万、クロス分別法により測定した樹脂溶出量
が、10℃で0重量%、10℃〜65℃で8.3重量
%、65℃〜90℃で50.7重量%、90℃〜125
で41.0重量%であるポリプロピレン系樹脂(チッソ
社製「FM821」)を用いた以外は、実施例1と同様
にしてストレッチ包装用フィルムを作製した。
【0043】(比較例2) 分子量45万、クロス分別法により測定した樹脂溶出量
が、10℃で0重量%、10℃〜65℃で3.7重量
%、65℃〜90℃で11.0重量%、90℃〜125
℃で85.3重量%であるポリプロピレン系樹脂(チッ
ソ社製「XK0235」)を用いた以外は、実施例1と
同様にしてストレッチ包装用フィルムを作製した。
【0044】実施例1〜3および比較例1、2で得られ
たフィルムについて、以下の評価を行った結果を表1に
示す。
【0045】(引張りテスト)JIS規格K6758に
基づいて、島津製作所オートグラフィを用い、室温でフ
ィルムの強度および伸度を測定した。
【0046】(包装時外観評価)フィルムを発砲ポリス
チレン製の容器上にかぶせて包装を行い、容器角による
フィルム破れおよびフィルムのしわについて、目視によ
り判定した。破れおよびしわの発生がない場合を○
(良)、破れまたはしわが発生した場合を×(不良)で
示す。
【0047】(透明性評価)フィルムの透明性につい
て、目視による判定を行った。透明性が良好なものを
○、不良なものを×で示す。
【0048】(変形回復率)フィルムを常温で200%
延伸して5分間放置後、その寸法回復率を測定し、%で
示した。
【0049】(自己粘着性)フィルムをプラスチック容
器に包装した後、そのフィルムの剥がれ具合を自己粘着
性を目視で評価した。剥がれが生じず、包装状態が良好
な場合を○、不良な場合を×で示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から、実施例1〜4のフィルムは、自
己粘着性および変形回復率に優れ、透明性、柔軟性およ
び伸展性も良好であることがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、特定の重量平均分子量を有し、特定温度にお
ける樹脂溶出量が特定の範囲内であるポリプロピレン系
樹脂を成形することにより、自己粘着性および変形回復
率に優れ、且つ透明性、柔軟性および伸展性も兼ね備え
た単層または複層のストレッチ包装用フィルムが得られ
る。このストレッチ包装用フィルムは可塑化PVC材料
を用いていないので、食品包装用として使用する上で問
題がなく、製造上の環境問題も生じない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 23:10 C08L 23:10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が8万以上50万以下で
    あり、クロス分別法により測定した樹脂溶出量が、10
    ℃で20重量%以上80重量%以下であり、10℃〜6
    5℃で5重量%以上45重量%以下であり、65℃〜9
    0℃で1重量%以上18重量%以下であり、90℃〜1
    25℃で10重量%以上35重量%以下であるポリプロ
    ピレン系樹脂からなるストレッチ包装用フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂からなる中央層の
    両面に、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、
    プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂およびエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる群から選択された
    少なくとも1種からなる表面層が、それぞれ積層されて
    なるストレッチフィルムであって、 該ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量が8万以上5
    0万以下であり、クロス分別法により測定した該ポリプ
    ロピレン系樹脂の樹脂溶出量が、10℃で20重量%以
    上80重量%以下であり、10℃〜65℃で5重量%以
    上45重量%以下であり、65℃〜90℃で1重量%以
    上18重量%以下であり、90℃〜125℃で10重量
    %以上35℃重量%以下であるストレッチ包装用フィル
    ム。
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